JP2010273752A - 入眠判定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、被験者の入眠状態を精度良く判定することができる入眠判定システムの提供を目的とする。
【解決手段】被験者の心拍数に基づいて、8拍の移動平均であるCVRR8平均心拍数を算出するとともに、1拍毎の心拍数の変化である瞬時のリアルタイム心拍数を算出する。そして、前記CVRR8平均心拍数と前記リアルタイム心拍数を比較して、前記CVRR8平均心拍数に対して前記リアルタイム心拍数がマイナス側に有意差が生じた場合、被験者が入眠状態であると判定する。
【選択図】図1
【解決手段】被験者の心拍数に基づいて、8拍の移動平均であるCVRR8平均心拍数を算出するとともに、1拍毎の心拍数の変化である瞬時のリアルタイム心拍数を算出する。そして、前記CVRR8平均心拍数と前記リアルタイム心拍数を比較して、前記CVRR8平均心拍数に対して前記リアルタイム心拍数がマイナス側に有意差が生じた場合、被験者が入眠状態であると判定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両の運転手や作業者等の被験者の心拍数を測定することにより入眠状態を判定する入眠判定システムに関する。
従来より、日常生活において、活動時間帯に入眠状態に陥ってしまうことによる弊害は少なくない。軽度な弊害の例としては、教育施設における授業時間帯のいわゆる居眠りなどのほか、重度な弊害としては自動車運転中の居眠りによって発生する交通事故や、危険な作業中の居眠りなど、その例は枚挙にいとまがない。
これまでにも、精密機器で脳波等を測定して入眠状態を判定する技術は確立されているが、精密機器が大型であったり、高価であったりすることから、日常生活の中での使用が事実上不可能であった。
また、安価かつ簡便な方法として頭部に加速度計により頭位の変化を検出する方法も提案されているが、これは入眠を通り越して確実に睡眠状態に入ったときに判定し得るものであり、睡眠の初期である入眠状態の判定には不十分であった。
そこで、さらに安価かつ簡便な方法として、心拍数を一つの指標として入眠状態を判定する技術について各種に試みがなされている(特許文献1〜8参照)。
しかしながら、従来の技術における入眠状態を判定するためのアルゴリズムでは、被験者の入眠状態を精度良く判定することができないという問題があった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、被験者の入眠状態を精度良く判定することができる入眠判定システムの提供を目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、被験者の入眠を判定する入眠判定システムであって、被験者の心拍数を測定する心拍数測定手段と、該心拍数測定手段により測定された心拍数に基づいて、8拍の移動平均であるCVRR8平均心拍数を算出するとともに、1拍毎の心拍数の変化である瞬時のリアルタイム心拍数を算出し、前記CVRR8平均心拍数と前記リアルタイム心拍数を比較して、前記CVRR8平均心拍数に対して前記リアルタイム心拍数がマイナス側に有意差が生じた場合、被験者が入眠状態であると判定する演算手段とを備えることを特徴とする。これによればCVRR8平均心拍数とリアルタイム心拍数を比較して、CVRR8平均心拍数に対してリアルタイム心拍数がマイナス側に有意差が生じた場合、被験者が入眠状態であると判定するため、被験者の入眠状態を精度良く判定することができる。
また、前記演算手段により被験者が入眠状態であると判定したときに、視覚的または聴覚的に警告を出力する警告出力手段が設けられてもよい。これによれば被験者や管理者などに対して被験者の入眠状態を視覚的または聴覚的に知らせることができる。
また、前記心拍数測定手段により測定された心拍数のデータを無線により受信する受信手段が設けられ、前記演算手段は該受信手段により受信された心拍数のデータを使用してもよい。これによれば心拍数測定手段を被験者に取り付けるとともに、受信手段や演算手段は車内等の別の場所に設置することができ、被験者の作業に必要な体動を妨げることなく、作業中の安全性を高めることが可能となる。
また、前記演算手段により被験者が入眠状態であると判定したときに、被験者の入眠状態に関するデータをセンターサーバに送信してもよい。これによれば遠隔の管理者などが被験者が入眠状態であることを把握することができる。
また、本発明に係る車両は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の入眠判定システムが適用されたことを特徴とする。これによれば車両の運転手の入眠状態を精度良く判定することができ、車両の安全な運転に資することが可能となる。
本発明によれば、限られた心拍数データにより被験者の入眠状態を精度良く判定することができ、またシステムを安価に構成することができる。このため入眠状態が危険とされる作業環境、例えば自動車の運転などの状況下において簡単に使用することができ、安全運転や緊急時の避難に資することが可能となる。
次に本発明の一実施形態に係る入眠判定システム(以下、本システムという)について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、本システムを車両Aに適用した場合について説明する。
図1は、本システムのハードウェア構成を示す概略図である。
本システムは、運転手に取り付けられる高性能小型の心拍計1と、車内に搭載される車載器2とを備えてなる。
前記心拍計1は、車両Aの運転手(被験者)の心拍数をR波とR波の間隔で測定するものである。特に本実施形態で用いられる心拍計1は、医療機関において広く普及している体表に電極を付けて心筋活動電位を取得する方法論を用いて測定する。その際に使用する心拍計1に小型化および無線化し、使用の際の運転手の運動を制限しないようになっている。
また、心拍の変化だけを追うのではなく、心拍変動解析を短時間のデータをもとに信頼性を持って行うには、心拍間隔(R−R間隔)は1/1000sec以上の精度である必要があり、既に心拍変動解析の分野ではコンセンサスが得られている条件である。しかしながら、従来医療機関に於いて使用されてきた携帯型の心筋活動電位取得装置(ホルター心電計)は、規格上1/256sec以上の精度で心筋活動電位を取得するようになっていない。心拍変動解析においてHFは副交感神経活動、LH/HFは交換神経活動についての指標であるが同一サンプルを1/128sec、1/256sec、1/1024secそれぞれの精度で解析し、HFとLH/HFのデータを比較した場合に1/128、1/256と1/1024では有意差が認められる。覚醒時から睡眠時に移行するいわゆる入眠状態を検出するには高性能な心拍計1が必要であり、本実施形態の心拍計1は1/1024seの条件をクリアしたものである。
前記車載器2は、受信機21、演算機22、モニタ23およびスピーカ24を備えてなる。
前記受信機21は、前記心拍計1により測定された心拍数のデータを受信する。前記心拍計1と前記受信機21との間における心拍数のデータ送受信については、省電力の微弱無線が使用される。このため本発明を入眠状態といった、判断能力が低下した状態が危険な状況を生み出しうるような環境下である運転中に於いて使用することによって、運転に必要な体動を妨げることなく、運転中の安全性を高めることが可能となる。
前記演算機22は、該心拍数に基づいて所定のCVRR8平均心拍数およびリアルタイム心拍数を演算して算出する。このCVRR8平均心拍数は、前記心拍数に基づいて算出された8拍の移動平均である。また、リアルタイム心拍数は、前記心拍数に基づいて算出された1拍毎の心拍数の変化である。
また、前記演算機22は、所定のアルゴリズムによって運転手の入眠状態を判定する。このアルゴリズムは、図2に示すように、前記CVRR8平均心拍数(図3の実線)と前記リアルタイム心拍数(図3の点線)を比較して、CVRR8平均心拍数に対してリアルタイム心拍数がマイナス側に有意差が生じた場合、被験者が入眠状態であると判定する。
具体的に説明すると、覚醒時と睡眠時では心拍数に差があり、睡眠時のほうが覚醒時に比べて心拍数が低い。覚醒時から睡眠時に移行する時期、いわゆる入眠時には心拍数が低下してくると考えられる。したがって心拍数の低下を検知することによって入眠状態を判定することができる。一般的に心拍数は1分間の拍動回数で表示され、測定は拍動回数を1分間カウントするのが原則である。また、心電計等で測定される場合R波とR波の間隔で心拍数が算出される。安静時に比べて活動時は心拍数の変化が大きいため数拍測定し心拍数が算出される。一般的に運動時などに測定される心拍数は8拍の移動平均(CVRR8)によって心拍数が計算され、それをもってCVRR8平均心拍数とされる。「居眠り」は瞬間的な睡眠であり覚醒状態から睡眠状態に移行する時間が極めて短時間であると推測でき、それに伴い心拍数の変化も急激であると考えられる。瞬間的に心拍数の低下をとらえるためには、1拍毎に心拍数の変化をとらえる、いわゆるリアルタイム心拍数を算出する必要がある。しかしリアルタイム心拍数の変化だけでは急激な心拍の変化が判定しにくい。そこでCVRR8を移動平均の基準推移とした場合、基準推移よりリアルタイム心拍数が低下した場合には瞬間的な睡眠である入眠状態と判定することができる。従ってCVRR8平均心拍数とリアルタイム心拍数の差によって心拍の低下が判断でき、入眠を検知できるものと考えられる。
また、前記車載器2にはモニタ23やスピーカ24が一体的に付属されている。このモニタ23は、前記演算機22により入眠状態であると判定したときに警告を表示するものである。また、スピーカ24は、前記演算機22により入眠状態であると判定したときに警告を音声出力するものである。これにより運転手などに対して入眠状態であることを視覚的または聴覚的に知らせることができる。
また、上述のように心拍計1と車載器2が独立に設けられている。これによって、データ取得装置としての心拍計1と、心拍の変化を解析するアルゴリズム及び警告システムを備えた車載器2を別々に用意できるようになり、例えば自動車運転中に使用する際にも自動車の種類を問わず、直ちに設置が可能となる。自動車設置に限らず、広い範囲の状況下に於いて使用が可能である。
また、前記車載器2は、携帯電話網等のネットワークを介してセンターサーバ3に接続され、前記演算機22により入眠状態であると判定したときに入眠状態に関するデータをセンターサーバ3に送信するようになっている。そして、前記センターサーバ3はインターネットなどのネットワークを介して管理者PC・携帯端末4に接続され、管理者等の閲覧に供するようになっている。
このようにネットワーク通信技術を応用することによって、装置を装着している運転手の身体に重大な変化が起こった場合にそれを遠隔地から直ちに察知することも可能となり、万が一の事態が発生した場合の対応を従来より迅速に行うことが可能となる。特に、運転手のみに重大な状況が起こったことを迅速に外部から察知することが可能であるため、万が一の事態に対するより迅速な対応を可能とする。
次に本システムのフローを図3を参照しつつ説明する。
まず、前記心拍計1は、車両Aの運転手(被験者)の心拍数を測定する。このときの心拍数の測定は運転手のR波を検出し、そのR波とR波の間の時間を測定することにより行われる(S1)。
次に、車載器2において、前記受信機21は前記心拍計1により測定された心拍数を受信し、前記演算機22は所定のアルゴリズムによって運転手の入眠状態を判定する(S2)。すなわち、演算機22は、8拍の移動平均であるCVRR8平均心拍数を算出するとともに、1拍毎の心拍数の変化である瞬時のリアルタイム心拍数を算出する。そして、前記CVRR8平均心拍数と前記リアルタイム心拍数を比較して、CVRR8平均心拍数に対してリアルタイム心拍数がマイナス側に有意差が生じた場合、被験者が入眠状態であると判定する。
次に、前記演算機22が入眠状態であると判定した場合、前記モニタ23は警告を表示するとともに、スピーカ24は警告を音声出力し、運転手に知らせることができる(S3)。
また、それと同時に、前記車載器2は入眠状態に関するデータをセンターサーバ3に送信し、該センターサーバ3において受信すると(S4)、管理者のPC端末・携帯端末4に通知することができる(S5)。
1・・・心拍計
2・・・車載器
21・・・受信機
22・・・演算機
23・・・モニタ
24・・・スピーカ
3・・・センターサーバ
4・・・管理者PC・携帯端末
2・・・車載器
21・・・受信機
22・・・演算機
23・・・モニタ
24・・・スピーカ
3・・・センターサーバ
4・・・管理者PC・携帯端末
Claims (5)
- 被験者の入眠を判定する入眠判定システムであって、
被験者の心拍数を測定する心拍数測定手段と、
該心拍数測定手段により測定された心拍数に基づいて、8拍の移動平均であるCVRR8平均心拍数を算出するとともに、1拍毎の心拍数の変化である瞬時のリアルタイム心拍数を算出し、前記CVRR8平均心拍数と前記リアルタイム心拍数を比較して、前記CVRR8平均心拍数に対して前記リアルタイム心拍数がマイナス側に有意差が生じた場合、被験者が入眠状態であると判定する演算手段とを備えることを特徴とする入眠判定システム。 - 前記演算手段により被験者が入眠状態であると判定したときに、視覚的または聴覚的に警告を出力する警告出力手段が設けられている請求項1に記載の入眠判定システム。
- 前記心拍数測定手段により測定された心拍数のデータを無線により受信する受信手段が設けられ、前記演算手段は該受信手段により受信された心拍数のデータを使用する請求項1または請求項2に記載の入眠判定システム。
- 前記演算手段により被験者が入眠状態であると判定したときに、被験者の入眠状態に関するデータをセンターサーバに送信する請求項1から請求項3のいずれかに記載の入眠判定システム。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の入眠判定システムが適用されたことを特徴とする入眠判定システム付き車両。
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JP2009127309A JP2010273752A (ja) | 2009-05-27 | 2009-05-27 | 入眠判定システム |
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