JP2010262776A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2010262776A
JP2010262776A JP2009111033A JP2009111033A JP2010262776A JP 2010262776 A JP2010262776 A JP 2010262776A JP 2009111033 A JP2009111033 A JP 2009111033A JP 2009111033 A JP2009111033 A JP 2009111033A JP 2010262776 A JP2010262776 A JP 2010262776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
hydrogen pump
pump unit
hydrogen
anode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009111033A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadahiro Shinozaki
禎宏 篠▲崎▼
Sho Usami
祥 宇佐美
Yasushi Araki
康 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009111033A priority Critical patent/JP2010262776A/ja
Publication of JP2010262776A publication Critical patent/JP2010262776A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】電気化学的水素ポンプユニットを用いてアノード排ガスから水素を回収することにより、コンパクトで安価な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池10は、燃料電池セル11の積層体を含む発電部と、1個以上の電気化学的水素ポンプユニット12から構成され、水素ポンプユニットは発電部からのアノード排ガスを、水素と不純物濃度がより高いガスとに分離するための不純物濃縮部であり、各水素ポンプユニット12のカソード流路内には、所定高さまでは液水が溜まるが、所定高さ以上は液水が溜まらない構造とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関する。
燃料(アノードガス)として水素を供給すべき燃料電池(固体高分子形燃料電池)とその制御系とを含む燃料電池システムの中には、燃料電池から排出されるアノード排ガスを燃料電池のアノードガス供給口に戻すことや、アノード排ガスをアノードガス供給口に戻すことなくシステム外に排出することが可能なアノード排ガス循環・排出系を備えたものが存在している。
要するに、燃料電池内で反応しなかった水素を燃料として再利用でき、かつ、アノード排ガス中の不純物(窒素等)量が増えた場合に、アノード排ガスをシステム外に排出できる燃料電池システムが存在しているのであるが、燃費(水素の利用効率)向上の観点からは、システム外に不純物と共に排出される水素量は少ない方が良い。
そのため、電気化学的水素ポンプをアノード排ガス循環・排出系に設けることにより、水素を抽出してからアノード排ガスを排出できるようにした燃料電池システム(例えば、特許文献1参照)が開発されている。
特開2006−019120号公報 特開2007−066918号公報 特開2008−112741号公報 特開2005−026059号公報 特開2008−235132号公報 特開2003−168468号公報
燃料電池システム(特に、車載用の燃料電池システム)は、コンパクトな、安価に製造できるものであることが望ましいが、電気化学的水素ポンプは、その主要構成要素である電解質膜が乾くにつれプロトンの伝導抵抗が大きくなるデバイスであると共に、プロトンの移動時に、電解質膜中の水分がカソード側に移動してしまうデバイスである。従って、電気化学的水素ポンプを正常に機能させるためには、電気化学的水素ポンプ内の電解質膜が乾かないようにしておくことが必要である。そして、燃料電池システムを、カソードガス(水素)用の加湿器を備えたシステムとしておけば、アノード排ガス中の水分で電気化学的水素ポンプ内の電解質膜が乾かないようにすることが出来るのであるが、加湿器を設ける場合、その分、燃料電池システムの製造コストが上昇することになる。さらに、燃料電池システムのサイズが大きくなってしまうことにもなる。
また、電気化学的水素ポンプをアノード排ガス循環・排出系に組み込む構成を採用した場合、電気化学的水素ポンプとそれに関する配管の設置スペース分、燃料電池システムのサイズが大きくならざるを得ない。
そこで、本発明の課題は、それを用いることにより、水素を抽出してからアノード排ガスを排出するタイプの、コンパクト且つ安価な燃料電池システムを構築できる燃料電池を
提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池は、複数個の燃料電池セルを積層した部分を含む、水素を含むガスがアノードガスとして供給される発電部と、前記発電部から排出されるアノード排ガスの少なくとも一部を不純物濃度がより高い不純物濃縮ガスと水素とに分離するための不純物濃縮部であって、前記発電部に対して前記燃料電池の積層方向に積層された、プロトンを通す電解質膜と当該電解質膜を挟んで対向するカソード流路及びアノード流路とを有する1個以上の電気化学的水素ポンプユニット、前記発電部からのアノード排ガスの少なくとも一部を各電気化学的水素ポンプユニットのアノード流路に供給するためのアノード排ガス供給路、各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路の鉛直方向上方部分と接続された、各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路内に溜まった水素をカソード流路外へ排出するための水素出口、及び、各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路内の過剰分の液水をカソード流路外へ排出することにより、各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路内の液水量を、各電気化学的水素ポンプユニットの電解質膜の鉛直方向上側の所定面積の部分に触れない量に維持する液水量調整手段を有する不純物濃縮部とを、備える。
すなわち、本発明の燃料電池は、既存の燃料電池システムにおける燃料電池、電気化学的水素ポンプにそれぞれ相当する発電部、不純物濃縮部を一体化したものであると共に、燃料電池セル、電気化学的水素ポンプユニット等を積層すれば、製造できる(組み立てられる)ものとなっている。
そして、発電部、不純物濃縮部を一体化した燃料電池の製造に必要とされる部品数、工程数は、発電部と不純物濃縮部とを別々製造する場合に必要とされる部品数、工程数よりも少ない。また、発電部、不純物濃縮部を一体化しておけば、燃料電池システムを構築する際に、不純物濃縮部の設置場所を確保する必要や、発電部と不純物濃縮部とを接続する必要がなくなることになる。従って、本発明の燃料電池を用いておけば、水素を抽出してからアノード排ガスを排出するタイプの、コンパクト且つ安価な(発電部と不純物濃縮部とを別々製造する場合よりも製造コストがかからない)燃料電池システムを構築できることになる。
また、本発明の燃料電池が備える不純物濃縮部は、各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路の鉛直方向上方部分から、水素が取り出される構成を有している。なお、本発明において、鉛直方向とは、燃料電池が通常の姿勢を取っている場合における鉛直方向のことである。
換言すれば、不純物濃縮部は、当該構成を採用することによって、各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路内に生じた液水(凝縮水)が、水素と共に排出されないようにしたものとなっている。そして、各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路内に生じた液水が、水素と共に排出されなければ、各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路内に液水が溜まり、その液水によって、各電気化学的水素ポンプユニットの電解質膜に水分を補給できる。そのため、本発明の燃料電池を用いて燃料電池システムを構築する際には、電気化学的水素ポンプユニット12の性能維持のための構成(アノードガス用の加湿器等)をシステムの構成要素としなくても良いことになる。そして、アノードガス用の加湿器等を備えない燃料電池システムは、アノードガス用の加湿器等を備えた燃料電池システムよりも、製造コストが低く、コンパクトなものになるのであるから、本発明の燃料電池は、この観点からも、水素を抽出してからアノード排ガスを排出するタイプの、コンパクト且つ安価な燃料電池システムを構築できるものとなっていることになる。
さらに、不純物濃縮部は、各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路内の液水量を、各電気化学的水素ポンプユニットの電解質膜の鉛直方向上側の所定面積の部分に触れない量に維持する液水量調整手段を有している。従って、本発明の燃料電池を用いて構築した燃料電池システムでは、各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路内の液水量が過度に増える(各電気化学的水素ポンプユニットの電解質膜の、水素移動に利用可能な面積が過度に減少する)ことに因り、各電気化学的水素ポンプユニットの性能が劣化するといったことが生じないことになる。
本発明の燃料電池の電気化学的水素ポンプユニットとしては、様々なものを使用することが出来る。ただし、製造コストを低減するために、電気化学的水素ポンプユニットとしては、燃料電池セルと大部分の部品が同じもの(例えば、使用されているMEAのみが燃料電池セルと異なるもの)を使用しておくことが好ましく、特に、燃料電池セルと全く同じものを使用しておくことが望ましい。
本発明の燃料電池を用いれば、水素を抽出してからアノード排ガスを排出するタイプの、コンパクト且つ安価な燃料電池システムを構築できる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池を備えた燃料電池システムの概略構成図である。 実施形態に係る燃料電池が備える不純物濃縮部の概略構成図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る燃料電池10を備えた燃料電池システム1の概略構成図を示す。また、図2に、燃料電池10の不純物濃縮部(電気化学的水素ポンプユニット12、液水量調整構造28等からなる部分)の概略構成図を示す。なお、本実施形態に係る燃料電池10は、車両に搭載して無加湿運転することを想定して開発したものであり、各図は、車両に搭載されている燃料電池10の側面方向から見た構成を、燃料電池10の鉛直下方向が各図における下方向となるように示したものとなっている。
まず、これらの図を用いて、本実施形態に係る燃料電池10の構成を説明する。
図1に示してあるように、燃料電池10は、絶縁板22、集電板23、複数の燃料電池セル11、集電板23、絶縁板22、中間プレート24、絶縁板25、集電板26、複数の電気化学的水素ポンプユニット12、集電板26、絶縁板25を、この順で2つのエンドプレート21、27間に挟んだ上で、エンドプレート27側に液水量調整構造28を設けた構成を有している。
燃料電池セル11は、アノード極、電解質膜(固体高分子膜)、カソード極を貼り合わせて一体化したMEA(膜・電極接合体)を、アノードガス/カソードガスを流すための
アノード流路/カソード流路が彫り込まれているセパレータ(いわゆるバイポーラプレート)で挟んだ燃料電池セルである。
この燃料電池セル11は、積層することにより、アノード上部マニホールド13C、アノード下部マニホールド14C、カソード上部マニホールド(図示略)、カソード下部マニホールド(図示略)及び冷却水流路を有する積層体(以下、セルスタックと表記する)が形成されるものとなっている。なお、アノード上部マニホールド13Cとは、セルスタックの上端側に位置する、各燃料電池セル11のアノード流路の上端側の部分と連通した
マニホールドのことであり、アノード下部マニホールド14Cとは、セルスタックの下端側に位置する、各燃料電池セル11のアノード流路の下端側の部分と連通したマニホールドのことである。カソード上部マニホールドとは、セルスタックの上端側に位置する、各燃料電池セル11のカソード流路の上端側の部分と連通したマニホールドのことであり、カソード下部マニホールドとは、セルスタックの下端側に位置する、各燃料電池セル11のカソード流路の下端側の部分と連通したマニホールドのことである。また、冷却水流路とは、冷却水を流すための流路のことである。
電気化学的水素ポンプユニット12(以下、水素ポンプユニット12と略記する)は、プロトンを通す電解質膜と当該電解質膜を挟んで対向するアノード流路及びカソード流路とを有する、電解質膜に電流を流すことによりアノード流路内の水素をカソード流路側に移動させることが出来る電気化学デバイスである。
この水素ポンプユニット12としては、上記した燃料電池セル11と同じものが使用されている。従って、燃料電池10の、複数の水素ポンプユニット12が積層された部分(以下、水素ポンプと表記する)も、上記した各マニホールドに相当するアノード上部マニホールド13P、アノード下部マニホールド14P、カソード上部マニホールド15P、カソード下部マニホールド(図示略)等を有している。
集電板23は、セルスタックから電力を取り出すための出力端子23aが取り付けられている導電性部材である。絶縁板22は、エンドプレート21・集電板23間、又は、集電板23・中間プレート24間を絶縁するために設けられている絶縁性部材である。
エンドプレート21側の絶縁板22、集電板23は、いずれも、上記した各マニホールドや冷却水流路に対応する部分に開口部を有する部材となっている。一方、中間プレート24側の絶縁板22、集電板23は、いずれも、アノード下部マニホールド14Cに対応する部分には開口部を有するが、他の各マニホールドや冷却水流路に対応する部分には開口部を有さない部材となっている。
集電板26は、各水素ポンプユニット12の電解質膜の膜面間に電流を流すための入力端子26aが取り付けられている導電性部材である。絶縁板25は、中間プレート24・集電板26間、又は、集電板26・エンドプレート27間を絶縁するために設けられている絶縁性部材である。
中間プレート24側の絶縁板25、集電板26は、いずれも、アノード下部マニホールド14Pに対応する部分に開口部を有し、他の各マニホールドに対応する部分に開口部を有さない部材となっている。一方、エンドプレート27側の絶縁板25、集電板26は、いずれも、アノード下部マニホールド14Pに対応する部分に開口部を有さず、他の各マニホールドに対応する部分に開口部を有する部材となっている。
中間プレート24は、アノード下部マニホールド14Cとアノード下部マニホールド14Pとを連通する貫通孔が設けられている剛性部材である。
エンドプレート21、27は、燃料電池セル11、水素ポンプユニット12等を、積層方向(図1、2における左右方向)に加圧して保持するための剛性部材である。
エンドプレート21には、アノード上部マニホールド13Cと連通するガス流路接続部(厚さ方向に延びた貫通孔とガス流路を固定/接続するための構成とからなる部分)であるアノードガス導入部21a、及び、アノード下部マニホールド14Cと連通するガス流路接続部であるアノード排ガス排出部21bが設けられている。また、エンドプレート2
1には、カソード上部マニホールド(水素ポンプ側のカソード上部マニホールド15P参照)と連通するガス流路接続部であるカソードガス導入部(図示略)、及び、カソード下部マニホールド(図示略)と連通するガス流路接続部であるカソード排ガス排出部(図示略)も設けられている。さらに、エンドプレート21には、セルスタック内の冷却水流路への冷却水の入口、当該冷却水流路からの冷却水の出口としてそれぞれ機能する冷却水導入部(図示略)、冷却水排出部(図示略)も設けられている。
エンドプレート27には、カソード上部マニホールド15Pと連通するガス流路接続部である水素排出部27a、カソード下部マニホールド(図示略)と連通するガス流路接続部である水素・液水排出部27bが設けられている。また、エンドプレート27には、アノード上部マニホールド13Pと連通するガス流路接続部である不純物濃縮ガス排出部27cも設けられている。
エンドプレート27の水素排出部27a、水素・液水排出部27bとの間には、液水量調整構造28が設けられている。
この液水量調整構造28は、図2に示した構成を有するものである。すなわち、液水量調整構造28は、エンドプレート27の水素排出部27aから水平方向に延びたパイプ状部材28aであって、ガス流路33を取り付けるための取付部28bがその端部に設けられているパイプ状部材28aを備えている。
また、液水量調整構造28は、下方に延びるように、パイプ状部材28bの途中に接続されたパイプ状部材28cと、当該パイプ状部材28cの下端に設けられた所定量の液体を貯留可能な貯留部28dとを備えている。
さらに、液水量調整構造28は、水素・液水排出部27bとパイプ状部材28cとを接続するパイプ状部材28eであって、エンドプレート27の水素・液水排出部27bから上方に延びた後、下側の内壁面の高さが高さhとなる箇所で水平方向に曲がった形状のパイプ状部材28eを備えている。なお、高さhとは、その高さまで各水素ポンプユニット12のカソード流路内に液水が溜まることにより各水素ポンプユニット12の電解質膜の水素移動に利用可能な面積が減っても、各水素ポンプユニット12の性能がさほど低下しない高さとして定められた高さのことである。
次に、燃料電池システム1の構成及び動作と、燃料電池システム1の構成要素としての燃料電池10の基本的な機能とを、説明する。なお、以下の説明では、燃料電池10の、中間プレート24よりもエンドプレート21側の部分、中間プレート24よりもエンドプレート27側の部分のことを、それぞれ、発電部、不純物濃縮部と表記する。
図1に示してあるように、燃料電池システム1は、水素を保持した水素タンク30と、水素タンク30内の水素を、加湿することなく(加湿器を通すことなく)燃料電池10のアノードガス導入部21aに供給するためのガス流路33と、ガス流路33の途中に設けられたシャットバルブ31、減圧弁(図示略)及びインジェクタ32とを備えている。
また、燃料電池システム1は、燃料電池10のアノード排ガス排出部21bをガス流路33の途中の部分に接続するガス流路34、及び、ガス流路34の途中に設けられた機械式ポンプ39を備えている。燃料電池システム1は、液水量調整構造28(パイプ状部材28a:図2参照)を介して水素排出部27aとガス流路33とを接続するガス流路35も備えている。なお、このガス流路35は、図示せぬイジェクタを介してガス流路33と接続されたものとなっている。
燃料電池システム1は、ガス流路35の途中に設けられたシャットバルブ37、不純物濃縮ガス排出部27cと接続されたガス流路36、当該ガス流路36の途中に設けられたシャットバルブ38も、備えている。
また、図示は省略してあるが、燃料電池システム1は、エアコンプレッサ等からなる、燃料電池10のカソードガス導入部に空気を供給するためのアノードガス供給系や、ラジエータ、冷却水用ポンプ等からなる、セルスタックの冷却水流路に冷却水を流すための冷却系も備えている。
さらに、燃料電池システム1は、各種センサの出力に基づき、必要量のアノードガス及びカソードガスが燃料電池10へ供給されるように、エアコンプレッサ、シャットバルブ31、インジェクタ32、機械式ポンプ39等を制御する制御装置(CPU、ROM、RAM等からなる、いわゆる電子制御ユニット)も備えている。なお、各種センサとは、燃料電池システム1を搭載した車両に設けられているアクセルペダルセンサや、燃料電池システム1の各部の圧力、電圧、温度等を測定するためのセンサのことである。また、必要量のアノードガス及びカソードガスとは、負荷(本実施形態では、車両用モータ、バッテリ、インバータ等からなるシステム)に必要とされている電力(アクセルペダル開度等から求められた電力)が出力端子23a間から取り出せる量のガスのことである。
この制御装置は、入力端子26a間に電流を流すことにより各水素ポンプユニット12のアノード流路側からカソード流路側へ水素を移動させた後、シャットバルブ37、38を一時的に開ける処理である不純物濃縮部等制御処理を定期的に行う機能を有している。詳細説明は省略するが、この不純物濃縮部等制御処理は、入力端子26a間のインピーダンスや入力端子26a間に流した電流量に基づき、各水素ポンプユニット12のアノード流路側からカソード流路側へ移動した水素量や、各水素ポンプユニット12のアノード流路側に残っている水素量を推定し、その推定結果に基づき、シャットバルブ37、38を開けるタイミングを決定する処理となっている。
要するに、燃料電池システム1及び燃料電池10は上記構成を有するものであるため、エアコンプレッサ等の制御により、アノードガス及びカソードガスの燃料電池10への供給が開始されると、燃料電池10の発電部が発電動作を開始することになる。
そして、その際、不純物濃縮部等制御処理が行われていなければ(シャットバルブ38が開けられておらず、かつ、入力端子36a間に電流が流されていなければ)、発電部からのアノード排ガスの全てが、発電部に供給されるアノードガスの一部として再利用されることになる。何故ならば、発電部のアノード下部マニホールド14Cは、ガス流路34とアノード下部マニホールド14Pとに接続されているが、シャットバルブ38が開けられておらず、かつ、入力端子36a間に電流が流されていない場合、各水素ポンプユニット12のアノード流路側のガス量は変化しないからである。
また、そのような形での運転が続くと、発電部に供給されるアノードガス中の不純物濃度が高くなっていくが、アノードガス中の不純物濃度が高くなったときに入力端子36a間に電流を流す処理を開始すれば、各水素ポンプユニット12のアノード流路側からカソード流路側に水素が移動する結果として、各水素ポンプユニット12のアノード流路内のアノード排ガスが、不純物濃度がより高いガス(図1では、不純物濃縮ガス;図2では、N2)に変化することになる。また、各水素ポンプユニット12のカソード流路内に水素
が溜まることになる。
そして、各水素ポンプユニット12のアノード流路は、アノード上部マニホールド13P等を介して、シャットバルブ38を備えたガス流路36と接続されている。従って、各
水素ポンプユニット12のアノード流路側のガス中の水素量が或る程度まで下がったときに、シャットバルブ38を開ければ、アノード排ガスよりも不純物濃度が高い(水素濃度が低い)不純物濃縮ガスを燃料電池システム1外に排出できることになる。
また、各水素ポンプユニット12のカソード流路は、シャットバルブ37を備えたガス流路35、ガス流路33等を介して、カソードガス導入部21aと接続されている。従って、各水素ポンプユニット12のカソード流路側に或る程度の量の水素が溜まったときに、シャットバルブ37を開ければ、アノード排ガスから回収した水素を発電部への燃料として再利用できることになる。
そして、各水素ポンプユニット12のアノード流路側に残っている水素量、各水素ポンプユニット12のアノード流路側に溜まった水素量は、入力端子26a間のインピーダンス、入力端子26a間に流した電流量等から推定できる。そのため、燃料電池システム1に、上記内容の不純物濃縮部等制御処理を行う制御装置を採用しているのである。
次に、液水量調整構造28の機能(液水量調整構造28を燃料電池10に設けている理由)を、説明する。
液水量調整構造28は、水素ポンプ(水素ポンプユニット12が積層された部分)内の各水素ポンプユニット12の電解質膜が乾かないようにするために、燃料電池10に設けたものとなっている。
すなわち、水素ポンプユニット12は、電解質膜が乾くにつれプロトンの伝導抵抗が大きくなるデバイスである。しかも、水素ポンプユニット12は、プロトンの移動時に、電解質膜中の水分がカソード流路側に移動するデバイスとなっている。従って、燃料電池10の水素ポンプを正常に機能させるためには、水素ポンプ内の各水素ポンプユニット12の電解質膜が乾かないようにしておくこと(各水素ポンプユニット12内の電解質膜に水分が補給されるようにしておくこと)が必要である。
そして、燃料電池10を加湿運転する(加湿したアノードガスを燃料電池10に供給する)場合には、各水素ポンプユニット12内のアノード流路に、比較的に高湿度のアノード排ガス(電解質膜へ十分な量の水分を供給できるアノード排ガス)を供給することが出来る。そのため、燃料電池10を加湿運転する場合には、液水量調整構造28を設けておかなくても、例えば、水素排出部27aを封止して水素・液水排出部27bにガス流路36を接続しておけば、各水素ポンプユニット12内の電解質膜が乾かないようにすることが出来ることになる。
ただし、水素排出部27aを封止して水素・液水排出部27bにガス流路36を接続した燃料電池10を、アノード排ガス温度が高くなる条件で無加湿運転し続けた場合には、各水素ポンプユニット12内の電解質膜が乾いてしまうことになる。何故ならば、この場合、高温かつ低湿度のアノード排ガスにより各水素ポンプユニット12内の電解質膜の乾燥が促進されることになることに加え、プロトンの移動に伴い電解質膜中からカソード流路側に移動した水分が、水蒸気又は凝縮水として水素と共に各水素ポンプユニット12のカソード流路外へ排出されてしまうことになるからである。
これに対して、各水素ポンプユニット12内のカソード流路の上端側から水素を取り出すようにしておけば、プロトンの移動に伴い電解質膜中からカソード流路側に移動した水分を、各水素ポンプユニット12のカソード流路の下方部分に、電解質膜に水分を供給するための液水(液体状の水)として貯めておくことが出来る。なお、水素ポンプユニット12のカソード流路側で水分が液化するのは、水素ポンプユニット12内で生ずる水素の
移動が、発熱を伴うものではないため、水素ポンプユニット12のカソード流路側の温度が比較的に低いものとなるからである。
ただし、その際、水素・液水排出部27b側を単に封止したのでは、各水素ポンプユニット12のカソード流路内のかなりの高さまで液水が溜まってしまい、その結果として、各水素ポンプユニット12の性能が低下してしまう(電解質膜の、水素移動に使用可能な面積が減ってしまう)ことが考えられる。
そして、エンドプレート27側に、水素・液水排出部27bから上方に延びた後、下側の内壁面の高さが高さhとなる箇所で水平方向に曲がった形状のパイプ状部材28e、当該パイプ状部材28eから液水を貯留する貯留部28d等を設けておけば、各水素ポンプユニット12のカソード流路内に溜まり得る液水の高さを、各水素ポンプユニット12の性能がさほど低下しない高さh以下に制御できる。このため、本実施形態に係る燃料電池10に、上記構成の液水量調整構造28を設けているのである。
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る燃料電池10は、それぞれ、既存の燃料電池システムにおける燃料電池、電気化学的水素ポンプに相当する発電部、不純物濃縮部を一体化したものであると共に、燃料電池セル11、電気化学的水素ポンプユニット12等を積層すれば製造できる(組み立てられる)ものとなっている。
そして、発電部、不純物濃縮部を一体化した燃料電池10の製造に必要とされる部品数、工程数は、発電部と不純物濃縮部とを別々製造する場合に必要とされる部品数、工程数よりも少ない。また、発電部と不純物濃縮部とを一体化しておけば、燃料電池システムを構築する際に、不純物濃縮部の設置場所を確保する必要や、発電部と不純物濃縮部とを接続する必要がなくなることになる。
従って、燃料電池10を用いておけば、水素を抽出してからアノード排ガスを排出するタイプの燃料電池システムであって、燃料電池と電気化学的水素ポンプとが用いられている燃料電池システムよりも、コンパクト且つ安価な燃料電池システムを構築できることになる。
また、燃料電池10が備える不純物濃縮部は、各電気化学的水素ポンプユニット12のカソード流路の上端部分(鉛直方向上方部分)から、水素が取り出される構成を採用することによって、各電気化学的水素ポンプユニット12のカソード流路内に生じた液水(凝縮水)が、水素と共に排出されないようにしたものとなっている。そして、各電気化学的水素ポンプユニット12のカソード流路内に生じた液水が、水素と共に排出されなければ、各電気化学的水素ポンプユニット12のカソード流路内に液水が溜まり、その液水によって、各電気化学的水素ポンプユニット12の電解質膜に水分を補給することが出来る。そのため、燃料電池10を用いて燃料電池システムを構築する場合には、燃料電池システムに、電気化学的水素ポンプユニット12の性能維持のための構成(アノードガス用の加湿器等)を組み込む必要がない。従って、燃料電池10は、この観点からも、コンパクト且つ安価な燃料電池システムを構築できるものとなっていることになる。
さらに、燃料電池10の不純物濃縮部は、各電気化学的水素ポンプユニット12のカソード流路内の液水量を、各電気化学的水素ポンプユニット12の電解質膜の鉛直方向上側の所定面積の部分に触れない量に維持する液水量調整構造28を有している。従って、この燃料電池10を用いておけば、各電気化学的水素ポンプユニット12のカソード流路内の液水量が過度に増える(各電気化学的水素ポンプユニット12の電解質膜の、水素移動に利用可能な面積が過度に減少する)ことに因り、各電気化学的水素ポンプユニット12の性能が劣化するといったことが生じない燃料電池システムを構築できることにもなる。
《変形形態》
上記した燃料電池10は、各種の変形を行うことが出来るものである。例えば、燃料電池10は、燃料電池セル11と電気化学的水素ポンプ12として全く同一のものが使用されたものであったが、電気化学的水素ポンプ12として、燃料電池セル11と、使用されているMEAのみが異なるものを使用しておくことが出来る。また、電気化学的水素ポンプ12として、燃料電池セル11と全く別構成のものを使用しておくことも出来る。ただし、電気化学的水素ポンプ12として、燃料電池セル11と全く別構成のものを使用した場合、製造コストが上昇してしまうので、電気化学的水素ポンプユニット12としては、燃料電池セル11と大部分の部品が同じものを使用しておくことが好ましく、特に、燃料電池セル11と全く同じものを使用しておくことが望ましい。
1・・・燃料電池システム
10・・・燃料電池
11・・・燃料電池セル
12・・・電気化学的水素ポンプユニット
13C、13P・・・アノード上部マニホールド
14C、14P・・・アノード下部マニホールド
15P・・・カソード上部マニホールド
21,27・・・エンドプレート
21a・・・アノードガス導入部
21b・・・アノード排ガス排出部
27a・・・水素排出部
27b・・・水素・液水排出部
27c・・・不純物濃縮ガス排出部
22、25・・・絶縁板
23、26・・・集電板
24・・・中間プレート
28・・・液水量調整構造
30・・・水素タンク
31、37、38・・・シャットバルブ
32・・・インジェクタ
33〜36・・・ガス流路
39・・・機械式ポンプ

Claims (2)

  1. 複数個の燃料電池セルを積層した部分を含む、水素を含むガスがアノードガスとして供給される発電部と、
    前記発電部から排出されるアノード排ガスの少なくとも一部を不純物濃度がより高い不純物濃縮ガスと水素とに分離するための不純物濃縮部であって、
    前記発電部に対して前記燃料電池の積層方向に積層された、プロトンを通す電解質膜と当該電解質膜を挟んで対向するカソード流路及びアノード流路とを有する1個以上の電気化学的水素ポンプユニット、
    前記発電部からのアノード排ガスの少なくとも一部を各電気化学的水素ポンプユニットのアノード流路に供給するためのアノード排ガス供給路、
    各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路の鉛直方向上方部分と接続された、各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路内に溜まった水素をカソード流路外へ排出するための水素出口、及び、
    各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路内の過剰分の液水をカソード流路外へ排出することにより、各電気化学的水素ポンプユニットのカソード流路内の液水量を、各電気化学的水素ポンプユニットの電解質膜の鉛直方向上側の所定面積の部分に触れない量に維持する液水量調整手段
    を有する不純物濃縮部と
    を備えることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記電気化学的水素ポンプユニットとして、前記燃料電池セルと同じものが使用されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
JP2009111033A 2009-04-30 2009-04-30 燃料電池 Withdrawn JP2010262776A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009111033A JP2010262776A (ja) 2009-04-30 2009-04-30 燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009111033A JP2010262776A (ja) 2009-04-30 2009-04-30 燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010262776A true JP2010262776A (ja) 2010-11-18

Family

ID=43360697

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009111033A Withdrawn JP2010262776A (ja) 2009-04-30 2009-04-30 燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010262776A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101320328B1 (ko) 2012-02-15 2013-10-23 한국과학기술연구원 독립운전 수소펌프 시스템
JP2016094308A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 東京瓦斯株式会社 圧縮水素供給装置
JP2017529460A (ja) * 2014-07-02 2017-10-05 ヌヴェラ・フュエル・セルズ,エルエルシー マルチスタック電気化学的圧縮機システムおよび作動方法
CN114689656A (zh) * 2020-12-30 2022-07-01 南方科技大学 一种电化学氢气压缩机电化学阻抗谱的测试方法
WO2024109185A1 (zh) * 2022-11-22 2024-05-30 上海氢晨新能源科技有限公司 一种燃料电池阳极尾气处理系统装置及其尾气处理方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101320328B1 (ko) 2012-02-15 2013-10-23 한국과학기술연구원 독립운전 수소펌프 시스템
JP2017529460A (ja) * 2014-07-02 2017-10-05 ヌヴェラ・フュエル・セルズ,エルエルシー マルチスタック電気化学的圧縮機システムおよび作動方法
JP2016094308A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 東京瓦斯株式会社 圧縮水素供給装置
CN114689656A (zh) * 2020-12-30 2022-07-01 南方科技大学 一种电化学氢气压缩机电化学阻抗谱的测试方法
WO2024109185A1 (zh) * 2022-11-22 2024-05-30 上海氢晨新能源科技有限公司 一种燃料电池阳极尾气处理系统装置及其尾气处理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5273251B2 (ja) 燃料電池の含水量制御方法及び燃料電池システム
JP4456188B2 (ja) 燃料電池スタック
US8541139B2 (en) Humidifier including an auxiliary humidifier utilzing electroosmosis
JP5351651B2 (ja) 燃料電池システム
JP5397387B2 (ja) 燃料電池システム
JPWO2011061817A1 (ja) 燃料電池のセル水分量の状態を判定する方法、その装置、燃料電池のセル水分量の状態を制御する方法、その装置及び燃料電池システム
CN106602104B (zh) 燃料电池车辆的冷却系统
JP2010262776A (ja) 燃料電池
WO2008050816A1 (en) Fuel cell
US7867665B2 (en) Fuel cell stack
JP5287184B2 (ja) 燃料電池システム
JP5459223B2 (ja) 燃料電池システム
JP2010262906A (ja) 燃料電池システム
JP2007141639A (ja) 燃料電池スタック
JP2015065063A (ja) 電流測定装置
KR20050001369A (ko) 고분자 전해질형 연료전지
JP4542911B2 (ja) 燃料電池システムの掃気処理装置及び掃気処理方法
JP2008016272A (ja) 燃料電池
JP5310739B2 (ja) 燃料電池システム
JP2009048945A (ja) 燃料電池システム
KR101601377B1 (ko) 연료전지 공기극 공급 공기의 열교환기 장치 및 열 교환 방법
JP6834746B2 (ja) 燃料電池システム
JP5734635B2 (ja) 燃料電池スタックの制御方法
JP5310740B2 (ja) 燃料電池システム
KR101920786B1 (ko) 연료전지 스택용 가습장치 및 이를 이용한 연료전지 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120703