JP2010263077A - リアクトル - Google Patents

リアクトル Download PDF

Info

Publication number
JP2010263077A
JP2010263077A JP2009112678A JP2009112678A JP2010263077A JP 2010263077 A JP2010263077 A JP 2010263077A JP 2009112678 A JP2009112678 A JP 2009112678A JP 2009112678 A JP2009112678 A JP 2009112678A JP 2010263077 A JP2010263077 A JP 2010263077A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
winding
reactor
magnetic core
branch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009112678A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5218772B2 (ja
Inventor
Shinichiro Yamamoto
伸一郎 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2009112678A priority Critical patent/JP5218772B2/ja
Publication of JP2010263077A publication Critical patent/JP2010263077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5218772B2 publication Critical patent/JP5218772B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】昇圧動作や降圧動作に加えてソフトスイッチングを行えながら、小型で、生産性に優れるリアクトル、このリアクトルの構成部品に適したリアクトル用コイルを提供する。
【解決手段】リアクトル1は、環状の磁性コア10と、磁性コア10の外周に配置されるコイル11とを具える。コイル11を構成する巻線11wの途中に分岐部が設けられている。コイル11を構成するターンの一部、即ち、巻線11wの一方の端部11eAから分岐部までに存在するコイルのターンを主コイル部11Aとし、残りのターン、即ち、分岐部から巻線11wの他方の端部11eBまでに存在するコイルのターンを副コイル部11Bとする。主コイル部11Aと磁性コア10とを平滑用リアクトルに利用し、副コイル部11Bと磁性コア10とを共振用リアクトルに利用する。コイル11が一つであるため、巻線工程を低減でき、リアクトルの生産性に優れる上に、小型である。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に好適なリアクトル、及びこのリアクトルの構成部品に適したリアクトル用コイルに関するものである。特に、小型でありながら、昇降圧動作が行えると共にソフトスイッチングが可能なリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば、特許文献1は、ハイブリッド自動車などの車両に載置される双方向DC-DCコンバータの構成部品として、スイッチング素子のON/OFFのスイッチング動作により発生する電流を平滑化するリアクトルを開示している。このリアクトルは、巻線を巻回してなるコイルと、このコイルが配置される環状の磁性コアと、これらコイルと磁性コアとの組合体を収納するケースと、ケース内に充填されて上記組合体を封止する樹脂とを具える。このリアクトルは、通電に伴い発熱したコイルなどを冷却できるように冷却ベースに上記ケースを設置して使用される。
近年、従来のコンバータよりもスイッチング損失が少ないソフトスイッチングが可能な共振形のDC-DCコンバータが検討されている(特許文献2)。このコンバータは、平滑用のリアクトルに加えて、共振用のリアクトル及び共振用のスイッチング素子を具える補助回路を具える。特許文献2は、インダクタL1及びインダクタL2と、両インダクタL1,L2に比して小さなインダクタンス値を有するインダクタLrとを有する構成を開示している(特許文献2 図1)。インダクタL1が平滑用リアクトルとして機能し、インダクタL2及びLrにより、ソフトスイッチングを実現する。
特開2007-116066号公報 特開2007-043852号公報
しかし、特許文献2では、ソフトスイッチングが可能なリアクトル(インダクタ)の具体的な構造を開示していない。例えば、平滑用リアクトルと共振用リアクトルとを独立した別部材とすることが考えられる。ところが、この構成は、双方のリアクトルを設置するスペースが必要となるため、設置面積が小さく、小型であることが望まれる車載部品などに好ましくない。また、上述のように独立した別部材とすると、それぞれを別個に形成したり、互いを接合したりするために工程数が多く、生産性に劣る。
そこで、本発明の目的は、複数の異なる機能を有していながら、小型で生産性に優れるリアクトルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記リアクトルの構成部品に適したリアクトル用コイルを提供することにある。
本発明は、複数の異なる機能に対して、一つのコイル及び一つの磁性コアを共通に利用可能な構成とすることで上記目的を達成する。
本発明のリアクトル用コイルは、巻線を巻回してなり、磁性コアの外周に配置されてリアクトルに利用されるコイルであって、当該コイルを構成する巻線の途中に分岐部が設けられている。そして、このコイルは、上記巻線の一方の端部から上記分岐部までに存在するコイルのターンにより形成される主コイル部と、上記分岐部から上記巻線の他方の端部までに存在するコイルのターンにより形成される副コイル部とを具える。
本発明のリアクトルは、巻線を巻回してなるコイルと、このコイルが配置される磁性コアとを具えるものであり、当該コイルとしてこのコイルを構成する巻線の途中に上記分岐部が設けられた本発明リアクトル用コイルを具える。
本発明リアクトルによれば、例えば、本発明コイルの一部である主コイル部及び磁性コアを平滑用リアクトルとして機能させ、本発明コイルの他部である副コイル部及び同じ磁性コアを共振用リアクトルとして機能させることで、昇圧動作や降圧動作に加えて、ソフトスイッチングを行える。特に、本発明コイルは、主コイル部及び副コイル部が1本の巻線を巻回してなる一つのコイルを部分的に異なる機能に利用する構成であるため、別々の巻線で形成された独立した二つのコイルによりそれぞれ主コイル部及び副コイル部が構成される場合と比較して、巻線工程を低減でき、生産性に優れる。このような本発明コイルを利用することで、本発明リアクトルの生産性も向上することができる。また、本発明リアクトルは、一つの巻線工程により得られた本発明コイルを一つの磁性コアに配置することで組み立てられる。即ち、磁性コアとコイルとを具える従来の平滑用リアクトルの組立工程とほぼ同様の工程により、複数の機能を有する本発明リアクトルを組み立てられる。従って、本発明リアクトルは、生産性に優れる。かつ、本発明コイルを利用することで、複数の異なる機能を有する当該コイルに対して、一つの磁性コアを共通に利用することができる。従って、本発明コイルを具える本発明リアクトルは、平滑用リアクトルと共振用リアクトルとを独立した別部材とする場合と比較して、設置面積が小さく、小型である。
本発明の一形態として、巻線が、平角線からなる導体と、この導体の外周に設けられたエナメル樹脂などからなる絶縁被覆層とを具える被覆平角線であり、上記主コイル部及び副コイル部が上記被覆平角線をエッジワイズ巻きして形成されたエッジワイズコイルである形態が挙げられる。
上記構成によれば、断面円形状の導体を具える巻線を用いた場合と比較して、コイルの占積率を高められる。そのため、例えば、磁性コアにおいてコイルが配置される箇所の長さ(コイルの軸方向の長さ)を短くでき、リアクトルを更に小型にできる。また、上記構成によれば、後述するように分岐部が溶接や圧接などにより設けられている場合、接合のための接触面積を十分に確保できて接合強度を高められる。
上記分岐部は、代表的には、巻線の一部と、この巻線の一部に接合される導電性部材とにより構成される。上記巻線において上記導電性部材が接合される箇所は、上記コイルの任意の箇所から選択することができる。上記導電性部材の接合箇所は、例えば、コイルを構成する複数のターンのうちの一つのターンや、コイルが1本の連続する巻線から構成される一対のコイル素子を具えており、これら両コイル素子を繋ぐ連結部分などが挙げられる。導電性部材は、コイルを構成する巻線を短く切断した小片などを利用すると、巻線と同様の仕様であるため、巻線に接合し易い。その他、導電性部材は、帯状部材(バスバ)を利用したり、端子台に直接接合することが可能な端子部を一体に具える形態とすることができる。
上記導電性部材とコイルを構成する巻線の一部との接合には、溶接や圧接を好適に利用することができる。溶接は、例えば、TIG溶接、レーザ溶接、抵抗溶接などが挙げられる。圧接のうち、特に、冷間圧接は、接合にあたり、巻線が実質的に加熱されないため、導体表面の絶縁被覆層が加熱により損傷する恐れが少ない。その他の接合方法として、圧着や振動溶着なども利用できる。
本発明リアクトルは、昇圧動作や降圧動作に加えて、ソフトスイッチングを行える上に、小型で、生産性に優れる。本発明リアクトル用コイルは、上記リアクトルの構成部品に好適に利用することができる。
図1(I)は、実施形態1のリアクトルを模式的に示す概略説明図、図1(II)は、このリアクトルに具えるコイルの概略斜視図である。
(実施形態1)
以下、図1を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。図1(I)では、分かり易いように、巻返し部を省略すると共に、分岐部を構成する巻線片の位置を図1(II)と異ならせて示す。リアクトル1は、環状の磁性コア10と、このコア10の外周に配置される一対のコイル素子11a,11bを有するコイル11とを具える。リアクトル1の特徴とするところは、一つのコイル11に二つの機能を有するように構成されている点、及びこれら二つの機能を有するコイル11に対して一つの磁性コア10を共通に具える点にある。以下、各構成をより詳細に説明する。
[磁性コア10]
磁性コア10は、コイル11のコイル素子11a,11bがそれぞれ配置される一対の直方体状のコイル巻回部10ca,10cbと、コイル11が実質的に配置されない一対の端部コア10eとを有し、離間して並列されるコイル巻回部10ca,10cbを挟むように一対の端部コア10eが離間して配置されて閉ループ状(環状)に形成される。この磁性コア10は、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性材料からなる磁性体部10mとアルミナなどの非磁性材料からなるギャップ材10gとからなる。コイル巻回部10cは、磁性体部10mからなるコア片とギャップ材10gとを交互に積層して構成され、端部コア10eは、磁性体部10mからなるコア片である。各コア片は、軟磁性粉末の圧粉成形体や、複数の電磁鋼板を積層した積層体が利用できる。ギャップ材10gは、インダクタンスの調整のためにコア片間に設けられる隙間に配置される部材である(エアギャップの場合もある)。これらコア片及びギャップ材は、接着剤などで一体に接合される。コア片の分割数やギャップ材の個数は、コイル11がそれぞれ所望のインダクタンスとなるように適宜選択することができる。
[コイル11]
コイル11は、1本の連続する巻線11wを螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子11a,11bを有する。両コイル素子11a,11bは、各軸方向が平行するように横並びに形成されている。ここでは、巻線11wとして、銅製の平角線からなる導体の外周にエナメル樹脂からなる絶縁被覆層を具える被覆平角線を利用している。両コイル素子11a,11bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにして形成されたエッジワイズコイルであり、巻線11wの一部を折り返してなる巻返し部11rにより連結されている。
コイル11を形成する巻線11wの両端部11eA,11eBは、図1(II)に示すようにコイル11のターン形成部分から適宜引き延ばされており、絶縁被覆層が剥がされて露出された導体部分に、導電材料からなる端子部材(図示せず)が接続される。巻線と端子部材との接続、及び後述する巻線片と端子部材との接続には、上記TIG溶接などの溶接の他、圧着などを利用することができる。
上記コイル11の最も特徴とするところは、コイル11を構成する巻線11wの一部と、この巻線11の一部に接合された巻線片(導電性部材)12とから構成される分岐部を具えるところにある。具体的には、コイル11は、一方のコイル素子11aを構成する複数のターンのうち、一つのターンが他のターンよりも巻き径が大きく形成されており、この大きなターンを形成する巻線の一部が他のターンよりも外方に突出している。そして、この突出したターン(以下、突出ターン11tと呼ぶ)の一部に、巻線11wと同様の巻線を短く切断してなる巻線片12が接合されて分岐部を構成している。ここでは、突出ターン11tの一部及び巻線片12の一方の端部の絶縁被覆層を剥いで導体部分を露出させ、この導体同士を接合させている。上記導体同士の接合には、TIG溶接などの溶接や冷間圧接などの圧接が好適に利用することができる。この巻線片12の他方の端部は、絶縁被覆層が剥がされて露出された導体部分に上記端子部材(図示せず)が接続される。なお、分岐部を構成する巻線の一部と巻線片との接続箇所近傍を絶縁性テープなどを巻回して覆うことで、絶縁被覆層が剥がされた箇所及びその近傍の絶縁性を高められる。
そして、コイル11は、当該コイル11を構成する複数のターンを部分的に使用して、各部分が異なる機能を有する構成である。具体的には、コイル11は、巻線11wの一方の端部11eAから分岐部を構成する巻線片12までに存在するターン、即ち、コイル素子11aの一部のターンとコイル素子11bの全てのターンとにより形成される主コイル部11Aと、上記巻線片12から他方の端部11eBまでに存在するターン、即ち、コイル素子11aの残部のターンにより形成される副コイル部11Bとを具える。そして、各コイル部11A,11Bはそれぞれ、別の機能に利用される。ここでは、副コイル部11Bのターン数が主コイル部11Aのターン数よりも少ない例を示すが、後述する変形例に示すように、主コイル部と副コイル部とが所望のターン数となるように、分岐部の形成位置(代表的には、突出ターン11tの配置位置)を適宜選択することができる。
主コイル部11Aは、一方の端部11eA及び巻線片12のそれぞれに接続される端子部材を介して、副コイル部11Bは、他方の端部11eB及び巻線片12のそれぞれに接続される端子部材を介して、コイル11に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続され、それぞれの機能を果たす。
[その他の構成]
(インシュレータ)
磁性コア10とコイル11との間には、絶縁性材料からなるインシュレータ(図示せず)を設けると、磁性コア10とコイル11との間の絶縁性を高められる。インシュレータは、コイル巻回部10cの外周を覆う筒状ボビンと、コイル11の端面に当接される一対の鍔部とを具えるものが挙げられる。筒状ボビンは、半割れの角筒片同士を係合する構成とすると、コイル巻回部10cの外周を容易に覆うことができる。各鍔部は、筒状ボビンの一端側に配置される矩形枠である。上記絶縁性材料には、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などの絶縁性樹脂が利用できる。
(ケース)
磁性コア10とコイル11との組合体は、そのまま利用してもよいが、例えば、アルミニウムといった金属製のケース(図示せず)に収納し、更にケース内に図示しない絶縁性樹脂(ポッティング樹脂)を充填した構成とすることができる。
(外側樹脂部)
或いは、上記組合体をケースに収納せず、絶縁性樹脂により被覆し、外側樹脂部(図示せず)を具える構成としてもよい。上記絶縁性樹脂には、エポキシ樹脂やウレタン樹脂、PPS樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが利用できる。ケースを省略することで、リアクトルを小型にできる。また、磁性コアの一部やコイルの一部を外側樹脂部から露出させた構成とすると、磁性コアやコイルの熱を放出し易く、放熱性を高められる。例えば、磁性コアの端部コアの一面をコイル巻回部よりも突出した形状とし、この面をリアクトルを設置するときの設置側の面とするとき、この設置側の面を外側樹脂部から露出させ、冷却ベースに接触させて設置することで、放熱性を更に高められる。また、ケースを省略して外側樹脂部を具える構成とする場合、巻線の端部や分岐部の端部を任意の箇所に引き出し易く、端子部材が接続される箇所の設計の自由度を大きくすることができる。更に、外側樹脂部の構成樹脂により、分岐部を構成する巻線の一部と巻線片との接続箇所近傍を覆うことで、絶縁被覆層が剥がされた箇所及びその近傍の絶縁性を高められる。
なお、巻線11wの両端部11eA,11eB、分岐部を構成する巻線片12の端部は、ポッティング樹脂や外側樹脂部から露出させて、端子部材の取り付けができるようにする。ケースに収納したり、外側樹脂部を具える構成とすることで、磁性コア10やコイル11を粉塵や腐食などの外部環境から保護したり、機械的に保護したり、組合体を一体に取り扱える。
[リアクトルの組立]
上記構成を具えるリアクトル1は、以下のようにして形成することができる。
まず、突出ターン11tを有するコイル11を形成する。コイル11は、例えば、所定の位置に巻き径が大きい突出ターン11tを有するように、巻線機の制御部を適宜調整することで容易に形成することができる。突出ターン11tに上記巻線片12を接合する。なお、突出ターン11tと巻線片12との接合は、任意のときに行え、磁性コア10にコイル11を組み付けた後に行ってもよい。磁性体部10mからなるコア片やギャップ材10gを接着剤などで固定してコイル巻回部10cを形成し、この外周にインシュレータの筒状ボビンを配置する。そして、作製した上記コイル11の各コイル素子11a,11bをそれぞれ、筒状ボビンが配されたコイル巻回部10cに配置し、コイル11を挟むようにコイル素子11a,11bの両端面に鍔部及び端部コア10eを配置して、接着剤などで端部コア10eとコイル巻回部10cとを接合する。この工程により、磁性コア10とコイル11とを具えるリアクトル1が得られる。得られた環状の磁性コア10と上記コイル11とを具える組合体をケースに収納してポッティング樹脂を充填したり、外側樹脂部で被覆したりしてもよい。そして、巻線11の両端部11eA,11eB、分岐部を構成する巻線片12の端部にそれぞれ端子部材を取り付けることで、端子部材を介してコイル11に電力を供給することができる。
[リアクトルの機能]
上記構成を具えるリアクトル1において主コイル部11Aと磁性コア10とは、例えば、コンバータに具えるスイッチング素子のON/OFFのスイッチング動作により発生する電流を平滑化する平滑用リアクトルとして機能し、副コイル部11Bと磁性コア10とは、上記スイッチング動作の際にソフトスイッチングを行うための共振用リアクトルとして機能する。
[効果]
リアクトル1は、双方向DC-DCコンバータの構成部品として組み付けられた場合、主コイル部11Aを具えることで、昇圧動作や降圧動作を行え、かつ副コイル部11Bを具えることで、上記動作にあたり、ソフトスイッチングを行えるため、スイッチング動作に伴う損失を低減することができる。特に、リアクトル1は、主コイル部11Aと副コイル部11Bとが一纏まりのコイル11により構成され、かつ、主コイル部11Aと副コイル部11Bとに共通に磁性コア10を利用する構成である。この構成により、リアクトル1は、共振用リアクトルを別途設けた場合と比較して、小型である。例えば、従来の平滑用リアクトルからせいぜい副コイル部の巻線分だけ大きいリアクトルとすることができる。かつ、リアクトル1は、共振用リアクトルを別途設けた場合と比較して、巻回工程を低減できる上に、磁性コアとコイルとを具える従来の平滑用リアクトルとほぼ同様の組立工程で作製できるため、生産性に優れる。また、リアクトル1では、突出ターン11tを具えるコイル11を利用することで、ターンを突出させていない場合と比較して、巻線片12を接合し易く、この点からも生産性に優れる。
更に、リアクトル1では、コイル11が被覆平角線で構成されていることから、占積率を高められるため、コイル11のその軸方向の長さを短くできる。従って、コイル11が配置されるコイル巻回部10cの長さも短くでき、リアクトル1は、更に小型である。
(変形例1)
上記実施形態1では、磁性コア10の両コイル巻回部10ca,10cbの双方にコイル素子11a,11bが配置される構成を説明した。その他、磁性コアのいずれか一方のコイル巻回部にのみコイル素子が存在する構成、即ち、コイルとしてコイル素子を一つのみ具える構成とすることができる。このコイル素子を構成する複数のターンのうち、一つのターンを突出ターンとし、実施形態1のリアクトル1と同様にこの突出ターンに導電性部材を接合することで分岐部を形成することができる。そして、上記突出ターンを具えるコイル素子において、一方の端部から分岐部までに存在するターンを主コイル部とし、分岐部から他方の端部までに存在するターンを副コイル部とするとよい。この構成は、巻返し部が不要であり、コイルの成形性に優れる。
(変形例2)
上記実施形態1では、一方のコイル素子11aを構成する複数のターンのうちの、一つのターンに分岐部を具える構成を説明した。その他、両コイル素子を繋ぐ巻返し部に分岐部を具える構成とすることができる。巻返し部に導電性部材を接合する構成とすると、コイルを構成する全てのターンを一様に形成することができるため、コイルの形成が容易である。また、図1(II)に示すように巻返し部11rをコイル11のターン形成部分から引き上げた形状とすると、導電性部材を接合し易く、リアクトルの生産性に優れる。巻返し部に分岐部を形成する場合、各コイル素子のターン数を異ならせてもよい。
(変形例3)
上記実施形態1では、コイル11をそのまま利用する構成を説明した。その他、コイルの外周を樹脂で覆い、この樹脂(以下、内側樹脂部と呼ぶ)により、コイルの形状が保持されるコイル成形体としてもよい。コイル成形体を利用することで、磁性コアとコイルとを組み付ける際、コイルの形状が保持されて伸縮などしないため、コイルを取り扱い易く、リアクトルの生産性に更に優れる。また、コイルの内周も内側樹脂部の構成樹脂により覆い、磁性コアのコイル巻回部がコイルの内周の所定の位置に配置されるように当該構成樹脂の厚さ及び形状を調整することで、磁性コアとコイルとの間の絶縁を確保して、インシュレータを不要にできる。従って、部品点数や組み付け工程の低減により、リアクトルの生産性を更に高められる。特に、内側樹脂部の構成樹脂により、コイルをその自由長よりも圧縮した状態に保持されるようにコイル成形体を構成することで、コイルを小型にできる。内側樹脂部の構成樹脂には、上記外側樹脂部の構成樹脂を利用できる。その他、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを混合した樹脂を利用すると、放熱性を高められる。
(変形例4)
上記実施形態1では、巻線として被覆平角線を利用する構成を説明した。その他、断面が円形状の丸線からなる導体と、この導体の外周にエナメル樹脂などからなる絶縁被覆層とを具える被覆丸線、複数の素線を撚り合わせた撚り線導体と、この撚り線導体の外周に設けられた絶縁被覆層とを具える被覆電線、断面が多角形状の導体を具える巻線など、種々の巻線を利用することができる。被覆丸線や被覆電線は、被覆平角線と比較して曲げ易く、巻回作業を行い易い。被覆電線の絶縁被覆層には、例えば、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、シリコンゴムなどの絶縁性に優れる材料が利用できる。
なお、上述した実施の形態や変形例は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。
本発明リアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池車といった車両に搭載される双方向ソフトスイッチングDC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明リアクトル用コイルは、上記リアクトルの構成部品に好適に利用することができる。
1 リアクトル 10 磁性コア 10c,10ca,10cb コイル巻回部
10e 端部コア 10m 磁性体部 10g ギャップ材 11 コイル
11a,11b コイル素子 11w 巻線 11r 巻返し部 11A 主コイル部
11B 副コイル部 11t 突出ターン 11eA,11eB 巻線の端部 12 巻線片

Claims (6)

  1. 巻線を巻回してなるコイルと、このコイルが配置される磁性コアとを具えるリアクトルであって、
    前記コイルを構成する巻線の途中に分岐部が設けられており、
    前記コイルは、前記巻線の一方の端部から前記分岐部までに存在するコイルのターンにより形成される主コイル部と、前記分岐部から前記巻線の他方の端部までに存在するコイルのターンにより形成される副コイル部とを具えることを特徴とするリアクトル。
  2. 前記巻線は、平角線からなる導体と、この導体の外周に設けられた絶縁被覆層とを具える被覆平角線であり、
    前記主コイル部及び副コイル部は、前記被覆平角線をエッジワイズ巻きして形成されたエッジワイズコイルであることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記分岐部は、前記巻線の一部と、この巻線の一部に溶接により接合される導電性部材とを具えることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 前記分岐部は、前記巻線の一部と、この巻線の一部に圧接により接合される導電性部材とを具えることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  5. 前記リアクトルは、双方向のソフトスイッチングコンバータの構成部品であり、
    前記主コイルは、昇圧動作及び降圧動作の少なくとも一方に用いられ、
    前記副コイルは、ソフトスイッチングに用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 巻線を巻回してなり、磁性コアの外周に配置されてリアクトルに利用されるリアクトル用コイルであって、
    このコイルを構成する巻線の途中に分岐部が設けられており、
    前記巻線の一方の端部から前記分岐部までに存在するコイルのターンにより形成される主コイル部と、前記分岐部から前記巻線の他方の端部までに存在するコイルのターンにより形成される副コイル部とを具えることを特徴とするリアクトル用コイル。
JP2009112678A 2009-05-07 2009-05-07 リアクトル、リアクトル用コイル、及びコンバータ Active JP5218772B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009112678A JP5218772B2 (ja) 2009-05-07 2009-05-07 リアクトル、リアクトル用コイル、及びコンバータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009112678A JP5218772B2 (ja) 2009-05-07 2009-05-07 リアクトル、リアクトル用コイル、及びコンバータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010263077A true JP2010263077A (ja) 2010-11-18
JP5218772B2 JP5218772B2 (ja) 2013-06-26

Family

ID=43360929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009112678A Active JP5218772B2 (ja) 2009-05-07 2009-05-07 リアクトル、リアクトル用コイル、及びコンバータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5218772B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016157857A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 住友電装株式会社 コイル、およびリアクトル

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7373827B2 (ja) * 2019-02-19 2023-11-06 株式会社アスター コイル接合体およびコイル接合体の製造方法
JP7376902B2 (ja) * 2019-02-19 2023-11-09 株式会社アスター コイル接合体およびコイル接合体の製造方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS535720A (en) * 1976-07-05 1978-01-19 Hitachi Ltd Coil electric device
JPS5858324U (ja) * 1981-10-15 1983-04-20 三菱電機株式会社 リアクトル
JPH08330162A (ja) * 1995-05-30 1996-12-13 Tokin Corp 複合型コイル部品
JP2006013168A (ja) * 2004-06-25 2006-01-12 Tdk Corp コイルおよびラインフィルタ
JP2006294997A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Tamura Seisakusho Co Ltd 複合型リアクトルの巻線構造
JP2007043852A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Toyota Industries Corp Dc−dcコンバータの制御方法、制御プログラムおよび制御回路
JP2007180140A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Denso Corp 磁気部品
JP2009017300A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Nippon Sheet Glass Co Ltd チョークコイルおよびチョークコイル付き自動車用窓ガラス
JP2009099596A (ja) * 2007-10-12 2009-05-07 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトルおよびその製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS535720A (en) * 1976-07-05 1978-01-19 Hitachi Ltd Coil electric device
JPS5858324U (ja) * 1981-10-15 1983-04-20 三菱電機株式会社 リアクトル
JPH08330162A (ja) * 1995-05-30 1996-12-13 Tokin Corp 複合型コイル部品
JP2006013168A (ja) * 2004-06-25 2006-01-12 Tdk Corp コイルおよびラインフィルタ
JP2006294997A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Tamura Seisakusho Co Ltd 複合型リアクトルの巻線構造
JP2007043852A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Toyota Industries Corp Dc−dcコンバータの制御方法、制御プログラムおよび制御回路
JP2007180140A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Denso Corp 磁気部品
JP2009017300A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Nippon Sheet Glass Co Ltd チョークコイルおよびチョークコイル付き自動車用窓ガラス
JP2009099596A (ja) * 2007-10-12 2009-05-07 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトルおよびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016157857A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 住友電装株式会社 コイル、およびリアクトル

Also Published As

Publication number Publication date
JP5218772B2 (ja) 2013-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011161772A1 (ja) リアクトル
WO2009081934A1 (ja) 平面コイル及びこれを用いた非接触電力伝送機器
JP5288326B2 (ja) リアクトル集合体
JP5246411B2 (ja) リアクトル、コンバータ、およびリアクトルの製造方法
EP3026683B1 (en) Transformer, power supply device, and method for manufacturing transformer
JP2010050334A (ja) リアクトル及びリアクトル用ボビン
JP2010045110A (ja) リアクトル集合体
JP5152523B2 (ja) リアクトル集合体、及びコンバータ
JP5257780B2 (ja) リアクトル集合体、及びコンバータ
JP5288325B2 (ja) リアクトル集合体、及びコンバータ
JP2010245458A (ja) リアクトル用コイル部材及びリアクトル
JP5218772B2 (ja) リアクトル、リアクトル用コイル、及びコンバータ
JP2010272772A (ja) リアクトル
JP5354402B2 (ja) リアクトル、リアクトル用ボビン、及びコンバータ
JP2016092199A (ja) リアクトル
JP2012209327A (ja) リアクトル
JP2010245456A (ja) リアクトル集合体
WO2013150688A1 (ja) リアクトル、リアクトルの製造方法、コンバータ、及び電力変換装置
JP5267802B2 (ja) リアクトル集合体
JP5092848B2 (ja) リアクトルおよびリアクトル用コイル
JP6167895B2 (ja) リアクトル
JP5257847B2 (ja) リアクトル集合体、リアクトル集合体の漏れインダクタンスの調整方法、及びコンバータ
JP5189637B2 (ja) コイル部品及びそれを用いた電源回路
JP5196139B2 (ja) リアクトル及びコイル成形体
JP6539024B2 (ja) コイル、及びコイル部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130219

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160315

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5218772

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250