JP2010260549A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【目的】シール材がタイヤの回転による遠心力で一部に偏ってしまうという問題を防ぎながら同時にシール材が損傷された穴に移動し閉塞するまでの時間を短縮し、損傷された穴のシールを極めて短時間で行うことができ、しかも損傷された穴のシールを長期間維持することができる、空気入りタイヤを提供する。
【構成】タイヤ本体またはインナーライナーの内壁面側に、複数のシール部が前記領域の内壁面を覆うように配置されて成る空気入りタイヤであって、前記各シール部は、内部に速効性の硬化作用を有するか又は粘性が低く流動性が高い第1シール材を含む第1袋状体又は第1シール層と、前記各第1袋状体又は第1シール層の上に配置されており、その内部に遅効性の硬化作用を有し弾性を保持した状態に硬化するか又は粘性が高く流動性が低い第2シール材を含む第2袋状体又は第2シール層とを含む、空気入りタイヤである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パンクなどが生じた場合でも空気漏れによる空気圧の大幅な低下を防ぐことができる、セルフシール機能付き空気入りタイヤに関する。
従来より、パンクなどが生じた場合でも空気漏れによる空気圧の大幅な低下を防ぐことができる、セルフシール機能付き空気入りタイヤが知られている。特許文献1はこの従来のセルフシール機能付き空気入りタイヤの一例を示すものである。この特許文献1のセルフシール機能付き空気入りタイヤにおいては、インナーライナーの内壁面に、シール材を封入した平面略長方形状の多数の袋状体(もしくはシール層)をそれぞれが互いに隣接する一部が重なり合うように(互いにオーバーラップする部分を有するように)並べられた状態にして密着させることを提案している。上記の特許文献1は、シール材を封入した多数の袋状体を並べて配置することにより、シール材を封入したただ1つの袋状体をインナーライナーの内壁面に配置する場合の不都合(流動性を有するシール材がタイヤの回転による遠心力で一部の領域に偏ってしまうためシール材が少ない領域に損傷が生じたらシール材によるシールができないという不都合)を有効に防止することを可能にしている。
特許第4126327号公報
ところで、従来のセルフシール機能付き空気入りタイヤ(特許文献1をも含む)においては、粘性が低く流動性が高いシール材を使用するときはシール材がタイヤの回転による遠心力で一部(一方向)に偏ってしまうという問題があったことから、粘性が比較的高く流動性が低いシール材を使用していた。しかし他方、このような粘性が比較的高く流動性が低いシール材をパンクのシールのために使用する場合は、そのような粘性が比較的高く流動性が低いシール材が前記穴に移動するまでにかなりの時間が掛かかってしまうため、そのシール材が前記穴に入り込んで前記穴をシール(閉塞)するまでの間にかなりの量の空気が漏れてしまいタイヤ空気圧が大きく低下してしまうという問題点があった。また、仮に、粘性が比較的低く流動性が高いシール材を使用して、そのような粘性が比較的低く流動性が高いシール材を素早く前記穴に移動させるようにした場合には、そのような粘性が比較的低く流動性が高いシール材が前記穴をいったんシールしたとしてもその後、そのように粘性が比較的低く流動性が高いシール材は、粘性が比較的低く流動性が高いが故に空気圧により容易にタイヤの外部に排出されてしまうため、前記穴のシールを長期間継続することができないという問題点があった。
本発明はこのような従来のセルフシール機能付き空気入りタイヤの問題点に着目してなされたものであって、シール材がタイヤの回転による遠心力で一方向に偏ってしまうという問題を防ぎながら同時にシール材が損傷された穴に移動するまでの時間を短縮して損傷された穴のシールを極めて短時間内で行うことができ、しかも損傷された穴のシールを長期間維持することができる、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
前述のような課題を解決するための本発明による空気入りタイヤは、タイヤ本体の少なくともトレッド部に対向する部分を含む領域の内壁面側に、又は前記タイヤ本体の内壁面側に配置されるインナーライナーの少なくともトレッド部に対向する部分を含む領域の内壁面側に、複数のシール部が前記領域の内壁面を覆うように配置されて成る空気入りタイヤであって、(前記各シール部は、その一部が前記領域の内壁面側に対向配置され他の一部が隣接する他のシール部の一部の上側(前記領域の内壁面から離れる側)に重ねられるように配置されており、)前記各シール部は、前記領域の内壁面に近い側に配置されており内部に速効性の硬化作用を有する第1シール材を封入しており後述の第2袋状体よりも厚さが小さく形成されている第1袋状体と、前記各第1袋状体の上面(前記領域の内壁面から離れる側の面)と対向するように(その上側=前記領域の内壁面から離れる側に)配置されており、その内部に前記第1シール材よりも遅効性の硬化作用を有し弾性を保持した状態に硬化する第2シール材を封入しており、前記第1袋状体よりも厚さが大きく形成されている第2袋状体と、を含んでいる、ことを特徴とするものである。
また、本発明による空気入りタイヤにおいては、タイヤ本体の少なくともトレッド部に対向する部分を含む領域の内壁面側に、又は前記タイヤ本体の内壁面側に配置されるインナーライナーの少なくともトレッド部に対向する部分を含む領域の内壁面側に、複数のシール部が前記領域の内壁面を覆うように配置されて成る空気入りタイヤであって、(前記各シール部は、その一部が前記領域の内壁面側に対向配置され他の一部が隣接する他のシール部の一部の上側(前記領域の内壁面から離れる側)に重ねられるように配置されており、)前記各シール部は、前記領域の内壁面に近い側に配置されており内部に粘度が後記の第2シール材よりも低く流動性が高い第1シール材より成る(望ましくは後述の第2シール材層よりも厚さが小さく形成されている)第1シール材層もしくは前記第1シール材が封入された第1袋状体と、前記各第1シール材層の上面(前記領域の内壁面から離れる側の面)と対向するように(その上側=前記領域の内壁面から離れる側に)配置されており、前記第1シール材より粘性が高く流動性が低い第2シール材から成り(望ましくは前記第1シール材層よりも厚さが大きく形成されている)第2シール材層もしくは前記第2シール材が封入された第2袋状体と、を含んでいる、ことを特徴とするものである。
また、本発明による空気入りタイヤにおいては、前記各シール部は、少なくともその長手方向がトレッド部の幅方向の長さよりも大きい平面略長方形状に形成されており、前記複数のシール部により前記領域の内壁面側の略全体が覆われるようにタイヤの周方向に沿って並べられており、少なくともタイヤの周方向に互いに隣接して並べられている各シール部の間では一方の端部が他方の隣接する端部の上側(前記領域の内壁面から離れる側)に重ねられるように配置されている、ことが望ましい。
さらに、本発明による空気入りタイヤにおいては、前記各シール部は、少なくともその長手方向がトレッド部の幅方向の長さよりも小さい平面略長方形状に形成されており、前記複数のシール部により前記領域の内壁面側の略全体が覆われるようにタイヤの周方向及び幅方向に沿って並べられており、少なくともタイヤの周方向に互いに隣接して並べられている各シール部の間では一方の端部が他方の隣接する端部の上側(前記領域の内壁面から離れる側)に重ねられるように配置されている、ことが望ましい。
本発明においては、前記領域の内壁面に近い側に、内部に速効性の硬化作用を有する第1シール材を封入した第1袋状体を配置し、この第1袋状体の上側(前記領域の内壁面から離れる側)に、内部に遅効性の硬化作用を有し弾性を保持した状態に硬化する第2シール材を封入した第2袋状体を配置するようにしている。したがって、本発明によれば、釘踏みなどによりトレッド部に対向するタイヤ本体(カーカス)に穴が開いた場合、タイヤ内の空気圧により前記第1シール材がこの穴に素早く入り込んで素早く硬化するので前記穴が開いた直後にタイヤ内部の空気が漏出することをほとんど防止することができる。また、本発明によれば、前記第1シール材が素早く硬化した後に前記第2シール材が前記の硬化した第1シール材の周囲(特に、第1シール材の前記領域の内壁面から離れる側の周囲)に移動して遅効的に弾性を有した状態で硬化するので、もし前記の硬化した第1シール材がタイヤの回転に伴う変形によって壊れても、その壊れた前記第1シール材の硬化部分の周囲を前記第2シール材の硬化した部分が覆っているので前記穴からの空気漏れが防止されるようになり、しかも、前記第2シール材は、弾性を有する状態で硬化しているためタイヤの回転に伴う変形によっても壊れてしまうことがないので、前記穴のシールを長期間継続することができる。
また、本発明においては、前記領域の内壁面に近い側に、粘性が低く流動性が高い第1シール材から成る第1シール材層(もしくは前記第1シール材を封入した第1袋状体)を配置し、この第1シール材層(もしくは第1袋状体)の上側(前記領域の内壁面から離れる側)に、粘性が高く流動性が低い第2シール材から成る第2シール材層(もしくは前記第2シール材を封入した第2袋状体)を配置するようにしている。したがって、本発明によれば、釘踏みなどによりトレッド部に対向するタイヤ本体(カーカス)に穴が開いた場合でも、タイヤ内の空気圧により前記の流動性の高い(素早く移動できる)第1シール材がこの穴に素早く入り込むので、前記穴が開けられた直後から、前記穴からタイヤ内部の空気が漏出することを、ほとんど防止できるようになる。また、本発明によれば、前記第1シール材が前記穴に入り込んだ後に前記の流動性の低い(前記穴の中に滞留し易い)第2シール材が前記の穴またはその周辺に徐々に移動するので、仮に前記第1シール材(粘性が低く流動性が高いので空気圧などにより前記穴の中から外部に容易に流出し易い)の相当部分が前記穴から外部に排出されてしまっても、前記穴は前記第2シール材(粘性が高く流動性が低いので空気圧によっても前記穴の中から容易に外部に流出し難い)により閉塞された状態が長期間継続されるようになる。
また、本発明において、前記領域の内壁面側の略全体をタイヤの周方向に沿って並べられた(タイヤの周方向に沿って区画・分割された)複数の各シール部で覆うように配置したときは、すなわち、前記領域の内壁面側の略全体を覆う複数の各シール部を、少なくともその長手方向がトレッド部の幅方向の長さよりも大きい寸法を有する平面略長方形状に形成されており、前記領域の内壁面側を覆うようにタイヤの周方向に沿って並べられており、且つ、互いに隣接する各シール部の間では一方の端部が他方の隣接する端部の上側(前記領域の内壁面から離れる側)に重ねられるように配置されるように構成したときは、前記領域の内壁面側の略全体をただ1つのシール部で覆うようにした場合における不都合(内部のシール材がタイヤの回転による遠心力で一部に偏ってしまうという不都合)を回避して、前記領域の内壁面側の略全体についてほぼ均等なシール機能を付与することができる。
さらに、本発明において、前記領域の内壁面側の略全体をタイヤの周方向及び幅方向に沿ってそれぞれ並べられた(タイヤの周方向及び幅方向に沿ってそれぞれ区画・分割された)複数の各シール部で覆うように配置したときは、すなわち、前記領域の内壁面側を覆う複数の各シール部を、少なくともその長手方向がトレッド部の幅方向の長さよりも小さい寸法を有する平面略長方形状に形成されており、複数のシール部により前記領域の内壁面側の略全体を覆うようにタイヤの周方向及び幅方向に沿って並べられており、少なくともタイヤの周方向に沿って互いに隣接して並べられている各シール部の間では一方のシール部の端部が他方のシール部の端部の上側(前記領域の内壁面から離れる側)に重ねられるように配置されるように構成したときは、前記領域の内壁面側の略全体をただ1つのシール部で覆うようにした場合における不都合(シール部内のシール材がタイヤの回転による遠心力で一部に偏ってしまうという不都合)を回避して、さらには、前記領域の内壁面側の略全体をタイヤの周方向にのみ分割された複数のシール部で覆うようにした場合における不都合(各シール部内のシール材がタイヤの回転による遠心力でタイヤの幅方向においてその一部に偏ってしまうという不都合)を回避することができる。
(a)は本発明の実施例1に使用されるシール部を示す平面図、同(b)はその側断面図である。 本実施例1において複数のシール部1(図1参照)を使用してタイヤのインナーライナーのトレッド部に対向する領域の内壁面を覆うように配置した状態を示す図であってタイヤをその周方向と直交する径方向で切断したときの状態を示す縦断面図である。 本実施例1において複数のシール部1(図1参照)を使用してタイヤのインナーライナーのトレッド部に対向する領域の内壁面を覆うように配置した状態を示す図であってタイヤをその周方向と平行に切断したときの状態を示す側断面図である。 図3の部分拡大図である。 本実施例1の動作を説明するための図である。 本実施例1の動作を説明するための図である。 本実施例1の動作を説明するための図である。 本実施例1の動作を説明するための図である。 本実施例1の動作を説明するための図である。 本実施例1の動作を説明するための図である。 本発明の実施例2の構成を説明するための図である。 本実施例3の動作を説明するための図である。 本実施例3の動作を説明するための図である。 本実施例3の動作を説明するための図である。 本実施例3の動作を説明するための図である。 本実施例3の動作を説明するための図である。 本実施例3の動作を説明するための図である。
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例1−3について述べるような形態である。
図1(a)は本発明の実施例1に使用されるシール部を示す平面図、同(b)はその側断面図である。図1において、1は平面が略長方形状で全体が略箱状に形成された例えば柔らかい金属箔製(又は、プラスチック製、もしくはゴム製)のシール部、2は前記シール部1の図示上方部分を構成する例えば柔らかい金属箔製(又は、プラスチック製、もしくはゴム製)の第1袋状体、3は前記シール部1の図示下方部分を構成する例えば柔らかい金属箔製(又は、プラスチック製、もしくはゴム製)の第2袋状体、である。
本実施例1において、前記第1袋状体2には、極めて短時間内に硬化する性質を有する速効性シール材2aが密封されている。この速効性シール材2aとしては、例えば、空気中の水分と反応して速効性を持って硬化する樹脂製の速乾性瞬間接着剤、例えばシアノアクリレート系接着剤(例えば株式会社ファクトリー(大阪市平野区長吉長原4−16−1)などが製造販売している瞬間接着剤)などが使用できる。このシアノアクリレート系接着剤は、空気中の水分によって急速に硬化・接着する性質を有するものである。
また、本実施例1において、前記第2袋状体3には、前記速効性シール材2aよりも遅く徐々に硬化する性質を有する遅効性シール材3aが密封されている。この遅効性シール材3aとしては、例えば、空気中の水分と反応してその表面から徐々に硬化が始まり最終的にその全体がゴム弾性を有する硬化層を形成する弾性接着剤、例えばシリコーン系接着剤(例えばセメダイン株式会社(東京都品川区東五反田4−5−9)が製造販売している商標「セメダイン SUPER X」の製品)などがある。このシリコーン系接着剤は、ゴム弾性を有する状態で硬化する性質を有するので、例えば接着されたタイヤが変形しても容易に破壊されない特徴を有している。なお、本実施例1におていは、前記第1袋状体2の図示下面と第2袋状体3の図示上面とは、互いに接着剤などで接着されている(後述のように接着剤を使用しないで空気圧による押圧などで接着させてもよい)。また、図1において、速効性シール材2aが封入されている部分の厚さmは例えば約1〜10mm(より望ましくは約1〜6mm、約1〜4mm、もしくは約1〜3mm)、遅効性シール材3aが封入されている部分の厚さnは例えば約3〜40mm(より望ましくは約4〜30mm、約4〜20mm、もしくは約4〜10mm)、である。なお、後述する図4以下の図では、図示の便宜上、速効性シール材2aが封入されている部分の厚さや遅効性シール材3aが封入されている部分の厚さnなどについては必ずしも正確に表示されていない。
次に、図2は本実施例1において複数のシール部1(図1参照)を使用してタイヤのインナーライナーのトレッド部に対向する領域の内壁面を覆うように配置した状態を示す図であってタイヤをその周方向と直交する径方向で切断したときの状態を示す縦断面図、図3は本実施例1において複数のシール部1(図1参照)を使用してタイヤのインナーライナーのトレッド部に対向する領域の内壁面を覆うように配置した状態を示す図であってタイヤをその周方向と平行に切断したときの状態を示す側断面図、図4は図3の部分拡大図である。図2−4において、10は空気入りタイヤ、11はタイヤ本体部(カーカス)、12はインナーライナー、13はトレッド部、14は空気室、である。なお、図3においては、図示を簡略化するために、インナーライナー12の内壁面に配置している各シール部1の数を実際よりも少なく記載しており、その結果として、前記各シール部1のサイズは実際よりも大きく(特にインナーライナー12の内壁面と直交する方向の厚さを実際より大きく)記載されている。
図2−4に示すように、本実施例1では、前記インナーライナー12のトレッド部13に対向する領域の内壁面に、多数の各シール部1が、その平面略長方形状の長手方向がタイヤの幅方向(図2の左右方向)と略平行となるように、且つ、その周方向(図2の上下方向)の端部側が隣り合う他のシール部1の周方向(図2の上下方向)の端部側と互いに重なり合うように、配置されている。また、本実施例1では、前記各シール部1(第1袋状体2の図4での図示上面)は前記インナーライナー12の内壁面に密着されている。なお、本実施例1において、前記各シール部1を前記インナーライナー12の内壁面に密着するための方法は、所定の接着剤で接着するようにしてもよいが、接着剤を使用することなく前記空気室14からの空気圧により密着させるようにしてもよい。
また図4に示すように、本実施例1では、タイヤのインナーライナー12のトレッド部13に対向する領域の内壁面に、まず空気中の水分と反応して瞬間的に硬化する作用を有する速効性シール材2aを密閉した第1袋状体2が配置され、その図4の図示下面側=空気室14側に、空気中の水分と反応して徐々に硬化していく作用を有する遅効性シール材3aを密閉した第2袋状体3が配置されている。
また、図4に示すように、本実施例1では、前記各シール部1の図示右側部分1aの図4の図示上面(より詳しくは、第1袋状体2の図示右側部分の図示上面)がインナーライナー12の内壁面に密着され、各シール部1の図示左側部分1bの上面(より詳しくは、第1袋状体2の図示左側部分の上面)が隣接する他のシール部1の図示右側部分1aの図示下面(より詳しくは、第2袋状体3の図示右側部分の図示下面)に当接(密着)されている。このように、本実施例1では、図4に示すように、各シール部1の図示左側部分1bの図示上面(より詳しくは、第1袋状体2の図示右側部分の図示上面)が隣接する他のシール部1の図示右側部分1aの図示下面(より詳しくは、第2袋状体3の図示右側部分の図示下面)に重ねられている。よって、本実施例1では、各シール部1は、互いに隣接する各シール部1の一部が互いにオーバーラップされた状態で、タイヤの周方向に沿って並べられるように配置されている。なお、本実施例1において、前述のように各シール部1の図示左側部分1bの図示上面を隣接する他のシール部1の図示右側部分1aの図示下面に当接(密着)させるための方法は、所定の接着剤で接着するようにしてもよいが、接着剤を使用することなく前記タイヤ空気室14からの空気圧により密着させるようにしてもよい。
次に、本実施例1における、タイヤのトレッド部に釘が突き刺さった状態にある場合の動作を図5−6Bを参照して説明する。
まず、釘20がタイヤの前記トレッド部13の下方に貫通したため、前記タイヤ本体部(カーカス)11に穴11aが開けられ、前記インナーライナー12に穴12aが開けられ、前記シール部1の第1袋状体2に穴2bが開けられ、さらに前記シール部1の第2袋状体3に穴3bが開けられた場合であって、前記釘20が突き刺さったままの状態である場合(図5参照)における、本実施例1の動作を説明する。
この場合は、タイヤ内の空気室14からの空気圧(図の矢印P参照)に押されて(前記空気圧Pにより前記第1袋状体2及び前記第2袋状体3がインナーライナー12の方に押し上げられることにより)、前記第1袋状体2内の速効性シール材2aが、前記第1袋状体2の穴2bを介して、素早く前記釘20の先端側(図示下端部側)に移動する(図6の符号A参照)。そして、前記第1袋状体2内からの速効性シール材2aが、前記釘20の先端側と前記第1袋状体2の穴2bとの隙間を塞ぐように、その隙間の周囲で、空気中の水分と反応してほぼ瞬間的に(例えば数秒間内に)硬化する(図6において、符号Aは前記速効性シール材2aが瞬間的に硬化した部分を示す)。
そして、その後、前記第2袋状体3内の遅効性シール材3aが、前記空気圧Pに押されて、前記第2袋状体3の穴3bを介して、前記速効性シール材2aが瞬間的に硬化した部分Aの周囲に、徐々に移動する。そして、前記第2袋状体3内からの遅効性シール材3aが、前記速効性シール材2aが瞬間的に硬化した部分Aの周囲で、空気中の水分などと徐々に反応して、徐々に(例えば数分〜十数分の間に徐々に)、弾性を有する状態に硬化していく(図6Bにおいて、符号Bは前記遅効性シール材3aが硬化した部分を示す)。
以上のように、本実施例1によるときは、前記釘20がタイヤのトレッド部13から貫通してタイヤ本体(カーカス)11、インナーライナー12、第1袋状体2、及び第2袋状体3にそれぞれ穴11a,12a,2b,3bが形成された場合であって、前記釘20がタイヤに突き刺さったままの状態の場合に、まず前記第1袋状体2内の速効性シール材2aが空気圧Pにより前記穴2bを介して前記釘20の先端部側に移動し、前記釘20の先端部と前記第1袋状体2の穴2bとの隙間を塞ぐように移動して直ちに硬化するので、パンクした直後からの空気の漏出が防止できる。そして、その後、前記第2袋状体3内の遅効性シール材3aが、前記穴3bを介して、前記速効性シール材2aが硬化した部分Aの周囲の領域に空気圧Pにより移動し集まって徐々に硬化する(図6Bの符号B参照)ので、もし前記速効性シール材の1aの硬化部分Aが自動車の運転中のタイヤの回転に伴う変形により破壊された場合でも(前記硬化部分Aは硬いので、タイヤの変形により容易に破壊されることがあり得る)、前記硬化部分Aの周囲に存在する前記「弾性を持って硬化した部分」Bの存在により、空気室14内の空気が前記破壊された硬化部分Aから外部へ漏出することを防止することができる(前記遅効性シール材3aが硬化した硬化部分Bは、弾性を有しているので、タイヤの変形によっても破壊される可能性はほぼない)。
次に、釘20がタイヤの前記トレッド部13を貫通したため、前記タイヤ本体部(カーカス)11に穴11aが開けられ、前記インナーライナー12に穴12aが開けられ、前記シール部1の第1袋状体2に穴2bが開けられ、さらに前記シール部1の第2袋状体3に穴3bが開けられた場合であって、前記釘20が突き刺さった状態から遠心力等でタイヤから抜け落ちた場合(図7A参照)における、本実施例1の動作を説明する。
この場合は、タイヤ内の空気室14からの空気圧(図の矢印P参照)により、前記第1袋状体2内の速効性シール材2aが前記第1袋状体2の穴2bから素早く前記インナーライナー12の穴12a内とその上方のタイヤ本体(カーカス)11の穴11a内に移動し、それらの内部に入り込んで空気中の水分と反応してほぼ瞬間的に(例えば数秒間内に)硬化する(図7Bにおいて、符号Aは前記速効性シール材2aが瞬間的に硬化した部分を示す)。
そして、その後、前記第2袋状体3内の遅効性シール材3aが、前記空気圧Pに押されて、前記穴3bを介して、図示上方に移動し、前記速効性シール材2aが硬化した部分Aの周囲を囲むように移動する。この移動した前記遅効性シール材3aの一部は、さらに、前記穴3bを介して前記第2袋状体3の外部に移動して前記インナーライナー12に形成された穴12a内やその上方のタイヤ本体(カーカス)11の穴11a内に移動する。そして、前記遅効性シール材3aは、前記第2袋状体3に形成された穴3bからの空気中の水分などと徐々に反応して、前記速効性シール材2aが硬化した部分Aの周囲(特に図示下方の周囲)を覆うように徐々に(例えば数分〜十数分の間に徐々に)硬化していく(図7Cにおいて、符号Bは前記遅効性シール材3aが硬化した部分を示す)。
以上のように、本実施例1によるときは、前記釘20がタイヤのトレッド部13から貫通してタイヤ本体(カーカス)11、インナーライナー12、第1袋状体2、及び第2袋状体3にそれぞれ穴11a,12a,2b,3bが形成された後に前記釘20がタイヤから抜け落ちた場合に、まず前記第1袋状体2内の速効性シール材2aが空気圧Pにより前記各穴11a,12a内に移動して素早く硬化するのでパンクした直後からの空気の漏出が防止できる。そてし、その後、前記第2袋状体3内の遅効性シール材3aが、前記穴3bを介して、前記速効性シール材2aが硬化した部分Aの周囲を囲むように空気圧Pにより移動し集まって、前記部分Aを覆うように徐々に硬化する(図7Cの符号B参照)ので、もし前記速効性シール材の1aの硬化部分Aが自動車の運転中のタイヤの回転に伴う変形により破壊された場合でも(前記硬化部分Aは硬いので、タイヤの変形により容易に破壊されることがあり得る)、前記硬化部分Aの周囲を覆っている前記「弾性を持って硬化した部分」Bにより、空気室14内の空気が前記破壊された硬化部分Aから外部へ漏出することを防止することができる(前記遅効性シール材3aが硬化した硬化部分Bは、弾性を有しているので、タイヤの変形によっても破壊される可能性はほぼない)。
次に本発明の実施例2を図8を参照して説明する。図8(a)は前記実施例1で示したシール部1(図1参照)を示している。本実施例2では、前記実施例1で説明したシール部1(図8(a)参照)を、図8(b)のように図示左右方向に沿って3等分し、これらを、前記実施例1のシール部1に代えて、各シール部21,22,23として使用した点に特徴がある。
すなわち、本実施例2では、「前記実施例1のシール部1」に対応する各シール部21,22,23を、タイヤのインナーライナー12のトレッド部13に対向する領域の内壁面に、タイヤの幅方向(図8(c)の左右方向)に並べて前記実施例1の1つのシール部1と同様に配置・密着させ、さらに、それら(前記3個の各シール部21,22,23を図示左右方向に並べたもの)を前記実施例1と同様に、タイヤの周方向(図8(c)の上下方向)に互いに隣り合う端部が互いに重なり合うように、多数、配置するようにしている。本実施例2の構成は、上記以外は前記実施例1と全く同様である。
以上より、本実施例2によっても、釘などがタイヤのトレッド部から貫通してタイヤ本体(カーカス)11やインナーライナー12に穴11a,12aを開けた場合でも、まず前記第1袋状体2内の速効性シール材2aが空気圧Pにより前記各穴11a,12a内に移動して素早く硬化し、さらに、その後、前記第2袋状体3内の遅効性シール材3aが空気圧Pにより前記速効性シール材2aが硬化した部分Aの周囲に移動して前記硬化部分Aを覆うように徐々に弾性を保持しながら硬化するので、もし前記速効性シール材の1aの硬化部分Aが自動車の運転中のタイヤの回転に伴う変形により破壊されたなどの場合であっても、タイヤ空気室14内の空気の漏出をほぼ確実に防止するという前記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施例2によるときは、さらに、前述のように前記実施例1のシール部1をタイヤの幅方向に沿って3等分した平面形状の各シール部21,22,23を、タイヤのインナーライナー12のトレッド部13に対向する領域の内壁面に密着させるようにしているので、本実施例2においては、タイヤの回転中にその遠心力によりシール材がタイヤの幅方向における中央などの一部(一方)のみに偏ってしまうという不都合を防止することができる(これに対して、前記実施例1においては、前記シール部1がタイヤの幅方向の全体に渡って1つだけ配置されているので、タイヤの回転中にその遠心力により前記シール材がタイヤの幅方向における中央などの一部(一方)のみに偏ってしまうという不都合が生じる可能性があった)。これは前記実施例1よりも優れた作用効果である。
次に本発明の実施例3について説明する。本実施例3と前記実施例1とで異なる部分は、(1)前記実施例1ではシール部1の第1袋状体2の中に「瞬間的に硬化する速効性シール材2a」が封入されていたが、本実施例2では、シール部1の第1袋状体2の中に、従来よりパンク用シール材として公知のものであって「粘性が後述の第2シーラントよりも低い(その結果、流動性が高い)第1シーラント(粘稠性シーラント物質)」を封入したこと、及び、(2)前記実施例1ではシール部の第2袋状体3の中に「徐々に弾性を保持した状態で硬化する遅効性シール材3a」が封入されていたが、本実施例3では、シール部1の第2袋状体3の中に、従来よりパンク用シール材として公知のものであって「粘性が前記第1シーラントよりも高い(その結果、流動性が低い)第2シーラント(粘稠性シーラント物質)」を封入したこと、である。これら以外については、本実施例3の構成は前記実施例1と同様である。
なお、本実施例3において、前記第1シーラントは、「従来よりパンクシール用として望ましい粘度として公知の粘度」を有するシーラント物質を使用することができるが、例えば、60℃で6×104ポイズよりも少し若しくは十分に小さい粘度を有するシーラント物質であって10℃以上で大きな若しくはある程度の流動性(例えば大気中で30度の傾斜面を1秒間当たり約3〜30mm移動する性質)を有するシーラント物質から成るものであることが望ましい(なお前記の粘度の測定は例えばスペクトロメータRVE(レオメトリクス社製)による)。また、本実施例3において、前記第2シーラントは、「従来よりパンクシール用として望ましい粘度として公知の粘度」を有するシーラント物質を使用することができるが、例えば、60℃で6×104ポイズよりも少し若しくは十分に大きい粘度を有するものであって10℃以上で少しの若しくはある程度の流動性(例えば大気中で30度の傾斜面を1秒間当たり約0.1〜10mm、もしくは0.1〜1mm移動する性質)を有するシーラント物質から成るものであることが望ましい(なお前記の粘度の測定は例えばスペクトロメータRVE(レオメトリクス社製)による)。
次に、本実施例3における、タイヤのトレッド部に釘が刺さった状態にある場合の動作を図9A−11Bを参照して説明する。なお、図9A−11Bにおいては、図示の便宜上、第1袋状体2の内容物である第1シーラントについて、前記実施例1の第1袋状体2の内容物である速効性シール材と同じ符号2aを付すと共に、第2袋状体3の内容物である第2シーラント3aについて、前記実施例1の第2袋状体3の内容物である遅効性シール材と同じ符号3aを付している。
まず、釘20がタイヤの前記トレッド部13を貫通したため、前記タイヤ本体部(カーカス)11に穴11aが開けられ、前記インナーライナー12に穴12aが開けられ、前記シール部1の第1袋状体2に穴2bが開けられ、さらに前記シール部1の第2袋状体3に穴3bが開けられた場合であって、前記釘20が突き刺さったままの状態である場合(図9A参照)における、本実施例3の動作を説明する。
この場合は、前記空気室14からの空気圧(図の矢印P参照)に押されて(前記空気圧Pにより前記第1袋状体2及び前記第2袋状体3がインナーライナー12の方に押されることにより)、前記第1袋状体2内の「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aが、前記第1袋状体2の穴2bを介して、前記釘20の先端側(図示下端部側)に素早く移動して、前記釘20の先端部と前記第1袋状体2の穴2bとの間の隙間を塞ぐ(図9Bの符号Cで示す部分)。その後、前記空気室14からの空気圧(図の矢印P参照)により、前記第2袋状体3内の「粘性が高く流動性が低い第1シーラント」3aが、前記第2袋状体3の穴3bを介して、前記釘20の先端側(図示下端部側)の「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aが集まっている部分(図9Bの符号Cで示す部分)の周辺部を囲むように、ゆっくりと移動して集まり、「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aが集まっている部分(図9Bの符号Cで示す部分)の周囲を覆うようにする(図9Cの符号Dで示す部分)。
以上のように、本実施例3によれば、前記釘20がタイヤのトレッド部13から貫通してタイヤ本体(カーカス)11及びインナーライナー12にそれぞれ穴11a,12aが形成された場合であって前記釘20がタイヤに刺さった状態になっている場合に、直ちに、前記第1袋状体2内の「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aが前記前記釘20の先端部の方に素早く移動して前記釘20の先端部と前記第1袋状体2の穴2bとの間の隙間を塞ぐ(図9Bの符号C参照)ので、前記各穴11a,12aが開いた直後から空気が漏出されてしまうことを、ほとんど防止することができる(もし、前記第1袋状体2内に「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aが封入されていたなら、前記「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aは素早く移動できないので、前記各穴11a,12aが開いた直後から前記各穴11a,12aに移動して前記各穴11a,12aから空気が漏出することを防止することは、できない)。そして、その後、前記第2袋状体3内の「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aが、ゆっくりと移動して、前記「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aが集まっている部分(図9Bの符号Cで示す部分)の周囲を覆うようになる(図9Cの符号Dで示す部分を参照)ので、前記隙間を、長期間、確実に閉塞した状態で保持することができる。
次に、釘20がタイヤの前記トレッド部13を貫通したため、前記タイヤ本体部(カーカス)11に穴11aが開けられ、前記インナーライナー12に穴12aが開けられ、前記シール部1の第1袋状体2に穴2bが開けられ、さらに前記シール部1の第2袋状体3に穴3bが開けられた場合であって、その後に前記釘20が遠心力等によりタイヤから抜け落ちた場合(図10参照)における、本実施例3の動作を説明する。
この場合は、タイヤ内の空気室14からの空気圧(図の矢印P参照)に押されて、前記第1袋状体2内の「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aが、前記第1袋状体2の穴2bを介して、素早く前記インナーライナー12の穴12a内とその上方のタイヤ本体(カーカス)11の穴11a内に移動し、それらの内部に移動する(図11Aの符号Cで示す部分を参照)。したがって、本実施例3においては、前記各穴11a,12aが開いたら、その直後から、前記第1袋状体2内の「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aが前記穴2bを介して前記各穴11a,12aの内部に移動し入り込むので、前記各穴11a,12aが開いた直後から空気が漏出することを、ほとんど防止することができる(もし、前記第1袋状体2内に「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aが封入されていたなら、このような「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aは,素早く移動できないので、前記各穴11a,12aが開いた直後から前記各穴11a,12aに移動して前記各穴11a,12aから空気が漏出することを防止することは、できない)。
ところで、本実施例3では、前述のように、前記第1袋状体2内の第1シーラント2aは「粘性が低く流動性が高い」ので、前記空気圧(図の矢印P参照)に押されて、徐々に、前記各穴11a,12aの中からタイヤの外部に排出されてしまう場合が生じ得る(図11Aの符号C’参照)。
しかしながら、本実施例3では、前記第1袋状体2内の「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aが前記各穴11a,12aの内部に入り込んだ後から、前記シール部1の第2袋状体3内の「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aが、「前記の(空気圧Pにより)徐々に外部に排出されている、粘性が低く流動性が高い第1シーラント2a」の方に、すなわち、前記穴3bを介して前記各穴11a,12aの内部に、徐々に移動し入り込む(図11Bの符号Dで示す部分)。この、前記各穴11a,12aの内部に新たに入り込んだ「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aは、粘性が高く流動性が低いので、タイヤ室14内からの空気圧Pによっても容易に外部に流出せず、前記各穴11a,12aの内部に長期間留まり続けるので、前記各穴11a,12aからの空気の漏出が継続的に且つ確実に長期間、防止されるようになる。
以上のように、本実施例3によれば、前記釘20がタイヤのトレッド部13から貫通してタイヤ本体(カーカス)11及びインナーライナー12にそれぞれ穴11a,12aが形成された場合であって前記釘20がタイヤから脱落した場合に、直ちに前記第1袋状体2内の「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aが素早く前記各穴11a,12a内に移動するので、パンク直後からの空気の漏出が防止できる(図11Aの符号C参照)。そして、その後、前記第2袋状体3内の「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aが徐々に(ゆっくりと)前記各穴11a,12a内に移動するので、もし「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aが空気圧Pにより前記各穴11a,12a内からタイヤ外部に流出しているときでも(図11Aの符号C’参照)、前記「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aが前記各穴11a,12aの内部に徐々に新たに入り込んで空気の漏出を阻止するようになる(図11Bの符号D参照)。しかも、前記各穴11a,12a内部に新たに入り込んだ「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aは粘性が高く流動性が低いので前記空気圧Pによっても容易に外部に流出しないので、前記「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aによる前記各穴11a,12aの閉塞は長期間、確実に継続して保持されるようになる。
以上、本発明の各実施例について説明したが、本発明は前記の各実施例として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記実施例3のシール部についても、前記実施例2に示す構成、すなわち、「タイヤの周方向に複数に分割した形状のシール部」として構成してもよいことはもちろんである。また、前記実施例3においては、実施例1と同様のシール部1の第1袋状体2と第2袋状体3とを採用し、これらの中にそれぞれ「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aと「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aをそれぞれ封入するようにしているが、本発明ではこれに限られるものではなく、例えば、まず、インナーライナー12の前記内壁面に、前記「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aを直接に(又は所定のシートを介して)配置(塗布)する(第1シーラント2aから成る第1シーラント層を形成する)、そして、その後、その上に例えば柔らかい金属箔製(又は、プラスチック製、もしくはゴム製)のシートを配置し、そのシートの上に前記「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aを配置(塗布)する(第2シーラント3aから成る第2シーラント層を形成する)、ようにしてもよい。このように、前記「粘性が低く流動性が高い第1シーラント」2aと前記「粘性が高く流動性が低い第2シーラント」3aとをそれぞれ所定の袋状体の中に封入しないで、例えば柔らかい金属箔製(又は、プラスチック製、もしくはゴム製)のシートなどを介して前記インナーライナー12の内壁面に配置(塗布)するようにしても、すなわち、第1シーラント」2aから成る第1シーラント層と第2シーラント」3aから成る第2シーラント層との組合せによっても、前記実施例3とほぼ同様の作用効果を奏することができ、これも本発明の範囲内である。また、前記各実施例1−3においては、前記各シール部1を前記タイヤ本体の内壁面の内側に配置されるインナーライナー12の少なくともトレッド部11に対向する部分を含む領域の内壁面側に配置するようにしているが、本発明においては、前記各シール部1をタイヤ本体(カーカス)11の少なくともトレッド部に対向する部分を含む領域の内壁面側に(すなわち、タイヤ本体(カーカス)11とインナーライナー12との間に)配置するようにしてもよい。
1,21,22,23 シール部
2 第1袋状体
3 第2袋状体
2a 第1袋状体の内容物(速効性シール材、粘度の低い第1シーラント)
2b,3b,11a,12a 穴
3a 第2袋状体の内容物(遅効性シール材、粘度の高い第2シーラント)
11 タイヤ本体(カーカス)
12 インナーライナー
13 トレッド部
14 空気室
A,B 硬化部分

Claims (4)

  1. タイヤ本体の少なくともトレッド部に対向する部分を含む領域の内壁面側に、又は前記タイヤ本体の内壁面側に配置されるインナーライナーの少なくともトレッド部に対向する部分を含む領域の内壁面側に、複数のシール部が前記領域の内壁面を覆うように配置されて成る空気入りタイヤであって、
    前記各シール部は、
    前記領域の内壁面に近い側に配置されており内部に速効性の硬化作用を有する第1シール材が封入されており後述の第2袋状体よりも厚さが小さく形成されている第1袋状体と、
    前記各第1袋状体の上面(前記領域の内壁面から離れる側の面)と対向するように配置されており、その内部に前記第1シール材よりも遅効性の硬化作用を有し弾性を保持した状態に硬化する第2シール材が封入されており、前記第1袋状体よりも厚さが大きく形成されている第2袋状体と、を含んでいる、
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤ本体の少なくともトレッド部に対向する部分を含む領域の内壁面側に、又は前記タイヤ本体の内壁面側に配置されるインナーライナーの少なくともトレッド部に対向する部分を含む領域の内壁面側に、複数のシール部が前記領域の内壁面を覆うように配置されて成る空気入りタイヤであって、
    前記各シール部は、
    前記領域の内壁面に近い側に配置されており内部に粘度が後述の第2シール材よりも低く流動性が高い第1シール材より成る第1シール材層もしくは前記第1シール材が封入された第1袋状体と、
    前記各第1シール材層の上面(前記領域の内壁面から離れる側の面)と対向するように配置されており、前記第1シール材より粘性が高く流動性が低い第2シール材から成る第2シール材層もしくは前記第2シール材が封入された第2袋状体と、を含んでいる、
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1又は2において、
    前記各シール部は、少なくともその長手方向がトレッド部の幅方向の長さよりも大きい平面略長方形状に形成されており、前記複数のシール部により前記領域の内壁面側が覆われるようにタイヤの周方向に沿って並べられており、少なくともタイヤの周方向に互いに隣接して並べられている各シール部の間では一方の端部が他方の隣接する端部の上側(前記領域の内壁面から離れる側)に重ねられるように配置されている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 請求項1又は2において、
    前記各シール部は、少なくともその長手方向がトレッド部の幅方向の長さよりも小さい平面略長方形状に形成されており、前記複数のシール部により前記領域の内壁面側が覆われるようにタイヤの周方向及び幅方向に沿って並べられており、少なくともタイヤの周方向に互いに隣接して並べられている各シール部の間では一方の端部が他方の隣接する端部の上側(前記領域の内壁面から離れる側)に重ねられるように配置されている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
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