JP2010260910A - 硬化性シリコーン系樹脂組成物 - Google Patents

硬化性シリコーン系樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 ハロゲン化合物(特に三フッ化ホウ素系触媒)を硬化触媒として使用した硬化性シリコーン系樹脂組成物において、硬化性を安定させ、硬化遅延を低減させること。
【解決手段】 分子内に架橋性シリル基を有する硬化性シリコーン系樹脂(A)100質量部に対して、平均粒子径が100nm以上の炭酸カルシウム粉(B)5.0〜300質量部、分子内に架橋性シリル基及びアミノ基を有するアミノシラン化合物(C)0.1〜30質量部、及び、三フッ化ホウ素系触媒(D)0.001〜10質量部を含有することを特徴とする硬化性シリコーン系樹脂組成物を用いる。硬化性シリコーン系樹脂(A)としては、分子内にウレタン結合を有するもの、架橋性シリル基がトリアルコキシシリル基であるものが好ましく、炭酸カルシウム粉(B)は、表面処理されたものであることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性シリコーン系樹脂組成物に関し、具体的には室温硬化性接着剤組成物としての利用に好適な、硬化性が高められた硬化性シリコーン系樹脂組成物に関する。
主鎖が有機重合体であり、その分子内に架橋可能な架橋性シリル基を有する硬化性シリコーン系樹脂は、架橋性シリル基であるアルコキシシリル基が大気中の水分で加水分解し架橋する、いわゆる湿気硬化型ポリマーであり、シーリング材、接着剤、塗料等のベースポリマーとして幅広く利用されている(特許文献1〜3)。このような湿気硬化型ポリマーは、シーリング材、接着剤、塗料等に使用する場合、アミン触媒や有機錫触媒などの化合物が、該湿気硬化型ポリマーの硬化を促進させるために配合される(特許文献4、5)。しかしながら、アミン触媒はブリードアウト等の問題が、有機錫触媒は安全性の問題があり、代替触媒が求められていた。一方、三フッ化ホウ素等に代表されるハロゲン化ホウ素化合物やフルオロシラン化合物等のハロゲン化合物が、該湿気硬化型ポリマーの硬化触媒として使用できることが提案されている(特許文献6〜8)。
特開昭52−73998号公報 特許第3030020号公報 特許第3343604号公報 特開平8−283366号公報 特許第3062625号公報 特開2005−054174号公報 WO2006/051799号公報 WO2007/123167号公報
上記のようなハロゲン化合物を硬化触媒として使用した場合、非常に高い触媒効果が得られる。しかしながら、これらの硬化触媒系においては、炭酸カルシウム等の充填材を併用する際には硬化性が安定しない、場合によっては、硬化遅延が起こるという問題があることがわかってきた。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、ハロゲン化合物(特に三フッ化ホウ素系触媒)を硬化触媒として使用した場合にも、硬化性を安定させ、硬化遅延を低減させることである。
そこで、上述のような問題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究の結果、主鎖が有機重合体でありその分子内に架橋性シリル基を有する硬化性シリコーン系樹脂をハロゲン化合物で硬化させる際に、特定の炭酸カルシウム粉を充填材として用いた場合には硬化遅延を低減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は次の第1〜5の発明から構成される。
第1の発明は、分子内に架橋性シリル基を有する硬化性シリコーン系樹脂(A)100質量部に対して、平均粒子径が100nm以上の炭酸カルシウム粉(B)5.0〜300質量部、分子内に架橋性シリル基及びアミノ基を有するアミノシラン化合物(C)0.1〜30質量部、及び、三フッ化ホウ素系触媒(D)0.001〜10質量部を含有することを特徴とする、硬化性シリコーン系樹脂組成物に関するものである。
平均粒子径が100nm以上の炭酸カルシウム粉を用いることで、ハロゲン化合物(特に三フッ化ホウ素系触媒)を触媒として使用した場合においても、硬化遅延が大幅に低減できる。
第2の発明は、硬化性シリコーン系樹脂(A)が、分子内にウレタン結合を有する硬化性シリコーン系樹脂であることを特徴とする、第1の発明に係る硬化性シリコーン系樹脂組成物に関するものである。
硬化性シリコーン系樹脂が、分子内にウレタン結合を有すると、三フッ化ホウ素系触媒の触媒効果が一層発揮されやすく、硬化性シリコーン系樹脂組成物の硬化性が高められるため好ましい。また、硬化性シリコーン系樹脂組成物を室温硬化性接着剤組成物として用いた場合には、被着材に対する接着力が向上するという副次的効果が期待できる。
第3の発明は、硬化性シリコーン系樹脂(A)が有する架橋性シリル基が、トリアルコキシシリル基であることを特徴とする、第1または第2の発明に係る硬化性シリコーン系樹脂組成物に関するものである。
架橋性シリル基が、トリアルコキシシリル基であると、三フッ化ホウ素系触媒の触媒効果が一層発揮されやすく、硬化性シリコーン系樹脂組成物の硬化性が高められるため好ましい。
第4の発明は、三フッ化ホウ素系触媒(D)が、三フッ化ホウ素アミン錯体であることを特徴とする、第1〜第3のいずれかの発明に係る硬化性シリコーン系樹脂組成物に関するものである。
三フッ化ホウ素系触媒が、三フッ化ホウ素アミン錯体であると、三フッ化ホウ素系触媒の触媒効果が一層発揮されやすく、硬化性シリコーン系樹脂組成物の硬化性が高められるため好ましい。
本発明に係る硬化性シリコーン系樹脂組成物は、硬化触媒としてハロゲン化合物を用いても、特定の炭酸カルシウム粉を充填材として用いるため、硬化性が安定性し、硬化遅延が起こりにくいという効果を奏するものである。
以下、本発明を実施するための形態を、詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
[硬化性シリコーン系樹脂(A)について]
本発明における硬化性シリコーン系樹脂(A)は、分子内に架橋性シリル基を有する特定の硬化性シリコーン系樹脂である。
本発明における架橋性シリル基とは、珪素原子における主鎖との結合手以外に加水分解性基が1〜3個結合する官能基である。珪素原子に結合している加水分解性基としては、ヒドロキシル基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基が一般的に用いられる。その他、メルカプト基、アセトキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ、イミノキシ基、アミノ基、アミド基等の従来公知の加水分解性基も用いることができる。珪素原子の残りの結合手に結合している官能基としては、メチル基やエチル基等のアルキル基が一般的に用いられるがこれらに限定されるわけではない。架橋性シリル基としては、取り扱いが比較的容易であることからトリアルコキシシリル基又はジアルコキシシリル基が好ましい。特に、本発明における三フッ化ホウ素系触媒(D)の効果がより発現することからトリアルコキシシリル基が最も好ましい。硬化性シリコーン系樹脂(A)中に複数の架橋性シリル基が存在する場合、それらの官能基はお互いに同じであっても良いし異なっていてもよい。トリアルコキシシリル基及びジアルコキシシリル基が混在する場合、トリアルコキシシリル基の割合は、該硬化性シリコーン系樹脂(A)中の全ての架橋性シリル基のうち1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が特に好ましい。トリアルコキシシリル基の含有率が高いほど、三フッ化ホウ素系触媒(D)との相乗効果が発現し、硬化性が高まる。
また、本発明における分子内に架橋性シリル基は、下記一般式(1)で表される化合物が含まれる。
Figure 2010260910
・・・(1)
但し、式中、Xは加水分解性基を示し、Rは炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有する炭化水素基を示し、nは0、1又は2を示す。
硬化性シリコーン系樹脂(A)の主鎖骨格は特に限定されないが、ポリオキシアルキレン、ビニル重合体、飽和炭化水素重合体、不飽和炭化水素重合体、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂及び変成シリコーン樹脂に一般的に用いられているものが採用される。主鎖骨格はそれぞれ用途に応じて使い分けることができる。たとえば、低粘度を求める場合には、ポリオキシアルキレン、ビニル重合体、ポリエステルあるいはポリジメチルシロキサンが、得られる硬化皮膜の柔軟性を求める場合には、ポリオキシアルキレン、ビニル重合体あるいはポリジメチルシロキサンが、得られる硬化皮膜の耐水性を求める場合には、ビニル重合体、飽和炭化水素重合体あるいはポリカーボネートが、アクリル基材等への密着性を向上させるためには、ポリオキシアルキレンの一種であるポリエチレンオキサイドが好適に用いられる。
硬化性シリコーン系樹脂(A)の市販品としては、シリコーン樹脂又は変成シリコーン樹脂として多数販売されている。例えば、カネカ社製のサイリルシリーズ、カネカMSポリマーシリーズ、MAシリーズ、EPシリーズ、SAシリーズ、ORシリーズ、旭硝子社製のエクセスターシリーズ、デグサジャパン社製のシラン変性ポリアルファオレフィン、信越化学工業社製のKCシリーズ、KRシリーズ、X−40シリーズ、東亞合成社製のXPRシリーズ、綜研化学社製のアクトフローシリーズ等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
また、本発明では、硬化性シリコーン系樹脂(A)として、分子内に架橋性シリル基を有し、かつ、分子内に特定の極性基を含有する硬化性シリコーン系樹脂が、三フッ化ホウ素系触媒(D)の効果がより発現することから、好適に用いられる。ここで、特定の極性基とは、ウレタン結合基、チオウレタン結合基、尿素結合基、チオ尿素結合基、置換尿素結合基、置換チオ尿素結合基、アミド結合基、スルフィド結合基、ヒドロキシル基、第一級アミノ基、第二級アミノ基及び第三級アミノ基等の酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含有する結合基又は官能基等を指す。このような極性基を架橋性シリル基の近傍に導入すると、硬化性シリコーン系樹脂(A)自体の硬化能が高まるため好ましい。また、硬化性シリコーン系樹脂組成物を室温硬化性接着剤組成物として用いた場合には、被着材に対する接着力が向上するという副次的効果が期待できる。
特に、これらの特定極性基の中では、ウレタン結合基、チオウレタン結合基、尿素結合基、チオ尿素結合基、置換尿素結合基、置換チオ尿素結合基、アミド結合基、第一級アミノ基、第二級アミノ基及び第三級アミノ基等の含窒素極性基を有するものが好ましく、ウレタン結合基(−NHCOO−)、尿素結合基(−NHCONH−)、置換尿素結合基(−NHCONR−;R=有機基)を有するものであることが最も好ましい。硬化性シリコーン系樹脂(A)自体の硬化能が高まる理由としては、硬化性シリコーン系樹脂(A)の分子内に存在する特定極性基同士がドメインを形成し、その結果、硬化性シリコーン系樹脂(A)の架橋性シリル基同士のカップリング反応がさらに促進されるためであると考えられる。
分子内に架橋可能な架橋性シリル基を有し、かつ、分子内にこれらの特定極性基を含有する硬化性シリコーン系樹脂は、従来公知の原料及び方法で合成することができる。例えば、特許第3030020号公報記載の方法や、特開2005−54174号公報、特開2005−139452号公報、特表2005−501146号公報等に記載の原料及び方法が挙げられる。
[平均粒子径が100nm以上の炭酸カルシウム粉(B)について]
本発明における平均粒子径が100nm以上の炭酸カルシウム粉(B)は、硬化性シリコーン系樹脂(A)に対する充填材として利用するものである。上記炭酸カルシウム粉(B)を配合することにより、硬化物に強靱性を与えたり、硬化物の物性を調整して接着強さを向上させたりすることができる。求められる性能に応じて、下記に例示される炭酸カルシウム粉を一種もしくは複数種組み合わせて用いればよい。
本発明における平均粒子径の測定方法としては、
〔方法1〕比表面積値から算出する方法(例えば、粉末1g当たりの比表面積値(恒圧式空気透過法)を用いて、「平均粒子径=6/(比重×比表面積)×10000」(単位:μm)の計算式から算出する方法)、
〔方法2〕電子顕微鏡による直接観察による方法、
〔方法3〕粒度分布からの重量50%径を求める方法
などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
上記炭酸カルシウム粉(B)の具体例としては、従来公知の重質炭酸カルシウム粉、軽質炭酸カルシウム粉、膠質炭酸カルシウム粉等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらのなかでは、配合物の粘度を低くしたい場合は、粒子径が比較的大きい炭酸カルシウム粉が好ましい。また、配合物の粘度を上げてより揺変性を付与したい場合は、粒子径が比較的小さい炭酸カルシウム粉が好ましい。それらは用途に応じて使い分ければよい。
さらに、これらの炭酸カルシウム粉は、表面処理が施されたものであっても構わない。表面処理した炭酸カルシウム粉を製造するための表面処理剤としては、パルミチン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等に代表される脂肪酸や不飽和脂肪酸、及び、ロジン酸系化合物等のカルボン酸及びそのエステル、ヘキサメチルジシラザン、クロロシラン、アミノシラン等のシラン化合物、パラフィン系化合物などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。なかでも、表面処理剤がカルボン酸であると、硬化性シリコーン系樹脂組成物とした場合に、一層硬化遅延が生じにくくなることから好ましい。さらに、カルボン酸のなかでも飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸が、より一層硬化遅延が生じにくくなることから、特に好ましい。
上記炭酸カルシウム粉(B)は市販品も用いることができる。市販品としては、08重炭、R重炭、スーパーS、スーパー#1500、スーパー#2300、ナノックス#25、ナノックス#30、ナノコートS−25、ナノコートS−30、MCコートS−10、MCコートP−10、(以上、丸尾カルシウム社製商品名)や、ソフトン3200、ソフトン1000、BF−100、BF−300、(以上、白石カルシウム社製商品名)、NN#500、NS#100、NS#400、NITREX23P、NCC−P、TSS#400(以上、日東粉化工業社製商品名)等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
上記炭酸カルシウム粉(B)の平均粒子径は、100nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましく、500nm以上であることが特に好ましい。100nm未満であると硬化遅延が起こる場合がある。硬化遅延の観点では粒子径は大きいほどよいが、硬化物の物性、接着性等にも影響を及ぼすため、平均粒子径100nm以上の炭酸カルシウム粉の中から、その都度求められる性能に応じて炭酸カルシウム粉を選択すればよい。
上記炭酸カルシウム粉(B)の配合量としては、100質量部の硬化性シリコーン系樹脂(A)に対して、5.0〜300質量部が好ましく、20〜200質量部がより好ましく、30〜100質量部が特に好ましい。5.0質量部を下回ると、充填材に求められる補強効果が十分ではない場合があり、300質量部を上回ると、硬化物が脆くなったり粘度が上がりすぎたりする場合がある。
[アミノシラン化合物(C)について]
本発明におけるアミノシラン化合物(C)は、分子内に第1級、第2級及び第3級アミノ基から選ばれる一種以上のアミノ基及び架橋性シリル基を有するシラン化合物であって、接着性付与効果を有する化合物である。また、アミノシラン化合物(C)は、その分子内に塩基性を示すアミノ基を有していることから、硬化触媒としての機能も併せ持っていると考えられる。
アミノシラン化合物(C)の具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノメチルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルメチルジエトキシシラン、[2−アミノエチル−(2’−アミノエチル)]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の第1級アミノ基含有アミノシラン化合物、MS3301(チッソ株式会社製商品名)、MS3302(チッソ株式会社製商品名)、X−40−2651(信越化学工業株式会社製商品名)等のアミノシランのシリル基を単独あるいはその他のアルコキシシラン化合物と一部縮合させた化合物、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン等の第2級アミノ基含有アミノシラン化合物、分子内にイミダゾール基及び架橋性シリル基を有するイミダゾールシラン化合物等の第3級アミノ基を有するアミノシラン、水と反応して第1級アミノ基を生成する官能基を有するケチミンシラン化合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
上記アミノシラン化合物(C)は、所望の接着性等を得るために適宜選択すればよい。また、上記アミノシラン化合物(C)は1種単独又は2種以上併用してもよい。上記アミノシラン化合物(C)の配合量としては、硬化性シリコーン系樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、1.0〜20質量部がより好ましく、2.0〜10質量部が特に好ましい。0.1質量部を下回ると接着付与効果が十分でない場合があり、30質量部を上回ると硬化性シリコーン系樹脂(A)の割合が小さくなることから硬化性シリコーン系樹脂(A)の機能が十分発揮されなくなる場合がある。
[三フッ化ホウ素系触媒(D)について]
本発明における三フッ化ホウ素系触媒(D)は、三フッ化ホウ素、及び、三フッ化ホウ素とルイス塩基との錯体からなる化合物であり、硬化性シリコーン系樹脂(A)の硬化を促進させる化合物である。三フッ化ホウ素とルイス塩基との錯体からなる化合物の具体例としては、例えば、三フッ化ホウ素のアミン錯体、アルコール錯体、エーテル錯体、チオール錯体、スルフィド錯体、カルボン酸錯体、水錯体等が例示される。上記三フッ化ホウ素の錯体の中では、安定性と触媒活性を兼ね備えたアミン錯体が特に好ましい。
上記三フッ化ホウ素アミン錯体に用いられるアミン化合物としては、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グアニジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、N−メチル−3,3′−イミノビス(プロピルアミン)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、ペンタエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,9−ジアミノノナン、ATU(3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)、CTUグアナミン、ドデカン酸ジヒドラジド、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、ジアニシジン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、m−トルイレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、メラミン、1,3−ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ハンツマン社製ジェファーミン等の複数の第一級アミノ基を有する化合物、ピペラジン、シス−2,6−ジメチルピペラジン、シス−2,5−ジメチルピペラジン、2−メチルピペラジン、N,N′−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、2−アミノメチルピペリジン、4−アミノメチルピペリジン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)−プロパン、4−アミノプロピルアニリン、ホモピペラジン、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジエチルチオ尿素、N−メチル−1,3−プロパンジアミン等の複数の第二級アミノ基を有する化合物、更に、メチルアミノプロピルアミン、エチルアミノプロピルアミン、エチルアミノエチルアミン、ラウリルアミノプロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、3−アミノピロリジン、1−o−トリルビグアニド、2−アミノメチルピペラジン、N−アミノプロピルアニリン、エチルアミンエチルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ラウリルアミノプロピルアミン、2−アミノメチルピペリジン、4−アミノメチルピペリジン、式 HN(CNH)H(n≒5)で表わされる化合物(商品名:ポリエイト、東ソー社製)、N−アルキルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジン、N−アルキルピペリジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン等の複環状第三級アミン化合物等の他、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−3−[アミノ(ジプロピレンオキシ)]アミノプロピルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリエトキシシラン等のアミノシラン化合物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
上記三フッ化ホウ素アミン錯体は、市販されており本発明ではそれらを用いることもできる。市販品としては、エアプロダクツジャパン株式会社製のアンカー1040、アンカー1115、アンカー1170、アンカー1222、BAK1171等が挙げられる。
上記三フッ化ホウ素系触媒(D)は、所望の硬化速度等を得るために適宜選択すればよい。また、上記三フッ化ホウ素系触媒(D)は1種単独又は2種以上併用してもよい。上記三フッ化ホウ素系触媒(D)の配合量としては、硬化性シリコーン系樹脂(A)100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜5.0質量部がより好ましく、0.1〜2.0質量部が特に好ましい。0.001質量部を下回ると硬化促進効果が十分ではない場合があり、10質量部を上回ると貯蔵安定性が悪くなるなどの問題が起こる場合がある。
[その他の成分について]
本発明における硬化性シリコーン系樹脂組成物中には、従来公知の任意の化合物乃至物質を配合することができる。例えば、従来公知の硬化性樹脂、親水性又は疎水性シリカ系粉体、クレイ粉体、アクリル系等の有機系粉体、有機系・無機系のバルーン等の充填材、フェノール樹脂等の粘着付与剤、アマイドワックス等の揺変剤、酸化カルシウム等の脱水剤、希釈剤、可塑剤、難燃剤、機能性オリゴマー、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、3−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イルオキシ)プロピルトリエトキシシラン等の老化防止剤、ベンゾトリアゾール系化合物等の紫外線吸収剤、顔料、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、ブロックドポリイソシアネート等の耐水性向上剤、乾性油等を配合することができる。
本発明における硬化性シリコーン系樹脂組成物は、たとえば、接着剤、粘着剤、シーリング材、塗料、コーティング材、目止め材、注型材、被覆材等の主体成分として用いることができる。これらのなかでも特に室温硬化性接着剤組成物の主体的成分として有用である。
本発明における硬化性シリコーン系樹脂(A)は、水分の存在下で、加水分解性基同士が縮重合することによって硬化する。したがって、硬化性シリコーン系樹脂組成物として利用する場合、1液型としても2液型としても使用することができる。1液型として使用される場合は、予め硬化触媒が配合された状態で、保管乃至搬送中に空気(空気中の水分)と接触しないよう、気密に密封した状態で取り扱われる。そして、使用時には開封して任意の箇所に適用すれば、空気中の水分と接触して硬化性シリコーン系樹脂(A)が硬化するのである。また、2液型として使用される場合には、硬化性シリコーン系樹脂(A)を含有する第1液と、その他成分の第2液とが個別に包装されて提供される。そして、使用時にこれら第1液と第2液を混合して任意の箇所に適用すれば、架橋性シリル基が空気中の水分と接触して硬化性シリコーン系樹脂(A)が硬化するのである。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[硬化性シリコーン系樹脂(A)の調製]
(硬化性シリコーン系樹脂A−1の合成)
反応容器内で、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(179.3質量部)を窒素雰囲気下室温で撹拌しながら、アクリル酸ラウリル(240.4質量部、3−アミノプロピルトリメトキシシランに対して等モル当量)を1時間かけて滴下し、さらに50℃で7日間反応させることで、分子内にトリメトキシシリル基及び第二級アミノ基を有するシラン化合物SE−1を得た。
別の反応容器内で、PMLS4012(旭硝子ウレタン株式会社製商品名、ポリオキシプロピレンポリオール、平均分子量10,000、100質量部)、イソホロンジイソシアネート(4.63質量部)及びジオクチルスズジバーサテート(PMLS4012に対して50ppm)を仕込み、窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、80℃で3時間反応させて、主鎖がオキシアルキレン重合体でありその分子内にイソシアネート基を有するウレタン系樹脂U−1を得た。
さらに上記シラン化合物SE−1(9.63質量部)を添加し、窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、80℃で1時間反応させることで、主鎖がオキシアルキレン重合体でありその分子内にウレタン結合、活性水素が置換されたウレア結合、トリメトキシシリル基を有する硬化性シリコーン系樹脂A−1を得た。反応終了後、IR測定を行ったところイソシアネート基に帰属される特性吸収(2265cm−1)は観測されなかった。
得られた硬化性シリコーン系樹脂A−1(100質量部)、アイソパーH(エクソンモービル社製商品名、20質量部)、表1に示す各炭酸カルシウム(50質量部)を混合した後、さらに、別途、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(5.0質量部)に三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体(0.05質量部)を混合した後50℃で3日間静置することで調製した混合触媒液を加え、23±2℃相対湿度50±5%の条件下で30秒間混合することで、各硬化性シリコーン系樹脂組成物を得た。
得られた硬化性シリコーン系樹脂組成物の硬化速度を比較した。硬化速度の比較は皮張り時間を用いて行った。皮張り時間は、上記混合触媒液添加後30秒間混合した直後を開始時間とし、表面に硬化皮膜が形成されるまでの時間とした。硬化皮膜が形成された時間は、金属製のスパーチュラで暴露された各硬化性シリコーン系樹脂組成物の表面を触ってスパーチュラに各硬化性シリコーン系樹脂組成物がつかなくなる時間とした。各皮張り時間を表1に示す。
表1 : 使用した炭酸カルシウム粉(B)と皮張り時間の測定結果
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
炭酸カルシウム粉(B) 表面処理 平均粒子径 皮張り時間
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例1 08重炭*1 なし 0.04
〜0.4mm 20秒
実施例2 BF−100*2 なし 3.6μm 35秒
実施例3 スーパーS*1 なし 6.3μm 40秒
実施例4 NS#400*3 なし 1.7μm 35秒
実施例5 MCコートP−15*1 あり 1.4
(*5) 〜6.3μm 40秒
比較例1 白艶華PZ*4 なし 80nm 40分
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
*1:丸尾カルシウム社製商品名、上記方法3で平均粒子径を測定
*2:白石カルシウム社製商品名、上記方法1で平均粒子径を測定
*3:日東粉化工業社製商品名、上記方法1で平均粒子径を測定
*4:白石カルシウム社製商品名、上記方法2で平均粒子径を測定
*5:パラフィン系処理
(硬化性シリコーン系樹脂A−2の合成)
反応容器内で、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(222.4質量部)を窒素雰囲気下室温で撹拌しながら、アクリル酸メチル(172.2質量部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランに対して2モル当量)を1時間かけて滴下し、さらに50℃で7日間反応させることで、分子内にトリメトキシシリル基及び第二級アミノ基を有するシラン化合物SE−2を得た。
別の反応容器内で、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(206.4質量部)を窒素雰囲気下室温で撹拌しながら、アクリル酸メチル(172.2質量部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランに対して2モル当量)を1時間かけて滴下し、さらに50℃で7日間反応させることで、分子内にメチルジメトキシシリル基及び第二級アミノ基を有するシラン化合物SE−3を得た。
別の反応容器内で、PMLS4015(旭硝子ウレタン株式会社製商品名、ポリオキシプロピレンポリオール、平均分子量15,000、100質量部)、イソホロンジイソシアネート(3.13質量部)及びジオクチルスズジバーサテート(PMLS4015に対して50ppm)を仕込み、窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、80℃で3時間反応させて、主鎖がオキシアルキレン重合体でありその分子内にイソシアネート基を有するウレタン系樹脂U−2を得た。
さらに上記シラン化合物SE−2(4.08質量部)及び上記シラン化合物SE−3(1.68質量部)を添加し、窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、80℃で1時間反応させることで、主鎖がオキシアルキレン重合体でありその分子内にウレタン結合、活性水素が置換されたウレア結合、トリメトキシシリル基及びメチルジメトキシシリル基を有する硬化性シリコーン系樹脂PA−2Aを得た。反応終了後、IR測定を行ったところイソシアネート基に帰属される特性吸収(2265cm−1)は観測されなかった。
反応容器に、上記硬化性シリコーン系樹脂PA−2A(100質量部)を入れ、窒素雰囲気下、80℃まで昇温した。そこに、メタクリル酸メチル75質量部、メタクリル酸ラウリル50質量部、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン4.0質量部、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン2.0質量部、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン12質量部、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン4.0質量部、および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.0質量部を混合したモノマー混合液を30分かけて滴下し、重合反応を行った。さらに、80℃で30分反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2質量部とメチルエチルケトン10質量部の混合溶液を滴下し、重合反応を行った。次いで、80℃で30分反応させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2質量部とメチルエチルケトン10質量部の混合溶液を滴下し、重合反応を行った。さらに、80℃で3時間反応させた後、未反応の諸成分を減圧留去することで、硬化性シリコーン系樹脂PA−2Aと、分子内にトリメトキシシリル基及びメチルジメトキシシリル基を有するビニル重合体とを有する硬化性シリコーン系樹脂PA−2Bの混合物である、硬化性シリコーン系樹脂A−2を得た。
表2に示す配合割合(質量部)で、得られた硬化性シリコーン系樹脂A−2と各種炭酸カルシウム粉を混合した後、さらにPAO5002(出光石油化学社製商品名、炭化水素系希釈剤、5.0質量部)を加え混合した。その後、別途、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(9.0質量部)に三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体(0.1質量部)を溶解させることで調製した混合触媒液を加え混合することで、各硬化性シリコーン系樹脂組成物を得た。
得られた硬化性シリコーン系樹脂組成物を密閉容器に充填し、50℃で1週間静置した。その後、23℃で1日静置し、23±2℃相対湿度50±5%の条件下で、各硬化性シリコーン系樹脂組成物の硬化速度を比較した。硬化速度の比較は皮張り時間を用いて行った。皮張り時間は、各硬化性シリコーン系樹脂組成物を23±2℃相対湿度50±5%の雰囲気に暴露した直後を開始時間とし、表面に硬化皮膜が形成されるまでの時間とした。硬化皮膜が形成された時間は、金属製のスパーチュラで暴露された各硬化性シリコーン系樹脂組成物の表面を触ってスパーチュラに各硬化性シリコーン系樹脂組成物がつかなくなる時間とした。各皮張り時間を表2に示す。
表2 : 使用した炭酸カルシウム粉(B)と皮張り時間の測定結果
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
炭酸カルシウム粉(B) 表面処理 平均粒子径 皮張り時間
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例6 NS#400*6 なし 1710nm 1分10秒
実施例7 Brilliant1500*7 なし 150nm 1分20秒
比較例2 白艶華PZ*8 なし 80nm 3分10秒
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

*6:「NS#400」 日東粉化工業社製商品名、表面処理なしの炭酸カルシウム粉、
平均粒子径:1710nm(上記測定方法1)
*7:「Brilliant1500」 白石カルシウム社製商品名、表面処理なしの炭
酸カルシウム粉、平均粒子径:150nm(上記測定方法2)
*8:「白艶華PZ」 白石カルシウム社製商品名、表面処理なしの炭酸カルシウム粉、
平均粒子径:80nm(上記測定方法2)
表1及び2の結果から示されるように、本発明に係る硬化性シリコーン系樹脂組成物(実施例1〜7)は、平均粒子径が100nm以上の炭酸カルシウム粉を使用するため硬化が速く、平均粒子径が80nmの比較例1及び2は硬化が遅いことが分かる。
この理由として、粒子径が小さい炭酸カルシウム粉の場合、粒子の比表面積が広くなり、硬化触媒成分である三フッ化ホウ素系触媒(D)が炭酸カルシウム粒子表面の細孔に吸着されやすく、三フッ化ホウ素系触媒(D)の効果が十分発揮されないことが考えられる。一方、平均粒子径が100nm以上の炭酸カルシウム粉は、比表面積が小さいことから、硬化触媒成分である三フッ化ホウ素系触媒(D)の細孔への吸着が比較的抑えられることで、三フッ化ホウ素系触媒(D)の効果が適切に発現し、速硬化性が得られるものであると推察される。
本発明に係る硬化性シリコーン系樹脂組成物は、特に従来一液型又は二液型の硬化性シリコーン系樹脂組成物が用いられてきた全ての用途に使用できる。たとえば、接着剤、粘着剤、シーリング材、塗料、コーティング材、目止め材、注型材、被覆材等として用いることができる。

Claims (4)

  1. 分子内に架橋性シリル基を有する硬化性シリコーン系樹脂(A)100質量部に対して、平均粒子径が100nm以上の炭酸カルシウム粉(B)5.0〜300質量部、分子内に架橋性シリル基及びアミノ基を有するアミノシラン化合物(C)0.1〜30質量部、及び、三フッ化ホウ素系触媒(D)0.001〜10質量部を含有することを特徴とする、硬化性シリコーン系樹脂組成物。
  2. 硬化性シリコーン系樹脂(A)が、分子内にウレタン結合を有する硬化性シリコーン系樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性シリコーン系樹脂組成物。
  3. 硬化性シリコーン系樹脂(A)が有する架橋性シリル基が、トリアルコキシシリル基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の硬化性シリコーン系樹脂組成物。
  4. 三フッ化ホウ素系触媒(D)が、三フッ化ホウ素アミン錯体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性シリコーン系樹脂組成物。
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