JP2010260433A - 連結器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】格納ベース24と連結器12の双方に設けられた位置決め穴14、16が一致した状態で、位置決め穴に対し車体外部下方から位置決めピン18を挿通することで、連結器12を格納時又は使用時の各位置に固定する。又、位置決めピン18を軸心回りに回転させることで、ストッパーにより位置決めピン18の脱落を防止する。このストッパーは、車体に固定された格納ベース24の位置決め穴14を挟むように格納ベース24に固定された一対のブラケット32により、位置決めピンのプレート30を保持することで、位置決めピン18の脱落防止を図る。そして、固定プレート34が位置決めピン18のプレート30に当接した状態で、ねじ38によってブラケット32に固定される。
【選択図】図3
Description
従来の非常連結器の構造例としては、レバー操作等により連結器の出し入れ及びロックを行う専用の出し入れ機構を備えるもの(例えば、特許文献1、2参照。)も存在するが、より簡素な構造として、図5に示されるように、鉄道車両の車体10の先頭部に、連結器12が手作業で前後にスライド可能に設けられたものがある。この構造例では、車体10側に設けられた位置決め穴14と、連結器に設けられた位置決め穴16とが一致した状態で、双方の位置決め穴14、16に対し車体外部下方から位置決めピン18が挿通されることで、連結器12は、格納時の位置(符号12Aで示される)又は使用時の位置(符号12Bで示される)に、適宜固定される。
一方、図5に示される例では、非常連結器の位置決めピン18の一端部に円盤状のフランジ20が設けられており、このフランジ20が、車体10に固定された格納ベース24、26に対して、ねじ等の係止手段22により固定される構造となっている。従って、係止手段22の脱落は位置決めピン18の脱落を引き起こす原因となるが、位置決めピン18は連結器12の使用時の荷重を受けることが可能な強度を有する重量物であることから、係止手段22に特殊構造の脱落防止ねじを採用する等の、脱落防止対策が必要である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、非常連結器の、位置を固定する構造が簡単であり、かつ、連結器の出し入れを行う際の作業性を向上させた連結器を提供することにある。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。又、各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。よって、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
本項に記載の連結器は、車体側と連結器の双方に設けられた位置決め穴が一致した状態で、該位置決め穴に対し車体外部から位置決めピンを挿通することで、連結器を格納時又は使用時の各位置に固定し、位置決めピンを軸心回りに回転させることで、ストッパーにより位置決めピンの脱落が防止されるものである。
本項に記載の連結器は、車体側の位置決め穴を挟むように車体側に固定された一対のブラケットにより、位置決めピンが回転可能に位置決めピンのプレートを保持することで、ストッパーによる位置決めピンの脱落防止を図り、かつ、位置決めピンを回転させることにより着脱を行うものである。
本項に記載の連結器は、位置決めピンのプレートの、一対のブラケット間の隙間を通過可能な抜差し位置と該抜差し位置から軸心回りに所定角度回転した抜け止め位置との間の回転を許容する空間が、ブラケットと車体との間に設けられていることにより、ストッパーによる位置決めピンの脱落防止と、位置決めピンを回転させることによる着脱を可能とするものである。
本項に記載の連結器は、固定プレートを位置決めピンのプレートに当接させることで、プレートに回転止めを施して前記抜け止め位置に固定し、位置決めピンの脱落を防止するものである。
本項に記載の連結器は、ブラケットに対し着脱自在な固定プレートを、ブラケットに取り付けて位置決めピンのプレートに当接させることで、プレートを前記抜け止め位置に固定し、位置決めピンの脱落を防止すると共に、固定プレートをブラケットから取り外すことで、位置決めピンの回転による着脱を可能とするものである。
本項に記載の連結器は、位置決めピンのプレート又は固定プレートが、ブラケットに対し係止手段によって固定されることで、位置決めピンのプレートを前記抜け止め位置に固定し、位置決めピンの脱落を防止するものである。
本発明の実施の形態に係る非常連結器は、図1〜図4に示されるように、車体に固定された格納ベース24の位置決め穴14と、連結器12に設けられた位置決め穴16(図5参照)と、双方の位置決め穴14、16が一致した状態で、位置決め穴14、16に対し車体外部下方から挿通される位置決めピン18と、位置決めピン18の位置決め穴14、16への挿通状態での軸心回りの回転角度に応じ、位置決めピン18を格納ベース24に対し着脱可能又は着脱不能とするストッパー28とが設けられている。
ブラケット32は、図4に示されるように、L字状に折り曲げられた金属板を向かい合わせて格納ベース24に固定したものであり、一対のブラケット32間には、プレート30が通過可能なだけの隙間が設けられている。又、ブラケット32と車体側の格納ベース24との間には、プレート30の回転を許容するだけの空間が設けられ、この空間は車体の長手方向及び幅方向内側に開放している。この空間により、位置決めピン18は、一対のブラケット32間の隙間を通過可能な「抜差し位置」(図2(a)、図3(a)参照)と該抜差し位置から軸心回りに90°回転した「抜け止め位置」(図1(a)(b)、図3(b)参照)との間を、回転自在となっている。
なお、格納ベース24は、図示の例では車体の長手方向両端が開放された箱状をなしており、位置決め穴14の車両の長手方向二箇所に設けられている。又、連結器12はこの格納ベース24の一端から突出し、その突出量が調整可能となっている。そして、連結器12には、位置決め穴16が1つだけ設けられている(図5参照)。
この状態で、図1(a)に示されるように、ブラケット32に固定プレート34を固定するねじ38を取り外し、図1(b)に示されるように、ブラケット34から固定プレート34を取り外す。
なお、使用位置に引き出された連結器12を格納位置に戻して固定する作業については、上記手順の逆を行えば良い。
まず、本発明の実施の形態に係る12連結器は、車体に固定された格納ベース24と連結器12の双方に設けられた位置決め穴14、16が一致した状態で、位置決め穴14、16に対し車体外部下方から位置決めピン18を挿通することで、連結器12を格納時又は使用時の各位置に固定するものである。又、位置決めピン18を軸心回りに回転させることで、ストッパー28(図1(a))により位置決めピン18の脱落を防止することができる。
又、固定プレート34を位置決めピン18のプレート30に当接させることで、プレート30に回転止めを施して抜け止め位置に固定し、位置決めピン18の脱落を防止することが出来る。
そして、固定プレート34が、ブラケット32に対しねじ38によって固定されることで、位置決めピン18のプレート30を抜け止め位置に固定し、位置決めピン18の脱落を、確実に防止することができる。
又、従来の専用の出し入れ機構を備える例のように、車両の室内側から連結器の出し入れ操作を行う必要がないので、車両の内外を往復する必要もなく、この点で作業性が向上する。しかも、車体10自体に位置決めピン18を挿通するための穴を形成する必要もないので、車体10の気密性も確保されるものである。
この場合においても、ブラケット32と位置決めピン18のプレート30とを、ねじ38によって固定することで、位置決めピン18の脱落を、確実に防止することができる。又、位置決めピン18を完全に固定する前段階で、ブラケット32は位置決めピン18を仮止めする機能を有し、ねじ38による固定を行う際に、作業者は位置決めピン18が位置決め穴14、16から落下しないよう位置決めピン18を支える必要がなく、高い作業性を確保することが可能となる。
又、位置決めピン18のプレート30が、一対のブラケット32間の隙間を通過可能な抜差し位置と該抜差し位置から軸心回りに所定角度回転した抜け止め位置との間の、回転角度についても、上記の如く、ブラケット32が位置決めピン18を仮止めする機能を発揮するものであれば、適宜設定することが可能である。
Claims (6)
- 鉄道車両の先頭部に常時格納され使用時にのみ引き出される連結器であって、格納時又は使用時の各位置に連結器を固定するための、車体側と連結器の双方に設けられた位置決め穴と、前記車体側と連結器の双方に設けられた位置決め穴が一致した状態で、該位置決め穴に対し車体外部から挿通される位置決めピンと、前記位置決めピンの前記位置決め穴への挿通状態での軸心回りの回転角度に応じ、前記位置決めピンを車体に対し着脱可能又は着脱不能とするストッパーとが設けられていることを特徴とする連結器。
- 前記ストッパーは、前記位置決めピンの一端部に設けられ前記位置決めピンの軸心と直交する方向に延びるプレートと、少なくとも該プレートの幅分の隙間を空けて、車体側の位置決め穴を挟むように車体側に固定され、前記位置決めピンが回転可能に前記プレートを保持する一対のブラケットとを含むことを特徴とする請求項1記載の連結器。
- 前記ブラケットと車体との間には、前記位置決めピンのプレートの、前記一対のブラケット間の隙間を通過可能な第1位置と該第1位置から軸心回りに所定角度回転した第2位置との間の、回転を許容する空間が設けられていることを特徴とする請求項2記載の連結器。
- 前記位置決めピンのプレートに当接して該プレートを前記第2位置に固定する固定プレートが含まれることを特徴とする請求項2又は3記載の連結器。
- 前記固定プレートは前記ブラケットに対し着脱自在であることを特徴とする請求項4記載の連結器。
- 前記位置決めピンのプレート又は前記固定プレートが、前記ブラケットに対し係止手段によって固定されることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載の連結器。
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