JP2002269342A - 株式取引コストの推定方法 - Google Patents

株式取引コストの推定方法

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JP2002269342A
JP2002269342A JP2001063185A JP2001063185A JP2002269342A JP 2002269342 A JP2002269342 A JP 2002269342A JP 2001063185 A JP2001063185 A JP 2001063185A JP 2001063185 A JP2001063185 A JP 2001063185A JP 2002269342 A JP2002269342 A JP 2002269342A
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Osamu Sumiya
督 角谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 株式収益率の時系列データに銘柄固有の変動
要因が含まれる場合に、取引コストを、買付コストと売
却コストとに分離して推定できる。 【解決手段】 株式の個別銘柄jの株価に関する第1の
変動時系列R(t)と第2の変動時系列R(t)に基づ
く、取引コストの推定において、特定銘柄の期待株式収
益率R (t)を、銘柄別の個別変動要因であるα
を含むR (t)=β(t)+α+ε
(t)にて定義する。このαに基づくR のR
からの左右のずれを推定し、これに基づき切片項を得
る。得られた二つの切片項が、それぞれ売却コストと買
付コストに相当する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は、株価時系列データか
ら、株式売買に伴う取引コストを推定するシステムに関
する。
【0002】
【従来の技術】取引コストとは、広くは、ブローカーに
支払う手数料や取引税だけではなく、マーケットインパ
クトなどの要素を含むものと考えられている。より詳細
には、取引コストには、 (1)手数料 (2)ビッド・アスクのスプレッド(売りの買いとの乖
離) (3)マーケットインパクト (4)執行されなかった売買の機会コスト などが含まれる。
【0003】これらコストは、期待リターンを引き下げ
る効果をもつ。したがって、取引コストの推定は、取引
の前に最適な取引戦略を策定し、或いは、最適なポート
フォリオのアロケーションを導出するために必要と考え
られている。取引コストにおいて、その主要部分をなす
マーケットインパクトを株式の取引量に対する価格変化
から推定する手法(在庫リスクモデル)が、Richard C.
GrinoldおよびRonald N. Kahnによる「Active Portfol
io Management(The McGraw-hill Company, Inc., 1995
pp.294〜pp.296)に開示されている。ここでは、流動
性供給者(スペシャリストなど)が行なう反対売買の推
定時間を、τ=(取引量/1日平均売買高)として、日
数ベースで求めるとする。
【0004】在庫リスクσinvは、以下のように定義
される。 σinv=σ・(τ/(250=営業日数))1/2 σは、株価の年率のボラティティ さらに、そのリスクに対する価格の譲歩を調べるため
に、 ΔP/P=c・σinv Pは、価格 として、在庫リスクが価格変動に与える感応度を表すc
を推定する。しかしながら、この手法においては、取引
量ごとの価格変化という大量のデータ収集が問題とな
る。
【0005】その一方、株式収益率の時系列のみを用い
て取引コストを推定する方法に、LVD(Limited Depen
dent Variable)モデルによる推定法がある。これは、真
の株式収益率はCAPM(Capital Asset Pricing Mode
l)に従っているが、観測される株式収益率は投資家の売
買行動の結果を反映したものであり、期待収益率が取引
コストを超過しない限り、合理的な投資家(Informed Tr
ader)は売買行動を起こさず、流動性を確保するために
行動する投資家(Liquidity Trader)によってもたらされ
る株式変動は、いわゆるホワイトノイズであるため、真
の株式の期待収益率が取引コストを賄えない場合には、
結果として観測される収益率が0%となると仮定してい
る。この仮定のもとで、LDVモデルを株式収益率の時
系列データに当てはめて、取引コストを推定している。
なお、本明細書において、以下、株価や株式指標に関す
る変動時系列に基づく変動を、株価収益率、株式収益
率、或いは、単に収益率と称する。場合によって、これ
を観測収益率と称することもある。その一方、期待収益
率を、場合によっては真の収益率とも称する。
【0006】観測収益率と、モデルにしたがった真の収
益率との間には、相違があることが知られている。たと
えば、図7に示すように、取引コストが、売り、買い共
に2%である場合に、期待収益率(図中の真のリター
ン)の絶対値が2%以下であるならば、観測される収益
率(図中の観測リターン)は0%となり、それ以外では
45度線を描く。ある銘柄jおよび株価指数のt時点に
おける収益率は、それぞれ、Rjt、R mtとして、以
下の式により求められる。 Rjt=logPjt−logPjt−1 ・・・(1) Rmt=logPmt−logPmt−1 ・・・(2) Pjtは、t時点の銘柄jの株価の終値 Pmtは、t時点の東証1部株価指数(TOPIX)の
終値 logは自然対数
【0007】上記株価指数の収益率(マーケット・ポー
トフォリオ)Rと、銘柄jの真の収益率R jt
は、 R jt=βmt+εjt ・・・(3) βは市場感応度 εjtはホワイトノイズ となる(図8の符号100参照)。
【0008】図8から理解できるように、真の収益率R
は、収益率(符号101)と相違する。株価にポジテ
ィブな情報に基づいた取引のコストをα2j、ネガティ
ブな情報に基づいた取引のコストをα1jとすると、真
の収益率R jtと、観測される収益率Rjtの関係
は、以下のように表される。 R jt<α1jのとき Rjt=R jt−α1j (状態1) α1j<R jt<α2jのとき Rjt=0 (状態2) R jt>α2jのとき Rjt=R jt−α2j (状態3)
【0009】LDVモデルにおいては、状態1もしくは
状態2のときに、市場ポートフォリオに反応した観測値
が得られるとしている。β、αj1およびαj2の推
定値は、株価収益率に正規分布を仮定し、以下の対数誘
導関数を最大化することで求めることができる。
【0010】
【数1】 なお、上記式(4)において、右辺第1項が状態1を、
第2項が状態2を、第3項が状態3を表している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記LDVモデルを利
用した推定法においては、時系列データのみで取引コス
トを推定しているが、観測することのできない真の収益
率がプラスであるのか、或いは、マイナスであるのかを
事前に特定していない。したがって、株価収益率がCA
PMに従わない場合には、買付コストと売却コストを合
算した売買回転コストが意味を持つだけであり、これら
を分離して推定することができないという問題点があっ
た。
【0012】その一方、「マーケットマイクロストラク
チャー」(大村/宇野/川北/俊野共著 日本経済新聞
社 1998年)には、rjtを銘柄jの日次対数収益
率、lnQjtを、銘柄jの対数売買高として、|r
jt|=λ’lnQjt+ε jtの回帰係数λ’を求
めて、その特性を、株価の下落時と上昇時での非対称性
がいくつかの銘柄で見られるということを報告してい
る。
【0013】λ’は、売買高が与える株価変動の影響と
いうことであるから、λは直接マーケットインパクトを
推定するものではなく、「マーケットインパクトの測
度」と解釈されるものであるが、株価下落時、上昇時
に、取引コストが非対称であるならば、買付コストと売
却コストを分離して推定できなければ、正確な売買コス
ト管理を行うことができないという問題点があった。
【0014】本発明は、株式収益率の時系列データに銘
柄固有の変動要因が含まれる場合に、取引コストを、買
付コストと売却コストとに分離して推定できるシステム
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、株式の
特定の個別銘柄jの株価に関する第1の変動時系列R
(t)を取得するステップと、当該銘柄を含む株価指数に
関する第2の変動時系列R(t)を取得するステップ
と、前記特定銘柄の期待株式収益率R (t)を、銘
柄別の個別変動要因であるαを含むRj(t)=β
(t)+α+ε(t)(ただし、ε(t)
はホワイトノイズ)にて定義するステップと、上記第1
の変動時系列の値を、負値を示す第1の状態、零値を示
す第2の状態および正値を示す第3の状態に分類し、当
該状態ごとに、該当する場合に零でない値を与え、その
一方、該当しない場合に零値をとるように作成されたニ
値の状態変数時系列y1(t)、y2(t)およびy3(t)
を得るステップと、前記状態変数時系列に基づき、尤度
関数L1 L1=Πt=1…TP1(t)y1(t)(C1×P1(t)+C3×P3(t))
y2(t)P3(t)y3(t) ここで、 P1(t)=Σ1exp(R(t)β+α)/{(1+C1)Σ1exp(R(t)
β+α)+(1+C3)Σ3exp(R(t)β+α)} P3(t)=Σ3exp(R(t)β+α)/{(1+C1)Σ1exp(R(t)
β+α)+(1+C3)Σ3exp(R(t)β+α)} Σi:iは前記状態i(i=1,2,3)の何れか を求め、当該尤度関数L1を最大にするα、βを求める
ステップと、求められたαおよびβに基づき、R
(t)が正値と推定される確率P1(t)、およ
び、R (t)が負値と推定される確率P3(t)
を、 P1 (t)=Σ1exp(R(t)β+α)/(Σ1exp(R(t)β+
α)+Σ3exp(R(t)β+α)) P3 (t)=Σ3exp(R(t)β+α)/(Σ1exp(R(t)β+
α)+Σ3exp(R(t)β+α)) にしたがって求め、P1(t)=P3(t)=0.
5を与えるRm(t)から、前記R (t)の符号を
分離すると推定される前記第2の変動時系列中のR
を算出するステップと、 尤度関数L2 lnL2=Σ1ln{1/(2πσj2)1/2}−Σ1{R(t)+α1j
βR(t)}2/(2σj2)+Σ3ln{1/(2πσj2)1/2}−Σ3{R
(t)+α2j−βR(t)}2/(2σj2)+Σ2ln(Φj2−Φ
j1) ここで Φj1=Φ((α1j−βR(t))/σj) Φj2=Φ((α2j−βR(t))/σj) Φ:標準正規分布関数 Σi:iは以下に定義された第1の変動時系列Rj(t)の状
態 i=1:R(t) < R ∩ R(t) ≠0 i=2:R(t)=0 i=3:R(t)≧R ∩ R(t) ≠0 を最大化するα1j、α2jおよびβを算出するステ
ップと、取得された値に基づき、売却時の取引コストを
α1j−β 、買付時取引コストをα2j−β
として推定することを特徴とする株式取引コスト
の推定方法により達成される。
【0016】本発明によれば、特定銘柄の期待株式収益
率R (t)を、銘柄別の個別変動要因であるα
含むR (t)=β(t)+α+ε(t)
にて定義して、これに基づき、いわゆるLDV法を適用
している。また、P1(t)=P3(t)=0.5
を与えるR(t)から、前記R (t)の符号を分
離すると推定される前記第1の時系列中のR を算出
して、このようなRにおける切片項を算出して、これ
を売却時の取引コストおよび買付時取引コストとしてい
る。
【0017】好ましい実施態様においては、さらに、前
記αおよびβに基づき、その有意性を検証するステップ
を備え、前記有意性があると判断された場合に、R
の算出以降のステップが実行される。
【0018】また、別の好ましい実施態様においては、
第2の変動時系列R(t)が、各々が変動時系列である
変数Fn(t)と、その係数Dnの線形結合ΣDn
・Fn(t)にて表される。これにより、いわゆる
マルチファクターにも本発明を適用することが可能であ
る。さらに、本発明の目的は、上記ステップをコンピュ
ータに実行させるコンピュータプログラムによっても達
成される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態につき説明を加える。図1は、本実施の
形態にかかる取引コスト推定システムの構成を示すブロ
ックダイヤグラムである。図1に示すように、本実施の
形態にかかる取引コスト推定システム10は、個別の銘
柄の株式収益率の時系列データを収容した株式収益率時
系列データ収容部12と、株価指数の収益率の時系列デ
ータを収容した株価指数時系列データ収容部14と、後
述するように、期待収益率(真の収益率)が正、負の状
態にあるかを推定する株式収益率状態推定部16と、得
られたパラメータに基づき有意性を検証するパラメータ
有意性検証部18と、有意性があると判断された場合
に、後述する株式の銘柄固有の収益率変動要因αを考慮
した取引コストを推定する第1の取引コスト推定部20
と、有意性がないと判断された場合に、従来のLDVの
手法により取引コストを推定する第2の取引コスト推定
部22と、得られた取引コストを、銘柄等と関連付けて
記憶する結果収容部24とを備えている。
【0020】上記取引コスト推定システムは、たとえ
ば、図2に示すように、CPU32、キーボードやマウ
スなどの入力装置34、表示装置36、データベースを
収容可能な外部記憶装置38、CD−ROM等の可搬記
憶媒体41をアクセスする可搬記憶媒体ドライバ40、
RAM42およびROM44を有するパーソナルコンピ
ュータにより実現できる。
【0021】本実施の形態にて実行される処理のプログ
ラムは、CD−ROM41に記憶され、ドライバ40に
より読み出されて、パーソナルコンピュータのCPU3
2により実行されても良い。或いは、通信回線(図示せ
ず)を介して外部からダウンロードされてもよい。ま
た、収益率等の時系列データは、外部記憶装置38に予
め記憶されていても良いし、通信回線を介して外部から
取得しても良い。さらに、サーバが取引コスト推定装置
として機能し、インターネットなどを介したコマンドに
したがって、必要な演算を実行して、演算結果(つまり
取引コスト)を出力するように構成しても良い。
【0022】本実施の形態にかかる取引コスト推定シス
テムにおける処理を説明するのに先立って、本システム
にて利用されるモデルおよびその概略について説明を加
える。本実施の形態においては、銘柄jに、当該銘柄固
有の収益率変動要因αを導入することにより、真のリタ
ーンR jtを以下の式にて表すこととした。 R jt=βmt+a0j+εjt ・・・(5) a0jは、銘柄j固有の収益変動要因αである。
【0023】図3は、銘柄iの収益率Rと株価指数の
収益率Rとの関係を示す図である。CAPMを想定し
た場合には、RおよびRは、原点で交わっていた
(符号301、302参照)。しかしながら、銘柄固有
の変動要因a0jを導入することにより、y軸がa0j
の値にしたがって左右にシフトする(符号303参
照)。いま、a0j>0と考えると、図3において、取
引コストは、「売り」の場合には「a1」、「買い」
の場合には「a2」となる。そこで、個別銘柄jの収
益変動要因αは、「a1−a1」により推定すること
ができる。
【0024】本実施の形態においては、上記収益変動要
因αによるR のRからのずれを算出し、これに基
づき、売りの場合の取引コストおよび買いの場合の取引
コストを推定している。
【0025】本実施の形態にかかる取引コスト推定シス
テムにおける処理につき詳細に説明を加える。まず、株
式収益率状態推定部16において、Restore−M
LEによる状態推定が実行される。本実施の形態におい
ては、株式収益率時系列データを得るために、東証1部
株価指数(TOPIX)の終値が利用され、株価指数収
益率時系列データを得るために、東京証券取引所の1部
上場企業の日次株式収益率データが利用されている。こ
れらデータは、図4(a)、(b)にそれぞれ示すよう
に、日付に関連付けられて記憶されている。より詳細に
は、株式収益率データとして、2000年1月4日から
11月21日までの東証1部株価指数に継続的に採用さ
れていた1338銘柄の当該観測された日次収益率が記
憶されている。また、TOPIXの収益率も同一期間の
日次収益率である。
【0026】先に説明したように、第1の変動時系列お
よび第2の変動時系列に対応する収益率Rjt、Rmt
は、それぞれ、以下の式により求められる。 Rjt=logPjt−logPjt−1 ・・・(1) Rmt=logPmt−logPmt−1 ・・・(2)
【0027】これら収益率は、適当な時期に算出され、
日付や銘柄等と関連付けられて、株式収益率時系データ
収容部12や、株価指数収益率時系列データ収容部14
に記憶されている。或いは、株式収益率状態推定部16
にて演算されて取得されても良い。これら収益率は、株
式収益率状態推定部16により取り出され、以下のモデ
ル式 R jt=βmt+αjt+εjt ・・・(5) によって表現される、観測されない真の収益率R jt
がプラス(+)、つまり、正の値であるのか、或いは、
マイナス(−)、つまり、負の値であるのかをR mt
値によって判別するために、Restore−MLEを
用いて推定される。
【0028】本実施の形態にかかる株式収益率状態推定
部16にて実行される処理をより詳細に説明する。株式
収益率が負の値をとるときを「状態1」、「0」のとき
を「状態2」、正の値のときを「状態3」と称する。ま
た、t時点でのデータが、状態1、状態2、状態3に入
る確率を、それぞれ、P1t、P2t、P3tとする。
これらは各々独立であり、それぞれの状態に入った場合
に「1」、入らなかった場合に「0」をとるニ値変数
を、それぞれ、y1、y2、y3とすれば、尤度関数は
以下のように表される。
【0029】 L=Πt=0,・・・,T1t y1t2t y2t3t y3t ・・・ (6) ここで、株式収益率が「0」となるときに、式(5) R jt=βmt+αjt+εjt に従う真のリターンは、状態1或いは状態3に一定の割
合で属すると考える。ここに、定数C1、C3を用い
て、P2t=C1t+C3tとするなら、以下
の尤度関数Lを最大化することにより、パラメータα、
βを求めることが可能となる。 L=Πt=0,・・・,T1t y1t(C1t+C3t)P3t 3t ・・・(7)
【0030】
【数2】
【0031】このようにして、パラメータαおよびβが
求められると、パラメータ有意性判定部18に伝達され
て、観測収益率が「0」の場合に、真の収益率が、状態
1に属するのか或いは状態3に属するのかを判定する。
ここに、Pは、観測収益率が状態1に属する確率であ
るから、観測されなかった「0リターン」(収益率が0
であること)についても考慮する必要がある。ここに、
m1tをt時点の観測収益率が0で、真の収益率が状
態1である確率、Pm3tをt時点での観測収益率が0
で、真の収益率が状態3の確率として、Rmtにより真
の収益率が状態1或いは状態3であるとされる推定確率
1t、P 3tは、以下の式にて表される。
【0032】
【数3】 mtが与えられれば、推定されたパラメータαおよび
βを用いて、P、P 3tを計算することで、状
態1、状態3に対する生起確率を求めることができる。
【0033】パラメータ有意性判定部18は、推定され
たパラメータが有意であるか否かをWALD検定により
判定する。本実施の形態においては、有意水準を5%に
設定している。本実施の形態においては、相関が十分で
あれば、個別銘柄固有の収益率変動要因αを考慮したモ
デルが採用され、その一方、相関が不十分であれば、従
来のLDVモデルを採用するようになっている。
【0034】パラメータ有意性判断部18において、有
意ではないと判定された場合には、式(5)、つまり、 R jt=βmt+αjt+εjt を棄却して、従来の銘柄固有の収益率を考慮しない式
(3) R jt=βmt+εjt を想定してLDVモデルを適用して、第2の取引コスト
推定部22を作動させる。その一方、有意であると判定
された場合には、式(5) R jt=βmt+αjt+εjt を適用して、第1の取引コスト推定部20を作動させ
る。
【0035】第1の取引コスト推定部20においては、
LDVモデルによる取引コストを株価に対する収益率
(取引コスト額/株価)として推定する。推定方法は、
「A New Estimation of Transaction Costs」(David
A. Lesmond, Joseph P. Ogden,Charles A. Trzcinka共
著 "The Review of Financial Studies Vol. 12 /No.5
/Winter 1999)にて開示されたものにしたがった。ここ
では、以下の対数尤度関数lnLを最大化することで、
求められるパラメータを用いて算出できる。
【0036】
【数4】
【0037】本実施の形態において、最適解は、「Limi
ted-dependent and qualitative variables in econome
trics」(G. S. Maddala著 Cambridge University Pre
ss1983年)に記載されたFairのアルゴリズムを用いた。
これにより、切片項α1jおよびα2j、βを求める
ことができる。
【0038】式(10)および式(11)において、P
3t=P 1t=0.5を与えるようなRの値であ
る、R が、状態1或いは状態3であるのかを判断す
る際の閾値となる。R により、真のリターンが状態
1或いは状態3であるとされる推定確率P 1t、P
3tが相互に等しく「0.5」になる。
【0039】上記式(12)にしたがって、α1j、α
2jおよびβは算出されていた。したがって、第1の
取引コスト推定部20は、以下の式にしたがって、買付
コストおよび売却コストを得ている。 買付コスト=α2j−β ・・・(14) 売却コスト=α1j−β ・・・(15)
【0040】その一方、第2の取引コスト推定部22に
おいては、従来のLDVを利用して、式(4)に基づ
き、α1j、α2jおよびβが算出される。したがっ
て、買付コストおよび売却コストは、以下のように得る
ことができる。 買付コスト=α2j ・・・(15) 売却コスト=α1j ・・・(16) このようにして得られた買付コストおよび売却コスト
は、銘柄jと対応付けられて結果収容部24に記憶され
る。
【0041】本実施の形態によれば、 一般的にイント
ラデイ・データを用いて推定される取引コストが、時系
列データのみで、売却時、買付時に分離して推定するこ
とが可能となる。また、ファクター・リターンの値によ
り、真の収益率の状態を推定できるため、マルチファク
ター・モデルへの拡張が可能となる。
【0042】本実施の形態により推定された取引コスト
の結果を、1999年末の時価総額を基準に,小さいも
のから順に、10分割したサイズ毎のクラス(CLASS)
の平均値として図5に示した。図5および後述する図6
の表において、本実施の形態にかかる変動要因αを考慮
したコストの推定を、2段階推定法と称している。
【0043】図5に示すように、クラス(CLASS)の値
が1である行が、時価総額が最小となるクラスであり、
CLASSの値が大きくなるほど、時価総額の大きな銘柄の
クラスとなる。推定結果において、コストは、時価総額
最大のクラスで約1%、時価総額最小のクラスで約4%
となっている。これは、一般的に大型株で約1%、小型
株で4%〜5%といわれる取引コストと整合的である。
米国株での取引コストは、1997年11月のPlexus G
roupによる調査結果が「株式市場のマイクロストラクチ
ャー」 (大村敬一,宇野淳,川北英隆,俊野雅司共著
日本経済新聞社 1998年 pp.255)に示され
ている。
【0044】また、銘柄固有の変動要因αを取入れたモ
デルを有意とした144銘柄に関して、本実施の形態に
かかる変動要因αを考慮した取引コスト推定値(2段階
推定法)と、従来のLDVモデルによる取引コスト推定
値とを比較し、図6に示した。
【0045】従来のLDVモデルによれば、株価上昇時
と株価下落時における取引コストにそれほどの差異を見
ることができなかった。その一方、本実施の形態にした
がった手法(2段階推定法)によれば、株価下落時取引
コスト(売却時取引コスト)>株価上昇時取引コスト
(買付時取引コスト)の傾向を示している。
【0046】取引コストが、売却時において買付時より
も大きくなるという研究報告は、上に記載した「株式市
場のマイクロストラクチャー」(pp.98〜pp.1
01)において示されている。本実施の形態によれば、
従来型のモデルで示されなかった非対称性が平均値の差
異を表すことができ、上記文献に記載された研究と整合
した結果を示した。
【0047】本発明は、以上の実施の形態に限定される
ことなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内
で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内
に包含されるものであることは言うまでもない。たとえ
ば、前記実施の形態においては、時系列データとして日
次対数収益率を利用しているが、対数収益率に限定され
ず、パーセンテージによる変動などを利用して良いこと
は言うまでもない。また、前記実施の形態においては、
日次をベースとしているが、これに限定されるものでは
なく、前場、後場の終値などをベースにして変動を求め
ても良い。
【0048】さらに、前記実施の形態においては、株価
変動指数として、東証1部株価指数(TOPIX)を利
用しているが、これに限定されるものではない。たとえ
ば、CME、債券先物指数、商品市場指数、商品市場先
物、円の対米ドル為替レート、S&P500株価指数、
S&P先物などを利用できることも言うまでもない。
【0049】また、前記実施の形態においては、ある銘
柄と、当該銘柄を含む単一の株価変動指数とに基づく取
引コストが算出されているが、単一の株価変動指数に限
定されるものではなく、複数の変動指数(マルチファク
ター)を採用しても良い。この場合には、線形回帰モデ
ルである、R (t)=β(t)+ε(t)
の右辺を、複数の変数Fn(t)と、その係数Dn
の線形結合ΣDn・Fn(t)で置換した式を利用
して、Rの代わりに、ΣDn・Fnを適用して、
LDV等の計算を行えばよい。
【0050】さらに、前記実施の形態においては、パラ
メータの有意性を検証し、有意である場合に、本実施の
形態にかかる手法により取引コストを推定し、それ以外
の場合には、従来のLDVによる取引コストの推定をな
すように実行されているがこれに限定されるものではな
い。たとえば、有意性の検証なく、推定対象である銘柄
固有の変動要因αを考慮した取引コストを推定するよう
に構成しても良いことは言うまでもない。なお、本明細
書において、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手
段により実現されても、若しくは、二つ以上の手段の機
能が、一つの物理的手段により実現されてもよい。
【0051】
【発明の効果】株式収益率の時系列データに銘柄固有の
変動要因が含まれる場合に、取引コストを、買付コスト
と売却コストとに分離して推定できるシステムを提供す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本実施の形態にかかる取引コスト推
定システムの構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図2】 図2は、本実施の形態にかかる取引コスト推
定システムのハードウェア構成例を示すブロックダイヤ
グラムである。
【図3】 図3は、銘柄iの収益率Riと株価指数の収
益率Rmとの関係を示す図である。
【図4】 図4は、本実施の形態において利用される株
式収益率データの構成例を示す図である。
【図5】 図5は、本実施の形態にかかる手法により推
定された取引コストの例を示す表である。
【図6】 図6は、本実施の形態にかかる手法により推
定された取引コストおよび従来のLDVによる取引コス
トの例を示す表である。
【図7】 図7は、真の収益率と観測収益率との関係を
示す図である。
【図8】 図8は、真の収益率と観測収益率との関係を
示す図である。
【符号の説明】
10 取引コスト推定システム 12 株式収益率時系列データ収容部 14 株価指数収益率時系列データ収容部 16 株式収益率状態推定部 18 パラメータ有意性判定部 20 第1の取引コスト推定部 22 第2の取引コスト推定部 24 結果収容部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 株式の特定の個別銘柄jの株価に関する
    第1の変動時系列R(t)を取得するステップと、 当該銘柄を含む株価指数に関する第2の変動時系列R
    (t)を取得するステップと、 前記特定銘柄の期待株式収益率R (t)を、銘柄別
    の個別変動要因であるαを含む R (t)=β(t)+α+ε(t)(た
    だし、ε(t)はホワイトノイズ)にて定義するステ
    ップと、 上記第1の変動時系列の値を、負値を示す第1の状態、
    零値を示す第2の状態および正値を示す第3の状態に分
    類し、当該状態ごとに、該当する場合に零でない値を与
    え、その一方、該当しない場合に零値をとるように作成
    されたニ値の状態変数時系列y1(t)、y2(t)および
    y3(t)を得るステップと、 前記状態変数時系列に基づき、尤度関数L1 L1=Πt=1…TP1(t)y1(t)(C1×P1(t)+C3×P3(t))
    y2(t)P3(t)y3(t) ここで、 P1(t)=Σ1exp(R(t)β+α)/{(1+C1)Σ1exp(R(t)
    β+α)+(1+C3)Σ3exp(R(t)β+α)} P3(t)=Σ3exp(R(t)β+α)/{(1+C1)Σ1exp(R(t)
    β+α)+(1+C3)Σ3exp(R(t)β+α)} Σi:iは前記状態i(i=1,2,3)の何れかを求
    め、当該尤度関数L1を最大にするα、β、C1および
    C3を求めるステップと、 求められたαおよびβに基づき、R (t)が正値と
    推定される確率P1(t)、および、R (t)が
    負値と推定される確率P3(t)を、 P1 (t)=Σ1exp(R(t)β+α)/(Σ1exp(R(t)β+
    α)+Σ3exp(R(t)β+α)) P3 (t)=Σ3exp(R(t)β+α)/(Σ1exp(R(t)β+
    α)+Σ3exp(R(t)β+α)) にしたがって求め、P1(t)=P3(t)=0.
    5を与えるR(t)から、前記Rj(t)の符号を
    分離すると推定される前記第2の変動時系列中のR
    を算出するステップと、 尤度関数L2 lnL2=Σ1ln{1/(2πσj2)1/2}−Σ1{R(t)+α1j
    βR(t)}2/(2σj2)+Σ3ln{1/(2πσj2)1/2}−Σ3{R
    (t)+α2j−βR(t)}2/(2σj2)+Σ2ln(Φj2−Φ
    j1) ここで Φj1=Φ((α1j−βR(t))/σj) Φj2=Φ((α2j−βR(t))/σj) Φ:標準正規分布関数 Σi:iは以下に定義された第1の変動時系列R(t)の状
    態 i=1:R(t) < R ∩ R(t) ≠0 i=2:R(t)=0 i=3:R(t) ≧R ∩ R(t) ≠0 lnは自然対数 を最大化するα1j、α2jおよびβを算出するステ
    ップと、 取得された値に基づき、売却時の取引コストをα1j
    β 、買付時取引コストをα2j−β
    して推定することを特徴とする株式取引コストの推定方
    法。
  2. 【請求項2】 さらに、前記αおよびβに基づき、その
    有意性を検証するステップを備え、 前記有意性があると判断された場合に、R の算出以
    降のステップが実行されることを特徴とする請求項1に
    記載の株式取引コストの推定方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の変動時系列R(t)が、各々
    が変動時系列である変数Fn(t)と、その係数Dn
    の線形結合ΣDn・Fn(t)にて表されること
    を特徴とする請求項1または2に記載の株式取引コスト
    の推定方法。
  4. 【請求項4】 コンピュータに株式取引コストの推定を
    実行させるコンピュータプログラムであって、 株式の特定の個別銘柄jの株価に関する第1の変動時系
    列R(t)を取得するステップと、 当該銘柄を含む株価指数に関する第2の変動時系列R
    (t)を取得するステップと、 前記特定銘柄の期待株式収益率R (t)を、銘柄別
    の個別変動要因であるαを含む R (t)=β(t)+α+ε(t)(た
    だし、ε(t)はホワイトノイズ)にて定義するステ
    ップと、 上記第1の変動時系列の値を、負値を示す第1の状態、
    零値を示す第2の状態および正値を示す第3の状態に分
    類し、当該状態ごとに、該当する場合に零でない値を与
    え、その一方、該当しない場合に零値をとるように作成
    されたニ値の状態変数時系列y1(t)、y2(t)および
    y3(t)を得るステップと、 前記状態変数時系列に基づき、尤度関数L1 L1=Πt=1…TP1(t)y1(t)(C1×P1(t)+C3×P3(t))
    y2(t)P3(t)y3(t) ここで、 P1(t)=Σ1exp(R(t)β+α)/{(1+C1)Σ1exp(R(t)
    β+α)+(1+C3)Σ3exp(R(t)β+α)} P3(t)=Σ3exp(R(t)β+α)/{(1+C1)Σ1exp(R(t)
    β+α)+(1+C3)Σ3exp(R(t)β+α)} Σi:iは前記状態i(i=1,2,3)の何れか を求め、当該尤度関数L1を最大にするα、β、C1お
    よびC3を求めるステップと、 求められたαおよびβに基づき、R (t)が正値と
    推定される確率P1(t)、および、R (t)が
    負値と推定される確率P3(t)を、 P1 (t)=Σ1exp(R(t)β+α)/(Σ1exp(R(t)β+
    α)+Σ3exp(R(t)β+α)) P3 (t)=Σ3exp(R(t)β+α)/(Σ1exp(R(t)β+
    α)+Σ3exp(R(t)β+α)) にしたがって求め、P1(t)=P3(t)=0.
    5を与えるR(t)から、前記R (t)の符号を
    分離すると推定される前記第2の変動時系列中のR
    を算出するステップと、 尤度関数L2 lnL2=Σ1ln{1/(2πσj2)1/2}−Σ1{R(t)+α1j
    βR(t)}2/(2σj2)+Σ3ln{1/(2πσj2)1/2}−Σ3{R
    (t)+α2j−βR(t)}2/(2σj2)+Σ2ln(Φj2−Φ
    j1) ここで Φj1=Φ((α1j−βR(t))/σj) Φj2=Φ((α2j−βR(t))/σj) Φ:標準正規分布関数 Σi:iは以下に定義された第1の変動時系列Rj(t)の状
    態 i=1:R(t) < R ∩ R(t) ≠0 i=2:R(t)=0 i=3:R(t) ≧R ∩ R(t) ≠0 を最大化するα1j、α2jおよびβを算出するステ
    ップと、 取得された値に基づき、売却時の取引コストをα1j
    β 、買付時取引コストをα2j−β
    して推定するステップとを前記コンピュータに実行させ
    ることを特徴とするコンピュータプログラム。
  5. 【請求項5】 さらに、前記αおよびβに基づき、その
    有意性を検証するステップを前記コンピュータに実行さ
    せ、 前記有意性があると判断された場合に、R の算出以
    降のステップが前記コンピュータにて実行されることを
    特徴とする請求項4に記載のコンピュータプログラム。
  6. 【請求項6】 前記第2の変動時系列R(t)が、各々
    が変動時系列である変数Fn(t)と、その係数Dn
    の線形結合ΣDn・Fn(t)にて表されること
    を特徴とする請求項4または5に記載のコンピュータプ
    ログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006524397A (ja) * 2003-04-24 2006-10-26 アイ・ティ・ジー ソフトウェア ソリューションズ インコーポレーテッド 証券の売買に関連する取引費用を評価するシステムおよび方法
US8229834B2 (en) 2002-06-12 2012-07-24 Itg Software Solutions, Inc. System, method and program for agency cost estimation

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