JP2010282858A - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた寿命特性を有するリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】本発明のリチウムイオン電池は、正極活物質にLiNiMn(1.0≦x≦1.1、0.3≦a≦0.5、1.4≦b≦1.7、0≦c≦0.1、MはMg、Ti、V、Cu、及びAgのうちのいずれか1つ)を、負極活物質に黒鉛層間距離(d002)が0.35〜0.37nm、真密度が1.7〜2.1g/ccの炭素材料を用い、単位電極面積当たりの正極活物質重量Wと負極活物質重量Wとの比が0.21≦W/W≦0.29の範囲であり、充電電圧4.7Vにおける開回路電圧(V)の充電深度(%)に対する変化率ΔVが、ΔV≧10mV/%であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明はリチウムイオン電池に関する。
近年、リチウムイオン電池は高エネルギー密度及び高出力密度を有することから、パソコンや携帯機器などの電源として広く使用されている。また、環境に配慮した自動車として電気自動車及びハイブリッド自動車の開発が進む中、リチウムイオン電池は自動車用の電源へ適用が検討されている。電気自動車やハイブリッド自動車の用途では、高出力、高エネルギー密度及び長寿命化が重要な課題である。
特許文献1には、正極にスピネル構造のLi〔Ni2−n〕(Mは、少なくとも1種類以上のNi以外の遷移金属)、負極にチタン酸リチウムを用いるリチウムイオン電池が開示されている。さらに、特許文献2には、正極にスピネル構造のLi2±α[Me]8−x(Meは、MnとNi、Cr、Fe、Co及びCuのうち少なくとも1種類とを含む遷移金属元素)、負極にチタン酸リチウムを用いるリチウムイオン電池が開示されている。
これらの電池は、正極の作動電位が4〜5Vと高く、高エネルギー密度が得られるとされているが、電解液の酸化分解により電池のサイクル可逆性が悪いことが大きな課題である。また、文献1及び2に開示されている電池系は、充放電での電圧変化が小さく平坦な充放電カーブを示すため、特に充電の終了電圧を高精度に検出する必要がある。充電終了の検出精度が悪い場合、過充電領域まで充電することになり、電解液の分解が一層増大し、電池寿命が急激に低下する。
特開2000−156229号公報 特開2003−323893号公報
本発明は、上述した電解液の分解を防止し、長寿命のリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
本発明によるリチウムイオン電池は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵放出する正極及び負極と、前記リチウムイオンを含む電解質を溶解させた有機電解液とを備えるリチウムイオン電池において、前記正極の正極活物質は、LiNiMn(1.0≦x≦1.1、0.3≦a≦0.5、1.4≦b≦1.7、0≦c≦0.1、MはMg、Ti、V、Cu、及びAgのうちのいずれか1つ)であり、充電電圧4.7Vにおける開回路電圧(V)の充電深度(%)に対する変化率ΔVが、ΔV≧10mV/%であることを特徴とするリチウムイオン電池である。
さらに、前記負極の負極活物質は、黒鉛層間距離(d002)が0.35〜0.37nm、真密度が1.7〜2.1g/ccの炭素材料を少なくとも含み、前記正極と前記負極は、単位電極面積当たりの正極活物質重量Wと負極活物質重量Wとの比が0.21≦W/W≦0.29の範囲である。
また、前記負極の負極活物質は、少なくともLiMoS(0≦x≦1)またはLiTiS(0≦x≦1)を含む。この場合、前記負極は、負極集電箔に前記負極活物質を塗布した電極であり、前記負極集電箔は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製であることが望ましい。
本発明により、優れた寿命特性を有するリチウムイオン電池を提供できる。
従来のリチウムイオン電池の充放電カーブを示す図である。 本発明のリチウムイオン電池の充放電カーブを示す図である。 本発明のリチウムイオン電池の概略を示す図である。
従来のリチウムイオン電池の充放電カーブの例を、図1に示す。従来のリチウムイオン電池は、電圧が4.6〜4.8Vの範囲で平坦な充放電変化を示すことが分かる。ところで、4.7Vより高電位では電解液の酸化分解反応が起きるため、電解液分解によるリチウムイオン電池のサイクル劣化を回避するには、4.7V以下で確実に充電を停止することが必要である。
しかしながら、図1の通り、電圧が4.6〜4.8Vの範囲(図1中の四角で囲んだ範囲)で充電時の電位変化が平坦であるため、電圧検出の誤差により、場合によっては電解液を分解する電圧である4.7Vより高電位に至ることもある。電圧が4.7Vを超えると、充電のためにリチウムイオン電池に供給されている電気は電解液の分解に消費され、充電率が100%を超える過充電となる。従来のリチウムイオン電池は、この過充電による電解液分解の繰り返しによって、サイクル寿命が低下する恐れがある。
このようなことから、本発明によるリチウムイオン電池は、充電深度(充電率)と放電深度の変化に伴い電圧が大きく変化し、充放電カーブに大きな傾きを持たせる電池構成とした。これによって充電終止判定を容易とし、電解液の分解を抑えサイクル特性が大幅に向上する。
図2に、本発明によるリチウムイオン電池の充放電カーブの例を示す。充電カーブにおいて、電解液の分解が起こりだす4.7V近傍(図2中の円で囲んだ範囲)では、電圧変化(充電カーブの傾き)が大きく、充電終止判定が容易であることが分かる。
充電カーブの傾きは、開回路電圧(OCV[V])の充電深度(SOC[%])に対する変化率(ΔV[V/%])で表される。ΔVは、汎用的な電圧検出回路での検出精度などを考慮すると、充電を停止する4.7Vにおいて、ΔV≧10mV/%であることが望ましい。ΔV≧10mV/%である場合、充電容量のバラツキが少なく電解液の分解反応が抑制できる。
ΔV≧10mV/%となるように充放電カーブに傾きを持たせる電池構成は、平坦な電位変化を示す正極に電位変化が大きい負極を組み合わせ、さらに、正極と負極の容量バランスを特定の範囲とすることが望ましいことが判った。以下、本発明の詳細について述べる。
図3は、本発明によるリチウムイオン電池の概略を示す図である。本リチウムイオン電池は、正極10、セパレータ11、負極12、電池缶13、正極集電タブ14、負極集電タブ15、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、PTCサーミスタ素子19、及び電池蓋20から構成される。正極10、セパレータ11、及び負極12には、電解液が滲みこんでいる。
正極10と負極12は、電解液に溶解しているリチウムイオンを可逆的に吸蔵放出する。以下、正極10、負極12、及び電解液について説明する。
正極活物質としては、スピネル型立方晶構造を有するリチウムと遷移金属との複合化合物を用いる。高出力かつ長寿命といった観点では、少なくともリチウム、ニッケル、及びマンガンを含有するスピネル型立方晶が好まく、特にLiNiMnが好ましい。但し、1.0≦x≦1.1、0.3≦a≦0.5、1.4≦b≦1.7、0≦c≦0.1、MはMg、Ti、V、Cu、及びAgのうちいずれか1つである。Mは結晶構造の安定化に効果があり、これらの元素を結晶構造中に置換することで、サイクル可逆性の優れた正極材料が得られる。また、正極活物質は、平均粒径が10μm以下であることが好ましい。
この正極活物質は、所定の元素組成比で原料粉体(酸化物、水酸化物、炭酸塩等)を調合し、これをボールミル等の機械的な方法で粉砕混合する。粉砕混合は乾式、湿式どちらでもよい。粉砕された原料粉末の粒径は、1μm以下が好ましく、より好ましくは0.3μm以下である。そして、このようにして得られた粉末を800〜850℃で焼成する。このとき、600〜650℃の範囲で仮焼、750〜800℃の範囲で2段目の仮焼、さらに800〜850℃で本焼成といった多段焼成することが、均一相の正極活物質を得るために望ましい。焼成する際の雰囲気は、酸素、空気、またはこれらを混合した雰囲気で焼成を行うことができる。
正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の金属集電箔に正極合剤を塗布して形成される。正極合剤は、上述の正極活物質に導電材と結着剤(バインダー材)とを混合したものである。
導電材には、ブロック状黒鉛、鱗片状黒鉛、またはカーボンブラックなどの無定形炭素を用いることができ、これらを組み合わせてもよい。ブロック状黒鉛の場合は1〜10重量%、鱗片状黒鉛の場合は1〜7重量%、無定形炭素の場合は0.5〜7重量%添加することが望ましい。ブロック状黒鉛が1重量%未満では、正極内の導電ネットワークが不十分であり、10重量%を超えると正極材料量の低減により電池容量の低下を招く。鱗片状黒鉛が1重量%未満では、他の導電材と置換した際の導電材料低減効果が低く、7重量%を超えると平均粒径が大きいため、正極内部に空隙が形成されて正極の低密度化の要因となる。無定形炭素が0.5重量%未満では、正極材料間の空隙を繋ぐには不十分であり、7重量%を超えると正極の大幅な低密度化の要因となる。
バインダー材には、N−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることができる。
負極活物質としては、黒鉛層間距離(d002)が0.35〜0.37nmの範囲で、真密度(ρ)が1.7〜2.1g/ccの範囲の非晶質炭素材料が、図2に示したように充放電カーブに大きな傾きを持たせることができ、高エネルギー密度も得られるので、特に望ましい。
負極は、銅製の金属集電箔に負極合剤を塗布して形成される。負極合剤は、上述の負極活物質にバインダー材を添付したものである。このとき、上記の炭素材料は平均粒径が20μm以下、比表面積が10m/g以下であることが、安定な負極合剤を調製し、平滑な電極を形成する点で好ましい。
負極合剤に添加するバインダー材としては、結着力が優れたスチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)ラテックスを用い、セルロース系増粘材を加えることが望ましい。その他には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることも、密着性が優れた負極が得られる点で望ましい。
また、充電を停止する4.7Vの電圧において、ΔV≧10mV/%であるためには、正極と負極の容量バランスを特定の範囲とすることが望ましい。すなわち、単位電極面積当たりの正極活物質の重量(W)に対する負極活物質重量(W)の比(W/W)が、0.21≦W/W≦0.29の範囲であるのが望ましい。W/Wが0.29より大きい場合は、負極の全充電容量に余裕を持つことになり、定格容量以上の充電が行われる可能性が生じ、このとき電解液の分解反応を伴うと考えられる。逆に0.21より小さい場合は、負極の全容量が不足することになり、電池容量が減少するため高エネルギー密度のリチウムイオン電池が得られない。
負極活物質としては、上述の炭素材料以外に、MoSまたはTiSを用いることで、充放電カーブに傾きを持たせることができる。負極活物質にMoSまたはTiSを用いる利点は、負極の材料として、銅製の金属集電箔以外にアルミニウムまたはアルミニウム合金製の金属箔を用いることができる点である。MoSまたはTiSのリチウムの吸蔵放出電位は、炭素材料に比べて貴電位であるため、アルミニウムまたはアルミニウム合金を負極集電箔に使用してもリチウムと反応せず安定である。さらに、銅製の集電体に比べてアルミニウムまたはアルミニウム合金の集電体の方が軽量であるため、エネルギー密度の面でも望ましい。
なお、負極活物質として用いるMoSとTiSは、リチウムイオンを充電により吸蔵したり放電により放出したりして、それぞれLiMoSとLiTiSとなる(0≦x≦1)。
電解液としては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ビニレンカーボネート(VC)、メチルアセテート(MA)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)等の溶媒に、電解質として6フッ化リン酸リチウム(LiPF)、4フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、過塩素酸リチウム(LiClO)等を溶解させた有機電解液を用いるのが望ましい。電解質濃度は、0.7〜1.5Mが望ましい。
以下、本発明によるリチウムイオン電池の実施例を説明するが、本発明はこうした実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<正極活物質の合成>
正極活物質の原料として、水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用し、原子比でNi:Mn比が0.5:1.5となるように秤量し、湿式粉砕機で粉砕混合した。得られた混合原料に、さらにLi:遷移金属(実施例1ではNiとMn)の原子比が1:2となるように、水酸化リチウム−水和物を添加し充分混合した。この混合粉末を高純度アルミナ容器に入れて、空気中600〜650℃で12時間仮焼した後、酸素気流中750〜800℃で12時間焼成し、さらに800〜850℃で12時間焼成した。得られた正極活物質を解砕分級した。この正極活物質の平均粒径は6μmであった。
<正極の作製>
上記の正極活物質、粉末状黒鉛、鱗片状黒鉛、無定形炭素、及びN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン(PVDF(呉羽化学製、KF#1120))を用い、それぞれの重量比が85:7:2:2:4となるように混合した。粉末状黒鉛、鱗片状黒鉛、及び無定形炭素は導電材であり、N−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデンはバインダー材である。さらに、プラネタリーミキサーで十分撹拌して、正極スラリーを調製した。塗布機を用いて種々の塗布量に設定し、厚さ20μmのアルミニウム箔にこの正極スラリーを塗布した。正極スラリーを乾燥した後、ロールプレスを行って正極を得た。
<負極活物質の合成>
オートクレーブを用いて、石炭系コールタールを400℃で熱処理し生コークスを得た。この生コークスを粉砕した後、不活性雰囲気中において1400℃でカ焼を行い、黒鉛層間距離(d002)が0.35nm、真密度(ρ)が2.1g/ccの非晶質炭素の塊を得た。この非晶質炭素の塊を分級機付きの衝撃粉砕機を用いて粉砕し、300メッシュの篩にて粗粉を除去し、負極活物質として用いた。
<負極の作製>
40重量%のSBRラテックス(日本ゼオン製、BM−400B)をバインダー材、1.5重量%のカルボキシメチルセルロース(CMC(ダイセル化学工業製、ダイセル2200))水溶液を増粘材として、上記負極活物質にSBR及びCMCを97:1.5:1.5の重量比率で混合し、プラネタリーミキサーで十分撹拌して負極スラリーを調製した。塗布機を用いて種々の塗布量に設定し、厚さ10μmの銅箔にこの負極スラリーを塗布した。負極スラリーを乾燥した後、ロールプレスを行って負極を得た。
<リチウムイオン電池の作製>
以上のように作成した正極シート及び負極シートを所定の大きさに裁断し、それぞれ正極及び負極とした。正極及び負極の両端の未塗工部に、それぞれ集電タブを超音波溶接で設置した。正極集電タブはアルミニウム製、負極集電タブはニッケル製とした。この正極及び負極を、単位電極面積当たりの正極活物質重量(W)と負極活物質重量(W)の比が、W/W=0.29となるように、組み合わせた。
次に、正極10及び負極12の間に多孔性のポリエチレンフィルムを挟んでセパレータ11とし、円筒状に捲回した(図3参照)。この捲回体を電池缶13に挿入し、負極集電タブ15を電池缶13の缶底に抵抗溶接により接続し、一方、正極集電タブ14には正極蓋(内蓋16)を超音波溶接により接続した。電池缶13には、体積比が1:2のエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1.0モル/L溶解させた電解液を注液した。その後、正極蓋を電池缶13にかしめて密封し、図3に示すリチウムイオン電池を得た。
(実施例2)
正極活物質の合成は実施例1と同様であるが、原料として水酸化ニッケル、二酸化マンガン及び酸化マグネシウムを使用し、原子比でNi:Mn:Mg比が0.5:1.49:0.01となるように秤量し、湿式粉砕機で粉砕混合した点が異なる。以下、実施例1と同様にして正極活物質を合成した。
負極活物質の合成も実施例1と同様であるが、カ焼温度を1200℃として、黒鉛層間距離(d002)が0.36nm、真密度(ρ)が1.8g/ccの非晶質炭素の塊を得た点が異なる。以下、実施例1と同様にして負極活物質を合成した。
以上のように調製した正極活物質と負極活物質とを用い、実施例1と同様にして、図3に示すリチウムイオン電池を得た。単位電極面積当たりの正極活物質重量(W)と負極活物質重量(W)の比は、W/W=0.29である。
(実施例3)
正極活物質の合成は実施例1と同様であるが、原料として水酸化ニッケル、二酸化マンガン及び五酸化バナジウムを使用し、原子比でNi:Mn:V比が0.5:1.49:0.01となるように秤量し、湿式粉砕機で粉砕混合した点が異なる。以下、実施例1と同様にして正極活物質を合成した。
負極活物質の合成も実施例1と同様であるが、カ焼温度を1000℃として、黒鉛層間距離(d002)が0.37nm、真密度(ρ)が1.7g/ccの非晶質炭素の塊を得た点が異なる。以下、実施例1と同様にして負極活物質を合成した。
以上のように調製した正極活物質と負極活物質を用い、W/W=0.21となるように正極と負極とを組み合わせ、実施例1と同様にして図3に示すリチウムイオン電池を得た。
(実施例4)
正極活物質の合成は実施例1と同様であるが、原料として水酸化ニッケル、二酸化マンガン及び酸化銅を使用し、原子比でNi:Mn:Cu比が0.5:1.4:0.1となるように秤量し、湿式粉砕機で粉砕混合した点が異なる。以下、実施例1と同様にして正極活物質を合成した。
以上のように調製した正極活物質と、実施例1において調製した負極活物質を用い、W/W=0.21となるように正極と負極とを組み合わせ、実施例1と同様にして図3に示すリチウムイオン電池を得た。
(実施例5)
正極活物質の合成は実施例1と同様であるが、原料として水酸化ニッケル、二酸化マンガン及び酸化銀を使用し、原子比でNi:Mn:Ag比が0.5:1.49:0.01となるように秤量し、湿式粉砕機で粉砕混合した点が異なる。以下、実施例1と同様にして正極活物質を合成した。
以上のように調製した正極活物質と、実施例1において調製した負極活物質を用い、W/W=0.23となるように正極と負極とを組み合わせ、実施例1と同様にして図3に示すリチウムイオン電池を得た。
(実施例6)
正極活物質の合成は実施例1と同様であるが、原料として水酸化ニッケル、二酸化マンガン及び酸化チタンを使用し、原子比でNi:Mn:Ti比が0.5:1.49:0.01となるように秤量し、湿式粉砕機で粉砕混合した点が異なる。以下、実施例1と同様にして正極活物質を合成した。
以上のように調製した正極活物質と、実施例1において調製した負極活物質を用い、W/W=0.23となるように正極と負極とを組み合わせ、実施例1と同様にして図3に示すリチウムイオン電池を得た。
(実施例7)
正極活物質の合成は、まず実施例1と同様に、原料として水酸化ニッケルと二酸化マンガンを使用し、原子比でNi:Mn比が0.5:1.5となるように秤量し、湿式粉砕機で粉砕混合した。得られた混合原料に、さらにLi:遷移金属(NiとMn)の原子比が1.1:1.9となるように、水酸化リチウム−水和物を添加し充分混合した。この点が実施例1と異なる。以下、実施例1と同様にして正極活物質を合成した。
以上のように調製した正極活物質と、実施例1において調製した負極活物質を用い、W/W=0.25となるように正極と負極とを組み合わせ、実施例1と同様にして図3に示すリチウムイオン電池を得た。
(比較例)
比較例のリチウムイオン電池では、正極活物質は実施例1と同じものを用いたが、負極活物質には黒鉛を用いた。実施例1と同様にして、W/W=0.25となるように正極と負極を組み合わせ、図3に示すリチウムイオン電池を得た。用いた黒鉛の黒鉛層間距離(d002)は0.336nm、真密度(ρ)は2.25g/ccであった。
実施例1から7のリチウムイオン電池を1本ずつ、及び比較例のリチウムイオン電池を4本用いて、各電池の特性を求めた。
まず、充放電時の各電池の開回路電圧(OCV)の変化を測定し、充放電カーブを求めた。充電電圧が4.7Vのときの充電深度(SOC)が100%である(SOC=100%)と定義し、充電カーブの4.7Vにおける開回路電圧の変化の傾きからΔVを求めた。ΔVは、前述したように、開回路電圧(OCV)の充電深度(SOC)に対する変化率である。
次に、充放電を繰り返すサイクル試験を行った。充電条件は、上限電圧を4.7V、電流を0.5CA(2時間率)とした。放電条件は、下限電圧を3.5V、電流を1CA(1時間率)とした。
表1に、実施例1から7のリチウムイオン電池、及び比較例のリチウムイオン電池に対する、ΔV、10サイクル目の充放電効率、及び100サイクル経過時点での容量維持率をまとめた。充放電効率とは、充電容量に対する放電容量の割合であり、容量維持率とは、電池の初期容量に対するサイクル経過後の放電容量の割合である。これらの値は寿命特性の指標となり、数値が大きいとサイクル劣化が少なく長寿命である(寿命特性がよい)ということを示す。
本発明による実施例1から7のリチウムイオン電池は、いずれもΔVが10mV/%以上であり、電解液を分解することなく充放電が可能である。これにより、電池効率が安定したと考えられる10サイクル目の充放電効率は、99.6〜99.7%とほとんどバラツキが無く、高い値が得られた。これに対し、比較例の電池は、ΔVが10mV/%より小さく、周囲環境温度や電圧検出精度などの因子により充電終止に差が生じ、結果として電解液を分解してしまう電池も現れたため、表1に示す通り、10サイクル目の充放電効率は98〜99.5%とバラツキが生じた。したがって、100サイクル経過時点の容量維持率は、本発明によるリチウムイオン電池が85%以上と優れ、比較例のリチウムイオン電池はバラツキが大きく特性が悪かった。
Figure 2010282858
(実施例8)
実施例8では、粒径が20μmのMoSを負極活物質に用い、以下の手順で負極を作製した。負極活物質、カーボンブラック、及びN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン(PVDF(呉羽化学製、KF#1120))を用い、それぞれの重量比が85:11:4となるように混合した。カーボンブラックは導電材であり、N−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデンはバインダー材である。さらに、プラネタリーミキサーで十分撹拌して、負極スラリーを調製した。この負極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布した。負極スラリーを乾燥した後、ロールプレスを行って負極を得た。
以上のように作成した負極と実施例1の正極とを用い、実施例1と同様にして、図3に示すリチウムイオン電池を得た。
(実施例9)
実施例9では、粒径が20μmのTiSを負極活物質に用い、以下の手順で負極を作製した。負極活物質、カーボンブラック、及びN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン(PVDF(呉羽化学製、KF#1120))を用い、それぞれの重量比が85:11:4となるように混合した。カーボンブラックは導電材であり、N−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデンはバインダー材である。さらに、プラネタリーミキサーで十分撹拌して、負極スラリーを調製した。この負極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布した。負極スラリーを乾燥した後、ロールプレスを行って負極を得た。
以上のように作成した負極と実施例1の正極とを用い、実施例1と同様にして、図3に示すリチウムイオン電池を得た。
実施例8及び9のリチウムイオン電池を用いて、前記した実施例1から7及び比較例の電池評価と同様にして、開回路電圧(OCV)の充電深度(SOC)に対する変化率ΔV、及び100サイクル経過時点での容量維持率を調べた。
この結果を表2に示す。表2に示す通り、ΔVが10mV/%以上であり、100サイクル経過時点の容量維持率も75%以上となり、比較例よりも優れたリチウムイオン電池が得られた。
Figure 2010282858
10…正極、11…セパレータ、12…負極、13…電池缶、14…正極集電タブ、15…負極集電タブ、16…内蓋、17…内圧開放弁、18…ガスケット、19…PTCサーミスタ素子、20…電池蓋。

Claims (5)

  1. リチウムイオンを可逆的に吸蔵放出する正極及び負極と、前記リチウムイオンを含む電解質を溶解させた有機電解液とを備えるリチウムイオン電池において、
    前記正極の正極活物質は、LiNiMn(1.0≦x≦1.1、0.3≦a≦0.5、1.4≦b≦1.7、0≦c≦0.1、MはMg、Ti、V、Cu、及びAgのうちのいずれか1つ)であり、
    充電電圧4.7Vにおける開回路電圧(V)の充電深度(%)に対する変化率ΔVが、ΔV≧10mV/%であることを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 請求項1記載のリチウムイオン電池において、
    前記負極の負極活物質は、黒鉛層間距離(d002)が0.35〜0.37nm、真密度が1.7〜2.1g/ccの炭素材料を少なくとも含み、
    前記正極と前記負極は、単位電極面積当たりの正極活物質重量Wと負極活物質重量Wとの比が0.21≦W/W≦0.29の範囲であるリチウムイオン電池。
  3. 請求項1記載のリチウムイオン電池において、
    前記負極の負極活物質は、少なくともLiMoS(0≦x≦1)を含むリチウムイオン電池。
  4. 請求項1記載のリチウムイオン電池において、
    前記負極の負極活物質は、少なくともLiTiS(0≦x≦1)を含むリチウムイオン電池。
  5. 請求項3または4記載のリチウムイオン電池において、
    前記負極は、負極集電箔に前記負極活物質を塗布した電極であり、前記負極集電箔は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製であるリチウムイオン電池。
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