JP2010280140A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010280140A
JP2010280140A JP2009135488A JP2009135488A JP2010280140A JP 2010280140 A JP2010280140 A JP 2010280140A JP 2009135488 A JP2009135488 A JP 2009135488A JP 2009135488 A JP2009135488 A JP 2009135488A JP 2010280140 A JP2010280140 A JP 2010280140A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
head
supply path
circuit board
path forming
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009135488A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Suzuki
繁樹 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2009135488A priority Critical patent/JP2010280140A/ja
Publication of JP2010280140A publication Critical patent/JP2010280140A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】不良品の発生を抑制してコストを低減すると共に、短絡や汚れなどの不具合を抑制する。
【解決手段】ノズル開口が並設されたノズル列を有し、圧力発生素子の駆動によってノズル開口から液体を噴射するヘッド本体1と、ヘッド本体1の圧力発生素子へ駆動信号を供給する接続端子に接続され、可撓性を有する部材に配線が形成されたフレキシブル配線部材と、駆動信号をフレキシブル配線部材に供給する回路基板600と、回路基板600とヘッド本体1との間に配置されて、ヘッド本体1が複数固定されると共に、フレキシブル配線部材が挿通される複数の貫通孔501と液体を前記ヘッド本体1に供給する供給路503が形成された供給路形成部材500と、を具備し、供給路形成部材500には、貫通孔501同士を隔てる隔壁502と、隔壁502に設けられて回路基板600側となる第1面側に開口された凹部504と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液滴を吐出する液体噴射ヘッドの代表例としては、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。このインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、インク滴をノズル開口から吐出する複数のヘッド本体と、複数のヘッド本体に固定されてインクが貯留された液体貯留部材からのインクを各ヘッド本体に供給する共通の供給路形成部材(ヘッドケース)とを具備するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、供給路形成部材(ヘッドケース)には、ヘッド本体に設けられた圧電素子等の圧力発生素子を駆動する駆動信号が入力される回路基板(配線基板)が固定されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−225219号公報 特開2006−272885号公報
しかしながら、ヘッド本体と回路基板との間に設けられた供給路形成部材(ケース)には、配線を挿通するための貫通孔と、貫通孔を画成すると共にヘッド本体が端面に固定される隔壁とが必要であり、この隔壁を厚くすると、供給路形成部材を製造時に隔壁に余分な盛り上がりなどが発生し、供給路形成部材にヘッド本体や回路基板などの必要な部品を取り付けることができなくなる虞があるという問題がある。この供給路形成部材の余分な盛り上がりは、特に供給路形成部材を製造した際に発生し易い。
また供給路形成部材のヘッド本体が固定される隔壁を薄くすると、隔壁とヘッド本体との間に隙間が画成され、ヘッド本体側のインクが、回路基板側に回り込んで、回路基板の短絡などの電気的不具合や物理的な破壊などの不具合が生じてしまう虞がある。また、回路基板側にインクが入り込むと、入り込んだインクが予期せぬタイミングで落下して、紙等の被記録媒体を汚してしまう虞があるという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、不良品の発生を抑制してコストを低減することができると共に、短絡や汚れなどの不具合を抑制することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、ノズル開口が並設されたノズル列を有し、圧力発生素子の駆動によって前記ノズル開口から液体を噴射するヘッド本体と、
該ヘッド本体の前記圧力発生素子へ駆動信号を供給する接続端子に接続され、可撓性を有する部材に配線が形成されたフレキシブル配線部材と、
前記駆動信号を前記フレキシブル配線部材に供給する回路基板と、
該回路基板と前記ヘッド本体との間に配置されて、前記ヘッド本体が複数固定されると共に、前記フレキシブル配線部材が挿通される複数の貫通孔と液体を前記ヘッド本体に供給する供給路が形成された供給路形成部材と、を具備し、
前記供給路形成部材には、前記貫通孔同士を隔てる隔壁と、該隔壁に設けられて前記回路基板側となる第1面側に開口された凹部と、を有することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、供給路形成部材の隔壁に凹部を設けることによって、隔壁の厚さを厚くしても、隔壁に余分な盛り上がりが発生することなく、供給路形成部材に部品を確実に取り付けることができる。また、隔壁のヘッド本体側の厚さを厚くすることができ、ヘッド本体を固定する面積を広げて、ヘッド本体と供給路形成部材との接合強度を向上して、液体が回路基板側に回り込むのを抑制することができる。さらに、凹部を回路基板側に開口するように設けることで、凹部内に液体が滞留し、予期せぬタイミングで落下して紙等の被記録媒体を汚すのを抑制することができる。
ここで、前記回路基板は実装部を有し、該実装部が前記凹部内に収納されるように配置されていることが好ましい。これによれば、実装部を凹部内に収納することで、回路基板の供給路形成部材とは反対側に実装部を設ける必要がなくなり、液体噴射ヘッドの小型化を図ることができる。
また、前記凹部が開口する前記第1面において、複数の前記隔壁が並設されている方向と直交する方向であって、前記凹部の外側に前記供給路が形成されており、前記凹部の前記第1面とは反対側の面である第2面には、前記凹部の内側に相対向する領域になるように前記供給路の出口が配置されていることが好ましい。これによれば、各隔壁に1つの大きな凹部を設けることができ、実装部となる部品の大きさの制限を緩和させてコストを低減することができる。また、供給路の第2の面側の開口を凹部に相対向させることで、供給路の開口部を一部に集約させて供給路に接続されるヘッド本体の小型化を図ることができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、コストを低減することができると共に、短絡や汚れなどの不具合を抑制することができる液体噴射装置を実現できる。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係るヘッド本体の分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係るヘッド本体の平面図である。 本発明の実施形態1に係るヘッド本体の断面図である。 本発明の実施形態1に係る供給路形成部材の平面図及び断面図である。 本発明の実施形態1に係る供給路形成部材、ヘッド本体及び回路基板の組み立て状態を示す平面図及び断面図である。 本発明の実施形態2に係る供給路形成部材の平面図及び断面図である。 一実施形態に係るインクジェット式記録装置を示す概略図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。図1に示すように、インクジェット式記録ヘッドIは、インクを噴射するヘッド本体1と、ヘッド本体1が複数固定される供給路形成部材500と、供給路形成部材500のヘッド本体1とは反対側に設けられた回路基板600と、供給路形成部材500の回路基板600側に設けられた保持部材700と、ヘッド本体1の供給路形成部材500とは反対側に設けられたカバーヘッド800とを具備する。
まず、ヘッド本体1について図3〜図5を参照して詳細に説明する。なお、図3は、本発明の実施形態1に係るヘッド本体の分解斜視図であり、図4は、ヘッド本体の平面図であり、図5は、図4のA−A′断面図である。
図示するように、ヘッド本体1を構成する流路形成基板10は、本実施形態ではシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、壁部11によって区画された複数の圧力発生室12がその幅方向に並設された列が2列設けられている。また、各列の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14及び連通路15を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板30のマニホールド部31と連通して圧力発生室12の列毎に共通のインク室となるマニホールド100の一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。さらに、各連通路15は、圧力発生室12の幅方向両側の壁部11を連通部13側に延設してインク供給路14と連通部13との間の空間を区画することで形成されている。すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12の幅方向の断面積より小さい断面積を有するインク供給路14と、このインク供給路14に連通すると共にインク供給路14の幅方向の断面積よりも大きい断面積を有する連通路15とが複数の壁部11により区画されて設けられている。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。本実施形態では、流路形成基板10に圧力発生室12が並設された列を2列設けたため、1つのヘッド本体1には、ノズル開口21の並設されたノズル列が2列設けられている。なお、ノズルプレート20は、例えばガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、第1電極60と、圧電体層70と、第2電極80とが順次積層形成されて、本実施形態の圧力発生素子である圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、流路形成基板10側の第1電極60を圧電素子300の共通電極とし、第2電極80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエーター装置と称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び第1電極60が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電素子300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
圧電体層70は、第1電極60上に形成される電気機械変換作用を示す圧電材料、特に圧電材料の中でもペロブスカイト構造の強誘電体材料からなる。圧電体層70は、ペロブスカイト構造の結晶膜を用いるのが好ましく、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電体材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等が好適である。
また、圧電素子300の個別電極である各第2電極80には、絶縁体膜55上まで延設された例えば、金(Au)等からなるリード電極90(接続端子)が接続されている。リード電極90は、一端部が第2電極80に接続されていると共に、他端部側が圧電素子300が並設された列と列との間に延設されて、詳しくは後述するフレキシブル配線部材であるCOF基板410と接続されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上、すなわち、第1電極60、絶縁体膜55及びリード電極90上には、マニホールド100の少なくとも一部を構成するマニホールド部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このマニホールド部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド100を構成している。なお、本実施形態では、流路形成基板10にマニホールド100となる連通部13を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、流路形成基板10の連通部13を圧力発生室12毎に複数に分割して、マニホールド部31のみをマニホールドとしてもよい。また、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50、絶縁体膜55等)にマニホールドと各圧力発生室12とを連通するインク供給路14を設けるようにしてもよい。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する保持部である圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子保持部32は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。なお、本実施形態では、圧電素子300が並設された列が2列設けられているため、圧電素子保持部32を圧電素子300の並設された各列に対応してそれぞれ設けるようにした。すなわち、保護基板30には、圧電素子保持部32が並設された圧電素子300の列が並ぶ列設方向に2つ設けられている。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。貫通孔33は、本実施形態では、2つの圧電素子保持部32の間に設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
圧電素子300を駆動するための駆動回路200は、可撓性の配線基板であるCOF基板410に実装してある。ここで、COF基板410は、下端部がリード電極90に接続されるとともにほぼ垂直に立ち上げられて板状を有する支持部材400の側面に接着されている。すなわち、支持部材400は両側面が垂直面となっている直方体である。本実施形態では、これら支持部材400、COF基板410及び駆動回路200で配線基板が構成されている。
さらに詳言すると、本実施形態に係るヘッド本体1では、流路形成基板10に圧力発生室12が並設された列を2列設けたため、圧電素子300が圧力発生室12の幅方向(圧電素子300の幅方向)に並設された列が2列設けられている。すなわち、圧力発生室12、圧電素子300及びリード電極90の2列が相対向して設けられたものである。そして、下部が貫通孔33に挿入されている支持部材400の両側面には、それぞれCOF基板410が接着されており、各COF基板410は、それぞれの下端部が圧電素子300の各列のリード電極90の端部及び第1電極60に接続されるとともにほぼ垂直に立ち上げられている。本実施形態では、支持部材400の側面のそれぞれに1枚のCOF基板410を設けることで、1つの支持部材400に合計2枚のCOF基板410が設けられている。
なお、可撓性の配線基板であるCOF基板410は、単体で起立させようとしても撓み易いため、COF基板410を支えとなる剛性部材である支持部材400に接合することで、COF基板410の撓みを抑えて起立させることができるが、もちろん、支持部材400を設けずに、COF基板410のみを流路形成基板10の圧電素子300が設けられた面に対して直交する方向に直立するように設けるようにしてもよい。また、COF基板410を支持部材400の側面に接着するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、COF基板410が支持部材400に倒れ掛かるように保持されてもよい。
なお、図5に示すように、支持部材400の下端面とCOF基板410の下端部との間には、テフロン(登録商標)等で好適に形成し得る緩衝部材430が配設してある。また、COF基板410の下端部とリード電極90とは、導電性粒子(例えば、異方性導電膜(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)などの異方性導電材に含有されるもの)で電気的に接続されている。すなわち、支持部材400を圧下することでその下端面を介してCOF基板410をリード電極90側に押圧する。このことにより、導電性粒子を潰してCOF基板410とリード電極90との所定の電気的な接続を行う。この際、緩衝部材430はCOF基板410に対する押圧力を均一化するように機能する。ここで、支持部材400の下端面とCOF基板410の下端部、又は緩衝部材430と当接する支持部材400の下端面を、前記導電性粒子の粒子径の5倍以内の面精度とするのが好ましい。このことにより、緩衝部材430の存在とも相俟ってCOF基板410の下端部を介して導電性粒子に作用させる押圧力を均一化することができ、導電性粒子を確実に潰して良好な電気的接続が確保されるからである。もちろん、COF基板410の下端部とリード電極90との接続は、導電性粒子に限定されず、例えば、半田等の金属材料を溶融させて両者を接続するようにしてもよい。
また、支持部材400は、ヘッド本体1をその最高使用保証温度で使用した場合でも駆動回路200の温度がそのジャンクション温度未満になるように放熱させ得る熱伝導率を有するものとするのが望ましい。このことにより最も過酷な負荷条件で駆動回路を動作させても十分な放熱効果を発揮させることで駆動回路の長期安定的な駆動に資することができる。このため、本実施形態における支持部材400は不錆鋼(SUS)を材料として形成してある。この場合には、駆動回路200が発生する熱を支持部材400が流路形成基板10を介してその内部を流通するインクに吸収させることができる結果、駆動回路200が発生する熱を有効に放熱させることができる。同様の作用・効果は、SUS等の金属を材料としない場合でも流路形成基板10の表面と駆動回路200との距離を十分小さくすることによっても得ることができる。すなわち、駆動回路200と流路形成基板10の表面との距離を、ヘッド本体1をその最高使用保証温度で使用した場合でも駆動回路200の温度がそのジャンクション温度未満になるように放熱させ得る距離とすれば良い。
なお、このような支持部材400としては、詳しくは後述する保持部材であるヘッドケース110と線膨張係数が同等の材料で形成するのが好ましく、例えば、ステンレス鋼やシリコンなどが挙げられる。
さらに、図5に示すように、保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってマニホールド部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、ステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
さらに、コンプライアンス基板40上には、保持部材であるヘッドケース110が設けられている。ヘッドケース110には、インク導入口44に連通してカートリッジ等の貯留手段からのインクをマニホールド100に供給するインク導入路111が設けられている。また、ヘッドケース110には、開口部43に対向する領域に凹形状の逃がし部112(図5参照)が形成され、開口部43のたわみ変形が適宜行われるようになっている。さらに、ヘッドケース110には、保護基板30に設けられた貫通孔33と連通する配線部材保持孔113が設けられており、COF基板410及び支持部材400は、配線部材保持孔113内に挿通された状態で、COF基板410の下端部がリード電極90と接続されている。そして、ヘッドケース110の配線部材保持孔113に挿通されたCOF基板410及び支持部材400は、ヘッドケース110と接着剤120を介して接着されている。ここで、ヘッドケース110とCOF基板410とを接着剤120を介して接着してもよいが、ヘッドケース110と支持部材400とを直接接着した方が、ヘッドケース110に支持部材400を確実に保持させることができる。すなわち、ヘッドケース110と支持部材400との剛体同士を接着することで、COF基板410とリード電極90とが確実に接続された状態を保持させることができ、COF基板410とリード電極90との接続が剥がれて断線する等の不具合を防止することができる。したがって、本実施形態では、COF基板410にリード電極90の並設方向に沿って、所定の間隔で厚さ方向に貫通する保持孔411を設け、この保持孔411を介してヘッドケース110と支持部材400とを接着剤120を介して接着するようにした。また、ヘッドケース110と支持部材400とを直接接着する際には、ヘッドケース110と支持部材400とを線膨張係数の同等な材料で形成するのが好ましい。本実施形態では、ヘッドケース110と支持部材400とをステンレス鋼で形成することで、ヘッド本体1が熱により膨張・収縮した際に、ヘッドケース110と支持部材400との線膨張係数の違いによる反りや破壊を防止することができる。ちなみに、ヘッドケース110と支持部材400とを、線膨張係数が違う材料を用いると、支持部材400が流路形成基板10を押圧してしまい、流路形成基板10にクラックが発生する虞がある。さらには、ヘッドケース110と支持部材400とは、これらの部材が固定される保護基板30とも略同一の線膨張係数である材料がより望ましい。
このようなヘッド本体1では、ノズル開口21が開口するインク吐出面とは反対側にCOF基板410が突出して設けられていることになる。
そして、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIは、図1及び図2に示すように、ヘッド本体1のCOF基板410側に設けられた供給路形成部材500と、供給路形成部材500のヘッド本体1とは反対側に設けられた回路基板600と、供給路形成部材500のヘッド本体1とは反対側に設けられた保持部材700とをさらに具備する。
供給路形成部材500について、さらに図6及び図7を参照して説明する。なお、図6(a)は供給路形成部材のヘッド本体側からの平面図、図6(b)は供給路形成部材の回路基板側からの平面図、図6(c)は図6(a)のB−B′断面図であり、図7は供給路形成部材、回路基板及びヘッド本体が組み立てられた状態のヘッド本体側の平面図、回路基板側の平面図及びC−C′断面図である。
図1及び図2に示すように、供給路形成部材500は、底面にヘッド本体1が複数、本実施形態では、ヘッド本体1のノズル列の列設方向に5個固定されている。
また、図6に示すように、供給路形成部材500は、各ヘッド本体1の圧力発生素子へ駆動信号を供給するリード電極に接続され、可撓性を有するフレキシブル配線部材となるCOF基板410及び支持部材400が挿入される厚さ方向に貫通した貫通孔501を有する。貫通孔501は、隔壁502によって区画されることで各ヘッド本体1に独立して設けられている。このような貫通孔501は、ヘッド本体1のヘッドケース110の外形よりも小さな開口面積で、且つ上述したようにCOF基板410及び支持部材400が挿通可能な大きさで設けられており、各貫通孔501の周縁部にヘッド本体1がそれぞれ固定される。本実施形態では、1つの供給路形成部材500にヘッド本体1が5個保持されるため、貫通孔501はヘッド本体1と同じ数、すなわち5個設けられている。
貫通孔501を画成する隔壁502には、ヘッド本体1のヘッドケース110に設けられたインク導入路111に連通してインクを供給する供給路503が設けられている。供給路503は、供給路形成部材500のヘッド本体1側に開口すると共に、保持部材700側に開口するように厚さ方向に貫通して設けられている。また、供給路503は、1つの隔壁502に対して複数、例えば2つ設けられている。1つの隔壁502に設けられた2つの供給路503は、回路基板600側では、図6(a)に示すようにヘッド本体1の並設方向とは交差する方向に並設されて開口し、ヘッド本体1側では、図6(b)に示すようにヘッド本体1の並設方向と同じ方向となるように並設されて開口している。すなわち、各供給路503は、図6(c)に示すように、ヘッド本体1が固定される面に直交する方向に対して傾斜して設けられている。そして、1つの隔壁502に設けられた2つの供給路503は、それぞれ、互いに隣接する2つのヘッド本体1のインク導入路111に連通する。また、供給路503の回路基板600側の開口は、突出した突出部503aの端面となるように設けられている。この突出部503aが、詳しくは後述する回路基板600の挿通孔に挿通されることで、突出部503aの端面に開口する供給路503と保持部材700の供給路連通孔とが連通される。
また、隔壁502には、回路基板600側(第1の面側)に開口する凹部504が設けられている。凹部504は、図6(a)に示すように、各隔壁502の供給路503の両側(本実施形態では、ヘッド本体1の並設方向と交差する方向)に設けられている。この凹部504は、隔壁502を厚さ方向に貫通することなく設けられており、図6(b)に示すように隔壁502のヘッド本体1側(第2の面側)は平坦面となっている。そして、図1及び図2に示すように、この隔壁502の平坦面にヘッド本体1のヘッドケース110が固定される。
このような供給路形成部材500は、例えば、樹脂材料を成型により形成することができる。
また、図1及び図2に示すように、供給路形成部材500に固定されたヘッド本体1のノズル開口21が開口するインク吐出面には、複数のヘッド本体1に共通するカバーヘッド800が設けられている。カバーヘッド800は、各ヘッド本体1のノズル開口21を露出する窓部801が設けられており、窓部801を介して露出されたノズル開口21からインク滴が吐出される。
さらに、図1、図2及び図7に示すように、供給路形成部材500のヘッド本体1とは反対側には、回路基板600が保持されている。
回路基板600は、各種配線や電子部品が実装されたものであり、図7(c)に示すように、電子部品が実装された実装部601が供給路形成部材500側となるように供給路形成部材500に保持されている。この実装部601は、COF基板410の端子と接続する端子を有する。
また、実装部601は、供給路形成部材500の凹部504内に収納されるように配置されている。これにより、供給路形成部材500と保持部材700との間隔を狭くして、大型化するのを抑制することができる。ちなみに、回路基板600の実装部601を供給路形成部材500とは反対側に設けると、実装部601の高さの分だけ、供給路形成部材500と保持部材700との間隔を広げなくてはならず、大型化してしまう。
さらに、図7(a)に示すように、回路基板600には、厚さ方向に貫通した接続孔602が設けられており、接続孔602内に挿通されたCOF基板410の先端部が屈曲されて回路基板600と電気的に接続されている。
また、回路基板600には、上述のように、供給路形成部材500の突出部503aが挿入される挿通孔603が設けられている。供給路形成部材500の突出部503aが挿通孔603内に挿通されることで、突出部503aに設けられた供給路503は、回路基板600の外側(供給路形成部材500とは反対側)に開口し、後述する保持部材700の供給連通路712と接続される。
また、回路基板600は、保持部材700の側面に固定された外部配線接続基板740と電気的に接続されている。外部配線接続基板740には、圧電素子300を駆動するための駆動信号等が入力される外部配線(図示なし)が電気的に接続されており、外部配線からの駆動信号等は、外部配線接続基板740及び回路基板600を介してヘッド本体1(COF基板410)に供給される。
このような構成の供給路形成部材500及び回路基板600では、上述のように、供給路形成部材500に隔壁502を設けることで、隣り合うヘッド本体1の間から回路基板600側にインクが侵入するのを抑制することができる。すなわち、隔壁502を設けずに、複数のヘッド本体1に共通する貫通孔501を設けると、ヘッド本体1を供給路形成部材500に強固に固定することができず、破壊され易くなってしまうと共に、隣り合うヘッド本体1の間からインクが回路基板600側に侵入し、回路基板600の電気的な短絡や物理的な破壊が生じてしまう虞がある。
本実施形態では、隔壁502を厚くすると共に、隔壁502の回路基板600側に凹部504を設けることで、隔壁502の製造時に余分な盛り上がりが発生するのを抑制すると共に、ヘッド本体1と供給路形成部材500との接合強度を向上して、破壊されるのを抑制することができる。ちなみに、隔壁502の厚さを厚くすると、供給路形成部材500の製造時に余分な隔壁502に余分な盛り上がりが発生し、回路基板600やヘッド本体1の取り付け不良が発生する虞がある。特に、供給路形成部材500を樹脂材料の成型により形成した場合に、余分な盛り上がりが発生する。これは、成型時に肉厚部分が存在すると、樹脂の冷却時に収縮することによる凹みが形成される、いわゆる、「ヒケ」という現象が発生し、このヒケによって厚肉部分には余分な盛り上がりが発生する。したがって、本実施形態のように、厚肉部分となる隔壁502に凹部504を設けて、肉厚部分をなくすことで、製造時のヒケによる余分な盛り上がりを抑制することができる。
なお、成型以外の他の方法で複雑な形状を有する供給路形成部材500を形成すると、コストが増大してしまう。また、隔壁502の厚さを薄くすると、ヘッド本体1と隔壁502との間に隙間が生じ、ヘッド本体1側のインクが、回路基板600側に回り込んで短絡などの不具合が生じてしまう虞があると共に、隔壁502とヘッド本体1との隙間に入り込んだインクが予期せぬタイミングで落下して、紙等の被噴射媒体となる被記録媒体を汚してしまうなどの不具合が生じてしまう虞がある。
また、凹部504は、回路基板600とは反対側、すなわち、ヘッド本体1側に開口するように形成することも考えられるものの、凹部504をヘッド本体1側に開口させると、凹部504内にインクが溜まり、予期せぬタイミングで落下して、紙等の被記録媒体を汚してしまうなどの不具合が生じてしまう虞があるため好ましくない。
ここで、供給路形成部材500が保持される保持部材700について図1及び図2を参照して説明する。
保持部材700は、供給路形成部材500のヘッド本体1とは反対側の面(回路基板600が固定された面)に固定されたベース部材710と、供給針730が複数配設された供給針ホルダー720と、ベース部材710の一側面に固定された外部配線接続基板740と、外部配線接続基板740を覆う保護部材750とを具備する。
ベース部材710は、一方面が供給路形成部材500の回路基板600側に固定されて、供給路形成部材500との間で回路基板600を保持する。
また、ベース部材710のヘッド本体1とは反対側には、供給針ホルダー720が固定されている。
さらに、ベース部材710の一側面(供給路形成部材500及び供給針ホルダー720が固定された面とは交差する面)には、保持壁部711を有し、保持壁部711の外側に外部配線接続基板740が固定されている。
保持部材700に保持された外部配線接続基板740は、各種駆動信号用の電子部品が実装されており、ヘッド本体1のCOF基板410に接続された回路基板600を介してヘッド本体1に駆動信号を供給する。また、外部配線接続基板740には、上端部(回路基板600とは反対側)にコネクター741が設けられており、このコネクター741を介して外部配線接続基板740には、制御装置からの制御ケーブル等の外部配線が電気的に接続される。
供給針ホルダー720は、ベース部材710の供給路形成部材500とは反対側に連通部材770を介して固定されるものであり、ベース部材710に固定された面とは反対側にインクを貯留した貯留手段であるインクカートリッジが装着されるカートリッジ装着部721を有する。
また、図2に示すように、供給針ホルダー720の底面には、一端がカートリッジ装着部721に開口し、他端がベース部材710側に開口する複数の導入孔722がそれぞれ形成された管状の供給連通路形成部723が突設されている。そして、導入孔722は、連通部材770及びベース部材710に設けられた供給連通路712を介して供給路503と接続される。
また、供給針ホルダー720の上面側、すなわち、カートリッジ装着部721の導入孔722の開口部分には、インクカートリッジに挿入される複数の供給針730が、インク内の気泡や異物を除去するためのフィルター731(図2参照)を介して固定されている。
これら各供給針730は、導入孔722に連通する貫通路(図示無し)をそれぞれ内部に有する。そして、供給針730がインクカートリッジに挿入されることで、インクカートリッジ内のインクは供給針730の貫通路を介して供給針ホルダー720の導入孔722に供給される。なお、導入孔722に導入されたインクは、連通部材770及びベース部材710に設けられた供給連通路712を介して供給路503に供給され、供給路503を介してヘッド本体1のインク導入路111に供給される。
保護部材750は、保持壁部711の外側に設けられた一側面及び上面が開口する箱形状を有し、上述のように保持壁部711に固定された外部配線接続基板740を覆うようにベース部材710に固定されている。
保護部材750は、外部配線接続基板740のコネクター741側(上部側)が開口することで、コネクター741が外部配線と接続可能となっている。
この保護部材750によって外部配線接続基板740を保護することによって、外部配線接続基板740に外部から物がぶつかることによる破損や、インクや埃などの異物が付着して短絡する等の不具合を防止することができると共に、回路基板600とCOF基板410とを接続している空間を、上方に存在するコネクター741周辺の一部領域を除いて封止することで、内部にインクが侵入するのを抑制することができる。ちなみに、インクジェット式記録ヘッドIは、インク吐出面が図1の下側、すなわち、外部配線接続基板740のコネクター741とは反対側の面となっているため、コネクター741側が開口していても、インクは内部に入り難い。また、このコネクター741の周囲の開口を樹脂等で塞ぐようにすれば、さらに確実にインクの浸入を防止できるものである。
このように、本実施形態では、回路基板600は、供給路形成部材500と保持部材700との間で、ヘッド本体1のCOF基板410と接続され、COF基板410と接続された回路基板600は、供給路形成部材500とは異なる部材である保持部材700に設けられた外部配線接続基板740に接続されている。
そして、ヘッド本体1を保持する供給路形成部材500と、外部配線接続基板740を保持する保持部材700とが別部材からなるため、回路基板600とCOF基板410とは、供給路形成部材500と保持部材700とを接合する前に、ヘッド本体1と供給路形成部材500とを接合した状態で接続することができる。これにより、COF基板410と回路基板600との接続を容易に行うことができると共に、回路基板600と外部配線接続基板740との接続を容易に行うことができる。
また、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、供給路形成部材500と保持部材700とを別部材とし、供給路形成部材500と保持部材700との間で回路基板600とCOF基板410とを接続するようにした。これにより、回路基板600の取り回しを容易にして、複数のヘッド本体1を1つの回路基板600に容易に接続することができ、インクジェット式記録ヘッドIを小型化することができると共にコストを低減することができる。ちなみに、供給路形成部材500と保持部材700とが一体的に形成されていると、一つの回路基板600に複数のヘッド本体1を接続することが容易にはできない。これは、供給路形成部材500と保持部材700とを成型により形成した際に、隔壁502の上方に空間を画成することが実質的に困難であるため、供給路形成部材500と保持部材700との間の回路基板600を保持する空間を形成できないことから各ヘッド本体1毎に区画された貫通孔しか設けることができず、複数のヘッド本体1の数と同じ数だけ分割された回路基板が必要になってしまうからである。そして、各ヘッド本体1毎に回路基板をそれぞれ設けると、部品点数が増えて高コストとなってしまう。また、供給路形成部材500と保持部材700とが一体的に形成されていると、ヘッド本体1と供給路形成部材500とを接着する際に、各ヘッド本体1に個別の回路基板を接続した状態で、ヘッド本体1と回路基板とを貫通孔内に挿入しなくてはならず、ヘッド本体1と供給路形成部材500とを接着する接着剤が、回路基板等に付着し易く、余分な接着剤によって回路基板と外部配線接続基板との接続不良や、ヘッド本体1と供給路形成部材500とを接着する接着剤が不足して接着不良が発生する虞がある。なお、本実施形態であっても、各ヘッド本体1毎や、複数個のヘッド本体1群毎に回路基板600を設けるようにしても、回路基板600の取り回しを容易にして、回路基板600とCOF基板410とを確実に接続することができるという効果を奏する。
このような構成のインクジェット式記録ヘッドIでは、インクカートリッジからのインクを貫通孔501、供給連通路712、供給路503と、インク導入路111及びインク導入口44とを介してマニホールド100内に取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまでの流路内をインクで満たした後、外部配線接続基板740から回路基板600及びCOF基板410を介して供給された記録信号に従って、各圧力発生室12に対応する各圧電素子300に電圧を印加して圧電素子300と共に振動板をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まり各ノズル開口21からインク滴が噴射される。
(実施形態2)
図8(a)は、本発明の実施形態2に係る供給路形成部材の回路基板側からの平面図、図8(b)は供給路形成部材のヘッド本体側からの平面図、図8(c)は、図8(a)のD−D′断面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図示するように、供給路形成部材500Aには、各ヘッド本体1毎に貫通孔501が隔壁502によって画成されている。
また、供給路形成部材500Aの隔壁502には、図8(a)に示すように、回路基板600が保持される面(第1の面)に開口する凹部504Aが設けられている。凹部504Aは、隔壁502の中央部に1つ設けられており、図8(c)に示すように、回路基板600側となる第1面側の開口に向かってその幅が徐々に漸大するように設けられている。
また、隔壁502には、供給路503Aが設けられている。供給路503Aは、図8(a)に示すように、隔壁502の凹部504Aが開口する回路基板600側の第1の面では、隔壁502の並設方向(ヘッド本体1の並設方向)と直交する方向であって、凹部504Aの外側に開口する。
また、供給路503Aは、図8(b)に示すように、隔壁502の凹部504Aが開口する面とは反対側のヘッド本体1側の面である第2の面においては、凹部504Aの内側に相対向する領域に開口する。
このように、各隔壁502に1つの凹部504Aを設けることで、凹部504Aの容積を大きくすることができる。このため、供給路形成部材500Aに固定される回路基板600の実装部601の大きさの制限が緩和され、比較的大きな実装部601を容易に収容することができる。また、1つの隔壁502に設けられた2つの供給路503Aのヘッド本体1側である第2の面側の開口は、近接させることができるため、この供給路503Aに接続されるヘッド本体1を小型化することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1及び2では、支持部材400の両側面にそれぞれCOF基板410を設けるようにしたが、各側面に2つ以上のCOF基板410を設けるようにしてもよい。また、例えば、支持部材400の片側の側面のみにCOF基板410を設けるようにしてもよく、さらに、両側面のCOF基板410として連続した1枚のCOF基板を用いるようにしてもよい。また、これらとは違って駆動回路200を異なる場所に設け、COF基板ではなく、回路を搭載しない配線基板としてもよい。
さらに、上述した実施形態1及び2では、流路形成基板10に圧力発生室12が並設された列を2列設けたものであるが、この場合の列数には特別な制限はない。一列であっても、3列以上であっても構わない。複数列の場合には少なくとも2列一組を相対向させて設ければよい。
また、上述した実施形態1及び2では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生素子として、薄膜型の圧電素子300を有するアクチュエーター装置を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型のアクチュエーター装置や、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型のアクチュエーター装置などを使用することができる。また、圧力発生素子として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
なお、上述した実施形態のインクジェット式記録ヘッドIは、インクジェット式記録装置IIに搭載される。図9は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図示するように、インクジェット式記録ヘッドIは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、このインクジェット式記録ヘッドIを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。このインクジェット式記録ヘッドIは、例えば、ブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、インクジェット式記録ヘッドIを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。
また、液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置IIを挙げて説明したが、上述した他の液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置にも用いることが可能である。
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 II インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 1 ヘッド本体、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 15 連通路、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 32 圧電素子保持部、 33 貫通孔、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極(接続端子)、 100 マニホールド、 110 ヘッドケース(保持部材)、 113 配線部材保持孔、 120 接着剤、 200 駆動回路、 300 圧電素子(圧力発生素子)、 400 支持部材、 410 COF基板(フレキシブル配線部材)、 430 緩衝部材、 500、500A 供給路形成部材、 501 貫通孔、 502 隔壁、 503、503A 供給路、 504、504A 凹部、 600 回路基板、 700 保持部材、 800 カバーヘッド

Claims (4)

  1. ノズル開口が並設されたノズル列を有し、圧力発生素子の駆動によって前記ノズル開口から液体を噴射するヘッド本体と、
    該ヘッド本体の前記圧力発生素子へ駆動信号を供給する接続端子に接続され、可撓性を有する部材に配線が形成されたフレキシブル配線部材と、
    前記駆動信号を前記フレキシブル配線部材に供給する回路基板と、
    該回路基板と前記ヘッド本体との間に配置されて、前記ヘッド本体が複数固定されると共に、前記フレキシブル配線部材が挿通される複数の貫通孔と液体を前記ヘッド本体に供給する供給路が形成された供給路形成部材と、
    を具備し、
    前記供給路形成部材には、前記貫通孔同士を隔てる隔壁と、該隔壁に設けられて前記回路基板側となる第1面側に開口された凹部と、を有することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記回路基板は実装部を有し、該実装部が前記凹部内に収納されるように配置されていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記凹部が開口する前記第1面において、複数の前記隔壁が並設されている方向と直交する方向であって、前記凹部の外側に前記供給路が形成されており、
    前記凹部の前記第1面とは反対側の面である第2面には、前記凹部の内側に相対向する領域になるように前記供給路の出口が配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
JP2009135488A 2009-06-04 2009-06-04 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Pending JP2010280140A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009135488A JP2010280140A (ja) 2009-06-04 2009-06-04 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009135488A JP2010280140A (ja) 2009-06-04 2009-06-04 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010280140A true JP2010280140A (ja) 2010-12-16

Family

ID=43537342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009135488A Pending JP2010280140A (ja) 2009-06-04 2009-06-04 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010280140A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012143948A (ja) * 2011-01-11 2012-08-02 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2016179699A (ja) * 2016-07-20 2016-10-13 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、液体噴射ヘッドの製造方法
JP2018183999A (ja) * 2018-06-18 2018-11-22 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012143948A (ja) * 2011-01-11 2012-08-02 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2016179699A (ja) * 2016-07-20 2016-10-13 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、液体噴射ヘッドの製造方法
JP2018183999A (ja) * 2018-06-18 2018-11-22 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5534185B2 (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドユニット、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP5403228B2 (ja) 液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置
JP2010115918A (ja) 液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置
JP5224056B2 (ja) 液体流路ユニットの製造方法、液体流路ユニット、液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置
JP6504348B2 (ja) ヘッド及び液体噴射装置
JP2011025493A (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP2009208462A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
US8371679B2 (en) Liquid ejecting head unit and liquid ejecting apparatus
JP6115236B2 (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び固定方法
JP2010099872A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
US7891782B2 (en) Liquid injecting head, method of manufacturing liquid injecting head, and liquid injecting device
JP5534142B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP4614070B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP5344142B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP5532208B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2010280140A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
US8141985B2 (en) Liquid ejecting head, liquid ejecting apparatus, and method for manufacturing liquid ejecting head
JP6269164B2 (ja) 配線実装構造、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2012218251A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2009255516A (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP5590295B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2013184412A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP5201344B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2006327159A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2009220461A (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置