JP2010284880A - インク受容層形成用塗布液およびインク受容層付記録用シート - Google Patents

インク受容層形成用塗布液およびインク受容層付記録用シート Download PDF

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聡 吉田
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光章 熊沢
Ryota Sueyoshi
亮太 末吉
Akira Nakajima
昭 中島
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Abstract

【課題】染料インクおよび顔料インクの双方とも、定着性が高く改善されたインク受容層付記録用シートおよび当該シートを形成するために使用されるインク受容層形成用塗布液を提供する。
【解決手段】膨潤性樹脂からなるセル層を有するコアセル構造を有する膨潤性樹脂粒子、重合性不飽和モノマー類、ポリマー樹脂、架橋剤、無機微粒子および分散媒とからなり、全固形分濃度が1〜50重量%の範囲にあり、膨潤性樹脂粒子の濃度が固形分として0.05〜40重量%の範囲にあり、重合性不飽和モノマー類の濃度が固形分として0.01〜20重量%の範囲にあり、ポリマー樹脂の濃度が固形分として0.01〜10重量%の範囲にあり、架橋剤の濃度が固形分として0.001〜10重量%の範囲にあり、無機微粒子の濃度が固形分として0.01〜45重量%の範囲にあること(但し、合計が100
重量%を越えない)を特徴とするインク受容層形成用塗布液。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規インク受容層形成用塗布液および該塗布液を使用したインク受容層付記録用シートに関する。
詳しくは、インク受容層で使用される成分が互いに架橋して網目構造を有しているために染料インクおよび顔料インクの双方とも、定着性が高く改善されたインク受容層付記録用シートおよび当該シートを形成するために使用されるインク受容層形成用塗布液とに関する。
インクジェット記録方式には顔料もしくは染料インクの微小液滴を紙やPETフィルムなどの被記録媒体に噴霧して画像、文字などの記録を行う方法が採用され、産業用だけでなく家庭用としても急速に普及している。さらに多色インクジェット方式により記録される画像は、製版方式による多色印刷や、カラー写真方式による印画と比較して遜色のない記録を得ることも可能であり、作成部数が少ない場合には通常の多色印刷や印画によるよりも安価であることからフルカラー画像記録用等広く応用されつつある。そのため記録の高速化、高精細化、フルカラー化が可能で、耐光性、耐水性、耐殺傷性、ガスバリア性、定着等の記録特性の向上に対応するためにインクの吸収性、色再現性、彩度、写像性等に優れた記録媒体の開発が行われている。
インク受容層として、特開平7-232475号公報(特許文献1)にはアルミナ水和
物を用い、平均細孔半径が20〜200Åで、細孔径分布の半値幅が20〜150Åであるインク受容層が開示されている。特開平8-310115号公報(特許文献2)にはア
ルミナ水和物と水溶性ポリマーを含むインク受容層を有する被記録媒体において、該インク受容層がアニオンにより凝集したアルミナ水和物一次粒子の凝集構造体と水溶性ポリマーとからなるインク受容層が開示されている。特開平6−199034号公報(特許文献3)には、基材上に、2次凝集粒子直径が100〜160nmのベーマイトゾルから形成された平均細孔半径が30〜80Åのアルミナ水和物多孔質層を5〜40μmの厚さで有し、その上層に2次凝集粒子直径が300〜500nmのベーマイトゾルから形成された平均細孔半径が50〜100Åのアルミナ水和物多孔質層を1〜20μmの厚さで有する記録用シートが開示されている。
また、特開2004-255689号公報(特許文献4)には、支持体上に無機微粒子と親水性バ
インダーを含有する少なくとも2層のインク受容層を塗設したインクジェット用記録材料において、支持体に近いインク受容層Aが湿式法シリカを水性媒体中で平均二次粒子径500nm以下に粉砕した微粒子を主体に含有し、支持体から離れたインク受容層Bがアルミナ水和物微粉末を水性媒体中で無機酸を含まず有機酸により解膠したアルミナ水和物を主体に含有するインクジェット用記録材料が開示されている。
また、特開2002-240243号公報(特許文献5)には、多孔質皮膜をバインダーと無機微粒
子とで形成し、バインダーには、アクリル系樹脂またはウレタン系樹脂を使用し、無機微粒子にはシリカまたは酸化チタンを使用した記録用メディアが開示されている。
また、特開2006-088341号公報(特許文献6)には、特に水性顔料インクの吸収性、乾
燥性、発色性に優れた、インクジェット用記録シートとして、カチオン性アクリルシリコンエマルジョン系樹脂とカチオン性ウレタン系樹脂を含むものが提案されている。
さらに、特開平11-301098号公報(特許文献7)には、支持体上に吸水性樹脂微粒子
と疎水性バインダー樹脂とからなる吸水層と、カチオン変性アクリル共重合体をポリビニルアセタール樹脂とをエポキシ化合物で熱硬化させた樹脂からなるインク受容層がこの順に積層されているインクジェット記録媒体が開示されている。
特開平7-232475号公報 特開平8-310115号公報 特開平6-199034号公報 特開2004-255689号公報 特開2002-240243号公報 特開2006-088341号公報 特開平11-301098号公報
しかしながら、特許文献1〜5のような従来の無機微粒子をフィラーとして、樹脂をバインダー(以下、マトリックスということがある)として含むインク受容層は、以下の問題があった。
(1)屈折率の異なる無機微粒子フィラーとバインダーとがナノ細孔を形成しているために、光の散乱、回折、干渉により彩度、明度等が不充分となり、ヘーズが高くなる
(2)インクを吸収し、乾燥して染料が定着した後もナノ細孔の空壁が存在し、環境ガス等によって変色等する、すなわち、ガスバリアー性に劣る
(3)バインダー樹脂の架橋が不充分となるためかクラックが生じたり、基材との密着性が不充分となる
(4)染料、顔料の種類によっては定着性が問題となる
などの問題点があった。
例えば、アルミナ水和物粒子を用いた塗工層では、平均細孔径が10〜30オングストロームで狭い細孔径分布を有しているが、平均細孔径が小さいと染料の吸着性はよいがインクの溶媒の吸収性が不十分で滲みが発生する欠点がある。また顔料インクでは顔料を吸収、定着できないために顔料インクの印刷には不向きであった。
一般的にインク受容層に導入する粒子の粒子径を小さくするとインク受容層の透明性や平滑性などが向上する場合があるが、粒子が密に充填した場合は、大きな細孔が形成されず、耐擦傷性は高いがインク吸収性が悪くなるという欠点があった。一方、粒子径が大きいと細孔径は大きくなりインク吸収性は高くなるが、インク受容層の透明性、ヘイズ、平滑性、被記録媒体とインク受容層との密着性、インク需要層の強度、耐擦傷性等が悪化する欠点がある。
また、特許文献6の場合、膨潤性が不充分であるためにインクが浸透するに充分な細孔が形成されず、しかも弾性が低いために膨潤する際にクラックが発生する等の問題があった。
さらに、特許文献7は、プラスチックフィルム等の非吸水性の支持体上にインクを設けても、従来のインク受容層ではインク吸収性が不充分なため、支持体とインク受容層の間に吸水性樹脂微粒子と疎水性のバインダーとからなる吸水層を設けたものであり、インクのぬれ性、染色性を有し、特に透明性にも優れた記録媒体を提供するものである。しかし
ながら、本発明のように、インク受容層に特定の架橋構造を設けるという技術的思想とは明らかに相違している。
本発明者は、上記問題点に鑑み、鋭意検討した結果、インク受容層に分散させる粒子として、コア-セル構造を有する樹脂微粒子を使用し、かつ、マトリックスを構成する重合
性不飽和モノマー類、およびポリマー樹脂、架橋剤および無機微粒子を含む塗布液を使用し、インク受容層を形成することで、セル部の膨潤性樹脂と、マトリックスを構成する重合性不飽和モノマー類、およびポリマー樹脂とが架橋し、インクを塗布するとセル層の膨潤性樹脂が膨潤して、染料をインク受容層内部に浸透させて定着することができ、顔料はインク受容層表面に定着することができ、分散媒の蒸散とともに膨潤が解消して収縮し、その結果ウ定着性の高いインク受容層が形成できることを見出した。そして、インク受容層に分散させる粒子として、無機微粒子を含むことによってインクの吸収性、染料の定着性、耐擦傷性等も向上できることを見出した。そして、透明性、耐光性、耐水性、ガスバリア性に優れ、記録の高速化、高精細化、フルカラー化が可能で写像性等にも優れたインク受容層付記録用シートを提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1] 膨潤性樹脂からなるセル層を有するコアセル構造を有する膨潤性樹脂粒子、重合性
不飽和モノマー類、ポリマー樹脂、架橋剤、無機微粒子および分散媒とからなり、全固形分濃度が1〜50重量%の範囲にあり、
膨潤性樹脂粒子の濃度が固形分として0.05〜40重量%の範囲にあり、
重合性不飽和モノマー類の濃度が固形分として0.01〜20重量%の範囲にあり、
ポリマー樹脂の濃度が固形分として0.01〜10重量%の範囲にあり、
架橋剤の濃度が固形分として0.001〜10重量%の範囲にあり、
無機微粒子の濃度が固形分として0.01〜45重量%の範囲にあること
(但し、合計が100重量%を越えない)を特徴とするインク受容層形成用塗布液。
[2]前記膨潤性樹脂粒子の平均粒子径が20〜400nmの範囲にある[1]のインク受容層形成用塗布液。
[3]前記セル層を構成する膨潤性樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂から誘導されるポリマ
ー主鎖を含む[1]または[2]のインク受容層形成用塗布液。
[4]前記セル層を構成する膨潤性樹脂が、側鎖あるいは末端に、カルボキシル基、カルボ
ニル基、水酸基、アミノ基、ハロゲン基、ウレタン基、アルキル基、フェニル基、スルホン基、アルコキシル基、チオール基、およびシアノ基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を含む [1]〜[3]のインク受容層形成用塗布液。
[5]前記膨潤性樹脂粒子のコア部がアクリル系樹脂微粒子、ウレタン系樹脂微粒子、ビニ
ル系樹脂微粒子から選ばれる1種以上の樹脂からなる[1]〜[4]のインク受容層形成用塗布液。
[6](i)重合性不飽和モノマー類が、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、アミノ基、ハロゲン基、ウレタン基、アルキル基、フェニル基、スルホン基、アルコキシル基、ビニル基、チオール基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有する(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン樹脂、セルロース誘導体であり、
(ii)ポリマー樹脂が、アクリル系樹脂微粒子、ウレタン系樹脂微粒子、ポリビニルアルコール系樹脂微粒子、ビニル系樹脂微粒子、エチレン系樹脂微粒子、ポリスチレン系樹脂微粒子、エステル系樹脂微粒子、エポキシ系樹脂微粒子からなる群から選ばれる1種以上
である[1]〜[5]のインク受容層形成用塗布液。
[7]前記架橋剤がカルボジイミド化合物、シアノ化合物、メラミン化合物、オキソザリン
化合物、イソシアネート化合物から選ばれる一種以上である[1]〜[6]のインク受容層形成用塗布液。
[8]前記無機微粒子の平均粒子径が1〜300nmの範囲にある[1]〜[7]のインク受容層
付記録用シート。
[9]前記無機微粒子が、アルミナ水和物、シリカゾル、マグネシアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種である[1]〜[8]のインク受容層形成用塗布液。
[10]基材シートと、該基材シート上に形成されたインク受容層とからなり、
該インク受容層が、コアセル構造を有する膨潤性樹脂粒子、樹脂マトリックスおよび無機微粒子からなり、
膨潤性樹脂粒子のセル層が、膨潤性樹脂からなり、
セル層の膨潤性樹脂と、樹脂マトリックスが、架橋した網目構造を有するインク受容層付記録用シート。
[11]樹脂マトリックスが、(i)重合性不飽和モノマー類から誘導される重合体成分と、(ii)ポリマー樹脂とからなり、(iii)架橋剤によって、セル層の膨潤性樹脂とともに、架橋されてなる[10]のインク受容層付記録用シート。
[12]前記インク受容層が、前記[1]〜[9]の塗布液を基材シート上に塗布した後、乾燥・加熱して、得られたものである[10]または[11]のインク受容層付記録用シート。
本発明によれば、インク受容層中で、特定のコアセル構造を有する膨潤性樹脂微粒子が樹脂マトリックス成分と互いに架橋して網目構造を形成するため、且つ無機微粒子を含有しているために、インクを塗布すると受容層が膨潤して染料はインク受容層内部に浸透して定着することができ、顔料はインク受容層表面に定着することができる。特に、分散媒の蒸散とともに膨潤が解消して収縮するために、染料インクの定着性が高く、色落ちもしにくい。さらに、無機微粒子を含むことによってインクの吸収性、染料の定着性、耐擦傷性等に優れている。その結果、透明性、耐光性、耐水性、ガスバリア性に優れ、記録の高速化、高精細化、フルカラー化が可能で写像性等にも優れたインク受容層付記録用シートおよびインク受容層形成用塗布液を提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
[インク受容層形成用塗布液]
本発明にかかるインク受容層形成用塗布液は、
膨潤性樹脂からなるセル層を有するコアセル構造を有する膨潤性樹脂粒子、
重合性不飽和モノマー類、
ポリマー樹脂、
架橋剤、無機微粒子と分散媒とからなる。
膨潤性樹脂粒子
本発明に用いる膨潤性樹脂粒子は、セル層が膨潤性有機樹脂からなる。かかる膨潤性樹脂粒子は、後述する樹脂マトリックス成分と架橋して、インク受容層中で網目構造を形成する。
膨潤性樹脂粒子の平均粒子径は15〜500nm、好ましくは20〜400nmの範囲にある。かかる範囲にあれば、樹脂マトリックスと架橋して網目構造を形成する際に、所望の空孔を有する網目構造を形成できる。
なお、膨潤性樹脂粒子が小さいと、セル層の厚みが薄く充分な膨潤性が得られないことに加えて、網目構造の網目の大きさが小さいために染料の吸収、浸透が抑制される場合がある。
膨潤性樹脂粒子が大きすぎると、架橋するポリマー樹脂、重合性不飽和モノマー類の種
類、量比等によっても異なるが、網目構造の網目の大きさが大きくなりすぎ、膨潤と収縮による変化が大きくインク受容層にクラックが生じたり、ヘーズが発生する場合がある。
本発明において、膨潤性樹脂粒子の平均粒子径は動的光散乱法により測定することができる。動的光散乱法では、主に過剰な水分散媒中(アルコールが含まれる場合もあり)で試料を調製する。このため、膨潤性樹脂粒子は膨潤しており、平均粒子径は膨潤した粒子を測定することになる。
本発明で使用される膨潤性樹脂粒子は、コアも樹脂から構成される。
コアとしては、従来公知の樹脂を使用することができる。例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、スルホン系樹脂、セルロース誘導体等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
さらに(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(MS樹脂など)などが挙げられる。
これらの樹脂には、官能基を有することが好ましく、具体的には、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、アミノ基、ハロゲン基、ウレタン基、アルキル基、フェニル基、スルホン基、アルコキシル基、ビニル基など及びその誘導体の官能基などである。これらの官能基を有することによって、疎水性、溶解度パラメーターを調整し、所望のコア微粒子を調製できる。なお、これらの官能基は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明では、コアとしてアクリル系樹脂微粒子、ウレタン系樹脂微粒子、ビニル系樹脂微粒子が好適に用いられる。これらのコア粒子は、コアセル構造を有する所望の膨潤性樹脂粒子を調製することが容易であり、また、後述する無機微粒子として常用されるアルミナ微粒子、シリカ微粒子等と屈折率が近接しており、このため光の散乱が抑制され、透明性、ヘーズ等に優れたインク受容層を得ることができる。
コアを構成する樹脂微粒子の平均粒子径は10〜150nm、さらには15〜100nmの範囲にあることが好ましい。この粒子径範囲であれば、膨潤性樹脂粒子の調製が容易であり、得られる膨潤性樹脂粒子はインク受容層形成用塗料中で均一に分散し、インク受容層に所望の染料定着性等に有効な網目構造の形成に有効である。
セル層は、上記コア部樹脂微粒子の表面に結合(グラフト)した膨潤性有機樹脂からなる。セル層では、膨潤性樹脂が分散媒中には髭のように伸びた状態で存在し、乾燥すると収縮する。
かかるセル層を構成する膨潤性有機樹脂は、主鎖が(メタ)アクリル系樹脂からなることが好ましく、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−ウレタン共重合体等からなるものが挙げられる。
前記セル層を構成する膨潤性有機樹脂は、官能基を有することが好ましく、具体的には、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、アミノ基、ハロゲン基、ウレタン基、アルキル基、フェニル基、スルホン基、アルコキシル基、チオール基、およびシアノ基からなる群から選ばれる1種以上の官能基及びその誘導体などが挙げられる。このような官能基を導入することによって、疎水性、溶解度パラメーターを調整し上記記載のコア部分に好適なセル層を形成することができる。また二重結合を有するカルボキシル基、カルボニル基などは、受容層形成後の架橋度を上げることが可能である。これらの官能基は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
このような官能基は、主鎖に側鎖として結合していてもよく、末端に結合していてもよい。
潤滑性有機樹脂として、具体的には、上記潤滑性有機樹脂の主鎖となる重合性2重結合を有する成分と、前記官能基または官能基を有する基が側鎖に結合した化合物の重合体が使用される。また、上記潤滑性有機樹脂の主鎖を構成するモノマーまたはポリマーと前記官能基を有する化合物とを共重合ないし重縮合物であってもよい。
潤滑性有機樹脂が単独モノマーの重合体の場合、官能基は、1モノマーに、1個以上の二重結合とともに、1個以上の官能基化合物を有すればよい。また、主鎖と側鎖の化合物
をそれぞれ使用する場合は、主鎖の化合物から誘導される構成単位1モルに対し、該側鎖
を構成する化合物から誘導される成単位が100〜1000モル%、好ましくは、100〜400モル
%の範囲で含まれることが望ましい。
前記官能基を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどが挙げられる。
このような官能基量があれば、後述する樹脂マトリックスの形成成分と架橋を形成しやすくなる。また、膨潤性樹脂の膨潤性も高くなる。
このようなセル層を構成する膨潤性有機樹脂は、重量平均分子量が概ね5000〜20000の範囲にあることが好ましい。
塗布液中で膨潤性樹脂粒子は、セル層を膨潤して分散しているが、インク受容層中では樹脂マトリックスと互いに架橋して網目構造を形成しておいる。また、イン塗布時には、インク分散媒によって膨潤し、分散媒の蒸散によって膨潤性がなくなり収縮している。
また、セル層の厚みは2.5〜150nm、さらには5〜100nmが好ましい。
セル層の厚みが前記範囲にあると、インクの吸収、乾燥に伴うクラックの発生、ヘイズの発生のない強靭でフレキシビリティのあるインク受容層造を形成することができる。
セル層の厚みが薄いと、充分な膨潤性が得られないことに加えて、網目構造の網目の大きさが小さいために染料の吸収、浸透が抑制される場合がある。セル層の厚みが厚いと、網目構造の網目の大きさが大きくなりすぎ、膨潤と収縮による変化が大きくインク受容層にクラックが生じたり、ヘーズが発生する場合がある。
本発明において、コア粒子の平均粒子径は動的光散乱法により測定することができ、セル層は、粒子全体からコア粒子分を減じたものから算出される。
膨潤性樹脂粒子は、インク受容層形成用塗布液中では、セル層を構成する膨潤性樹脂の
主鎖の間に分散媒、溶媒を吸蔵して膨潤している。インク受容層中では乾燥して溶媒が無くなるとともに収縮する。このため、インクを塗布するとインク受容層が膨潤して染料はインク受容層内部に浸透して定着することができる。顔料はインク受容層表面に定着される(一部はセル層に到達することもある)。分散媒の蒸散とともに膨潤状態が解消して収縮し、結果として、インク受容層に吸収されたインクは、収縮した網目構造でインク受容層内に強く押し付けられた状態となると考えられる。
このようなコアセル構造を有する膨潤性樹脂粒子の製造方法は、TECHNO-COSMOS 2005 Mar.VoL.18に記載された方法に準じて製造することができる。
例えば、
(1)高分子乳化剤法:
水溶性高分子樹脂(乳化剤)を用いてアクリルモノマーのプレエマルジョン溶液を作成する。この水溶性高分子樹脂が、セル層に相当する。それを重合開始剤とともに水媒体中に滴下し、アクリルモノマーを重合させることにより、コアがアクリルポリマーで、セル層が乳化剤である水溶性高分子樹脂からなる膨潤性樹脂粒子(エマルジョン樹脂)が得られる。
(2)二段乳化重合法:
まず、セル層となる水溶化可能なカルボン酸を含有する親水性エマルジョン樹脂を合成する。カルボン酸を含有する親水性エマルジョン樹脂とは2−ヒドロキシエチルコハク酸、メタクリル酸などを縮合重合させたものである。
具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体などのアニオン型反応性乳化剤を用いて作成したアクリルモノマーのプレエマルジョン溶液を重合開始剤とともに、水媒体中に滴下、重合反応させることによりセル層を構成するカルボン酸を含有する親水性エマルジョン樹脂を得る。この時のエマルジョン樹脂の数平均分子量は概ね5000〜20000である。
次に、得られたカルボン酸を含有する親水性エマルジョン樹脂を重合場として、アクリルモノマー混合物を、乳化剤を用いずモノマー油滴として滴下し、疎水性コア部を重合させたコアセル型エマルジョン樹脂を得る。
得られたアクリル重合体をコア粒子とし、カルボン酸を含有する親水性エマルジョン樹脂をセルとするコアセル粒子を、アミンで中和し、セル層を水溶化することにより、疎水性コア部を水溶性樹脂(セル層)が内包する膨潤性樹脂粒子を得る。
上記方法では、セル層に相当するエマルションを作製し、次いでコア粒子を構成するモノマー混合物とpH調整剤とを添加し、ここで重合反応を行うことにより、コアを作製する。これにより、コアセル構造の膨潤性粒子が得られる。
コア粒子は、コアを構成する共重合体を形成するためのモノマー混合物が成長することで形成されるが、pH調整剤の添加によって成長が制御される。
(3)別法
まずコアを形成するアクリル系樹脂、例えばペンタエリスリトールテトラアクリレートなどとアルコールを高速攪拌し球状コア粒子を得る。次いで親水性の高い例えば水酸基含有2−ヒドロキシエチルアクリレートとセル層調製用重合開始剤やアクリル系界面活性剤
・アニオン性反応性乳化剤を添加しpHを中性付近に調製し攪拌することでコアセル構造の膨潤性微粒子を得ることができる。
このようなコアセル構造を有する膨潤性樹脂粒子が膨潤性を示すメカニズムについては、例えば、官能基としてカルボキシル基を有する有機鎖が結合したコアセル粒子水分散液において、セルのカルボキシル基がイオン化し、カルボキシルイオン間の静電反発がセルの疎水基とセルやコア表面に存在する疎水基との疎水結合に打ち勝つことによって膨潤すると考えられている。(参照:豊田中央研究所 R&Dレビュー VoL.30.NO.2(1995.6)
同様に他の親水性基についても同じことが推論可能である。
重合性不飽和モノマー類
塗布液中には、重合性不飽和モノマー類が含まれる。
(i)重合性不飽和モノマーとしては、前記膨潤性樹脂粒子、後述するポリマー樹脂と架
橋できれば特に制限はなく従来公知の結合性の二重結合を有するモノマーを用いることができる。
具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)などが例示できる。これらの重合性不飽和モノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体、(メタ)アクリル系単量体と共重合性単量体との共重合体などが使用できる。(メタ)アクリル系単量体には、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロニトリルN,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルビニルベンジルアミン、などが例示できる。共重合性単量体には、前記スチレン系単量体、ビニルエステル系単量体、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸などが例示できる。これらの単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
有機酸ビニルエステル系樹脂としては、ビニルエステル系単量体の単独又は共重合体(ポリ酢酸ビニル、ポリプロピオン酸ビニルなど)、ビニルエステル系単量体と共重合性単量体との共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)又はそれらの誘導体が挙げられる。ビニルエステル系樹脂の誘導体には、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアセタール樹脂などが含まれる。
ビニルエーテル系樹脂としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルt−ブチルエーテルなどのビニルアルキルエーテルの単独又は共重合体、ビニルアルキルエーテルと共重合性単量体との共重合体(ビニルアルキルエ
ーテル−無水マレイン酸共重合体など)が挙げられる。
ハロゲン含有樹脂としては、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
これらの樹脂には、不飽和二重結合以外に、官能基を有することが可能であり、具体的には、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、アミノ基、ハロゲン基、ウレタン基、アルキル基、フェニル基、スルホン基、アルコキシル基、ビニル基、チオール基などである。特にカルボキシル基、カルボニル基などは、受容層形成後の架橋度を上げることが可能であり好適である。これらの官能基は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
かかる重合性不飽和モノマー類は、インク受容層形成時に、膨潤性樹脂粒子、およびポリマー樹脂とともに、網目構造を構成する。重合性不飽和モノマー類は、反応性が高く、網目構造の形成にも関与するとともに架橋密度を上げることができる。そのため受容層中の無機微粒子や膨潤性微粒子の保持力を高める機能を示す。
ポリマー樹脂
本発明では、さらに塗布液は、ポリマー樹脂を含んでいる。
このポリマー樹脂と、前記重合性不飽和モノマーとが、インク受容層中で樹脂マトリックスを構成する。
ポリマー樹脂としては、前記膨潤性樹脂粒子、樹脂モノマーと架橋できれば特に制限はなく従来公知のものを用いることができる。
本発明に用いる樹脂ポリマーは粒状(ポリマー樹脂)であり、その平均粒子径は1〜100nm、さらには10〜10nmの範囲にあることが好ましい。このようなポリマー樹脂は、架橋する際に網目構造中の空孔形成に関与し、これにより、染料インク、顔料インクの吸収性、定着性を高めることが可能となる。
ポリマー樹脂として、例えば、アクリル系樹脂微粒子、ウレタン系樹脂微粒子、ポリビニルアルコール系樹脂微粒子、ビニル系樹脂微粒子、エチレン系樹脂微粒子、ポリスチレン系樹脂微粒子、エステル系樹脂微粒子、エポキシ系樹脂微粒子等のポリマーが挙げられる。
なかでも、アクリル系樹脂微粒子は膨潤性樹脂粒子、樹脂モノマーとの架橋性に優れ網目構造の形成性に優れ、また、無機微粒子として常用されるアルミナ微粒子、シリカ微粒子等と屈折率が近接しており、これらの無機微粒子が含まれている場合に、光の散乱が抑制され、透明性、ヘーズ等に優れたインク受容層を得ることができる。
ポリマー樹脂は、インク受容層中の網目構造の1構成成分であるとともに、膨潤性樹脂粒子が、膨潤-収縮した際に発生する残留応力の緩和機能および基材と受容層との密着性
の向上機能を有している。
ポリマー樹脂の平均粒子径が小さすぎると、膨潤性樹脂粒子、無機微粒子等の含有量によっても異なるが、インク受容層自体が緻密化して空孔の形成が少なく、膨潤性樹脂粒子、無機微粒子を用いる効果が得られず、インクの吸収性、染料の定着性等が不充分となる場合がある。ポリマー樹脂の平均粒子径が大きすぎると、架橋性(他の成分との結合性)が低下し、所望の網目構造を有するインク受容層が得られない場合がある。
架橋剤
本発明では、塗布液中に、架橋剤が含まれる。架橋剤は、インク受容層中では、膨潤性樹脂粒子と、(i)重合性不飽和モノマー類の重合物と、(ii)ポリマー樹脂とを架橋して、
網目構造を構成する。また、無機微粒子もこの架橋に関与する場合もある。無機微粒子も架橋されるとインク受容層の強度が向上する場合がある。
架橋剤としては、特に制限はなく従来公知の架橋剤を用いることができる。
具体的にはカルボジイミド化合物(カルボジイミド基を有する化合物)、ポリカルボジイミド化合物:分子量数千)、シアン化合物、メラミン化合物、オキサゾリン化合物(オキサゾリン基を有する化合物)、イソシアネート化合物(−N=C=Oを部分構造として有する化合物)から選ばれる一種以上であることが好ましい。
カルボジイミド化合物としては、カルボジライトV-01、V-02(日清紡(株)製)等があり、オキサゾリン化合物としては、エポクロス(日本触媒(株)製)等がある。
無機微粒子
無機微粒子としては、従来公知の無機微粒子、好ましくは金属酸化物微粒子、金属水酸化物微粒子を用いることができる。
具体的には、MgO、TiO2、SiO2、ZrO2、Al23、Sb25、ZnO、およびこれらの水酸化物(水和物)あるいはこれらの複合酸化物微粒子等が挙げられる。
なかでも、アルミナ水和物、シリカゾル、マグネシア等の親水性の高い無機微粒子は顔料インクの定着性、染料インクの吸収性に優れているので好適に用いることができる。
無機微粒子の平均粒子径は1〜300nm、さらには2〜200nmの範囲にあることが好ましい。この範囲にあれば、インク受容層内で、無機微粒子が均一に分散できる上に、インク受容層の強度が高く、クラックなどの発生が抑制される。
無機微粒子の平均粒子径が小さいと、無機微粒子同士が凝集する場合があり、さらに、膨潤性樹脂粒子、樹脂マトリックス成分の含有量によっても異なるが、空孔の形成が少なく、インクの吸収性、染料の定着性等が不充分となる場合があり、大きすぎても他の樹脂成分との架橋(結合)が不充分となり、インク受容層の強度の低下、クラックの発生原因となる場合があり、さらにインクの吸収特性が不充分となる場合がある。
なお、無機微粒子と樹脂は通常、架橋(結合)しないが、特定の官能基を有する樹脂と、官能基と結合する表面処理剤等で処理した無機微粒子の場合、あるいは無機微粒子にラジカルを生成させ、重合させた場合など、架橋(結合)することもある。
分散媒
本発明に用いる分散媒としては前記膨潤性樹脂粒子、樹脂マトリックス成分(重合性不飽和モノマー類およびポリマー樹脂)、架橋剤、および無機微粒子を分散することができれば特に制限はなく、従来公知の溶媒を用いることができる。
具体的には、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルなどのエステル
類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、トルエン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用することもできる。また、必要に応じて消泡剤やレベリング剤を添加してもよい。
塗布液組成
本発明に係るインク受容層形成用塗布液は、コアセル構造を有する膨潤性樹脂粒子と重合性不飽和モノマー類、およびポリマー樹脂、架橋剤および無機微粒子と分散媒とからなり、全固形分濃度が1〜50重量%の範囲にあり、膨潤性樹脂粒子の濃度が固形分として0.05〜40重量%の範囲にあり、重合性不飽和モノマー類の濃度が固形分として0.01〜20重量%の範囲にあり、ポリマー樹脂の濃度が固形分として0.01〜10重量%の範囲にあり、架橋剤の濃度が固形分として0.001〜10重量%の範囲にあり、無機微粒子の濃度が固形分として0.01〜45重量%の範囲にあること(但し、合計が1
00重量%を越えない)を特徴としている。
コアセル構造を有する膨潤性樹脂粒子は通常の乾燥時には収縮しているが塗布液中では膨潤している。また、塗布液中では、前記したセル層において、膨潤性有機樹脂の官能基が相互に静電反発するとともに有機主鎖間に溶媒を吸蔵して膨潤している。
重合性不飽和モノマー類、およびポリマー樹脂は、塗布液中では、通常、架橋していないが、部分架橋していてもよい。
これらの各成分の濃度は、前記した割合でインク受容層中に含まれ、かつ塗布に適切な粘度となるように塗布液中で調整される。
インク受容層形成用塗布液の全固形分濃度は1〜50重量%、さらには2〜38重量%の範囲にあることが好ましい。全固形分濃度が低すぎると、一回の塗布では所定の膜厚が得られないことがあり、このため塗布、乾燥を繰り返す必要があり、経済性において不利である場合がある。また全固形分濃度が高すぎても、得られる受容層の厚さが不均一になる傾向がある。
インク受容層形成用塗布液中の膨潤性樹脂粒子の濃度は、得られるインク受容層中の膨潤性樹脂粒子の含有量が前記した範囲となるように用いるが、概ね、固形分として0.05〜40重量%、さらには0.1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
インク受容層形成用塗布液中の膨潤性樹脂粒子が少ないと、インク吸収性が不充分となる場合がある。膨潤性樹脂粒子が多すぎても、得られるインク受容層中の膨潤性樹脂粒子が多すぎるためにインクの吸収、乾燥に伴いクラックが発生する場合があり、また他の成分の量にもよるが塗布液を形成できない場合もある。
インク受容層形成用塗布液中の重合性不飽和モノマー類の濃度は、得られるインク受容層中の樹脂モノマーの含有量が前記した範囲となるように用いるが、概ね、固形分として0.01〜20重量%、さらには0.02〜15重量%の範囲にあることが好ましい。
重合性不飽和モノマー類が少ないと、架橋開始が遅くなるとともに架橋開始点が少なく、網目構造の形成が不充分となり、網目構造に起因する本願効果が得られない場合がある。重合性不飽和モノマー類が多すぎると、モノマー相互の架橋が主となり、膨潤性樹脂粒子、後述する樹脂ポリマーとの架橋が不充分となり、このため網目構造の形成が不充分となり、網目構造に起因する本願効果が得られない場合がある。
インク受容層形成用塗布液中のポリマー樹脂の濃度は、得られるインク受容層中のポリマー樹脂の含有量が前記した範囲となるように用いるが、概ね、固形分として0.01〜10重量%、さらには0.02〜7.5重量%の範囲にあることが好ましい。
ポリマー樹脂が少ないと、架橋性が不充分となり所望の網目構造を有するインク受容層が得られない場合があり、得られたとしてもクラックが発生する場合がある。ポリマー樹脂が多すぎても、膨潤性樹脂粒子、無機微粒子の含有量が少なくなるとともにインク受容層が緻密化するためにインクの吸収特性が低下する場合がある。
架橋剤の濃度は、膨潤性樹脂粒子の種類、粒子径、濃度および樹脂マトリックス成分(重合性不飽和モノマー類およびポリマー樹脂)の使用量等によっても異なるが、固形分として0.001〜10重量%、さらには0.002〜7.5重量%の範囲にあることが好ましい。
架橋剤が少ないと、膨潤性樹脂粒子、樹脂マトリックス成分(重合性不飽和モノマー類およびポリマー樹脂)の相互架橋が不十分になるために網目構造の形成が不充分になり、インク吸収性が不充分になったり、インクの吸収時あるいは乾燥時にインク受容層にクラックが発生する場合がある。架橋剤をさらに多くしても相互架橋が増進することもなく、インクの吸収性が低下する場合がある。
インク受容層形成用塗布液中の無機微粒子の濃度は、固形分として0.01〜45重量%、さらには0.02〜34重量%の範囲にあることが好ましい。無機微粒子が少なすぎると、得られるインク受容層の疎水性が強くなり、水性インクの吸収特性が不充分となる場合がある。また、無機微粒子が多すぎると、得られるインク受容層のヘーズが悪化する場合がある。
膨潤性樹脂粒子100重量部に対し、重合性不飽和モノマー類の量は10〜200重量部、
好ましくは20〜100重量部の範囲にあることが望ましい。
膨潤性樹脂粒子100重量部に対し、ポリマー樹脂含有量は5〜150重量部、好ましくは10〜100重量部の範囲にあることが望ましい。
重合性不飽和モノマー類100重量部に対し、ポリマー樹脂含有量は5〜200重量部、好ましくは10〜100重量部の範囲にあることが望ましい。
また、架橋剤は、重合性不飽和モノマー類100重量部に対し、1〜100重量部、好ましくは2〜80重量部の範囲にあることが望ましい。
膨潤性樹脂粒子100重量部に対し、無機微粒子の量は10〜500重量部、好ましくは20
〜400重量部の範囲にあることが望ましい。
このようなインク受容層形成用塗布液は、上記各成分を公知の方法で混合することによって、調製することが可能である。
上記したインク受容層形成用塗布液をバーコート法、ブレードコート方式、エアーナイ
フ方式、ロールコート方式、ブラッシュコート方式、グラビアコート方式、スリットコート方式、キスコート方式、エクストルージョン方式、スライドホッパー(スライドビード)方式、カーテンコート方式、ダムコート方式、スプレー方式等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、必要に応じて加熱処理することによってインク受容層を形成することができる。
本発明では、バーコート法、スリットコート方式、グラビアコート方式、カーテンコート方式、ダムコート方式が推奨される。
乾燥方法としても従来公知の方法を採用することができ、概ね、30〜120℃で0.1〜2時間乾燥する。
なお、本発明では、乾燥時に、乾燥とともに塗布液に用いた架橋剤により樹脂が架橋、硬化する。硬化が不充分な場合は、ついで、加熱処理してもよい。インク受容層形成時には、全てが架橋するわけではなく、一部が架橋し、印字にもさらに架橋は進む。
加熱処理は、乾燥温度より高温、概ね50〜150℃で0.1〜2時間加熱処理する。
これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用することもできる。また、必要に応じて消泡剤やレベリング剤を添加してもよい。
上記したインク受容層形成用塗布液をバーコート法、ブレードコート方式、エアーナイフ方式、ロールコート方式、ブラッシュコート方式、グラビアコート方式、スリットコート方式、キスコート方式、エクストルージョン方式、スライドホッパー(スライドビード)方式、カーテンコート方式、ダムコート方式、スプレー方式等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、必要に応じて加熱処理することによってインク受容層を形成することができる。
本発明では、バーコート法、スリットコート方式、グラビアコート方式、カーテンコート方式、ダムコート方式が推奨される。
乾燥方法としても従来公知の方法を採用することができ、概ね、30〜120℃で0.1〜2時間乾燥する。
なお、本発明では、乾燥時に、乾燥とともに塗布液に用いた架橋剤により樹脂が架橋、硬化する。硬化が不充分な場合は、ついで、加熱処理する。
加熱処理は、乾燥温度より高温、概ね50〜150℃で0.1〜2時間加熱処理する。
このようにして得られるインク受容層は、網目構造を有し、且つ、膨潤性を有し、インクの吸収性、染料、顔料の定着性等に優れ、耐光性、耐水性、耐殺傷性、ガスバリア性等に優れたインク受容層を得ることができる。
[インク受容層付記録用シート]
本発明のインク受容層付記録用シートは、基材シートと、該基材シート上に形成されたインク受容層とからなる。
基材シート
本発明に用いる基材シートとしては、従来公知のものを特に制限なく使用することが可能であり、適度のサイジングを施した紙、無サイズ紙、レジンコート紙、ガラス、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロポリオレフィン、ノルボルネン等のプラスチッ
クシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等、ポリエステル繊維、シリコン基板、金属等があげられる。中でも紙、樹脂系基材を好適に用いることができる。また、このような基材上に、他の被膜が形成された被膜付基材を用いこともできる。他の被膜としては従来公知のプライマー膜、ハードコート膜、マット層膜が挙げられる。
インク受容層
インク受容層は、コアセル構造を有する膨潤性樹脂粒子、樹脂マトリックス、無機微粒子とからなる。
インク受容層は、重合成不飽和モノマーとポリマー樹脂とからなる樹脂マトリックスと膨潤性微粒子及び無機微粒子とから構成される。受容層の細孔は、主に無機微粒子と膨潤性微粒子の存在によるものであり、マトリックス成分と膨潤性樹脂のセル層が架橋剤によって架橋されている。
また膨潤性粒子は、コア表面とセルが架橋され、セル内部も架橋されている。その構成の中で、従来の受容層は、マトリックス成分と微粒子の間隙の細孔を利用し、インクの吸収、定着をさせてきたが、本発明は、膨潤性微粒子を導入することによって、インク打ち込み時に水の影響で膨潤性樹脂が膨潤し、マトリックス成分と無機微粒子の間隙の細孔に膨潤で得られた細孔が加わり、従来の受容層で細孔容積が大きな場合(無機微粒子が多い場合)に発現するようなインクの吸収性(スピード)が得られる。また、染料は膨潤性微粒子内に浸透し定着し、顔料の一部は膨潤性微粒子のセル層に定着している。そのため従来受容層ようにマトリックス成分と微粒子の間隙に定着したものに比べ、定着性が高いものとなっている。
インク受容層の構成
本発明に係るインク受容層は前記膨潤性樹脂粒子、樹脂モノマー、樹脂ポリマーが三次元に架橋して網目構造形成し、網目構造を有する樹脂成分中に無機微粒子が存在してインク受容層を形成している。この時、網目構造の網目の大きさは1〜100nm2、好まし
くは2〜80nm2の範囲にあると推定される。網目構造の測定は、無機微粒子、コアセ
ル粒子などの大きさからの推定値である。
樹脂マトリックスは、インク受容層中で、前記膨潤性樹脂粒子と網目構造を形成している。
樹脂マトリックスは、(i)重合性不飽和モノマー類に由来する成分、および(ii)ポリマ
ー樹脂からなる。(i)重合性不飽和モノマー類は、インク受容層中で重合体となっている
網目構造は必ずしも碁盤目状である必要はなく、所望の染料がインク受容層内部に進入できる大きさ、形状であればよい。
なお、本発明のインク受容層は膨潤性を有する樹脂粒子を含んで構成されているために、印字した際にインクの吸収に伴い膨潤して前記網目の大きさが拡大(開脚ということがある)するとともに染料は受容層内部に吸収される。この時、一時的に透明性が損なわれる(ヘーズが発生する)場合がある。
ついで、乾燥とともに閉脚し、浸透した染料は樹脂に囲まれるようになり保護される。このため、染料は変色することがなく、高いガスバリア性が得られると考えられる。また乾燥時に過熱によって、架橋も進むので、さらに、強固にインクは定着される。
また、顔料は、印字時に網目構造を有するインク受容層表層に付着し、インク受容層が
膨潤し、乾燥時に収縮したときに、顔料の一部がインク受容層によって圧着されるようにして定着されていると考えられる。この結果、通常のインク受容層に比べて、安定的に顔料が受容層に定着されているので、引っかき強度などが強くなる。
親水性の溶媒、界面活性剤などのインクの染料・顔料以外の成分(インク水)も、インク受容層に受容される。通常染料・顔料のほかに、インク水も受容しなければ印字品質を維持できないと考えられる。染料インクの場合は、染料とともに、インク水も受容層内部に浸透する。顔料インクの場合、インク水は、受容層内部に浸透し、顔料は受容層表面に残留する。本発明によればインク受容層はインク水も吸収性も高く、このため、定着される顔料が凝集したり、フラットネスが低下したりすることなく印字品質に優れている。

インク受容層中の膨潤性樹脂粒子の含有量は固形分として5〜80重量%、さらには10〜60重量%の範囲にあることが好ましい。この範囲にあれば、インクの吸収性が高い。インク受容層中の膨潤性樹脂粒子の含有量が少ないと、インクを吸収するに充分な容積の空孔ができず、滲みの原因となったり、インクを吸収して膨潤した後、乾燥により収縮するが、収縮が不充分なためにガスバリア性が不充分となる場合がある。インク受容層中の膨潤性樹脂粒子の含有量が高すぎると、インク受容層全体が膨潤し、各成分間の架橋が切断され、乾燥した際にクラックが生じる場合がある。
インク受容層中の無機微粒子の含有量は、固形分として20〜90重量%、さらには30〜85重量%の範囲にあることが好ましい。
インク受容層中の無機微粒子が少ないと、水性インクの吸収特性が不充分となる場合がある。インク受容層中の無機微粒子が多すぎてもインク受容層のヘーズが低下することがある。
インク受容層中の樹脂マトリックスの含有量が固形分として2〜80重量%、好ましくは5〜50の範囲にあることが好ましい。
インク受容層中の樹脂マトリックスの含有量が前記範囲にあると、所望の架橋構造が形成される。また、含有量が少ないと、その分、架橋を構成する成分も少ないので、網目構造の形成が不充分となり、網目構造に起因する本願効果が得られない場合がある。
含有量が多すぎても、樹脂マトリックス相互の架橋が主となり、膨潤性樹脂粒子、ポリマー樹脂との架橋が不充分となり、このため網目構造の形成が不充分となり、網目構造に起因する本願効果が得られない場合がある。
インク受容層中の架橋成分含有量は、膨潤性樹脂粒子、重合性不飽和モノマー類に由来する成分、およびポリマー樹脂の含有量およびそれらの架橋性官能基の量によっても異なるが、固形分として0.1〜20重量%、さらには0.2〜15重量%の範囲にあることが好ましい。
架橋成分の含有量が前記範囲にあれば、網目構造を有し、インク吸収特性、強度、ヘーズ等に優れたインク受容層が得られる。
本発明に係るインク受容層の厚さは、5μm〜100μm、さらには、10μm〜50μmの範囲にあることが好ましい。
インク受容層の厚さが薄いとインク吸収性が不充分となることがある。また、インク受容層の厚さが100μmを越えると、一回の塗工で得ることが困難で、複数回の塗工を行
うことは経済性の点で問題となるほか、インク受容層にクラックを生じたり、カーリング(湾曲あるいは反り)を生じる場合がある。
印字乾燥時の温度よりも、架橋温度の方が低いので、印字後の乾燥などの加熱処理によって、より架橋がすすみ、インクが強固に定着される。
特に、本発明のインク受容層では、特定の膨潤性成分から構成されており、膨潤することによってインク水の吸収が早い。しかも膨潤性樹脂粒子が、マトリックス成分によって均一に分散しているので、インク受容層全体が均一に膨潤し、インク受容層全体、特に深層部に、均一に水を導入することが可能となる。その結果、印字に滲みや割れが生じることもない。
前記インク受容層付記録用シートにインクを塗布して記録を行う方法としては、インクジェット記録方法が好ましく、この記録方法はインクをノズルより効果的に離脱させて、被記録媒体にインクを塗布し得る方法であればいかなる方法でもよい。
印字乾燥時の温度よりも、架橋温度の方が低いので、印字後の乾燥などの加熱処理によって、より架橋がすすみ、インクが強固に定着される。
特に、本発明のインク受容層では、特定の膨潤性成分から構成されており、膨潤することによってインク水の吸収が早い。しかも膨潤性樹脂粒子が、マトリックス成分によって均一に分散しているので、インク受容層全体が均一に膨潤し、インク受容層全体、特に深層部に、均一に水を導入することが可能となる。その結果、印字に滲みや割れが生じることもない。
このような本発明に係るインク受容層付記録用シートは、前記インク受容層形成用塗布液を基材シート上に塗布し、乾燥し、硬化させることによって製造することができる。具体的には、インク受容層形成用塗料をバーコート法、ブレードコート方式、エアーナイフ方式、ロールコート方式、ブラッシュコート方式、グラビアコート方式、キスコート方式、エクストルージョン方式、スライドホッパー(スライドビード)方式、カーテンコート方式、スプレー方式等の周知の方法で基材シート上に塗布し、乾燥し、紫外線照射、加熱処理等常法によって硬化させることによって受容層を形成することができる。
本発明のインク受容層付記録用シートは、インク受容層上にさらに光沢膜が形成されていてもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
膨潤性樹脂粒子(1)分散液の調製
コア粒子として、末端にカルボキシル基を有する水溶性アクリル系ポリマー(A)(日本
ポリウレタン工業社製(株)製:ニッポラン、WL-530、固形分濃度40重量%、分散媒:水)6.4gを水40gに分散させ、ついで、十分に攪拌した後、エタノール1gを添加して固形分濃度17重量%の水溶性アクリル系ポリマー(A)溶液を調製した。この際の、
レーザー光散乱法(Beckman Coulter 社製:Coulter Model N4)で測定されるコア粒子の平均粒子径は50nmであった。
ついで、固形分濃度17重量%の水溶性アクリル系ポリマー(A)溶液に、アミノ基およ
びエチル基を含んだ重合性不飽和モノマー(B)としてN−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート(三菱ガス化学(株)製:)100gを添加し、40℃で20分間撹拌した後、セル調製用重合開始剤としてポリエチレングリコール (PEG) 誘導体であるアクリル系界面活
性剤(日油社製:SUNBRIGHT、PA シリーズ、固形分濃度40重量%、分散媒:水、pH8.0)4gを添加し、40℃で20分間撹拌した。このとき、混合溶液のpHは7.0であった。
ついで、孔径1μmのフィルターにより粗大粒子及び異物を濾過して除去した後、濃度調整により、最終的に固形分濃度15.0重量%の膨潤性樹脂粒子(1)分散液を調製した。
得られた膨潤性樹脂粒子(1)のレーザー光散乱法(Coulter Model N4)で測定される重量
平均粒子径を表に示した。なお、膨潤性樹脂粒子は、カルボキシル基をアルコール残量が確認されるまで還元し、無水カルボン酸になった状態で水に分散させて動的光散乱法で測定する。
インク受容層形成用塗布液(1)の調製
上記で得られた上記で得られた膨潤性樹脂粒子(1)分散液10gと、無機微粒子として
アルミナ水和物粒子(日揮触媒化成(株)製:AP-5、固形分濃度15重量%、平均粒子径70nm、酢酸濃度33,000ppm、水分散媒)10g、樹脂モノマーとしてカルボン酸を含有する重合性不飽和モノマー:アクリル酸2-ヒドロキシエチル(新日本理化(株)製:リカジット BT-W)4g、樹脂ポリマーとしてアクリル系樹脂微粒子(東亞合成化学(株)製:UC-3510)3g、架橋剤としてカルボジイミド化合物(日清紡(株)製:
カルボジライトV-02)0.2gを充分に混合してインク受容層形成用塗布液(1)を調製し
た。
インク受容層付記録用シート(1)の調製
インク受容層形成用塗布液(1)をPETフィルム(東レ(株)製:ルミラー T-100、
厚さ100μm、屈折率1.65、基材透過率88.0%、Haze 1.0%、反射率5.1%)にバーコーター(#60)で塗布し、60℃で20分間乾燥してインク受容層付記録用シート(1)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は10μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(1)の全光線透過率、ヘーズを測定し、結果を表1に示す。
全光線透過率およびヘーズは積分分光計(日本分光(株)製:V560)により測定した。
また、密着性、耐擦傷性、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を以下の方法および評価基準で評価し、結果を表1に示した。
密着性
インク受容層付記録用シート(1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な
傷を付け100個の升目を作り、これにセロハンテ−プを接着し、ついで、セロハンテ−プを剥離したときに被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の4段階に分類することにより密着性を評価した。結果を表に示す。
残存升目の数100個 :◎
残存升目の数90〜99個 :○
残存升目の数85〜89個 :△
残存升目の数84個以下 :×
耐擦傷性
インク受容層上にスチールウール#0000番を50g/cm2荷重で10往復し、表面
の傷の本数を数え以下の4段階に分類することにより耐擦傷性を評価した。
傷の数0本 :◎
傷の数1〜10本 :○
傷の数10〜100本 :△
傷の数100本以上 :×
インク吸収性
インク吸収性については、インク浸透性およびインク発色性について、以下の方法および評価基準で評価し、結果を表に示した。
インク浸透性
キャノン製染料プリンターP9000を用い、インクとしてCMY三次色からなる黒を単色
で、印字濃度100%でベタ印字し、キーエンス社製超深度顕微鏡(VK-9500)で印字部
の表面粗さ(Ra)を測定した。同様に印字をしなかった部分の表面粗さ(Ra0)を測定し
、表面粗さの差δRa(μm)=(Ra)−(Ra0)を求め、以下の基準で評価した。
評価基準
δRa ≦ 0.15 :◎
0.15 < δRa < 0.3 :○
0.3 ≦ δRa < 1.0 :△
δRa ≧ 1.0 :×
インク発色性
キャノン製染料プリンターP9000を用い、インクとしてCMY三次色からなる黒を単色
で、印字濃度を0%〜100%まで10%刻みでベタ印字し、積分分光計(日本分光(株)製:V560)にてLab空間で測定される発色の度合い(明るさ)を測定し、印字濃度(
0−100%)とL(明るさ%)の相関係数(K)を求め、以下の基準で評価した。
評価基準:
K ≧ 0.8 :◎
0.5 < K < 0.8 :○
0.2 < K < 0.5 :△
K ≦ 0.2 :×
耐水性
インク受容層付記録用シート(1)の受容層3cm角を充分な水に30分間浸漬し、その
後、室温で24時間乾燥させた際、水の跡の有無を観察し、以下の評価基準で評価し結果を表1に示した。
評価基準
全く水の跡が認められなかった :◎
僅かに水の跡が認められた :○
明らかに水の跡が認められた :△
膜が剥離した :×
ガスバリア性
ガスバリア性としてアルバム保存性を評価した。
先ず、キャノン製染料プリンターP9000を用い、インク受容層付記録用シート(1)に三次色の印刷をし、乾燥後、これをアルバムのビニル系包袋に挿入し、常温で3ヶ月経過後の変色・退色の度合いを前記ビニル系の包袋から露出した部分について観察し、以下の基準で評価し、結果を表に示した。
評価基準:
全く変色が認められなかった :◎
僅かに変色が認められた :○
明らかに変色が認められた :△
著しい変色が認められた :×
[実施例2]
膨潤性樹脂粒子(2)分散液の調製
実施例1において、アミノ基およびエチル基を含んだ重合性不飽和モノマー(B)として
N−ジメチルアミノエチルアクリレート(三菱ガス化学(株)製:)70gを添加し、セル調製用重合開始剤としてポリエチレングリコール (PEG) 誘導体であるアクリル系界面
活性剤(日油社製:SUNBRIGHT、PA シリーズ、固形分濃度40重量%、分散媒:水、pH8.0)2.8gを添加した以外は同様にして固形分濃度15.0重量%の膨潤性樹脂粒
子(2)分散液を調製した。得られた膨潤性樹脂粒子(2)の重量平均粒子径を表1に示した。
インク受容層形成用塗布液(2)の調製
実施例1において、固形分濃度15.0重量%の膨潤性樹脂粒子(2)分散液10gを用いた以外は同様にしてインク受容層形成用塗布液(2)を調製した。
インク受容層付記録用シート(2)の調製
実施例1において、インク受容層形成用塗布液(1)の代わりにインク受容層形成用塗布
液(2)を用いた以外は同様にしてインク受容層付記録用シート(2)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は8μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(2)の全光線透過率、ヘーズ、密着性、耐擦傷性
、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[実施例3]
膨潤性樹脂粒子(3)分散液の調製
実施例1において、アミノ基およびエチル基を含んだ重合性不飽和モノマー(B)として
N−ジメチルアミノエチルアクリレート(三菱ガス化学(株)製:)130gを添加し、セル調製用重合開始剤としてポリエチレングリコール (PEG) 誘導体であるアクリル系界
面活性剤(日油社製:SUNBRIGHT、PA シリーズ、固形分濃度40重量%、分散媒:水、pH8.0)5.2gを添加した以外は同様にして固形分濃度15.0重量%の膨潤性樹脂
粒子(3)分散液を調製した。得られた膨潤性樹脂粒子(3)の重量平均粒子径を表に示した。
インク受容層形成用塗布液(3)の調製
実施例1において、固形分濃度15.0重量%の膨潤性樹脂粒子(3)分散液10gを用いた以外は同様にしてインク受容層形成用塗布液(3)を調製した。
インク受容層付記録用シート(3)の調製
実施例1において、インク受容層形成用塗布液(1)の代わりにインク受容層形成用塗布
液(3)を用いた以外は同様にしてインク受容層付記録用シート(3)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は13μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(3)の全光線透過率、ヘーズ、密着性、耐擦傷性
、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[実施例4]
インク受容層形成用塗布液(4)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度15.0重量%の膨潤性樹脂粒子(1)分散液 5.8gと、無機微粒子としてアルミナ水和物粒子(日揮触媒化成(株)製:AP-5、固形分濃度15重量%、平均粒子径70nm、酢酸濃度33,000ppm、水分散媒)12.0g、樹脂モノマーとしてカルボン酸を含有する重合性不飽和モノマー(新日本理化(株)製:リカジット BT-W)2.5g、ポリマー樹脂としてアクリル系樹脂微粒子(東亞合成化学(株)製:UC-3510)2.0g、架橋剤としてカルボジイミド化合物(日清紡
(株)製:カルボジライトV-02)0.25gを充分に混合してインク受容層形成用塗布液
(1)を調製した。
インク受容層付記録用シート(4)の調製
実施例1において、インク受容層形成用塗布液(1)の代わりにインク受容層形成用塗布
液(4)を用いた以外は同様にしてインク受容層付記録用シート(4)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は10μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(4)の全光線透過率、ヘーズ、密着性、耐擦傷性
、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[実施例5]
インク受容層形成用塗布液(5)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度15.0重量%の膨潤性樹脂粒子(1)分散液12.5gと、無機微粒子としてアルミナ水和物粒子(日揮触媒化成(株)製:AP-5、固形分濃度15重量%、平均粒子径70nm、酢酸濃度33,000ppm、水分散媒)8.0g、樹脂モノマーとしてカルボン酸を含有する重合性不飽和モノマー(新日本理化(株)製:リカジット BT-W)4.0g、樹脂ポリマーとしてアクリル系樹脂微粒子(東亞合成化学(株)製:UC-3510)3.0g、架橋剤としてカルボジイミド化合物(日清紡(
株)製:カルボジライトV-02)0.22gを充分に混合してインク受容層形成用塗布液(1)を調製した。
インク受容層付記録用シート(5)の調製
実施例1において、インク受容層形成用塗布液(1)の代わりにインク受容層形成用塗布
液(5)を塗布した以外は同様にしてインク受容層付記録用シート(5)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は10μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(5)の全光線透過率、ヘーズ、密着性、耐擦傷性
、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[実施例6]
インク受容層形成用塗布液(6)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度15.0重量%の膨潤性樹脂粒子(1)分散液5.8gと、無機微粒子としてシリカ微粒子(日揮触媒化成(株)製:SI-45P、固形分
濃度20重量%、平均粒子径45nm、水分散媒)7.5g、樹脂モノマーとしてカルボン酸を含有する重合性不飽和モノマー(新日本理化(株)製:リカジット BT-W)2.5g、ポリマー樹脂としてアクリル系樹脂微粒子(東亞合成化学(株)製: UC-3510)2
.0g、架橋剤としてカルボジイミド化合物(日清紡(株)製:カルボジライトV-02)0.2gを充分に混合してインク受容層形成用塗布液(1)を調製した。
インク受容層付記録用シート(6)の調製
インク受容層形成用塗布液(8)をPETフィルム(東レ(株)製:ルミラー T-100、
厚さ100μm、屈折率1.65、基材透過率88.0%、Haze 1.0%、反射率5.1%)にバーコーター(#60)で塗布し、40℃で10分間乾燥し、ついで60℃で30分間加熱処理してインク受容層付記録用シート(6)を調製した。このときのインク受
容層の膜厚は10μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(6)の全光線透過率、ヘーズ、密着性、耐擦傷性
、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[実施例7]
インク受容層形成用塗布液(7)の調製
実施例1と同様にして調製した膨潤性樹脂粒子(1)分散液10gと、無機微粒子として
アルミナ水和物粒子(日揮触媒化成(株)製:AP-5、固形分濃度15重量%、平均粒子
径70nm、酢酸濃度33,000ppm、水分散媒)10g、樹脂モノマーとしてカルボン酸を含有する重合性不飽和モノマー(新日本理化(株)製:リカジット、BT-W)4g、ポリマー樹脂としてアクリル系樹脂微粒子(東亞合成化学(株)製:UC-3510)3g、
架橋剤としてオキサゾリン化合物(日本触媒(株)製:エポクロス)0.3gを充分に混合してインク受容層形成用塗布液(7)を調製した。
インク受容層付記録用シート(7)の調製
インク受容層形成用塗布液(7)をPETフィルム(東レ(株)製:ルミラー T-100、
厚さ100μm、屈折率1.65、基材透過率88.0%、Haze 1.0%、反射率5.1%)にバーコーター(#60)で塗布し、40℃で10分間乾燥し、ついで60℃で30分間加熱処理してインク受容層付記録用シート(7)を調製した。このときのインク受
容層の膜厚は10μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(7)の全光線透過率、ヘーズ、密着性、耐擦傷性
、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[実施例8]
膨潤性樹脂粒子(4)分散液の調製
実施例1と同様にして固形分濃度17重量%の水溶性アクリル系ポリマー(A)溶液を調
製した。
ついで、固形分濃度17重量%の水溶性アクリル系ポリマー(A)溶液に、(メタ)アクリ
ル酸t-ブチル(B)を滴下しながら、水酸基を含んだビニルエーテル基として、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル(C)をアクリル酸t-ブチルに対して、モル比1:3の割
合で、前記(B)と同時添加した。さらに、グリコール (PEG) 誘導体であるアクリル系
界面活性剤(日油社製:SUNBRIGHT、PA シリーズ、固形分濃度40重量%、分散媒:水、pH8.0)4gを添加し、40℃で20分間撹拌した。(B)及び(C)の添加は、PHが7となるまで行った。
ついで、孔径1μmのフィルターにより粗大粒子及び異物を濾過して除去した後、濃度調整により、最終的に固形分濃度15.0重量%の膨潤性樹脂粒子(4)分散液を調製した。得られた膨潤性樹脂粒子(4)の重量平均粒子径を表1に示した。
インク受容層形成用塗布液(8)の調製
上記で得られた上記で得られた膨潤性樹脂粒子(4)分散液10gと、無機微粒子として
アルミナ水和物粒子(日揮触媒化成(株)製:AP-5、固形分濃度15重量%、平均粒子径70nm、酢酸濃度33,000ppm、水分散媒)10g、樹脂モノマーとしてカルボン酸を含有する重合性不飽和モノマー(新日本理化(株)製:リカジット BT-W)4g、ポリマー樹脂としてアクリル系樹脂微粒子(東亞合成化学(株)製:UC-3510)3.0
g、架橋剤としてカルボジイミド化合物(日清紡(株)製:カルボジライトV-02)0.25gを充分に混合してインク受容層形成用塗布液(8)を調製した。
インク受容層付記録用シート(8)の調製
実施例1において、インク受容層形成用塗布液(1)の代わりにインク受容層形成用塗布
液(8)を用いた以外は同様にしてインク受容層付記録用シート(8)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は10μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(8)の全光線透過率、ヘーズ、密着性、耐擦傷性
、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[比較例1]
インク受容層形成用塗布液(R1)の調製
無機微粒子としてアルミナ水和物粒子(日揮触媒化成(株)製:AP-5、固形分濃度15重量%、平均粒子径20nm、酢酸濃度33,000ppm、水分散媒)10g、マトリックス形成成分として濃度10重量%に純水で希釈したポリビニルアルコール(クラレ(株)製:PVA117)3g、および硬化剤として濃度3重量%のホウ酸水溶液1g、充分に混合してインク受容層形成用塗布液(R1)を調製した。
インク受容層付記録用シート(R1)の調製
インク受容層形成用塗布液(R1)をPETフィルム(東レ(株)製:ルミラー T-100、厚さ100μm、屈折率1.65、基材透過率88.0%、Haze 1.0%、反射率5.1%)にバーコーター(#150)で塗布し、60℃で20分間加熱処理してインク受容
層付記録用シート(R1)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は35μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(R1)の全光線透過率、ヘイズ、密着性、耐擦傷性、耐水性、耐光性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[比較例2]
インク受容層形成用塗布液(R2)の調製
実施例1と同様にして調製した膨潤性樹脂粒子(1)分散液10gと、カルボン酸を含有
する重合性不飽和モノマー(新日本理化(株)製:リカジット BT-W)8.2g、ポリマー樹脂としてアクリル系樹脂微粒子(東亞合成化学(株)製:UC-3510)5.8g、架橋
剤としてカルボジイミド化合物(日清紡(株)製:カルボジライトV-02)0.2gを充分に混合してインク受容層形成用塗布液(R2)を調製した。
インク受容層付記録用シート(R2)の調製
実施例1において、インク受容層形成用塗布液(1)の代わりにインク受容層形成用塗布
液(R2)を塗布した以外は同様にしてインク受容層付記録用シート(R2)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は10μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(R2)の全光線透過率、ヘーズ、密着性、耐擦傷性、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[比較例3]
インク受容層形成用塗布液(R3)の調製
実施例1におけると同様にして、コア粒子として固形分濃度17重量%の水溶性アクリル系ポリマー(A)溶液を調製した。
ついで、水溶性アクリル系ポリマー(A)溶液10gと、無機微粒子としてアルミナ水和
物粒子(日揮触媒化成(株)製:AP-5、固形分濃度15重量%、平均粒子径70nm、酢酸濃度33,000ppm、水分散媒)10g、樹脂モノマーとしてカルボン酸を含有する重合性不飽和モノマー(新日本理化(株)製:リカジット BT-W)4.0g、ポリマー樹脂としてアクリル系樹脂微粒子(東亞合成化学(株)製:UC-3510)3.0g、架橋
剤としてカルボジイミド化合物(日清紡(株)製:カルボジライトV-02)0.1gを充分に混合してインク受容層形成用塗布液(R3)を調製した。
インク受容層付記録用シート(R3)の調製
インク受容層形成用塗布液(R3)をPETフィルム(東レ(株)製:ルミラー T-100、厚さ100μm、屈折率1.65、基材透過率88.0%、Haze 1.0%、反射率5.1%)にバーコーター(#150)で塗布し、60℃で20分間加熱処理してインク受容
層付記録用シート(R3)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は35μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(R3)の全光線透過率、ヘイズ、密着性、耐擦傷性
、耐水性、耐光性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[比較例4]
インク受容層形成用塗布液(R4)の調製
アミノ基およびエチル基を含んだ重合性不飽和モノマー(B)としてN−ジメチルアミノ
エチルアクリレート(三菱ガス化学(株)製:)3gと、無機微粒子としてアルミナ水和物粒子(日揮触媒化成(株)製:AP-5、固形分濃度15重量%、平均粒子径70nm、酢酸濃度33,000ppm、水分散媒)10g、樹脂モノマーとしてカルボン酸を含有する重合性不飽和モノマー:アクリル酸2-ヒドロキシエチル(新日本理化(株)製:リカジット BT-W)4g、樹脂ポリマーとしてアクリル系樹脂微粒子(東亞合成化学(株)製:UC-3510)3g、架橋剤としてカルボジイミド化合物(日清紡(株)製:カルボジライ
トV-02)0.2gを充分に混合してインク受容層形成用塗布液(R4)を調製した。
インク受容層付記録用シート(R4)の調製
実施例1において、インク受容層形成用塗布液(1)の代わりにインク受容層形成用塗布
液(R4)を用いた以外は同様にしてインク受容層付記録用シート(R4)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は10μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(R4)の全光線透過率、ヘーズ、密着性、耐擦傷性、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[比較例5]
インク受容層形成用塗布液(R5)の調製
実施例1と同様にして得られた膨潤性樹脂粒子(1)分散液10gと、無機微粒子として
アルミナ水和物粒子(日揮触媒化成(株)製:AP-5、固形分濃度15重量%、平均粒子径70nm、酢酸濃度33,000ppm、水分散媒)10g、樹脂モノマーとしてカルボン酸を含有する重合性不飽和モノマー:アクリル酸2-ヒドロキシエチル(新日本理化(株)製:リカジット BT-W)4g、架橋剤としてカルボジイミド化合物(日清紡(株)製:カルボジライトV-02)0.2gを充分に混合してインク受容層形成用塗布液(R5)を調製した。
インク受容層付記録用シート(R5)の調製
実施例1において、インク受容層形成用塗布液(1)の代わりにインク受容層形成用塗布
液(R5)を用いた以外は同様にしてインク受容層付記録用シート(R5)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は10μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(R5)の全光線透過率、ヘーズ、密着性、耐擦傷性、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[比較例6]
インク受容層形成用塗布液(R6)の調製
実施例1と同様にして得られた膨潤性樹脂粒子(1)分散液10gと、無機微粒子として
アルミナ水和物粒子(日揮触媒化成(株)製:AP-5、固形分濃度15重量%、平均粒子径70nm、酢酸濃度33,000ppm、水分散媒)10g、樹脂ポリマーとしてアクリル系樹脂微粒子(東亞合成化学(株)製:UC-3510)3g、架橋剤としてカルボジイミ
ド化合物(日清紡(株)製:カルボジライトV-02)0.2gを充分に混合してインク受容層形成用塗布液(R6)を調製した。
インク受容層付記録用シート(R6)の調製
実施例1において、インク受容層形成用塗布液(1)の代わりにインク受容層形成用塗布
液(R6)を用いた以外は同様にしてインク受容層付記録用シート(R6)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は10μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(R6)の全光線透過率、ヘーズ、密着性、耐擦傷性、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
[比較例7]
インク受容層形成用塗布液(R7)の調製
実施例1と同様にして得られた膨潤性樹脂粒子(1)分散液10gと、無機微粒子として
アルミナ水和物粒子(日揮触媒化成(株)製:AP-5、固形分濃度15重量%、平均粒子径70nm、酢酸濃度33,000ppm、水分散媒)10g、樹脂モノマーとしてカルボン酸を含有する重合性不飽和モノマー:アクリル酸2-ヒドロキシエチル(新日本理化(株)製:リカジット BT-W)4g、樹脂ポリマーとしてアクリル系樹脂微粒子(東亞合成化学(株)製:UC-3510)3gを充分に混合してインク受容層形成用塗布液(R7)を調製し
た。
インク受容層付記録用シート(R7)の調製
実施例1において、インク受容層形成用塗布液(1)の代わりにインク受容層形成用塗布
液(R7)を用いた以外は同様にしてインク受容層付記録用シート(R7)を調製した。このときのインク受容層の膜厚は10μmであった。
得られたインク受容層付記録用シート(R7)の全光線透過率、ヘーズ、密着性、耐擦傷性、耐水性、インク吸収性およびガスバリア性を評価し、結果を表1に示した。
Figure 2010284880

Claims (12)

  1. 膨潤性樹脂からなるセル層を有するコアセル構造を有する膨潤性樹脂粒子、重合性不飽和モノマー類、ポリマー樹脂、架橋剤、無機微粒子および分散媒とからなり、全固形分濃度が1〜50重量%の範囲にあり、
    膨潤性樹脂粒子の濃度が固形分として0.05〜40重量%の範囲にあり、
    重合性不飽和モノマー類の濃度が固形分として0.01〜20重量%の範囲にあり、
    ポリマー樹脂の濃度が固形分として0.01〜10重量%の範囲にあり、
    架橋剤の濃度が固形分として0.001〜10重量%の範囲にあり、
    無機微粒子の濃度が固形分として0.01〜45重量%の範囲にあること
    (但し、合計が100重量%を越えない)を特徴とするインク受容層形成用塗布液。
  2. 前記膨潤性樹脂粒子の平均粒子径が20〜400nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のインク受容層形成用塗布液。
  3. 前記セル層を構成する膨潤性樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂から誘導されるポリマー主鎖を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインク受容層形成用塗布液。
  4. 前記セル層を構成する膨潤性樹脂が、側鎖あるいは末端に、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、アミノ基、ハロゲン基、ウレタン基、アルキル基、フェニル基、スルホン基、アルコキシル基、チオール基、およびシアノ基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインク受容層形成用塗布液。
  5. 前記膨潤性樹脂粒子のコア部がアクリル系樹脂微粒子、ウレタン系樹脂微粒子、ビニル系樹脂微粒子から選ばれる1種以上の樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインク受容層形成用塗布液。
  6. (i)重合性不飽和モノマー類が、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、アミノ基、
    ハロゲン基、ウレタン基、アルキル基、フェニル基、スルホン基、アルコキシル基、ビニル基、チオール基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有する(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン樹脂、セルロース誘導体であり、
    (ii)ポリマー樹脂が、アクリル系樹脂微粒子、ウレタン系樹脂微粒子、ポリビニルアルコール系樹脂微粒子、ビニル系樹脂微粒子、エチレン系樹脂微粒子、ポリスチレン系樹脂微粒子、エステル系樹脂微粒子、エポキシ系樹脂微粒子からなる群から選ばれる1種以上
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインク受容層形成用塗布液。
  7. 前記架橋剤がカルボジイミド化合物、シアノ化合物、メラミン化合物、オキソザリン化合物、イソシアネート化合物から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインク受容層形成用塗布液。
  8. 前記無機微粒子の平均粒子径が1〜300nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインク受容層形成用塗布液。
  9. 前記無機微粒子が、アルミナ水和物、シリカゾル、マグネシアからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜8に記載のインク受容層形成用塗布液。
  10. 基材シートと、該基材シート上に形成されたインク受容層とからなり、
    該インク受容層がコアセル構造を有する膨潤性樹脂粒子、樹脂マトリックスおよび無機微粒子からなり、
    膨潤性樹脂粒子のセル層が、膨潤性樹脂からなり、
    セル層の膨潤性樹脂と、樹脂マトリックスとが、架橋した網目構造を有することを特徴とするインク受容層付記録用シート。
  11. 樹脂マトリックスが、(i)重合性不飽和モノマー類から誘導される重合体成分と、(ii)
    ポリマー樹脂とからなり、(iii)架橋剤によって、セル層の膨潤性樹脂とともに、架橋さ
    れてなることを特徴とする請求項10に記載のインク受容層付記録用シート。
  12. 前記インク受容層が、請求項1〜9に記載の塗布液を基材シート上に塗布した後、乾燥・加熱して、得られたものであることを特徴とする請求項10または11に記載のインク受容層付記録用シート。
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JP2014144578A (ja) * 2013-01-29 2014-08-14 Fujifilm Corp インクジェット用記録シート、印刷物、および印刷物の製造方法

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