JP2010265689A - 床形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】手間を掛けずに、より経済的にプレキャスト合成床を形成できるようにする。
【解決手段】大梁2で囲まれた床設置範囲Hに、小梁3を配置し、その上に多数のプレキャスト床版4を並べて配置し、プレキャスト床版4の上にコンクリートスラブ5を打設してプレキャスト合成床6を形成する床形成方法であって、プレキャスト床版4を配置する工程の初期の段階で、該当するプレキャスト床版4を、大梁2と小梁3とに緊結する。
【選択図】図1
【解決手段】大梁2で囲まれた床設置範囲Hに、小梁3を配置し、その上に多数のプレキャスト床版4を並べて配置し、プレキャスト床版4の上にコンクリートスラブ5を打設してプレキャスト合成床6を形成する床形成方法であって、プレキャスト床版4を配置する工程の初期の段階で、該当するプレキャスト床版4を、大梁2と小梁3とに緊結する。
【選択図】図1
Description
本発明は、大梁で囲まれた床設置範囲に、小梁を配置し、その上に多数のプレキャスト床版を並べて配置し、前記プレキャスト床版の上にコンクリートスラブを打設してプレキャスト合成床を形成する床形成方法に関する。
従来、この種の床形成方法としては、図5に示すように、大梁2で囲まれた中央部に小梁3を設置すると共に、小梁3と大梁2とにわたって、孫梁20(又は火打ち梁)を設置した状態で、それらの上にプレキャスト床版4を並べて配置していた。
また、プレキャスト床版4をすべて配置した後、大梁2や小梁3にプレキャスト床版4を固定し、それらプレキャスト床版4の上にコンクリートスラブを打設して一体化を図ることでプレキャスト合成床を形成していた(例えば、特許文献1〜2、非特許文献1参照)。
因みに、前記小梁の設計は、上方のプレキャスト合成床のコンクリート強度が発現されることを加味して行われているもので、コンクリートの打設中(又は養生中)においては、プレキャスト合成床の強度を期待できないから、小梁への荷重が一時的に増加し、横座屈を生じる危険性がある。従って、この横座屈を防止する意味で、前記孫梁(又は火打ち梁)が設置されている。
尚、この様な従来技術に関しては、当業者の間で広く知られているものであるが、該当する床形成方法に関して詳しく言及した特許文献などは見あたらないので、先行技術文献は示していない。
また、プレキャスト床版4をすべて配置した後、大梁2や小梁3にプレキャスト床版4を固定し、それらプレキャスト床版4の上にコンクリートスラブを打設して一体化を図ることでプレキャスト合成床を形成していた(例えば、特許文献1〜2、非特許文献1参照)。
因みに、前記小梁の設計は、上方のプレキャスト合成床のコンクリート強度が発現されることを加味して行われているもので、コンクリートの打設中(又は養生中)においては、プレキャスト合成床の強度を期待できないから、小梁への荷重が一時的に増加し、横座屈を生じる危険性がある。従って、この横座屈を防止する意味で、前記孫梁(又は火打ち梁)が設置されている。
尚、この様な従来技術に関しては、当業者の間で広く知られているものであるが、該当する床形成方法に関して詳しく言及した特許文献などは見あたらないので、先行技術文献は示していない。
上述した従来の床形成方法によれば、プレキャスト合成床の形成途中における小梁の横座屈防止のためだけに孫梁等の補強策を講じる必要があり、手間が掛かると共に、コストアップにもつながっている問題点がある。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、手間を掛けずに、より経済的にプレキャスト合成床を形成できる床形成方法を提供するところにある。
本発明の第1の特徴構成は、大梁で囲まれた床設置範囲に、小梁を配置し、その上に多数のプレキャスト床版を並べて配置し、前記プレキャスト床版の上にコンクリートスラブを打設してプレキャスト合成床を形成する床形成方法であって、前記プレキャスト床版を配置する工程の初期の段階で、該当するプレキャスト床版を、前記大梁と前記小梁とに緊結するところにある。
本発明の第1の特徴構成によれば、前記プレキャスト床版を配置する工程の初期の段階で、該当するプレキャスト床版を、前記大梁と前記小梁とに緊結するから、小梁に多くのプレキャスト床版の重量が作用する前に、小梁の一部を、緊結したプレキャスト床版で支持することで支持スパンを短くできる。
従って、それ以後、設置されるプレキャスト床版やコンクリートスラブの重量が小梁に作用しても、短いスパンで支持されている小梁は、横座屈に対する耐力が向上しており、従来のように、孫梁や火打ち梁を設置しなくても、初期の段階で設置されたプレキャスト床版によって横座屈を防止することができる。
その結果、手間を掛けずに、より経済的にプレキャスト合成床を形成することができる。
従って、それ以後、設置されるプレキャスト床版やコンクリートスラブの重量が小梁に作用しても、短いスパンで支持されている小梁は、横座屈に対する耐力が向上しており、従来のように、孫梁や火打ち梁を設置しなくても、初期の段階で設置されたプレキャスト床版によって横座屈を防止することができる。
その結果、手間を掛けずに、より経済的にプレキャスト合成床を形成することができる。
本発明の第2の特徴構成は、前記大梁と前記小梁とに前記工程の初期の段階で緊結するプレキャスト床版は、小梁の中央部分に位置させるプレキャスト床版であるところにある。
本発明の第2の特徴構成によれば、小梁が最も横座屈を生じ易い部分である中央部分を、前記プレキャスト床版によって支持するから、効率よく座屈防止を図ることができる。
また、小梁の支持スパンを、均等にでき、何れか一方の支持スパンで小梁の横座屈が生じ易いといったことを防止でき、小梁の全長にわたって均一な横座屈防止効果を得ることができる。
また、小梁の支持スパンを、均等にでき、何れか一方の支持スパンで小梁の横座屈が生じ易いといったことを防止でき、小梁の全長にわたって均一な横座屈防止効果を得ることができる。
本発明の第3の特徴構成は、前記プレキャスト床版に、前記小梁に対する取付金具を、予め一体的に設けておき、前記プレキャスト床版を前記大梁と前記小梁とにわたって配置した後、前記取付金具によって前記プレキャスト床版を前記大梁と前記小梁とに固定するところにある。
本発明の第3の特徴構成によれば、取付金具をプレキャスト床版に予め一体的に設けておくから、プレキャスト床版の設置時には、その作業を実施する必要がなく、現地における作業時間の短縮化を図り、床形成作業の効率を向上させることができる。
また、プレキャスト床版に対する取付金具の一体化は、例えば、工場生産時に実施することも可能であるから、量産体制によって、品質の向上やコストダウンを叶えることも可能となる。
また、プレキャスト床版に対する取付金具の一体化は、例えば、工場生産時に実施することも可能であるから、量産体制によって、品質の向上やコストダウンを叶えることも可能となる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
図1は、本発明の床形成方法によって形成した床Fを示している。
前記床Fは、隣接する柱1にわたって設置された夫々の大梁2と、前記大梁2で囲まれた床設置範囲Hに設置された小梁3とによって支持されている(図2参照)。
また、床Fは、前記大梁2と小梁3にわたって並設状態に設置された複数のプレキャスト床版4と、その上にコンクリートを打設して形成されたコンクリートスラブ5とが一体となったプレキャスト合成床6として構成されている。
また、床Fは、前記大梁2と小梁3にわたって並設状態に設置された複数のプレキャスト床版4と、その上にコンクリートを打設して形成されたコンクリートスラブ5とが一体となったプレキャスト合成床6として構成されている。
前記柱1、大梁2、小梁3のそれぞれは、H形鋼によって構成されている。
前記プレキャスト床版4は、当該実施形態においては、図2に示すように、長方形の形状に成形したものを例に挙げて説明する。
前記プレキャスト床版4は、図3に示すように、複数の貫通穴4aが、幅方向に間隔をあけて、それぞれ長手方向に沿って形成されている。貫通穴4aは、プレキャスト床版4の端面に開口する状態に形成されている。
この貫通穴4aには、図に示すような取付金具7の基端部が挿通されてモルタルによって固着されている。この取付金具7は、工場生産の段階で固着されていることに限らず、現場によって固着される場合もある。
プレキャスト床版4を前記大梁2や小梁3に固定するには、プレキャスト床版4を前記大梁2や小梁3の上に載置した状態で、取付金具7の先端部を溶接によって前記大梁2や小梁3に固定する方法がとられる。
前記プレキャスト床版4は、図3に示すように、複数の貫通穴4aが、幅方向に間隔をあけて、それぞれ長手方向に沿って形成されている。貫通穴4aは、プレキャスト床版4の端面に開口する状態に形成されている。
この貫通穴4aには、図に示すような取付金具7の基端部が挿通されてモルタルによって固着されている。この取付金具7は、工場生産の段階で固着されていることに限らず、現場によって固着される場合もある。
プレキャスト床版4を前記大梁2や小梁3に固定するには、プレキャスト床版4を前記大梁2や小梁3の上に載置した状態で、取付金具7の先端部を溶接によって前記大梁2や小梁3に固定する方法がとられる。
次に、プレキャスト合成床6の形成手順について説明する。
[1] 前記大梁2と前記小梁3とにわたってプレキャスト床版4を載置する。その際、初めに載置する平面視での位置は、小梁3の中央部分である。そして、少なくとも、最初に載置したプレキャスト床版4は、直ちに前記取付金具7を介して大梁2と小梁3とに固着する(図2参照)。
こうすることによって、小梁3に多くのプレキャスト床版4の重量が作用する前に、小梁3の一部を、緊結したプレキャスト床版4で支持でき、小梁3の支持スパンを短くできる。従って、それ以後、小梁3は、横座屈に対する耐力が向上する。
[2] 残りのプレキャスト床版4も大梁2・小梁3上に載置すると共に、前記取付金具7で固着する。
[3] プレキャスト床版4の上にコンクリートを打設してコンクリートスラブ5を形成し、前記プレキャスト床版4とコンクリートスラブ5との一体物であるプレキャスト合成床6を形成する(図1参照)。
[1] 前記大梁2と前記小梁3とにわたってプレキャスト床版4を載置する。その際、初めに載置する平面視での位置は、小梁3の中央部分である。そして、少なくとも、最初に載置したプレキャスト床版4は、直ちに前記取付金具7を介して大梁2と小梁3とに固着する(図2参照)。
こうすることによって、小梁3に多くのプレキャスト床版4の重量が作用する前に、小梁3の一部を、緊結したプレキャスト床版4で支持でき、小梁3の支持スパンを短くできる。従って、それ以後、小梁3は、横座屈に対する耐力が向上する。
[2] 残りのプレキャスト床版4も大梁2・小梁3上に載置すると共に、前記取付金具7で固着する。
[3] プレキャスト床版4の上にコンクリートを打設してコンクリートスラブ5を形成し、前記プレキャスト床版4とコンクリートスラブ5との一体物であるプレキャスト合成床6を形成する(図1参照)。
本実施形態の床形成方法によれば、前記小梁3の横座屈防止を効率よく実施でき、手間を掛けずに、より迅速に、且つ、経済的にプレキャスト合成床を形成することができる。
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記大梁2や小梁3の数や配置状態は、先の実施形態で説明したものに限るものではなく、適宜、変更が可能である。また、それらの上に設置されるプレキャスト床版4の数や形状についても、適宜、変更が可能である。
〈2〉 前記プレキャスト床版4は、先の実施形態で説明した貫通孔4aを設けたものに限るものではない。
〈3〉 前記取付金具7の形状は、先の実施形態で説明したものに限るものではなく、例えば、図4に示すように、梁2,3のフランジ8上に立設したガセットプレート8aに対して、ボルト連結できるように構成してあってもよい。
具体例としては、取付金具7は、プレキャスト床版4の貫通孔4a内に埋設固定自在なアンカー部7aと、前記ガセットプレート8aと連結自在なプレート部7bとを備えたものであってもよい。この例によれば、火を使用せずに、且つ、簡単な操作で現場取付を実施できる。
〈2〉 前記プレキャスト床版4は、先の実施形態で説明した貫通孔4aを設けたものに限るものではない。
〈3〉 前記取付金具7の形状は、先の実施形態で説明したものに限るものではなく、例えば、図4に示すように、梁2,3のフランジ8上に立設したガセットプレート8aに対して、ボルト連結できるように構成してあってもよい。
具体例としては、取付金具7は、プレキャスト床版4の貫通孔4a内に埋設固定自在なアンカー部7aと、前記ガセットプレート8aと連結自在なプレート部7bとを備えたものであってもよい。この例によれば、火を使用せずに、且つ、簡単な操作で現場取付を実施できる。
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
2 大梁
3 小梁
4 プレキャスト床版
5 コンクリートスラブ
6 プレキャスト合成床
7 取付金具
H 床設置範囲
3 小梁
4 プレキャスト床版
5 コンクリートスラブ
6 プレキャスト合成床
7 取付金具
H 床設置範囲
Claims (3)
- 大梁で囲まれた床設置範囲に、小梁を配置し、その上に多数のプレキャスト床版を並べて配置し、前記プレキャスト床版の上にコンクリートスラブを打設してプレキャスト合成床を形成する床形成方法であって、
前記プレキャスト床版を配置する工程の初期の段階で、該当するプレキャスト床版を、前記大梁と前記小梁とに緊結する床形成方法。 - 前記大梁と前記小梁とに前記工程の初期の段階で緊結するプレキャスト床版は、小梁の中央部分に位置させるプレキャスト床版である請求項1に記載の床形成方法。
- 前記プレキャスト床版に、前記小梁に対する取付金具を、予め一体的に設けておき、前記プレキャスト床版を前記大梁と前記小梁とにわたって配置した後、前記取付金具によって前記プレキャスト床版を前記大梁と前記小梁とに固定する請求項1又は2に記載の床形成方法。
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---|---|---|---|
JP2009118816A JP2010265689A (ja) | 2009-05-15 | 2009-05-15 | 床形成方法 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8161691B2 (en) * | 2008-05-14 | 2012-04-24 | Plattforms, Inc. | Precast composite structural floor system |
US8297017B2 (en) | 2008-05-14 | 2012-10-30 | Plattforms, Inc. | Precast composite structural floor system |
US8381485B2 (en) | 2010-05-04 | 2013-02-26 | Plattforms, Inc. | Precast composite structural floor system |
US8453406B2 (en) | 2010-05-04 | 2013-06-04 | Plattforms, Inc. | Precast composite structural girder and floor system |
CN104712088A (zh) * | 2015-01-28 | 2015-06-17 | 中国十七冶集团有限公司 | 一种预制叠合楼板后浇混凝土的施工方法 |
-
2009
- 2009-05-15 JP JP2009118816A patent/JP2010265689A/ja active Pending
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