JP2010277138A - 融資条件出力装置、融資条件出力プログラム及び融資条件出力方法 - Google Patents

融資条件出力装置、融資条件出力プログラム及び融資条件出力方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 不動産を担保にした融資において、融資の一部にノンリコース枠を設定した融資条件を出力する融資条件出力装置を提供する。
【解決手段】 コンピュータに、担保に徴する不動産の所在地や面積等の物件情報、債務者となる借入人の年齢や職業、年収等の属性情報、融資希望額や返済年数などの融資情報を入力する。コンピュータは、物件情報から担保物件の処分価格を基準にしたノンリコースローンで対応が可能な融資枠を、属性情報から借入人の信用力を基準にしたリコースローンで対応が可能な融資枠を、それぞれ演算する。融資希望額に対して、ノンリコースローンで対応が可能な部分をノンリコースローンの融資額に、融資希望額に対して不足があり、その部分をリコースローンで対応が可能であればリコースローンの融資額に決定し、各々の融資に適用される金利とともに、融資条件として出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、不動産を担保にした融資において、融資の一部にノンリコース枠を設定した融資条件を出力する融資条件出力装置、融資条件出力プログラム及び融資条件出力方法に関するものである。
住宅ローンなどの不動産取得のための資金を対象にする融資では、融資対象となる不動産を担保にすることが一般的である。このようなケースでは、融資の審査において担保となる不動産の価値を評価することが必要になるが、評価の信頼性を高めるために、路線価や公示地価、取引事例等を用いた不動産鑑定評価の手法に準じた担保物件の評価を行う不動産評価システム(特許文献1参照)や、登録評価額の地点毎に個別に地価変動情報を用意し、その地価変動情報に基づいて登録評価額を更新する地価情報更新方法に関する発明(特許文献2参照)等が開示されている。
不動産を担保にした融資で債務不履行が発生すると、担保物件を処分して債務の返済に充てることになるが、不動産価格が著しく下落する場合や、元本償還の据え置き等によって不動産価格の減価が先行する場合等には、担保物件の処分価格だけでは債務の返済に不足するケースが発生する。このようなケースにおいて、債務者である借入人に対して不足額の返済を求める融資をリコースローンといい、担保物件の処分以上に借入人に対して返済を求めない融資をノンリコースローンという(例えば、特許文献3の段落0037〜0039、図1等参照)。
一方、担保物件による保全の他に、そもそも債務不履行が生じることがないように、融資審査において債務者である借入人の信用力を審査し、融資を行わないと判断したり、借入人の信用力に応じて融資枠を設定したりすることが重要になる。一般に住宅ローンの審査においては、借入人の年収、年齢などの属性や、返済期間などから融資枠を計算することが行われている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2005−316797号公報 特開2002−56072号公報 特開2005−4234号公報
住宅ローンガイド・新規購入「STEP1 予算と借入額の目安を決める」、E−LOANホームページ、[2009年4月6日検索]、インターネット<http://www.eloan.co.jp/home/guide/step1-1.jsp>
住宅ローンを利用する借入人からすると、万一の場合にも担保物件の処分のみで債務を返済することが可能なノンリコースローンは好ましい商品である。しかしながら、債権者である融資機関側における与信管理上の問題から、住宅ローンにおいてノンリコースローンの普及は進んでいないのが現状である。
その理由として、特に新築物件を対象にした住宅ローンでは、担保となる新築物件は、中古物件に比べて初期の価格下落が大きくなるのに対して、住宅ローンで一般的な元利金等返済では当初数年間は元本が殆ど減少しないため、担保不足の状態が生じやすい。この時期に債務不履行となると回収不足が発生する可能性が高くなるため、住宅ローンにおいてノンリコースローンは提供しにくいことになる。
そのため、住宅ローンはリコースローンとならざるを得ないことが多く、特許文献1や特許文献2のような発明を用いて精緻な担保物件の評価を行ったとしても、その評価額がノンリコースローンの融資枠を決めるのに用いられるのではなく、担保評価とは別に融資枠を非特許文献1のような方法によって決定することが多くなっている。
このような状況下で、住宅ローン等の不動産を担保にした融資を受ける際にノンリコースローンを利用したいという借入人のニーズに対して、債権者である融資機関の負担するリスクを抑えながら、可能な範囲でノンリコースローンを提供できるための仕組みが求められるところである。
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、不動産を担保にした融資において、融資の一部にノンリコース枠を設定した融資条件を出力する融資条件出力装置、融資条件出力プログラム及び融資条件出力方法を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決する本発明は、不動産を担保にした融資の融資条件を出力する融資条件出力装置であって、不動産の価値評価に用いられる情報を記憶する不動産情報記憶手段と、担保となる不動産の評価額に乗じてノンリコースローンの融資枠を決定する担保評価率を記憶する担保評価率記憶手段と、融資を受ける借入人の属性に関する情報と、融資の担保に提供する担保物件に関する情報と、融資の希望額に関する情報の入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段が受け付けた担保物件に関する情報に前記不動産情報記憶手段に記憶された情報を適用して前記担保物件の評価額を演算し、前記評価額に前記担保評価率記憶手段から読み出した担保評価率を乗じて、ノンリコースローンの融資枠を演算するノンリコース枠演算手段と、前記入力受付手段が受け付けた借入人の属性に関する情報に所定の演算式を適用して、リコースローンの融資枠を演算するリコース枠演算手段と、前記ノンリコース枠演算手段が演算した融資枠のうち前記入力受付手段が受け付けた希望額を超過しない額をノンリコースローンの融資額に、前記リコース枠演算手段が演算した融資枠のうち前記希望額を超過しない額から前記ノンリコースローンの融資額を減じた額(マイナスとなる場合はゼロ)をリコースローンの融資額に決定する融資額決定手段と、前記融資額決定手段が決定したノンリコースローン及びリコースローンの融資額を含む融資条件に関する情報を、出力装置に出力する融資条件出力手段と、を備えることを特徴とする融資条件出力装置である。
本発明では、債務者である借入人の属性等から演算されるリコースローンの融資枠の一部に、担保物件の評価額から演算されるノンリコースローンの融資枠を設定した融資条件を出力する。これによって、借入人は可能な範囲でノンリコースローンを利用できるようになるとともに、債権者である融資機関は、リコースローンを併用することによってノンリコースの住宅ローンの初期段階において発生しやすい担保不足に対応することが可能になる。
また、本発明は、ノンリコースローン、リコースローンの各々に設定された適用金利を記憶する適用金利記憶手段と、ノーリコースローン及びリコースローンへの適用金利を前記適用金利記憶手段から読み出す適用金利決定手段と、を備えていて、前記融資条件出力手段が、前記適用金利決定手段が読み出したノーリコースローン及びリコースローンへの適用金利を含む融資条件に関する情報を出力することを特徴とすることもできる。
このように構成すると、融資条件を出力する際に、各々の融資枠に適用される金利をあわせて出力することが可能になる。これによって、債権者である融資機関は、融資金額のみでなく、リスクに応じた金利を決定することができる。
さらに、本発明は、前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に乗じる複数の担保評価率が記憶され、前記適用金利記憶手段には、ノンリコースローンの適用金利について、前記複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、前記ノンリコース枠演算手段は前記複数の担保評価率の各々に対応するノンリコースローンの融資枠を演算し、前記融資額決定手段は、適用金利の最も高い融資枠からノンリコースローン全体の融資額を決定するとともに、前記ノンリコースローン全体の融資額の範囲内において、適用金利の低いものについて演算された融資枠から順に、前記ノンリコースローン全体の融資額の範囲内における各々の融資額の配分を決定することを特徴としてもよい。
このように構成すると、リコースローンの融資枠の一部に設定するノンリコースローンの融資枠に複数の区分を設け、例えば、回収可能性の高い部分で融資枠を区切って低い金利を適用するなど、ノンリコースローンの融資条件にきめ細かな設定を行うことが可能になる。
さらに、本発明は、前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に乗じる一又は複数の担保評価率の選択可能な組合せが記憶され、前記適用金利記憶手段には、前記選択可能な組合せに含まれる一又は複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、前記入力受付手段は、ノンリコース枠の演算に適用する一又は複数の担保評価率の組合せについて借入人の選択の入力を受け付けて、前記ノンリコース枠演算手段は、前記入力受付手段の受け付けた選択に対応する一又は複数の担保評価率の各々に対応する融資枠を演算し、前記適用金利決定手段は、前記入力受付手段の受け付けた選択に対応する一又は複数の担保評価率について設定された適用金利を読み出すことを特徴としてもよい。
このように構成すると、リコースローンの融資枠の一部に設定するノンリコースローンの融資枠に複数の区分を設けることが可能な場合に、借入人の希望等に応じて区分の数を選択することが可能になる。
さらに、本発明は、前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に対して選択可能な複数の担保評価率が記憶され、前記適用金利記憶手段には、前記選択可能な複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、前記入力受付手段は、ノンリコース枠の設定基準に関する借入人の選択の入力を受け付け、前記ノンリコース枠演算手段は、前記入力受付手段の受け付けた選択に対応する担保評価率を適用してノンリコースローンの融資枠を演算し、前記適用金利決定手段は、前記入力受付手段の受け付けた選択に対応する担保評価率について設定された適用金利を読み出すことを特徴としてもよい。
このように構成すると、例えば、金利優先、融資枠優先といった借入人の選択に応じたノンリコースローンの融資条件の設定が可能になる。
本発明は、本発明にかかる融資条件出力装置において実行される融資条件出力プログラムとして特定することもできる。
本発明にかかる融資条件出力プログラムは、不動産を担保にした融資の融資条件を出力する融資条件出力プログラムであって、不動産の価値評価に用いられる情報を記憶する不動産情報記憶手段と、担保となる不動産の評価額に乗じてノンリコースローンの融資枠を決定する担保評価率を記憶する担保評価率記憶手段と、を備えたコンピュータに、融資を受ける借入人の属性に関する情報と、融資の担保に提供する担保物件に関する情報と、融資の希望額に関する情報の入力を受け付ける入力受付ステップと、前記入力受付ステップで受け付けた担保物件に関する情報に前記不動産情報記憶手段に記憶された情報を適用して前記担保物件の評価額を演算し、前記評価額に前記担保評価率記憶手段から読み出した担保評価率を乗じて、ノンリコースローンの融資枠を演算するノンリコース枠演算ステップと、前記入力受付ステップで受け付けた借入人の属性に関する情報に所定の演算式を適用して、リコースローンの融資枠を演算するリコース枠演算ステップと、前記ノンリコース枠演算ステップで演算した融資枠のうち前記入力受付ステップで受け付けた希望額を超過しない額をノンリコースローンの融資額に、前記リコース枠演算ステップで演算した融資枠のうち前記希望額を超過しない額から前記ノンリコースローンの融資額を減じた額(マイナスとなる場合はゼロ)をリコースローンの融資額に決定する融資額決定ステップと、前記融資額決定ステップで決定したノンリコースローン及びリコースローンの融資額を含む融資条件に関する情報を、出力装置に出力する融資条件出力ステップと、を実行させることを特徴とする融資条件出力プログラムである。
また、本発明にかかる融資条件出力プログラムは、前記コンピュータには、ノンリコースローン、リコースローンの各々に設定された適用金利を記憶する適用金利記憶手段が備えられていて、前記コンピュータに、ノーリコースローン及びリコースローンへの適用金利を前記適用金利記憶手段から読み出す適用金利決定ステップを実行させ、前記融資条件出力ステップでは、前記適用金利決定ステップで読み出したノーリコースローン及びリコースローンへの適用金利を含む融資条件に関する情報を、出力装置に出力させることを特徴とすることもできる。
さらに、本発明にかかる融資条件出力プログラムは、前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に乗じる複数の担保評価率が記憶され、前記適用金利記憶手段には、ノンリコースローンの適用金利について、前記複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、前記ノンリコース枠演算ステップでは、前記複数の担保評価率の各々に対応するノンリコースローンの融資枠を演算し、前記融資額決定ステップでは、適用金利の最も高い融資枠からノンリコースローン全体の融資額を決定するとともに、前記ノンリコースローン全体の融資額の範囲内において、適用金利の低いものについて演算された融資枠から順に、前記ノンリコースローン全体の融資額の範囲内における各々の融資額の配分を決定することを特徴としてもよい。
さらに、本発明にかかる融資条件出力プログラムは、前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に乗じる一又は複数の担保評価率の選択可能な組合せが記憶され、前記適用金利記憶手段には、前記選択可能な組合せに含まれる一又は複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、前記入力受付ステップでは、ノンリコース枠の演算に適用する一又は複数の担保評価率の組合せについて借入人の選択の入力を受け付けて、前記ノンリコース枠演算ステップでは、前記入力受付ステップで受け付けた選択に対応する一又は複数の担保評価率の各々に対応する融資枠を演算し、前記適用金利決定ステップでは、前記入力受け付けステップで受け付けた選択に対応する一又は複数の担保評価率について設定された適用金利を読み出すことを特徴としてもよい。
さらに、本発明にかかる融資条件出力プログラムは、前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に対して選択可能な複数の担保評価率が記憶され、前記適用金利記憶手段には、前記選択可能な複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、前記入力受付ステップでは、ノンリコース枠の設定基準に関する借入人の選択の入力を受け付け、前記ノンリコース枠演算ステップでは、前記入力受付ステップで受け付けた選択に対応する担保評価率を適用してノンリコースローンの融資枠を演算し、前記適用金利決定ステップでは、前記入力受付ステップで受け付けた選択に対応する担保評価率について設定された適用金利を読み出すことを特徴とすることもできる。
本発明は、本発明にかかる融資条件出力プログラムによって実行される融資条件出力方法として特定することもできる。
本発明にかかる融資条件出力方法は、不動産を担保にした融資の融資条件を出力する融資条件出力方法であって、不動産の価値評価に用いられる情報を記憶する不動産情報記憶手段と、担保となる不動産の評価額に乗じてノンリコースローンの融資枠を決定する担保評価率を記憶する担保評価率記憶手段と、を備えたコンピュータが、融資を受ける借入人の属性に関する情報と、融資の担保に提供する担保物件に関する情報と、融資の希望額に関する情報の入力を受け付ける入力受付ステップと、前記コンピュータが、前記入力受付ステップで受け付けた担保物件に関する情報に前記不動産情報記憶手段に記憶された情報を適用して前記担保物件の評価額を演算し、前記評価額に前記担保評価率記憶手段から読み出した担保評価率を乗じて、ノンリコースローンの融資枠を演算するノンリコース枠演算ステップと、前記コンピュータが、前記入力受付ステップで受け付けた借入人の属性に関する情報に所定の演算式を適用して、リコースローンの融資枠を演算するリコース枠演算ステップと、前記コンピュータが、前記ノンリコース枠演算ステップで演算した融資枠のうち前記入力受付ステップで受け付けた希望額を超過しない額をノンリコースローンの融資額に、前記リコース枠演算ステップで演算した融資枠のうち前記希望額を超過しない額から前記ノンリコースローンの融資額を減じた額(マイナスとなる場合はゼロ)をリコースローンの融資額に決定する融資額決定ステップと、前記コンピュータが、前記融資額決定ステップで決定したノンリコースローン及びリコースローンの融資額を含む融資条件に関する情報を、出力装置に出力する融資条件出力ステップと、を有することを特徴とする融資条件出力方法である。
また、本発明にかかる融資条件出力方法は、前記コンピュータには、ノンリコースローン、リコースローンの各々に設定された適用金利を記憶する適用金利記憶手段が備えられ、前記コンピュータが、ノーリコースローン及びリコースローンへの適用金利を前記適用金利記憶手段から読み出す適用金利決定ステップを有していて、前記融資条件出力ステップにおいて、前記コンピュータが、前記適用金利決定ステップで読み出したノーリコースローン及びリコースローンへの適用金利を含む融資条件に関する情報を出力することを特徴とすることもできる。
また、本発明にかかる融資条件出力方法は、前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に乗じる複数の担保評価率が記憶され、前記適用金利記憶手段には、ノンリコースローンの適用金利について、前記複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、前記ノンリコース枠演算ステップでは、前記コンピュータが、前記複数の担保評価率の各々に対応するノンリコースローンの融資枠を演算し、前記融資額決定ステップでは、前記コンピュータが、適用金利の最も高い融資枠からノンリコースローン全体の融資額を決定するとともに、前記ノンリコースローン全体の融資額の範囲内において、適用金利の低いものについて演算された融資枠から順に、前記ノンリコースローン全体の融資額の範囲内における各々の融資額の配分を決定することを特徴とすることもできる。
さらに、本発明にかかる融資条件出力方法は、前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に乗じる一又は複数の担保評価率の選択可能な組合せが記憶され、前記適用金利記憶手段には、前記選択可能な組合せに含まれる一又は複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、前記入力受付ステップでは、前記コンピュータが、ノンリコース枠の演算に適用する一又は複数の担保評価率の組合せについて借入人の選択の入力を受け付けて、前記ノンリコース枠演算ステップでは、前記コンピュータが、前記入力受付ステップで受け付けた選択に対応する一又は複数の担保評価率の各々に対応する融資枠を演算し、前記適用金利決定ステップでは、前記コンピュータが、前記入力受け付けステップで受け付けた選択に対応する一又は複数の担保評価率について設定された適用金利を読み出すことを特徴としてもよい。
さらに、本発明にかかる融資条件出力方法は、前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に対して選択可能な複数の担保評価率が記憶され、前記適用金利記憶手段には、前記選択可能な複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、前記入力受付ステップでは、前記コンピュータが、ノンリコース枠の設定基準に関する借入人の選択の入力を受け付け、前記ノンリコース枠演算ステップでは、前記コンピュータが、前記入力受付ステップで受け付けた選択に対応する担保評価率を適用してノンリコースローンの融資枠を演算し、前記適用金利決定ステップでは、前記コンピュータが、前記入力受付ステップで受け付けた選択に対応する担保評価率について設定された適用金利を読み出すことを特徴としてもよい。
本発明によって、不動産を担保にした融資において、融資の一部にノンリコース枠を設定し、各々の融資額と適用される金利を決定した融資条件を出力することができるので、債務者である借入人がノンリコースローンを利用しやすくなるとともに、債権者である融資機関には、リコースローンとの併用によって担保不足に対応することが可能になる。
本発明は、不動産を対象とし、借入から当初数年間に担保不足が生じやすい、住宅ローンに特に好適である。
本発明によって融資条件を出力する方法の概要を示す図である。 本発明にかかる融資条件出力装置によって融資条件に設定されるリコースローンの融資枠とノンリコースローンの融資枠の関係を示す図である。 本発明にかかる融資条件出力装置の構成を示すブロック図である。 本発明にかかる融資条件出力装置の第1の実施形態を示す図である。 本発明にかかる融資条件出力装置の第2の実施形態を示す図である。 本発明にかかる融資条件出力装置の第3の実施形態を示す第1の図である。 本発明にかかる融資条件出力装置の第3の実施形態を示す第2の図である。 本発明にかかる融資条件出力装置によって融資条件を出力する処理フローを示すフローチャートである。 本発明にかかる融資条件出力装置によって融資条件を出力する処理フローにおいて、物件情報からノンリコースローンの融資枠を演算する手順を示すフローチャートである。 本発明にかかる融資条件出力装置によって融資条件を出力する処理フローにおいて、ノンリコースローンの融資枠が融資希望額に足りない場合にリコースローンも含めた融資額を決定する手順を示すフローチャートである。 本発明にかかる融資条件出力装置によって融資条件を出力する処理フローにおいて、適用金利を決定する手順を示すフローチャートである。
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明では、本発明を個人向けの住宅ローンに適用するケースを例示するが、この例は本発明の実施形態の一例を示したものであって、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
図1を用いて、本発明によって融資条件を出力する方法の概要について説明する。本発明では、個人向け住宅ローン等の不動産を担保にした融資において、融資の一部にノンリコースローンの融資枠を設定した融資条件を出力するために、融資条件出力装置として動作するコンピュータに、担保に徴する不動産の所在地や面積等の物件情報、債務者となる借入人の年齢や職業、年収等の属性情報、融資希望額や返済年数などの融資情報を入力する。
これらの情報の入力を受け付けたコンピュータでは、物件情報から担保物件の処分価格を基準にしたノンリコースローンで対応が可能な融資枠を、属性情報から借入人の信用力を基準にしたリコースローンで対応が可能な融資枠を、それぞれ演算する。そして、融資希望額に対して、ノンリコースローンで対応が可能な部分をノンリコースローンの融資額に、融資希望額に対して不足があり、その部分をリコースローンで対応が可能であればリコースローンの融資額に決定し、各々の融資に適用される金利とともに、融資条件として出力する。
ここで、ノンリコースローンの融資枠を1つの区分とするのではなく、回収率に応じて複数の区分に区切ることとしてもよい。図2は、ノンリコースローンの融資枠を2つに区切る際の考え方を示したものである。担保物件の評価においては、一般的な不動産の鑑定評価額に対して、どの程度の回収率が見込めるかを考慮した担保評価率(いわゆる「掛け目」)を乗じて担保価値を評価するが、担保による確実な回収(高い回収率)を見込もうとすると、担保評価率は低く設定することが必要になる。図2では、過去の実績値並みの回収率に対応した担保評価率を乗じて決定される融資枠をミドルリスクのノンリコースローンの融資枠、より回収率を高く見込んだ固めの担保評価率を乗じて決定される融資枠をローリスクのノンリコースローンの融資枠に設定している。
ここで、ローリスク、ミドルリスクのそれぞれについて回収額の期待値を同一となるように融資枠を設定するためには、x軸に金額、y軸に回収率をとった場合に、図2に示したグラフの原点と(融資枠,回収率)を結ぶ四角形部分の面積が同一になるように、ローリスク、ミドルリスクそれぞれに対応する担保評価率を設定すればよい。リコースローンの融資枠についても同様の考え方により、グラフの原点と(融資枠,回収率)を結ぶ四角形部分の面積が同一になるように、借入人の信用力に応じたリコースローンの融資枠が演算されるように演算式を設定すればよい。
図1の例では、ローリスクのノンリコースローン、ミドルリスクのノンリコースローン、リコースローンにそれぞれ異なる金利が適用されているが、回収額の期待値が同じであると、融資枠が大きいほど未回収が生じてしまう可能性が高くなるので、リスクを金利に反映するとすれば、ノンリコースローンよりリスクが高いリコースローンは金利を最も高く設定し、リスクが最も低いローリスクの金利が最も低く設定されることになる。
この例では、リコースローンの融資枠が4,000万円以上で、融資希望額全額に対応することが可能となり、ローリスクのノンリコースローンの融資枠が2,000万円、ミドルリスクのノンリコースローンの融資枠が2,800万円と演算されたたために、適用金利の低いものについて演算された融資枠から順に、前記ノンリコースローン全体の融資額の範囲内における各々の融資額の配分を決定する。
図3のブロック図は、本発明にかかる融資条件出力装置の構成の一例を示している。本発明にかかる融資条件出力装置10には、入力情報受付部11、ノンリコース枠演算部12、リコース枠演算部13、融資条件決定部14、不動産情報データベース15、担保評価率テーブル16、金利テーブル17が備えられている。
融資条件出力装置10には、パーソナルコンピュータ等のコンピュータが用いられ、CPU、メインメモリ、HDDが備えられている。HDDに格納されたアプリケーションプログラムを動作させて所定の機能を実現する場合には、メインメモリにアプリケーションプログラムが読み出されて、CPUによって演算処理が実行される。
入力情報受付部11、ノンリコース枠演算部12、リコース枠演算部13、融資条件決定部14は、いずれも機能的に特定されるものであって、これらの機能に対応するアプリケーションプログラムがHDDからメインメモリに読み出され、CPUで演算処理が実行されることによって、各々の機能が実現される。
不動産情報データベース15、担保評価率テーブル16、金利テーブル17には、それぞれコンピュータのHDDの所定の記憶領域が割り当てられるが、これらの情報の記憶に用いられるコンピュータの物理的な構成は特に限定されるものではなく、入力情報受付部11等が設けられるコンピュータと同一のコンピュータのHDDに割り当てられるものであってもよいし、データベースサーバを他の構成するコンピュータに記憶され、ネットワークを通じて読み出されるものであってもよい。
融資条件出力装置10には、キーボードやマウス等の入力装置20から必要なデータが入力され、プリンタやディスプレイなどの出力装置30に融資条件等が出力される。尚、本発明はネットワーク上で利用されるものであってもよく、その場合は図3の融資条件出力装置10がサーバとなり、入力装置20と出力装置30がクライアント端末側に備えられて、クライアント端末からの入力情報をサーバで処理して融資条件を決定し、クライアント端末側に出力される構成となる。
入力情報受付部11は、入力装置20から入力された担保の対象になる不動産の所在地や面積等の物件情報、債務者となる借入人の年齢や職業、年収等の属性情報、融資希望額や返済年数などの融資情報の入力を受け付けて、このうち物件情報をノンリコース枠演算部12に、属性情報をリコース枠演算部13に引き渡す。融資情報は、リコース枠演算部13での返済年数に応じた融資枠の演算や、融資条件決定部14での融資希望額に対応した融資額を決定する演算等に用いられる。
ノンリコース枠演算部12では、ノンリコースローンの融資枠の演算処理が行われる。入力情報受付部11で受け付けた担保となる不動産の物件情報に、不動産情報データベース15に蓄積された路線価、公示地価、売買事例等の不動産情報を用いた評価のための所定のルールを適用して、担保物件の評価額を演算する。尚、ここで用いられる担保物件の評価方法は特に限定されるものではなく、先行技術において説明した、路線価や公示地価、取引事例等を用いた不動産鑑定評価の手法に準じた担保物件の評価方法等を用いることとすればよい。
担保物件の評価額が演算されると、これを基準にしてノンリコースローンの融資枠の演算処理が行われる。具体的には、担保物件の評価額に、担保評価率テーブル16から読み出した担保評価率(掛け目)を乗じた額が、ノンリコースローンの融資枠となる。
この融資枠については、後に説明するようにローリスク、ミドルリスクなどの複数の区分を設けることとしてもよく、その場合は各々の区分に対応する担保評価率が読み出され、各々の区分の融資枠が演算される。また、区分数の異なるいくつかのパターン毎にテーブルを設け、2区分、3区分など区分数を選択できるよう構成してもよく、その場合は選択されたテーブルに記憶された担保評価率を適用して、各々の区分の融資枠が演算される。
リコース枠演算部13では、リコースローンの融資枠の演算処理が行われる。入力情報受付部11で受け付けた借入人の属性情報に所定のルールを適用して、借入人の信用力に応じたリコースローンの融資枠を演算する。尚、ここで用いられる融資枠の演算方法は特に限定されるものではなく、先行技術において説明した、一般に住宅ローンの審査で採用されている、借入人の年収、年齢などの属性や、返済期間などから融資枠を演算する方法等を用いることとすればよい。借入人が法人である場合についても、設立年数や年商など法人の属性情報を用いることによって、本発明を法人にも適用することができる。
融資条件決定部14では、ノンリコース枠演算部12で演算されたノンリコースローンの融資枠、リコース枠演算部13で演算されたリコースローンの融資枠、金利テーブル17に記憶された各々の融資枠に適用される金利から融資条件を決定し、出力装置30に出力する。
融資条件の決定は、入力情報受付部11が受け付けた融資情報に含まれる融資希望額の範囲において、ノンリコースローンの融資枠を優先的に融資額として決定し、融資希望額に不足があり、かつリコースローンの融資枠が融資希望額以上である場合には、不足額がリコースローンの融資額に決定される。ノンリコースの融資枠に複数の区分が設けられている場合には、各々について演算された融資枠を金利が低くて借入人に有利なものから順に当てはめて、融資額の配分を決定する。
金利テーブル17には、ノンリコースローン、リコースローンにそれぞれ適用される金利が記憶されている。ノンリコースローンに複数の区分が設定されている場合には各々の区分に対応する金利が記憶され、ノンリコースローンの区分数を選択できるように設定されている場合には、各々の区分数での金利の組合せを記憶したテーブルを設けることとすればよい。
以上の構成を前提にして、本発明によって融資条件を出力する具体例について、本発明の第1〜第3の実施形態として、図4〜図7を用いて説明する。
図4に示した第1の実施形態では、ノンリコースローンにローリスクとミドルリスクの2つの区分が設定されている。担保評価率テーブルには、ローリスクとミドルリスクの担保評価率が記憶され、金利テーブルには、ローリスクとミドルリスクのノンリコースローン、リコースローンのそれぞれに適用される金利が記憶されている。
物件情報から担保物件の評価額(4,000万円)が演算されると、担保評価率テーブルからローリスクとミドルリスクの担保評価率(ローリスクが0.5、ミドルリスクが0.7)を読み出して、それぞれを担保物件の評価額に乗じてノンリコースローンの融資枠を演算する(ローリスクが2,000万円、ミドルリスクが2,800万円)。一方、属性情報からリコースローンの融資枠を演算するが(5,000万円)、借入人への与信枠は返済期間にも影響を受けるので、属性情報に加えて融資情報に含まれる返済年数(30年)を反映することとしてもよい。
ここで、各々の融資枠に対応する金利を金利テーブルから読み出すが、金利は融資期間によって異なる(期間が長いほど金利が高い)ことが通常である。よって、金利テーブルには、返済期間に応じて金利を組み合わせたテーブルを設けておくことが好ましく、ここでは返済期間の30年に対応するテーブルから、各々の融資枠に適用する金利を読み出す(ノンリコースのローリスクが2.0%、ノンリコースのミドルリスクが2.5%、リコースが3.0%)。
各々の融資枠について、融資条件として決定される融資額は、次のように演算される。まず、借入人にとって金利が最も有利なローリスクのノンリコースローンの融資枠(2,000万円)は、そのまま融資額として決定される。尚、ここで融資枠が融資情報に含まれる融資希望額を超えた場合には、融資希望額がローリスクのノンリコースローンの融資額になる。次に、ミドルリスクのノンリコースローンの融資枠(2,800万円)から、ローリスクのノンリコースローンの融資額(2,000万円)を減じた額(800万円)が、ミドルリスクのノンリコースローンの融資額として決定される。
さらに、リコースローンの融資枠(5,000万円)は融資希望額(4,000万円)を超過しているので、融資希望額の全額に対応することが可能と判断され、融資希望額からローリスクのノンリコースローンの融資額(2,000万円)とミドルリスクのノンリコースローンの融資額(800万円)を減じた額(1,200万円)が、リコースローンの融資額として決定される。
このようにして決定された各々の融資枠についての融資額と適用金利が、図4に示したように出力される。
図5に示した第2の実施形態では、ノンリコースローンの融資枠の区分数が選択可能なように構成されている。すなわち、担保評価率テーブルには、同じ担保物件の評価額に乗じる一つ(ノンリコースローンの融資枠に区分を設けない場合)又は複数(ローリスク、ミドルリスクなどの区分を設ける場合)の担保評価率の選択可能な組合せが記憶されており、金利テーブルには、ノンリコースローンの各区分と、リコースローンのそれぞれに適用される金利が記憶されている。
図5は、図4の例ではノンリコースローンがローリスク、ミドルリスクの2区分となっていたのに対し、ノンリコースローンを3区分とすることを選択した例となっている。担保物件の評価額(4,000万円)に対し、担保評価率テーブルからローリスク、ミドルリスク、ハイリスクの担保評価率(ローリスクが0.4、ミドルリスクが0.6、ハイリスクが0.8)を読み出して、それぞれを担保物件の評価額に乗じてノンリコースローンの融資枠を演算する(ローリスクが1,600万円、ミドルリスクが2,400万円、ハイリスクが3,200万円)。属性情報から演算するリコースローンの融資枠は、図4の例と同様(5,000万円)である。
金利テーブルからは、ノンリコースローンの3区分とリコースローンの各々の融資枠に適用する金利を読み出す(ノンリコースのローリスクが1.9%、ノンリコースのミドルリスクが2.4%、ノンリコースのハイリスクが2.9%、リコースが3.0%)。
融資額については、図4の例と同様に、借入人にとって金利が有利な順に演算する。ローリスクのノンリコースローンの融資枠(1,600万円)がそのまま融資額として決定され、ミドルリスクのノンリコースローンの融資額(800万円)、ハイリスクのノンリコースローンの融資額(800万円)、リコースローンの融資額(800万円)が、それぞれ決定され、適用金利とあわせて融資条件として出力される。
図6、図7に示した第3の実施形態では、ノンリコースローンの融資枠について複数のパターンが設定され、金利優先、枠優先といった選択が可能なように構成されている。すなわち、担保評価率テーブルには、同じ担保物件の評価額に乗じる選択可能な複数の担保評価率(金利優先を選択した場合の担保評価率と枠優先を選択した場合の担保評価率)が記憶されており、金利テーブルにもそれぞれを選択した場合に適用される金利が記憶されている。
図6は「金利優先」を選択した例で、金利を低く設定するのに対応して担保評価率が比較的低く設定されたテーブルが選択されている。担保物件の評価額(4,000万円)に対し、担保評価率テーブルからローリスク、ミドルリスクの担保評価率(ローリスクが0.3、ミドルリスクが0.5)を読み出して、それぞれを担保物件の評価額に乗じてノンリコースローンの融資枠を演算する(ローリスクが1,200万円、ミドルリスクが2,000万円)。属性情報から演算するリコースローンの融資枠は、図4の例と同様(5,000万円)である。
金利テーブルからは、「金利優先」に対応するテーブルを選択して、ノンリコースローンの2区分とリコースローンの各々の融資枠に適用する金利を読み出す(ノンリコースのローリスクが1.5%、ノンリコースのミドルリスクが2.0%、リコースが3.0%)。
融資額については、図4の例と同様に、借入人にとって金利が有利な順に演算する。ローリスクのノンリコースローンの融資枠(1,200万円)がそのまま融資額として決定され、ミドルリスクのノンリコースローンの融資額(800万円)、リコースローンの融資額(2,000万円)が、それぞれ決定され、適用金利とあわせて融資条件として出力される。このように、「金利優先」を選択すると、図4のケースに比べて平均金利が有利になる(図4のケースでは2.4%、図6のケースでは2.35%)ものの、ノンリコースローンの融資額が抑えられた融資条件が出力される。
図7は「枠優先」を選択した例で、金利を高く設定するのに対応して担保評価率が比較的高く設定されたテーブルが選択されている。担保物件の評価額(4,000万円)に対し、担保評価率テーブルからローリスク、ミドルリスクの担保評価率(ローリスクが0.6、ミドルリスクが0.9)を読み出して、それぞれを担保物件の評価額に乗じてノンリコースローンの融資枠を演算する(ローリスクが2,400万円、ミドルリスクが3,600万円)。属性情報から演算するリコースローンの融資枠は、図4の例と同様(5,000万円)である。
金利テーブルからは、「枠優先」に対応するテーブルを選択して、ノンリコースローンの2区分とリコースローンの各々の融資枠に適用する金利を読み出す(ノンリコースのローリスクが2.3%、ノンリコースのミドルリスクが2.8%、リコースが3.0%)。
融資額については、図4の例と同様に、借入人にとって金利が有利な順に演算する。ローリスクのノンリコースローンの融資枠(2,400万円)がそのまま融資額として決定され、ミドルリスクのノンリコースローンの融資額(1,200万円)、リコースローンの融資額(400万円)が、それぞれ決定され、適用金利とあわせて融資条件として出力される。このように、「枠優先」を選択すると図4のケースに比べて平均金利が不利になる(図4のケースでは2.4%、図6のケースでは2.52%)ものの、ノンリコースローンの融資額を広げた融資条件が出力される。
図8のフローチャートは、本発明にかかる融資条件出力装置によって融資条件を出力する処理フローを示している。図9〜図12のフローチャートは、図8のフローチャートの一部の処理フローを詳細に示したものであるので、これらをあわせて融資条件を出力する処理フローについて説明する。尚、以下の説明では、ノンリコースローンの融資枠に区分は設けられておらず、区分数の選択も行えないものとする。
本発明にかかる融資条件出力装置は、リコースローンの融資枠の一部にノンリコースローンの融資枠を設定した融資条件を出力するのに必要な情報として、担保となる不動産の物件情報、借入人の属性情報、融資希望額と返済年数を含む融資情報の入力を受け付ける(S01)。このうち、担保となる不動産の物件情報から、ノンリコースローンの融資枠を演算する(S02)。
ノンリコースローンの融資枠の演算処理は、図9のフローチャートのように行われる。不動産情報データベースから、担保物件の評価額を演算するために必要な路線価、公示地価、売買事例などの不動産情報を読み出し(S21)、担保評価のための所定の演算式に物件情報と不動産情報を適用して、担保物件の評価額を演算する(S22)。
ここで、金利優先又は枠優先などの優先条件の選択がある場合には(S23)、選択された優先条件等に対応する担保評価率テーブルから担保評価率を読み出す(S24)。選択がない場合は、デフォルトで指定されている担保評価率テーブルから担保評価率を読み出す(S25)。先に演算した担保物件の評価額に担保評価率テーブルから担保評価率を乗じて、各々の区分に対応したノンリコースローンの融資枠を演算する(S26)。
このようにしてノンリコースローンの融資枠が演算されると、所定の演算式に、借入人の属性情報と融資情報に含まれる返済年数を適用して、リコースローンの融資枠を演算する(S03)。このように、ノンリコースローンの融資枠とリコースローンの融資枠が演算されると、ノンリコースローンの融資枠と融資情報に含まれる融資希望額を対比して(S04)、ノンリコースローンの融資枠が融資希望額以上である場合には、ノンリコースローンだけで融資希望額の全額に対応することが可能になり、融資希望額をノンリコースローンの融資額に決定する(S05)。ノンリコースローンの融資枠が融資希望額に足りない場合には、次のように融資額が決定される(S08〜S12)。
ノンリコースローンの融資枠が融資希望額に足りない場合には、リコースローンも含めた融資額を決定する演算処理が、図10のフローチャートのように行われる。まず、ノンリコースローンの融資枠が、そのままノンリコースローンの融資額に決定される(S08)。次に、リコースローンの融資枠と融資情報に含まれる融資希望額を対比して(S09)、リコースローンの融資枠が融資希望額以上である場合には、リコースローンも含めると融資希望額の全額に対応することが可能になり、融資希望額からノンリコースローンの融資額を減じた額をリコースローンの融資額に決定する(S10)。リコースローンの融資枠が融資希望額に足りない場合には、リコースローンの融資枠を全体の融資額に決定する(S11)。さらに、リコースローンの融資枠(全体の融資額)からノンリコースローンの融資額を減じた額をリコースローンの融資額に決定する(S12)。
以上のように、ノンリコースローン、リコースローンのそれぞれの融資額が決定されると、融資情報に含まれる返済年数に対応する金利テーブルから、適用金利を決定する(S06)。
適用金利を決定する演算処理は、図11のフローチャートのように行われる。金利優先又は枠優先などの優先条件の選択がある場合には(S61)、選択された優先条件等に対応する金利テーブルから、融資情報に含まれる返済年数に応じた適用金利を読み出す(S62)。選択がない場合は、デフォルトで指定されている金利テーブルから、融資情報に含まれる返済年数に応じた適用金利を読み出す(S63)。ここで金利テーブルから読み出した適用金利が、ノンリコースローン、リコースローンそれぞれの種別に適用される金利に決定される(S64)。
以上に説明したように、ノンリコースローン、リコースローンそれぞれの融資の種別について融資額と適用金利が決定されると、これらの情報を融資条件として出力して(S07)、処理を終了する。
10 融資条件出力装置
11 入力情報受付部
12 ノンリコース枠演算部
13 リコース枠演算部
14 融資条件決定部
15 不動産情報データベース
16 担保評価率テーブル
17 金利テーブル
20 入力装置
30 出力装置

Claims (12)

  1. 不動産を担保にした融資の融資条件を出力する融資条件出力装置であって、
    不動産の価値評価に用いられる情報を記憶する不動産情報記憶手段と、
    担保となる不動産の評価額に乗じてノンリコースローンの融資枠を決定する担保評価率を記憶する担保評価率記憶手段と、
    融資を受ける借入人の属性に関する情報と、融資の担保に提供する担保物件に関する情報と、融資の希望額に関する情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
    前記入力受付手段が受け付けた担保物件に関する情報に前記不動産情報記憶手段に記憶された情報を適用して前記担保物件の評価額を演算し、前記評価額に前記担保評価率記憶手段から読み出した担保評価率を乗じて、ノンリコースローンの融資枠を演算するノンリコース枠演算手段と、
    前記入力受付手段が受け付けた借入人の属性に関する情報に所定の演算式を適用して、リコースローンの融資枠を演算するリコース枠演算手段と、
    前記ノンリコース枠演算手段が演算した融資枠のうち前記入力受付手段が受け付けた希望額を超過しない額をノンリコースローンの融資額に、前記リコース枠演算手段が演算した融資枠のうち前記希望額を超過しない額から前記ノンリコースローンの融資額を減じた額(マイナスとなる場合はゼロ)をリコースローンの融資額に決定する融資額決定手段と、
    前記融資額決定手段が決定したノンリコースローン及びリコースローンの融資額を含む融資条件に関する情報を、出力装置に出力する融資条件出力手段と、
    を備えることを特徴とする融資条件出力装置。
  2. ノンリコースローン、リコースローンの各々に設定された適用金利を記憶する適用金利記憶手段と、
    ノーリコースローン及びリコースローンへの適用金利を前記適用金利記憶手段から読み出す適用金利決定手段と、
    を備えていて、
    前記融資条件出力手段が、前記適用金利決定手段が読み出したノーリコースローン及びリコースローンへの適用金利を含む融資条件に関する情報を出力すること
    を特徴とする請求項1記載の融資条件出力装置。
  3. 前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に乗じる複数の担保評価率が記憶され、
    前記適用金利記憶手段には、ノンリコースローンの適用金利について、前記複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、
    前記ノンリコース枠演算手段は前記複数の担保評価率の各々に対応するノンリコースローンの融資枠を演算し、
    前記融資額決定手段は、適用金利の最も高い融資枠からノンリコースローン全体の融資額を決定するとともに、前記ノンリコースローン全体の融資額の範囲内において、適用金利の低いものについて演算された融資枠から順に、前記ノンリコースローン全体の融資額の範囲内における各々の融資額の配分を決定すること
    を特徴とする請求項2記載の融資条件出力装置。
  4. 前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に乗じる一又は複数の担保評価率の選択可能な組合せが記憶され、
    前記適用金利記憶手段には、前記選択可能な組合せに含まれる一又は複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、
    前記入力受付手段は、ノンリコース枠の演算に適用する一又は複数の担保評価率の組合せについて借入人の選択の入力を受け付けて、
    前記ノンリコース枠演算手段は、前記入力受付手段の受け付けた選択に対応する一又は複数の担保評価率の各々に対応する融資枠を演算し、
    前記適用金利決定手段は、前記入力受付手段の受け付けた選択に対応する一又は複数の担保評価率について設定された適用金利を読み出すこと
    を特徴とする請求項2又は3記載の融資条件出力装置。
  5. 前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に対して選択可能な複数の担保評価率が記憶され、
    前記適用金利記憶手段には、前記選択可能な複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、
    前記入力受付手段は、ノンリコース枠の設定基準に関する借入人の選択の入力を受け付け、
    前記ノンリコース枠演算手段は、前記入力受付手段の受け付けた選択に対応する担保評価率を適用してノンリコースローンの融資枠を演算し、
    前記適用金利決定手段は、前記入力受付手段の受け付けた選択に対応する担保評価率について設定された適用金利を読み出すこと
    を特徴とする請求項2乃至4いずれかに記載の融資条件出力装置。
  6. 不動産を担保にした融資の融資条件を出力する融資条件出力プログラムであって、
    不動産の価値評価に用いられる情報を記憶する不動産情報記憶手段と、
    担保となる不動産の評価額に乗じてノンリコースローンの融資枠を決定する担保評価率を記憶する担保評価率記憶手段と、
    を備えたコンピュータに、
    融資を受ける借入人の属性に関する情報と、融資の担保に提供する担保物件に関する情報と、融資の希望額に関する情報の入力を受け付ける入力受付ステップと、
    前記入力受付ステップで受け付けた担保物件に関する情報に前記不動産情報記憶手段に記憶された情報を適用して前記担保物件の評価額を演算し、前記評価額に前記担保評価率記憶手段から読み出した担保評価率を乗じて、ノンリコースローンの融資枠を演算するノンリコース枠演算ステップと、
    前記入力受付ステップで受け付けた借入人の属性に関する情報に所定の演算式を適用して、リコースローンの融資枠を演算するリコース枠演算ステップと、
    前記ノンリコース枠演算ステップで演算した融資枠のうち前記入力受付ステップで受け付けた希望額を超過しない額をノンリコースローンの融資額に、前記リコース枠演算ステップで演算した融資枠のうち前記希望額を超過しない額から前記ノンリコースローンの融資額を減じた額(マイナスとなる場合はゼロ)をリコースローンの融資額に決定する融資額決定ステップと、
    前記融資額決定ステップで決定したノンリコースローン及びリコースローンの融資額を含む融資条件に関する情報を、出力装置に出力する融資条件出力ステップと、
    を実行させることを特徴とする融資条件出力プログラム。
  7. 前記コンピュータには、ノンリコースローン、リコースローンの各々に設定された適用金利を記憶する適用金利記憶手段が備えられていて、前記コンピュータに、
    ノーリコースローン及びリコースローンへの適用金利を前記適用金利記憶手段から読み出す適用金利決定ステップを実行させ、
    前記融資条件出力ステップでは、前記適用金利決定ステップで読み出したノーリコースローン及びリコースローンへの適用金利を含む融資条件に関する情報を、出力装置に出力させること
    を特徴とする請求項6記載の融資条件出力プログラム。
  8. 前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に乗じる複数の担保評価率が記憶され、
    前記適用金利記憶手段には、ノンリコースローンの適用金利について、前記複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、
    前記ノンリコース枠演算ステップでは、前記複数の担保評価率の各々に対応するノンリコースローンの融資枠を演算し、
    前記融資額決定ステップでは、適用金利の最も高い融資枠からノンリコースローン全体の融資額を決定するとともに、前記ノンリコースローン全体の融資額の範囲内において、適用金利の低いものについて演算された融資枠から順に、前記ノンリコースローン全体の融資額の範囲内における各々の融資額の配分を決定すること
    を特徴とする請求項7記載の融資条件出力プログラム。
  9. 前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に乗じる一又は複数の担保評価率の選択可能な組合せが記憶され、
    前記適用金利記憶手段には、前記選択可能な組合せに含まれる一又は複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、
    前記入力受付ステップでは、ノンリコース枠の演算に適用する一又は複数の担保評価率の組合せについて借入人の選択の入力を受け付けて、
    前記ノンリコース枠演算ステップでは、前記入力受付ステップで受け付けた選択に対応する一又は複数の担保評価率の各々に対応する融資枠を演算し、
    前記適用金利決定ステップでは、前記入力受け付けステップで受け付けた選択に対応する一又は複数の担保評価率について設定された適用金利を読み出すこと
    を特徴とする請求項7又は8記載の融資条件出力プログラム。
  10. 前記担保評価率記憶手段には、一の評価額に対して選択可能な複数の担保評価率が記憶され、
    前記適用金利記憶手段には、前記選択可能な複数の担保評価率の各々について設定された適用金利が記憶されていて、
    前記入力受付ステップでは、ノンリコース枠の設定基準に関する借入人の選択の入力を受け付け、
    前記ノンリコース枠演算ステップでは、前記入力受付ステップで受け付けた選択に対応する担保評価率を適用してノンリコースローンの融資枠を演算し、
    前記適用金利決定ステップでは、前記入力受付ステップで受け付けた選択に対応する担保評価率について設定された適用金利を読み出すこと
    を特徴とする請求項7乃至9いずれかに記載の融資条件出力プログラム。
  11. 不動産を担保にした融資の融資条件を出力する融資条件出力方法であって、
    不動産の価値評価に用いられる情報を記憶する不動産情報記憶手段と、
    担保となる不動産の評価額に乗じてノンリコースローンの融資枠を決定する担保評価率を記憶する担保評価率記憶手段と、を備えたコンピュータが、
    融資を受ける借入人の属性に関する情報と、融資の担保に提供する担保物件に関する情報と、融資の希望額に関する情報の入力を受け付ける入力受付ステップと、
    前記コンピュータが、前記入力受付ステップで受け付けた担保物件に関する情報に前記不動産情報記憶手段に記憶された情報を適用して前記担保物件の評価額を演算し、前記評価額に前記担保評価率記憶手段から読み出した担保評価率を乗じて、ノンリコースローンの融資枠を演算するノンリコース枠演算ステップと、
    前記コンピュータが、前記入力受付ステップで受け付けた借入人の属性に関する情報に所定の演算式を適用して、リコースローンの融資枠を演算するリコース枠演算ステップと、
    前記コンピュータが、前記ノンリコース枠演算ステップで演算した融資枠のうち前記入力受付ステップで受け付けた希望額を超過しない額をノンリコースローンの融資額に、前記リコース枠演算ステップで演算した融資枠のうち前記希望額を超過しない額から前記ノンリコースローンの融資額を減じた額(マイナスとなる場合はゼロ)をリコースローンの融資額に決定する融資額決定ステップと、
    前記コンピュータが、前記融資額決定ステップで決定したノンリコースローン及びリコースローンの融資額を含む融資条件に関する情報を、出力装置に出力する融資条件出力ステップと、
    を有することを特徴とする融資条件出力方法。
  12. 前記コンピュータには、ノンリコースローン、リコースローンの各々に設定された適用金利を記憶する適用金利記憶手段が備えられ、
    前記コンピュータが、ノーリコースローン及びリコースローンへの適用金利を前記適用金利記憶手段から読み出す適用金利決定ステップを有していて、
    前記融資条件出力ステップにおいて、前記コンピュータが、前記適用金利決定ステップで読み出したノーリコースローン及びリコースローンへの適用金利を含む融資条件に関する情報を出力すること
    を特徴とする請求項11記載の融資条件出力方法。
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