JP2010265373A - プロピレン系樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】引張伸びと靭性に優れる成形体を製造することが可能なプロピレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】プロピレン系重合体(A)10〜89質量%と、下記式(1)で示される繰り返し単位を有する脂肪族ポリエステル系重合体(B)10〜89質量%と、
Figure 2010265373

〔式中、Rは水素原子又はCj2j+1で表されるアルキル基であり、jは1〜15の整数、Rはメチレン基、又はエチレン基である。〕
ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水添して得られたブロック共重合体(C)1〜80質量%と、を含有するプロピレン系樹脂組成物とする〔但し、(A)、(B)及び(C)の合計量を100質量%とする〕。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン系樹脂組成物及びその成形体に関するものである。
近年、地球環境への影響を意識して、植物を原料として合成される脂肪族ポリエステルの利用が検討されている。
例えば、特許文献1には、加工性や耐衝撃強度に優れた組成物を提供することを目的として、脂肪族ポリエステル、ポリプロピレン系樹脂と、エポキシ基含有ポリオレフィンを含有する樹脂組成物が記載されている。
特開2006−77063号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の樹脂組成物を用いて製造した成形体の引張伸びや靭性については、さらなる改良が求められている。
かかる状況の下、本発明の目的は、引張伸びと靭性に優れる成形体を製造することが可能なプロピレン系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、以下の構成を採用することにより、上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、プロピレン系重合体(A)10〜89質量%と、下記式(1)で示される繰り返し単位を有する脂肪族ポリエステル系重合体(B)10〜89質量%と、
Figure 2010265373
〔式中、Rは水素原子又はCj2j+1で表されるアルキル基であり、jは1〜15の整数、Rはメチレン基、又はエチレン基である。〕
ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水添して得られたブロック共重合体(C)1〜80質量%と、を含有するプロピレン系樹脂組成物を提供するものである〔但し、(A)、(B)及び(C)の合計量を100質量%とする〕。
本発明によれば、引張伸びと靭性に優れる成形体を製造することが可能なプロピレン系樹脂組成物を提供することができる。
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系重合体(A)、所定構造を有する脂肪族ポリエステル(B)、及び、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水添して得られたブロック共重合体(C)をそれぞれ所定量含有する。以下詳細に説明する。
[プロピレン系重合体(A)]
本発明に用いられるプロピレン系重合体(A)(以下、成分(A)ともいう)は、プロピレンに由来する単量体単位を有し、プロピレン単独重合体(以下、成分(A−1)ともいう)、及び、プロピレン−エチレン共重合体(以下、成分(A−2)ともいう)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン系重合体が用いられる。
プロピレン−エチレン共重合体(成分(A−2))としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体(以下、成分(A−2−1)ともいう)、プロピレン−エチレンブロック共重合体(以下、成分(A−2−2)ともいう)が挙げられる。このプロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(A−2−2))とは、プロピレン単独重合体成分と、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分とからなる共重合体である。
プロピレン系重合体(成分(A))として、好ましくは、成形体の剛性、耐熱性又は硬度の観点から、プロピレン単独重合体(成分(A−1))、又は、プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(A−2−2))である。
プロピレン単独重合体(成分(A−1))の13C−NMRによって測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率は0.95以上が好ましく、さらに好ましくは0.98以上である。
プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(A−2−2))のプロピレン単独重合体成分の、13C−NMRによって測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率は0.95以上が好ましく、さらに好ましくは0.98以上である。
アイソタクチック・ペンタッド分率とは、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に記載されている方法、すなわち13C−NMRによって測定されるプロピレン系重合体分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である(ただし、NMR吸収ピークの帰属は、その後発刊されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて決定される)。具体的には、13C−NMRスペクトルによって測定されるメチル炭素領域の吸収ピークの面積に対する、mmmmピークの面積の割合が、アイソタクチック・ペンタッド分率である。この方法によって測定された英国 NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL標準物質 CRM No.M19−14Polypropylene PP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分率は、0.944であった。
上記プロピレン単独重合体(成分(A−1))の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度([η]P)、ブロック共重合体(成分(A−2−2))のプロピレン単独重合体成分の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度([η]P)、ランダム共重合体(成分(A−2−1))の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度([η])は、好ましくはそれぞれ0.7〜5dl/gであり、より好ましくは0.8〜4dl/gである。
また、プロピレン単独重合体(成分(A−1))、ブロック共重合体(成分(A−2−2))のプロピレン単独重合体成分、ランダム共重合体(成分(A−2−1))のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布(Q値、(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))、以下、「Mw/Mn」と略記することがある)として、好ましくはそれぞれ3〜7である。
上記ブロック共重合体(成分(A−2−2))のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分に含有されるエチレン含有量は20〜65質量%、好ましくは25〜50質量%である(ただし、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分の全量を100質量%とする)。
上記ブロック共重合体(成分(A−2−2))のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度([η]EP)は、好ましくは、1.5〜12dl/gであり、より好ましくは2〜8dl/gである。
上記ブロック共重合体(成分(A−2−2))を構成するプロピレン−エチレンランダム共重合体成分の含有量は、10〜60質量%であり、好ましくは10〜40質量%である。
上記プロピレン単独重合体(成分(A−1))のメルトフローレイト(MFR)は、好ましくは、0.1〜400g/10分であり、より好ましくは1〜300g/10分である。但し、ここでいうメルトフローレイトとは、JIS K 7210(1995)に規定された方法によって、試験荷重21.18N、試験温度230℃の条件で測定されたものである。
また、上記プロピレン−エチレン共重合体(成分(A−2))のメルトフローレイト(MFR)は、好ましくは、0.1〜200g/10分であり、より好ましくは1〜150g/10分である。但し、測定温度は230℃で、荷重は21.18Nである。
プロピレン系重合体(成分(A))を製造する方法としては、チーグラー・ナッタ型触媒又はメタロセン触媒を用いて、プロピレンを単独重合する方法、又はプロピレン以外のオレフィンから選ばれる1種以上のオレフィンとプロピレンとを共重合する方法等が挙げられる。チーグラー・ナッタ型触媒としては、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分を組み合わせて用いる触媒系が挙げられる。メタロセン触媒としては、シクロペンタジエニル骨格を少なくとも1個有する周期表第4族〜第6族の遷移金属化合物及び助触媒成分を組み合わせて用いる触媒系が挙げられる。
重合法としては、スラリー重合法、気相重合法、バルク重合法、溶液重合法、及び、これらを組み合わせた重合法が挙げられる。また重合は、バッチ式、連続式のいずれでもよく、一段重合でも、多段重合でもよい。また、プロピレン系重合体(成分(A))としては、市販のプロピレン系重合体を用いてもよい。
[脂肪族ポリエステル系重合体(B)]
本発明で用いられる脂肪族ポリエステル系重合体(B)(以下、成分(B)ともいう)は、下記式(1)で示される3−ヒドロキシアルカノエートを繰り返し単位として有するものである。
Figure 2010265373
〔式中、Rは水素原子又はCj2j+1で表されるアルキル基であり、jは1〜15の整数、Rはメチレン基、又はエチレン基である。〕
上記脂肪族ポリエステル系重合体(B)は、前記式(1)で示される繰り返し単位を2種以上含有する多元共重合体であってもよい。多元共重合体の繰り返し単位の配列の様式は、ランダム共重合体、交替共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれの様式であってもよい。
中でも剛性及び引張伸びのバランスに優れる成形体を得るという観点から、下記式(2)で示されるβ−ヒドロキシブチレート及び式(3)で示されるβ−ヒドロキシヘキサノエートを繰り返し単位として有する共重合体であることが好ましい。
Figure 2010265373
Figure 2010265373
上記β−ヒドロキシブチレート及びβ−ヒドロキシヘキサノエートは、ランダムに結合していることが好ましい。β−ヒドロキシブチレート及びβ−ヒドロキシヘキサノエートの組成比は、剛性及び引張伸びのバランスに優れる成形体を得るという観点からβ−ヒドロキシブチレート/β−ヒドロキシヘキサノエート=99/1〜40/60(mol/mol)であることが好ましく、97/3〜75/25であることがより好ましく、95/5〜80/20であることがさらに好ましい。
脂肪族ポリエステル系重合体(B)の重量平均分子量は、1〜50万であることが好ましく、5〜40万であることがより好ましい。さらに好ましくは7〜30万である。重量平均分子量を1万以上とすることにより、靭性及び引っ張り伸びに優れる成形体を得ることが可能となる。また、重量平均分子量を50万以下にすることにより、プロピレン系樹脂組成物中の脂肪族ポリエステル系重合体(B)の分散性が良好となり、外観に優れる成形体を得ることが可能となる。
脂肪族ポリエステル系重合体(B)の製造は、特開平5−93049に記載されているように、アエロモナス属の微生物を、炭素源として炭素数6以上の偶数個の脂肪酸若しくはその低級アルコールエステル又は天然油脂と、炭素数5以上の奇数個の脂肪酸又は4−ヒドロキシ酪酸若しくはγ−ブチロラクトンと、を用いて、炭素源以外の栄養源の制限下で培養する方法が挙げられる。
[ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水添して得られたブロック共重合体(C)]
本発明で用いられるビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水添して得られたブロック共重合体(C)(以下、成分(C)ともいう)は、ビニル芳香族化合物と、共役ジエン化合物とのブロック共重合体であって、共役ジエン化合物に由来する二重結合が水素添加されたものである。
分子鎖中のビニル芳香族化合物由来の繰り返し単位及び、水素添加された共役ジエン化合物由来の繰り返し単位の分布は、ランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組合せでなっていてもよい。
成分(C)におけるビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ジフェニルスチレン等が挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることが可能である。このうちスチレンを用いることが好ましい。
また、共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。これらは単独又は組み合わせて用いることが可能である。このうちブタジエンを用いることが好ましい。
成分(C)として具体的には、SEBS(水素化スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEPS(水素化スチレン・イソプレンブロック共重合体)、SBBS(スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体))等が挙げられる。このうちSEBSを用いることがより好ましい。
また、成分(C)は、脂肪族ポリエステル系重合体とプロピレン系重合体の界面強度の向上という観点から、アミノ基が側鎖として主鎖に導入された構造、又は末端にアミノ基を導入された構造を有することがより好ましい。このような構造を有するものとしては、商品名タフテックMP10、(旭化成ケミカルズ株式会社製)、商品名ダイナロン8630P(JSR株式会社製)等が挙げられる。
成分(C)は、上述のように共役ジエン化合物に由来する二重結合が水添されている。水添率は90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。水添率を90%以上とすることにより、成形時におけるプロピレン系樹脂組成物の熱安定性を向上させることが可能となる。なお、本発明における水添率は、ヨウ素化法により水添前後のブロック共重合体中の不飽和結合の量を測定することにより算出したものをいう。
成分(C)中のビニル芳香族化合物の含有量は、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物の合計を100質量%としたときに、5〜30質量%であることが好ましく、10〜65質量%であることがより好ましい。また、共役ジエン化合物の含有量は、95〜70質量%であることが好ましく、90〜35質量%であることがより好ましい。ビニル芳香族化合物の含有量を5質量%以上にすることにより、成分(B)と良好に相溶することが可能となり、引張伸び及び靭性に優れる成形体を得ることが可能となる。また、含有量を70質量%以下とすることにより、耐衝撃性が良好な成形体を得ることが可能となる。
成分(C)のメルトフローレイト(MFR)は、脂肪族ポリエステル系重合体(B)への相溶性という観点から、好ましくは、0.1〜50g/10分であり、より好ましくは1〜25g/10分である。但し、測定温度は230℃で、荷重は21.18Nである。
成分(C)の製造は、WO03/074574に記載されているように、まず未水添未変性のアルケニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を製造し、これにアミノ基を導入して変性させてから水添する方法、又は水添してから変性させる方法が挙げられる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物に用いられる成分(A)、成分(B)及び成分(C)の含有量は、成分(A)、成分(B)、及び、成分(C)の合計量を100質量%としたとき、成分(A)の含有量が10〜89質量%であり、成分(B)の含有量が10〜89質量%であり、成分(C)の含有量が1〜80質量%である。そして引張伸びと靭性に優れる成形体を得るという観点から、成分(A)の含有量が10〜50質量%であり、成分(B)の含有量が10〜50質量%であり、成分(C)の含有量が5〜80質量%であることが好ましい。
本発明のプロピレン系樹脂組成物の製造方法としては、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を溶融混練する方法が挙げられる。溶融混練する際の各成分の配合順序や溶融混練順序は任意であるが160〜240℃の温度で混練することが好ましい。
本発明では上記の成分のほかに、必要に応じて他の付加的成分を添加してもよい。例えば、酸化防止剤、耐候性改良剤、造核剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、各種着色剤、有機充填剤、無機充填剤、上記成分(C)以外のエラストマー類及びその他の樹脂が挙げられる。
無機充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、マイカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、カオリナイト、ベントナイト、スメクタイト、セピオライト、ワラストナイト、モンモリロナイト、クレー、アロフェン、イモゴライト、繊維状マグネシウムオキシサルフェート硫酸バリウム、ガラスフレーク、カーボンブラック等が挙げられる。
無機充填剤の平均粒子径としては、0.01〜50μmであり、好ましくは0.1〜30μmであり、より好ましくは0.1〜5μmである。ここで無機充填剤の平均粒子径とは、遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて水、アルコール等の分散媒中に懸濁させて測定した篩下法の積分分布曲線から求めた50%相当粒子径D50のことを意味する。
本発明におけるエラストマー類とは、上記成分(C)以外のゴム状の弾性体をいう。エラストマー類としては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、非晶性又は低結晶性のエチレン系エラストマー、ブタジエン−スチレンエラストマー、ブタジエン−アクリロニトリルエラストマー、ポリエステルゴム、アクリルゴム、シリコンゴムが挙げられる。エラストマー類として、好ましくは非晶性又は低結晶性のエチレン系エラストマーである。
上記エチレン系エラストマーは、エチレンに由来する単量体単位を主成分として含有するエラストマーであり、例えば、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体が挙げられる。
このようなエチレン系重合体として好ましくは、エチレンと1種類以上のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン−α−オレフィン共重合体である。このα−オレフィンとして好ましくは、炭素数3〜12のα−オレフィンである。具体的には、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ノルボルネン、ブタジエン、イソプレンが挙げられる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物を用いて得られる成形体の製造方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、回転成形法、真空成形法、発泡成形法、ブロー成形法等の成形法が挙げられる。本発明のプロピレン系樹脂組成物は、剛性及び耐熱性に優れることから、自動車や家電等の産業分野での用途に用いられる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
物性の評価は、以下の方法により行った。
〔降伏強度(YS、単位:MPa)及び引張破壊伸び(UE、単位:%)〕
熱プレス成形により成形した試験片を、JIS−K7113に規定された方法に従って測定した。試験片の厚さは1mm、試験速度は10mm/分、測定温度は23℃であった。
実施例に使用した材料は、以下の通りである。
(1)成分(A):プロピレン系重合体
住友化学株式会社製「ノーブレン WPX5343」(プロピレン−エチレンブロック共重合体(MFR(230℃)=50g/10分、アイソタクチック・ペンタッド分率=0.985、プロピレン単独重合体部分の分子量分布(Q値)=4.5))を用いた。
(2)成分(B):脂肪族ポリエステル系重合体
シグマ アルドリッチ ジャパン社製のポリ(3−ヒドロキシブチレート)樹脂を用いた。
(3)成分(C):ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水添して得られたブロック共重合体
旭化成ケミカルズ社製の水添スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(スチレン含有量43wt%、MFR(230℃)=4.1g/10分)を用いた(成分(C−1))。
旭化成ケミカルズ社製「タフテックN503」(末端アミン変性水添スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(スチレン含有量30wt%、MFR(230℃)=20g/10分))を用いた(成分(C−2))。
(4)成分(D):その他
住友化学社製のエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、商品名ボンドファーストE(グリシジルメタクリレート含有量12wt%、MFR(190℃)=3g/10分)を用いた。
[実施例1]
(プロピレン系樹脂組成物の製造)
プロピレン系樹脂組成物は、以下の方法で製造した。
成分(A)と、成分(B)と、成分(C−1)及び、酸化防止剤として商品名Irganox1010(チバ・ジャパン社製)を表1に記載の組成で、ラボプラストミル(東洋精機社製)を用い、温度190℃、スクリュー回転数80rpmの条件で5分間溶融混練して、プロピレン系樹脂組成物を製造した。
なお、表中の酸化防止剤の含有量は、成分(A)
(物性評価用試験片の作製)
上記プロピレン系樹脂組成物を、プレス機(神藤金属工業所製)と厚さ1mmの金属スペーサーを用いて、175℃で予熱10分、5.5MPaで3分加圧し、4.5MPaの加圧下で30℃まで冷却して5分間ホールドした。得られた厚さ1mmのシートをダンベル型打ち抜き機を用いて打ち抜き、引張試験片を作製した。
[実施例2]
成分(C−1)の代わりに成分(C−2)を添加以外は実施例1と同様の手順でプロピレン系樹脂組成物を製造し、試験片を作製した。
[比較例1]
成分(C−1)の代わりに成分(D)を添加以外は実施例1と同様の手順でプロピレン系樹脂組成物を製造し、試験片を作製した。
Figure 2010265373
表中の酸化防止剤の含有量は、成分(A)、成分(B)、成分(C−1)、
成分(C−2)及び成分(D)の総量を100質量部とした場合の値である。

Claims (6)

  1. プロピレン系重合体(A)10〜89質量%と、
    下記式(1)で示される繰り返し単位を有する脂肪族ポリエステル系重合体(B)10〜89質量%と、
    Figure 2010265373
    〔式中、Rは水素原子又はCj2j+1で表されるアルキル基であり、jは1〜15の整数、Rはメチレン基、又はエチレン基である。〕
    ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水添して得られたブロック共重合体(C)1〜80質量%と、
    を含有するプロピレン系樹脂組成物〔但し、(A)、(B)及び(C)の合計量を100質量%とする〕。
  2. 前記ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水添して得られたブロック共重合体(C)は、アミノ基が側鎖として主鎖に導入された構造、又は末端にアミノ基を導入された構造を有する請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  3. 前記脂肪族ポリエステル系重合体(B)は、前記式(1)で示される繰り返し単位を2種以上含有する多元共重合体である請求項1又は2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  4. 前記脂肪族ポリエステル系重合体(B)が、下記式(2)及び式(3)で示される繰り返し単位を有する共重合体である請求項1〜3いずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
    Figure 2010265373
    Figure 2010265373
  5. 前記ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水添して得られたブロック共重合体(C)の水添率は、90%以上である請求項1〜4いずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物を用いて製造された成形体。
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