JP2010273495A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】Bat用コンバータでの駆動損失を軽減させる。
【解決手段】燃料電池2と、燃料電池2の発電電力を充電可能なバッテリ4と、燃料電池およびバッテリ4からの電力を消費するトラクションモータ7と、燃料電池2とトラクションモータ7との間に配置され、燃料電池2からの出力電圧を昇圧してトラクションモータ7側に出力するFC用コンバータ3と、バッテリ4とトラクションモータ7との間に配置され、バッテリ4からの出力電圧を昇圧してトラクションモータ7側に出力するBat用コンバータ5とを備える燃料電池システム1であって、バッテリ電圧を燃料電池2の開回路電圧およびトラクションモータ7からの要求電圧のいずれの電圧よりも高く設定する。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池2と、燃料電池2の発電電力を充電可能なバッテリ4と、燃料電池およびバッテリ4からの電力を消費するトラクションモータ7と、燃料電池2とトラクションモータ7との間に配置され、燃料電池2からの出力電圧を昇圧してトラクションモータ7側に出力するFC用コンバータ3と、バッテリ4とトラクションモータ7との間に配置され、バッテリ4からの出力電圧を昇圧してトラクションモータ7側に出力するBat用コンバータ5とを備える燃料電池システム1であって、バッテリ電圧を燃料電池2の開回路電圧およびトラクションモータ7からの要求電圧のいずれの電圧よりも高く設定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。
動力源として燃料電池とバッテリを搭載する燃料電池システムでは、運転状態に応じて燃料電池とバッテリからの出力を制御することで運転効率の向上を図っている。下記特許文献1には、燃料電池用の電圧変換部であるFC用コンバータとバッテリ用の電圧変換部であるBat用コンバータとを備えた燃料電池システムが開示されている。この燃料電池システムでは、電力消費装置であるモータに安定して電力を供給するために、二つのコンバータを協調して動作させている。
ところで、バッテリの電圧が燃料電池の電圧やモータの要求電圧よりも低い場合には、バッテリ電圧をBat用コンバータで昇圧させることとなる。しかしながら、Bat用コンバータで昇圧動作を行うと、Bat用コンバータで駆動損失が発生するため、燃費が低下する要因となる。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、電圧変換部での駆動損失を軽減させることができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガスおよび酸化ガスの供給を受けて当該燃料ガスおよび酸化ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池の発電電力を充電可能な畜電部と、前記燃料電池および前記畜電部からの電力を消費する電力消費装置と、前記燃料電池と前記電力消費装置との間に配置され、前記燃料電池からの出力電圧を昇圧して前記電力消費装置に出力する第一の電圧変換部と、前記畜電部と前記電力消費装置との間に配置され、前記畜電部からの出力電圧を昇圧して前記電力消費装置に出力する第二の電圧変換部と、を備え、前記畜電部の電圧が、前記燃料電池の出力電圧および前記電力消費装置からの要求電圧のいずれの電圧よりも高いことを特徴とする。
この発明によれば、畜電部からの出力電圧を昇圧する第二の電圧変換部における昇圧動作を極力停止させることができるため、第二の電圧変換部における駆動損失を軽減させることが可能となる。
上記燃料電池システムにおいて、上記畜電部の電圧が、前記燃料電池の開回路電圧および前記電力消費装置からの要求電圧のいずれの電圧よりも高いこととしてもよい。
このようにすることで、第二の電圧変換部における昇圧動作をさらに停止させることができる。
上記燃料電池システムにおいて、上記燃料電池に対する要求発電量が所定の閾値以下である場合に、前記畜電部の電圧が、前記燃料電池の出力電圧および前記電力消費装置からの要求電圧のいずれの電圧よりも高いこととしてもよい。上記閾値として、出力の急激な上昇要求を伴う運転状態のときに前記燃料電池に対して発令される要求発電量を設定することができる。
このようにすることで、蓄電部の必要電圧を低下させることができるため、蓄電部を小さくすることができるとともに、電力消費装置での損失を低減させてシステム全体の効率を向上させることが可能となる。
本発明によれば、電圧変換部での駆動損失を軽減させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る燃料電池システムの好適な実施形態について説明する。実施形態では、本発明に係る燃料電池システムを燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムとして用いた場合について説明する。なお、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池車両以外の各種移動体(ロボット、船舶、航空機等)にも適用することができ、さらに、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムにも適用することができる。
まず、図1を参照して、実施形態における燃料電池システムの構成について説明する。図1は、本実施形態における燃料電池システムを模式的に示した構成図である。
同図に示すように、燃料電池システム1は、反応ガスである酸化ガスと燃料ガスの電気化学反応により電力を発生する燃料電池2、燃料電池用のDC/DCコンバータ3(第一の電圧変換部、以下「FC用コンバータ」という。)、二次電池としてのバッテリ4(蓄電部)、バッテリ用のDC/DCコンバータ5(第二の電圧変換部、以下「Bat用コンバータ」という。)、負荷としてのトラクションインバータ6およびトラクションモータ7(電力消費装置)、システム全体を統括制御する制御部8とを有する。燃料電池2およびFC用コンバータ3の組と、バッテリ4およびBat用コンバータ5の組は、トラクションインバータ6およびトラクションモータ7に対して並列に接続されている。
燃料電池2は、例えば、高分子電解質型燃料電池であり、多数の単セルを積層したスタック構造となっている。単セルは、イオン交換膜からなる電解質の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極および燃料極を両側から挟み込むように一対のセパレータを有する構造となっている。この場合、一方のセパレータの水素ガス通路に水素ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス通路に酸化ガスが供給され、これらの反応ガスが化学反応することで電力が発生する。
FC用コンバータ3は、直流の電圧変換器であり、燃料電池2から出力された直流電圧を昇圧して電力消費装置側であるトラクションインバータ6に出力する機能を有する。このFC用コンバータ3によって燃料電池2の出力電圧が制御される。FC用コンバータ3の入力側には、燃料電池2の出力側の電圧を検出する電圧センサV1が設けられ、FC用コンバータ3の出力側には、トラクションインバータ6の入力側の電圧を検出する電圧センサV2が設けられている。
バッテリ4は、バッテリセルが積層されて一定の高電圧を端子電圧とし、図示しないバッテリコンピュータの制御によって燃料電池2の余剰電力を充電したり補助的に電力を供給したりすることが可能になっている。バッテリ4とBat用コンバータ5との間には、バッテリ4の電圧を検出する電圧センサV3が設けられている。
Bat用コンバータ5は、直流の電圧変換器であり、バッテリ4から出力される直流電圧(以下、「バッテリ電圧」という。)を昇圧して電力消費装置側であるトラクションインバータ6に出力する機能と、燃料電池2またはトラクションモータ7側から出力される直流電圧を降圧してバッテリ4に出力する機能と、を有する。このようなBat用コンバータ5の機能により、バッテリ4の充放電が実現される。
トラクションインバータ6は、直流電流を三相交流に変換し、トラクションモータ7に供給する。トラクションモータ7は、例えば三相交流モータであり、燃料電池システム1が搭載される燃料電池車両の主動力源を構成する。
制御部8は、燃料電池車両に設けられた加速操作部材(例えば、アクセル)の操作量を検出し、加速要求値(例えば、トラクションモータ7等の電力消費装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、電力消費装置には、トラクションモータ7の他に、例えば、燃料電池2を作動させるために必要な補機装置、車両の走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等が含まれる。
制御部8は、物理的には、例えば、CPUと、メモリと、入出力インターフェースとを有する。メモリは、CPUで処理される制御プログラムや制御データを記憶するROMと、主として制御処理のための各種作業領域として使用されるRAMとを有する。これらの要素は、互いにバスを介して接続されている。入出力インターフェースには、電圧センサやアクセルセンサ等の各種センサが接続されているとともに、トラクションモータ7等を駆動させるための各種ドライバが接続されている。
CPUは、ROMに記憶された制御プログラムに従って、入出力インターフェースを介して電圧センサ等の各種センサでの検出結果を受信し、RAM内の各種データ等を用いて処理することで、燃料電池システム1における各種制御処理を実行する。また、CPUは、入出力インターフェースを介して各種ドライバに制御信号を出力することにより、燃料電池システム1全体を制御する。
本実施形態における燃料電池システム1は、バッテリ電圧が燃料電池2の開回路電圧(Open Circuit Voltage;OCV)よりも高く、かつ、バッテリ電圧がトラクションモータ7からの要求電圧よりも高くなるように設定されている。これは、バッテリ電圧を開回路電圧や要求電圧よりも高い状態で維持させることで、Bat用コンバータ5が昇圧動作を行う機会をできる限り減らすことができることに着目したものである。
図2を参照して、具体的に説明する。図2に示す横軸は燃料電池システムの出力を示し、縦軸は電圧を示す。図2に示すVbはバッテリ電圧を示し、Voは燃料電池の開回路電圧を示し、Vmはトラクションモータの要求電圧を示し、Vfは燃料電池の出力電圧を示す。図2に示すように、バッテリ電圧Vbは、燃料電池システム1の全ての出力領域において、燃料電池2の開回路電圧Voおよびトラクションモータ7の要求電圧のいずれの電圧よりも高くなっている。このようなバッテリ4の出力特性は、バッテリ4が強制充電不要状態であるときに発揮されるように設定することが望ましい。
これにより、Bat用コンバータ5の昇圧動作を極力停止させることができるため、Bat用コンバータ5による駆動損失を軽減させることができる。それゆえに、システム効率を向上させ、燃費を向上させることが可能となる。
なお、上述した実施形態では、上記電圧の出力特性を、燃料電池システム1の全ての出力領域において発揮されるように設定しているが、これに限定されない。
例えば、燃料電池システム1の通常運転領域において、バッテリ電圧を燃料電池の出力電圧よりも高く、かつ、バッテリ電圧をトラクションモータ7からの要求電圧よりも高く設定することとしてもよい。通常運転領域とは、出力の急激な上昇要求を伴わない運転状態であるときの燃料電池システム1の運転領域をいう。具体的には、燃料電池2に対する要求発電量が所定の閾値以下である場合に、通常運転領域とすることができる。この場合の閾値としては、出力の急激な上昇要求を伴う高負荷運転状態のときに燃料電池2に対して発令される要求発電量の下限値を設定することができる。出力の急激な上昇要求を伴う高負荷運転状態としては、例えば、WOT(Wide Open Throttle:スロットルバルブ全開)時の運転や、追い越し時の運転、坂道発進時の運転等が該当する。
図3を参照して、本変形例におけるバッテリ電圧の出力特性について具体的に説明する。図3に示す横軸は燃料電池システムの出力を示し、縦軸は電圧を示す。図3に示すVbはバッテリ電圧を示し、Vfは燃料電池の出力電圧を示し、Vmはトラクションモータの要求電圧を示し、Voは燃料電池の開回路電圧を示す。図3に示すPtは、通常運転領域を判定する際の上記閾値である。図3に示すように、バッテリ電圧Vbは、燃料電池システム1の通常運転領域(燃料電池システム1の出力が0から閾値Ptまでの間)において、燃料電池2の出力電圧Vfおよびトラクションモータ7の要求電圧のいずれの電圧よりも高くなっている。
これにより、走行時に占める割合が大きい通常運転領域において、Bat用コンバータ5の昇圧動作を停止させることができるため、上述した実施形態における燃料電池システム1と同様に、Bat用コンバータ5による駆動損失を軽減させることができる。
一方、一時的に発生することが多い高負荷運転状態のときには、Bat用コンバータ5の昇圧動作を作動させてバッテリ電圧を昇圧させることができるため、バッテリ4の必要電圧を、上記実施形態におけるバッテリ4の必要電圧よりも低く抑えることができる。これにより、燃料電池システム1の全ての出力領域においてバッテリ電圧を高く維持させる上記実施形態における燃料電池システム1に比べて、バッテリ4を小さくすることができる。
また、バッテリ4の必要電圧を低く抑えることでトラクションインバータ6やトラクションモータ7における損失を低減させることができるため、上記実施形態における燃料電池システム1に比べて、燃料電池システム1全体の効率を向上させることが可能となる。
1…燃料電池システム、2…燃料電池、3…FC用コンバータ、4…バッテリ、5…Bat用コンバータ、6…トラクションインバータ、7…トラクションモータ、8…制御部、V1,V2,V3…電圧センサ。
Claims (4)
- 燃料ガスおよび酸化ガスの供給を受けて当該燃料ガスおよび酸化ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、
前記燃料電池の発電電力を充電可能な畜電部と、
前記燃料電池および前記畜電部からの電力を消費する電力消費装置と、
前記燃料電池と前記電力消費装置との間に配置され、前記燃料電池からの出力電圧を昇圧して前記電力消費装置に出力する第一の電圧変換部と、
前記畜電部と前記電力消費装置との間に配置され、前記畜電部からの出力電圧を昇圧して前記電力消費装置に出力する第二の電圧変換部と、を備え、
前記畜電部の電圧が、前記燃料電池の出力電圧および前記電力消費装置からの要求電圧のいずれの電圧よりも高いことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記畜電部の電圧が、前記燃料電池の開回路電圧および前記電力消費装置からの要求電圧のいずれの電圧よりも高いことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池に対する要求発電量が所定の閾値以下である場合に、前記畜電部の電圧が、前記燃料電池の出力電圧および前記電力消費装置からの要求電圧のいずれの電圧よりも高いことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 前記閾値は、出力の急激な上昇要求を伴う運転状態のときに前記燃料電池に対して発令される要求発電量であることを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2009124907A JP2010273495A (ja) | 2009-05-25 | 2009-05-25 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009124907A JP2010273495A (ja) | 2009-05-25 | 2009-05-25 | 燃料電池システム |
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JP2010273495A true JP2010273495A (ja) | 2010-12-02 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017051042A (ja) * | 2015-09-04 | 2017-03-09 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池システムの制御方法及び燃料電池自動車 |
-
2009
- 2009-05-25 JP JP2009124907A patent/JP2010273495A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017051042A (ja) * | 2015-09-04 | 2017-03-09 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池システムの制御方法及び燃料電池自動車 |
US10305410B2 (en) | 2015-09-04 | 2019-05-28 | Honda Motor Co., Ltd. | Fuel cell system control method and fuel cell vehicle |
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