JP2010261913A - 温度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度検出範囲が広範囲となるような場合であれ、パワー半導体素子の温度を精度よく検出することのできる温度検出装置を提供する。
【解決手段】温度検出用ダイオード112の検出出力に基づき水冷式の冷却装置に搭載されたIGBT111の温度を監視する。このIGBT111の温度の監視に際しては、まず、温度検出用ダイオード112による温度検出範囲を分割する。そして、冷却装置の冷却水温度を検出する冷却水温センサ130によりIGBT111の温度を推定し、この冷却水温センサ130によるIGBT111の温度推定値に基づいて、分割された温度検出用ダイオード112の温度検出範囲を切り替える。
【選択図】図1
【解決手段】温度検出用ダイオード112の検出出力に基づき水冷式の冷却装置に搭載されたIGBT111の温度を監視する。このIGBT111の温度の監視に際しては、まず、温度検出用ダイオード112による温度検出範囲を分割する。そして、冷却装置の冷却水温度を検出する冷却水温センサ130によりIGBT111の温度を推定し、この冷却水温センサ130によるIGBT111の温度推定値に基づいて、分割された温度検出用ダイオード112の温度検出範囲を切り替える。
【選択図】図1
Description
本発明は、発熱体となる主にパワー半導体素子等の温度を検出する温度検出装置に関する。
電気自動車やハイブリッド車などのように車載バッテリから供給される直流電力をモータ駆動用の三相交流等に変換するなどの電力変換を行うインバータ装置では、このインバータ装置を構成するパワー素子に供給される電流が大きいことから、その動作時における発熱量が多くなる。そして、こうしたパワー半導体素子の発熱量が過剰になるような場合には、その発熱に起因してパワー半導体素子の性能低下を招く虞がある。
そこで、例えば特許文献1に記載の温度検出装置にあっては、温度に応じて順方向電圧が変化するダイオードからなる温度センサを半導体素子に設け、この温度センサ(温度検出用ダイオード)の順方向電圧の検出に基づき半導体素子の温度を監視するようにしている。こうした温度検出装置では、上記温度センサを構成するダイオードの順方向電圧が温度と反比例の関係にあることから、この温度センサの順方向電圧が高い場合は半導体素子の温度が低いものとして判断され、順方向電圧が低い場合には半導体素子の温度が高いものとして判断される。そして、このような温度センサの検出値に基づいて、半導体素子の温度が同半導体素子の動作を補償する上限値に達したと判断された場合には、この半導体素子に供給される電流を制限することによって、その性能低下を抑制するようにしている。
ところで、上記温度センサによって上記パワー半導体素子の温度を検出する場合には、パワー半導体素子の動作を保証する温度範囲内にあるか否かを判断するために、その温度検出範囲の上限値としては「150℃」までの温度を、また検出温度範囲の下限値としては「−6.7℃」までの温度を検出可能なことが要求される。こうしたことから、上記温度センサには、「−6.7℃」〜「150℃」といった広い範囲の温度検出能力が必要となるものの、通常、温度センサによる温度検出の精度はその温度検出範囲と相反する関係にあり、温度検出範囲が広くなるほどその温度検出にかかる精度が低下するようになる。したがって、上記温度検出装置によってパワー半導体素子の温度状態を監視したとしても、このように広範囲な温度検出を行う場合には、温度センサによる温度検出精度も自ずと低いものとなる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、温度検出範囲が広範囲となるような場合であれ、パワー半導体素子の温度を精度よく検出することのできる温度検出装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、温度センサの検出出力に基づき半導体素子の温度を監視する
温度検出装置において、前記温度センサによる温度検出範囲を分割するとともに、前記半導体素子の温度を推定する温度推定手段を備え、この温度推定手段により推定される温度推定値に基づいて前記分割した温度検出範囲を切り替えることを要旨とする。
請求項1に記載の発明は、温度センサの検出出力に基づき半導体素子の温度を監視する
温度検出装置において、前記温度センサによる温度検出範囲を分割するとともに、前記半導体素子の温度を推定する温度推定手段を備え、この温度推定手段により推定される温度推定値に基づいて前記分割した温度検出範囲を切り替えることを要旨とする。
上記構成によるように、温度センサによる温度検出範囲を分割し、この分割された温度検出範囲を温度検出の対象とされる半導体素子の温度推定値に基づいて切り替えることとすれば、半導体素子の温度に応じた温度検出範囲の設定、すなわち、ダイナミックレンジの設定が可能となる。これにより、たとえ温度検出範囲が広範囲となるような場合であれ、温度検出の対象とされる半導体素子の温度を精度よく検出することができるようになる。
なお、半導体素子の温度情報をモニタすることによってその性能低下を抑制する上では、上記分割される温度検出範囲は低温側の温度検出範囲よりも高温側の温度検出範囲が狭い方が望ましく、これにより、半導体素子の温度が高温となるような場合であれ、その温度をより高い精度のもとに検出することができるようにもなる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の温度検出装置において、前記半導体素子は水冷式の冷却装置に搭載されてなり、前記温度推定手段は、この冷却装置の冷却水温度を検出する冷却水温センサであることを要旨とする。
上記半導体素子を冷却する冷却装置の冷却水温度は、半導体素子の温度と相関する関係にあることから、この冷却水温度の検出に基づき半導体素子の温度を高い信頼性のもとに推定することが可能となる。これにより、この推定された半導体素子の温度推定値に基づいて上記分割された温度検出センサの温度検出範囲を切り替える上で、その切り替えにかかる精度も高められるようになり、ひいては、半導体素子の温度をより高い精度のもとに検出することができるようになる。
図1に、本発明にかかる温度検出装置を具体化した一実施の形態についてその構成を示す。
図1に示されるように、この温度検出装置は、例えば電気自動車やハイブリッド車に搭載されるインバータ装置にあって、大きくは、駆動対象であるモータに数Kwから数十kw程度の電力を供給するために数十V〜数百V程度の範囲の電圧を必要とする高圧回路を有するIPM(Intelligent Power Module)基板100と、十数V以下の電圧範囲で動作してモータの駆動を制御する低圧回路(制御部)を有するMG−ECU基板200とによって構成される。
図1に示されるように、この温度検出装置は、例えば電気自動車やハイブリッド車に搭載されるインバータ装置にあって、大きくは、駆動対象であるモータに数Kwから数十kw程度の電力を供給するために数十V〜数百V程度の範囲の電圧を必要とする高圧回路を有するIPM(Intelligent Power Module)基板100と、十数V以下の電圧範囲で動作してモータの駆動を制御する低圧回路(制御部)を有するMG−ECU基板200とによって構成される。
この温度検出装置では、まず、IPM基板100に搭載されるインバータ110を構成するIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)111の温度検出用のダイオード112の順方向電圧VFiが、IGBT111の温度情報として温度検出回路120に入力される。この温度検出回路120では、温度検出用のダイオード112の順方向電圧VFiがパルス密度変調信号に変換されることにより、アナログ信号がパルス(2値化)
信号に変換される。そしてここでは、温度検出用のダイオード112の順方向電圧VFiが高い、すなわちIGBT111の温度Tが低いときにはオン密度の高いパルス密度変調信号に変調されるとともに、温度検出用のダイオード112の順方向電圧VFiが低い、すなわちIGBT111の温度Tが高いときにはオン密度の低いパルス密度変調信号に変調される。また、この温度検出回路120には、上記IGBT111が搭載される冷却装置(図示省略)に設けられて、その冷却水温を検出するダイオードからなる冷却水温センサ130の検出出力が入力される。
信号に変換される。そしてここでは、温度検出用のダイオード112の順方向電圧VFiが高い、すなわちIGBT111の温度Tが低いときにはオン密度の高いパルス密度変調信号に変調されるとともに、温度検出用のダイオード112の順方向電圧VFiが低い、すなわちIGBT111の温度Tが高いときにはオン密度の低いパルス密度変調信号に変調される。また、この温度検出回路120には、上記IGBT111が搭載される冷却装置(図示省略)に設けられて、その冷却水温を検出するダイオードからなる冷却水温センサ130の検出出力が入力される。
こうして上記順方向電圧VFi(温度情報)がパルス密度変調信号として温度検出回路120から出力されると、そのパルス密度(パルス幅)に応じてスイッチング素子SW1がオン/オフされ、そのオン/オフ情報がフォトカプラIS1を介してIPM基板100側からMG−ECU基板200側に伝送される。こうしてMG−ECU基板200側にパルス密度変調信号が伝送されると、MG−ECU基板200側では、平滑回路210によってパルス密度変調信号が平滑化されたのちにインバータ制御マイコン220内の温度検出部221に入力される。この温度検出部221では、平滑回路210を介して入力された信号、すなわち温度検出用ダイオード112の検出出力である温度情報に基づいてIGBT111の温度状態をモニタする。そして、インバータ制御マイコン220では、温度検出部221によってモニタされるIGBT111の温度状態に応じてIGBT111の駆動指令が生成される。そしてここで、このような温度情報に基づいてIGBT111の温度Tがその動作を補償する上限値に達したと判断された場合には、このIGBT111に供給される電流を制限することによって、その性能低下を抑制するようにしている。こうして生成された駆動指令はスイッチング素子SW2を通じてオン/オフ情報に変換され、このオン/オフ情報に変換された駆動指令がフォトカプラIS2を介してMG−ECU基板200側からIPM基板100側に伝送(フィードバック)される。そして、IPM基板100側では、IGBT駆動回路140を通じて、このフィードバックされた駆動指令に基づくIGBT111、ひいてはインバータ110の駆動を実行する。
ところで、上記温度検出用ダイオード112によるIGBT111の温度Tの検出に基づきIGBT111の温度状態をモニタするためには、IGBT111の動作を保証し得る温度範囲内にあるか否かを判断するために、その温度検出範囲の上限値として「150℃」までの温度を、また検出温度範囲の下限値として「−6.7℃」までの温度を検出する必要がある。このため、上記温度センサとしての温度検出用ダイオード112には、「−6.7℃」〜「150℃」の広範囲に亘る温度検出能力が必要となるものの、この温度検出用ダイオード112による温度検出の精度はその温度検出範囲と相反する関係にあり、温度検出範囲が広くなるほどその温度検出にかかる精度が低下するようになる。
そこで、本実施の形態では、上記冷却水温センサ130の検出出力に基づきIGBT111の温度Tを推定する。そして、図2に示す態様で温度検出用ダイオード112の温度検出範囲を高温側と低温側とに分割するとともに、上記推定された温度推定値に基づいて温度検出範囲を高温側と低温側とに切り替えることとする。なお、IGBT111の温度Tをモニタすることによってその性能劣化を抑制する上では、IGBT111の温度がその動作を補償する上限値に達したか否かの判断が必要となることから、特に高温側での温度検出能力の精度が要求される。このため、本実施の形態では、同図2に示すように、低温側の温度検出範囲(V23)と高温側の温度検出範囲(V12)との関係が、
V23 > V12
なる関係を満たすように、温度検出用ダイオード112による温度検出範囲を分割することとする。
V23 > V12
なる関係を満たすように、温度検出用ダイオード112による温度検出範囲を分割することとする。
以下、上記温度検出回路120によって実行される温度検出範囲の分割態様について図1及び図3を参照しつつ説明する。
まず、図1に示すように、この温度検出回路120には、温度検出用ダイオード112の順方向電圧VFiが入力されるとともに、冷却水温センサ130の順方向電圧VFwが入力される。ここで、インバータ110の駆動に伴いIGBT111の温度Tが図3(a)に示すように低温側から高温側にかけて緩やかに上昇したとすると、これに伴ってこのIGBT111を冷却する冷却装置の冷却水温も次第に上昇するようになる。このため、温度検出用ダイオード112の順方向電圧VFiは、同図3(d)に示すようにIGBT111の温度Tに反比例するかたちで次第に低下するようになる。また、冷却水温センサ130を構成するダイオードの順方向電圧VFwも、同図3(b)に示すようにIGBT111の温度Tに反比例するかたちで次第に低下するようになる。
まず、図1に示すように、この温度検出回路120には、温度検出用ダイオード112の順方向電圧VFiが入力されるとともに、冷却水温センサ130の順方向電圧VFwが入力される。ここで、インバータ110の駆動に伴いIGBT111の温度Tが図3(a)に示すように低温側から高温側にかけて緩やかに上昇したとすると、これに伴ってこのIGBT111を冷却する冷却装置の冷却水温も次第に上昇するようになる。このため、温度検出用ダイオード112の順方向電圧VFiは、同図3(d)に示すようにIGBT111の温度Tに反比例するかたちで次第に低下するようになる。また、冷却水温センサ130を構成するダイオードの順方向電圧VFwも、同図3(b)に示すようにIGBT111の温度Tに反比例するかたちで次第に低下するようになる。
そして、こうした温度検出用ダイオード112の順方向電圧VFiが温度検出回路120を構成する反転増幅回路121の反転入力端子に入力されるとともに、冷却水温センサ130の順方向電圧VFwが温度検出回路120を構成する第1コンパレータ122の反転入力端子に入力される。そして、このうち、第1コンパレータ122の非反転入力端子には、図3(b)に示す電源電圧Vfが入力されている。こうした第1コンパレータ122では、これら冷却水温センサ130の順方向電圧VFwと電源電圧Vfとの比較が行われ、図3(b)及び(c)に示すように冷却水温センサ130の順方向電圧VFwが電源電圧Vfよりも高い場合には、第1コンパレータ122の出力信号Vhoutが論理レベル「0」となる(図3(c):t1−t2)。
こうして論理レベル「0」とされた第1コンパレータ122の出力信号Vhoutは、温度検出用ダイオード112の温度検出範囲を分割する分圧抵抗Rdの分圧値を設定するスイッチング素子SW3と、三角波を発振する三角波発振器123とに各別に入力される。そしてこれにより、図3(d)に示すように、分圧抵抗Rdを構成する抵抗R1に電圧Vb1が印加され、この電圧値が反転増幅回路121の非反転入力端子に入力される(図3(d):t1−t2)。そしてこの反転増幅回路121では、各入力端子に入力された温度検出用ダイオード112の順方向電圧VFiと電圧Vb1との差が反転増幅され、この反転増幅された信号Vcoutが第2コンパレータ124の反転入力端子に出力される。
一方、第1コンパレータ122の出力信号Vhoutが入力される三角波発振器123では、同信号Vhoutに基づき三角波が生成される。そして本実施の形態では、図3(e)に示すように、第1コンパレータ122から論理レベル「0」の信号が入力された場合は、「αkHz」の三角波Vdoutが生成され(図3(e):t1−t2)、一方、第1コンパレータ122から論理レベル「1」の信号が入力された場合には、「αkHz」よりも周波数の高い「βkHz」の三角波Vdoutが生成される(図3(e):t2−t3)。これにより、第1コンパレータ122の出力、すなわち冷却水温センサ130の検出出力に基づくIGBT111の温度推定値に応じて三角波発振器123による分解能の決定が行われるようになる。そして、冷却水温センサ130の検出出力に基づくIGBT111の温度推定値が低いときには三角波発振器123による分解能が低く、一方、冷却水温センサ130の検出出力に基づくIGBT111の温度が高いときには三角波発振器123による分解能が高く設定されるようになる。これにより、IGBT111の性能劣化を抑制する上で、高精度の温度検出が要求されるIGBT111の高温時における温度モニタの精度の向上が図られるようになる。
そして、こうした三角波発振器123に第1コンパレータ122から論理レベル「0」の出力信号Vhoutが入力されると、「αkHz」の三角波Vdoutが生成され、この「αkHz」の三角波Vdoutが第2コンパレータ124の非反転入力端子に入力さ
れる。こうして第2コンパレータ124の各入力端子に反転増幅回路121の出力信号Vcoutと「αkHz」の三角波Vdoutとが入力されると、ここで、これら出力信号Vcoutと「αkHz」の三角波Vdoutとの比較が行われる。この第2コンパレータ124では、「αkHz」の三角波の値Vdoutが反転増幅回路121の出力信号Vcoutを超えたときにその出力信号Veoutの論理レベルが「1」となり、周波数「αkHz」の三角波Vdoutが反転増幅回路121の出力信号Vcoutよりも小さいときにその出力信号Veoutの論理レベルが「0」となる。そして、図3(e)に示すように、IGBT111の温度上昇に伴い反転増幅回路121の出力Vcoutの値が次第に上昇することによって、第2コンパレータ124の出力信号Veoutの論理レベルが「1」となる期間が短くなり、そのオン密度が次第に低下するようになる(図3(e)t1−t2)。こうして第2コンパレータ124によって反転増幅回路121の出力信号Vcoutと三角波発振器123の出力信号Vdoutとの比較に基づいて温度検出用ダイオード112の検出出力がパルス密度変調信号に変換されるようになり、この変換されたパルス密度変調信号Veoutが温度検出回路120の出力信号としてMG−ECU基板200側に出力されるようになる。
れる。こうして第2コンパレータ124の各入力端子に反転増幅回路121の出力信号Vcoutと「αkHz」の三角波Vdoutとが入力されると、ここで、これら出力信号Vcoutと「αkHz」の三角波Vdoutとの比較が行われる。この第2コンパレータ124では、「αkHz」の三角波の値Vdoutが反転増幅回路121の出力信号Vcoutを超えたときにその出力信号Veoutの論理レベルが「1」となり、周波数「αkHz」の三角波Vdoutが反転増幅回路121の出力信号Vcoutよりも小さいときにその出力信号Veoutの論理レベルが「0」となる。そして、図3(e)に示すように、IGBT111の温度上昇に伴い反転増幅回路121の出力Vcoutの値が次第に上昇することによって、第2コンパレータ124の出力信号Veoutの論理レベルが「1」となる期間が短くなり、そのオン密度が次第に低下するようになる(図3(e)t1−t2)。こうして第2コンパレータ124によって反転増幅回路121の出力信号Vcoutと三角波発振器123の出力信号Vdoutとの比較に基づいて温度検出用ダイオード112の検出出力がパルス密度変調信号に変換されるようになり、この変換されたパルス密度変調信号Veoutが温度検出回路120の出力信号としてMG−ECU基板200側に出力されるようになる。
一方、IGBT111の温度上昇に伴って同IGBT111を冷却する冷却装置の冷却水温がさらに上昇し、冷却水温センサ130の順方向電圧VFwが第1コンパレータ122の電源電圧Vfよりも低下すると(図3(b):t2−t3)、これに伴って第1コンパレータ122の出力信号Vhoutの論理レベルが「0」から「1」に反転するようになる(図3(c):t2−t3)。そしてこれにより、まず、スイッチング素子SW3がオンとされることによって分圧抵抗Rdによる分圧値が変更され、図3(d)に示すように抵抗R1には上記電圧Vb1よりも電圧値の低い電圧Vb2が印加されるようになる。(図3(d)t2−t3)。このため、この電圧Vb2と温度検出用ダイオード112の順方向電圧VFiとの差が反転増幅回路121を介して反転増幅される信号Vcoutは、図3(e)に示すように温度検出用ダイオード112による検出出力が低温側と高温側とで分割されるかたちで二段階に推移するようになる(図3(e):t1−t2、t2−t3)。そしてこれにより、温度検出用ダイオード112による温度検出範囲が低温側と高温側とで二つに分割されることとなる。次いで、このように低温側と高温側とで二つに分割された信号Vcoutが第2コンパレータ124の反転入力端子に入力される。
また、上記第1コンパレータ122の出力信号Vhoutの論理レベルが「0」から「1」に反転することによって、三角波発振器123では「βkHz」の周波数の三角波が生成されるようになり(図3(e):t2−t3)、こうして生成された三角波Vdoutが第2コンパレータ124の非反転入力端子に入力される。
こうして第2コンパレータ124では、低温側と高温側とで二つに分割された信号Vcoutと「βkHz」の周波数の三角波Vdoutとの比較が行われ、この比較に基づき2値化されたパルス密度変調信号Veoutが生成されるようになる。なお、このとき第2コンパレータ124によって生成されるパルス密度変調信号Veoutは、三角波発振器123で生成される三角波の周波数が高められたことによって、その変調にかかる精度が高められるようになり、ひいては、IGBT111の高温時における温度検出の精度がより高められるようになる。
そして、こうして温度検出回路120によって生成されたパルス密度変調信号VeoutがフォトカプラIS1を介してMG−ECU基板200側の平滑回路210とインバータ制御マイコン220内のレンジ判別部222にそれぞれ入力される。そして、このうち、平滑回路210では、図3(f)に示すようにパルス密度変調信号Veoutの平滑化が行われ、この平滑化された信号Vioutがインバータ制御マイコン220内の温度検出部221に入力される。こうしてインバータ制御マイコン220では、まず、上記レン
ジ判別部222に入力されたパルス密度変調信号Veoutの周波数、すなわち三角波発振器123によって生成された三角波の周波数(「αkHz」、「βkHz」)に基づいて冷却水温センサ130によるIGBT111の温度推定値が高温側及び低温側のうちいずれの温度領域に属するかが判別される。そして、インバータ制御マイコン220内の温度検出部221では、レンジ判別部222によるレンジの判別に基づき温度検出用ダイオード112の温度状態に応じたダイナミックレンジの設定が行われ、温度検出用ダイオード112の温度状態のモニタが行われるようになる。
ジ判別部222に入力されたパルス密度変調信号Veoutの周波数、すなわち三角波発振器123によって生成された三角波の周波数(「αkHz」、「βkHz」)に基づいて冷却水温センサ130によるIGBT111の温度推定値が高温側及び低温側のうちいずれの温度領域に属するかが判別される。そして、インバータ制御マイコン220内の温度検出部221では、レンジ判別部222によるレンジの判別に基づき温度検出用ダイオード112の温度状態に応じたダイナミックレンジの設定が行われ、温度検出用ダイオード112の温度状態のモニタが行われるようになる。
なお、IGBT111の温度Tの下降時においても、上述の温度検出に準じる態様で、冷却水温センサ130の順方向電圧VFwに基づいて上記分割された温度検出用ダイオード112による温度検出範囲の切り替えが行われる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる温度検出装置によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)温度検出用ダイオード112による温度検出範囲を高温側と低温側とで分割し、この分割された温度検出範囲を冷却水温センサ130の順方向電圧VFwに基づき推定されるIGBT111の推定温度値に応じて切り替えることとした。このため、温度検出対象とするIGBT111の温度Tに応じた温度検出範囲の設定、すなわち、ダイナミックレンジの設定が可能となり、IGBT111の温度状態をモニタする上でその精度も高められるようになる。
(1)温度検出用ダイオード112による温度検出範囲を高温側と低温側とで分割し、この分割された温度検出範囲を冷却水温センサ130の順方向電圧VFwに基づき推定されるIGBT111の推定温度値に応じて切り替えることとした。このため、温度検出対象とするIGBT111の温度Tに応じた温度検出範囲の設定、すなわち、ダイナミックレンジの設定が可能となり、IGBT111の温度状態をモニタする上でその精度も高められるようになる。
(2)温度検出用ダイオード112による温度検出範囲の分割を、低温側の温度検出範囲よりも高温側の温度検出範囲が狭くなる態様で行うこととした。このため、温度検出用ダイオード112の検出出力に基づきIGBT111の温度状態をモニタする上で、高温時におけるIGBT111の温度状態を高いより高い精度のもとにモニタすることができるようになり、ひいては、高温時におけるIGBT111の性能劣化をより好適に抑制することができるようになる。
(3)温度検出用ダイオード112の検出出力のアナログ信号からパルス密度変調信号への変調に際し、三角波発振器123によって生成される三角波の周波数を高温側と低温側とで各別に設定するとともに、低温側の周波数(「αkHz」)よりも高温側の周波数(「βkHz」)を高く設定することとした。これにより、IGBT111の高温時における温度検出用ダイオード112の検出出力に対する分解能が高くなり、ひいては、高温時におけるIGBT111の温度状態をより高い精度のもとにモニタすることができるようになる。
なお、上記実施の形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・上記三角波発振器123によって生成される三角波の周波数を、低温側(「αkHz」)よりも高温側(「βkHz」)の方を高くすることとした。これに限らず、三角波発振器123によって生成される周波数に基づき温度検出用ダイオード112の検出出力に対するレンジを判別可能なものであればよく、三角波発振器123によって生成される三角波の周波数は、低温側よりも高温側の方が低いものであってもよい。
・上記三角波発振器123によって生成される三角波の周波数を、低温側(「αkHz」)よりも高温側(「βkHz」)の方を高くすることとした。これに限らず、三角波発振器123によって生成される周波数に基づき温度検出用ダイオード112の検出出力に対するレンジを判別可能なものであればよく、三角波発振器123によって生成される三角波の周波数は、低温側よりも高温側の方が低いものであってもよい。
・上記冷却水温センサ130の検出出力に基づき温度検出用ダイオード112の温度検出範囲を分割する上で、低温側の温度検出範囲よりも高温側の温度検出範囲を狭くすることとした。これに限らず、冷却水温センサ130によるIGBT111の温度推定値に基づき温度検出用ダイオード112による温度検出範囲を分割するものであればよく、低温側の温度検出範囲と高温側の温度検出範囲が同一、あるいは低温側の温度検出範囲が高温側の温度検出範囲よりも狭いものであってもよい。
・上記温度検出用ダイオード112の温度検出範囲を高温側と低温側とで二つに分割することとしたが、温度検出用ダイオード112による温度検出範囲を分割することによってダイナミックレンジを狭くするものであればよく、温度検出用ダイオード112の温度検出範囲を三つ以上に分割するようにしてもよい。
・温度推定手段として冷却水温センサ130を用いることとしたが、温度推定手段としてはIGBT111の温度状態を推定可能なものであればよく、これに限定されるものではない。
・温度検出用ダイオード112による温度検出対象を、インバータ110を構成するIGBT111とすることとしたが、温度検出用ダイオード112による温度検出対象とする半導体素子はインバータ110を構成するIGBT111に限られるものではない。
・半導体素子の温度を検出する温度センサとして温度検出用ダイオード112を用いることとした。温度センサとしては、温度検出対象としての半導体素子の温度を検出するとともにその検出範囲を分割可能なものであればよく、例えば、サーミスタや熱電対によって半導体素子の温度を検出するようにしてもよい。
100…IPM基板、110…インバータ、111…IGBT、112…温度検出用ダイオード、120…温度検出回路、121…反転増幅回路、122…第1コンパレータ、123…三角波発振器、124…第2コンパレータ、130…冷却水温センサ、140…IGBT駆動回路、200…MG−ECU基板、210…平滑回路、220…インバータ制御マイコン、221…温度検出部、222…レンジ判別部、R1…抵抗、Rd…分圧抵抗、IS1、IS2…フォトカプラ、SW1〜SW3…スイッチング素子。
Claims (2)
- 温度センサの検出出力に基づき半導体素子の温度を監視する温度検出装置において、
前記温度センサによる温度検出範囲を分割するとともに、前記半導体素子の温度を推定する温度推定手段を備え、この温度推定手段により推定される温度推定値に基づいて前記分割した温度検出範囲を切り替える
ことを特徴とする温度検出装置。 - 前記半導体素子は水冷式の冷却装置に搭載されてなり、前記温度推定手段は、この冷却装置の冷却水温度を検出する冷却水温センサである
請求項1に記載の温度検出装置。
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-
2009
- 2009-05-11 JP JP2009114940A patent/JP2010261913A/ja active Pending
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