JP2010263220A - 熱支援書き込み手順および低減された書き込み磁界を備えた磁気メモリ - Google Patents

熱支援書き込み手順および低減された書き込み磁界を備えた磁気メモリ Download PDF

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Abstract

【課題】 熱支援書き込み手順および低減された書き込み磁界を備えた磁気メモリを提供する。
【解決手段】 高温閾値で調整可能な第1の磁化を有する強磁性記憶層、固定された第2の磁化方向を有する強磁性基準層、ならびに絶縁層であって、強磁性記憶層と基準層との間に配置された絶縁層から形成された磁気トンネル接合部と、ワード線を介して、前記磁気トンネル接合部に電気的に接続され、かつ制御可能な選択トランジスタと、前記磁気トンネル接合部に電気的に接続された電流線と、を含む、熱支援切り替え(TAS)書き込み手順を備えた磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)セルであって、強磁性記憶層の結晶磁気異方性が、強磁性基準層の結晶磁気異方性とほぼ直角であることを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)セル。本発明のTAS−MRAMセルは、従来のTAS−MRAMセルの中で用いられる磁界より小さな磁界で書き込むことができ、電力消費が低い。
【選択図】 図5a

Description

本発明は、磁気メモリの分野に関し、特に、電子システムにおいてデータを記憶し読み出すために用いられる不揮発性ランダムアクセス磁気メモリに関する。特に、本発明は、磁気トンネル接合部ベースの、MRAMと呼ばれる磁気ランダムアクセスメモリと、電力消費を低減するための、磁気トンネル接合部の製造プロセスの改良に関する。
磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)は、周囲温度において強い磁気抵抗を有する磁気トンネル接合の発見と共に、再び関心の対象となっている。これらのMRAMは、速度(数ナノ秒の書き込みおよび読み出し期間)、不揮発性、および電離放射線に対する非感受性などの多くの利点を提供する。したがって、それらは、コンデンサの荷電状態に基づいた、より従来的な技術を用いるメモリ(DRAM、SRAM、FLASH)にますます取って代わりつつある。
下記ではMRAMセルと呼ばれる従来の磁気トンネル接合部ベースMRAMセルには、いくつかの選択可能な磁性および非磁性金属層のスタックからなる磁気トンネル接合部が含まれる。従来のMRAM装置の例が、特許文献1に記載されている。それらの最も単純な形態では、MRAMセルの磁気トンネル接合部は、薄い絶縁層によって分離された、異なる保磁力の2つの磁気層で作製されるが、この場合に、例えば、磁気層の1つは、固定された磁化によって特徴づけられた強磁性基準層であり、もう一方は、方向を変更できる磁化によって特徴づけられた強磁性記憶層である。強磁性基準層および記憶層のそれぞれの磁化が逆平行の場合には、磁気トンネル接合部の抵抗は高く、低論理状態「0」に対応する。他方で、それぞれの磁化が平行の場合には、磁気トンネル接合部抵抗は低く、高論理状態「1」に対応する。
強磁性基準層および記憶層は、典型的には、Fe、CoもしくはNiまたはそれらの合金などの3d金属で作製される。最終的には、非晶質形態および平坦な界面を得るために、ホウ素を層組成物に添加することができる。絶縁層は、典型的には、アルミナ(Al)または酸化マグネシウム(MgO)からなる。好ましくは、特許文献2に記載されているように、強磁性基準層は、合成反強磁性層を形成するいくつかの層からなる。あるいは、例えば、非特許文献1なる参考文献に記載されている接合部のように、二重磁気トンネル接合部を用いることができるが、この接合部では、強磁性記憶層は、2つの薄い絶縁層間に挟まれ、2つの強磁性基準層が、薄い絶縁層の各反対側に位置している。
従来のMRAMセル1が、図1の例に表されている。セル1には、磁気トンネル接合部2が含まれるが、この接合部2は、強磁性基準層23と記憶層21との間に配置された絶縁層22から形成される。第1の力線4は、強磁性記憶層21と連通し、第2の電流線5は、第1の電流線4と直角に配置され、強磁性基準層23と連通する。MRAMセル1には、CMOS選択トランジスタ3がさらに含まれるが、このトランジスタ3は、磁気トンネル接合部2に電気的に接続され、かつその開閉は、各MRAMセル1に個別にアドレスするためにワード線6によって制御される。
書き込み動作中に、トランジスタ3は閉じられ、電流は接合部2を流れない。第1の界磁電流41が、第1の電流線4を通過して第1の磁界42を生成し、第2の界磁電流51が、第2の電流線5を通過して第2の磁界52を生成する。第1の界磁電流41および第2の界磁電流51の強度および同期は、第1の磁界42および第2の磁界52それぞれを合わせた影響の下で、2つの活性電流線4、5の交差部に位置する強磁性記憶層21の磁化だけが切り替わり、その結果、データの書き込みができるように、調整される。第1の界磁電流41および第2の界磁電流51は、典型的には、約10mAの大きさを有する2〜5ナノ秒の短い電流パルスである。
読み出し動作中に、トランジスタ3は開かれ、センス電流(図示せず)が、第1の電流線4を介して磁気トンネル接合部2を流れ、磁気トンネル接合部抵抗Rを測定できるようにする。MRAMセル1の論理状態は、典型的には、測定された接合部抵抗Rを、1つまたはいくつかの基準メモリセル(同様に図示せず)の抵抗と比較することによって決定される。
図1のMRAMセルが、書き込み動作中に適切に動作することを保証するために、すなわち、強磁性記憶層21の磁化の双安定切り替えを得るために、磁気トンネル接合部2は、好ましくは1.5以上のアスペクト比を備えた異方性形態を有しなければならない。接合部2の異方性形態により、線4および5の一方だけによってアドレスされるアレイにおける他のセル1と比較して、2つの活性電流線4、5の交差部に位置するMRAMセル1の優れた書き込み選択性が可能になる。実際に、異方性形態を備えた接合部2における強磁性記憶層21の磁化の切り替えは、線4、5によって生成される2つの磁界42、52の影響下でのみ可能である。異方性形態を有するMRAMセル1はまた、書き込まれたデータの優れた熱的および/または時間的安定性を示す。
従来のMRAMセルの他の例示的な構成が、特許文献3および特許文献4で見られる一方で、特許文献5は、MRAMセル構造に基づいたランダムアクセスメモリ(RAM)の実装に関連する。
特許文献6には、MRAMセルが記載されている。このMRAMセルは、強磁性記憶層が高結晶磁気異方性を有する材料で作製されている場合には、小さな形態アスペクト比を有するが、それでも、書き込み動作中の優れた双安定切り替えおよび書き込みデータの優れた熱的および/または時間的安定性を達成する。しかしながら、かかるMRAMセルの書き込みは、強磁性記憶層の磁化方向を、安定した論理状態から別の状態に切り替えできる高界磁電流を必要とし、高電力消費に帰着する。電力消費の低減は、熱的および時間的な安定性を犠牲にして、結晶磁気異方性を低減することによって、得ることができる。換言すれば、上記の従来のMRAMセルは、低電力消費ならびに熱的および時間的安定性を同時には実現しない。
熱支援切り替え(TAS)書き込み手順を備えたMRAMセル構成が、特許文献7の文献に記載され、図2aおよび2bに示されている。図2aの例において、TAS−MRAMセル10は、磁気トンネル接合部2に電気的に接続された電流線7、および強磁性記憶層21と連通する電流線7の上方に直角に配置された力線8を有することによって、図1に示されたMRAMセル1と異なる。
図2bにより詳細に示された磁気トンネル接合部2は、隣接する強磁性基準層23に交換バイアスをかける反強磁性基準層24を含み、反強磁性基準層24のブロッキング温度TBRに対応する温度未満にその磁化を固定する。接合部2にはまた、交換結合する反強磁性記憶層21bが含まれるが、この記憶層21bは、隣接する強磁性記憶層21の磁化を、反強磁性記憶層21bのブロッキング温度TBSに対応する温度未満に固定することができる。典型的には、それぞれ、反強磁性基準層24がPtMnまたはNiMnベースの合金で作製されている場合には、約350℃までのブロッキング温度TBRを達成することができ、一方で、反強磁性記憶層がIrMnベースの合金またはFeMnベースの合金で作製されている場合には、約200℃〜150℃のブロッキング温度TBSが達成される。
TAS−MRAMセル10の書き込み動作中に、磁気トンネル接合部2の温度を上昇させるために、選択トランジスタ3が開いている場合に、加熱電流パルス31が、電流線7を介し、磁気トンネル接合部2を通して送られる。数ナノ秒続き、かつ10A/cm〜10A/cm間に含まれる大きさを有する加熱電流31を用いることによって、接合部2は、TBSとTBRとの間にあって120℃〜200℃間に含まれる温度まで加熱することができる。かかる温度において、強磁性記憶層21と反強磁性記憶層21bとの間の磁気結合は消え、強磁性記憶層21の磁化を非固定化する。磁気トンネル接合部2の冷却中に、界磁電流81が、力線4中を伝達され、強磁性記憶層21の磁化方向を反転できる磁界82を生成する。
TAS−MRAMセル10は、典型的には、共線的な磁界方向に印加される外部磁界がある状態で、強磁性基準層23および記憶層21を積層することによって製造される。円が、上から見た磁気トンネル接合部2を示す図3の例に示すように、外部磁界は、(a)強磁性基準層23および(b)強磁性記憶層21の積層中に、平行な第1の磁界方向110および第2の磁界方向120(ここでは右を指している)にそれぞれ印加される。磁気トンネル接合部2の様々な層の積層後に、磁気トンネル接合部2は、典型的には300℃より高い温度でアニールされる。アニールステップ(c)中に、外部磁界は、第1の磁界方向110および第2の磁界方向120と平行に向けられた第3の磁界方向130に印加される。かかる製造プロセスによって、非固定化された強磁性記憶層21の磁化が強磁性基準層23の第2の磁化と平行または逆平行であるTAS−MRAMセル10がもたらされる。
図1のMRAMセル構成とは対照的に、図2aおよび2bのTAS−MRAMセル10は、反強磁性記憶層21bによって交換バイアスをかけられる強磁性記憶層21のかなり改善された熱的安定性によって特徴づけられる。また、周囲温度のままに留まる隣接するセルと比較して、書き込まれるTAS−MRAMセル10の選択的加熱ゆえに、書き込み選択性の改善が、達成される。TAS−MRAMセル10は、周囲温度において高い磁気異方性を備えた材料、およびセル10の安定限界に影響を与えずにより高い集積密度を用いることによって、ゼロ磁界におけるより優れた安定性(保持)を可能にする。さらに、TAS−MRAMセル10を用いることによって、電力消費の低減が、書き込み動作中に達成される。なぜなら、セル10を加熱するために必要な加熱電流31、および強磁性記憶層21の磁化を切り替えるために必要な界磁電流81が、図1のMRAMセル構成において用いられる第1の界磁電流41および第2の界磁電流51より小さいからである。
図4は、図2aのTAS−MRAMセル10に対応するヒステリシスループを示すが、図4では、強磁性記憶層21の磁化Mが、強磁性記憶層21の容易軸(実線)に沿って印加される磁界82の値Hに対してプロットされている。ここで、保磁磁界Hは、強磁性記憶層21の磁化を反転するために必要な磁界値に対応する。強磁性記憶層21の困難軸に沿った、印加磁界を用いた磁化Mの変化が、図3に点線によって示されているが、図3では、異方性磁界Hは、強磁性記憶層21の困難軸に沿った磁化を飽和させるために必要な磁界値に対応する。異方性磁界Hの値は、一般に、保磁磁界Hより大きい。
保磁磁界Hは、セルサイズを100nmサイズの範囲で低減する場合、および例えばナノ秒範囲における短い界磁電流パルス81に対して、異方性磁界Hの方へ増加することが知られている。これらの条件では、強磁性粒子の磁化の反転は、ストナー-ウルファース(Stoner−Wohlfarth)反転としても知られている一貫した反転メカニズムに接近し、書き込み電流場は、本質的に、異方性磁界Hによって与えられる。
したがって、TAS−MRAMセル10は、例えば、アレイにおけるセル密度を増加させる場合には、セル10のサイズを低減させると共に電力消費を増加させる難点がある。小さなセル寸法に対して、界磁電流81はやはり高く、TAS−MRAMセル10の高電力消費をもたらす。
米国特許第5640343号明細書 米国特許第5583725号明細書 米国特許第4949039号明細書 米国特許第5159513号明細書 米国特許第5343422号明細書 米国特許第5959880号明細書 米国特許出願公開第2005002228号明細書
Y. Saito et al., Journal of Magnetism and Magnetic Materials Vol.223 (2001), p. 293
したがって、本発明の目的は、先行技術の少なくともいくつかの制約を克服する、熱支援切り替え(TAS)書き込み手順を備えた磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)セルを提案することである。
本発明の別の目的は、従来のTAS−MRAMセルにおいて用いられる磁界より小さな磁界で書き込みができるTAS−MRAMセルを提供することである。
本発明によれば、これらの目的は、高温閾値で調整可能な第1の磁化を有する強磁性記憶層、固定された第2の磁化方向を有する強磁性基準層、ならびに絶縁層であって、強磁性記憶層と基準層との間に配置された絶縁層から形成された磁気トンネル接合部と、ワード線を介して、前記磁気トンネル接合部に電気的に接続され、かつ制御可能な選択トランジスタと、前記磁気トンネル接合部に電気的に接続された電流線と、を含む、熱支援切り替え(TAS)書き込み手順を備えた磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)セルであって、強磁性記憶層の結晶磁気異方性が、強磁性基準層の結晶磁気異方性とほぼ直角であることを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)セルによって達成される。
本発明の一実施形態において、セルには、前記磁気トンネル接合部と連通し、かつ少なくとも界磁電流を伝達する力線がさらに含まれる。
本発明の別の実施形態において、セルは、電流線を介して接合部を通過する加熱電流であって、磁気トンネル接合部を高温閾値に加熱できる加熱電流と、界磁電流の極性に従って第1の磁化を整列させることができる磁界を生成する、力線中を伝達される界磁電流と、によって書き込み可能である。
まだ本発明のさらに別の実施形態において、前記磁気トンネル接合部には、強磁性記憶層の前記第1の磁化を低温閾値で固定し、かつ第1の磁化が、第2の磁化の方向とほぼ直角に整列される高温閾値で、前記第1の磁化を非固定化する反強磁性記憶層がさらに含まれる。
本発明のさらに別の実施形態において、前記磁気トンネル接合部には、強磁性基準層の第2の磁化を、反強磁性基準層のブロッキング温度未満で固定する反強磁性基準層がさらに含まれる。
本発明にはまた、TAS−MRAMセルにデータを書き込む方法が含まれ、この方法には、
電流線を介して磁気トンネル接合部に加熱電流を通過させて、磁気トンネル接合部を加熱するステップと、
力線に界磁電流を通過させて、強磁性記憶層の第1の磁化を切り替えるステップと、
磁気トンネル接合部が高温閾値に到達した後で、加熱電流を切って磁気トンネル接合部を冷却するステップと、
磁気トンネル接合部が低温閾値まで冷却された後で、界磁電流を切るステップと、
が含まれる。
本発明の一実施形態において、界磁電流の通過によって、第1の磁化が、第2の磁化の方向とほぼ直角な初期方向から、第2の磁化の方向とほぼ平行または逆平行の切り替え方向に切り替えられる。
本発明のTAS−MRAMセルは、従来のTAS−MRAMセルで通常必要とされる磁界の2分の1までの磁界を用いて書き込むことができ、結果として電力消費の低減をもたらす。小さな界磁電流が用いられるので、力線において起こり得る電子移動が最小限に抑えられる。
本発明の本明細書において、「強磁性基準層」なる表現は、単一の強磁性基準層に、または合成反強磁性固定層の第1および第2の強磁性基準層に等しく適用される。
本発明は、例として提示され、かつ図によって示される実施形態の説明を用いて、よりよく理解されよう。
従来の磁気トンネル接合部ベース磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)セルの概略図を示す。 先行技術による、熱支援切り替え(TAS)書き込み手順を備えた磁気トンネル接合部ベースMRAMセルを示す。 図2aのTAS−MRAMセルの磁気トンネル接合部を示し、この接合部が、強磁性記憶層を含む。 図2bの磁気トンネル接合部の製造プロセスを概略的に示す。 図2bの磁気トンネル接合部に含まれる強磁性記憶層の容易軸および困難軸に沿ったヒステリシスループを示す。 書き込み動作中の、本発明の一実施形態による磁気トンネル接合部ベースTAS−MRAMセルを示す。 読み出し動作中の、図5aのTAS−MRAMセルを示す。 本発明の一実施形態による、図5aの磁気トンネル接合部の製造プロセスを示す。 本発明のTAS−MRAMセルに対して測定されたヒステリシスループを示す。 従来のTAS−MRAMセルに対して測定されたヒステリシスループを示す。
本発明の一実施形態による、熱支援切り替え(TAS)書き込み手順を備えた磁気トンネル接合部ベース磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)セル100が、図5aおよび5bに示されている。図2aのセル10と同様に、本発明のTAS−MRAMセル100には、第1の磁化211を有する強磁性記憶層210と第2の磁化231を有する強磁性基準層230との間に配置された絶縁層220から形成された多層磁気トンネル接合部200が含まれる。磁気トンネル接合部200は、ワード線(図示せず)によって制御される選択トランジスタ300と連通する。TAS−MRAMセル1には、磁気トンネル接合部200に電気的に接続された電流線700、および強磁性記憶層210と連通する力線400がさらに含まれる。
本発明の一実施形態において、磁気トンネル接合部200には、反強磁性基準層(図5aおよび5bには図示せず)が含まれるが、この反強磁性基準層は、隣接する強磁性基準層230に交換バイアスをかけ、かつ基準層230の第2の磁化231を、反強磁性基準層のブロッキング温度TBRに対応する温度未満で固定する。また、反強磁性記憶層210bが、強磁性記憶層210に隣接して配置され(図5aおよび5bを参照)、強磁性記憶層210に交換バイアスをかけ、記憶層210の第1の磁化211を、反強磁性記憶層210bのブロッキング温度TBS(TBRより低い)に対応する温度未満で固定する。
好ましくは、強磁性基準層230は、Fe、CoまたはNiベースの合金で形成され、反強磁性基準層は、PtMnまたはNiMnなどのMnベースの合金で形成される。強磁性記憶層210は、典型的には、1〜10nmの範囲の厚さを有し、かつパーマロイ(Ni80Fe20)、Co90Fe10の群から、またFe、Co、またはNiを含む他の合金からも好ましくは選択される、平面磁化を有する材料で作製される。強磁性記憶層210は、例えばIrMnまたはFeMnのマンガンベース合金で作製された反強磁性記憶層210bによって交換結合される。
本発明の一実施形態(図示せず)において、磁気トンネル接合部200には、強磁性基準層230ではなく合成反強磁性固定層(synthetic antiferromagnetic pinned layer)が含まれる。合成反強磁性固定層には、第1の強磁性基準層および第2の強磁性基準層が含まれ、両方とも、Fe、CoまたはNiベースの合金で形成される。これらの2つの強磁性基準層は、それらの間に、例えばルテニウムで作製された非強磁性基準層を挿入することによって、反強磁性的に結合される。この構成では、反強磁性基準層は、例えば、第2の強磁性基準層の下に設けられ、第1の強磁性基準層の磁気モーメントを配向させ、TBR未満の温度で第2の強磁性基準層の磁気モーメントを固定する固定磁界を生成する。
反強磁性記憶層210bは、待機温度において、すなわち加熱がない場合に、強磁性記憶層210の磁化が、数年の期間にわたってその磁化を保持できるように十分に固定されるのが確実になるほど十分に高いブロッキング温度TBSを有する。しかしながら、ブロッキング温度TBSは、書き込みプロセス中に、接合部材料の劣化および/または高電力消費をもたらす可能性がある温度に接合部200を加熱することを必要にするほど高くはない。ここで、例えば120〜220℃の範囲のTBSが適切である。
トンネル障壁の役割を果たす絶縁層220は、AlまたはMgOを含む群から選択される材料で作製するのが好ましい。接合部200のトンネル抵抗Rは、絶縁層220の厚さに指数関数的に依存し、接合部200の抵抗−面積の積(RA)によって測定される。RAは、反強磁性記憶層210bの温度をそのブロッキング温度TBSを超えて上昇させるように十分に高い加熱電流310を、接合部200を通して流すために、十分に小さくしなければならない。接合部の温度を100℃まで上昇させるために一般に必要とされる10A/cm〜10A/cmの範囲に加熱電流密度をするために、RA値は、1〜500Ω・μmにすべきである。
本発明の一実施形態において、非常に低い熱伝導率を有する少なくとも1つの熱障壁層(図示せず)が、接合部200の上部および底部に追加される。これらの追加層の目的は、接合部200を通って流れる加熱電流310の熱効率を向上させる一方で、電極(図示せず)の方への熱の拡散を制限し、接合部200と、接続電流線700との間の電気的接続を確保することである。
図5aに示すTAS−MRAMセル100の書き込み動作中に、TBSを超えTBR未満に含まれる高温閾値に磁気トンネル接合部200の温度を上昇させるために、選択トランジスタ300が開かれている場合に、加熱電流パルス310が、電流線700を介し、磁気トンネル接合部200を通して送られる。高温閾値では、強磁性記憶層210と反強磁性記憶層210bとの間の磁気結合は消え、強磁性記憶層210の第1の磁化211を非固定化する。しかしながら、この温度では、強磁性基準層230の第2の磁化231は、反強磁性基準層によって固定されたままである。
本明細書で開示するような、本発明によるTAS−MRAMセル100において、強磁性記憶層210の結晶磁気異方性は、強磁性記憶層210を固定する反強磁性層210bの異方性に対して、および強磁性基準層230の結晶磁気異方性に対してほぼ直角である。これは、磁気トンネル接合部200が高温閾値に加熱される場合に、強磁性記憶層210の第1の磁化211は、最初、基準層230の第2の磁化231の方向とほぼ直角に配向されることを意味する。図5aの例では、第1の磁化方向211は、ページに入るように表され、一方で第2の磁化方向231は、右の方へ配向されて示されている。第1の磁化211および第2の磁化231はまた、それぞれ、ページの外へおよび左の方へ引くか、または第1の磁化211が第2の磁化231とほぼ直角に配向される限りは、任意の他の方向を有することが可能である。
次に、界磁電流410の極性に従って、第2の磁化231の方向とほぼ平行または逆平行の切り替え方向に第1の磁化211を切り替えできる磁界420を生成するために、界磁電流410が、力線400中を伝達される。このようにして、データが、メモリセル100に書き込まれる。次に、加熱電流310はターン・オフ(切断)されて、反強磁性記憶層210bのブロッキング温度TBS未満の低温閾値に磁気トンネル接合部200を冷却する。界磁電流410は、磁気トンネル接合部200が低温閾値に到達するまで維持され、その後ターン・オフ(切断)される。図5bの例において、低温閾値では、第1の磁化211は、強磁性基準層230の第2の磁化231と平行な切り替え方向に固定される。
あるいは、界磁電流410は、加熱電流310がターン・オフ(切断)されるのと同時かまたは後で、しかし第1の磁化の切り替えを可能にするために、磁気トンネル接合部の温度がTBSを超えているときに、流される。
読み出し動作(図示せず)中に、トランジスタ300はスイッチオンされ、センス電流が、接合部200の両端にわたる電圧を測定するために電流線700を介して磁気トンネル接合部200を通過し、対応する磁気トンネル接合部抵抗Rをもたらしている。第1の磁化211の方向が、第2の磁化231の方向と平行な場合には、低い接合部抵抗Rが測定され、逆に、第1の磁化211および第2の磁化231の方向が逆平行である場合には、高い接合部抵抗Rが測定される。
強磁性基準層230の結晶磁気異方性とほぼ直角な、強磁性記憶層210の結晶磁気異方性は、強磁性基準層230の積層中に印加される外部磁界の磁界方向とほぼ直角な磁界方向で印加される外部磁界がある状態で、強磁性記憶層210を積層することによって得られる。これは、図6に概略的に示されているが、これらの図では、円は、上から見た磁気トンネル接合部200を示す。特に、
● 強磁性基準層230の積層プロセス中に(図6a)、外部磁界は、単純な矢印によって示された第1の磁界方向110に印加される。
● 強磁性記憶層210の積層中に(図6b)、外部磁界は、第1の磁界方向110とほぼ直角な、ページに入るように示された第2の磁界方向120に印加される。
磁気トンネル接合部200の様々な層の積層後に、磁気トンネル接合部200は、典型的には300℃より高い温度でアニール(焼きなまし)される。アニールステップ(図6c)中に、外部磁界は、第1の磁界方向110とほぼ平行に配向され、破線の矢印によって表された第3の磁界方向130に印加される。あるいは、第3の磁界方向130はまた、第1の磁界方向110と逆平行に配向することができる。しかしながら、第2の磁界方向120が、第1の磁界方向110および第3の磁界方向130とほぼ直角に配向される限り、第1の磁界方向110、第2の磁界方向120、および第3の磁界方向130の他の方向が可能である。
本発明の一実施形態において、磁気トンネル接合部200の様々な層は、スパッタリング技術を用いて積層される。しかしながら、任意の他の積層プロセスもまた、使用することができる。
上記の合成反強磁性固定層が用いられる場合には、外部磁界は、第1および第2の強磁性基準層の両方の積層中に、第1の磁界方向110に印加される。
図7は、強磁性記憶層210が保持されない温度で第2の磁化231とほぼ直角な第1の磁化211を有する、本発明のTAS−MRAMセル100の強磁性記憶層210に対して測定されたヒステリシスループを示す。差し込み図は、対応する第2の磁界方向120および第3の磁界方向130を示す。磁界Hに対してプロットされた磁化Mは、強磁性記憶層210の、第3の磁界方向130と平行な容易軸に沿って(黒丸)、および強磁性記憶層210の、第3の磁界方向130と直角な困難軸に沿って(白丸)測定される。ここで、容易軸および困難軸の両方とも、強磁性記憶層210の平面にある。強磁性記憶層210の第1の磁化211を切り替えるために必要な磁界は、容易軸に沿って測定されるヒステリシスループにおいて、磁化の増加の始めおよび飽和の始めに決定される磁界値の差異によって与えられる。ここで、第1の磁化211は、強磁性基準層230の第2の磁化の方向と直角なその初期方向から、第2の磁化方向230と平行または逆平行な切り替え方向に切り替えられる。
図8は、図2aのセル10などの従来のTAS−MRAMセルに対して測定されたヒステリシスループを示す。ここで、強磁性記憶層21の磁化は、強磁性記憶層21が保持されない温度で強磁性基準層23と平行または逆平行である。差し込み図は、対応する第2の磁界方向120および第3の磁界方向130を示す。図8では、容易軸および困難軸に沿って測定されたヒステリシスループは、黒丸および白丸でそれぞれ示されている。従来のセル10の記憶層21の磁化Mを、その初期方向から、強磁性基準層23の磁化方向と逆平行または平行なその切り替え方向に切り替えるために必要な磁界Hは、容易軸ヒステリシスループが0と交差する磁界Hの2つの値間の差によって決定される。
図7および8の比較は、TAS−MRAMセル100の強磁性記憶層210の容易軸に沿って測定されたヒステリシスループ(図7)が、従来のセルの強磁性記憶層21の困難軸に沿って測定されたヒステリシスループ(図8)と同様に振る舞うことを示す。反対に、TAS−MRAMセル100の場合における強磁性記憶層210の困難軸に沿って測定されたヒステリシスループ(図7)は、従来のセル用の強磁性記憶層21の容易軸に沿って測定されたヒステリシスループ(図8)と同様に振る舞う。これは、測定されたヒステリシスループの「容易」または「困難」特性が、強磁性記憶層21、210の積層中に印加される外部磁界の第2の磁界方向120によって決定されることを示唆する。
より重要なことには、TAS−MRAMセル100の第1の磁化211を切り替えるために必要な磁界、すなわち異方性磁界は、図2aの従来のTAS−MRAMセル10における強磁性記憶層21の磁化を切り替えるために必要な磁界の約2分の1である。したがって、本発明の任意の態様によるTAS−MRAMセル100によって、従来のTAS−MRAMセルと比較して電力消費の低減が可能になる。なぜなら、より低い界磁電流410を用いて、書き込み動作を実行することができるからである。さらに、小さな界磁電流410を用いることによって、特にTAS−MRAMセル100のサイズが100nmの範囲に近づく場合に、力線400において電子移動を受けること、および電子移動の限界に到達することという起こり得るリスクを低減する。
強磁性記憶層210の結晶磁気異方性が強磁性基準層230の結晶磁気異方性とほぼ直角なTASベースMRAMセル100は、強磁性記憶層210が交換バイアスをかけられる場合には、有利である。実際には、強磁性記憶層210が交換バイアスをかけられない場合には、第1の磁化211は、読み出し動作中に、特に第2の磁化231と直角なその平衡状態に戻る。これは、低い読み出しマージンに帰着する。なぜなら、磁気抵抗値が、高抵抗状態と低抵抗状態との間の中間値に対応するからである。強磁性記憶層210が交換バイアスをかけられた場合には、第1の磁化211は、読み出し動作中に第2の磁化と平行または逆平行に留まり、最大の磁気抵抗値をもたらす。
本発明の任意の態様による複数のTAS−MRAMセル100を含むアレイから、磁気メモリ装置(図示せず)を形成できるが、この磁気メモリ装置では、各TAS−MRAMセル100の各接合部200は、強磁性記憶層210の側で電流線700に接続され、かつ反対側で、電流線700と直角に配置されたワード線に接続される。TAS−MRAMセル100の1つが書き込まれることになる場合には、電流パルスが、1つまたはいくつかのワード線で送られ、対応するワード線のトランジスタ300の少なくとも1つをモードONにし、加熱電流パルス310が、書き込まれることになるTAS−MRAMセル100、すなわち活性接続電流線700および活性ワード線の交差部に配置されたTAS−MRAMセル100に対応する各電流線700に送られる。
1 従来のMRAMセル
2 磁気トンネル接合部
21 強磁性記憶層
21b 反強磁性記憶層
22 絶縁層
23 強磁性基準層
24 反強磁性基準層
3 選択トランジスタ
31 加熱電流
4 第1の力線
41 第1の界磁電流
42 第1の磁界
5 第2の電流線
51 第2の界磁電流
52 第2の磁界
6 ワード線
7 電流線
8 従来のTAS−MRAMセルの力線
81 界磁電流
82 磁界
10 従来のTAS−MRAMセル
100 本発明のTAS−MRAMセル
110 第1の磁界方向
120 第2の磁界方向
130 第3の磁界方向
200 磁気トンネル接合部
210 強磁性記憶層
210b 反強磁性記憶層
211 強磁性記憶層の第1の磁化
220 絶縁層
230 強磁性基準層
231 強磁性基準層の第2の磁化
300 選択トランジスタ
310 加熱電流
320 力線
410 界磁電流
420 磁界
700 電流線
異方性磁界
保磁磁界
強磁性記憶層の反転磁界
BS 反強磁性記憶層のブロッキング温度
BR 反強磁性基準層のブロッキング温度
M 磁化
R 磁気トンネル接合部抵抗
ΔR 磁気抵抗
RA 接合部の抵抗−面積の積

Claims (10)

  1. 熱支援切り替え(TAS)書き込み手順を備えた磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)セルであって、
    高温閾値で調整可能な第1の磁化を有する強磁性記憶層、
    固定された第2の磁化方向を有する強磁性基準層、及び、
    前記強磁性記憶層と基準層との間に配置された絶縁層から形成された磁気トンネル接合部と、
    前記磁気トンネル接合部に電気的に接続されかつワード線を介して制御可能な選択トランジスタと、
    前記磁気トンネル接合部に電気的に接続される電流線と、
    を備え、
    前記強磁性記憶層の結晶磁気異方性が、前記強磁性基準層の結晶磁気異方性とほぼ直角である磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)セル。
  2. 前記セルが、前記磁気トンネル接合部と連通する力線をさらに含む、請求項1に記載のTAS−MRAMセル。
  3. 前記セルが、
    前記電流線を介して前記接合部を流れ、前記磁気トンネル接合部を前記高温閾値に加熱できる加熱電流と、
    前記力線を通過し、かつ前記界磁電流の極性に従って前記第1の磁化を整列させることができる磁界を生成する界磁電流と、
    によって書き込み可能である、請求項2に記載のTAS−MRAMセル。
  4. 前記磁気トンネル接合部が、前記強磁性記憶層の前記第1の磁化を低温閾値で固定し、かつ前記第1の磁化が前記第2の磁化の方向とほぼ直角に整列される前記高温閾値で前記第1の磁化を非固定化する反強磁性記憶層をさらに含む、請求項1に記載のTAS−MRAMセル。
  5. 前記磁気トンネル接合部が、反強磁性基準層であって、そのブロッキング温度未満で前記強磁性基準層の第2の磁化を保持する反強磁性基準層をさらに含む、請求項1に記載のTAS−MRAMセル。
  6. 前記磁気トンネル接合部が、非強磁性基準層を第1および第2の強磁性基準層の間に挿入することによって反強磁性的に結合される第1および第2の強磁性基準層を備える合成反強磁性固定層を有する、請求項1に記載のTAS−MRAMセル。
  7. 高温閾値で調整可能な第1の磁化を有する強磁性記憶層、
    固定された第2の磁化方向を有する強磁性基準層、及び、
    前記強磁性記憶層と基準層との間に配置された絶縁層から形成された磁気トンネル接合部と、
    前記磁気トンネル接合部に電気的に接続されかつワード線を介して制御可能な選択トランジスタと、
    前記磁気トンネル接合部に電気的に接続された電流線と、
    を含む複数のTAS−MRAMセルであって、
    前記強磁性記憶層の結晶磁気異方性が、前記強磁性基準層の結晶磁気異方性とほぼ直角である複数のTAS−MRAMセルを含むアレイから形成された磁気メモリ装置。
  8. 熱支援切り替え(TAS)書き込み手順を備えた磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)セルにデータを書き込む方法であって、
    前記TAS−MRAMセルが、高温閾値で調整可能な第1の磁化を有する記憶層、
    固定された第2の磁化を有する基準層、
    前記記憶層と基準層との間に配置された絶縁層から形成された磁気トンネル接合部を備え、
    前記TAS−MRAMセルが、前記磁気トンネル接合部に電気的に接続されかつワード線を介して制御可能な選択トランジスタと、
    前記磁気トンネル接合部に電気的に接続された電流線と、
    前記磁気トンネル接合部と連通する力線と、をさらに備え、
    前記強磁性記憶層の結晶磁気異方性が、前記強磁性基準層の結晶磁気異方性とほぼ直角であり、
    前記方法が、
    前記磁気トンネル接合部を加熱するために、電流線を介して、前記磁気トンネル接合部を通る加熱電流を流すステップと、
    前記強磁性記憶層の前記第1の磁化を切り替えるために、前記力線に前記界磁電流を通過させるステップと、
    前記磁気トンネル接合部が高温閾値に到達した後で、前記磁気トンネル接合部を冷却するために、前記加熱電流を切断するステップと、
    前記磁気トンネル接合部が低温閾値まで冷却された後で、前記界磁電流を切るステップと、
    を含む方法。
  9. 界磁電流の前記通過が、前記第1の磁化を、前記第2の磁化の方向とほぼ直角な初期方向から、前記第2の磁化の方向とほぼ平行または逆平行の切り替え方向へ切り替える、請求項8に記載の方法。
  10. 熱支援切り替え(TAS)書き込み手順を備えた磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)セルを製造する方法であって、
    前記TAS−MRAMセルが、
    高温閾値で調整可能な第1の磁化を有する記憶層、
    固定された第2の磁化を有する基準層、
    前記記憶層と基準層との間に配置された絶縁層から形成された磁気トンネル接合部を備え、
    前記強磁性記憶層の結晶磁気異方性が、前記強磁性基準層の結晶磁気異方性とほぼ直角であり、
    前記方法が、
    前記第1の磁界方向を有する印加外部磁界を用いて前記基準層を積層するステップと、
    前記第1の磁界方向とほぼ直角な第2の磁界方向を有する前記印加外部磁界を用いて前記記憶層を積層するステップと、
    前記第1の磁界方向とほぼ平行または逆平行の第3の磁界方向を有する印加外部磁界を用いて前記磁気トンネル接合部をアニールするステップと、
    を備える方法。
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