JP2010268901A - 自立型傘立て - Google Patents
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Abstract
【課題】傘を安定的に自立させることができながら、小型軽量であり、しかも耐衝撃性と生産性に優れる、常用装着されて好適な自立型の傘立てを提供する
【解決手段】傘立て3は、開口12を有する頂点片13と、頂点片13から等間隔を置いて放射状に下向きに拡開形成されて下端部が床面に当接する3個以上の花弁状片14とを具備する支持部10と、頂点片13の内面から下向きに突設されて、開口12に連通する石突き2用の装着穴15を備える筒状の装着部11とからなる。花弁状片14が部分球殻状に湾曲形成されており、支持部10と装着部11とは、合成樹脂材により一体成形されている。
【選択図】図1
【解決手段】傘立て3は、開口12を有する頂点片13と、頂点片13から等間隔を置いて放射状に下向きに拡開形成されて下端部が床面に当接する3個以上の花弁状片14とを具備する支持部10と、頂点片13の内面から下向きに突設されて、開口12に連通する石突き2用の装着穴15を備える筒状の装着部11とからなる。花弁状片14が部分球殻状に湾曲形成されており、支持部10と装着部11とは、合成樹脂材により一体成形されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、傘の石突きに装着されて、床面上に傘を自立させる、自立型の傘立てに関する。
この種の自立型の傘立ての従来例としては、例えば特許文献1〜2を挙げることができる。特許文献1の傘立ては、下広がりのテーパー状に形成された円錐台筒状の支持部と、支持部の下端周縁から上向きに延びる5枚の花弁体と、石突きの挿入を許す差し込み穴を備える有底円錐台状の装着部とで構成される。
特許文献2には、杖の先端の挿入を許す差し込み穴を備える有底筒状の装着部と、装着部の外周面から伸びる3本の支持部とからなる杖用の石突きが開示されている。支持部は、装着部の外周面の等角度の放射位置から片持ち状に下方に向かって伸びる3本の翼体と、各翼体の下端に設けられた円盤状のプレート体とで構成される。
本発明者等は、畳まれた傘を床面上に自立させるときだけでなく、石突きが真上に指向して傘が雨粒を防ぐ展開状態にあるとき(傘をさした状態)にも石突きに装着される「常用装着タイプ」の自立型傘立ての開発を試みた。かかる常用装着タイプの自立型傘立てでは、実用性に鑑みると以下の点(1)〜(3)が技術的に解決すべき課題となる。
(1)傘を自立させる際には、安定的に傘の自立姿勢を維持できること。
(2)衝突衝撃に強く、良好な剛性を備えていること。
(3)外形寸法が異状に大きいと、使用者は違和感を覚える。このため、外形寸法を抑えながら、良好な自立性能が発揮されること。
(1)傘を自立させる際には、安定的に傘の自立姿勢を維持できること。
(2)衝突衝撃に強く、良好な剛性を備えていること。
(3)外形寸法が異状に大きいと、使用者は違和感を覚える。このため、外形寸法を抑えながら、良好な自立性能が発揮されること。
これに対して、特許文献1に係る傘立てでは、円錐台筒状に形成された支持部の下端の全周面が同時的に床面に接することで、傘を自立させる形態であるため、フラットな床面に対しては安定的な自立性能が発揮されるものの、僅かでも床面に凹凸があると支持部が傾くおそれがあり、結果として傘を安定的に自立させることが困難である。何よりも傘をさしたときに、特許文献1の図3および図4に示すごとく、支持部は上方に開口を有する上広がりのテーパー円錐台筒状となるため、雨水が傘立ての支持部内に溜まり、傘立てを含む傘全体の重量が増大し使用者負担が大きくなることが避けられない。また、溜まった雨水により傘の石突き部分の重量が増すため、傘が傾いたときの傾動モーメントが大きくなり、傘を使用姿勢に維持することが困難であり、この点でも使用者負担が大きくなることが避けられない。傘を畳むときに、支持部内に溜まっていた雨水が一度に零れるおそれもある。
以上のように特許文献1に記載の傘立ては、安定的な自立性能という点に問題がある。また、傘をさす際に装着されていると、上記のようにあまりに多くの不都合を招くため、元より「常用装着タイプ」の自立型傘立てを想定したものではなく、自立させるときにのみ装着されるものであると考えざるを得ない。さらに、花弁体の形状に鑑みると、特許文献1に係る傘立てを一体型のプラスチック成形品として製造することは困難であり、複数のパーツを別個に成形したうえで、これらを組み立てる必要がある。このため、組立コストが掛かり、製造コストが上昇する不利もある。
特許文献2に係る杖用の石突きでは、3本の支持部による3点支持により自立姿勢を維持することができるため、床面に僅かに凹凸がある場合でも、杖を安定的に自立させることが可能ではある。但し、特許文献2に係る「杖用の石突き」を傘に適用することは、傘をさしたときに「杖用の石突き」が上方に位置することを想像すれば、あまりに不恰好であり、ナンセンスであると言わざるを得ない。また、衝突衝撃や剛性向上、および特許文献2に係る「杖用石突き」の支持部を構成する翼体の厚み寸法等に鑑みると、当該製品は金属品と推測できる。このため、「杖用石突き」の重量は大きく、これを傘に装着した場合には、傘をさしたときの傾動モーメントが増して、特許文献1の場合と同様に使用者の負担が大きくなる不都合を招来する。
本発明の目的は、傘を安定的に自立させることができながら、小型軽量であり、しかも耐衝撃性と生産性に優れる、常用装着されて好適な自立型の傘立てを提供することにある。
本発明は、傘1の石突き2に装着されて、不使用時の傘1を床面4上に自立させる傘立てを対象とする。図1、図3および図7に示すように、傘立ては、開口12を有する頂点片13と、頂点片13から等間隔を置いて放射状に下向きに拡開形成されて下端部が床面4に当接する3個以上の花弁状片14とを具備する支持部10と、頂点片13の内面から下向きに突設されて、開口12に連通する石突き2用の装着穴15を備える筒状の装着部11とからなる。そして、花弁状片14が部分球殻状に湾曲形成されており、支持部10と装着部11とが、合成樹脂材により一体成形されていることを特徴とする。
図7に示すように、装着穴15は、下方に行くに従って内径寸法が漸次小さくなる下窄まりテーパー状に形成されており、装着部11の下端の高さ位置が、花弁状片14の下端の高さ位置よりも低く設定されている構成を採ることができる。
図3に示すように、各花弁状片14が、その上下方向の中央部の幅寸法が、頂点片13からの連出部および下端部の幅寸法よりも大きく、且つ上下方向の全体にわたって外縁が滑らかに連続する、正面視で紡錘形に形成されており、隣り合う花弁状片14どうしを繋ぐ連出部の外縁が滑らかに連続しており、各花弁状片14の下端部が、角の無いR状に形成されている構成を採ることができる。
また本発明は、図1および図6に示すごとく、傘1の石突き2に装着される傘立て本体3と、床面4に載置されて傘立て本体3を受ける支持ブロック5とからなる傘立てを対象とする。図3および図7に示すように、傘立て本体3は、開口12を有する頂点片13、および頂点片13から等間隔を置いて放射状に下向きに拡開形成されて下端部が床面4に当接する3個以上の花弁状片14とを有する支持部10と、開口12に連通する装着穴15を備えて、頂点片13の内面から下向きに突設された筒状の装着部11とで構成され、これら支持部10と装着部11とを合成樹脂により一体成形してなる樹脂成形品である。頂点片13および花弁状片14は、部分球殻状に湾曲形成されている。
支持ブロック5は、頂点片13および花弁状片14の内面形状と一致する半球状の外面を有するドーム型を呈している。支持ブロック5の頂点には、装着部11の挿入を許す通孔21が垂設されている。
そして、図1に示すように、支持ブロック5の通孔21に対して、傘立て本体3の装着部11を上方より落とし込んだ支持状態において、頂点片13および花弁状片14の内面全体が、支持ブロック5の半球状の外面に受け止められるようになっていることを特徴とする。
支持ブロック5は、頂点片13および花弁状片14の内面形状と一致する半球状の外面を有するドーム型を呈している。支持ブロック5の頂点には、装着部11の挿入を許す通孔21が垂設されている。
そして、図1に示すように、支持ブロック5の通孔21に対して、傘立て本体3の装着部11を上方より落とし込んだ支持状態において、頂点片13および花弁状片14の内面全体が、支持ブロック5の半球状の外面に受け止められるようになっていることを特徴とする。
図4に示すように、支持ブロック5の外面と通孔21の内壁面との境界部で規定されるコーナー部に、上向きに指向して、下方に行くに従って漸次径寸法が小さくなるリング状のガイド面22が形成されている構成を採ることができる。
本発明に係る自立型の傘立てにおいては、開口12を有する頂点片13と、頂点片13から等間隔を置いて放射状に下向きに拡開形成されて下端部が床面4に当接する3個以上の花弁状片14とにより支持部10を構成したので、図2および図7に示すように、装着穴15に石突き2を差し込み装着し、傘1ごと傘立てを床面上に載置したとき、3個以上の花弁状片14の各下端部が床面に接する3点以上の多点支持により、安定的に傘1を床面4上に自立させることができる。
また、本発明によれば、頂点片13と該頂点片13から等間隔を置いて放射状に下向きに拡開形成された3個以上の花弁状片14とで支持部10を構成したので、図8に示すように、傘1の使用時(傘をさしたとき)に雨水が支持部10に溜まることがなく、使用時における使用者負担を少なくできる。すなわち、3個以上の花弁状片14を放射状に下向きに拡開形成してあると、隣り合う花弁状片14の間に切り欠き16が形成されるため、図8に示すごとく、傘1の使用時には雨水は切り欠き16から流れ落ちて支持部10に溜まることがない。したがって、傘1の使用時に石突き2部分の重量が不用意に大きくなることに伴なう、傘1が傾いたときの傾動モーメントの増加といった不都合は生じることは無く、傘立て3を装着したことによる使用者負担を少なくできる。したがって、本発明によれば、傘1を自立させるときだけでなく、傘1を使用するときにも装着されていて好適な、常用装着タイプの傘立てを得ることができる。
また本発明においては、図3および図7に示すように、花弁状片14を部分球殻状に湾曲形成したので、花弁状片14を断面I字状の形状とする場合に比べて、各花弁状片14の断面係数や断面2次モーメントを向上させて、花弁状片14の剛性や衝突特性の向上を図ることができる。これにて本発明の傘立て3によれば、自立時の傘1の荷重を受け止め得るだけでなく、傘1を持ち運ぶ際の床面4等との衝突衝撃に耐え得る良好な耐衝撃性を具備するものとなり、この点でも常用装着タイプの傘立て3として好適なものとなる。筒状の装着部11を頂点片13の内面に設けたことに起因する、頂点片13の断面係数の向上に伴なう剛性や衝突特性の向上効果も期待でき、この点でも耐衝撃性に優れた傘立て3を得ることができる。
尤も、耐衝撃性の向上は、花弁状片14や頂点片13の板厚寸法を大きくすることでも実現できる。しかし、この場合には、傘立て3の全体重量が大きくなることが避けられない。加えて、花弁状片14は、特許文献2のような翼体とプレート体とで構成される支持部に比べて外形寸法の小型化が容易で、傘立て3の全体形状のコンパクト化できる。以上より、本発明によれば、小型軽量の傘立て3を得ることができる。
頂点片13と花弁状片14とからなる支持部10、および装着部11とを合成樹脂材により一体成形したので、これら部分を別々に成形して組み立てる場合に比べて、生産性良く製造することが可能であり、製造コストの低廉化に貢献できる。なお、本発明に係る傘立て3の形状は、上型と下型とを使った射出成形により、無理なく確実に成形し得るものであることを付記しておく。
一般的に傘1の石突き2は、下方に行くに従って漸次外径寸法が小さくなる下窄まり状に形成されている。このため、装着穴15を下方に行くに従って漸次内径寸法が小さくなる下窄まりテーパー状に形成してあると、装着穴15に石突き2を差し込むことで、両者を嵌合係合させて、傘立て3を石突き2に確実に装着することができる。装着穴15の上下方向のいずれかの部分の内径寸法が、石突き2の外径寸法と一致して嵌合係合できれば装着することが可能であり、より多くの傘1に装着、適用し得る汎用性に優れた傘立て3を実現できる点でも優れている。
装着部11の下端の高さ位置が、花弁状片14の下端の高さ位置よりも低く設定されていると、装着部11の下端が床面4に接することがなく、花弁状片14の多点支持による安定的な自立姿勢が損なわれることがない。なお、装着部11の下端の高さ位置は、花弁状片14の下端の高さ位置よりも、コンマ数ミリ〜数ミリ程度低くすることが好ましい。これによれば、例えば自立姿勢の傘1の柄に使用者の体重がかけられたとき、花弁状片14は僅かに撓み変形して、装着部11の下端が床面4に接する。このように、装着部11の下端が床面4に接すると、それ以上は花弁状片14は撓み変形せず、したがって、花弁状片14が不用意に大きく変形することに由来する花弁状片14の破損を効果的に防ぐことができる。また、荷重を筒状の装着部11で受け止めることができるため、傘立て3の耐荷重性の格段の向上効果が期待できる。
各花弁状片14が正面視で紡錘形に形成されていると、上下方向の中央部の幅寸法を大きくすることができるので、先の花弁状片14を部分球殻状としたことと相俟って、花弁状片14の剛性および衝突特性の向上に貢献できる。加えて、各花弁状片14を全体にわたって外縁が滑らかに連続するよう紡錘状とし、隣り合う花弁状片14どうしを繋ぐ連出部の外縁を滑らかに連続させるとともに、各花弁状片14の下端部を角の無いR状に形成にしてあると、支持部10の全体を角の無い丸みを帯びた形状とすることができるので、安全性に優れた傘立て3を得ることができる。
本発明に係る傘立ては、図1ないし図3に示すごとく、傘立て本体3と支持ブロック5とからなる形態を採ることができる。この場合には、傘立て本体3を傘1に常用装着し、支持ブロック5を家の玄関やオフィスの机横の床面4上等に載置しておく。そして、外出時には、傘立て本体3とともに傘1を持ち運び、或いは傘1を使用に供し(傘をさし)、家やオフィスに着いたときには、支持ブロック5の通孔21に対して傘立て本体3の装着部11を上方より落とし込んで、図1に示すような支持状態とする。図2および図7に示すように、家やオフィス以外の外出時には、傘立て本体3のみを使って、傘1を自立させることができる。また、家やオフィスでは、支持ブロック5で、傘1および傘立て本体3を支持することにより、先の傘立て本体3のみで傘1を自立させる場合(図7参照)よりも、より安定的に傘1を自立姿勢に維持できる。
以上のように、傘立て本体3と支持ブロック5とで傘立てを構成してあると、外出時における携帯性を良好に確保しながら、数時間から数ヶ月の中長期にわたって傘1を載置あるいは保管する場合には、より安定的に傘1を自立姿勢に維持することができる。すなわち、数時間から数ヶ月の中長期にわたって傘1を載置あるいは保管する場合において、図7に示すように、傘立て本体3のみで傘を自立姿勢に維持することは、傘立て本体3の負担が大きく、何よりも安定性に不安が残り、不用意に傘1が倒れるおそれが残る。これに対して本発明の傘立てのように、支持ブロック5を備えるものとして、中長期における傘1の載置あるいは保管時には、支持ブロック5を使って傘1を自立姿勢に維持するようにしてあると、傘立て本体3の負担が少なく、しかもより安定的に傘1を自立姿勢に維持することができるため、信頼性と実用性に優れた傘立てを得ることができる。換言すれば、傘立て本体3ごと傘1を支持ブロック5に支持させれば、傘1をより安定的に自立姿勢に維持することができるので、傘立て本体3のみの自立性能の脆弱性を完全に払拭することができ、この点でも信頼性と使い勝手に優れた傘立てを得ることができる。
以上のように、本発明によれば、家やオフィス等における中長期的な載置、保管時における良好な安定性が確保されるため、これら中長期的な載置、保管時においても傘立て本体3を取り外す必要が無く、使い勝手に優れた傘立てを得ることがことができる。このことは、傘立て本体3を傘1に常用装着することの動機付けともなる。
頂点片13および花弁状片14が部分球殻状に湾曲形成されており、支持ブロック5が、頂点片13および花弁状片14の内面形状と一致する半球状の外面を有するドーム型を呈するものとなっていると、図1に示すような支持状態において、頂点片13および花弁状片14の内面全体が、支持ブロック5の半球状の外面に受け止められるものとなる。これによれば、頂点片13や花弁状片14が支持ブロック5の外面に部分的に接触する形態では不可避となる、頂点片13や花弁状片14に局所的な荷重が加わることに起因する花弁状片等の変形問題を払拭することができるので、より信頼性に優れた傘立てを得ることができる。
また、頂点片13および花弁状片14が部分球殻状に湾曲形成されており、支持ブロック5が、頂点片13および花弁状片14の内面形状と一致する半球状の外面を有するドーム型を呈するものとなっていると、支持ブロック5の半球状の外面のいずれの箇所であっても、部分球殻状の花弁状片14を受け止めることができるため、通孔21に装着部11を上方より落とし込むだけで、常に安定的な支持状態とすることができる。つまり、支持ブロック5に対する花弁状片14の位置合わせ等は不要であり、花弁状片14の姿勢状態を意識することなく、通孔21に装着部11を上方より落とし込むだけで、常に安定的な支持状態とすることができる点で優れている。頂点片13および花弁状片14の内面全体が、支持ブロック5の半球状の外面に受け止められるため、支持状態において傘立て本体3が支持ブロック5に対してがた付くことが無く、より安定的に傘1を自立姿勢に支持できる点でも優れている。
支持ブロック5の外面と通孔21の内壁面との境界部で規定されるコーナー部に、上向きに指向して、下方に行くに従って漸次径寸法が小さくなるリング状のガイド面22が形成されていると、装着部11をガイド面22で案内しながら通孔21内に落とし込むことができるので、煩わしい通孔21に対する装着部11の位置合わせ動作を最小限化して、落とし込み操作をより迅速且つ確実に行なうことができる。
図1ないし乃至図8に、本発明に係る自立型傘立て(以下、単に傘立てという。)の実施例を示す。以下の実施例においては、「傘立て」とは「傘立て本体」だけでなく「支持ブロック」をも含む広義の意味で使い、請求項1等における「傘立て本体」のみを意味する狭義の意味での「傘立て」と区別する。尤も、請求項1等における「傘立て」とは、「傘立て本体」のみを意味する。
図1ないし図3において、傘立ては、傘1の石突き2に装着される傘立て本体3と、床面4に載置されて傘立て本体3を受ける支持ブロック5とで構成され、図2および図7に示すごとく、傘立て本体3のみで傘1を自立姿勢に維持する第1自立姿勢と、図1および図6に示すごとく、傘立て本体3が支持ブロック5に支持された状態で、傘1を自立姿勢に維持する第2自立姿勢の二つの自立姿勢を採ることができる。
傘立て本体3は、傘1の石突き2に常用装着されるものであり、第1自立姿勢(図2および図7参照)において、傘1の荷重を受けて、傘1を自立姿勢に維持するための支持部10と、石突き2に装着するための装着部11とで構成され、これら支持部10および装着部11を含む傘立て本体3の全体を、ABS樹脂などの合成樹脂を素材として一体に形成してなる。
図5に示すように、支持部10は、上方に位置して、石突き2の挿入を許す開口12を有する頂点片13と、頂点片13から等間隔をおいて放射状に下向きに拡開形成された3個の花弁状片14とで構成される。図3に示すように、各花弁状片14は、その上下方向の中央部の幅寸法(W1)が、頂点片13からの連出部の幅寸法(W2)、および花弁状片の下端部の幅寸法よりも大きく、且つ上下方向の全体にわたって外縁が滑らかに連続する、正面視で紡錘状に形成されている。
頂点片13および花弁状片14は、部分球殻状に湾曲形成されている。すなわち、頂点片13および花弁状片14は略均一な厚み寸法を備える樹脂片で構成されており、頂点片13は上方に向かって膨出状に形成され、花弁状片14は上方および水平外方向に膨出状に形成され、全体として球殻を基本形態として、隣り合う花弁状片14の間に切り欠き16(図3および図8参照)を備える部分球殻状を呈している。
装着部11は、頂点片13の頂点内面から下向きに突設された筒状片であり、下方に行くに従って漸次径寸法が小さくなる円錐台筒状を呈している。装着部11の内部には、開口12に連通する石突き2用の装着穴15が設けられている。装着穴15は、下方に行くに従って漸次内径寸法が小さくなる下窄まりテーパー状に形成されている。これにて、下窄まりテーパー状に形成された石突き2を、装着穴15内に圧嵌挿入した状態で、抜け止め状に装着保持することができる。
支持ブロック5は、玄関やオフィスの机横の床面等に載置されるものであり、図1および図6に示すような第2自立姿勢を確立して、傘立て本体3が装着された傘1をより安定的に自立させることを目的とする。支持ブロック5は、頂点片13および花弁状片14の球殻状の内面形状と一致する半球状の外面を有するドーム型の樹脂成形品であり、頂点に装着部11の挿入を許す通孔21を備える。支持ブロック5の外面と通孔21の内壁面との境界部で規定されるコーナー部に、上向きに指向して、下方に行くに従って漸次径寸法が小さくなるリング状のガイド面22が形成されている。通孔21は、装着部11の外径形状に対応しており、下方に行くに従って漸次径寸法が小さくなる下窄まりのテーパー状に形成されている。
以上のような傘立て本体3と支持ブロック5とからなる傘立てによれば、床面4上に載置された支持ブロック5の通孔21に対して、傘立て本体3の装着部11を位置合わせしたうえで、装着部11をガイド面22で案内しながら通孔21内に落とし込むことで、図1に示すような支持状態とすることができる。換言すれば、傘立て本体3が支持ブロック5に支持された状態で、傘1を自立姿勢に維持する第2自立姿勢とすることができる。
かかる支持状態においては、傘1、傘立て本体3および支持ブロック5の三者からなる全体構成の重心位置を、重量物である支持ブロック5に近付けることができる。つまり、全体構成の重心位置を可及的に下方に置くことができ、したがって、不用意な傘1の傾動や傘1が倒れることを確実に防ぐことができる。また、フラットな支持ブロック5の底面の全体が床面4に接するため、これによっても傘1の傾動モーメントに効果的に抗して、傘1の不用意な傾動等を確実に防ぐことができる。以上より、傘立て本体3を支持ブロック5に落とし込んだ支持状態においては、極めて安定的に傘1を自立姿勢に維持することができる。
以上のような支持状態においては、部分球殻状に形成された頂点片13および花弁状片14の内面全体が、支持ブロック5の半球状の外面で受け止められる。これによれば、頂点片13や花弁状片14が支持ブロック5の外面に部分的に接触する形態では不可避となる、頂点片13や花弁状片14に局所的な荷重が加わることに伴なう花弁状片14等の変形問題を払拭することができる。部分球殻状に形成された頂点片13および花弁状片14の内面全体が、支持ブロック5の半球状の外面で受け止められていると、これら頂点片13および花弁状片14を支持ブロック5の外面により裏打ち状に支持することができるため、支持状態において頂点片13および花弁状片14が外部衝撃を受けた場合でも、当該外部衝撃を支持ブロック5で受け止めることができ、頂点片13および花弁状片14の破損や変形を確実に防ぐことができる。支持状態において傘立て本体3が支持ブロック5に対してがた付かず、この点でも傘1を自立姿勢に安定的に維持することができる。
また、支持ブロック5の半球状の外面のいずれの箇所であっても、部分球殻状の花弁状片14を受け止めることができるため、通孔21に装着部11を上方より落とし込むだけで、常に安定的な支持状態とすることができる。したがって、花弁状片14の姿勢状態を意識する必要がなく、換言すれば支持ブロック5に対する花弁状片14の位置合わせは不要であり、簡単且つ確実に支持状態とすることができる。
外出時には、傘1の柄を持って、支持ブロック5から傘1および傘立て本体3を上方に引き抜き、石突き2に傘立て本体3が装着された状態で傘1を持ち運び、あるいは傘1を使用に供する。図8に、傘1を使用したとき(傘1をさしたとき)の傘立て本体3の状態を示す。同図に示すように、傘1の使用時においては、傘立て本体3は、図1等に示す姿勢状態に対して天地逆姿勢となる。つまり、花弁状片14が上方に拡開する姿勢となる。かかる使用時においては、雨水は、隣り合う花弁状片14の間の切り欠き16から随時零れ落ち、傘立て本体3に溜まることはない。したがって、傘1の使用時において、雨水が傘立て本体3に溜まって、石突き2部分の重量が不用意に大きくなることはなく、傘立て本体3を石突き2に装着したことに伴なう使用者負担の増加を抑えることができる。
傘1を畳んで持ち運ぶときには、傘立て本体3には、道路面や床面に衝突することに伴なう衝突衝撃が加わる。本実施形態に係る傘立てにおいては、花弁状片14を部分球殻状に湾曲形成したので、花弁状片14を断面I字状の形状とする場合に比べて、花弁状片14の断面係数や断面2次モーメントを向上させて、花弁状片14の剛性や衝突特性の向上を図ることができる。頂点片13においても、これを部分球殻状に湾曲形成したので、花弁状片14と同様に、剛性や衝突特性の向上を図ることができる。したがって、傘1を持ち運ぶ際に、傘立て本体3が床面4や道路面等と接触して大きな衝突衝撃が加わった場合であっても、花弁状片14や頂点片13が破損することを効果的に防ぐことができる。筒状の装着部11を頂点片13の内面に設けたことに起因する、頂点片13の断面係数の向上に伴なう剛性や衝突特性の向上効果も期待でき、この点でも傘立て本体3は耐衝撃性に優れたものとなる。
傘立て本体3は、丸みを帯びた安全性の高い形状とされている。具体的には、各花弁状片14が、その上下方向の中央部の幅寸法が、頂点片13からの連出部および下端部の幅寸法よりも大きく、且つ上下方向の全体にわたって外縁が滑らかに連続する、正面視で紡錘形に形成されており、隣り合う花弁状片14どうしを繋ぐ連出部の外縁が滑らかに連続しており、各花弁状片14の下端部が、角の無いR状に形成されている。これにて、支持部10の全体を角の無い丸みを帯びた形状とすることができるので、傘立て本体3の安全性を良好に確保できる。
外出時においては、図2および図7に示すように、傘立て本体3を使って傘1を自立させることができる(第1自立姿勢)。かかる第1自立姿勢においては、3個の花弁状片14の下端部が床面に接する3点支持により、傘1を安定的に床面4上に自立させることができる。また、上記のように、花弁状片14を部分球殻状とすることで、各花弁状片14に優れた剛性を付与したため、傘1の荷重が加わったときにも、不用意に花弁状片14が破損することもない。また、傘1の柄に使用者が体重等の大きな荷重を掛けた際には、花弁状片14が僅かに撓み変形するとともに、装着部11の下端が床面4に接して、当該装着部11により荷重が受け止められる。このことは、花弁状片14の変形限界を規定できることを意味し、したがって、花弁状片14の破損等を効果的に防ぐことができる。
家やオフィス等に着くと、再び傘立て本体3ごと傘1を支持ブロック5に支持させて、第2自立姿勢とする。このとき、支持ブロック5の外面と通孔21の内壁面との境界部で規定されるコーナー部に、上向きに指向して、下方に行くに従って漸次径寸法が小さくなるリング状のガイド面22が形成されていると、装着部11をガイド面22で案内しながら通孔21内に落とし込ことができるので、煩わしい通孔21に対する装着部11の位置合わせ動作を最小限化して、落とし込み操作をより迅速且つ確実に行なうことができる。
上記実施例においては、支持ブロック5は樹脂成形品としたが、本発明はこれに限られず、例えば金属品とすることもできる。成形時に金属体をインサート成形する形態や、成形後に金属体を後付け装着する形態であってもよい。例えば、プレート上に、半球状の支持ブロック5が所定間隔を置いて複数個配設されている形態を採ることもできる。花弁状片14の個数は3個に限られず、それ以上であってもよい。装着部11の外面には、各種のキャラクターを現出させることができる。装着部11の外面にキャラクター等が印刷されたシールを貼り付けてもよい。
本発明に係る傘立ては、「傘立て本体3」単品だけで販売される場合と、「傘立て本体3」と「支持ブロック5」のセットで販売される場合とがある。本発明の請求項1等において、「自立型の傘立て」として「傘立て本体3」のみの形態を挙げたのも、上記理由に拠る。
1 傘
2 石突き
3 傘立て(傘立て本体)
4 床面
5 支持ブロック
10 支持部
11 装着部
12 開口
13 頂点片
14 花弁状片
21 通孔
22 ガイド面
2 石突き
3 傘立て(傘立て本体)
4 床面
5 支持ブロック
10 支持部
11 装着部
12 開口
13 頂点片
14 花弁状片
21 通孔
22 ガイド面
Claims (5)
- 傘(1)の石突き(2)に装着されて、不使用時の傘(1)を床面上に自立させる傘立てであって、
開口(12)を有する頂点片(13)と、頂点片(13)から等間隔を置いて放射状に下向きに拡開形成されて下端部が床面(4)に当接する3個以上の花弁状片(14)とを具備する支持部(10)と、
頂点片(13)の内面から下向きに突設されて、開口(12)に連通する石突き(2)用の装着穴(15)を備える筒状の装着部(11)とからなり、
花弁状片(14)が部分球殻状に湾曲形成されており、
支持部(10)と装着部(11)とが、合成樹脂材により一体成形されていることを特徴とする自立型傘立て。 - 装着穴(15)は、下方に行くに従って内径寸法が漸次小さくなる下窄まりテーパー状に形成されており、
装着部(11)の下端の高さ位置が、花弁状片(14)の下端の高さ位置よりも低く設定されている請求項1記載の自立型傘立て。 - 各花弁状片(14)が、その上下方向の中央部の幅寸法が、頂点片(13)からの連出部および下端部の幅寸法よりも大きく、且つ上下方向の全体にわたって外縁が滑らかに連続する、正面視で紡錘形に形成されており、
隣り合う花弁状片(14)どうしを繋ぐ連出部の外縁が滑らかに連続しており、
各花弁状片(14)の下端部が、角の無いR状に形成されている請求項1又は2記載の自立型傘立て。 - 傘(1)の石突き(2)に装着される傘立て本体(3)と、床面(4)に載置されて傘立て本体(3)を受ける支持ブロック(5)とからなり、
傘立て本体(3)は、開口(12)を有する頂点片(13)、および頂点片(13)から等間隔を置いて放射状に下向きに拡開形成されて下端部が床面(4)に当接する3個以上の花弁状片(14)とを有する支持部(10)と、開口(12)に連通する装着穴(15)を備えて、頂点片(13)の内面から下向きに突設された筒状の装着部(11)とで構成され、これら支持部(10)と装着部(11)とを合成樹脂により一体成形してなる樹脂成形品であり、
頂点片(13)および花弁状片(14)が部分球殻状に湾曲形成されており、
支持ブロック(5)は、頂点片(13)および花弁状片(14)の内面形状と一致する半球状の外面を有するドーム型を呈しており、
支持ブロック(5)の頂点には、装着部(11)の挿入を許す通孔(21)が垂設されており 支持ブロック(5)の通孔(21)に対して、傘立て本体(3)の装着部(11)を上方より落とし込んだ支持状態において、頂点片(13)および花弁状片(14)の内面全体が、支持ブロック(5)の半球状の外面に受け止められるようになっていることを特徴とする自立型傘立て。 - 支持ブロック(5)の外面と通孔(21)の内壁面との境界部で規定されるコーナー部に、上向きに指向して、下方に行くに従って漸次径寸法が小さくなるリング状のガイド面(22)が形成されている請求項4記載の自立型傘立て。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009122052A JP2010268901A (ja) | 2009-05-20 | 2009-05-20 | 自立型傘立て |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009122052A JP2010268901A (ja) | 2009-05-20 | 2009-05-20 | 自立型傘立て |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010268901A true JP2010268901A (ja) | 2010-12-02 |
Family
ID=43417449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009122052A Pending JP2010268901A (ja) | 2009-05-20 | 2009-05-20 | 自立型傘立て |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010268901A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017086573A (ja) * | 2015-11-12 | 2017-05-25 | 徳男 水谷 | 自立する傘と傘掛けフックとしても使える傘保持具 |
CN109228384A (zh) * | 2018-10-15 | 2019-01-18 | 曾国志 | 一种制作伞顶花的自动成型设备 |
-
2009
- 2009-05-20 JP JP2009122052A patent/JP2010268901A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017086573A (ja) * | 2015-11-12 | 2017-05-25 | 徳男 水谷 | 自立する傘と傘掛けフックとしても使える傘保持具 |
CN109228384A (zh) * | 2018-10-15 | 2019-01-18 | 曾国志 | 一种制作伞顶花的自动成型设备 |
CN109228384B (zh) * | 2018-10-15 | 2023-12-26 | 曾国志 | 一种制作伞顶花的自动成型设备 |
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