JP2010278219A - レイアウト設計方法及びレイアウト設計装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レイアウト工程を再度行わずに、タイミング違反が発生した配線の遅延時間を微調整することができ、レイアウトプロセスのTATを短くすることができるレイアウト設計方法及びレイアウト設計装置を提供する。
【解決手段】半導体集積回路のレイアウト設計方法は、レイアウトデータにおける第1の論理セルと第2の論理セルの間の対象配線が配置される領域に、ダミーセル(電源間容量セル、バッファセル)を配置するダミーセル配置ステップ(S2)を含む。また、レイアウト後にタイミング検証を実行し(S4)、タイミング違反が発生した対象配線近傍の電源間容量セルを容量セルへ置換し(S8)、対象配線へ接続する(S9)。又は、タイミング違反配線を第1の配線、第2の配線に切断し、バッファセルの入力端子を第1の配線へ、出力端子を第2の配線へと接続する。
【選択図】図1
【解決手段】半導体集積回路のレイアウト設計方法は、レイアウトデータにおける第1の論理セルと第2の論理セルの間の対象配線が配置される領域に、ダミーセル(電源間容量セル、バッファセル)を配置するダミーセル配置ステップ(S2)を含む。また、レイアウト後にタイミング検証を実行し(S4)、タイミング違反が発生した対象配線近傍の電源間容量セルを容量セルへ置換し(S8)、対象配線へ接続する(S9)。又は、タイミング違反配線を第1の配線、第2の配線に切断し、バッファセルの入力端子を第1の配線へ、出力端子を第2の配線へと接続する。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体集積回路のレイアウト設計方法及びレイアウト設計装置に関し、特に、ダミーセルを利用して配線の遅延調整を可能にする半導体集積回路のレイアウト設計方法及びレイアウト設計装置に関する。
半導体集積回路の設計工程は、論理セルやマクロなどの回路ブロックを接続して所定の論理回路を設計する論理設計工程と、その論理設計された回路に対して、回路ブロックのレイアウトと接続配線データの生成を行うレイアウト設計工程とを有する。論理設計工程によってどの回路ブロックをどのように接続するという情報が含まれたネットリストデータが生成される。次に、そのネットリストデータをもとに、レイアウト設計工程により、回路ブロックの配置位置とそれらを接続する接続配線の情報が含まれたレイアウト設計データを生成する。そして、レイアウト設計データを、露光パターン生成工程により露光パターンデータに変換し、その露光パターンデータを利用してLSIの製造を行う。
また、レイアウト設計工程においては、レイアウト設計データを繰り返し生成する無駄をなくす必要がある。そのため、タイミング検証を行い、タイミング違反がある場合、本来の論理設計には直接関係しないダミーセル等を用いて、タイミング調整を図る工程が含まれている。
また、レイアウト設計工程においては、レイアウト設計データを繰り返し生成する無駄をなくす必要がある。そのため、タイミング検証を行い、タイミング違反がある場合、本来の論理設計には直接関係しないダミーセル等を用いて、タイミング調整を図る工程が含まれている。
一方、半導体集積回路の大規模化に伴い、レイアウト設計後のタイミング微調整の箇所は増大の一途を辿っており、レイアウト設計工程のTAT(ターンアラウンドタイム)短縮を図る必要がある。例えば、特許文献1においては、初期レイアウト設計データ作成後のタイミング調整を図る技術として、タイミング違反の生じた配線(第1の論理セルと第2の論理セルとの間の対象配線)を途中で切断し、配線密度を一定にするためにレイアウトデータに配置された配線ダミーセルへ繋ぎ換え、RC(抵抗及び容量)時定数による遅れによりタイミング調整を図る技術が開示されている。
しかし、特許文献1において開示された、配線ダミーセルを用いたタイミング調整では、切り替えられる配線の配線容量が小さく、微小なタイミング調整にしか対応できない。そのため、タイミングを広い範囲で調整するために、対象配線への配線ダミーセルの接続を複数回繰り返し行う必要が生じ、調整に時間を要してしまう問題があった。
また、大きな遅延を生じさせようとする場合、ダミー配線を複数用いて長い迂回配線を設ける必要が生じ、ダミー配線が足りない場合、レイアウト済の既存配線(第1のセルから第2のセルへと自動配線された対象配線)をも移動させる必要が生じる。このことは、タイミング解析が終了し、既にタイミングMETしている箇所へも影響を及ぼし、TATを大幅に増大させる問題があった。
また、大きな遅延を生じさせようとする場合、ダミー配線を複数用いて長い迂回配線を設ける必要が生じ、ダミー配線が足りない場合、レイアウト済の既存配線(第1のセルから第2のセルへと自動配線された対象配線)をも移動させる必要が生じる。このことは、タイミング解析が終了し、既にタイミングMETしている箇所へも影響を及ぼし、TATを大幅に増大させる問題があった。
また、配線により遅延を生じさせる方法は、第1の論理セルによる出力信号伝達をRC時定数により遅延させるものである。そのため、サイズの固定された第1の論理セルの駆動能力次第では、対象配線により大きな遅延を付けた場合、対象配線の電位変化は緩やかなものとなり、すなわち第1の論理セルの出力信号波形に鈍りが生じる。この結果、第2の論理セルのバッファには貫通電流が流れることで消費電流が増大し、チップのパワー増大にもつながるという問題もあった。
上記課題を解決するために、本発明は、半導体集積回路のレイアウト設計方法に係る第1の解決手段として、回路接続情報が記述されたネットリストと、複数のセルが定義されたセルライブラリとを用いて半導体集積回路のレイアウトデータを設計するレイアウト設計方法であって、前記レイアウトデータにおける第1の論理セルと第2の論理セルの間の対象配線が配置される領域に、第1の電源配線と第2の電源配線との間に接続される電源間容量セルと、前記第1の電源配線又は前記第2の電源配線に入力端子が接続されるバッファセルとを配置するダミーセル配置ステップと、を含むことを特徴とする。
また、半導体集積回路のレイアウト設計方法に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記対象配線からタイミング違反であるタイミング違反配線が検出された場合、前記タイミング違反配線近傍の前記電源間容量セルを検索するステップと、検索された前記電源間容量セルを容量セルに置換して前記対象配線へ接続する容量セル接続ステップと、を更に含むことを特徴とする。
また、半導体集積回路のレイアウト設計方法に係る第3の解決手段として、上記第1又は第2の解決手段において、前記対象配線からタイミング違反であるタイミング違反配線が検出された場合、前記タイミング違反配線を第1の配線、第2の配線に切断し、前記バッファセルの入力端子を前記第1の配線へ接続し、出力端子を前記第2の配線へ接続するバッファセル接続ステップと、を更に含むことを特徴とする。
一方、本発明は、半導体集積回路のレイアウト設計装置に係る第1の解決手段として、回路接続情報が記述されたネットリストと、複数のセルが定義されたセルライブラリとを用いて半導体集積回路のレイアウトデータを設計するレイアウト設計装置であって、前記レイアウトデータにおける第1の論理セルと第2の論理セルの間の対象配線が配置される領域に、第1の電源配線と第2の電源配線との間に接続される電源間容量セルと、前記第1の電源配線又は前記第2の電源配線に入力端子が接続されるバッファセルとを配置するダミーセル配置処理部と、を有することを特徴とする。
本発明のレイアウト設計方法によれば、対象配線近傍の容量セル又はバッファを用いることで、従来に比べ広い範囲でタイミング調整をできる。これにより、対象配線へのダミーセルの接続を繰り返し行う必要はなく、タイミング調整の時間を短縮できる効果を奏する。
また、大きな遅延を生じさせようとする場合であっても、対象配線近傍の容量セル又はバッファを用いることができ、レイアウト済の既存配線を移動させる範囲が少ないため、TATを短縮できる効果を奏する。
また、第1の論理セルによる出力信号伝達をバッファにより遅延させるものであるので、対象配線に大きな遅延を付けた場合であっても、対象配線の電位変化に鈍りが生じることはなく、チップのパワー増大を抑制できる効果を奏する。
また、大きな遅延を生じさせようとする場合であっても、対象配線近傍の容量セル又はバッファを用いることができ、レイアウト済の既存配線を移動させる範囲が少ないため、TATを短縮できる効果を奏する。
また、第1の論理セルによる出力信号伝達をバッファにより遅延させるものであるので、対象配線に大きな遅延を付けた場合であっても、対象配線の電位変化に鈍りが生じることはなく、チップのパワー増大を抑制できる効果を奏する。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るレイアウト設計方法のフローチャートである。また図2は、本発明の一実施形態に係るレイアウト設計装置のブロック図である。
以下に、本実施形態におけるレイアウト設計方法を、より具体的に説明するために、まずレイアウト設計装置のブロック図の構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るレイアウト設計方法のフローチャートである。また図2は、本発明の一実施形態に係るレイアウト設計装置のブロック図である。
以下に、本実施形態におけるレイアウト設計方法を、より具体的に説明するために、まずレイアウト設計装置のブロック図の構成について説明する。
図2に示す半導体レイアウト設計装置100は、演算処理部101、表示部102、ネットリスト記憶部201、セルライブラリ記憶部202、フロアプラン記憶部203、テクノロジー情報記憶部204及びレイアウト結果記憶部205を備えている。演算処理部101と各記憶部は、ネットワーク回線206により接続されており、演算処理部101はネットワーク回線206を介して各記憶部との間で各種データを読み出し、或いは書き込む処理を行う。なお、ネットワーク回線206を用いる構成ではなく、演算処理部101の内部バスや外部バスに上記各記憶部を接続してもよい。
演算処理部101は、インタフェース部111、セル配置・自動配線処理部112、ダミーセル配置処理部113、タイミング検証部114、タイミング違反配線検索部115、ダミーセル検索部116及びダミーセル接続処理部117と有する。
インタフェース部111は、ネットリスト記憶部201に記憶されたネットリスト、セルライブラリ記憶部202に記憶されたライブラリ情報、フロアプラン記憶部203に記憶されたフロアプラン情報及びテクノロジー情報記憶部204に記憶されたテクノロジー情報を読み込む処理、レイアウトデータをレイアウト結果記憶部205に対して記憶させる処理及び表示部102に対してレイアウト結果等を表示させる処理を行う。表示部102は、半導体集積回路の設計結果等を表示するためのCRT又はLCD等である。
ここで、ネットリスト記憶部201は、回路を構成する各種素子の電気的特性や素子間の電気的な接続関係を記述したデータである「ネットリスト」を記憶している。
また、セルライブラリ記憶部202は、NOTゲートやANDゲート等の基本論理ゲートや、これらの組み合わせた論理回路ブロック、フリップフロップなどの機能セルのような、あらかじめ設計、検証されたスタンダードセル(論理セル)がライブラリ登録されているデータベースである。後述のダミーセル(電源間容量セル、容量セル、バッファセル)もセルライブラリ記憶部202に記憶されている。
また、セルライブラリ記憶部202は、NOTゲートやANDゲート等の基本論理ゲートや、これらの組み合わせた論理回路ブロック、フリップフロップなどの機能セルのような、あらかじめ設計、検証されたスタンダードセル(論理セル)がライブラリ登録されているデータベースである。後述のダミーセル(電源間容量セル、容量セル、バッファセル)もセルライブラリ記憶部202に記憶されている。
フロアプラン記憶部203は、各セル、論理機能を半導体集積回路チップ上のどの領域にレイアウトするか(配置するか)を決定する際参照されるスタンダードセルの配置エリアを、フロアプランとして記憶している。
また、テクノロジー情報記憶部204は、配置領域に配置される配線の最小配線幅、最小間隔及びシート抵抗、容量素子の容量値、コンタクトやスルーホールの最小サイズ、最小間隔及び抵抗値、信号伝搬遅延時間(論理セル間の信号遅延許容時間、論理セル間の配線に許容されるセットアップ・ホールド許容時間)等のテクノロジー情報を記憶している。
なお、テクノロジー情報記憶部204は、信号伝搬遅延時間に関して、回路設計に基づいた論理セル間の遅延時間及び遅延許容時間を記憶している。また、テクノロジー情報記憶部204は、ある任意の論理セルに容量セルを接続した場合に発生する遅延時間を、論理セル名及び容量セル名に対応付け記憶している。また、論理セル間にバッファセルを挿入した時の遅延情報として、発生する遅延時間をバッファセル名と対応付け記憶している。これらの詳細な例については、後述の処理フローにおいて説明する。
また、テクノロジー情報記憶部204は、配置領域に配置される配線の最小配線幅、最小間隔及びシート抵抗、容量素子の容量値、コンタクトやスルーホールの最小サイズ、最小間隔及び抵抗値、信号伝搬遅延時間(論理セル間の信号遅延許容時間、論理セル間の配線に許容されるセットアップ・ホールド許容時間)等のテクノロジー情報を記憶している。
なお、テクノロジー情報記憶部204は、信号伝搬遅延時間に関して、回路設計に基づいた論理セル間の遅延時間及び遅延許容時間を記憶している。また、テクノロジー情報記憶部204は、ある任意の論理セルに容量セルを接続した場合に発生する遅延時間を、論理セル名及び容量セル名に対応付け記憶している。また、論理セル間にバッファセルを挿入した時の遅延情報として、発生する遅延時間をバッファセル名と対応付け記憶している。これらの詳細な例については、後述の処理フローにおいて説明する。
レイアウト結果記憶部205は、レイアウト設計工程における中間結果であるレイアウトデータ(初期レイアウトデータ、ダミーセル配置後のレイアウトデータ等)及び半導体レイアウト設計装置100が生成した最終的なレイアウトデータを、General Data Stream(あるいはGDS2)と呼ばれるデータ形式で記憶する。
セル配置・自動配線処理部112は、インタフェース部111に各記憶部から入力されるネットリスト、ライブラリ情報およびフロアプラン情報に基づいて、スタンダードセルやマクロセルの初期配置及び各セル間の接続配線の配置を行う(初期レイアウトデータの生成)。
ダミーセル配置処理部113は、上記初期レイアウトデータに対して、ダミーセル(電源間容量セル、バッファセル)を配置する。ここで、電源間容量セルとは、所謂デカップリング容量セルのことであり、半導体集積回路の大規模化および高速化により顕著になってきた電源電圧変動を抑制するため用いられるセルである。デカップリング容量セルは、Pチャネル型またはNチャネル型のMOSトランジスタを用いて、そのドレイン及びソース端子を電源配線または接地配線のいずれか一方に接続し、ゲート端子を他方に接続するように構成したものである。また、バッファセルは、例えばCMOSインバータ2段で構成され、信号遅延に用いられるセルである。なお、ダミーセルは、スタンダードセルと同じく、セルライブラリ記憶部202に記憶されている。
図2中のタイミング検証部114は、RC抽出部114a、遅延時間算出部114b及び遅延時間判定部114cより構成され、上述の様に配置されたレイアウトデータ(初期レイアウトデータ)またはダミーセル配置後のレイアウトデータに関して、タイミング検証を行う。具体的には、上記の様に論理セル間の信号伝達時間が所定の許容遅延時間を満たすかどうかを、RC(抵抗及び容量)抽出、遅延時間計算を行い、テクノロジー情報に基づいて論理セル間毎に判定する。
タイミング検証部114は、判定結果をダミーセルレイアウトデータとともに、タイミング違反を起した配線名を、その配線が接続されるセル名とともにレイアウト結果記憶部205へ記憶させる。この際、タイミング違反を起した配線のスタート座標(セル301の出力端子座標と等しい)及びエンド座標(セル302の入力端子座標と等しい)を記憶させてもよい。
タイミング違反配線検索部115は、レイアウト結果記憶部205からタイミング違反を起した配線名を検索する。なお、上述の通り、当該配線座標がレイアウト結果記憶部205に記憶されている場合、これを読み出すこととしてもよい。
ダミーセル検索部116は、タイミング違反を起した配線の近傍にあるダミーセル(電源間容量セル又はバッファセル)を検索する。
ダミーセル接続処理部117は、電源間容量セルの容量セルへの置換、容量セルまたはバッファセルのタイミング違反配線への接続を行う。
ダミーセル接続処理部117は、電源間容量セルの容量セルへの置換、容量セルまたはバッファセルのタイミング違反配線への接続を行う。
図1は、以上の様に構成された半導体レイアウト設計装置100が行う処理フローを示したフローチャートである。以下、図1を用いて処理フローの説明を行うが、より具体的に説明するため、図3及び図4に示すレイアウト概念図を用いる。
図3及び図4は、対象配線とダミーセルの説明に用いられるレイアウト概念図である。図3(a)及び図4(a)においては、スタンダードセルが配置されるセル列が3列示され、最下列左にセル301(第1の論理セル)、最上列右にセル302(第2の論理セル)が配置されている。
なお、各スタンダードセルは、セル列の高さに一致するように予め設計され、上述のセルライブラリ記憶部202に記憶されている論理セルである。また、図3(a)及び図4(a)においては、スタンダードセルについてはセル301、セル302の2個を示し、他の論理セルは省略している。
図3(b)及び図4(b)は、ぞれぞれ、セル301とセル302との間の対象配線303へ、容量セル306、バッファセル305を接続する場合の概念図である。
図3及び図4は、対象配線とダミーセルの説明に用いられるレイアウト概念図である。図3(a)及び図4(a)においては、スタンダードセルが配置されるセル列が3列示され、最下列左にセル301(第1の論理セル)、最上列右にセル302(第2の論理セル)が配置されている。
なお、各スタンダードセルは、セル列の高さに一致するように予め設計され、上述のセルライブラリ記憶部202に記憶されている論理セルである。また、図3(a)及び図4(a)においては、スタンダードセルについてはセル301、セル302の2個を示し、他の論理セルは省略している。
図3(b)及び図4(b)は、ぞれぞれ、セル301とセル302との間の対象配線303へ、容量セル306、バッファセル305を接続する場合の概念図である。
セル配置・自動配線処理部112は、図3においては図示しないが、ほぼセル列の高さ分だけ離れて図面左右方向に平行に配線された電源配線(第1の電源配線)及び接地配線(第2の電源配線)を、最初に配置する。そして、セル配置・自動配線処理部112は、フロアプランに従って、これらの電源配線に接続されるように、上記セル301及びセル302を配置する。また、セル配置・自動配線処理部112は、セル301及びセル302の間に配線303(対象配線)を配置する。これにより、ネットリストにおけるセル301とセル302との接続情報が、図3(a)及び図4(a)に示すように、レイアウトデータ上において実現されることとなる(ステップS1)。
ダミーセル配置処理部113は、図3(a)及び図4(a)に示すように、電源間容量セル304を配置し、容量の各対極を電源配線に接続する。また、バッファセル305を、その電源端子を電源配線へ、接地端子を接地配線へ、入力端子を接地配線又は電源配線のいずれかに接続固定されるように配置する(ステップS2)。なお、本実施形態においては、ダミーセル配置処理部113が、ダミーセルをスタンダードセル間に生じた空き領域に挿入する構成としているが、これに限定されるものではなく、セル配置・自動配線処理部112により実行されるスタンダードセル配置の際、電源配線及び接地配線の長さ方向に、所定の間隔で電源間容量セル304またはバッファセル305を配置する構成としてもよい。
タイミング検証部114におけるRC抽出部114aは、テクノロジー情報記憶部204に記憶された配線抵抗、配線に寄生する容量等のテクノロジー情報に基づき、対象配線303を含む全ての配線の抵抗と寄生容量の情報を含むRC情報を抽出する(ステップS3)。
タイミング検証部114における遅延時間算出部114bは、このRC情報とテクノロジー情報記憶部204に記憶された論理セル間遅延時間から、対象配線303を含む全ての配線について、遅延計算を実行する(ステップS4)。例えば、遅延時間算出部114bは、上記の図3(a)及び図4(a)を例にとると、セル301及びセル302間の遅延時間を、回路シミュレーションにより、19.5p秒と算出する。
タイミング検証部114における遅延時間算出部114bは、このRC情報とテクノロジー情報記憶部204に記憶された論理セル間遅延時間から、対象配線303を含む全ての配線について、遅延計算を実行する(ステップS4)。例えば、遅延時間算出部114bは、上記の図3(a)及び図4(a)を例にとると、セル301及びセル302間の遅延時間を、回路シミュレーションにより、19.5p秒と算出する。
タイミング検証部114における遅延時間判定部114cは、対象配線303を含む全ての配線について、タイミング違反があるかどうかを判定する(ステップS5)。
例えば、回路設計において、セル301とセル302の間の対象配線303に20p秒の遅延時間が予定されているとすると、テクノロジー情報記憶部204はレイアウトにおける対象配線303の許容遅延時間はその5%以内の19p秒〜21p秒というように、セル301及びセル302のセル名と許容遅延時間とを対応付けて記憶している。
タイミング検証部114は、テクノロジー情報記憶部204を参照し、許容遅延時間の範囲内に入ればOKと、範囲外の場合はNGと判定する。例えば、上述の様に、遅延時間が19.5p秒の場合は許容遅延時間19p秒〜21p秒の範囲内であるので、OKと判定する(ステップS5−No)。一方、遅延時間が、例えば18p秒であれば、許容遅延時間の範囲外になるので、NGと判定する(ステップS5−Yes)。
タイミング検証部114は、判定結果及びタイミング違反を起した配線名(対象配線303)または当該配線が接続される論理セル名(セル301及びセル302)を、レイアウト結果記憶部205へ記憶させる。この際、タイミング違反を起した配線のスタート座標(セル301の出力端子座標と等しい)及びエンド座標(セル302の入力端子座標と等しい)をレイアウト結果記憶部205へ記憶させてもよい。
例えば、回路設計において、セル301とセル302の間の対象配線303に20p秒の遅延時間が予定されているとすると、テクノロジー情報記憶部204はレイアウトにおける対象配線303の許容遅延時間はその5%以内の19p秒〜21p秒というように、セル301及びセル302のセル名と許容遅延時間とを対応付けて記憶している。
タイミング検証部114は、テクノロジー情報記憶部204を参照し、許容遅延時間の範囲内に入ればOKと、範囲外の場合はNGと判定する。例えば、上述の様に、遅延時間が19.5p秒の場合は許容遅延時間19p秒〜21p秒の範囲内であるので、OKと判定する(ステップS5−No)。一方、遅延時間が、例えば18p秒であれば、許容遅延時間の範囲外になるので、NGと判定する(ステップS5−Yes)。
タイミング検証部114は、判定結果及びタイミング違反を起した配線名(対象配線303)または当該配線が接続される論理セル名(セル301及びセル302)を、レイアウト結果記憶部205へ記憶させる。この際、タイミング違反を起した配線のスタート座標(セル301の出力端子座標と等しい)及びエンド座標(セル302の入力端子座標と等しい)をレイアウト結果記憶部205へ記憶させてもよい。
なお、テクノロジー情報記憶部204は、セル301の出力端子に容量セル(例えば0.1pファラッドの容量)を追加で接続した場合に生じる発生遅延時間を、セル301のセル名、容量セルの容量値に対応付け記憶している。タイミング検証部114は、容量セルの置換後のステップS5においては、TAT短縮のため、全レイアウトデータのRC情報を抽出することなく、テクノロジー情報記憶部204の当該発生遅延時間を参照してもよい。そして、参照した発生遅延時間をタイミング違反配線の前回の遅延時間結果に加算し、対象配線303の許容遅延時間をオーバーしているか否かを判定することとしてもよい。
また、テクノロジー情報記憶部204には、セル301の出力端子にバッファセルを追加で接続した場合に生じる発生遅延時間を、セル301のセル名、バッファセル名に対応付け記憶している。そこで、タイミング検証部114は、バッファセル接続後のステップS5においては、TAT短縮のため、全レイアウトデータのRC情報を抽出することなく、テクノロジー情報記憶部204の当該発生遅延時間を参照してもよい。そして、参照した発生遅延時間をタイミング違反配線の前回の遅延時間結果に加算し、対象配線303の許容遅延時間をオーバーしているか否かを判定することとしてもよい。
また、テクノロジー情報記憶部204には、セル301の出力端子にバッファセルを追加で接続した場合に生じる発生遅延時間を、セル301のセル名、バッファセル名に対応付け記憶している。そこで、タイミング検証部114は、バッファセル接続後のステップS5においては、TAT短縮のため、全レイアウトデータのRC情報を抽出することなく、テクノロジー情報記憶部204の当該発生遅延時間を参照してもよい。そして、参照した発生遅延時間をタイミング違反配線の前回の遅延時間結果に加算し、対象配線303の許容遅延時間をオーバーしているか否かを判定することとしてもよい。
タイミング検証部114がOKと判定した場合、図2においては図示しないマスク検証部によりDRC(Design Rule Check)が実行され(ステップS10)、最終的なレイアウトデータが、GDS(あるいはGDS2)と呼ばれるデータ形式でレイアウト結果記憶部205に記憶される。
一方、タイミング検証部114がNGと判定した場合、タイミング違反配線検索部115は、タイミング違反配線(対象配線303)を、レイアウト結果記憶部205から検索する(ステップS6)。例えば、上述の場合、対象配線303または対象配線303が接続されるセル301及びセル302が検索される。
一方、タイミング検証部114がNGと判定した場合、タイミング違反配線検索部115は、タイミング違反配線(対象配線303)を、レイアウト結果記憶部205から検索する(ステップS6)。例えば、上述の場合、対象配線303または対象配線303が接続されるセル301及びセル302が検索される。
次に、ダミーセル検索部116は、タイミング違反を起した対象配線303が接続されるセル301及びセル302の間にある電源間容量セルを検索する。例えば、図3(b)に示す電源間容量セル304を検索する(ステップS7)。検索に際し、電源間容量セルが複数個配置されている場合、対象配線303に近い電源間容量セルを検索することとしてもよい。
また、ダミーセル接続処理部117は、セルライブラリ記憶部202を参照し、容量セル306を選択し、電源間容量セル304との置換を行う(ステップS8)。
また、ダミーセル接続処理部117は、セルライブラリ記憶部202を参照し、容量セル306を選択し、電源間容量セル304との置換を行う(ステップS8)。
次に、ダミーセル接続処理部117は、図3(b)に示すように、電源間容量セル304を容量セル306へ置換し、配線303へ接続する(ステップS9)。
以降、ダミーセルへ置換された新レイアウトデータを対象に、ステップS5において対象配線303の許容遅延時間が満たされるまで、上述のステップS3〜S9が繰り返される。なお、レイアウトにおけるTAT短縮のため、ステップS5において予め繰り返し回数の上限回数を設ける構成としてもよい。
以降、ダミーセルへ置換された新レイアウトデータを対象に、ステップS5において対象配線303の許容遅延時間が満たされるまで、上述のステップS3〜S9が繰り返される。なお、レイアウトにおけるTAT短縮のため、ステップS5において予め繰り返し回数の上限回数を設ける構成としてもよい。
このような構成により、本発明のレイアウト設計方法によれば、対象配線近傍の電源間容量セルを容量セルへ置換することで、従来に比べ広い範囲でタイミング調整を行うことができる。これにより、対象配線へのダミーセルの接続を繰り返し行う必要はなく、タイミング調整の時間を短縮できる効果を奏する。
また、大きな遅延を生じさせようとする場合であっても、対象配線近傍の電源間容量セルを置換するため、レイアウト済の既存配線を移動させる必要は生じないので、レイアウトTATを短縮できる効果を奏する。
また、大きな遅延を生じさせようとする場合であっても、対象配線近傍の電源間容量セルを置換するため、レイアウト済の既存配線を移動させる必要は生じないので、レイアウトTATを短縮できる効果を奏する。
以上、電源間容量セルを容量セルへ置換する例について説明したが、図4(b)に示すように、バッファセル305を用いて遅延させる構成をとることもできる。次に、この構成を説明するが、上述の実施例と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
ダミーセル検索部116は、ステップS7において、対象配線303近傍のバッファセルを検索する。次に、ステップS9において、対象配線303を図中×印で示す箇所で切断し、第1の配線307及び第2の配線308に分離する。そして、バッファセル305の入力端子と接地配線(VSS)の間を図中×印で示す箇所で切断し、バッファセル305の入力端子を第1の配線307へ接続し、出力端子を第2の配線308へと接続する。すなわち、上述の容量セルへの置換を行うことなく、対象配線303の近傍に配置されたバッファセル305を遅延手段として用いることもできる。
ダミーセル検索部116は、ステップS7において、対象配線303近傍のバッファセルを検索する。次に、ステップS9において、対象配線303を図中×印で示す箇所で切断し、第1の配線307及び第2の配線308に分離する。そして、バッファセル305の入力端子と接地配線(VSS)の間を図中×印で示す箇所で切断し、バッファセル305の入力端子を第1の配線307へ接続し、出力端子を第2の配線308へと接続する。すなわち、上述の容量セルへの置換を行うことなく、対象配線303の近傍に配置されたバッファセル305を遅延手段として用いることもできる。
このような構成により、セル301(第1の論理セル)による出力信号伝達をバッファにより遅延させることができる。従って、上述の効果を維持しつつ、対象配線の電位変化に鈍りが生じることはなく、セル301における動作時の貫通電流を低減でき、チップのパワー増大を抑制できる効果を奏する。
なお、本発明のレイアウト設計方法は、電源間容量を容量セルへ置換するか、対象配線へバッファセルを挿入するか、いずれか一方をとる構成に限られものではなく、両者を同時に実行する構成としてもよい。例えば、電源間容量とバッファセルを一つの機能セルとして設け、セルライブラリ記憶部202へ記憶させる。また、テクノロジー情報記憶部204には、上述のセル301の出力端子に当該機能セルを追加で接続した場合に生じる発生遅延時間を、セル301のセル名、バッファセル名に対応付け記憶させる。タイミング検証部114は、機能セル接続後のステップS5においては、テクノロジー情報記憶部204の当該発生遅延時間を参照し、これを対象配線の初期レイアウトにおける遅延時間結果に加算し、対象配線303の許容遅延時間をオーバーしないかどうかを判定する。続いて、ステップS7において当該セルを検索し、ステップS9において対象配線303へ接続する。このような構成により、電源間容量とバッファセルを一つの機能セルとして設け、遅延時間の調整を行うこともできる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の変更等も含まれる。
例えば、上述の実施形態においては、対象配線の遅延時間を遅らせる場合について述べたが、ステップS5におけるタイミング判定において、許容遅延時間をオーバーしているときに、タイミングを早める構成とすることもできる。上述の通り、ダミーセル配置をステップS1におけるセル配置において実行し、容量セル又はバッファセルを予め対象配線に接続する。そして、許容遅延時間をオーバーした場合、容量セルを電源間容量セルへ置換するか、あるいはバッファセルを対象配線と非接続とし、入力端子を電源配線又は接地配線へ接続し、タイミングを早める構成としてもよい。また、図1における処理フローにおいて、タイミングを遅くする/早くする両方の処理を組み合わせて実行し、設計に要求される遅延時間に最も近い遅延時間になるような最適なダミーセルの接続を求める構成としてもよい。
例えば、上述の実施形態においては、対象配線の遅延時間を遅らせる場合について述べたが、ステップS5におけるタイミング判定において、許容遅延時間をオーバーしているときに、タイミングを早める構成とすることもできる。上述の通り、ダミーセル配置をステップS1におけるセル配置において実行し、容量セル又はバッファセルを予め対象配線に接続する。そして、許容遅延時間をオーバーした場合、容量セルを電源間容量セルへ置換するか、あるいはバッファセルを対象配線と非接続とし、入力端子を電源配線又は接地配線へ接続し、タイミングを早める構成としてもよい。また、図1における処理フローにおいて、タイミングを遅くする/早くする両方の処理を組み合わせて実行し、設計に要求される遅延時間に最も近い遅延時間になるような最適なダミーセルの接続を求める構成としてもよい。
100…半導体レイアウト設計装置、101…演算処理部、102…表示部、201…ネットリスト記憶部、202…セルライブラリ記憶部、203…フロアプラン記憶部、204…テクノロジー情報記憶部、205…レイアウト結果記憶部、206…ネットワーク回線、111…インタフェース部、112…セル配置・自動配線処理部、113…ダミーセル配置処理部、114…タイミング検証部、114a…RC抽出部、114b…遅延時間算出部、114c…遅延時間判定部、115…タイミング違反配線検索部、116…ダミーセル検索部、117…ダミーセル接続処理部、301,302…セル、303…配線、304…電源間容量セル、305…バッファセル、306…容量セル、307…第1の配線、308…第2の配線
Claims (4)
- 回路接続情報が記述されたネットリストと、複数のセルが定義されたセルライブラリとを用いて半導体集積回路のレイアウトデータを設計するレイアウト設計方法であって、
前記レイアウトデータにおける第1の論理セルと第2の論理セルの間の対象配線が配置される領域に、
第1の電源配線と第2の電源配線との間に接続される電源間容量セルと、前記第1の電源配線又は前記第2の電源配線に入力端子が接続されるバッファセルとを配置するダミーセル配置ステップと、
を含む半導体集積回路のレイアウト設計方法。 - 前記対象配線からタイミング違反であるタイミング違反配線が検出された場合、前記タイミング違反配線近傍の前記電源間容量セルを検索するステップと、
検索された前記電源間容量セルを容量セルに置換して前記対象配線へ接続する容量セル接続ステップと、
を更に含む請求項1記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法。 - 前記対象配線からタイミング違反であるタイミング違反配線が検出された場合、前記タイミング違反配線を第1の配線、第2の配線に切断し、前記バッファセルの入力端子を前記第1の配線へ接続し、出力端子を前記第2の配線へ接続するバッファセル接続ステップと、
を更に含む請求項1又は請求項2記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法。 - 回路接続情報が記述されたネットリストと、複数のセルが定義されたセルライブラリとを用いて半導体集積回路のレイアウトデータを設計するレイアウト設計装置であって、
前記レイアウトデータにおける第1の論理セルと第2の論理セルの間の対象配線が配置される領域に、
第1の電源配線と第2の電源配線との間に接続される電源間容量セルと、前記第1の電源配線又は前記第2の電源配線に入力端子が接続されるバッファセルとを配置するダミーセル配置処理部と、
を有する半導体集積回路のレイアウト設計装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009129064A JP2010278219A (ja) | 2009-05-28 | 2009-05-28 | レイアウト設計方法及びレイアウト設計装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20160047380A (ko) * | 2014-10-22 | 2016-05-02 | 삼성전자주식회사 | 집적 회로 및 상기 집적 회로의 레이아웃 설계 방법 |
-
2009
- 2009-05-28 JP JP2009129064A patent/JP2010278219A/ja active Pending
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KR102384862B1 (ko) | 2014-10-22 | 2022-04-08 | 삼성전자주식회사 | 집적 회로 및 상기 집적 회로의 레이아웃 설계 방법 |
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