JP2010266208A - 絞り式流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】小流量を高精度で計測し、かつ大流量を低損失で計測できる。
【解決手段】流路1内に絞り2を設け、この絞りの前後の差圧を差圧計測器3によって計測する。絞り2は、固定オリフィス21と、ばね部材23によってこの固定オリフィスに押し付けられる可動オリフィス22とを有する。固定オリフィス21には、第1の中央孔21aと溢流孔21bとが開口する。可動オリフィス22には、第1の中央孔21aより径の大きい第2の中央孔22aが開口する。小流量の場合には、径の小さい第1の中央孔21aを流体が高速で通過するため、精度良く流量を計測できる。大流量の場合には、固定オリフィス21と可動オリフィス22との間に隙間24が生じ、絞り2の流路面積が拡大する。このため圧力損失が過大になることを回避しつつ流量を計測できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、絞り式流量計に関し、特に計測する流量の範囲が広い流量計に関する。
従来から、気体あるいは液体の流量を計測する手段として、絞り式流量計が多用されている。この絞り式流量計は、流路内にオリフィス、ノズル、またはベンチュリー管等の絞りを設けて、この絞りの上流側と下流側とにおいて気体あるいは液体の静圧を計測し、両者の差圧から流量を求める。
ところで絞りにおける差圧は、絞りを通過する流速のほぼ二乗、すなわち流量のほぼ二乗に比例するため、流量の増加にしたがって急激に増大する。このため計測する流量の範囲が広い場合には、次の問題が生じる。すなわち流量が少ない場合に精度良く計測するためには、絞りの流路面積を小さくして絞りを通過する流速を高め、これにより精度良く計測できる程度の差圧を生じさせる必要があるが、絞りにおける圧力の損失は、流速の二乗に比例するため、流量が多くなると、圧力の損失が急激に大きくなってしまう。逆に流量が多いときの圧損をある程度抑えるために、絞りの流路面積を大きくして絞りを通過する流速が過大にならないようにすると、流量が少ない場合には、差圧が少なくなり、流量を精度良く計測することが困難となる。このように絞りの流路面積が固定の場合は、小流量を高精度で計測し、かつ大流量を低損失で計測することは、相互に矛盾するために困難となる。
このような問題を回避しつつ、広い流量の範囲の計測が可能な流量計が各種提案されている。例えば流量が少ない場合と多い場合とで、絞りの流路面積が異なる2種類のオリフィスを交換する手段であって、このオリフィスの交換を容易にするものがある(例えば特許文献1参照。)。また流路が円形のオリフィスに、先細の可動コアの先端部を挿入して、この可動コアを流れ方向に移動することによって、オリフィスと可動コアの先端部との隙間を増減し、これにより絞りの流路面積を可変にする手段がある(例えば特許文献2参照。)。
またオリフィスの流路を正三角形にして、この正三角形の一辺に可動平板を重ね、この可動平板をスライドすることによって、正三角形の面積を可変にする手段がある(例えば特許文献3参照。)。さらにバイパス流路を設けて、大流量の場合にはオリフィスによって計測し、小流量の場合にはバイパス流路に切替えて、例えばタービン型流量計によって計測する手段がある(例えば特許文献4参照。)。
特開平6−174510号公報(第2頁、第1図) 特開平10−90027号公報(第2−3頁、第1図) 特開2008−224466号公報(第4頁、第2図) 特開平6−174510号公報(第2頁、第1図)
しかしながら、上述した手段には、いずれも改良すべき点がある。すなわち特許文献1に記載された手段では、2種類のオリフィスを交換する手間が必要となる。また特許文献2及び3に記載された手段では、オリフィスの流路面積を替えるための機材、例えばアクチュエータとその制御機器とが必要となると共に、構成が複雑になり、製造コストが嵩む。さらに特許文献4に記載された手段では、バイパス経路、2種類の流量計、及び流路の切替え手段が必要となり、構成が複雑になると共に、製造コストが嵩む。
そこで本発明の目的は、小流量を高精度で計測し、かつ大流量を低損失で計測可能な絞り式流量計を、低コストで提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明による絞り式流量計の第1の特徴は、流路内に設けた絞りと、この絞りの前後の差圧を計測する差圧計測器とを備え、この絞りは、この流路内に固定された固定オリフィスと、この固定オリフィスの下流側において、この流路内に摺動自在に挿入された可動オリフィスと、この流路内に挿着されると共に、この可動オリフィスを固定オリフィスに押し付けるばね部材とを有していることにある。
上記固定オリフィスは、中央部に開口する第1の中央孔と、この第1の中央孔の周囲に開口する溢流孔とを有し、上記可動オリフィスの中央部には、上記第1の中央孔より径の大きい第2の中央孔が開口している。上記ばね部材の押し付け力は、流量が所定の値を超えるときに上記可動オリフィスが固定オリフィスから離れる値に設定してある。
そして上記可動オリフィスが固定オリフィスに押し付けられているときには、流体は、この固定オリフィスの第1の中央孔及びこの固定オリフィスに接する上記可動オリフィスの第2の中央孔を通過する。上記可動オリフィスが固定オリフィスから離れているときには、上記流体は、この固定オリフィスの第1の中央孔と溢流孔との双方、この固定オリフィスと可動オリフィスとの隙間及びこの可動オリフィスの第2の中央孔を通過する。
本発明による絞り式流量計の第2の特徴は、流路内に設けた絞りと、この絞りの前後の差圧を計測する差圧計測器とを備え、この絞りは、この流路内に固定された固定オリフィスと、この固定オリフィスの下流側面に突設された筒状部材と、この筒状部材の内周面に摺動自在に挿入された可動オリフィスと、この筒状部材内に挿着されると共に、この可動オリフィスを固定オリフィスに押付けるばね部材とを有していることにある。
上記固定オリフィスの中央部には、第1の中央孔が開口し、上記筒状部材は、上記第1の中央孔の径より大きい内径を有している。上記筒状部材の周壁には、この筒状部材の上流側部分において溢流孔が開口し、上記可動オリフィスの中央部には、上記第1の中央孔より径の小さい第2の中央孔が開口している。上記ばね部材の押し付け力は、流量が所定の値を超えるときに、上記可動オリフィスが固定オリフィスから離れる値に設定してある。
そして上記可動オリフィスが固定オリフィスに押し付けられているときには、流体は、この固定オリフィスの第1の中央孔及びこの固定オリフィスに接する上記可動オリフィスの第2の中央孔を通過する。上記可動オリフィスが固定オリフィスから離れているときには、上記流体は、この固定オリフィスの第1の中央孔、この固定オリフィスと可動オリフィスとの隙間、及び上記筒状部材の溢流孔とこの可動オリフィスの第2の中央孔とを通過する。
上記流体は、水、または水と泡原液との混合流体のいずれかからなる消火液であって、この消火液が混合流体のときには、この混合流体の流量は、上記所定の値を超えない範囲になるように構成してもよい。
ここで「絞り」とは、流体の通過面積を小さくした流路を意味する。「差圧を計測する差圧計測器」は、複数位置の圧力の相違を計測できるものであれば、その形式を問わない。例えばU字管のような目視で計測するもの、絞り前後の圧力を電気信号に変換して、両者の電気信号の相違から差圧を表示するように自動計測するものが該当する。「オリフィス」とは、広く流体が通過する開口孔や開口スリットを有する機材を意味するが、開口孔や開口スリットの形状、及び数を問わない。また開口孔や開口スリットが設けてあれば、平板形状に限らず、先端部が下流側に向く円錐台等の三次元的な形状も含む。
「ばね部材」は、材質や形状は問わない。例えばコイルスプリング、リング状の皿ばねを積層したもの、板ばね、あるいは空気ばね等が該当する。「溢流孔」の形状や数は問わない。複数個の円形の開口孔を円周方向に等間隔で配置したもの、円周に沿う円弧状の開口スリット、あるいは円筒の周壁に設けた開口孔や開口スリット等が該当する。「筒状部材」は、固定オリフィスと同一部材で一体的に形成したものの他、固定オリフィスとは別部材であって、固定オリフィスに溶接等で連結したものも含む。また円筒に限らず、断面が多角形の筒も含む。
「筒状部材の上流側部分」とは、固定オリフィスの下流側面に接する筒状部材の端面から、所定の距離を隔てた下流側の位置までの領域を意味する。すなわち溢流孔が、固定オリフィスの下流側面に接する筒状部材の端面から下流側に向かって切り欠いたスリットの場合に限らず、この端面との間に所定の間隔を隔てて開口している場合も含む。「泡原液」とは、水と空気とを加えて混合することによって、空気の気泡を発生させる物質を意味し、例えば合成界面活性剤、泡消火薬剤、水成膜泡消火薬剤、蛋白質消火薬剤、及びフッ素蛋白消火薬剤が該当する。
流量が少ないときには、ばね部材によって、可動オリフィスが固定オリフィスに押し付けられて重なっているため、固定オリフィスに開口する第1の中央孔、または可動オリフィスに開口する第2の中央孔のうち、径の小さい方の中央孔が、絞り流路面積が最少となる。したがって径の小さい方の中央孔の径を、十分小さくすれば、小流量のときでも大きな差圧が生じるため、精度良く小流量の計測が可能となる。
流量が多いときには、可動オリフィスに掛かる流体の圧力が増大し、この流体の圧力がばね部材の押し付け力を上回と、可動オリフィスが固定オリフィスの下流面から離れて、両者の間に隙間が形成される。この隙間は、流量の増加に伴って広くなっていく。かかる場合には、流体は、径の小さい方の中央孔だけでなく、可動オリフィスと固定オリフィスとの間隙を経由して、固定オリフィスまたは筒状部材に開口する溢流孔も通過するようになるため、絞り流路面積が大きくなる。したがって流量が多いときでも、絞り流路における流速は過大にならず、圧損の増加を抑制できる。また計測範囲が広い高価な差圧計測器を使用することを回避できる。
小流量を計測するときの絞り式流量計の概略断面図である。 大流量を計測するときの絞り式流量計の概略断面図である。 可動オリフィスに重ねた固定オリフィスの正面図である。 小流量を計測するときの他の絞り式流量計の概略断面図である。 大流量を計測するときの他の絞り式流量計の概略断面図である。 絞り式流量計を適用した消火器の構成図である。 差圧と流量との関係の計測結果を示すグラフである。
図1〜図5を参照しつつ、本発明による絞り式流量計の構成を説明する。さて図1〜図3に示す絞り式流量計は、円形断面のステンレス管からなる流路1の内側に設けた絞り2と、この絞りの前後の差圧を計測する差圧計測器3とを備えている。絞り2は、流路1の内壁に溶接で固定された固定オリフィス21と、この固定オリフィスの下流側において、この流路の内壁に摺動自在に挿入された可動オリフィス22と、この流路内に挿着されると共に、この可動オリフィスを固定オリフィスに押し付けるコイルスプリング状のばね部材23とを有している。
なお差圧を計測する差圧計測器3は、絞り2を挟んで上流側と下流側とにおいて、それぞれ流路1の周壁に取り付けた圧力トランスデューサ31,31と、この圧力トランスデューサからの電圧の相違に基づいて、両者間の差圧を表示する差圧表示計32とを備えている。なおばね部材23は、可動オリフィス22と、流路1の内壁に設けたリング状のフランジ部11との間に、所定の長さだけ圧縮された状態で挿着されている。
図3に示すように、固定オリフィス21は、ステンレス製の板状部材であって、軸芯を中心として開口する第1の中央孔21aと、この第1の中央孔の周囲に、90度ずつ隔てて開口する4個の溢流孔21bとを有している。可動オリフィス22も、ステンレス製の板状部材であって、軸芯を中心として開口する第2の中央孔22aを有している。可動オリフィス22の第2の中央孔22aの直径は、固定オリフィス21の第1の中央孔21aの直径より大きくしてある。またばね部材23の押し付け力は、流量が所定の値を超えるときに、可動オリフィス22が固定オリフィス21の下流側面から離れる値に設定してある。
次に図1と図2とを参照しつつ、上述した絞り式流量計の動作を説明する。流体の流量が少ない場合は、図1に示すように、ばね部材23によって、可動オリフィス22が固定オリフィス21に押し付けられており、両者は重なって密着している。したがって、固定オリフィス21の溢流孔21bは、可動オリフィス22によって塞がれており、この固定オリフィスの第1の中央孔21aが、絞り2における最小流路面積となっている。したがって最小流路面積となる第1の中央孔21aの直径を小さくすれば、流量が少ない場合においても、この第1の中央孔を通過する流速を早くすることができる。したがって絞り2を挟んで十分な差圧が生じるため、小流量のときでも高精度な計測が可能となる。
図1に示す構成において、流体の流量が増加していくと、最小流路面積となる第1の中央孔21aの流速は、ほぼ流量に比例して増大し、この第1の中央孔における圧力損失は、通過する流速の二乗に比例して増大する。したがって固定オリフィス21の上流側の流体圧力が、可動オリフィス22の下流側の流体圧力より急激に高くなる。このため固定オリフィス21の溢流孔21bにおいて、可動オリフィス22を下流側に向かって押す力が増大する。流量が増大するに伴い、可動オリフィス22を下流側に向かって押す力はさらに増大し、ばね部材23の押し付け力より大きくなると、図2に示すように、可動オリフィス22が固定オリフィス21から離れて、両者の間に軸方向の隙間24が開くようになる。
図2に示すように、固定オリフィス21と可動オリフィス22との間に軸方向の隙間24が開くと、流体は、この固定オリフィスの溢流孔21bからも、この隙間を経由して、この可動オリフィスの第2の中央孔22aを通過するようになる。したがってこの状態における絞り2の最小流路面積は、固定オリフィス21の第1の中央孔21aと、溢流孔21b又は隙間24の流路面積が少ない方とを加えたものとなり、この絞りの最小流路面積は、不連続的に拡大する。なお流体の流量がさらに増加していくと、隙間24が広がるため、絞り2の最小流路面積は、さらに拡大する。したがって、流量が多いときでも、絞り2における流速が過大になることが抑制でき、この絞りにおける圧力損失の増加を回避できる。
次に図4〜図5を参照しつつ、絞り式流量計の他の形態を説明する。なお図1〜図3に示した構成部品や部位と同等のものは、参照の便宜等のため、図1〜図3に示した符号に一律100を加えた符号にしている。さて図4に示すように、この絞り式流量計は、円形断面のステンレス管からなる流路101の内側に設けた絞り102と、この絞りの前後の差圧を計測する差圧計測器103とを備えている。絞り102は、流路101の内壁に溶接で固定された固定オリフィス121と、この固定オリフィスの下流側面に突設された筒状部材125と、この筒状部材の内周面に摺動自在に挿入された可動オリフィス122と、この筒状部材内に挿着されると共に、この可動オリフィスを固定オリフィスに押し付けるコイルスプリング状のばね部材123とを有している。
なお差圧を計測する差圧計測器103は、絞り102を挟んで上流側と下流側とにおいて、それぞれ流路101の周壁に取り付けた圧力トランスデューサ131,131と、この圧力トランスデューサからの電圧の相違に基づいて、両者間の差圧を表示する差圧表示計132を備えている。
図4に示すように、固定オリフィス121は、ステンレス製の板状部材であって、軸芯を中心として開口する第1の中央孔121aを有している。筒状部材125は、円形断面のステンレス管からなり、内壁の下流端にリング状のフランジ部125bが形成してある。なおばね部材123は、可動オリフィス122と、筒状部材125のフランジ部125bとの間に、所定の長さだけ圧縮された状態で挿着されている。また筒状部材125は、固定オリフィス121の第1の中央孔121aより大きい内径を有し、この筒状部材の周壁には、4個の矩形の溢流孔125aが開口している。
可動オリフィス122も、ステンレス製の板状部材であって、軸芯を中心として開口する第2の中央孔122aを有している。可動オリフィス122の第2の中央孔122aは、固定オリフィス121の第1の中央孔121aの直径より小さくしてある。またばね部材123の押し付け力は、流量が所定の値を超えるときに、可動オリフィス122が固定オリフィス121の下流側面から離れる値に設定してある。
次に図4と図5とを参照しつつ、上述した絞り式流量計の動作を説明する。流体の流量が少ない場合は、図4に示すように、ばね部材123によって、可動オリフィス122が固定オリフィス121に押し付けられており、両者は重なって密着している。したがって、可動オリフィス122の、径の小さい第2の中央孔122aが、絞り102における最小流路面積となっている。このため最小流路面積となる第2の中央孔122aの直径を小さくすれば、流量が少ない場合においても、この第2の中央孔を通過する流速を早くすることができる。したがって絞り102を挟んで十分な差圧が生じるため、小流量のときでも高精度な計測が可能となる。
図4に示す構成において、流体の流量が増加していくと、最小流路面積となる第2の中央孔122aの流速は、ほぼ流量に比例して増大し、この第2の中央孔における圧力損失は、通過する流速の二乗に比例して増大する。したがって固定オリフィス121の第1の中央孔121aの範囲において、可動オリフィス122の上流側面に掛かる圧力が、下流側面に掛かる圧力より急激に高くなり、この可動オリフィスを下流側に向かって押す力が増大する。流量が増大するに伴い、可動オリフィス122を下流側に向かって押す力はさらに増大し、ばね部材123の押し付け力より大きくなると、図5に示すように、可動オリフィス122が固定オリフィス121から離れて、両者の間に軸方向の隙間124が開くようになる。
なお図5は、図4に示す絞り102を、90度回転させた場合の断面を示している。図5に示すように、固定オリフィス121と可動オリフィス122との間に軸方向の隙間124が開くと、流体は、この隙間と筒状部材125の溢流孔125aとを経由して、この筒状部材の外側に流れるようになる。したがってこの状態における絞り102の最小流路面積は、可動オリフィス122の第2の中央孔122aと、溢流孔125aのうち、この可動オリフィスが後退して開口した部分とを加えたものとなり、この絞りの最小流路面積は、不連続的に拡大する。なお流体の流量がさらに増加すると、隙間124が広がるため、絞り102の最小流路面積は、さらに拡大する。したがって、流量が多いときでも、絞り102における流速が過大になることが抑制でき、この絞りにおける圧力損失の増加を回避できる。
ところで従来から、石油タンクや化学工場等の火災の消火には、水が使用できないため、消火用泡による消火が行われている。この消火用泡を作り出す方法として、「自由混合型」と「高圧の予混合型」との2通りの型が有る。ここで「高圧の予混合型」は、泡原液と水と空気との混合液に乱流を発生させて、これにより微細で均一な泡を発生させ、この発泡させた消火用泡を放出ノズルから放出する。
消防車等に搭載される消火器は、通常同一の消火ノズルを使用して、消火対象に応じて、水だけを放射する場合と、消火用泡を放射する場合とを切り替えることができる。ここで消火用泡を放射する場合の流量は、水だけを放射する場合に較べて、かなり少量で足りるが、空気を混合させて発泡させる前の泡原液の流量を、正確に制御する必要があり、このため泡原液の流量を高精度に計測する必要がある。なお水だけを単独で放射する場合は、流量を高精度で計測する必要はない。
図6に、消火液として水だけを放射する場合と、消火用泡を放射する場合を切り替えることができる消火器に、図1〜図3に示す絞り式流量計を適用した形態を示す。図6に示すように、この消火器は、図中左端において、水タンクあるいは外部水源等からポンプPによって水を供給し、この水は、本発明による絞り式流量計及び発泡器を介して、噴射ノズルに至る。また水の供給位置と絞り式流量計との間において、泡原液が、開閉弁1を介してポンプPによって供給される。さらに絞り式流量計と発泡器との間において、空気が開閉弁2を介してポンプPによって供給される。
水だけで消火する場合には、開閉弁1及び開閉弁2を閉じて、噴射ノズルから水だけを噴射する。この水だけで消火する際は、流量が多くなると、絞り2では、上述したように、固定オリフィス21と可動オリフィス22との間に隙間24が生じて、絞り流路面積が大きくなる。このため流量が多くなっても、絞り2において、圧力損失が過大になることを回避することができる。なお流量が少ないうちは、上述したように、直径が小さい方の第1の中央孔21aが、最少の絞り流路面積となるが、流速が遅いため、大きな圧力損失は生じない。
消火用泡で消火する場合には、開閉弁1及び開閉弁2を開いて、水に泡原液と空気とを加え、発泡器において発泡させて、消火用泡を噴射ノズルから噴射する。
消火用泡で消火する場合には、少ない流量で足りるが、細かく均一な泡を発泡させるためには、水に泡原液を加えた混合液の流量を正確に計測し、適正な量の空気を供給する必要がある。しかるに水に泡原液を加えた混合液は、小流量で足りるため、絞り2では、上述したように、固定オリフィス21と可動オリフィス22とが密着した状態となる。
したがって直径が小さい方の第1の中央孔21aが、最少の絞り流路面積となる。そこでこの第1の中央孔21aの直径を小さくしておけば、流量が少ない場合においても、この第2の中央孔を通過する流速を早くすることができる。したがって絞り2を挟んで十分な差圧が生じるため、水に泡原液を加えた小流量の混合液を、高精度に計測することができる。
すなわち少量の消火用泡によって消火する場合には、小さな流路面積の絞り2によって、水に泡原液を加えた小流量の混合液を、高精度に計測することができ、
多量の水だけで消火する場合には、この絞りの流路面積が広がることによって、圧力損失が過大になることを回避できる。
なお水、泡原液、及び空気の供給量は、ポンプPの回転数を変えることによって増減する。また発泡器では、流路を狭めて乱流を生じさせ、この乱流によって、水、泡原液、及び空気を十分攪拌混合して、発泡させる。
なお図4と図5に示した絞り式流量計を、上述した消火器に適用することも容易にできる。
図7に、図4〜図5に示した絞り式流量計について、流量(L/min)と絞り102の前後の差圧(MPa)を計測した結果を示す。なお固定オリフィス121の第1の中央孔121aの径は、52mmである。可動オリフィス122の外径は54mm、第2の中央孔122aの径は26mmであり、溢流孔125aの流路面積は約2300mmである。ばね部材123のばね定数は、0.829Kgf/mmであって、図4に示す初期圧縮量を、8mmと15.5mmとの2とおりに変えて計測した。
図7に示すように、流量と差圧との関係は、流量が少ない場合には、差圧が2次曲線的に増加し、所定の流量範囲において高い感度を示す。一方、所定の流量範囲を超えると流量に対する差圧の増加率が大幅に小さくなり、低い圧損を示す。
すなわち流量が少ない場合には、可動オリフィス122の小さな流路面積の第2の中央孔122aのみによる差圧が計測され、流量が所定の値を超えると、固定オリフィス121とこの可動オリフィスとの間に隙間124が生じて、流路面積が不連続に拡大することが確かめられた。
本発明による絞り式流量計は、小流量を高精度で計測し、かつ大流量を低損失で計測可できるため、流量計に関する産業に広く利用可能である。
1、101 流路
2、102 絞り
21、121 固定オリフィス
21a、121a 第1の中央孔
21b 溢流孔
22 可動オリフィス
22a、122a 第2の中央孔
23、123 ばね部材
24、124 隙間
125 筒状部材
125a 溢流孔
3、103 差圧計測器
31、131 圧力計
32、132 差圧計

Claims (3)

  1. 流路内に設けた絞りと、この絞りの前後の差圧を計測する差圧計測器とを備え、
    上記絞りは、上記流路内に固定された固定オリフィスと、この固定オリフィスの下流側においてこの流路内に摺動自在に挿入された可動オリフィスと、この流路内に挿着されると共にこの可動オリフィスを固定オリフィスに押し付けるばね部材とを有し、
    上記固定オリフィスは、中央部に開口する第1の中央孔と、この第1の中央孔の周囲に開口する溢流孔とを有し、
    上記可動オリフィスの中央部には、上記第1の中央孔より径の大きい第2の中央孔が開口し、
    上記ばね部材の押し付け力は、流量が所定の値を超えるときに上記可動オリフィスが固定オリフィスから離れる値に設定してある
    ことを特徴とする絞り式流量計。
  2. 流路内に設けた絞りと、この絞りの前後の差圧を計測する差圧計測器とを備え、
    上記絞りは、上記流路内に固定された固定オリフィスと、この固定オリフィスの下流側面に突設された筒状部材と、この筒状部材の内周面に摺動自在に挿入された可動オリフィスと、この筒状部材内に挿着されると共に、この可動オリフィスを固定オリフィスに押付けるばね部材とを有し、
    上記固定オリフィスの中央部には、第1の中央孔が開口し、
    上記筒状部材は、上記第1の中央孔の径より大きい内径を有し、
    上記筒状部材の周壁には、この筒状部材の上流側部分において溢流孔が開口し、
    上記可動オリフィスの中央部には、上記第1の中央孔より径の小さい第2の中央孔が開口し、
    上記ばね部材の押し付け力は、流量が所定の値を超えるときに、上記可動オリフィスが固定オリフィスから離れる値に設定してある
    ことを特徴とする絞り式流量計。
  3. 請求項1または2のいずれかにおいて、上記流体は、水、または水と泡原液との混合流体のいずれかからなる消火液であって、
    上記消火液が混合流体のときには、この混合流体の流量は、上記所定の値を超えない範囲である
    ことを特徴とする絞り式流量計。
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