JP2010279331A - 皮剥機、皮剥用シート及び皮剥用シートの装着方法 - Google Patents

皮剥機、皮剥用シート及び皮剥用シートの装着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】皮剥機を、使用者にとって取扱いやすいものにする。
【解決手段】球根Fが導入される筒体102は、強磁性体の金属で筒状に形成される。筒体102は、上端が開口していて、球根Fを排出する側面開口110を有する。筒体102の側面外側は、側面開口110を開閉する扉部が設けられる。筒体102の内側には、水平方向に向くディスク116が配置される。ディスク116は、モータ114の駆動によって回動する。筒体102の内壁面には、皮剥用シート201が貼り付けられる。皮剥用シート201は、マグネットシート207と摩擦層とを有して構成される。皮剥用シート201は、摩擦面を内側に向けて、筒体102の開口端とディスクとの間の筒体102の内壁面に貼り付けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ジャガイモ、ニンジン、タマネギなどの球根類の皮を剥く皮剥機、この皮剥機に用いる皮剥用シート、及び、この皮剥用シートを皮剥機に装着する皮剥用シートの装着方法に関する。
従来、レストランやホテル等の調理場で用いられ、ジャガイモ、ニンジン、タマネギなどの球根類の皮を剥ぐ皮剥機がある(例えば、特許文献1の球根皮剥機)。特許文献1に記載の球根皮剥機は、一端が開口している円筒状の本体10と、回転ディスク20と、内周面に球根の表面の皮を剥くパンチングメタルを有する皮剥筒30とを備えている。本体10の開口端は上を向いている。この本体10の内周面12には、皮剥筒30の端部を保持する固定用のフック13が用意されている。そして、皮剥筒30は、本体10の開口端から挿入されて本体10の内側に位置付けられることで、本体10に対し着脱自在となっている。
特開平05−084057号公報(段落番号0015、図1〜図3)
特許文献1に記載の球根皮剥機の本体10に投入された球根類は、回転ディスク20の回転によってこの回転ディスク20の表面及び皮剥筒30の内周面に衝突する。そのため、皮剥筒30は、球根類の衝突に耐えることができる強固な素材で形成されなければならない。このように形成された皮剥筒30は、重く、かさばるものであって、使用者にとって扱いにくい。
また、特許文献1に記載の球根皮剥機の本体10の側面には、皮が剥かれた球根類の放出口3が形成されている。しかしながら、この球根皮剥機の本体10の内側に取り付けられる皮剥筒30は、放出口3を塞いでしまう。このため、使用者は、皮が剥かれた球根類を球根皮剥機から取り出すために、皮剥筒30を本体10から取り外さなくてはならない。さらには、放出口3を本体10に強固に取り付ける場合、その取付に使用するボルトが、本体10の内側に突出してしまう。このため、皮剥筒30はボルトに当たらないような複雑な形状になってしまう。
本発明の目的は、皮剥機を、使用者にとって取扱いやすいものにすることである。
本発明の皮剥機は、強磁性体の金属で形成され、球根を排出する側面開口を有し、少なくとも一端が開口端になっている筒体と、前記筒体の側面外側に設けられ、前記側面開口を開閉する扉部と、前記筒体の内側に、当該筒体の長さ方向に直交する向きに向けて設けられるディスクと、モータを有し、前記筒体の長さ方向に平行な回動軸の軸回り方向に前記ディスクを回動させる駆動部と、マグネットシートを有し、一方の面が摩擦面となっていて、他方の面を前記筒体の内壁面に接触させて、当該筒体における前記開口端と前記ディスクとの間の内壁面に着脱自在に貼り付けられる皮剥用シートと、を備える。
本発明の皮剥用シートは、マグネットシートと、前記マグネットシートに積層され、摩擦面を形成する摩擦層と、を備える。
別の面から見た本発明の皮剥用シートは、強磁性体の金属で形成され、球根を排出する側面開口を有し、少なくとも一端が開口端になっている筒体と、前記開口端から当該筒体の内壁面に沿うように形成された折曲げ部と、前記筒体の側面外側に設けられ、前記側面開口を開閉する扉部と、前記筒体の内側に、当該筒体の長さ方向に直交する向きに向けて設けられるディスクと、前記筒体の内側で前記ディスクよりも前記開口端から離れた位置に、外縁を当該筒体の内壁面に接しさせて設けられる受皿と、モータを有し、前記筒体の長さ方向に平行な回動軸の軸回り方向に前記ディスクを回動させる駆動部と、を備える皮剥機の当該筒体における前記開口端と前記ディスクとの間の内壁面に着脱自在に貼り付けられ、矩形形状であって、幅が前記折曲げ部と前記受皿との間の距離と同じで、長さが前記筒体の内壁面の周回り長さから前記側面開口が前記内壁面の周回り方向に占める長さを引いた長さ以下に形成されたマグネットシートと、前記マグネットシートと同じ大きさで当該マグネットシートに積層され、摩擦面を形成する摩擦層と、を備える。
本発明の皮剥用シートの装着方法は、マグネットシートを有し、一方の面が摩擦面となっている皮剥用シートを、前記摩擦面を内側にして丸める工程と、前記丸めた皮剥用シートを、強磁性体の金属で形成され、球根を排出する側面開口を有し、少なくとも一端が開口端になっている筒体と、前記筒体の側面外側に設けられ、前記側面開口を開閉する扉部と、前記筒体の内側に、当該筒体の長さ方向に直交する向きに向けて設けられるディスクと、モータを有し、前記筒体の長さ方向に平行な回動軸の軸回り方向に前記ディスクを回動させる駆動部と、を備える皮剥機の前記開口端から挿入し、当該皮剥用シートの他方の面を前記筒体の内壁面に接触させて、当該筒体における前記開口端と前記ディスクとの間の内壁面に貼り付ける工程と、を備える。
本発明によれば、マグネットシートの磁力によって皮剥用シートは筒体の内壁面に強固に貼り付くため、皮剥用シートは皮剥機に投入された球根が衝突しても剥がれることはない。また、使用者は、皮剥用シートを筒体の内壁面から簡単に剥がすことができ、球根の種類に応じて粒度の異なる別の皮剥用シートに付け替えたりすることもできる。さらに、筒体の内壁面で側面開口を塞がない位置に皮剥用シートを取り付けることで、扉部を開くだけで皮が剥かれた球根を排出させることもできる。このように、皮剥機を、使用者にとって取扱いやすいものにすることができる。
皮剥機の斜視図である。 皮剥機の平面図である。 皮剥機の左側面図である。 ディスクの斜視図である。 蓋が取り外された状態の皮剥機の平面図である。 筒体の内部側を示す斜視図である。 皮剥用シートの平面図である。 皮剥用シートの側面図である。 (a)は、図6とは異なる方向から見た、皮剥用シートが取り付けられていない状態の筒体の内部側を示す斜視図である。(b)は、皮剥用シートが取り付けられた状態の筒体の内部側を示す斜視図である。 皮剥用シートを筒体の内壁面に取り付ける作業の様子を示す斜視図である。 作動している皮剥機の内部側を示す斜視図である。
実施の一形態を、図1ないし図11に基づいて説明する。図1は、皮剥機101の斜視図である。本実施の形態の皮剥機101は、内部に投入された球根Fをディスク116(図4参照)の上面や皮剥用シート201の摩擦面201a(図5参照)に接触させてその球根Fの皮を剥く機械である。使用者は、この皮剥機101の内部に球根Fを投入し、スナップスイッチ108を操作して皮剥機101の内部に備わるディスク116を回動させ、その後、扉部103を開けて皮が剥がれた球根Fを得る。
皮剥機101は、筒体102を有する。筒体102は、上下に延びる円筒状をなしている。筒体102は、平面視で略真円形状をなしている。筒体102の両端は、開口端になっている(図2参照)。筒体102は、三つの脚102aに支持される。この筒体102は、磁性を有する強磁性体の金属で形成される。一例として、筒体102は、フェライト系のステンレス鋼(SUS430)で形成される。筒体102は、その側面で正面側に、矩形形状の側面開口110(図5参照)を有する。この側面開口110からは、皮が剥かれた球根Fが排出される。
筒体102の側面外側には、扉部103が取り付けられている。扉部103は、側面開口110を開閉する。より詳細には、扉部103は、基礎部材103aと、レバー103bと、カバー体103cと、第1シール部材103dと、第2シール部材103eとを備える。基礎部材103aは、筒体102の外周に沿うように曲げられた板状部材である。基礎部材103aは、筒体102の外側で側面開口110を覆う位置に配置される。基礎部材103aの裏面側でその外縁には、第1シール部材103dが取り付けられる。第1シール部材103dは、基礎部材103aと筒体102とに挟まれる。そして、基礎部材103aは、ボルトナット103iによって、筒体102に強固に取り付けられる。このボルトナット103iは、側面開口110を筒体102の周回り方向に挟む位置で、基礎部材103aと筒体102とを貫通し、これらを締結固定している。その結果、筒体102の内側には、ボルト頭103ia(図5参照)が突出する。ここで、なるべく筒体102の内部にボルト頭103iaが突出しないよう、ボルトナット103iには、ボルト頭103iaの高さが低いものを用いる。また、基礎部材103aは、正面側に、矩形形状の基礎部材開口部103ca(図3参照)を設けている。
基礎部材103aから正面側には、食材受け部103fが延出する。食材受け部103fは、コ字形状に折り曲げられた板状の部材であり、基礎部材103aの左側辺、右側辺及び下辺から正面側に延びている。また、基礎部材103aの上部からは、軸受部103hが正面側に突出する。
カバー体103cは、基礎部材開口部103caを覆う。カバー体103cの裏面側でその外縁には、第2シール部材103eが取り付けられている。カバー体103cは、上端に、軸部103gを有する。軸部103gは、左右方向に延びていて、基礎部材103aの軸受部103hに嵌合する。基礎部材103aの軸受部103hは、軸部103gを保持して、カバー体103cを基礎部材開口部103caに対し開閉自在に連結する。
レバー103bは、カバー体103cの正面及び食材受け部103fの両側面のいずれにも回動自在に取り付けられている。使用者がレバー103bを持って持ち上げると、カバー体103cは軸受部103hを中心に回動して側面開口110を開放する。また、使用者がレバー103bを持って押し下げることで、カバー体103cは側面開口110を閉じる。ここで、扉部103は、レバー103bが押し下げられた場合にその位置を維持するロック機構(図示せず)を有している。つまり、使用者がレバー103bを下方に押し下げると、ロック機構によって、カバー体103cは開かなくなり、カバー体103cが第2シール部材103eを基礎部材103aに押し付ける。その結果、側面開口110は、基礎部材103a、カバー体103c、第1シール部材103d及び第2シール部材103eに覆われ、筒体102の内部の水分が側面開口110から漏れなくなる。
筒体102の側面であってその上端の近傍には、正面側から見て左右対称なる箇所に、蓋固定具104を二つ有する。蓋固定具104は、筒体102の上端に位置付けられた蓋105を固定する。蓋105は、平面視においてドーナツ形状をなしている。また、蓋105は、中央に孔部105aを有する。この蓋105を直径方向に切断した断面は、上方に突出し下方に開くV字形状をなしている(図3参照)。この蓋105は、筒体102の上方の開口端を覆う位置に取り付けられ、蓋固定具104によって固定される。また、蓋105は、ホース取付口106を有する。
筒体102の側面で蓋固定具104の下方には、把手107が設けられている。そして、筒体102の側面であって扉部103と右側の把手107との間には、スナップスイッチ108が設けられている。また、筒体102において左側の把手107よりも下方かつ後方側の箇所からは、ゴミ排出口109(図2及び図3参照)が延出する。
図2は、皮剥機101の平面図である。図3は、皮剥機101の左側面図である。筒体102の内側には、ディスク116及び受皿111が設けられている。ディスク116は、側面開口110の下端と略同じ高さに位置する。ディスク116の詳細については、図4に基づいて後述する。受皿111は、ディスク116よりも下方に位置する。受皿111は円形で、その直径は筒体102の内径と略同じである。受皿111は、筒体102の下側の開口端から挿入されて、筒体102における上下方向の略中央の高さ位置に位置付けられる。受皿111の外縁111aは、筒体102の内壁面202に接している。このため、受皿111と筒体102の内径との間には、隙間が生じない。
受皿111には、排出孔112(図6も参照)が設けられている。排出孔112には、排出パイプ113の一端が取り付けられている。排出パイプ113は、排出孔112から下方に延び、途中で曲がって、水平方向に延びて、筒体102の側面から外部に突出している。この排出パイプ113の他端は、ゴミ排出口109である。
受皿111の下方には、モータ114が配置される。モータ114は、ギア付きモータである。モータ114の回動軸115は、受皿111の中心から上方に突出する。この回動軸115は、筒体102の軸心方向に平行な向きに向けられている。モータ114の回動軸115は、スナップスイッチ108がオンになると回動する。
図4は、ディスク116の斜視図である。モータ114の回動軸115(いずれも図3参照)には、ディスク116が取り付けられる。ディスク116は、円板である。このディスク116は、例えば、鋳造して形成される。ディスク116の直径は、筒体102(図1参照)より小さい。ディスク116は、上面に、四つの凸部117を有する。それぞれの凸部117は、ディスク116の中心から等間隔に放射状に延びている。ディスク116の上面、四つの凸部117のそれぞれの間には、平面部117aが形成される。それぞれの凸部117は同じ高さまで突出するとともに、隣接する平面部117aに向けて緩やかな下り斜面を形成している。このようなディスク116の上面は摩擦面であり、炭化ケイ素(シリコンカーバイド)で形成された炭化ケイ素粒子210が取り付けられてヤスリ状になっている。また、ディスク116の裏面でその中央には、モータ114の回動軸115が嵌合する嵌合受部118a(図3参照)が取り付けられる。また、ディスク116の表面でその中央からは、把持部118が突出する。
図3に戻る。このようなディスク116は、モータ114の回動軸115に取り付けられる。そして、スナップスイッチ108の切替によってモータ114が駆動すると、ディスク116は、回動軸115の軸回り方向に回動する。すなわち、モータ114及びその回動軸115は、ディスク116を回動軸115の軸回り方向に回動させる駆動部119を構成する。
図5は、蓋105が取り外された状態の皮剥機101の平面図である。使用者は、ディスク116の把持部118を持って嵌合受部118aにモータ114の回動軸115(図3参照)を嵌合する。その結果、筒体102の内壁面202とディスク116との間には隙間Sが形成される。
筒体102の内壁面202には、皮剥用シート201が取り付けられる。皮剥用シート201は、可撓性を有するマグネットシート207(図8参照)を備えており、磁力によって筒体102の内壁面202に張り付く。但し、皮剥用シート201は、扉部103を筒体102に取り付けていて筒体102の内側に突出するボルトナット103i、及び、筒体102に設けられた側面開口110を覆わない。
図6は、筒体102の内部側を示す斜視図である。なお、図6では、皮剥用シート201が筒体102の内壁面202(図5、図7及び図8参照)に取り付けられている。また、図6では、ディスク116はモータ114の回動軸115から取り外されていて、受皿111が露出している。
筒体102は、ステンレス板を円筒状に曲げて形成される。筒体102の上端部分は、内壁面202(図5、図9(a)及び図9(b)参照)に沿うように筒体102の内側方向に折り曲げられている。その結果、筒体102の上部で内部側には、折曲げ部203が形成される。そして、折曲げ部203の下縁203aは、筒体102の上端204よりも下方に位置する。また、ステンレス板の厚みd(図5参照)の分だけ、折曲げ部203は、内壁面202よりも内側に迫り出す。
皮剥用シート201は、受皿111の外縁111aと折曲げ部203の下縁203aとの間に位置付けられる。この皮剥用シート201の幅は、受皿111の外縁111aと折曲げ部203の下縁203aとの間の距離Hと同じである。
図7は、皮剥用シート201の平面図である。図8は、皮剥用シート201の側面図である。皮剥用シート201の一方の面は、摩擦面201aである。摩擦面201aからは、凸部205が突出している。凸部205は、摩擦面201aにおいてその幅方向に直線状に延びている。この凸部205は、皮剥用シート201の長さ方向に所定間隔で六つ設けられている。なお、この凸部205の数は、六個より多くても、六個より少なくても良い。皮剥用シート201の摩擦面201aは、皮剥用シート201が筒体102の内壁面202に取り付けられた状態で内側を向く。摩擦面201aとは反対側にある皮剥用シート201の他方の面は、当接面201bである。当接面201bは、平坦であり、筒体102の内壁面202に当接する。
皮剥用シート201は、ステンレス板206と、マグネットシート207と、六本のステンレス棒208と、摩擦層209とから構成される。皮剥用シート201は、以下のように形成される。
ステンレス板206には、矩形形状のものを用いる。ステンレス板206の幅は、筒体102における受皿111の外縁111aと折曲げ部203の下縁203aとの間の距離H(図6も参照)である。ステンレス板206の長さは、筒体102の内壁面202に沿って取り付けられた場合に、側面開口110を覆わない長さである。より詳細には、ステンレス板206の長さは、筒体102の内壁面202の周回り長さから、側面開口110が内壁面202の周回り方向に占める長さL0(図5参照)を引いた長さ以下である。望ましくは、図5及び図7に示すように、ステンレス板206の長さは、筒体102の内壁面202の周回り方向の長さから、筒体102の内側に突出する複数のボルトナット103i及び筒体102に設けられた側面開口110のいずれをも覆うことができる周回り方向の最小距離L’(図5参照)を引いた残りの長さL(図5も参照)である。なお、皮剥用シート201の長さは、この長さL以下であってもよい。ステンレス板206の厚さは、作業者の力で曲げることができる程度の厚さである。一例として、ステンレス板206の厚さは、0.3mmである。
マグネットシート207は、可撓性を有するものであって、接着剤によってステンレス板206の一方の面に接着される。マグネットシート207の幅及び長さは、ステンレス板206と同一である。マグネットシート207の厚さは、ステンレス板206と同程度である。接着剤は、水分に対して強く、硬化後にも柔軟性を有するものを用いる。一例として、接着剤は、主成分としてアクリル変成シリコーン樹脂を含有するものを用いる。このような接着剤を用いてステンレス板206に接着されたマグネットシート207は、皮剥用シート201の当接面201bをなす。
六本のステンレス棒208は、ステンレス板206の他方の面に取り付けられる。六本のステンレス棒208は、ステンレス板206の幅方向に向き、長さ方向に等間隔に並べられる。ステンレス棒208は、ステンレス板206に溶接で取り付けられる。
摩擦層209は、ステンレス棒208が取り付けられたステンレス板206の面に形成される。この摩擦層209は、まず、ステンレス板206及びこれに取り付けられたステンレス棒208に接着剤を塗り、炭化ケイ素粒子210をステンレス板206の全体とステンレス棒208とに均一に撒き散らし、接着剤の硬化後に圧着ローラ(図示せず)を用いて炭化ケイ素粒子210を圧着し、さらにその上層に接着剤を薄く塗って形成される。最後に塗られた接着剤は、摩擦層209から炭化ケイ素粒子210が剥がれ落ちることを防ぐ。
上記のようにして、可撓性を有する皮剥用シート201が形成される。そして、皮剥用シート201の一方の面が凸部205を有する摩擦面201aとなり、皮剥用シート201の他方の面が当接面201bとなる。
図9(a)は、図6とは異なる方向から見た、皮剥用シート201が取り付けられていない状態の筒体102の内部側を示す斜視図である。なお、図9(a)では、ディスク116はモータ114の回動軸115から取り外されている。前述したように、筒体102には、側面開口110が開口している。また、筒体102の内壁面202には、ボルトナット103iのボルトナット103iが突出している。
図9(b)は、皮剥用シート201が取り付けられた状態の筒体102の内部側を示す斜視図である。なお、図9(b)では、ディスク116はモータ114の回動軸115から取り外されている。皮剥用シート201は、このような筒体102の内壁面202に、その周回り方向に沿わせて貼り付けられる。このとき、皮剥用シート201の長さ方向に向く長辺201c側の端面は、折曲げ部203の下縁203aと、受皿111の外縁111aとのそれぞれに接触する。また、皮剥用シート201の幅方向に向く短辺201d側の端面は、それぞれボルト頭103iaに接触する。つまり、折曲げ部203、受皿111及びボルト頭103iaは、皮剥用シート201の端面を接触させて、この皮剥用シート201の取り付け位置の位置決めをするガイド部211としての役割を果たす。なお、別の実施の形態として、ガイド部211として、ガイド部211となる金属片を筒体102の内壁面202に溶接して取り付けても良い。
図10は、皮剥用シート201を筒体102の内壁面202に取り付ける作業の様子を示す斜視図である。使用者は、皮剥用シート201を筒体102の内壁面202に取り付けるために、まず、図10に示すように、皮剥用シート201を、摩擦面201aを内側にして筒体102の内径よりも小さく丸める。続いて、使用者は、この皮剥用シート201を筒体102の開口部分から筒体102の内部に導入する。続いて、使用者は、皮剥用シート201の下方の長辺201cを受皿111の外縁111aに当てるとともに、皮剥用シート201の短辺201dをボルト頭103ia(図10では図示せず)に当てる。その後、使用者は、皮剥用シート201の上方の長辺201cを折曲げ部203の下縁203a(図10では図示せず)に当てる。すなわち、本実施の形態の皮剥機101によれば、使用者は、ガイド部211としての役目を果たす折曲げ部203、受皿111及びボルト頭103iaを頼りに、皮剥用シート201を筒体102の内壁面202に貼り付けることができる。
皮剥用シート201を筒体102から取り外す場合、使用者は、皮剥用シート201の縁部を持って内壁面202から剥がし、丸まったままの皮剥用シート201を両手で掴んで筒体102の開口部分から取り出せばよい。
図11は、作動している皮剥機101の内部側を示す斜視図である。図1及び図11に基づいて、使用者が皮剥機101を使用する手順について説明する。まず、使用者は、図10に基づいて説明した手順で筒体102の内壁面202に皮剥用シート201を取り付けた皮剥機101に対して、皮剥きを行う球根F(例えば、ジャガイモ)を、筒体102の上方の開口部分から投入する。このとき、使用者は、蓋固定具104を動かして蓋105を取り外した状態で球根Fを投入し、その後に再び蓋105を取り付ける。また、蓋105を取り付けたままで蓋105の孔部105aから球根Fを投入してもよい。
続いて、使用者は、スナップスイッチ108を操作して、モータ114を駆動させる。モータ114の駆動により、ディスク116が回動する。ディスク116上にある球根Fは、ディスク116の回動によって転がる。また、回動するディスク116の凸部117は、球根Fに衝突して、この球根Fをディスク116の外周方向に移動させる。そして、球根Fは、皮剥用シート201の摩擦面201aに衝突する。このとき、ディスク116の上面や皮剥用シート201の摩擦面201aは、球根Fの皮を剥がす。剥がされた皮は、隙間Sから受皿111に落ちる。また、球根Fは、ディスク116の回動に伴って皮剥用シート201にくっついたままこの皮剥用シート201に沿って移動することがある。このとき、皮剥用シート201の凸部205は、皮剥用シート201にくっついた球根Fを落とす。
ここで、使用者は、ホース取付口106にホース(図示せず)を取り付けて、このホースから水を放出させてもよい。ホースから放出された水は、蓋105の内壁に当たって分散し、筒体102の内部の全体に行き渡る。この水は、受皿111に落ちた皮を排出孔112に流してゴミ排出口109から排出させる、また、この水は、皮剥用シート201にくっついた球根Fを流し落とす。
モータ114をしばらく駆動させたままの状態で、使用者は、モータ114を停止させずに、扉部103のレバー103bを上に上げる。これにより、ディスク116の上を転がっている球根Fは、側面開口110から飛び出す。飛び出した球根Fは、扉部103の食材受け部103fに排出される。全ての球根Fが筒体102から排出された後、使用者は、スナップスイッチ108を操作してモータ114を停止させる。使用者は、皮が剥かれ筒体102から排出された球根Fを、各種の調理法によって調理することができる。例えば、球根Fがジャガイモである場合、使用者は、皮が剥かれたジャガイモをコロッケの材料として用いることができる。
このような皮剥機101によれば、マグネットシート207の磁力によって皮剥用シート201は筒体102の内壁面202に強固に貼り付くため、皮剥用シート201は皮剥機101に投入された球根Fが衝突しても剥がれることはない。また、使用者は、皮剥用シート201を筒体102の内壁面202から簡単に剥がすことができる。そのため、使用者は、球根Fの種類に応じて粒度の異なる別の皮剥用シート201に付け替えたりすることもできる。例えば、球根Fがジャガイモ、ニンジン、タマネギ、サツマイモのような硬いものである場合、皮剥用シート201として摩擦面201aの凹凸が粗いものを用いることができる。また、球根Fがサトイモのような比較的柔らかいものである場合、皮剥用シート201として摩擦面201aの凹凸が少ないものを用いることができる。また、球根Fがニンニクである場合には、摩擦層209にゴムシートを採用し摩擦面201aをゴムで形成した皮剥用シート201を用いることもできる。さらには、皮剥用シート201を筒体102の内壁面202から剥がした状態で球根Fを入れて、球根Fの表面を削ることなく皮剥機101に球根Fを洗わせることもできる。なお、ディスク116もモータ114の回動軸115に対して着脱自在である。このため、使用者は、球根Fの種類や球根Fの処理方法(皮剥き又は洗浄)に応じた凹凸を持つディスク116を回動軸115に取り付けて、皮剥機101を使用することができる。
さらに、本実施の形態の皮剥機101では、皮剥用シート201は、筒体102の内壁面202で側面開口110を塞がない位置に取り付けられる。このため、使用者は、皮剥用シート201を筒体102から取り外すことなく、モータ114を作動させたままで扉部103を開くことにより、皮剥機101から皮が剥かれた球根Fを得ることができる。
以上のように、本実施の形態の皮剥機101は、使用者にとって取扱いやすいものとなる。特に、本実施の形態の皮剥機101では、マグネットシート207によって皮剥用シート201が筒体102の内壁面202に面的に強固に貼り付けられる。このため、例えば、筒体102に摩擦面を強固に取り付けるためのボルトナットが不要になる。そして、このボルトナットを取り付けるための孔を筒体102に設ける必要がない。このために、摩擦面201aを取り付けるためのボルトナットに球根Fがぶつかって球根Fが傷んだり、筒体102から水が漏れ出したりすることがない。
101 皮剥機
102 筒体
103 扉部
110 側面開口
111 受皿
111a 受皿の外縁
114 モータ
115 回動軸
116 ディスク
119 駆動部
103a 基礎部材
103c カバー体
103ca 基礎部材開口部
103i ボルトナット
201 皮剥用シート
201a 摩擦面
202 内壁面
203 折曲げ部
205 皮剥用シートの凸部
207 マグネットシート
209 摩擦層
211 ガイド部
F 球根

Claims (11)

  1. 強磁性体の金属で形成され、球根を排出する側面開口を有し、少なくとも一端が開口端になっている筒体と、
    前記筒体の側面外側に設けられ、前記側面開口を開閉する扉部と、
    前記筒体の内側に、当該筒体の長さ方向に直交する向きに向けて設けられるディスクと、
    モータを有し、前記筒体の長さ方向に平行な回動軸の軸回り方向に前記ディスクを回動させる駆動部と、
    マグネットシートを有し、一方の面が摩擦面となっていて、他方の面を前記筒体の内壁面に接触させて、当該筒体における前記開口端と前記ディスクとの間の内壁面に着脱自在に貼り付けられる皮剥用シートと、
    を備える皮剥機。
  2. 前記皮剥用シートは、前記摩擦面から線状に突出する凸部を有する、
    請求項1記載の皮剥機。
  3. 前記筒体の内側に設けられ、前記皮剥用シートの端面を接触させてこの皮剥用シートを位置決めするガイド部を含む、
    請求項1又は2記載の皮剥機。
  4. 前記開口端から当該筒体の内壁面に沿うように形成された折曲げ部を備え、
    前記ガイド部は、前記折曲げ部を含む、
    請求項3記載の皮剥機。
  5. 前記筒体の内側で前記ディスクよりも前記開口端から離れた位置に、外縁を当該筒体の内壁面に接しさせて設けられる受皿を備え、
    前記ガイド部は、前記受皿を有する、
    請求項3又は4記載の皮剥機。
  6. 前記皮剥用シートの長さは、前記筒体の内壁面の周回り長さから、前記側面開口が前記内壁面の周回り方向に占める長さを引いた長さ以下である、
    請求項1ないし5のいずれか一に記載の皮剥機。
  7. 前記扉部は、
    前記側面開口を前記筒体の外側から覆う形状をなし、基礎部材開口部を有する基礎部材と、
    前記基礎部材に開閉自在に取り付けられ前記基礎部材開口部を開閉するカバー体と、
    前記側面開口を前記周部材の周回り方向に挟む位置で前記基礎部材と前記筒体とを貫通しこれらを締結固定する複数のボルトナットと、
    を備え、
    前記ガイド部は、前記筒体から内側に突出する前記ボルトナットを含む、
    請求項6記載の皮剥機。
  8. マグネットシートと、
    前記マグネットシートに積層され、摩擦面を形成する摩擦層と、
    を備える皮剥用シート。
  9. 強磁性体の金属で形成され、球根を排出する側面開口を有し、少なくとも一端が開口端になっている筒体と、前記開口端から当該筒体の内壁面に沿うように形成された折曲げ部と、前記筒体の側面外側に設けられ、前記側面開口を開閉する扉部と、前記筒体の内側に、当該筒体の長さ方向に直交する向きに向けて設けられるディスクと、前記筒体の内側で前記ディスクよりも前記開口端から離れた位置に、外縁を当該筒体の内壁面に接しさせて設けられる受皿と、モータを有し、前記筒体の長さ方向に平行な回動軸の軸回り方向に前記ディスクを回動させる駆動部と、を備える皮剥機の当該筒体における前記開口端と前記ディスクとの間の内壁面に着脱自在に貼り付けられ、
    矩形形状であって、幅が前記折曲げ部と前記受皿との間の距離と同じで、長さが前記筒体の内壁面の周回り長さから前記側面開口が前記内壁面の周回り方向に占める長さを引いた長さ以下に形成されたマグネットシートと、
    前記マグネットシートと同じ大きさで当該マグネットシートに積層され、摩擦面を形成する摩擦層と、
    を備える皮剥用シート。
  10. 前記摩擦層は、前記摩擦面から線状に突出する凸部を有する、
    請求項8又は9記載の皮剥用シート。
  11. マグネットシートを有し、一方の面が摩擦面となっている皮剥用シートを、前記摩擦面を内側にして丸める工程と、
    前記丸めた皮剥用シートを、強磁性体の金属で形成され、球根を排出する側面開口を有し、少なくとも一端が開口端になっている筒体と、前記筒体の側面外側に設けられ、前記側面開口を開閉する扉部と、前記筒体の内側に、当該筒体の長さ方向に直交する向きに向けて設けられるディスクと、モータを有し、前記筒体の長さ方向に平行な回動軸の軸回り方向に前記ディスクを回動させる駆動部と、を備える皮剥機の前記開口端から挿入し、当該皮剥用シートの他方の面を前記筒体の内壁面に接触させて、当該筒体における前記開口端と前記ディスクとの間の内壁面に貼り付ける工程と、
    を備える皮剥用シートの装着方法。
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