JP2010277612A - 証券の売買に関連する取引費用を評価するシステムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
証券の売買に関連する取引費用を評価するシステムを提供する。
【解決手段】
ピア・グループ・データベースを作成する方法は、複数の投資機関について、予め選択された期間に関する証券取引データを収集するステップを含む。取引データは、売買されている証券のアイデンティティ、取引注文サイズ、約定価格、および約定時間を含む。取引データは、複数の注文にグループ化される。これらの注文のそれぞれについて、複数の費用ベンチマークが計算される。これらの費用ベンチマークに関して、各投資機関ごとに取引費用が推定される。データは記憶される。
【選択図】図16

Description

本願は、証券の売買に関連する取引費用を評価するシステムおよび方法に関する。
(関連出願)本願は、その全ての内容を参照により本明細書に組み込む、2003年4月24日出願の仮特許出願第60/464962号に基づき、これについての優先権を主張するものである。
投資のパフォーマンスは、その投資に関連する約定(execution)費用に大きく関係する。証券の売買(trade)では、投資戦略のリターンを大幅に低下させるか又は皆無にするほど、取引(transaction)費用が大きくなることがある。従って、最も効率的な注文の約定を行うことは、世界中の投資管理会社にとっての最優先事項の1つである。更に、最近では一部の法律制定者およびファンド株主擁護者により手数料その他の売買費用の更なる開示が求められていることにより、それらの重要性は更に顕著になっている(例えば、[14]のTeitelbaumを参照)。従って、取引費用の決定要因を理解し、それらの計測および評価を行うことが不可欠である。更なる考察については、例えば、[5]のDomowitz、GlenおよびMadhavan、ならびに[13]のSchwartzおよびSteilを参照されたい。
従来は、2つの異なる売買費用の評価手法があったものと考えられる。第1の手法は、純粋に分析的なものであり、取引費用を予測するのに数学的/統計学的なモデルを重視する。典型的には、これらのモデルは、取引費用の理論要因/決定要因に基づくものであり、例えば、売買サイズおよび売買サイド、株式固有の特徴(例えば、時価総額、一日平均売買高、価格、ボラティリティ、スプレッド、ビッド/アスク・サイズなど)、市場および株式固有のモーメンタム、売買戦略、ならびに注文のタイプ(成行注文、指値注文、クロス注文など)を考慮に入れる。
モデリングは、主として価格インパクトと、場合によっては機会費用とに注目して行われる。例えば、[4]のChanおよびLakonishokでは、機関売買影響および売買費用は、会社資本、相対的決定サイズ、売買の背後にある管理会社のアイデンティティ、および緊急性の必要程度と関係があると報告している。[9]のKeimおよびMadhavanでは、機関スタイルおよびそれらの売買費用に対するその影響に注目している。KeimおよびMadhavanは、売買費用が、売買の困難さとともに増加し、投資スタイル、注文提示戦略および取引上場などの要因によって決まることを示す。[2]のBreen、HodrickおよびKorajczykでは、価格インパクトを、観察された正味の売買量と関連する、会社の株価の相対的変化として定義する。Breen、HodrickおよびKorajczykは、この価格インパクト測度と1組の所定の会社特性との間の関係を研究している。典型的には、これらの要素の幾つかが選択され、様々な売買特性および投資スタイルに応じて取引費用評価値を提供する数学的または計量経済学的なモデルで実行される。[7]に記載のITGのACE(トレードマーク)(エージェンシー・コスト・エスティメータ)は、このような理論的決定要因に基づく計量経済学的/数学的モデルの一例である。ACE(トレードマーク)は、[12]のPeroldで論じられるインプリメンテーション・ショートフォール(implementation shortfall)手法を用いて、約定費用を計測する。このタイプのモデルのその他の例については、[15]および[16]も参照されたい。
第1の手法では、過去の約定費用が将来の費用を完全には反映しないことを暗に仮定するが、第2の手法は、明確にこの原理に基づく。第2の手法では、もっぱら実際の約定データの分析に注目し、その結果得られる評価値は、主に売買後分析に使用される。典型的には、約定は、ピア・グループと呼ばれるセグメントに細分され、その後、各セグメントにおける取引費用の単純な平均評価値が構築される。しかし、経験的な平均を取ると問題が生じることがある。例えば、データ量の不十分なセルは、ほんの幾つかのアウトライアによって不正確かつ矛盾した評価値を提供することが非常に多い。
本発明は、上記の両主法の概念を取り入れて、取引費用を評価する改善された方法を提供する。
本発明によれば、金融取引、好ましくは株式(エクイティ)売買の取引費用を推定(評価)する方法が提供される。異なるピア・グループに分割される履歴約定データを用いて、評価値が構築される。しかし、単純な平均評価値を計算する代わりに、より洗練された方法を履歴約定データに適用して、よりロバストで矛盾のない予測を立てる。
本発明の一実施形態によれば、ピア・グループ・データベースを作成する方法が提供され、この方法は、複数の投資機関について、予め選択された期間に関する証券取引データを収集するステップを含む。取引データは、売買されている証券の識別(アイデンティティ)、取引注文サイズ、約定価格、および約定時間を含む。取引データは、複数の注文にグループ化される。これらの注文のそれぞれについて、複数の費用ベンチマークが計算される。これらの費用ベンチマークに関して、各投資機関ごとに取引費用が評価される。データは記憶される。以下で明らかになる本発明のその他の目的、利点および特徴、ならびに本発明の本質は、以下の本発明の詳細な説明、添付の特許請求の範囲および添付の図面を参照すれば、より明確に理解することができる。
本発明の別の実施形態によれば、第1の機関投資家の証券取引費用パフォーマンスを、他の機関投資家の取引費用と相対的に格付けする方法が提供される。この方法は、複数の投資機関について、予め選択された期間に関する証券取引データを収集するステップを含む。取引データは、売買されている証券の識別、取引注文サイズ、約定価格、モーメンタムおよび約定時間を含む。取引データは、複数の注文にグループ化される。複数の費用ベンチマークがこれらの注文のそれぞれについて計算される。これらの費用ベンチマークに関しての各投資機関の取引費用が評価される。幾つかの要因のうち少なくとも1つについて、第1の機関投資家は複数の投資機関と対照された格付がなされる。
本発明の別の実施形態によれば、第1の機関投資家の証券取引費用パフォーマンスを、他の機関投資家の取引費用に対して相対的に格付けするシステムが提供される。このシステムは、複数の投資機関について、予め選択された期間に関する証券取引データを収集する処理手段を含む。取引データは、売買されている証券の識別(アイデンティティ)、取引注文サイズ、約定価格、モーメンタムおよび約定時間を含み、取引データを複数の注文にグループ化する。処理手段は、複数の注文のそれぞれについて複数の費用ベンチマークを計算し、費用ベンチマークに対しての各投資機関の取引費用を評価し、幾つかの要因のうち少なくとも1つについて第1の機関投資家を複数の投資機関と対照させて格付けする。このシステムは、処理手段からデータを受け取り、そのデータを記憶し、処理手段がデータを利用できるようにする記憶手段も含む。
本発明の別の実施形態によれば、第1の機関投資家の証券取引費用パフォーマンスを、他の機関投資家の取引費用に対して相対的に格付けするシステムが提供される。このシステムは、処理ユニットおよびデータベース・ユニットを含む。処理ユニットは、ネットワークに接続され、複数の投資機関についての予め選択された期間に関する証券取引データを収集するように構成される。取引データは、売買されている証券の識別(アイデンティティ)、取引注文サイズ、約定価格、モーメンタム、および約定時間を含む。また、処理ユニットは、取引データを複数の注文にグループ化し、複数の費用ベンチマークを複数の注文のそれぞれについて計算し、費用ベンチマークに対しての各注文の取引費用を評価し、データをデータベースに記憶するようにも構成される。データベース・ユニットは、処理ユニットに接続されており、処理ユニットと通信し、データを記憶し、処理ユニットがデータを利用できるように構成される。
図1は、本発明の実施形態による費用要因のカテゴリの好ましい値の範囲を符号で示す。 図2は、図1の表1に示す費用要因の例示的な範囲および値を示す。 図3は、図2に示すサンプルの様々なカテゴリおよびベンチマークについての平均売買費用を示す。 図4は、図2に示すサンプルの様々なカテゴリおよびベンチマークについての注文ベースのドルおよび等加重平均売買費用を示す。 図5は、様々な回帰技術によって得られる中央費用評価値を比較するグラフである。 図6は、様々な回帰技術によって得られる中央費用評価値を比較するグラフである。 図7は、様々な回帰技術について得られる25パーセンタイル評価値を比較するグラフである。 図8は、売買サイズに対して、評価された及び実現された費用パーセンタイルを比較するグラフである。 図9は、売買サイズに対して、評価された及び実現された費用パーセンタイルを比較するグラフである。 図10は、売買サイズに対して、評価された及び実現された費用パーセンタイルを比較するグラフである。 図11は、モーメンタム要因に対しての、評価された実現された費用パーセンタイルを示すグラフである。 図12は、予想される累積分布関数をその経験的累積分布関数と比較するグラフである。 図13は、予想される累積分布関数をその経験的累積分布関数と比較するグラフである。 図14は、予想される累積分布関数をその経験的累積分布関数と比較するグラフである。 図15は、予想される累積分布関数をその経験的累積分布関数と比較するグラフである。 図16は、本発明の実施形態による、取引費用を評価する例示的なシステムを示すブロック図である。 図17は、例示的なクライアント・インタフェースの例示的なページのスクリーン・ショットである。
本発明について、同様の特徴のものが共通の参照番号で表される図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、証券売買に関連する金融取引費用を評価(推定)し、ピア機関の間で機関パフォーマンスを比較する新しいシステムおよび方法を提供する。様々なピア機関からの取引データを定期的に収集および分析し、取引、注文および約定に関連する包括的データを作成する。このデータは、操作してピア機関に提供し、その機関が自身のパフォーマンスを競争相手と比較して評価することができるようにする。費用は、ある機関による売買または注文の費用を1または複数のベンチマークと比較し、その後、同様の状況の下で同様の株式について複数の機関の間で費用を比較することによって、計量される。
本発明は、機関投資家が、自身のパフォーマンスを他のピア・グループ参加者に対して相対的に格付けすることによって、自身の売買費用をより効率的に管理するのに役立つ。本発明により、機関投資家は、最も効率の良い売買約定ツール(例えばPOSIT(R)、TriAct(トレードマーク)、ITG SmartServers(トレードマーク)など)および最新の売買分析製品(例えばTCA、ITG Opt(トレードマーク)、ITG ACE(トレードマーク)、ResRisk(トレードマーク)など)を用いて自分の分析環境を強化する気になるであろう。
本発明の説明では、注文は、少なくとも1つの証券の1000株以上の買いまたは売りを必要とする証券の大口注文である。
本発明は、証券取引費用を提供するシステムおよび方法を含む。この方法について最初に説明し、その後で、この方法を実施するシステムの例示的な実施形態について説明する。当業者なら、本発明は本明細書に記載の実施形態に限定されないこと、および具体的なプログラミング技術、ソフトウェアまたはハードウェアに限定されないことを容易に理解するであろう。
単独の約定および注文という、2種類の異なるクラスタ化手法を用いたフレームワークが提供される。同じ注文識別子、サイドおよび株で、同一の機関により行われる売買は、同じ注文に属するものと仮定する。
費用評価(推定)値を得るためには、それぞれの売買または注文/売買の決定の取引費用が、幾つかのベンチマークと付き合わせて概算される。機関トレーダの真の費用は、手数料、注文を管理する管理費用、成立しなかった売買の機会費用などの費用も含むことがあるが、本発明では、主として価格インパクトで表される費用に注目する。この価格インパクトは、売買が行われなかった場合の普及したであろう平静価格(unperturbed price、アンパーターブド・プライス)からの約定価格のずれとして説明することができる。
以下のベンチマークを、取引費用を評価するために使用することができる。
T−1 約定の場合は、約定日の前日の株式の終値(注文の場合は、売買決定前日)。
約定の場合は、売買約定の第1日の間の全ての売買にわたる出来高加重平均価格(VWAP)(注文の場合は、決定が約定された期間の最初の売買日の間)。
T+1 約定の場合は、約定後の第1日の株式の終値(注文の場合は、決定の最終履行後の第1日)。
T+20 約定の場合は、約定後の第20日の株式の終値(注文の場合は、決定が約定された期間の最初の売買日後の第20日)。
約定の場合は、約定日の株式の始値(注文の場合は、売買決定日)。
約定の場合は、約定時以前の株式の実勢中間気配値(prevailing midquote)(注文の場合は、売買決定前)。
ベンチマークCT−1については、[12]のPeroldに更に完全に説明されている。ベンチマークVについては、[1]のBerkowitz、LogueおよびNoserに詳細に説明されている。ベンチマークMは、おそらく、例えばCT−1に対するものとして選ぶことができる最も純粋な形の平静価格である。なぜなら、これは、ベンチマークMが、約定終了時から約定時までの間に行われる他の売買に依存しないからである。3つのベンチマーク(CT−1、VおよびM)は全て、費用計量および売買パフォーマンス評価の両方に実際に広く使用されており、当業者は理解するであろう。ベンチマークVWAPも広く使用されているが、一般に大口注文の約定の評価には適していないと考えられている。なぜなら、価格がVWAP価格より悪いようであると、その日の遅い時間の売買を避けることによって「ゲーム」される可能性があるからである。これ以上の詳細については、例えば、[11]のMadhavanを、また、様々な費用計測方法の差異の分析については、[10]のLertを参照されたい。
取引費用は、下記の式によってベーシス・ポイントで計算することができる。
Figure 2010277612
ここで、P^は実際の約定価格、Pはベンチマーク価格であり、δは売り注文の場合には1に、買い注文の場合には−1に設定される。正の売買費用は、アウトパフォーマンスを示し、これは、売買決定が利益を生み出したことを意味する。
1つのピア機関の取引費用を同様の状況の下で他のピア機関の費用と比較するために、それぞれの比較フレームワークの中央値およびその他のパーセンタイル(百分位数)の費用評価値が、ピア・グループ・データベース(PGD)と呼ばれるデータベース、またはその他の記憶手段に組み込まれる。好ましくは、従来の尺度および売買特性の両方によっての相対的ピア・パフォーマンスをユーザが見ることができるように、グラフィカル・ユーザ・インタフェースが設けられる。更に厳密には、約定/注文の売買費用は、タイプ、時価総額、サイド市場、市場、サイズ(一日平均売買高のパーセンテージで表される)、短期モーメンタムなどのような、幾つかの市場および株式に固有の費用要因によりグループ化することができる。これらの要因がシナリオを規定する。例示的な費用要因の好ましい値および範囲を図1に示す。
上記で挙げた6つの費用要因は、取引費用に大きい影響を及ぼすが、その他の多くの要因が使用されることも考えられ、それらは、例えば、ブローカのタイプ(オルタネート・ブローカ、フル・サービス・ブローカ、リサーチ・ブローカなど)、注文のタイプ(成行注文、クロス注文など)、一日ボラティリティ、および株式のドル価格の逆数などである(例えば、[17]のWernerによる[17]や、[3]のChakravarty、PanchapagesanおよびWoodを参照)。
あまり多くの要因をPGDに追加しすぎると、幾つかの不都合が生じる可能性があることに留意することは重要である。例えば、その結果得られるものがより複雑になる可能性もあるが、最も重要なことは、取引データの量が劇的に増加しない場合に、各セグメントの観察数が不十分になるにつれて評価値の精度が低下することである。
図1を参照すると、好ましくは、要因「タイプ」は、Russell3000(R)(RussellはFrank Russell社の登録商標)のインデックスで使用される方法に基づいて、「成長株」または「バリュー(value)株」に分けられる。「微小株(micro cap)」は、成長株でもバリュー株でもなく、時価総額が2億5千万ドル未満である株式として定義される。構成上、ある株式が「成長株」および「バリュー株」の両方のカテゴリに属することもありうることに留意されたい。
要因「時価総額」は、株式を3つの時価総額グループに分類する。約定については、時価総額は、常に約定の前日の株式終値CT−1に基づく。注文についても、時価総額は株式終値CT−1に基づくが、売買決定の前日の株式終値CT−1に基づく。「小型株」のしきい値は、15億ドルである。「中型株」のしきい値は100億ドルである。
要因「サイド」は、「買いサイド」および「売りサイド」という2つのカテゴリを含む。通常売りと空売りとは区別されないことが好ましい。
米国の場合には、要因「市場」は、「上場株」および「店頭株(OTC)」という2つのカテゴリに株式を細分する。しかし、その他の国の場合には、要因「市場」は、任意数のカテゴリに細分することができる。
要因「サイズ」は、約定(注文)の売買(総売買)サイズを示す。サイズは、一日平均株式出来高(average daily share volume)(ADV)に対して計測される。一日平均株式出来高は、約定については、最近21日の売買日の一日ドル出来高中央値を、約定前日の株式終値で割った値であり、注文については、売買決定前日の株式終値で割った値で定義される。
要因「短期モーメンタム」は、約定前の最後の2日間にわたって計測される。モーメンタムは、最後の2日の売買日内の株式の価格変化を、絶対価格変化の分数として示す。具体的には下記のようである。
Figure 2010277612
ここで、QおよびQは、最近2日の売買日の最初と最後の有効一次気配値の中間点であり、Q(0<i<n)は、最近2日の売買日のそれぞれの有効一次売買の直前に生じるi番目の有効一次気配値の中間点である。簡単に言えば、有効一次気配値または有効一次売買とは、株式の一次交換において通常の市場状況で生じた、その株式の気配値(quote)または売買である。
各要因のカテゴリは、以下のように、その他のカテゴリとともに使用されるよう制限されることが好ましい。「タイプ」の「バリュー株」カテゴリおよび「成長株」カテゴリは、要因「時価総額」および「サイド」とのみ一緒に選択することができ、「タイプ」の「微小株」カテゴリは、要因「サイド」とのみ一緒に選択することができる。
要因「サイズ」および「モーメンタム」を使用しないシナリオでは、経験的分布を、ピア費用分布の自然評価値とすることができる。しかしながら、これはその他の場合には当てはまらない。サイズおよびモーメンタムの値が近い場合には、費用評価値は互いに矛盾せず且つ近いべきであるということは、強いられることである。換言すれば、2つの非常に類似したシナリオの実現費用の評価は、それほど大きく違うことはない。
本発明は、「時価総額」、「サイド」、「市場」、「サイズ」および「モーメンタム」といった要因のうちの任意に選んだ要因に対して、ロバストでありかつ矛盾のないピア費用評価値を提供する。本発明では、「タイプ」は要因「時価総額」および/または「サイド」とのみ組み合わせて使用されるので、簡素化のために、これについては考慮しない。しかし、当業者なら、要因「タイプ」を本発明の方法に容易に組み込むことができることを理解するであろう。
本発明の方法は、それぞれ[0、∞]および[−1、1]から選択される「サイズ」および「モーメンタム」の任意の値に対しての費用パーセンタイルの評価値を提供する。従って、この方法は、「サイズ」および「モーメンタム」の値が様々なグループに細分されたときに実際に必要とされるよりもはるかに高いフレキシビリティを提供し、かつ、「サイズ」および「モーメンタム」の範囲の選択が上記に示す範囲と異なる場合でも適用することができる。
次に、例示的に本発明について説明する。評価方法は、TCAのユーザによって提出された2002年1月から2002年12月までの米国約定データに基づく。このサンプルでは、機関売買は91社を表している。全ての機関を合わせると、1460万の売買、827億の株、総価格2兆670億ドルであった。これらの売買は、640万の注文にクラスタ化され、平均注文は2.3約定からなる。
図2は、それぞれの費用要因のカテゴリに基づくサンプル全体およびそのサブサンプルについての説明用の統計値を示す。この表は、約定数、注文数、売買された株式(share)数、売買された株数(stock)(一意的なCUSIPで識別される)および総ドル出来高といった情報を提示する。要因「タイプ」に関する統計値は、「成長株」と「バリュー株」との間の細分がかなり均等に行われたことを示す。約定および注文のごく少数だけが「微小株」カテゴリに属するが、「微小株」カテゴリは最大の株数を含む。時価総額に関する細分は根拠があるものと考えられる。即ち、約定および注文は、3つのグループの間で均等に配分される。図示のように、大型株の数は最小であるが、総ドル価値は最高である。小型株は多数を占めるが、買い注文および売り注文のドル出来高はほぼ同じである。興味深いことに、売り注文の平均サイズは、買い注文の平均サイズより大きい。約定および注文の圧倒的大多数は、最小のサイズ・グループに属する。即ち、ADVが1%以下である。これにより、大口の売買および注文を含むフレームワーク全体について妥当かつロバストな費用評価値を構築する上でもう1つの努力目標が生じる。最後に、モーメンタムの細分に関する統計値は、モーメンタムの値の大部分がゼロに近いことを示す。更に、負のモーメンタムの値が正の値より多いように見える。これは、この期間の市場全体の傾向により予想される。
平均の実現された取引の分析
図3から図4は、様々な要因、ベンチマークおよびクラスタ化タイプについての平均取引費用を提示する。それぞれのシナリオでは、2つの平均費用が提供される。第1の値はドル加重平均売買費用であり、括弧内の数字は等加重平均売買費用を示す。ドル加重平均および等加重平均は、ほとんどの場合に全く異なることに留意されたい。構成上、ドル加重平均は、幾つかの大口売買/注文のみにほとんど依存している。対称分布の場合には、等加重平均は中央値と同じである。この観点からすると、当加重平均の方が、ピア・グループの費用分布の特徴を分析するのにより適している可能性が高い。
図3は、6つの好ましいベンチマークについての様々なカテゴリの要因の平均約定費用を示す。ベンチマークCT−1、OおよびMについての平均売買費用に関しては、成長株がバリュー株よりわずかに高い平均売買費用を有するものと考えられる。定義によれば、微小株は非常に非流動的であり、従って、はるかに高い平均取引費用となる。図3の値から、売買費用が時価総額に反比例しており、また、おそらくはOTC株の方が一般に変動性が大きいことにより、上場株の平均費用がOTC株より低いということが、明らかである。平均では、売り取引が正の費用を有し、買い取引が負の平均費用を有するように見えることを、観察することができる。この観察結果は、ベンチマークCT−1およびOにも当てはまり、これはこの選択した期間内の市場の足取りが全体的にマイナスであることによるものである可能性が非常に高い。この仮定は、売買後のベンチマークCT+1およびCT+20についての売りおよび買いの平均費用の符号が逆であることにより、
確認される。予想通り、平均売買費用は、売買のサイズが増大するにつれて低下する。様々なモーメンタム・カテゴリにおける平均売買費用について、特定のパターンを見出すことはできない。
ベンチマークVについては、既に考察した全てのカテゴリについて、平均費用のほとんどがゼロ付近に集中していることが観察される。平均費用の絶対値で最大のものは17b.p.である。成長株およびバリュー株の平均費用は接近しており、微小株の費用は大きく負になっている。これまでのベンチマークと同様に、平均売買費用も、時価総額と反比例の関係にあるものと考えられ、また、OTC株は上場株よりも高い平均費用を有するように見える。しかし、売買前のベンチマークとは対照的に、売りと買いとの平均費用の間に差は少なく(少なくともドル加重平均については)、これは、構成上、VWAPベンチマークが当該の日について設定され、それぞれの日内の価格の動きの影響されないことによるものである可能性が高い。Vについての要因「サイズ」および「モーメンタム」に関する平均費用の挙動は、売買前のベンチマークの場合と同様である。
売買後のベンチマークCT+1およびCT+20は、かなり異なる結果を生じる。ベンチマークCT+20は大幅に変動する平均費用をもたらし、例えば、ドル加重平均費用および等加重平均費用が、場合によっては同じカテゴリで逆の符号を有する。基本的には、ベンチマークCT+20は、価格インパクトについて意味のある尺度を示さないものと考えられる。ベンチマークCT+1は、売買前のベンチマークCT−1とは逆の挙動を有する平均費用を提供する。費用全体ではほぼ正であり、このことは、平均では、ピア機関がこのベンチマークについて強いパフォーマンスを有することを示す。微小株は、最大の正の費用を有し、OTC株の約定は上場株の約定をしのぐ。
この分析は、例示的なデータ・セットの平均実現取引費用が、他の研究者によって提示された経験的な結果と一致することを示す(例えば、[3]のChakravarty、PanchapagesanおよびWoodを参照)。これらの結果から、様々なベンチマークに関して費用を計量することがパフォーマンス評価に有意な影響を与えることが、はっきりと確認される。この事実に照らせば、上記で論じた全てのベンチマークについて効率的に適用することができる方法を構築することは、努力目標であると考えられる。
図4は、注文に関する同様の結果を示す。
要因「サイズ」および「モーメンタム」のうちの少なくとも1つが選択されているものと仮定して、全てのベンチマーク、クラスタ化タイプ、および可能なシナリオの選択について、ピア費用パーセンタイルを評価(推定)することができる。より厳密に言えば、主な結果は、次のように費用(コスト)のパーセンタイル(百分位数)の評価値を導き出すことである。
Figure 2010277612
ここで、=(y1、y2、y3、y4、y5)は要因「時価総額」、「サイド」、「市場」、「サイズ」および「モーメンタム」の任意の値であり、
Figure 2010277612
であり、費用は上述の6つのベンチマークの1つに対して計量される。
数式(3)のXを評価する前に、第1に、要因「時価総額」、「サイド」および「市場」は離散的であるが、「サイズ」および「モーメンタム」はそれぞれ[0、∞]および[−1、1]からの任意の値を有することができることに、留意しなければならない。その結果として、数式(3)は無限数の関数からなり、従って、無限数の評価値を導出しなければならない。第2に、純粋な経験的手法は、あらゆる場合に実用的でない可能性がある。要因「サイズ」および「モーメンタム」を様々なグループに細分し、各シナリオごとに経験的分布を計算することが、矛盾および不安定につながることもある。その結果として、非常に類似した2つのシナリオから実現される費用のパフォーマンスが全く異なる格付けをされることがあり、これはユーザを混乱させる恐れがある。第3に、ロバストな評価値を提供し、かつクラスタ化タイプならびに6つ全てのベンチマークCT−1、V、CT+1、CT+20、OおよびMの両方ついて有効な方法を有することが好ましい。様々なベンチマーク(例えば、VおよびCT−1)はかなり異なる性質を有するので、この要件は重要である。
仮出願第60/464962号には、評価値を提供するための通常の最小二乗法(OLS)が記載されている。本発明では平均値または中央値に注目するだけでなく、中央値に加えて費用の25、40、60および75のパーセンタイルについての評価値も提供する。比較フレームワーク内の全ての費用パーセンタイルを(総ての)売買サイズおよびモーメンタムの値に直接に回帰する代わりに、本発明では、比較フレームワークを、約定(注文)の「モーメンタム」および「サイズ」に応じて様々なグループに細分する。次いで、各グループごとに、費用の25、40、50(中央値)、60および75のパーセンタイル、ならびにモーメンタムおよび(総)売買サイズの等加重平均値を決定する。
単純なOLS手法と同様に、行われた研究によれば、5つのパーセンタイルは全て、サイズおよびモーメンタムの関数fおよびgに線形に依存するものと仮定される。具体的には、次の数式のようになる。
Figure 2010277612
更に、経験的な研究によれば、fは正であり、単調に増加し、f(0)=0であり、gは、
g(x)=x、またはg(x)=1xIν、(ν>0)
である。
可能なfの選択肢としては、f(x)=xμ、(x>0、μ>0)がある。
あるシナリオのピア費用分布全体の概算評価値を得るために、25から75の間のパーセンタイルを線形補間によって計算することができる。取引費用分布はヘビーテイル(heavy-tail)であるので、パレート型の分布であると仮定して、25未満のパーセンタイルおよび75超のパーセンタイルが導出される。
様々な回帰評価技術を選択して、費用パーセンタイル(i)をモーメンタムおよびサイズの平均値に回帰することによって、数式(4)の回帰パラメータ(α、β、γ)を評価することができる。できる限りノイズを低減し、且つ評価値の安定性を確保するために、観察数の不十分なグループは回帰から外すことが好ましい。本発明では、以下の3つの回帰技術に注目する。それらは、(a)通常最小二乗法(OLS)、(b)OLS残差(residual)に関する加重最小二乗法(WLS)(WLS1)、および(c)それぞれの細分部分における観察に関するWLS(WLS2)である。
WLS1手法は、OLS手法を改良したものであり、2つのステップを含む。第1に、OLS回帰を行い、その回帰の残差を決定する。第2に、観察結果に、それらの残差の二乗の逆数で重み付けすることによりパラメータを再評価する。異常な重み付けを防止するために、残差の二乗の逆数は、下記の値
Figure 2010277612
で切り捨てられる。
評価値は、重み付けによってよりロバストになる。更に、研究によれば、二乗された残差は、一般に、売買および注文のサイズの大きい大口グループについて最高になる。残差による重み付けによって、よりサイズの小さなグループについての費用パーセンタイルの重要性が高まる。これは、上記で指摘したように、(総)売買サイズの小さな約定(および注文)が大多数を占めるので、望ましい。
方法WLS2では、異なる方法で各グループの重要性に重み付けを行う。OLS残差によって重み付けするのではなく、WLS2では、それぞれの細分部分において観察されたデータの量を考慮し、各グループ内の観察の数によって重み付けする。この方法の問題点は、観察の数が、データに応じてグループ間で大幅に変動する可能性がある点である。この手法は、幾つかのシナリオ(通常、売買のサイズが小さく、モーメンタムの値がゼロに近い)では妥当な結果を得ることもできるが、全体としての得られる評価値は不正確である。
本発明は、全体的なピア費用分布に関するより多くの情報を提供するという利点を有する。更に、本発明は、各グループの中央値(および他のパーセンタイル)を取ることにより、アウトライアを除去する。しかし、複数のグループを最適に細分する方法についての理論的根拠がないこと、ならびにパーセンタイルを平均サイズおよびモーメンタムに回帰することは単なる近似に過ぎないことに留意されたい。
図5から図7は、これら3つの回帰技術の結果の比較を提供する。各図において、経験的パーセンタイルは点で示してある。
図5では、OLS、WLS1およびLS2によって得られる費用の中央値の推定値(評価値)を、経験的な費用の中央値と比較する。これらの費用は経験的中央値を示す。実線は、回帰技術WLS1を用いての評価(推定)された費用中央値を示す。2本の点線は、OLSおよびWLS2に関する費用の中央値の推定値(評価費用中央値)を示す。全ての推定値(評価値)は、f(x)−xおよびg(x)=0での我々のデータ・サンプルにおける全ての約定について回帰方程式(3)を用いて導出されたものである。費用は、ベンチマークCT−1に対して計量される。経験的パーセンタイルは、サイズおよびモーメンタムの平均値に回帰されている。即ち、f(x)=xおよびg(x)である。この図は、全ての回帰方法が良好な推定値を与えることを示す。
図6では、OLS、WLS1およびWLS2によって得られた評価費用中央値を、経験的費用中央値と比較する。点は、経験的中央値を示す。実線は、回帰技術WLS1を用いての評価費用中央値を示す。2本の点線は、OLSおよびWLS2に関する評価費用中央値を示す。全ての評価値は、f(x)=xおよびg(x)=0での我々のデータ・サンプルにおける大型株の全ての約定について回帰方程式(8)を用いて導出されたものである。費用は、ベンチマークCT−1に対して計量される。全ての約定を考慮する代わりに、大型株の約定のみについて評価値が導出されている。関数fおよび関数gは、やはり線形に選択される。OLSおよびWLS1を用いた評価費用中央値には、やはりそれほど大きな差はないが(WLS1の方がわずかに良好な結果をもたらすように見える)、方法WLS2は、大きな売買サイズでは不適当な評価値を提供する。
図7では、OLS、WLS1およびWLS2によって得られた25パーセンタイル評価値を、費用の25パーセンタイル経験値と比較する。点は、費用の経験的25パーセンタイルを示す。実線は、回帰技術WLS1を用いた推定(評価)された24パーセンタイルを示す。2本の点線は、OLSおよびWLS2に関する25パーセンタイル評価(推定)値を示す。全ての評価値は、我々のデータ・サンプルにおける全ての約定について回帰式(8)を用いて導出されたものである。fおよびgは、数式(14)に従って選択されている。費用は、ベンチマークMに対して計量される。図7は、全てのデータを用いた約定およびベンチマークMについての25パーセンタイル評価値を示し、fおよびgは以下の数式(7)に従って選択されている。構成上、WLS2は、小さな売買サイズでは最良の結果をもたらすが、売買サイズが大きくなると他の2つの技術のパフォーマンスを下回る。
図5から図7は、本発明の技術の全体的なパフォーマンスの典型的な例である。WLS1は、5つ全ての費用パーセンタイルの評価に最も適した方法であり、全てのベンチマークについて、また、約定および注文の両方について、全てのグループに対して一貫したロバストな評価値を提供する。
回帰の制約
回帰パラメータα、βおよびγ(i=25、40、50、60および75)に任意の制約があると仮定しなければ、ある対(S、M)に対して、直感に反したものであるが下記のことが成り立つ可能性があることに特に注意されたい。
Figure 2010277612
このような状況を回避するために、回避パラメータに制約を与えなければならない。これらの制約は、ベンチマークおよび関数gの選択によって決まる。
従って、3つの制約がそれぞれのシナリオ、ベンチマークおよびクラスタ化タイプにある。第1の制約は、全ての場合について、条件(5)が(S、M)=(0、0)に当てはまってはならないことを提案する。換言すれば、α≧α(i>j)であると仮定する。
第2の制約は、費用の分散が、ベンチマークおよびクラスタ化タイプに応じて、サイズの増大とともに増加または減少することを、考慮に入れる。正確には、i>jについて、
ベンチマークがVであり、クラスタ化タイプが「約定」である場合に、β≦βであり、
その他の場合には、β≧βである。
最後の制約は、関数gの選択およびベンチマークのタイプによって決まる。典型的には、これは(10)が起きないことを保証するパラメータγに関する技術的条件である。
最後に、これらの制約の何れかが守られない場合には、回帰パラメータ(α、β、γ)は中央値(α50、β50、γ50)に対して相対的に調整される。この手法は、最も重要なパーセンタイル評価値である中央値に回帰の制約がなく、従って、行われる可能性のある調整の影響を受けないまま残る、ということを保証する。
fおよびgの選択
各ベンチマークおよびクラスタ化タイプごとに、回帰式(4)において幾つかの関数fおよびgが選択される。一次関数f(x)=xおよびg(x)=xは、Mを除く全てのベンチマークに対して良好な結果をもたらす。パフォーマンスは、回帰の平均値R、および回帰の制約に起因して適用しなければならない調整の数を介して計量された。全ての可能なシナリオの平均Rは、このテスト・セットでは約0.55であり、約30%の場合でパラメータを調整しなければならなかった。この方法では、ベンチマークCT+20、平均R=0.62の約定に対してパフォーマンスが最高となり、ベンチマークM、平均R=0.45の約定に対してパフォーマンスが最低となった。CT+20での最高のパフォーマンスは,以下のように説明できるものと想定される。上述のように、ベンチマークCT+20は、20日の期間内の総体的な価格の動きおよびノイズを測る尺度に過ぎない。この点から、CT+20の経験的費用パーセンタイルは、その基礎である売買または注文にほとんど依存せず、従って、売買される株のモーメンタムおよびサイズの値への依存性も低い。その結果として、数式(4)のβおよびγを0に設定することができ、数式(4)を次のように変形することができる。
Figure 2010277612
の低パフォーマンスは、その費用パーセンタイルの挙動が完全に異なることによって説明することができる。おそらく、実勢中央気配値ベンチマークは、平静価格を模倣することができる最も純粋なベンチマークである。小さな売買サイズでは、約定価格は、株のビッド(買い呼び値)およびアスク(売り呼び値)の気配値(quote)によって自然に制限され、従って、定義によれば、実勢中央気配値に関する費用も制限される。その結果として、5つ全ての費用パーセンタイルは互いに非常に近接していなければならず、これにより、残念ながら回帰の制約が守られなくなる。経験的な研究を通じて、ベンチマークMについての回帰式(4)における下記の関数は、最も良好な結果をもたらすものと判定された。
Figure 2010277612
上記の式は、下記のようである。
Figure 2010277612
関数fは、ADVの2%未満のサイズを、更に小さな値に変換する。この変換は、小さな売買サイズの費用評価値パーセンタイルに大きい差が生じない、という望ましい効果を有する。fおよびgは、それぞれ、変数SおよびMにおけるXの全体的な非線形の挙動をモデル化する。
図8から図10は、ベンチマークCT+20、VおよびMについての、売買サイズと、推定(評価)された及び実現された費用パーセンタイルとの典型的なプロットを示す。図8は、評価された及び実現された費用パーセンタイル対売買サイズを示す。これらの評価値(推定値)は、範囲(−0.02、0.02)内のモーメンタム値を有する全ての約定に基づく。全ての評価値は、回帰技術WLS1を用いて導出されている。fおよびgは、f(x)=xおよびg(x)=xとして選択されている。費用は、ベンチマークCT+20に対して計測される。
図9は、評価された及び実現された及び費用パーセンタイル対売買サイズを示す。これらの評価値は、範囲(−0.02、0.02)内のモーメンタム値を有する大型株の全ての約定に基づく。全ての評価値は、回帰技術WLS1を用いて導出されている。fおよびgは、f(x)=xおよびg(x)=xとして選択されている。費用は、ベンチマークVに対して計量される。
図9は、評価された及び実現された費用パーセンタイル対売買サイズに対するを示す。これらの評価値は、範囲(−0.02、0.02)内のモーメンタム値を有する全ての約定に基づく。全ての評価値は、回帰技術WLS1を用いて導出されている。fおよびgは、数式(14)に従って選択されている。費用は、ベンチマークMに対して計量される。図8および図10では、評価値は範囲(−0.02、0.02)内のモーメンタム値を有する全ての約定に基づく。
図10は、範囲(−0.02、0.02)内のモーメンタム値を有する約定および全ての大型株ついての費用パーセンタイルを示す。上述のように、これらの図面は、様々なベンチマークについての費用パーセンタイルの異なる挙動を示す。y軸の尺度は、ベンチマークごとにかなり変化することに留意されたい。ベンチマークCT+20についてのピア費用分布は、一般に平坦でありヘビーテイルであり、この分布の形は、売買サイズが増大しても大きくは変化しない。これは、ベンチマークVおよびMでは異なる。どちらの場合も、ピア費用分布の標準偏差は、売買サイズが増大するにつれてかなり変化する(Mでは増加し、Vでは減少する)。
図11は、ベンチマークMについて、評価された及び実現された費用パーセンタイル対モーメンタムを示す。図11は、費用パーセンタイルが変数「モーメンタム」の非線形性に依存することを示す。短期モーメンタムについて絶対値が大きい約定の方が、費用が高くなるように見える。評価値は、全ての約定に基づく。全ての評価値は、回帰技術WLS1を用いて導出されている。fおよびgは、f(x)=xおよびg(x)=|x|3/4として選択されている。
ピア費用分布の裾(tail)のモデリング
経験的費用分布が一般に非対称であり、ヘビーテイル(heavy-tail)の分布であることは周知である。この非対称性は、25、40、50、60および75パーセンタイルの評価に5つの独立した回帰式を用いることにより、本発明の2ステップ方法に組み込まれている。ピア費用分布のヘビーテイルは、極値理論で一般に使用されるパレート分布によってモデリングすることができる(例えば、[6]のEmbrechts、KlueppelbergおよびMikoschを参照)。ピア費用分布の左側の裾は、関数Fによってのみ表現することができる。右側の裾についての方法は、同様にモデリングすることができる。
パレート型分布の裾の挙動を仮定すると、Fの左側の裾は、次のようにモデリングされる。
Figure 2010277612
ここで、c、zおよびKは、以下の条件から決定される正の定数である。
(i)0.25=F(X25)、
(ii)0.15(X40−X25)=F’(X25)、および
(iii)0.0001=F(−10000)。
条件(i)は、X25の定義および数式(9)から直接導かれるものであり、条件(ii)は、ピア費用分布関数FがX25において滑らかであることを保証し、条件(iii)は、全てのピア費用分布が実質的に有限の範囲を有さねばならないようにするものである。関数(9)を選択することは、この関数が0になりうることを仮定するものではないが、条件(iii)によって、−10000ベーシス・ポイント未満の費用は実際上生じ得なくなる。
条件(i)、(ii)および(iii)は、分布関数Fの左側の裾を一意的に規定し、パーセンタイルX、・・・、X24を導出することができる。
実際の取引費用は極めてノイズが多くかつヘビーテイルであるので、ピア・グループ費用分布を構築するロバストな方法が必要とされている。本発明は、6つの異なるベンチマーク、2つの異なるクラスタ化タイプおよび全ての可能なシナリオの選択についてピア費用パーセンタイルを評価(推定)する方法を提供する。本発明では、売買費用は、要因「タイプ」、「時価総額」、「サイド」、「市場」、「サイズ」および「短期モーメンタム」にグループ化することができる。最初の4つの要因は入力として離散的な値を有するが、要因「サイズ」および「モーメンタム」はそれぞれ[0、∞]および[−1、1]の間の任意の値を取ることができるものと仮定することができる。
この2ステップ手法は、数値要因「サイズ」および「モーメンタム」の任意の値に対応する全てのシナリオに対して、滑らかかつロバストな評価値(推定値)を提供する。「サイズ」および「モーメンタム」がそれぞれ離散的グループS、・・・、SおよびM、・・・、M(m、n≧1)に細分される場合、ピア費用分布を評価する手順は連続的な場合と同様である。任意の分割部分(S、M)(1≦j≦m、1≦k≦m)について、当該分割部分の平均の「サイズ」および「モーメンタム」(S、M)を計算し、数式(4)へ(S、M)を挿入することによって5つのパーセンタイルX25、・・・、X75を決定する。そのほか全てのパーセンタイルの計算は、連続的な場合と同じである。
本発明では、アウトライアを自然な方法で除去する。更に、単純なOLS回帰とは異なり、この2ステップ手法は、ピア費用分布全体についてのパーセンタイル評価値をもたらす。本発明の方法の第1のステップにおいて「モーメンタム」グループおよび「サイズ」グループを最適に細分する方法についての理論的理由付けはない。パーセンタイルを平均の「サイズ」および「モーメンタム」に回帰することは、単なる近似である。
「時価総額」、「サイド」、「市場」、「サイズ」および「モーメンタム」についての任意のシナリオy=(y、y、y、y、y)についての2ステップ手法のパフォーマンスを計量するには、理論的分布を、対応する経験的ピア費用分布と比較すればよい(yおよびyについては、間隔[y−Δy、y+Δy]および[y−Δy、y+Δy]を選択できる)。理論的分布を経験的分布と比較することにより、この方法がどの程度に機能するかが分かる。本発明者らが行った経験的な研究により、ほとんどの場合において、評価したピア費用分布が実際の分布に非常に近いことが分かっている。非常に平坦な分布を有するシナリオのパーセンタイル評価値は、信頼性が低くなるものと考えられる。特に、ベンチマークCT+20のピア費用評価値は、経験的なピア費用特性とはかなり異なることもある。
図12から図15は、様々なシナリオおよびベンチマークについての理論的な及び経験的な累積ピア費用分布の4つの例を示す。これらのシナリオは、X_Y_Zと略記する。ここで、図1に示す符号を仮定して、文字Xは対応するカテゴリ「時価総額」を表し、Yはカテゴリ「サイド」を表し、Zはカテゴリ「市場」を表す。各図において、黒い実線は、経験的累積分布関数を示す。全ての推定(評価)された累積分布関数は、WLS1を用いた2ステップ手法を用いて導出されている。数式(4)の関数fおよびgは、上記に示したように選択されている。選択された「サイズ」および「モーメンタム」の値は、2つの区間によって指定される。評価費用パーセンタイルは、これらの区間のそれぞれの中央の点を用いて構築されている。
図12では、評価(推定)した累積分布関数を、経験的な累積分布関数と比較する。これらの分布は、「上場株」(シナリオA_A_N)に属する全ての約定を用いて構築されており、ADVの40〜50%の売買サイズを有し、−0.05から−0.03の間の短期モーメンタムの値を有する。費用は、CT−1に対して計量されている。推定されたパーセンタイルは、WLS1を用いた2ステップ手法を用いて導出されている。数式(4)の関数fおよびgは、f(x)=xおよびg(x)=xとして選択されている。これらの分布は、「上場株」に属する全ての約定を用いて決定されており、ADVの40〜50%の売買サイズを有し、−0.05から−0.03の間の短期モーメンタムの値を有する。この図は、これらの分布が、中央値の周りに集中していることを示す。25パーセンタイルおよび75パーセンタイルの周りでは、幾つかの不一致が観察される。これらの不一致は、数式(4)の制約が満たされず、それによりパラメータ(α25、β25、γ25)および(α75、β75、γ75)を調整しなければならなかったために、現れた可能性がある。もう1つ、更に簡単には、このシナリオは限られた数の経験的観察のみを用いるからと説明することもできる。その結果として、この経験的累積分布は、比較に耐えるほどロバストでない可能性もある。
図13は、売買サイズがADVの0.4%から0.6%の間であり、短期モーメンタム値が0近傍である「中型上場株」に属する全ての約定についての比較を示す。これは、多数の観察が属するシナリオであることに留意されたい。従って、経験的累積分布関数はロバストであることが期待できる。このプロットは、両方の累積分布関数がほぼ一致することを示す。図13では、同じように良好なパフォーマンスを観察することができる。この図では、どちらの分布も、ベンチマークCT+1と、y=0.14かつy=0であるシナリオS_S_N、即ち、売買サイズがADVの約14%であり、短期モーメンタムが約0である「小型株」に属する売り取引を用いて作成されている。図15は、ベンチマークCT+20、および売買サイズがADVの約1%であり、短期モーメンタム値が約−0.1であるシナリオS_A_Qについての比較を示す。この図は、25パーセンタイルと75パーセンタイルとの間の範囲のパーセンタイルにも極めて良好に適合することを示す。しかし、他の図とは異なり、経験的な累積分布関数と推定された累積分布関数とが、裾の部分で一致しない。考えられる理由としては、上述した裾の挙動についての仮定が、ベンチマークCT+20に常に当てはまるとは限らないことが挙げられる。特に、−10000b.p.未満および10000b.p.超の費用は常に生じる可能性があり、従って、しきい値0.0001というのは場合によっては低すぎることもある。
ここに提示した図は、2ステップ手法のパフォーマンスを評価するための代表的なサンプルとみなすことができる。この方法は、選択されたベンチマーク、クラスタ化タイプおよびシナリオの選択に対して、矛盾のない費用パーセンタイル評価(推定)値を提供する。構成上、中央値の評価値は最も正確であるが、裾の部分のパーセンタイルはモデリングの前提に基づいており、従って、実際のパーセンタイルとは異なる可能性がある。数式(4)においてより多くのパーセンタイルを推定することを提案することもあるであろう。しかし、回帰式によって評価されるパーセンタイルの数を増やすことには、大きな欠点がある。数式(4)に付加される回帰が増えるほど、調整数が増え、評価誤差が大きくなる可能性がある。発明者等は、この方法が、分布の中央付近で最も正確なパーセンタイル評価値を提供し、全体として良好なパーセンタイル評価値を提供するものと考える。
参考文献
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当業者なら、上記の方法は、任意の数の方法で実施することができることを理解するであろう。例えば、図16を参照すると、ピア機関の取引費用を評価するシステム100は、インターネットなどのネットワーク106に結合されたプロセッサ・ユニット102およびPGDデータベース104を含むことができる。機関トレーダは、様々なクライアント・システムを使用して証券取引を行う。例えば、クライアント・インタフェース108は、トレーダ・クライアント108を使用して、NASDAQ200において売買を行うことができる。
売買データを収集するためのツールを使用することができる。例えば、ITGは、取引データを収集および分析することができるTCA(トレードマーク)(取引費用分析)と呼ばれる製品を販売している。このツールは、取引データを収集してデータをPGDデータベース104にダウンロードするために使用することもできる。取引データを収集する際に、ベンチマークを実時間でデータとして計算することもできるし、データをバッチ処理によって後に収集することもできる。データは、サイズやタイプなどの費用要因によって分離または編成することができる。
月に1度や週に1度などのように定期的に、取引データに対して上述の2ステップ統計分析が実行され、各シナリオごとの各機関についての費用評価(推定)値が生成される。第1に、サイズおよびモーメンタムによってデータがグループ化され、第2に、線形補間および上述の他の技術を用いて、各パーセンタイル(i)について回帰が行われる。データは、任意数の方法でユーザに提供することができる。
従って、プロセッサ・ユニット102は、上述のプロセスを実行するためのソフトウェアおよびハードウェアを適宜備えることができ、また必要に応じてデータベース104と通信するように構成することができる。当業者なら、このシステムは、幾つかの従来のプログラミング技術を用いてプログラムすることができ、また、集中型アーキテクチャまたは分散型アーキテクチャを含む幾つかの構成で実施することができることを理解するであろう。
ピア投資機関が、クライアント・インタフェースを介してPGDにアクセスすることもできる。例示的な表示を図17に示す。表示300は、費用分布全体に対する特定のベンチマークについてのピア機関のパフォーマンスを示す。X軸は「サイズ」(単位:パーセンタイル)であり、Y軸はベンチマークに関連する費用(単位:ベーシス・ポイント(bps))である。この費用分布は、棒グラフまたはその他任意の図表様式で表して、PGD全体に関するピア機関の評価(推定)された費用を示すことができる。例えば、グラフ300は、現在のピア・パフォーマンスが、1%未満、1%から5%、5%から10%、25%から50%の取引サイズ、および50%超の取引サイズについて、PGD全体に対して比較的良好であることを示す。10%から25%の取引サイズでは、この特定の機関のパフォーマンスは10%から25%の取引サイズについては低い。これは、有意義な結果を図表によって提供することができる方法の単なる一例であり、当業者なら、特定の機関について、また、全てのベンチマーク、グループおよびパーセンタイルについて、費用が推定された後で、その結果を有意義な方法で図表またはその他の形で表す数多くの方法があることを、容易に認識するであろう。
以上、図面を参照しながら本発明について詳細に説明した。これらの好ましい実施形態に基づいて本発明について説明したが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、一定の変更、改変および代替の構成が明らかであることは当業者には明らかであろう。従って、本発明の境界および限界を決定するには、添付の特許請求の範囲を参照されたい。

Claims (51)

  1. データベースを作成する方法であって、
    複数の機関投資家について、予め選択された期間についての証券の取引データを収集するステップであって、前記取引データは、売買されている証券の識別、取引注文サイズ、約定価格、および約定時間を含むものである、ステップと、
    前記取引データを複数の注文にグループ化するステップと、
    前記複数の注文のそれぞれについて複数の費用ベンチマークを計算するステップと、
    前記費用ベンチマークに対してそれぞれの機関投資家の取引費用を推定するステップと、
    前記データを記憶するステップと
    を備える方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記推定するステップが、複数のパーセンタイルへの前記取引費用の回帰を行うステップを含む、方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、前記回帰を行うステップが、パーセンタイルi=25、40、50、60または75について、数式
    =α+βf(S)+γg(M)+ε
    を用いるものであり、各パーセンタイルiが、サイズ(S)の関数fおよびモーメンタム(M)の関数gに線形的に依存すると想定され、(α、β、γ)が回帰パラメータである、方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、前記回帰パラメータ(α、β、γ)が、(a)通常最小二乗法(OLS)、(b)OLSの残差に関する加重最小二乗法(WLS)(WLS1)、および(c)それぞれの細分部における観察に関するWLS(WLS2)を用いて推定される、方法。
  5. 請求項3に記載の方法であって、関数fおよび関数gが線形関数に設定される、方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、前記複数の費用ベンチマークが、
    対応する注文の約定日の前の日の証券の終値CT−1
    対応する注文の約定日の間の証券の全ての売買についての出来高加重平均価格VWAP、
    対応する注文の約定日の後の第1日の証券の終値CT+1
    対応する注文の約定日の後の第20日の証券の終値CT+20
    対応する注文の約定日の証券の始値O、および
    対応する注文の約定時の前の証券の実勢中央気配値M
    を含み、
    前記複数のベンチマークのそれぞれが、各注文ごとに、各証券ごとに計算される、
    方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、前記推定するステップが、注文あたりに幾つかの費用要因を考慮に入れる、方法。
  8. 請求項6に記載の方法であって、前記推定するステップが、注文あたりに幾つかの費用要因を考慮に入れる、方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、前記回帰を行うステップが、パーセンタイルi=25、40、50、60または75について、数式
    =α+βf(S)+γg(M)+ε
    を用いるものであり、各パーセンタイルiが、サイズ(S)の関数fおよびモーメンタム(M)の関数gに線形的に依存すると想定され、(α、β、γ)が回帰パラメータであり、
    取引費用がそれぞれの費用要因について回帰される、
    方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、前記回帰パラメータ(α、β、γ)が、(a)通常最小二乗法(OLS)、(b)OLSの残差に関する加重最小二乗法(WLS)(WLS1)、および(c)それぞれの細分部における観察に関するWLS(WLS2)を用いて推定される、方法。
  11. 請求項9に記載の方法であって、関数fおよび関数gが線形関数に設定される、方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、前記費用ベンチマークが、取引が約定される際に実時間で計算され、データベースに記憶される、方法。
  13. 請求項1に記載の方法であって、前記推定するステップが、所定の時間フレームの間に行われる全ての取引について定期的に実行される、方法。
  14. 証券取引費用パフォーマンスを、機関投資家の取引費用に対して相対的に格付けする方法であって、
    複数の機関投資家について、予め選択された期間についての証券の取引データを収集するステップであって、前記取引データは、売買されている証券の識別、取引注文サイズ、約定価格、モーメンタムおよび約定時間を含むものである、ステップと、
    前記取引データを複数の注文にグループ化するステップと、
    前記複数の注文のそれぞれについて複数の費用ベンチマークを計算するステップと、
    前記費用ベンチマークに対してそれぞれの機関投資家についての取引費用を推定するステップと、
    幾つかの要因のうち少なくとも1つについて、前記複数の機関投資家のうちの第1の機関投資家を、前記複数の機関投資家と対照させて格付けするステップと
    を備える方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、前記推定するステップが、複数のパーセンタイルへの前記取引費用の回帰を行うステップを含む、方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、前記回帰を行うステップが、パーセンタイルi=25、40、50、60または75について、数式
    =α+βf(S)+γg(M)+ε
    を用いるものであり、各パーセンタイルiが、サイズ(S)の関数fおよびモーメンタム(M)の関数gに線形的に依存すると想定され、(α、β、γ)が回帰パラメータである、方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、前記回帰パラメータ(α、β、γ)が、(a)通常最小二乗法(OLS)、(b)OLSの残差に関する加重最小二乗法(WLS)(WLS1)、および(c)それぞれの細分部における観察に関するWLS(WLS2)を用いて推定される、方法。
  18. 請求項16に記載の方法であって、関数fおよび関数gが線形関数に設定される、方法。
  19. 請求項14に記載の方法であって、前記複数の費用ベンチマークが、
    対応する注文の約定日の前の日の証券の終値CT−1
    対応する注文の約定日の間の証券の全ての売買についての出来高加重平均価格VWAP、
    対応する注文の約定日の後の第1日の証券の終値CT+1
    対応する注文の約定日の後の第20日の証券の終値CT+20
    対応する注文の約定日の証券の始値O、および
    対応する注文の約定時の前の証券の実勢中央気配値M
    を含み、
    前記複数のベンチマークのそれぞれが、各注文ごとに、各証券ごとに計算される、
    方法。
  20. 請求項14に記載の方法であって、前記要因がサイズおよびモーメンタムを含む、方法。
  21. 請求項19に記載の方法であって、前記要因がサイズおよびモーメンタムを含む、方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、前記回帰を行うステップが、パーセンタイルi=25、40、50、60または75について、数式
    =α+βf(S)+γg(M)+ε
    を用いるものであり、各パーセンタイルiが、サイズ(S)の関数fおよびモーメンタム(M)の関数gに線形的に依存すると想定され、(α、β、γ)が回帰パラメータであり、
    取引費用は、それぞれの費用要因について回帰がなされる、
    方法。
  23. 請求項22に記載の方法であって、前記回帰パラメータ(α、β、γ)が、(a)通常最小二乗法(OLS)、(b)OLSの残差に関する加重最小二乗法(WLS)(WLS1)、および(c)それぞれの細分部における観察に関するWLS(WLS2)を用いて推定される、方法。
  24. 請求項23に記載の方法であって、関数fおよび関数gが線形関数に設定される、方法。
  25. 請求項14に記載の方法であって、前記費用ベンチマークが、取引が約定される際に実時間で計算され、データベースに記憶される、方法。
  26. 請求項14に記載の方法であって、前記推定するステップが、所定の時間フレームの間に行われる全ての取引について定期的に実行される、方法。
  27. 証券取引費用パフォーマンスを、複数の機関投資家の取引費用に対して相対的に格付けするシステムであって、
    複数の機関投資家について、予め選択された期間に関しての、売買されている証券の識別、取引注文サイズ、約定価格、モーメンタムおよび約定時間を含む証券の取引データを収集し、前記取引データを複数の注文にグループ化し、前記複数の注文のそれぞれについて複数の費用ベンチマークを計算し、前記費用ベンチマークに対してのそれぞれの機関投資家の取引費用を推定し、幾つかの要因のうち少なくとも1つについて、前記複数の機関投資家のうちの第1の機関投資家を前記複数の機関投資家に対照させて格付けする処理手段と、
    前記処理手段からデータを受け取り、前記データを記憶し、前記処理手段がデータを利用できるようにする記憶手段と
    を備えるシステム。
  28. 請求項27に記載のシステムであって、前記処理手段が、前記取引費用を複数のパーセンタイルへ回帰することによって前記取引費用を推定する、システム。
  29. 請求項28に記載のシステムであって、前記処理手段が、パーセンタイルi=25、40、50、60または75について、数式
    =α+βf(S)+γg(M)+ε
    によって回帰を実行するものであり、各パーセンタイルiが、サイズ(S)の関数fおよびモーメンタム(M)の関数gに線形的に依存すると想定され、(α、β、γ)が回帰パラメータである、システム。
  30. 請求項29に記載のシステムであって、前記回帰パラメータ(α、β、γ)が、(a)通常最小二乗法(OLS)、(b)OLSの残差に関する加重最小二乗法(WLS)(WLS1)、および(c)それぞれの細分部における観察に関するWLS(WLS2)を用いて推定される、システム。
  31. 請求項29に記載のシステムであって、関数fおよび関数gが線形関数に設定される、システム。
  32. 請求項27に記載のシステムであって、前記複数の費用ベンチマークが、
    対応する注文の約定日の前の日の証券の終値CT−1
    対応する注文の約定日の間の証券の全ての売買についての出来高加重平均価格VWAP、
    対応する注文の約定日の後の第1日の証券の終値CT+1
    対応する注文の約定日の後の第20日の証券の終値CT+20
    対応する注文の約定日の証券の始値O、および
    対応する注文の約定時の前の証券の実勢中央気配値M
    を含み、
    前記複数のベンチマークのそれぞれが、各注文ごとに、各証券ごとに計算される、
    システム。
  33. 請求項27に記載のシステムであって、前記要因がサイズおよびモーメンタムを含む、システム。
  34. 請求項32に記載のシステムであって、前記要因がサイズおよびモーメンタムを含む、システム。
  35. 請求項34に記載のシステムであって、前記処理手段が、パーセンタイルi=25、40、50、60または75について、数式
    =α+βf(S)+γg(M)+ε
    によって回帰を実行するものであり、各パーセンタイルiが、サイズ(S)の関数fおよびモーメンタム(M)の関数gに線形的に依存すると想定され、(α、β、γ)が回帰パラメータであり、
    取引費用は、それぞれの費用要因について回帰がなされる、
    システム。
  36. 請求項34に記載のシステムであって、前記回帰パラメータ(α、β、γ)が、(a)通常最小二乗法(OLS)、(b)OLSの残差に関する加重最小二乗法(WLS)(WLS1)、および(c)それぞれの細分部における観察に関するWLS(WLS2)を用いて推定される、システム。
  37. 請求項36に記載のシステムであって、関数fおよび関数gが線形関数に設定される、システム。
  38. 請求項27に記載のシステムであって、前記費用ベンチマークが、取引が約定される際に実時間で計算され、データベースに記憶される、システム。
  39. 請求項27に記載のシステムであって、前記処理手段が、所定の時間フレームの間に行われる全ての取引について定期的に実行を行う、システム。
  40. 証券取引費用パフォーマンスを、複数の機関投資家の取引費用に対して相対的に格付けするシステムであって、
    複数の機関投資家について、予め選択された期間について、売買されている証券の識別、取引注文サイズ、約定価格、モーメンタムおよび約定時間を含む証券の取引データを収集し、前記取引データを複数の注文にグループ化し、前記複数の注文のそれぞれについて複数の費用ベンチマークを計算し、前記費用ベンチマークに対してそれぞれの注文についての取引費用を推定し、前記データをデータベースに記憶するように構成されており、ネットワークに接続された処理ユニットと、
    前記処理ユニットに接続され、前記処理ユニットと通信し、データを記憶し、前記処理ユニットがデータを利用できるようにするように構成されたデータベース・ユニットと
    を備えるシステム。
  41. 請求項40に記載のシステムであって、前記処理ユニットが、前記取引費用を複数のパーセンタイルへ回帰することによって前記取引費用を推定するように更に構成される、システム。
  42. 請求項41に記載のシステムであって、前記処理ユニットが、パーセンタイルi=25、40、50、60または75について、数式
    =α+βf(S)+γg(M)+ε
    によって回帰を実行するように更に構成され、各パーセンタイルiが、サイズ(S)の関数fおよびモーメンタム(M)の関数gに線形的に依存すると想定され、(α、β、γ)が回帰パラメータである、システム。
  43. 請求項42に記載のシステムであって、前記回帰パラメータ(α、β、γ)が、(a)通常最小二乗法(OLS)、(b)OLSの残差に関する加重最小二乗法(WLS)(WLS1)、および(c)それぞれの細分部における観察に関するWLS(WLS2)を用いて推定される、システム。
  44. 請求項43に記載のシステムであって、関数fおよび関数gが線形関数に設定される、システム。
  45. 請求項44に記載のシステムであって、前記複数の費用ベンチマークが、
    対応する注文の約定日の前の日の証券の終値CT−1
    対応する注文の約定日の間の証券の全ての売買についての出来高加重平均価格VWAP、
    対応する注文の約定日の後の第1日の証券の終値CT+1
    対応する注文の約定日の後の第20日の証券の終値CT+20
    対応する注文の約定日の証券の始値O、および
    対応する注文の約定時の前の証券の実勢中央気配値M
    を含み、
    前記複数のベンチマークのそれぞれが、各注文ごとに、各証券ごとに計算される、
    システム。
  46. 請求項45に記載のシステムであって、前記要因がサイズおよびモーメンタムを含む、システム。
  47. 請求項45に記載のシステムであって、前記費用ベンチマークが、取引が約定される際に実時間で計算され、データベースに記憶される、システム。
  48. 請求項45に記載のシステムであって、前記処理ユニットが、所定の時間フレームの間に行われる全ての取引について定期的に推定を行う、システム。
  49. 請求項40に記載のシステムであって、前記データベース・ユニットに接続された少なくとも1つのクライアント・インタフェースを更に含み、前記クライアント・インタフェースが、前記データベース・ユニットに記憶された前記データに基づいて、選択された機関投資家の格付けを表示するように構成される、システム。
  50. 請求項49に記載のシステムであって、前記クライアント・インタフェースが、前記格付けを棒グラフとして図表表示するように構成され、前記格付けが、複数の要因についての全範囲のパーセンテージとして示される、システム。
  51. 請求項49に記載のシステムであって、前記クライアント・インタフェースが、前記格付けを棒グラフとして図表表示するように構成され、前記格付けが、前記費用ベンチマークのそれぞれについての全範囲のパーセンテージとして示される、システム。
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