JP2010284701A - 三方分岐管又は三方分岐部材の製造方法又は製造装置 - Google Patents

三方分岐管又は三方分岐部材の製造方法又は製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 中央枝部を必要なだけ長くでき、全て冷間で実行でき、精度が良好、鋳造による脆性や加熱による表面酸化も無く、鉛不使用で、設備費用も割安な三方分岐管等の製法又は製造装置を実現する。
【解決手段】 金型にT字形の通路29が形成されている。通路はTの字の縦の字画、横の字画に相当する各通路LT,RT,VTで構成される。縦の字画に相当する通路VTから、冷間で、銅の丸棒30を押入して行く。丸棒の先端が二つの通路に分岐侵入するように該丸棒が押出し成形され、三方分岐部材が形成される。このときTの字の横の字画に相当する左右の枝部の両端面31は垂直でない。押圧杆26,27で両側から押圧し、垂直面を増やす。金型から取出して、両端に残った偏肉部46を切除し端面全体を垂直にする。これを金型に装着。各枝部に対して中抜き加工をする(図8)。そのあと残っている壁34を切除する。これで全て冷間加工で三方分岐管35が作れる。
【選択図】 図1

Description

本発明は三方分岐管又は三方分岐部材の製造方法又は製造装置に関する。特に、銅やアルミニウムを素材としたT字形三方分岐管の製造に好適な、三方分岐管又は三方分岐部材の製造方法又は製造装置に関する。
三方分岐管、例えば銅を素材とした三方分岐管を製造する手法は、従来より幾つか知られている。例えば、鋳型による鋳造がある(以下、鋳造法と称す)。或いは、熱間で素材を加圧、成形する手法もある(特許文献1〜特許文献3。以下、「熱間法」と称す。)。水、油等の液体で銅管を内部から加圧しながら、冷間で押出し成形をする手法もある(特許文献4 図2(a),(b)。以下、「液圧法」と称す)。
なお、「押出し成形」という語は、元々は金属素材に高圧を掛け、ダイスから押出しをし、同一断面の長尺ものを連続的に形成して行く手法を指すようである。本願発明で使用する手法は、これと同一ではない。「圧造」と称しても良いかもしれない。しかし、この「圧造」の語も、元々はねじの製造に使用される手法を指すようである。どっちこっちなので、本願では「押出し成形」と称す。
話しを戻す。三方分岐管を製造する手法としては、更に、銅の直管に鉛を充填し、これを冷間で押出し成形するという手法もある(以下、「鉛充填法」と称す)。なお、この手法については適切な公報が見つからなかった。後で検討対象にするので、図11(a)〜(d)を引用し、ここでその概略を説明する。
即ち、図11(a),(b)に於て、51は上型、52は下型である。53は左側押圧杆、54は右側押圧杆、56は凹部である。57は加工前の銅管、58はその中に充填された鉛である。なお、上型51、下型52の当接面は、左側押圧杆53、右側押圧杆54、銅管57、充填された鉛58の中心軸を通っている。しかし、これらに隠されていて図には現れない。
加工に当っては、不図示油圧シリンダで左側押圧杆53及び右側押圧杆54を駆動し、両側から銅管57を強く押圧する。これにより銅管中央の壁が凹部56内にせり出し、中央突出部59が形成される(図11(b))。上型51及び下型52を離反し、成形済部材61(図11(b))を取出す。
この成形済部材61の下端部62(図11(b))を切削し、除去する。(図11(c))。このあと下端部を除去した成形済部材63について、鉛58の除去を行なう。これで三方分岐管64が完成する。なお、完成後の三方分岐管64に於て、符号66を付した部分を「中央枝部」と称す。同様に、符号67を付した部分を「左枝部」、符号68を付した部分を「右枝部」と称す。以後の説明では、棒であるか管であるかを問わず、同様の部分にはこの呼称を用いる。
特開2001−321879号公報 特開平4−237514号公報 特開昭56−154243号公報 特開2004−44747号公報
三方分岐管に於て、中央枝部は長いほど良い。その方が配管のロウ付け等の作業がし易くなるからである。設計にも余裕が生まれる。しかし、上記従来の各手法は、帯に短し、襷に長しで、夫々に難点があった。
即ち、先ず鋳造法は寸法精度が悪い。精度を出すには、多くの場合切削等の後加工が必要で、その分工数が掛かる。鋳造なので脆性が大きい。また、高温下での作業なので、基本的に危険性があり、作業性が悪い。設備費用も相対的に高い。
この点、熱間法なら寸法精度が出る。しかし、やはり高温下での作業なので、同様の各問題がある。それに加熱されるので素材が酸化する。このため用途の多くで皮膜の剥離を要す。この処理には強酸性の薬品を使う。これも危険な作業であり、廃液処理等の問題も生ずる。
一方、液圧法なら素材は加熱されない。しかし、この手法では銅管の中央付近に歪みを生じたりすることがあり、加工性にやや難がある。それに、中央枝部をあまり長くすることは出来ない。
また、この手法では、銅管等の内部に直接圧力を掛ける。油圧シリンダのようにピストンで油圧を受け、それをロッドに集合させて大きな力とする訳ではない。
このため、液圧法では、一般に他の手法より強い液圧を要する。そうしないと、銅管の壁に十分な圧力が掛からず、凹部56への押し出しが十分には出来ないからである。強い圧力を要するなら、それだけ技術的難度が高まる。作業も煩雑になる。液洩れした場合、高速で噴出したりする。その分危険性も高い。
一方、鉛充填法なら、中央枝部はかなり長く出来る。精度も良い。鉛充填時は別として、成形をする時は冷間なので割に作業性も良く、液体を使わないので製造装置もそれほど複雑にならない。
しかし、中央枝部は出来るだけ長く出来る方が良い。この点、鉛充填法でも、中央突出部が長くなるに従って、この部分の銅管の肉厚が不均一になる傾向があり、必要なだけ幾らでもという訳には行かない。
それに、この手法では鉛を使う。これもまた問題である。即ち、この手法では、成形前に鉛を充填する。先ずこの分、工数が掛かる。次に、成形後にこの鉛を除去する。この作業は更に手間が掛かる。装置費用も掛かる。具体的には、成形済部材63を不図示ロータリーキルンに投入する。ロータリーキルンは、鉛が溶け出す温度に加熱されており、その筒体が傾斜されている。この中を出口に向って成形済部材63が転動して行く。その間に内部の鉛58が溶け出し、滴下する。
ただ、これだけでは鉛を完全に除去出来ない。このため、所定時間薬液に浸漬し鉛を溶出させる。また、加熱で酸化膜が生ずる。これも多くは除去を要す。従って、これが無くなるまで浸漬を行なう。一方で、浸漬が長過ぎると溶出が過度になり、肉厚不足になる。この辺りの匙加減が難しい。浸漬で微細な穴が開き、のちの腐蝕の引き金になる可能性もある。
更に、薬液は強酸性である。取扱いが難しく、廃棄にも手間と費用が掛かる。また、鉛は言うまでもなく有害である。環境汚染を惹き起こす。このため、作業者の健康被害防止、流出防止等に注意を要する。これらも又、手間と費用が掛かる。
ここで、一般に、冷間の方が、熱間より設備費用が少なくて済む。作業性も良い。そこで、冷間で、鉛を使わないで実行可能な方法が無いものか、探ってみることにした。手始めとして、銅の直線の丸棒について、冷間でのT字形への押出しについて試してみた。この手法は従来から知られているものの、あまり使用されて来なかったものである。
即ち、先ず図12(a)に示すように、金型の横方向の通路71に銅の丸棒72を挿入した。これを左右から押圧杆53,54で強く押圧してみた。その結果、図12(b)のように中央枝部66が形成された。
しかし、このとき、中央枝部66の反対側に窪み74ができた。左枝部67、右枝部68を工具で保持し、この窪み74に力を加えてみたら、亀裂75が生じた(二点鎖線)。金属組織が正しく連続していないようで、強度、耐食性に不安が感じられた。
本発明の目的は、これら従来技術の難点を解消することにある。即ち、中央枝部を必要なだけ幾らでも長くすることができ、全て冷間で実行できて精度が良く、素材の酸化も無く、鉛不使用で、しかも設備費用が掛からない、三方分岐管又は三方分岐部材の製造方法又は製造装置を実現することにある。
上記目的達成のため、請求項1の三方分岐部材の製造方法では、金型に形成されていて、その奥端に於て略対称の方向に延びた二つの通路に分岐されているところの一の通路の側から、冷間で、棒材を押入して行って、その先端が前記二つの通路に分岐侵入するように該棒材を押出し成形し、三方分岐部材とする。
また、請求項1を引用する請求項2の三方分岐部材の製造方法では、前記一の通路及び二つの通路がT字形とされている。
また、請求項3の三方分岐管の製造方法では、金型に形成されていて、その奥端に於て略対称の方向に伸びた二つの通路に分岐されているところの一の通路の側から、冷間で、棒材を押入して行って、その先端が前記二つの通路に分岐侵入するように該棒材を押出し成形し、三方分岐部材とする工程と、前記金型の通路に保持された、又は別の金型の同様の通路に保持された前記三方分岐部材の三つの分岐部分に対して、冷間で、中抜き加工用杆を押入して行って、該三つの分岐部分を三つの筒状部とする工程と、該各筒状部の境界に残存している壁を除去し、各筒状部の内部空間を連通させて三方分岐管とする工程とを有する。
また、請求項3を引用する請求項4の三方分岐管の製造方法では、前記一の通路及び二つの通路がT字形とされている。
また、請求項5の三方分岐部材の製造装置では、一の通路及び該通路の奥端に於て略対称の方向に分岐延伸されている二つの通路が形成されている金型と、冷間で、前記一の通路の側から棒材が押入されて行くことで、該棒材の先端が前記二つの通路に分岐侵入するように押出し成形され、以て棒材が三方分岐部材とされるべく、前記棒材を前記一の通路の側から押入して行く押入手段とを備える。
また、請求項5を引用する請求項6の三方分岐部材の製造装置では、前記一の通路及び二つの通路がT字形とされている。
また、請求項7の三方分岐管の製造装置では、一の通路及び該通路の奥端に於て略対称の方向に伸び分岐されている二つの通路が形成されている金型と、冷間で、前記一の通路の側から棒材が押入されて行くことで、該棒材の先端が前記二つの通路に分岐侵入するように押出し成形され、以て棒材が三方分岐部材とされるべく、前記棒材を前記一の通路の側から押入して行く押入手段と、前記金型の通路に保持された、又は別の金型の同様の通路に保持された前記三方分岐部材の三つの分岐部分に対して押入され、冷間で、該分岐部分について中抜き加工をして、該三つの分岐部分を三つの筒状部とする押入杆と、該各筒状部の境界に残存している壁を除去し、各筒状部の内部空間を連通させ三方分岐管とする除去手段とを備える。
また、請求項7を引用する請求項8の三方分岐管の製造装置では、前記一の通路及び二つの通路がT字形とされている。
本発明によれば、中央枝管を必要なだけ十分に長くすることが出来る。冷間なので作業が容易である。鉛を使用しないので作業者の健康被害も生じない。環境汚染も生じない。薬液使用に係る問題も生じない。ロータリーキルン等も不要なので、装置費用も相対的に安い。
更に、従来手法でも、冷間の中抜き加工で、例えばT字形の棒材を筒状へと成形することは出来た。しかし、前述したとおり、従来手法では、冷間で、直線の棒材をT字形に成形することは出来なかった。
それ故、従来手法で以て本願発明と同様のことを行なおうとすると、最初のT字形の三方部材を形成するため、鋳造装置や熱間鍛造装置等、他の装置を用意する必要があった。
本発明では、何れの工程も冷間で実行出来る。それも、同じ押出し成形なので一台の押出し成形装置で実行できる。従って、この分、設備費用が少なくて済む。
なお、二段階で実施される本願に係る手法のうち、前段のもの、即ち、直線の銅の棒等をT字形等に成形する手法は、それ自体一つの発明として捉えられる(請求項1,請求項2,請求項5,請求項6の各発明。)。
即ち、従来なら、最初のT字形の部材は、鋳造装置、熱間鍛造装置等で形成していた。これらの工程では、部材を加熱する。本願手法なら冷間で実行出来る。脆性が大きいも無く、部材も酸化せず、装置も相対的に安い。作業も相対的に容易且つ安全である。この点で、三方分岐管製造以外の目的でT字形等の部材を製造したいとき、本願発明を適用できる。
実施の形態例の押出し成形機を示す正面図。 金型の中央通路に銅の丸棒を挿入した状態を示し、(A)は右側面中央縦断面図、(B)は、正面中央縦断面図である。下側の押入杆は破断していない。 銅の丸棒を押入して行ってT字形分岐部材に形成した状態を示し、(A)は右側面中央縦断面図、(B)は、正面中央縦断面図である。下側の押入杆は破断していない。 T字形分岐部材を両端から押圧し、以て各端面を平面に近づけた状態を示す右側面中央縦断面図。 両端を平面に近づけたT字形分岐部材を取出して、残っている両端の斜面を切除して、両端を垂直にした状態を示す正面図。 切除して垂直にされたT字形分岐部材の各端面を座繰りし、円形凹部を形成した状態を示す右側面縦断面図。 各端面に円形凹部が形成されたT字形分岐部材を金型に装着し、その各円形凹部に中抜き用押入杆の各先端が嵌入された状態を示す右側面中央縦断面図。 T字形分岐部材に中抜き用押入杆が押入され押出し成形がされた状態を示す右側面中央縦断面図。 完成したT字形分岐管を示す右側面図中央縦断面図。 三方分岐管の形状の他の例を正面で示し、(A)はY字形、(B)は矢印形を示す。 従来の鉛充填方式での銅管からT形三方分岐管への冷間押出し成形例を右側面図中央縦断面で示し、(A)は押出し成形前、(B)は押出し成形後、(C)は中央枝部の先端切除後、(D)は鉛除去後の完成品を示す。 銅の丸棒について、従来手法による冷間押出しの例を右側面中央縦断面で示し、(A)は押出し前、(B)は押出し後である。
以下、本発明の詳細を図示実施の形態例に基いて説明する。図1に押出し成形機1の正面を示す。図に於て、2は架台、3はそれを支える4本の脚である。架台2の上には、金型の下型4が載置されている。下型4の周囲には4本の円柱6が立設されている。
円柱6の上端には、型押えシリンダ7が取着されている。そのピストンロッド8は摺動板9に連結されている。摺動板9の四隅には透孔11が穿設されている。これら透孔11が各円柱6に外嵌されていて、ピストンロッド8の後退、進出で、摺動板9が上下動する。
摺動板9の下面には、金型固定台12が取着されており、金型の上型13がこれに固定されている。型押えシリンダ7が油圧で駆動され、ピストンロッド8が下降すると、上型13が下型4に密着する(矢印a。以後「金型を閉める」と言う。)。このとき数十トンの力が上型に掛かる。
同じく型押えシリンダ7が油圧で駆動され、ピストンロッド8が上昇すると、上型13が下型4から離れる(矢印a。以後、「金型を開ける」と言う。)。これで加工対象物の出し入れが出来る。
16は左シリンダ、17は右シリンダ、18は突き上げシリンダである。夫々、油圧で駆動され、各ピストンロッド21,22,23が進出、後退する(矢印b,c,d)。各ピストンロッドには、押圧杆26,27、押入杆28が取着される。金型には、上型13と下型4とに分けてT字形通路29が穿設されている。押圧杆26,27、押入杆28は、このT字形通路29の左側通路LT、右側通路RT、下側通路VTに挿入される(これら符号は図2に示す。)。なお、24は架台2に穿設された挿通孔であり、ここに押入杆28が挿通されている。
図2〜図9を引用して、実施の形態例に於ける作業手順を説明する。図2(A),図3(A)に金型の右側面中央縦断面、図2(B),図3(B)に金型の正面中央縦断面を示す。ここでは、三方分岐管の典型例であるT字形への成形を例にする。
最初に、金型を開く。下側通路VT内に銅の丸棒30を落し込む。その後、金型を閉め、上型13に所定油圧を印加する。上型13は下型4に密着する(図2(A),(B))。
なお、銅の丸棒30は破断して示す。押入杆28は破断しないで示す。銅の丸棒30は加工前と加工後で断面形状が変る。それが判り易いよう、最初から破断して示す。
次いで、突き上げシリンダ18を駆動し、押入杆28を突き上げて行って、銅の丸棒30を上方向に押し入れて行く。これにより、銅の丸棒30の上端が左右の各通路LT,RTに分岐侵入して行き、銅の丸棒30はT字形の分岐部材32Aへと、冷間での押出し成形が行なわれる。(図3(A),(B))。
押入杆28の先端には、円形の低い台36が形成されている。台36の外径は、後述の中抜き加工用押入杆37の外径と同じにされている。即ち形成されるべきT字形三方分岐管35(図9)の内径と同じにされている。
この円形の台36を有する押入杆28の突き上げで、冷間での押出し成形の間に、中央枝部VBの下端に円形凹部38が形成される。この円形凹部38には、後述する中抜き加工の際に、中抜き加工用押入杆37の先端が嵌入される。これで押出し加工中の押入杆28の偏心が防止される。
三方分岐管を製造する為でなく、別の目的に使用するためT字形分岐部材32Aそのものを製造するときは、ここで金型を開ける。押入杆28を上に突き上げて、T字形分岐部材32Aを押し出す。
T字形分岐管を製造する場合は、金型を開けないで作業を続ける。即ち先ず、ここで押出し成形しただけのT字形分岐部材32Aの左右の端面31は、図3に示すように偏肉している(斜面になっている。)。後述するように、この儘では中抜き加工をするのに不都合がある。そこで、この端面31を垂直にする。
この場合、冷間の、両側からの押圧だけでは、左右の端面31を垂直にするのは冷間ではかなり難しい。そこで切除を考える。しかし、図3の偏肉分が大きい状態のまま切除すると、素材の目減りが大きい。それ故、切除の前に左右の端面31を押圧する。即ち、左側押圧杆26及び右側押圧杆27を左側通路LT及び右側通路RTに挿入して行って、T字形分岐部材32Aの左右各端面を押圧する。これで、端面が押圧する前より垂直になる(43,44)。
このあと、金型を開き、押入杆28を突き上げて、押圧後のT字形分岐部材32Bを取出す。そして、前記押圧のあとも残っていた斜面の部分46を、不図示加工機で切除し、垂直な端面とする(図5)。これで中抜き加工に対する不都合の無いT字形分岐部材32Cとなる。切除した部分46は再利用に回す。
垂直にした左右の端面には座繰りをし、下枝部VBと同様の円形凹部38を形成する(図6)このT字形分岐部材32Dを金型に戻す。なお、金型は別のものに取替えておく。別の金型とは、通路LT,RT,VTの内径が、元の金型より所定量拡大されているものである。
冷間で押出し成形されると、形成された部材(ここでは、分岐部材32A)と、各通路(ここでは、LT,RT,VT)とは、きつい嵌め合いの関係になる。このため一旦取出すと、同じ通路には戻せない。それ故、このように別の金型に取替えて、その通路に加工後のT字形分岐部材32Dを嵌め込む。このあと、この金型を閉める。
押圧杆26,27、押入杆28も、中抜き加工用押入杆37に変更しておく(図7)。これを左側,右側及び下側の各通路(図2のLT,RT,VTに相当)に押入して行く。加工後のT字形分岐部材32Dには、夫々の端面に円形凹部38が形成されている。夫々の中抜き加工用押入杆37の先端は、この各凹部38に嵌入する(図7)。これで、中抜き加工が進行して行く際の、各押入杆38の偏心が防止される。
各中抜き用押入杆38は更に奥へ押入される。これで、T字形分岐部材32Dの各部は恰も後方押出しの如く押出し加工され、筒状部LP,RP,VPへと成形される(図8)。
このあと金型からこの部材45を取出す。そして不図示ボール盤等を使用し、残存している壁34をドリル等で切削等して除去する。これで、T字形三方分岐管35が完成する(図9)。
変形例等について説明する。実施の形態例では、両端垂直化のため、T字形分岐部材32Bを一旦金型から取出した。そして、戻すとき金型を別のものにした。1個を作るたび金型交換をしたのでは、もちろん効率が悪い。
実際の生産の場では、次の何れかのようにする。即ち、生産量が少ない場合は1台の装置で対応する。装置費用が少なくて済むからである。この場合は、先ず所定本数について、T字形への成形(図3)と両端押圧(図4)とを実行する。
それから、この所定本数について両端の切除を行なう。そして金型を取替える。そして、今度はこの所定本数について中抜き加工(図8)を実行する。
生産量が多いときは、押出し成形機を2台用意し、一方にはT字形分岐部材形成用の金型、もう一方には中抜き加工用金型を設置する。この2台を一組として生産を行なう。あとは必要に応じてこの組数を増やす。
しかし、そもそもは、T字形分岐部材への加工、及び次の中抜き加工を、一つの金型で実行出来た方が良い。そうすれば生産性が高まる。
出願人も一応の実験等はしてみた。しかし、その限りでは結果は良くなかった。即ち、実験では、押入杆28と同様の、即ち先端に円形の台36を有する押入杆を使用し、これでT字形分岐部材32Aの両端を強く押圧してみた。このとき、押入杆の先端付近が欠けた。T字形分岐部材Aの左右の端面31が傾斜している為、これに当接した押入杆の端面に不均等な力が掛かった為と推定される。
この問題は、強度の高い素材を使用すれば解決出来る。費用が嵩むので取敢えずは試さなかった。実施の形態例では、押圧杆26等の強度がそれほどでもない場合に合わせ、T字形分岐部材32Bを一旦取出す手法を採った。
どちらの手法を採用するかは、全体のコストを勘案し、実際の場面ごとに定める。
なお、三方分岐杆はT字形が端的である。しかし、金型の通路について、請求項では「その奥端に於て略対称の方向に伸びた二つの通路に分岐されているところの一の通路」と表現した。このような広汎な表現としたのは、本願発明がT字形以外にも適用可能だからである。
T字形以外の形状としては、例えば、図10(A)に示すY字形のもの、或いは、同図(B)に示す言わば矢印形などが想定される。
T字形が端的と記述したのは、三方分岐管の製造に於ては、T字形が基本とされるからである。T字形が適切に形成されるなら、これを出発点として、種々のベンド管が製造できる。それ故、本願発明も、このT字形の三方分岐管の製造に適用することを本旨とする。しかし、必要があれば、上記Y字形、矢印形等にも適用可能である。
また、実施の形態例では銅棒を素材にした。本発明は、アルミニウム、錫、金、銀など、他の素材にも適用し得る。
1…押出し成形機
2…架台
3…脚
4…下型
6…円柱
7…型押えシリンダ
8…ピストンロッド(型押えの)
9…摺動板
11…透孔
12…金型固定台
13…上型
16…左シリンダ
17…右シリンダ
18…突き上げシリンダ
21…ピストンロッド(左)
22…ピストンロッド(右)
23…ピストンロッド(突き上げ)
24…挿通孔(架台2の)
26…押圧杆(左)
27…押圧杆(右)
28…押入杆(下)
29…T字形通路
30…銅の丸棒
31…T字形分岐部材の端面(左右共通)
32A…T字形分岐部材(図3の)
32B…T字形分岐部材(図4の)
32C…T字形分岐部材(図5の)
32D…T字形分岐部材(図6の)
34…壁(図8)
35…T字形分岐管(図9完成品)
a…矢印(図1)
b…矢印(図1)
c…矢印(図1)
d…矢印(図1)
LT…左側通路(図2)
RT…右側通路(図2)
VT…下側通路(図2)
VB…下枝部(図3(A))
36…円形の台
37…中抜き加工用押入杆(左右下共通)
38…円形凹部(左右下共通)
43…押圧後端面(左。図4)
44…押圧後端面(右。図4)
45…筒状化部材全体(図8)
46…切除部分(左右共通。図5)
LP…筒状部(左)
RP…筒状部(右)
VP…筒状部(下)

Claims (8)

  1. 金型に形成されていて、その奥端に於て略対称の方向に延びた二つの通路に分岐されているところの一の通路の側から、
    冷間で、棒材を押入して行って、その先端が前記二つの通路に分岐侵入するように該棒材を押出し成形し、三方分岐部材とする
    ことを特徴とする三方分岐部材の製造方法。
  2. 前記一の通路及び二つの通路がT字形である
    ことを特徴とする請求項1に記載の三方分岐部材の製造方法。
  3. 金型に形成されていて、その奥端に於て略対称の方向に伸びた二つの通路に分岐されているところの一の通路の側から、
    冷間で、棒材を押入して行って、その先端が前記二つの通路に分岐侵入するように該棒材を押出し成形し、三方分岐部材とする工程と、
    前記金型の通路に保持された、又は別の金型の同様の通路に保持された前記三方分岐部材の三つの分岐部分に対して、
    冷間で、中抜き加工用杆を押入して行って、該三つの分岐部分を三つの筒状部とする工程と、
    該各筒状部の境界に残存している壁を除去し、各筒状部の内部空間を連通させて三方分岐管とする工程とを有する
    ことを特徴とする三方分岐管の製造方法。
  4. 前記一の通路及び二つの通路がT字形である
    ことを特徴とする請求項3に記載の三方分岐管の製造方法。
  5. 一の通路及び該通路の奥端に於て略対称の方向に分岐延伸されている二つの通路が形成されている金型と、
    冷間で、前記一の通路の側から棒材が押入されて行くことで、該棒材の先端が前記二つの通路に分岐侵入するように押出し成形され、以て棒材が三方分岐部材とされるべく、前記棒材を前記一の通路の側から押入して行く押入手段
    とを備えたことを特徴とする三方分岐部材の製造装置。
  6. 前記一の通路及び二つの通路がT字形である
    ことを特徴とする請求項5に記載の三方分岐部材の製造装置。
  7. 一の通路及び該通路の奥端に於て略対称の方向に伸び分岐されている二つの通路が形成されている金型と、
    冷間で、前記一の通路の側から棒材が押入されて行くことで、該棒材の先端が前記二つの通路に分岐侵入するように押出し成形され、以て棒材が三方分岐部材とされるべく、前記棒材を前記一の通路の側から押入して行く押入手段と、
    前記金型の通路に保持された、又は別の金型の同様の通路に保持された前記三方分岐部材の三つの分岐部分に対して押入され、冷間で、該分岐部分について中抜き加工をして、該三つの分岐部分を三つの筒状部とする押入杆と、
    該各筒状部の境界に残存している壁を除去し、各筒状部の内部空間を連通させ三方分岐管とする除去手段
    とを備えたことを特徴とする三方分岐管の製造装置。
  8. 前記一の通路及び二つの通路がT字形である
    ことを特徴とする請求項7に記載の三方分岐管の製造装置。
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