JP2010266251A - 再使用防止機能付き分析チップおよび分析装置 - Google Patents

再使用防止機能付き分析チップおよび分析装置 Download PDF

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Abstract

【解決手段】
基板と、基板の一方端側に形成された掘り下げ穴からなる蓋体収納部20と、蓋体収納部20よりも内側の基板面上に形成された注入口15と、注入口15に連結され、蓋体収納部20から遠ざかる方向に延びる内部溝からなる流路13と、流路内に設けられた反応物質固定部19と、反応物質固定部19よりも下流側に形成された液溜め部14と、注入口15よりも下流側でかつ流路を避けた位置に形成された掘り下げ溝からなる引張基部26と、を有し、更に蓋体収納部に収納される蓋体21と、蓋体21の注入口側端部と基板面とを繋ぐヒンジ部材23と、一方端が引張基部26に結着され、他方端が蓋体21に結着されて、ヒンジ部材23の回転軸を中心にし蓋体収納部20に収納された蓋体21を略180回転させて蓋体裏面で注入口15を蓋するように引っ張り力を作用させる伸縮部材24と、蓋体収納部20に設けられ、伸縮部材24の引っ張り力に抗して蓋体21を蓋体収納部内に仮止めしておく蓋体ストッパー25と、を備えた分析チップ。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検液に含まれる特定の生化学物質などの検体を検出する分析チップ及びこれを用いる分析装置に関する。
抗原抗体反応を用いた免疫分析法は、医療や生化学分野、アレルゲンなどの測定分野などにおける分析・計測方法として有用である。しかし、従来の免疫分析法は、分析に長時間を要すると共に操作が煩雑である、等の問題を有している。
このような中、半導体の微細加工技術などを応用したマイクロ化技術(Micro Electro-Mechanical System、MEMS)が開発され、タンパク質、遺伝子などの生化学分野における分析においては、抗原抗体反応を用いるマイクロ化技術(Micro Total Analytical System、m-TAS)が急速に発展している。μ-TASは、数センチ角の基板上に、混合・反応・分離・検出等を行う微細流路等の微小空間を集積した分析チップを用いる。分析チップ内で免疫分析法を行う場合、従来の免疫分析に比べて、ナノリットルレベルの少ない試料での測定が可能である。さらに、従来、長時間を要していた測定時間の大幅な短縮が可能である。
医療や生化学分野、アレルゲンなどの測定分野などにおける分析・計測方法においては、検体として、血液や血漿、またはその他の生体物質を用いることが多く、抗原抗体反応を用いた分析方法の場合、通常、分析チップ内には抗体等の生体物質が残留している。よって、一度使用した分析チップを再使用した場合、コンタミネーションにより誤った測定結果が得られ、重大な判断過誤を招く恐れがある。
また、医療や生化学分野における検体には、病原菌や毒性を含むものが多いが、分析チップを使い捨てとした場合においても、使用済みチップが完全に廃棄処分(例えば焼却)されるまでの間にチップから液漏れする恐れがある。この場合、廃棄業者やたまたまチップに接触した第三者などは有害な液体に接触したことに気付かないため、思わぬ重大事故を引き起こす。
それゆえ、医療や生化学分野で使用する分析チップには、使用済みであるとが簡単に判る機能が求められていると共に、使用後においても液漏れが生じないことが求められる。
特許文献1には、分析用ディスクにおいて、分析領域が使用済みか否かをユーザーが容易に判断できるようにする技術が提案されている。
特開2005−274388
図13、14に特許文献1の技術にかかる分析用ディスクを示す。図13は、液体試料として血液を用いる場合の分析用ディスクであり、図14は、無色または色の薄い液体試料を用いる場合における分析用ディスクである。符号100が分析用ディスク、101がディスク基板、102が注入口、103が流路、104が空気穴、105が検体貯蔵室、106が遠心分離処理室、107が反応室、108が分析位置、109が色素格納室、110が液溜まり室である。
この技術では、分析用ディスク100の流路のうち、特定部分が使用済と判別できる文字形状に形成されている。よって、血液などの色をもった液体試料の場合には、注入口102から液体試料を注入し分析用ディスク100を回転させると、遠心分離処理室106内に赤血球が分離されて残留し、この赤血球によって「済」マークに色がついた状態となる。
また、液体試料が無色透明に近い場合には、図14の分析ディスクを用いると、流路の途中に設けられた色素格納室に格納された色素により液体試料が着色され液溜まり室109に移動して、「済」マークに色づけがなされる。
このような特許文献1の技術によると、分析操作に慣れていないユーザーでも、使用済みの領域が容易に判断でき、使用済みの注入口へ誤って液体試料を注入するなどといった間違いを防ぐことができるとされる。
本発明者は、上記分析用ディスクについて鋭意検討を行った。そして、次のような問題点があることを知った。
(1)特許文献1にかかる分析用ディスクでは、無色または色の薄い液体試料の場合には液体試料を着色する必要があるが、試料の種類によって着色が困難な場合や十分に着色されない場合がある。
(2)特許文献1の技術は、ユーザーが肉眼でもって使用済みか否かを判定できるようにする技術であり、ディスクそのものの重複使用を直接的に防止する技術ではない。人間の注意力は不確かなものであり、使い慣れていないユーザーであると、「済」マークを見落としてしまうということもあり得る。よって、特許文献1の技術では、重複使用を完全に防止することができない。
(3)また、分析用ディスク(分析用ディスクは分析チップの一態様である)には、ディスク内に検液を注入する注入口や空気穴が必須であるが、ディスクの使用後、焼却などにより使用済みディスクを完全に廃棄するまでの間に、上記注入口などからディスク内に残留した液体試料が漏れ出る恐れがある。液漏れは周囲の人々に病原菌等の感染という思わぬ事故をもたらすため、使用済みディスクからの液漏れを防止することが望まれるが、特許文献1はこのような要請に応える技術ではない。
本発明は上記問題点に鑑みなされた発明である。本発明は、使用後に分析装置からチップを取り外すと、使用済みか否かが肉眼的に容易に判別でき、かつ物理的に再使用が不能な形状に変化し、同時に使用済みチップからの液漏れが防止できる構造を備えた分析チップおよびこの分析チップを用いる分析装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明分析チップ構成を初めに記載し、次に分析装置構成を記載する。
〈分析チップ〉
第1発明は、分析チップに関し、基板と、前記基板の一方端側に形成された掘り下げ穴からなる蓋体収納部と、前記蓋体収納部よりも内側の基板面上に形成された注入口と、
前記注入口に連結され、前記蓋体収納部から遠ざかる方向に延びる内部溝からなる流路と、前記流路内に設けられた反応物質固定部と、前記反応物質固定部よりも下流側に形成された液溜め部と、前記注入口よりも下流側でかつ前記流路を避けた位置に形成された掘り下げ溝からなる引張基部と、を有し、更に、前記蓋体収納部に収納される蓋体と、前記蓋体の注入口側端部と前記基板面とを繋ぐヒンジ部材と、一方端が前記引張基部に結着され、他方端が前記蓋体に結着されて、前記ヒンジ部材の回転軸を中心にし前記蓋体収納部に収納された蓋体を略180回転させて蓋体裏面で前記注入口を蓋するように引っ張り力を作用させる伸縮部材と、前記蓋体収納部に設けられ、前記伸縮部材の引っ張り力に抗して前記蓋体を前記蓋体収納部内に仮止めしておく蓋体ストッパーと、を備えた分析チップである。
この構成の分析チップは、注入口、流路、反応物質固定部、液溜め部が、分析チップとしての本来的機能を担っている。すなわち、オペレータが注入口を介して検液を流路に注入すると、検液は上流から下流側に流れ、流路の途中に設けられた反応物質固定部において検液に含まれる分析目的物質と反応物質とが反応する。これにより分析が可能になる。更に、注入口から流入された検液等の液体は液溜め部にまで流れて、ここに貯留される。
次にこの分析チップは、上記した本来的機能を果たす要素に加え、蓋体、蓋体収納部、伸縮部材、引張基部、ヒンジ部材、蓋体ストッパーを備えており、これらの要素が次のように機能する。すなわち、蓋体収納部は、チップ未使用状態において蓋体を基板内に収納する空間として機能する。また、蓋体は、チップ使用後において液漏れを防止する注入口蓋として機能すると共に、目視により使用済みであることを確認できる目印として機能する。また、再装着を防止する邪魔部材として機能する。
また、ヒンジ部材は、蓋体がヒンジ軸を回転中心として180°回転できるように、蓋体と基板面とを繋ぐ要素である。また、伸縮部材は、蓋体収納部に収納されている蓋体を、上記ヒンジ軸を回転中心として180°回転させる要素である。この回転により、蓋体の裏面が注入口に当接して注入口を蓋する。これにより、チップ内に残留した検液等の溶液が注入口を介して漏れ出ることが防止される。
また、引張基部は、基板面を掘り下げてなる溝からなり、上記伸縮部材の一方端を基板に固定するための部位である。基板面を掘り下げてなる溝に伸縮部材の一方端に固定することにより、これまた基板を掘り下げてなる蓋体収納部に収納された蓋体を、ヒンジ軸を回転中心として注入口側に回転させることが容易となる。また伸縮部材の一方端の位置を基板面よりも低くできるので、反転させた蓋体に対し引っ張り力を作用させ続けることができる。これにより、注入口(基板面上の開口)に当接した蓋体は、常に下方向の引っ張られた状態になり、注入口からの液漏れが防止される。
また、蓋体ストッパーは、上記伸縮部材の引っ張り力に抗して蓋体を蓋体収納部内に仮止めしておく要素であり、未使用の分析チップでは、蓋体が蓋体収納部内に仮止めされている。この蓋体ストッパーは、分析チップを分析装置にセッティングしたとき、または分析装置から外したときに、仮止めが自動的に解除される。既に説明した通り、仮止めが解除されると、伸縮部材の引っ張り力の作用により、蓋体収納部に収納されていた蓋体が蓋体収納部から飛び出て、注入口を塞ぐ位置に反転する。チップと分析装置との構造相関については後記する。なお、分析チップを分析装置にセッティングすることなく、例えばオペレータが手動で直接仮止めを解除することもでき、この場合においても液漏れ防止、セッティング防止などの作用効果が得られる。
以上から、第1発明にかかる分析チップは、チップ面に突出した蓋体の存在により使用済みチップであることが一目瞭然に判ると共に、この蓋体が注入口を塞ぐので使用できず、かつ注入口からの液漏れが防止されるので、液漏れに起因する病原菌汚染などのトラブルを防止することができる。さらに、チップ面に突出した蓋体が分析装置への再度のセッティングを物理的に邪魔するので、使用済みチップが誤って使用される事態を確実に防止できる。
第2発明は、上記第1発明にかかる分析チップにおいて、前記蓋体裏面には凸部が形成されていることを特徴とする。
蓋体は、使用済みチップの再使用を防止する役割を担うものであるので、反転上面(収納時裏面)に凸部が形成されていると、蓋体が反転されたとき視覚的に目立つと共に、凸部がより確実に分析装置への装着を邪魔するので、再使用予防効果が一層確実になる。よって、この構成であると、視覚的な面と物理的な面の双方から再使用防止効果が高まる。更にまた、凸部は蓋体の裏面に設けられており、チップ未使用時には蓋体収納部内に収納されているので、チップの取り扱い性やチップ外観・美観を害することがない。
第3発明は、上記第1または第2発明にかかる分析チップにおいて、前記ヒンジ部材がゴム板からなり、前記伸縮部材がゴム紐からなることを特徴とする。
ゴム板は柔軟な屈曲性を備えるので、前記蓋体端部と前記基板面とを繋ぐ部分に張り付けるだけで、蓋体を略180度回転させることのできるヒンジ部材として機能する。また、ゴム紐は弾性に富むので、伸縮部材として好適に機能し、かつ特段の加工を施すことなくそのままで伸縮部材となすことができ、しかも安価である。よって、この構成によると、低コストでもって本願所定の分析チップを実現することができる。
第4発明は、上記第1ないし第3発明にかかる分析チップにおいて、前記蓋体ストッパーが熱溶融性樹脂からなることを特徴とする。
熱溶融性樹脂は、加工が容易であり、かつ刃物やレーザ照射、加熱溶融による切断が容易であるので、蓋体を仮止めしておく蓋体ストッパーとして好適である。
第5発明は、上記第1ないし第3発明にかかる分析チップにおいて、前記蓋体ストッパーが水溶性樹脂からなることを特徴とする。
蓋体ストッパーが水溶性樹脂からなるものであると、水滴を接触させることにより仮止めを解除させることができるので、ストッパー解除部の構造を簡単なものとすることができる。
第6発明は、前記蓋体ストッパーがゴムからなるものであることを特徴とする。
ゴムは弾性を有するのでストッパーとして好適に機能すると共に、カッターにより容易に切断することができるので、仮止めストッパー材料として好ましい。
第7発明は、上記第1ないし第3発明にかかる分析チップにおいて、前記蓋体表面にはゴム材が施されていることを特徴とする。
蓋体表面は起き上がり反転後に、注入口および空気排出孔を塞ぐ面となるべき面である。よって、この表面にゴム材が配されていると、蓋体表面と注入口との密着性が良好となり、液漏れ防止機能が高まる。この構成では、シリコンゴム等の柔軟なゴム材を使用するのが望ましい。
第8発明は、上記第1ないし第7発明にかかる分析チップにおいて、前記蓋体収納部に収納された蓋体の上面または蓋体面に施されたゴム板面が、前記基板面と同じか又は基板面より引っ込んだ位置にあることを特徴とする。
前記蓋体収納部に収納された蓋体は、チップ使用後に基板面より突き出ることにより再使用を予防ないし防止する部材である。それゆえ、チップ使用前はチップ内(基板内)に収納されていることが好ましく、また蓋体が基板面から突出していると、無用にチップ外形が大きくなることになり、チップの取扱性や搬送性を悪くする。
第9発明は、上記第1ないし第8発明にかかる分析チップにおいて、前記液溜め部に、液体を吸収する吸収材が充填されていることを特徴とする。
液体の逆流は分析チップの分析機能を害すると共に、液漏れを生じさせる原因となる。液溜め部に吸収材が充填されていると、吸収材が検液等の液体を吸収し保持するので、液体の逆流が防止される。
第10発明は、上記第1ないし第9発明にかかる分析チップにおいて、前記基板内には、前記液溜め部に連通した空気排出路が形成され、更に前記基板面には、前記空気排出路に連通した空気排出孔が形成されており、当該空気排出孔と前記注入口とが、前記蓋体の起き上がり反転により蓋されることを特徴とする。
チップ外に気体を逃す空気排出経路を設けると、液体を注入口からスムーズに注入できる一方、空気排出経路を設けると、この経路から液漏れを生じる恐れが生じる。そこで上記構成では、空気排出路と空気排出孔からなる空気排出経路を設けると共に、チップ使用後においては、蓋体により注入口と共に空気排出孔をも蓋する。
この構成においては、注入口から注入された液体が空気排出経路に流れでないように、空気排出路の一部、好ましくは液溜め部との連結部分に、気体を通し液体を通さない隘路を設けるのが更に好ましい。
〈分析装置〉
第11発明は、上記第1ないし第10の何れかの発明にかかる分析チップを用いて分析測定を行う装置であって、上記第1ないし第10の何れかの発明にかかる分析チップを設置するチップ設置部と、前記チップ設置部に分析チップが設置されたとき、または前記チップ設置部に分析チップが設置され分析測定が終了したときに、分析チップの蓋体ストッパーによる蓋体仮止めを解除するストッパー解除部と、を備えた分析装置である。
分析チップは、分析装置に設定されて使用され、使用後に分析チップをチップ設置部から外して廃棄等することになる。上記構成では、分析チップがチップ設置部に設置されたとき、または分析測定が終了したときに、ストッパー解除部が蓋体ストッパーの仮止めを解除する。これにより、蓋体収納部に収納されていた蓋体が飛び出し反転が可能となる。
よって、チップ設置部から分析チップを外すと、自動的に蓋体が飛び出し反転して注入口および空気排出孔を塞ぐと共に、チップ上に載置された突起物となる。よって、上記構成であると、使用済み分析チップか否かが容易に判別できると共に、注入口が塞されることにより再使用が防止される。また、反転した蓋体がチップ設置部への設置を妨げる障害物として機能し、物理的に分析装置への設置が不能になるので、確実に使用済み分析チップの誤使用が防止できる。
第12発明は、上記第11発明にかかる分析装置において、前記チップ設置部が、分析チップが挿入されるチップ収納空間であり、前記チップ収納空間の間口が、前記蓋体が反転して前記注入口を蓋した状態における蓋体厚みを含む全チップ厚みよりも狭いことを特徴とする。
この構成にかかるチップ収納空間を以後、「分析チップ挿入部」と称することとする。この構成の分析装置では、分析チップをチップ収納空間に差し込む方法により、分析装置に分析チップを設置することになるが、チップ収納空間の間口(差込口)が蓋体厚みを含む全チップ厚みよりも狭く構成されているので、蓋体仮止めが解除されてチップ面に蓋体を背負う使用済みチップは、蓋体が邪魔するため。物理的にチップ収納空間に差し込むことができない。よって、簡単な構造で使用済みチップの再使用を防止できる。
ここで上記「蓋体厚みを含む全チップ厚み」とは、蓋体が凸部を有するものである場合は、凸部の頂点からは測った最も厚い部分のチップ厚みを意味する。なお、蓋体仮止めが解除された状態であっても、分析チップがチップ収納空間に差し込まれた状態にあるときは、蓋体の飛び出しがチップ収納空間の天井で押さえられているので、蓋体の飛び出し反転はない。チップがチップ収納空間から取り出されたときに、蓋体の飛び出し反転が完了することになる。
第13発明は、上記第11または第12発明にかかる分析装置において、前記ストッパー解除部が、前記蓋体ストッパーを機械的に切断するカッターを備えるものであることを特徴とする。
ストッパー解除部が蓋体ストッパーを機械的に切断するカッターを備える構成であると、蓋体ストッパーを紐、ゴム、紙、樹脂など切断可能な材料で構成することにより、簡単に仮止めを解除させることができる。
第14発明は、上記第11または第12発明にかかる分析装置において、前記ストッパー解除部が、前記蓋体ストッパーを加熱溶融して切断するヒーターを備えるものであることを特徴とする。
ストッパー解除部が蓋体ストッパーを加熱溶融するヒーターを備える構成であると、蓋体ストッパーを溶融性樹脂、ろうなどで構成することにより、簡単に仮止めを解除させることができる。
第15発明は、上記第11または第12発明にかかる分析装置において、前記ストッパー解除部が、前記蓋体ストッパーをレーザで切断するレーザ照射器を備えるものであることを特徴とする。
レーザ照射によると、ピンポイント的な正確さをもって蓋体ストッパーの所望箇所を切断できるので、レーザ照射器を備えるストッパー解除部は、微小な分析チップの仮止め解除部として好適である。
第15発明は、上記第11または第12発明にかかる分析装置において、前記ストッパー解除部が、前記蓋体ストッパーを溶解させて切断する水滴噴霧器を備えるものであることを特徴とする。
水滴により切断する方式は、機構が簡単であり、且つ熱、光に比べて安全である点において優れている。
本発明によると、チップ内に残留していた液体が使用後に液漏れすることを防止でき、かつ使用済みチップの再使用が不能となる安全性に優れた分析チップおよび分析装置を提供することができる。
本発明分析チップによると、使用後廃棄に至るまでの間に病原菌等を含む検液が漏れ出て、これを知らない第3者等が病原菌に感染する等の事故を予防できる。また、使用済みチップを誤使用して誤った分析結果を得るといった分析ミスを予防できる。また、本発明分析装置によると、上記分析チップの機能を簡便に引き出すことができる。よって本発明によると、分析チップ装置の信頼性、環境性、使い勝って性が格段に高まる。
図1(a)は実施の形態1にかかる使用前の分析チップの平面図であり、図1(b)は同上平面図におけるx−x線断面図であり、図1(c)は同上y−y線断面図である。 図2(a)は、実施の形態1にかかる使用前の分析チップを分析装置に挿入する直前の様子を示し、図2(b)は使用前分析チップが分析装置の奥にまで挿入された様子を示し、図2(c)は分析チップに設けられた蓋体ストッパーがカッターにより切断される様子を示すy−y線断面図である。 図3は、実施の形態1にかかる分析チップが分析装置から取り出された瞬間の様子を示すy−y線断面図である。 図4(a)は、実施の形態1にかかる使用後の分析チップの上面図、図2bは同上平面図におけるx−x線断面図、図2cは同上y−y線断面図である。 図5(a)は実施の形態2にかかる使用前の分析チップの平面図、図3bは同上平面図におけるx−x線断面図、図3cは同上y−y線断面図である。 図6は実施の形態2にかかる使用前の分析チップが分析装置の分析チップ挿入部に挿入され、蓋体ストッパーが熱切断された様子を示すy−y線断面図である。 図7は実施の形態2にかかる使用後の分析チップの状態を示すy−y線断面図である。 図8は、実施の形態3にかかる分析チップのx-x線断面図である。 図9は、実施の形態4にかかる使用前の分析チップのx-x線断面図である。 図10は本発明実施例にかかる凸部付き蓋体を示す斜視図である。 図11は本発明実施例にかかる凸部付き蓋体が組み込まれた分析チップを示すy−y線断面図である。 図12は本発明実施例にかかる分析チップの流路系を示す平面図である。 図13は従来例分析ディスクの平面図である。 図14は従来例分析ディスクの平面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しつつ説明する。
〔実施の形態1〕
実施の形態1の分析チップ構造を図1(a)〜(c)に示す。図1(a)は、分析チップ1の概略構造を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のx-x線断面図、図1(c)は図1(a)のy-y線断面図である。
図1(b)に示すように、実施の形態1の分析チップは、平面視長方形の主基板11と蓋基板12とが重ね合わされた構造である。主基板11には検液等の液体を移送するための流路13、検液中の目的物を捕捉する反応物質を固定する反応物質固定部19、反応物質固定部19を通過した検液等を回収する液溜め部14、及び流路13内の空気を排出し検液等がスムーズに流路内を流れるようにするための空気排出路16・17が形成されており、さらにこれらの要素に加えて主基板11の一方端部(上流側端部)に蓋体収納部20が形成されている。
空気排出路17は、流路13と並行的に主基板11の長手方向に形成されており、空気排出路16は、空気排出路17よりも内径(内径の断面積)が小さい隘路となっており、液溜め部14と空気排出路17とを連結している。
蓋基板12には、検液等を流路13へ導入するための注入口15が形成され、注入口15は流路13に繋がっている。また、注入口15の長手方向位置と概ね同じ位置に、空気排出孔18が形成され、空気排出孔18は空気排出路17に連結されており、この孔を介して流路内や液溜め部内の空気がチップ外に逃げるようになっている。なお、流路13用溝の真上に注入口15が形成され、空気排出路17用溝の真上に空気排出孔18が形成される。また、注入口15と空気排出孔18とは、これらの中心を結ぶ線分が概ね基板長手方向に直交するように形成されている。
蓋基板12には、また、引張部材24の一方端を固定する部位である引張基部26・26用の貫通穴が2つ形成されている。この貫通穴は、引張部材(ゴム紐)の引っ張り力を有効に利用するためのものである。このため、この実施の形態では、図1(a)に示すように、平面形状が基板長手方向に長い長方形とし、蓋体収納部20(後記)側の掘り下げ面を底に向かって擂り鉢状に傾斜させてある(図1(c)参照)。なお、実施の形態1においては、この貫通穴と貫通穴直下の主基板上面とで引張基部26・26が構成され、底面となる主基板上面に引張部材24(ゴム紐)の一方端が固着される。
上記主基板11と蓋基板12とは、主基板11に形成された流路13用溝の上流側が蓋基板12に形成された注入口15用穴に位置合わせし、かつ空気排出路17用溝が空気排出孔18用孔に位置合わせされて重ね合わされるが、この状態において主基板11の上流側端が蓋基板12の先端から突き出るように、蓋基板よりも長い主基板が使用されている。この突き出た部分である主基板延長領域に、蓋体収納部20が設けられる。蓋体収納部20は、主基板延長領域を掘り下げた凹状溝からなり、この蓋体収納部20に、蓋体21が収納される。
蓋体21は、チップ使用後において注入口及び空気排出孔を蓋する部材であり、また分析装置への再装着を防止する邪魔部材として機能させるものである。蓋体21にこの機能を果させるために、分析チップにはさらに次のような部材が組み込まれる。
すなわち、図1(a)に示すように、蓋基板12の端縁と蓋体21との間にヒンジ部材としてのゴム板23が張り付けられる。また、蓋基板12端縁と蓋体との境界線(ヒンジ部材軸)を回転中心として蓋体12の先端側が持ち上がり反転されるように、引張部材としてのゴム紐24・24が蓋体21の2箇所と引張基部26・26に取り付けられる。より詳しくは、蓋基板12の端縁から遠い側の蓋体21表面の端部(幅方向の2箇所)にゴム紐24・24の一方端が固定され、他方端が引張基部26・26の底面に固定されている。
ここで、主基板11は、通常、幅10〜30mm、長さ20〜50mm、厚み5mm〜10mm程度とする。また、蓋基板12は、幅を主基板と同一とし、長さを主基板よりも短くする。その程度は蓋体の大きさを考慮して決める。例えば主基板よりも10〜30mm程度短くする。蓋基板12の厚みは通常、0.1mm〜5mm程度とする。ただし、主基板11および蓋基板12の形状・大きさは適当に選定すればよく、上記に限定されるものではない。
また、主基板11および蓋基板12用材料としては、ガラス、石英、シリカ、セラミックス、樹脂材料などを用いることができ、光学的な検出を行う場合には、石英など、屈折率が小さく、透過性に優れた材料が好ましい。
主基板11・蓋基板12の加工方法についても、特段の制限はなく、例えばマイクロドリルなどを用いた機械的加工、化学的エッチングなどの化学的処理加工などが使用できる。また、流路パターンを形成した型に、ポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリカーボネイト樹脂などの基板材料を押し付けるなどするホットエンボス法により流路等の要素を形成することができる。
更に、例えば、流路パターンを形成した鋳型に、光熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を流し込んで固める方法により、主基板、蓋基板の区別のない一体化した構造体を作製することができるため、本明細書においては、主基板、蓋基板、主基板と蓋基板が組み合わさったもの、を区別しないで表現する場合には、単に「基板」と記載している。この場合の「基板」は、分析チップの各要素を形成する基体を意味している。
分析チップの各要素について更に説明する。主基板11に形成する流路13は、溝幅が10μm〜1mm程度、深さが10μm〜1mm程度とする。その断面形状は特に限定されず、被検液やバッファー液などが流通可能な形状であればい。例えば円形、楕円形、半円形、矩形などが考えられ、凹状溝からなるものが作製し易いので好ましい。なお、流路13は、検体を反応物質固定部にまで移送する搬送路となる。
注入口15は、被検液(液体試料)等を流路13に導入するための開口であり、その大きさ(開口幅)を1μm〜1mm程度とする。開口形状は、円形、楕円形、多角形などであり、特段の制約はない。
反応物質固定部19は、注入口15よりも下流側の流路13内に設けられる。反応物質固定部19は、分析目的物質である検体と特異的に反応するタンパク質やペプチドなどの物質を固定した部位であり、これらの物質が基板材料に直接固定されていてもよいし、被膜を介して固定されていてもよい。固定化方法としては、例えば主基板材料からなる流路壁面にスパッタ法や蒸着法などを用いて金膜を形成し、これにタンパク質などを物理吸着または共有結合などさせる公知の方法を利用することができる。反応物質固定部19は、通常、流路一部に設けるが、流路全面を反応物質固定部とすることもできる。
液溜め部14は、反応物質固定部19よりもさらに下流側に形成された小空間であり、分析を終えた検液等を溜めておく部位である。液溜め部14の大きさは、検液等を十分に収容し切れる大きさとする。例えばその容積を100〜500mm3程度とする。
空気排出路16及び17は、流路内に検液等を流入する際に流路内に存在する気体および注入時に混入した空気をチップ外に逃すための気体の通り道である。空気排出路16は、液溜め部14に連結され、空気排出路17は、空気排出路16と空気排出孔18に連結されている。空気排出路16は、気体を通し、液体を通さない微小な細管とするのが好ましい。例えば、その幅を1μm〜数10μm、深さを1μm〜数10μm程度とする。空気排出路17は、空気排出路16ほど細くする必要はなく、通常、幅1μm〜1mm、深さ1μm〜1mm程度とする。
空気排出孔18は、チップ外に気体を放出する開口であり、空気排出路17に連結されている。空気排出孔18は、チップ使用後において上記注入口15とともに蓋体21で蓋する対象であるので、反転した蓋体21により蓋できる位置に設ける必要がある。よって、実施の形態1においては、基板長手方向(図1の左右方向)に概ね直交し且つ注入口15の中心点を通る仮想線上に、空気排出孔18の中心点が位置するように空気排出孔18が形成されている。さらに基板上でこの条件を最も合理的に満たすために、空気排出路17と流路13とは、平行的に形成されている。
空気排出孔18の平面形状(開口形状)は、気体を排出できればよく、特に制限がないが、液漏れを防止する等の観点から、空気排出孔18は気体を逃すことができる限り微小な方がよく、通常、直径1μm〜10μmの円形孔とする。
蓋体収納部20は、分析チップ表面から蓋体21が出っ張らないように、蓋体21を収納しておく収納空間であり、分析チップの最上流よりも更に外側の端部に設けられている。蓋体収納部20の平面形状は概ね蓋体21の相似形であり、縦×横は、蓋体収納部20の一辺を回転中心軸として蓋体21をスムーズに起き上がらせる程度の余裕をもった大きさとし、深さについは蓋体の上面が分析チップ表面から付き出ることなく、蓋体を完全に収納できる深さとする。
チップ基体が主基板11と蓋基板12からなるこの実施の形態では、蓋体収納部20部分は蓋基板12で覆わない部分に形成されており、主基板11のみが掘り下げられた溝からなる。
蓋体21は、当初(未使用時)蓋体収納部20内に収納されており、チップが分析装置(後記)から取り出されたときに蓋体収納部20から飛び出て注入口15及び空気排出孔18側に反転して、反転裏面で注入口15及び空気排出孔18を蓋する部材である。このため、蓋体収納部20は注入口15および空気排出孔18の近く設けられる。なお、上記「未使用時」とは、分析装置に装着する前の状態をいう。
蓋体21の縦横サイズは、回転軸線を中心にして反転させたときに、注入口15及び空気排出孔18を蓋できる大きさとし、厚みは通常、蓋基板と同等とする。蓋体裏面に形成する凸部21bは、後記する分析装置への実装が防止できる形状・サイズであればよく、その形状に特段の限定はない。実施の形態1の蓋体は、表面側が平坦な長方形であり、裏面(反転時の上面)に前者より幅狭長方形状の凸部21bが形成された形状であり、サイズとしては、回転軸線方向を縦幅とたとき、縦3〜8mm、横2〜6mm、厚み0.1〜5mm程度とし、凸部21bが形成された部分の厚みを3mm〜8mm程度とする。
上記凸部21bは、好ましくは蓋体21の回転中心軸側に設ける。凸部21bが回転中心軸から遠い位置にあると、凸部の重量のため回転により大きな力が必要となるからである。なお、蓋体21の厚みが分析装置への再装着を障害できるほどに厚い場合には、蓋体凸部21bは必ずしも必要ではない。
また、この実施の形態1では、注入口および空気排出孔に対する密着性を高めるため、蓋体21の全表面にシリコンゴムからなるゴム材22が施されている。なお、ゴム材は注入口15および空気排出孔8を塞ぐ部分にのみ設けるのもよい。また、蓋体の材質によってはゴム材を施さなくとも十分な密閉性が得られることもあり、この場合にはゴム材は不要である。また、反転後の蓋体は、使用済みであることを視覚的に示すものでもあるので、反転後に上面となる蓋体裏面に、表面と異なる色彩、例えば黄色を施す他、「使用禁止」、「使用済み」などの文字を記載しておくのもよい。このようにしておくと、使用済みチップであることが簡単明瞭に知覚できる。
次に、蓋体収納部20に収納された蓋体を蓋体収納部20より引き起こし、注入口および空気排出孔上に反転させるための要素(ヒンジ部材、伸縮部材、蓋体ストッパー、引張基部)について説明する。
ヒンジ部材23は、蝶番として機能する部材であり、ここではゴム板が使用されている。ヒンジ部材としてのゴム板23は、蓋体収納部20に収納された蓋体21が、蓋基板12の端部と蓋体21との隙間を回転軸として、蓋体裏面が蓋基板12表面に当接するまで約180°回転できるように、蓋基板12の端部と蓋体21の間に跨って張り付けられている。蓋基板および蓋体への張り付けは、蓋基板とゴムの双方に結着する結着剤を用いればよい。ヒンジ部材としてのゴム板としては、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどの合成ゴムや、天然ゴムなどからなるゴム板が使用できる。
伸縮部材24は、蓋体収納部20に収納された蓋体21を引っ張り起こして、蓋体23の裏面を蓋基板12の表面の開口(注入口および空気排出孔)に密着させ、この状態を保持しておく部材である。ここではゴム紐24が使用されており、その一方端が下記する引張基部26に結着され、他方端が蓋体21表面の外方端に結着されている。伸縮部材用のゴム材料としては、上記と同様、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム合成ゴム、ウレタンゴムなどの合成ゴムや天然ゴム材料が例示できる。
また、ゴム紐に代わる伸縮部材24としては、コイルバネ、空気バネなどが例示できる。
引張基部26は、蓋基板12を掘り下げてなる溝からなり、上記ゴム紐24の一方端を結着固定しておく部位である。図1(c)に示すように、この実施の形態では引張基部26となる溝は、蓋体収納部20側の壁面が底窄みに傾斜した斜面(26a)となっており、底面26bにゴム紐24の一方端が結着されている。ここで、引張基部26を、蓋基板12を掘り下げてなる溝とする理由は、蓋基板表面を引張基部とした場合、蓋体23の裏面を蓋基板12に密着させておく引張力を得られ難いからであり、また蓋体収納部20側の壁面を斜面としたのは、蓋体収納部20に収納された蓋体21の引き起こし動作を円滑に行わせるためである。
蓋体ストッパー25は、ゴム紐24の張力に抗して蓋体21を蓋体収納部20内に仮止めしておき、分析チップが分析装置にセッティングされた段階で仮止めが解除されるよう構成された部材である。図1(b)に示すように、この実施の形態では、蓋体ストッパー25は蓋体収納部20の外方側壁面の上端近傍に設けられている。蓋体ストッパー25は仮止めしておく部材であるので、仮止めが必要なくなった時点で容易に仮止めを解除することができる必要がある。
使い捨てを前提とする分析チップにおいては簡単で安価な構造が望まれ、この実施の形態では、蓋体収納部20の外方側壁面の上端近傍にゴム製の突起を設ける方法が採用されている。ゴム製突起からなる蓋体ストッパーはカッターで容易に切断でき、これにより仮止めを解除させることができる。ゴム製突起を切断するカッターは後記する分析装置に設ける。この構成については後記するが、オペレータが自らナイフで蓋体ストッパーを切断することもできる。
上記蓋体ストッパー25は、蓋体収納部20の横側壁面に設けてもよく、また複数箇所に設けてもよい。また、蓋体21の先端の上下に先端を挟むように設けるのもよい。このようにすると、蓋体21の上下方向への揺れが防止できる。また、蓋体ストッパーは、加工設置が簡単で且つ簡単にストッパー機能を解除できるものであればよいが、この要件を満たすものとして、熱溶融性樹脂、水溶性樹脂からなるストッパーが挙げられる。熱溶融性樹脂からなるストッパーは加熱やレーザ光の照射により、また水溶性樹脂からなるストッパーは水滴の噴霧により、それぞれ容易に仮止めが解除できるからである。なお、切断方法がカッターやレーザ光による場合には、常温硬化型樹脂や熱硬化型樹脂、ロウでもよい。
〔分析装置〕
実施の形態1にかかる分析チップを使用する態様について説明する。図2(a)〜(c)に、分析チップ1を分析装置2にセッティングする様子を示す。この分析装置2は、
分析チップ1を蓋体収納部20側を先にしてチップ挿入部40に挿入することによりチップが分析装置にセッティングされる構造になっている。
この分析装置2は、分析目的物を定量定性分析するための光学的ないし電気的な検出手段を備え、更に蓋体ストッパー25の仮止めを解除するストッパー解除部42と、チップの挿入を感知してストッパー解除部にチップの挿入を知らせる信号を発信し、または上記検出手段に分析を開始させる信号を発信するチップ確認部41と、を備える。
上記ストッパー解除部42は、カッター42aを備え、上記チップ確認部41は、チップ確認センサー41aを備える。チップ確認センサー41aとしては、例えば押圧されるとスイッチオンされる押圧ボタンを採用し、チップ挿入部40にチップ1が完全に挿入されたときに押圧される位置に当該押圧ボタンを配置する。この構造により、分析チップ1がチップ挿入部40に挿入されることにより押圧ボタンが押圧され(図2(a)〜b))、これによりチップ確認センサー41aがチップの挿入を感知し、チップ確認部41がチップ確認信号をストッパー解除部42、及び/又は 検出手段の検出制御部(不図示)に送信する。
チップ確認信号がストッパー解除部42に直ちに送信される構成の場合においては、チップ確認信号を受けてストッパー解除部42がカッター42aを駆動させ、蓋体ストッパー25を切断する方向にカッターを押し出す。これによりゴムからなる蓋体ストッパー25が切断され(図2(c))、蓋体21の仮止めが解除されることになるが、チップがチップ挿入部40内に留まっている間は、チップ挿入部40の天井がチップの反転を抑えているので蓋体21の反転はない。測定が終了した段階でオペレータがチップを装置外に取り出した時、蓋体21が起き上がり反転してチップ表面の注入口15および空気排出孔18を塞ぐことになる(図3参照)。
他方、チップ確認信号が上記検出制御部に送信される構成においては、検出制御部がチップ確認信号を受けて検出手段に検出を開始させる。検出手段は、例えばチップの反応物質固定部に光照射し透過光を測定する等して目的物質の定性および/または定量分析を行う。検出制御部は、検出手段の測定が終了した段階、例えば検出手段が検出値を検知した段階で、ストッパー解除信号をストッパー解除部42に送信する。この信号を受けて、上記と同様、ストッパー解除部42がカッター42aを駆動させ、蓋体ストッパー25を切断する方向にカッターを押し出し、蓋体仮止めを解除させる。
ここで、分析チップ挿入部40に使用済みチップを押し出す機構を組み込むこともでき、このようにすると、蓋体仮止めを解除させ後に、自動的に分析チップを押し出させることができる。
なお、後記するがストッパー解除部42は、上記したカッターに代えて、レーザ照射器、ヒーター、水滴噴霧器などを備えた構造とすることもでき、ストッパー解除部42のストッパー解除方式に合わせて、蓋体ストッパーの構造及び材質を選定する。
図4(a)に使用済み分析チップの平面図、(b)にx-x線断面図、(c)にy-y線断面図を示した。この図から明らかなように、分析装置から取り出した分析チップは、注入口15が蓋体21で塞がれているために、検液をチップ内に注入することができない。また、分析装置から取り出した分析チップは、分析装置2に挿入しようとしても、チップ本体上面に蓋体凸部21bが載置され突出しているため、分析装置のチップ挿入部40の差込口に引っかかるので挿入することができない。それゆえ、一度使用した分析チップの再使用が妨げられる。
さらに、注入口15及び空気排出孔18は、蓋体2で蓋されているので、液漏れが起こらない。それゆえ、病原菌などを含む検液に由来する感染などの思わぬ事故を防止することができる。
なお、上記では、チップ設置部の一態様としてチップ挿入部40に分析チップを挿入する態様を示したが、分析装置のチップセッティング方式はこれに限られない。要は蓋体が蓋体収納部に収容された状態にあるときには、セッティング可能であり、蓋体がチップ本体上面に突出した状態のときには、セッティングが不可能となる構造とし、かつ分析チップが適正にセッティングされたときに、チップ確認センサーがこれを確認できる構造とすればよい。
また、分析装置2が備える検出手段は本発明の本質的要素ではない。検出手段は、分析目的物に合わせて適当に選択設定すればよい。よって、検出手段構成についての説明は省略する。
〔実施の形態2〕
実施の形態2の分析チップを図5(a)〜(c)に示す。また、図6にこの分析チップを分析装置に挿入したときの様子を示す。図5(a)は、実施の形態2にかかる分析チップの概略構造を示す平面図であり、図5(b)は、(a)におけるx−x線断面図、図5(c)はy−y線断面図である。また、図6は、分析装置に挿入したときにおけるx−x線断面図である。
図5(a)〜(c)に示すように、実施の形態2にかかる分析チップは、引張基部26と蓋体ストッパー15が上記実施の形態1における場合と異なる。また、図6に示すように、蓋体ストッパー15の切断手段が上記実施の形態1と異なる。これら以外は上記実施の形態1と同様である。
すなわち、図5(c)と図1(c)の比較により明らかなように、実施の形態2では、蓋基板12に形成した引張基部用の貫通穴に続く溝を主基板11に形成し、蓋基板12の表面から主基板12の溝底まで続く穴を引張基部26とする。これにより、実施の形態1の引張基部よりも、チップ表面から底面までの深さを大きくしたので、引張部材24により、より強い引っ張り力を蓋体21に作用させることができる(図5(c))。
また、実施の形態2では蓋体ストッパー25bが、40℃〜80℃で溶融する熱溶融性樹脂で作製されており、また、この蓋体ストッパー25bに対応させて、分析装置2のストッパー解除部にはヒーター42bが設けてある。実施の形態2の分析装置2では、分析チップ1がチップ挿入部40に挿入されると、チップ確認センサー41aのチップ確認信号を受けて、チップ確認部42がヒーター42bに通電しヒーターを加熱する。蓋体ストッパー25bはこの熱で溶かされて、蓋体21の仮止めが解除されることになる(図6)。
図7に使用済みチップのy-y線断面図を示す。図7に示すように、引張基部26の底面からチップ表面までの距離が大きいので、強い引張力を蓋体21に及ぼし続けることができる。これにより反転した蓋体21による注入口15及び空気排出孔18からの液漏れ防止が一層確実なものとなる。
〔実施の形態3〕
実施の形態3の分析チップは、液溜め部14に液体を吸収する吸収材27が充填されている点において、上記実施の形態1と異なり、これ以外は上記実施の形態1と同様の分析チップである。
実施の形態3の分析チップにおけるx-x線断面図を図8に示す。符号27が吸収材である。この分析チップでは、液溜め部14に充填された吸収材27が流れてきた検液等の液体を吸収し保持する。よって、液体の逆流が防止され、注入口15から注入された検液等の液体が上流から下流へスムーズに流れる。また、吸収材27が液体を保持するので、液体が空気排出路へ流れ出ることが防止される。それゆえ、実施の形態3の分析チップは、反転蓋体が注入口15および空気排出孔18を蓋する効果と相まって、使用済みチップからの液漏れが一層確実に防止できる。
〔実施の形態4〕
実施の形態4は、蓋体ストッパー25cが水溶性樹脂で構成され、液溜め部14に吸収材27が充填されている。これ以外は実施の形態1と同様構成の分析チップである。また、この分析チップを使用する実施の形態4にかかる分析装置は、ストッパー解除部42が水滴噴霧装置42cを有し、これ以外は実施の形態1の分析装置2と同様構成である。
図9に、実施の形態4にかかる分析チップが分析装置の分析チップ挿入部40に挿入された様子をx-x線断面図で示す。実施の形態4にかかる分析装置では、分析チップが分析装置に挿入されると、水滴噴霧装置42cが蓋体ストッパー25cに水滴を噴霧する。これにより水溶性樹脂からなる蓋体ストッパー25が溶け、その結果として蓋体仮止めが解除されることになる。その他の事項については実施の形態1に説明したと同様である。
〈実施例1〉
実施例1により、本発明分析チップの実施態様を更に詳しく説明する。実施例1は、上記実施の形態3と同様な形態の分析チップであり、次のようにして作製した。
主基板11として、長さ4.8cm×縦2cm、厚さ1cmのアクリル板を用意した。この主基板11の長手方向端に2cmの端部を蓋体収納部形成用の領域として確保し、その内側から他方端に向かって、幅500μm、深さ50μm、長さ2cmの直線上の流路13用溝を形成した。さらに、流路13用溝の下流には幅40μm、深さ50μm、長さ3mmのバルブ用流路溝30、その下流に、縦5mm×横1cm、深さ100μmの液溜め部14用溝を形成した。
図12に流路系主要部分の平面図を示す。図12に示すように、バルブ用流路溝30には、エレクトロウエッティングバルブ31を配置した。このエレクトロウエッティングバルブ31は、表面に疎水性膜が施された作用電極31aとこの作用電極よりも上流側に配置される疎水性でない参照電極31bからなり、両電極間に電圧が印加されていないとき(バブル閉鎖状態)には、液体が通過できず、電圧が印加されたとき(バブル開放状態)には液体が通過することができる方式のバルブである。
なお、図12では、エレクトロウエッティングバルブ31に電気供給するリード線等は描いていない。また、このバルブ用流路30およびエレクトロウエッティングバルブは必ずしも設けなくともよいが、設けると反応を制御できるので反応効率を高めることができる。
上記液溜め部14用溝に続けて、主基板11に幅40μm、深さ50μm、長さ3mmの第1の空気排出路16を形成し、さらに第1の空気排出路16から注入口15方向に向かって、流路13と平行に幅500μm、深さ50μm、長さ2.5cmの直線状の第2の空気排出路17を形成した。
更に、上記した蓋体収納部形成用領域の外側端に2mmの壁厚を確保し、その内側を掘り下げて、縦1.5cm×横1cm、深さ0.8cmの蓋体収納部20を形成した。さらに蓋体収納部20の注入口15から遠い側の内壁面上方に、ゴム製の蓋体ストッパー25を接着剤で取り付けた。
また、流路13用溝の一部に反応物質固定部19を次のようにして形成した。流路13の下流側の一部に金電極(長さ2mm)をスパッタリング法で形成し、この金電極の上にカルボキシ基を持ったチオールSAM膜を形成した。そして、チオールSAM膜のカルボキシ基と抗体のアミノ基とを化学結合させることにより、抗Cryj−1抗体を固定化した。
他方、蓋基板12として、長さ3cm×縦2cm、厚さ1mmのアクリル板を用意した。この基板に貫通孔からなる注入口15および空気排出孔18を形成した。また、蓋基板12の上流側端部(図1右端)には、蓋体21を反転しやすくするための傾斜を形成するとともに、その内側にゴム紐を固定するための引張基部26用の貫通穴を形成した。
引張基部26用の貫通穴は、図1(c)に示されるように、蓋基板の端部から斜めに掘り下げた片側傾斜穴とした。引張基部26用貫通穴は、注入口15と空気排出孔18を挟むように蓋基板の幅方向の端部に合わせて2個形成した。なお、この穴と主基板12の上面で引張基部26が構成されることになり、斜面は引張部材であるゴム紐が伸縮する際の滑り面となる。
主基板11および蓋基板12をアルブミン水溶液に浸して、流路内にアルブミン膜(非特異吸着防止膜)を形成させた。主基板1と蓋基板2を、バッファー液で十分洗浄し、乾燥させ、主基板11の液溜め部4用溝に吸水性高分子(吸水材)を充填した後、主基板11と蓋基板12とを位置あわせし貼り合わせた。
これとは別に、厚さが8mmのアクリル板を用意し、この板を削って、表面(平坦面)からの平面視で縦13mmcm×横8mmで、凸部以外の厚みが3mmであり、裏面に縦10mm×横2.5mm×高さ5mmの凸部11bを有する蓋体21を一体形成した。この蓋体21の表面(11a)に厚さ1mmのシリコンゴム22を接着剤で張り付けた。この蓋体の形状を図10に示した。
また、引張部材としての2本のゴム紐と、ヒンジ部材としての1枚のゴム板を用意した。そして、2本のゴム紐24のそれぞれの端を、蓋体21のシリコンゴム面22の外方側の端部の左右1箇所にそれぞれ接着剤で接着した。この後、ゴム紐24が付いた蓋体21を、凸部21b側を下方に向けて、主基板11に形成した蓋体収納部20内に収納し、蓋基板12の端部と蓋体24の端部を面一に合わせて、両者を連結するようにヒンジ部材としてのゴム板23を接着剤で張り付けた。
次いで、蓋体収納部20に収納された蓋体21が蓋体ストッパー25で仮止めされた状態を保持させながら、ゴム紐24・24の他方端を前記引張基部26・26底面(主基板上面)に接着剤で接着固定した。接着固定は、十分な張力が得られるようにゴム紐24・24を伸張させた状態で行った。このようにして実施例にかかる分析チップを完成させた。図11に、蓋体21が蓋体収納部20に収納された状態の実施例1にかかる分析チップのy-y線断面図を示した。
上記分析チップを用いる分析装置として、蛍光検出装置を有する分析装置を作製した。
この分析装置の分析チップ挿入部40の最奥には、チップ確認センサーが取り付けられており、最奥から、2.1mmの位置にゴム切断用のカッター42aが配置されている。また、この分析装置には、チップ確認部41のチップ確認信号を受けて測定を開始し、測定が終了した時点でカッター42aを動作させる信号をストッパー解除部に出力する検出制御部(不図示)が具備されている。なお、検出制御部は各動作をプログラムに従って実行する動作制御コンピュータからなる。
上記分析チップおよび分析装置を用いた分析例を示す。pH7.4に調製したリン酸バッファー溶液に、Cryj-1を100ng/mLの濃度に調製し、FITC(フルオレセインイソシアネート)標識抗Cryj-1抗体溶液と混合させものをサンプル溶液とした。サンプル溶液を分析チップの注入口15からチップ内に注入し、3分間放置した。この間はバルブ用流路30により、サンプル溶液の下流側への流れが阻止されている。よって、流路13にサンプル液が溜まり反応物質固定部19での反応が十分に進行する。すなわち、Cryj-1と標識抗Cryj-1抗体の複合体が、反応物質固定部9に固定化された抗Cryj−1抗体と結合して、抗体−抗原―FITC標識抗体の複合体が形成される反応が進行する。
この後、作用電極31aと参照電極31bの間に電圧を印加してバルブ用流路30を開放し液の排出を行った。その後、にバッファー溶液で流路内を洗浄し、余分な標識抗Cryj−1抗体を取り除いた。
次に、反応後の分析チップを分析装置の分析チップ挿入部40に挿入した。これにより、チップ確認センサー41aが分析チップの挿入を感知し、蛍光検出装置が目的物質Cryj−1の測定を開始し、目的物質の測定が行われた。測定が終了したとき、カッター42aが自動的に降下して、ゴム製の蓋体ストッパー25が切断した。この後に分析装置から使用済み分析チップを取り出した。すると、チップの取り出しとほぼ同時に、蓋体21が回転してチップ上面の注入口15及び空気排出孔18上に載置された。
この後、分析装置から取り出した使用済み分析チップを、注入口15側を下にして、24時間放置し液漏れの有無を調べた。その結果、液漏れが確認できなかった。また、この分析チップを再び分析装置に挿入しようとしたが、蓋体凸部11bにより挿入が邪魔され挿入することができないことが確かめられた。
なお、本発明にかかる分析チップは分析装置から取り出した段階で自動的に使用済み分析チップとして再使用不能になるが、例えば分析チップに誤った検液を入れてしまい、分析装置に装着するまでもなく廃棄処分したいなどの場合には、ユーザーが直接蓋体ストッパーをナイフ等で切断してもよい。これにより分析チップを簡単に使用不可な状態とでき、その後の事故を防止することができる。
本発明分析チップによると、使用後廃棄に至るまでの間に検液が漏れ出て、これを知らない第3者が病原菌等に感染する等の事故を予防できる。また、使用済みチップを誤って再使用して誤った分析結果を得るといった分析ミスが予防できるので、本発明の産業上の利用可能性は高い。
1 分析チップ
2 分析装置

11 主基板
12 蓋基板
13 流路
14 液溜め部
15 注入口
16 空気排出路
17 空気排出路
18 空気排出孔
19 反応物質固定部
20 蓋体収納部
21 蓋体
21a 蓋部
21b 凸部
22 ゴム材(シリコンゴム)
23 ヒンジ部材(ゴム板)
24 引張部材(ゴム紐)
25(a〜c) 蓋体ストッパー
26 引張基部
27 吸収材

30 バルブ用流路
31 バルブ
31a 作用電極
31b 参照電極

40 分析チップ挿入部(チップ設定部の一態様)
41 チップ確認部
41a チップ確認センサー
42 ストッパー解除部
42a カッター
42b ヒーター
42c 水滴噴霧器

Claims (16)

  1. 基板と、
    前記基板の一方端側に形成された掘り下げ穴からなる蓋体収納部と、
    前記蓋体収納部よりも内側の基板面上に形成された注入口と、
    前記注入口に連結され、前記蓋体収納部から遠ざかる方向に延びる内部溝からなる流路と、
    前記流路内に設けられた反応物質固定部と、
    前記反応物質固定部よりも下流側に形成された液溜め部と、
    前記注入口よりも下流側でかつ前記流路を避けた位置に形成された掘り下げ溝からなる引張基部と、
    を有し、更に
    前記蓋体収納部に収納される蓋体と、
    前記蓋体の注入口側端部と前記基板面とを繋ぐヒンジ部材と、
    一方端が前記引張基部に結着され、他方端が前記蓋体に結着されて、前記ヒンジ部材の回転軸を中心にし前記蓋体収納部に収納された蓋体を略180回転させて蓋体裏面で前記注入口を蓋するように引っ張り力を作用させる伸縮部材と、
    前記蓋体収納部に設けられ、前記伸縮部材の引っ張り力に抗して前記蓋体を前記蓋体収納部内に仮止めしておく蓋体ストッパーと、
    を備えた分析チップ。
  2. 請求項1に記載の分析チップにおいて、
    前記蓋体裏面には、凸部が形成されている
    ことを特徴とする分析チップ。
  3. 請求項1または2に記載の分析チップにおいて、
    前記ヒンジ部材は、ゴム板からなり、
    前記伸縮部材は、ゴム紐からなる、
    ことを特徴とする分析チップ。
  4. 請求項1ないし3の何れかに記載の分析チップにおいて、
    前記蓋体ストッパーは、熱溶融性樹脂からなる、
    ことを特徴とする分析チップ。
  5. 請求項1ないし3の何れかに記載の分析チップにおいて、
    前記蓋体ストッパーは、水溶性樹脂からなる、
    ことを特徴とする分析チップ。
  6. 請求項1ないし3の何れかに記載の分析チップにおいて、
    前記蓋体ストッパーは、ゴムからなるものである、
    ことを特徴とする分析チップ。
  7. 請求項1ないし6の何れかに記載の分析チップにおいて、
    前記蓋体表面にはゴム材が施されている、
    ことを特徴とする分析チップ。
  8. 請求項1ないし7の何れかに記載の分析チップにおいて、
    前記蓋体収納部に収納された蓋体の上面または蓋体面に施されたゴム面は、前記基板面と同じか又は基板面より引っ込んだ位置にある、
    ことを特徴とする分析チップ。
  9. 請求項1ないし8の何れかに記載の分析チップにおいて、
    前記液溜め部には、液体を吸収する吸収材が充填されている、
    ことを特徴とする分析チップ。
  10. 請求項1ないし9の何れかに記載の分析チップにおいて、
    前記基板内には、前記液溜め部に連通した空気排出路が形成され、
    更に前記基板面には、前記空気排出路に連通した空気排出孔が形成されており、
    当該空気排出孔と前記注入口とが、前記蓋体の起き上がり反転により蓋される、
    ことを特徴とする分析チップ。
  11. 請求項1ないし10の何れか1項に記載された分析チップを用いて分析測定を行う装置であって、
    請求項1ないし10の何れか1項に記載された分析チップを設置するチップ設置部と、
    前記チップ設置部に分析チップが設置されたとき、または前記チップ設置部に分析チップが設置され分析測定が終了したときに、分析チップの蓋体ストッパーによる蓋体仮止めを解除するストッパー解除部と、
    を備えた分析装置。
  12. 請求項11に記載の分析装置において、
    前記チップ設置部が、分析チップが挿入されるチップ収納空間であり、
    前記チップ収納空間の間口が、前記蓋体が反転して前記注入口を蓋した状態における蓋体厚みを含む全チップ厚みよりも狭い、
    ことを特徴とする分析装置。
  13. 請求項11または12に記載の分析装置において、
    前記ストッパー解除部が、前記蓋体ストッパーを機械的に切断するカッターを備える、
    ことを特徴とする分析装置。
  14. 請求項11または12に記載の分析装置において、
    前記ストッパー解除部が、前記蓋体ストッパーを加熱溶融して切断するヒーターを備える、
    ことを特徴とする分析装置。
  15. 請求項11または12に記載の分析装置において、
    前記ストッパー解除部が、前記蓋体ストッパーをレーザ切断するレーザ照射器を備える、
    ことを特徴とする分析装置。
  16. 請求項11または12に記載の分析装置において、
    前記ストッパー解除部が、前記蓋体ストッパーを溶解させて切断する水滴噴霧器を備える、
    ことを特徴とする分析装置。
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