JP2010259772A - 医療用器具カバー及びこれを備える医療用器具セット - Google Patents

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【課題】医療用器具を円滑に挿入、引抜を行うことができる医療用器具カバー、及び、当該医療用器具カバーと医療用器具とを有する医療用器具セットを提供する。
【解決手段】医療用器具を収容可能な医療用器具カバー1であって、 筒状のカバー本体2、カバー本体2の内周面に積層されるハイドロゲル層3とを備える医療用器具カバー1。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療用器具カバー及び医療用器具セットに関する。特に、長尺の医療用器具を収納する筒状の医療用器具カバーであって、医療用器具を円滑に挿入、引抜を行うことができる医療用器具カバー、及び、当該医療用器具カバーと長尺の医療用器具とを有する医療用器具セットに関する。
従来、経口摂取できない患者に経腸栄養を投与するために、経皮内視鏡胃瘻造設術により腹部に胃瘻を造設することが行われている。経皮内視鏡胃瘻造設術による胃瘻造設は、局所麻酔で行うことができ、手術時間も5分〜10分と短く、術後の回復も早いという利点がある。
経皮内視鏡的胃瘻造設術による胃瘻造設は、胃瘻造設用カテーテルを患者の口腔から喉頭、咽頭を通して胃に送り込む操作を必要とするが、胃瘻造設用カテーテルを口腔から胃に送り込む際に、胃瘻造設用カテーテルのチューブや内部バンパーが口腔、喉頭、咽頭に直接触れてしまい、胃瘻造設用カテーテルのチューブや内部バンパーが細菌汚染されてしまうという問題があった。
チューブや内部バンパーが細菌汚染された胃瘻造設用カテーテルを腹壁及び胃壁に形成した瘻孔に挿通して胃瘻を造設すると、腹壁や胃壁に形成した瘻孔が細菌により汚染され、瘻孔の創部感染が起きてしまう。創部感染した瘻孔を治癒するには、患者に抗生物質を長期間にわたって投与しなければならず、結果として、胃瘻造設に日数を要し、経腸栄養の投与が遅れることになる。
このような胃瘻造設用カテーテルによる瘻孔の創部感染を解決するために、胃瘻造設用カテーテル全体を内部に収容し、胃瘻造設用カテーテルのチューブや内部バンパーが口腔、喉頭、咽頭に直接触れないようにし、瘻孔の創部の細菌汚染を防ぐようにした医療用器具カバーは、例えば特許文献1及び2に記載されている。
上記医療用器具カバーは、特許文献1では両端を開口した細長い筒状袋体と筒状袋体の開口部を閉じるように開口端縁に縫い付けられた結紮用糸からなり開口端を結紮することにより閉じることによって、収容した胃瘻造設用カテーテルのチューブや内部バンパーが口腔、喉頭、咽頭に直接触れないようにしている。また、特許文献2では筒状に形成されシート状材料からなるカバー本体とカバー本体に後端から先端に向けて挿通されカバー本体の先端に取り外し可能に固定される開放糸を備え先端部は円錐状に形成されることにより、胃瘻造設用カテーテルのチューブや内部バンパーが口腔、喉頭等に直接触れないようにしている。
一方、上述した医療用器具カバーにより被覆されるカテーテルは、その生物学的安全性や強度、弾性、可撓性などの特徴をもつシリコーンゴムがよく用いられている。しかしシリコーンゴムは滑りにくいという特性を有しているために、カテーテルの医療用器具カバーとして用いる際のカテーテルの医療用器具カバーへの挿入、引抜には大きな力と手間を要するという問題点があった。
特に胃瘻造設用カテーテルの瘻孔の創部の細菌汚染を防ぐようにした医療用器具カバーは、咽頭や食道を通過させる際の抵抗を下げるためにできるだけ細径に設計されカテーテルや内部バンパーよりも細い場合があり、特許文献1、2に記載されているカバーの材料ポリエチレンやポリプロピレンに対して通過の際に密着し、挿入、引抜に苦労する場合が多い。
これらの問題に対し、医療用器具の表面に親水性ポリマーを塗布したり、カバー本体の樹脂の一部に親水性ポリエステル樹脂を配合するなどの方策が、例えば特許文献3、4に記載されている。
特開2000−126302号公報 特開2008−109363号公報 特開平10−201839号公報 特開2002−282276号公報
しかしながら、表面に親水性ポリマーが塗布された医療用器具や、カバー本体の樹脂の一部に親水性ポリエステルが配合された医療用器具カバーでは、十分な厚みの水の膜をつくることが困難であり、医療用器具、特にシリコーンゴムにより形成された医療用器具に対する滑り性を発揮することが困難であるという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、医療用器具を円滑に挿入、引抜を行うことができる医療用器具カバー、及び、当該医療用器具カバーと医療用器具とを有する医療用器具セットの提供を目的とする。
本発明の前記目的は、医療用器具を収容可能な医療用器具カバーであって、筒状のカバー本体と、前記カバー本体の内周面に積層されるハイドロゲル層とを備えており、前記ハイドロゲル層の厚みは100μm以上である医療用器具カバーにより達成される。
また、上記医療用器具カバーにおいて、前記カバー本体の厚みは、100μm以下であることが好ましい。
また、前記カバー本体は、疎水性プラスチックにより形成されていることが好ましい。
また、前記ハイドロゲル層の露出面には、剥離紙が積層されていることが好ましい。
また、前記剥離紙は、親水性材料から形成されていることが好ましい。
また、前記親水性材料は、親水性の不織布であることが好ましい。
また、本発明の上記目的は、上述の医療用器具カバーと、前記医療用器具カバーに収容される医療用器具とを備える医療用器具セットであって、前記医療用器具がシリコーンゴムにより形成されている医療用器具セットにより達成される。
また、上記医療用器具セットにおいて、前記医療用器具は、カテーテルであることが好ましい。
また、前記医療用器具は、胃瘻造設用カテーテルであることが好ましい。
本発明によれば、医療用器具を円滑に挿入、引抜を行うことができる医療用器具カバー、及び、当該医療用器具カバーと医療用器具とを有する医療用器具セットを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る医療用器具カバーを示す概略構成断面図である。 図1のA−A断面図である。 図1に示す医療用器具カバーの変形例を示す概略構成断面図である。 図1に示す医療用器具カバーの他の変形例を示す概略構成断面図である。 図1に示す医療用器具カバーの他の変形例を示す断面図である。 図1に示す医療用器具カバーの他の変形例を示す概略構成断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る医療用器具セットを構成する医療用器具カバー1について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る医療用器具カバー1の概略構成断面図であり、図2は、そのA−A断面図である。なお、各図面は、構成の理解を容易にするため、実寸比ではなく部分的に拡大又は縮小されている。本実施形態に係る医療用器具カバー1は、長尺の医療用器具(図示せず)を収容可能な筒状の医療用器具カバー1であって、図1に示すように、筒状のカバー本体2と、当該カバー本体2の内周面に積層されるハイドロゲル層3とを備えている。ここで、ハイドロゲル層3を構成するハイドロゲルとは、水を主成分とする溶媒で膨潤保持した状態の三次元網目構造を持つ高分子材料をいい、流動性のない状態のものである。
医療用器具カバー1により収容される長尺の医療用器具(図示せず)としては、例えば、ガイドワイヤー、シースイントロデューサ、ステント、導尿のための膀胱カテーテル、輸液用及び静脈圧測定用の中心静脈カテーテル、バルーンカテーテル、胃瘻造設用カテーテル等を挙げることができる。特に本実施形態に係る医療用器具カバー1との関係において、シリコーンゴムからなる医療用器具に対して有利な効果を発することができるので、シリコーンゴムを材料とすることが多いカテーテルが好適である。なお、本実施形態においては、上述のような医療用器具と、医療用器具カバー1とのセットを医療用器具セットと称している。
カバー本体2は、両端が開口する筒状形状を有しており、疎水性プラスチックにより形成されている。疎水性プラスチックの種類には特に制限なく、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などをあげることができる。これらの中で、薄くて強度をもち、容易に筒状に加工でき、経済的にも合理的なポリオレフィン樹脂のうちの高密度ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などを好適に用いることができる。
筒状のカバー本体2の内周面に積層されるハイドロゲル層3を構成するハイドロゲルは、親水性高分子鎖間が架橋されて多量の水を保持し、吸収性に優れる材料であり、例えば、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリウレタン系、アクリル系やデンプン、キチン、キトサン、ゼラチン等の誘導体系の、化学的に架橋されたものを用いることができる。
なお、カバー本体2を省略し、ハイドロゲル単独で医療用器具カバー1を形成することも可能であるが、このような医療用器具カバー1の場合、当該カバーの外面も水に濡れて滑り易くなっているため、医療用器具の挿入、引抜が困難になるという問題がある。また、ハイドロゲル単独では伸縮性が大きく、医療用器具の挿入、引抜の際、ハイドロゲル単独で形成した医療用器具カバー1自体が変形してしまい、円滑に挿入、引抜ができないという問題がある。
カバー本体2の内周面にハイドロゲル層3を積層して2層構造とする方法としては、種々の方法を採用することができる。例えば、ハイドロゲルの粘着性によりハイドロゲル層3を疎水性プラスチック製のカバー本体2に接着する方法、ハイドロゲル層3とカバー本体2とを接着剤で接着する方法、ハイドロゲル及びカバー本体2に予め官能基を導入しておき化学的に結合させる方法、あるいはカバー本体2上でハイドロゲルを合成する方法などを用いることができる。
また、医療用器具カバー1を筒状に加工する方法にも特に制限はなく、例えば、シート状に形成した疎水性プラスチックからなるカバー本体2と、シート状に形成したハイドロゲルシートとを上述したような方法により積層して積層シートを作成した後、この積層シートの一対の側縁部を重ね合わせて筒状に形成し、重ね合わせ部分を熱溶着や接着によって固定することより行うことができる。また、予め疎水性プラスチックを筒状に加工しその後ハイドロゲルを疎水性プラスチックに接着、形成してもよい。なお、ハイドロゲル層3をカバー本体2に積層する際に、カバー本体2の全面にハイドロゲル層3が積層されている必要はなく、医療用具の円滑な滑り性を発揮する範囲で、一部ハイドロゲル層が積層されていない部分があってもよい。例えば、上述のようにシート状のカバー本体2にシート状のハイドロゲル層3を積層し、この積層シートの一対の側縁部を重ね合わせて筒状の医療用器具カバー1を形成する場合、積層シートの重ねあわせ部分にハイドロゲル層3を積層しないようにしてもよい。
また、疎水性プラスチックからなるカバー本体2及びハイドロゲル層3の強度、厚み等は医療用器具や医療用器具カバー1の使用目的に合わせて選択することができる。例えば胃瘻造設用カテーテルの瘻孔の創部の細菌汚染を防ぐようにした医療用器具カバー1は、咽頭や食道を通過させる際の抵抗を下げる目的があるため、薄いことが求められる。従って疎水性プラスチックは100μm以下の厚み、ハイドロゲルは1mm以下の厚みであることが望ましい。このときハイドロゲルの膨潤が過度に大きすぎると、筒状に形成された内径が小さくなり、胃瘻造設用カテーテルの挿入、引抜が困難になるため、適度な膨潤度であることが好ましい。また胃瘻造設用カテーテルの挿入、引抜に際して胃瘻造設用カテーテルが医療用器具カバー1内面を擦過して動かされるため、擦過されてもハイドロゲルが剥離しないようなカバー本体2との接着性及びハイドロゲル自体の強度が求められる。
また、本発明の医療用器具カバー1に対する医療用器具の円滑な滑り性は、医療用器具カバー1内面に厚い水の膜をつくることによって発揮されるが、そのためにはハイドロゲル層3の厚みが大きいほど滑り性がよく、100μm以上であることが好ましい。
このような構成の医療用器具カバー1の内部に、例えば胃瘻造設用カテーテルを収納し、経皮内視鏡的胃瘻造設術による胃瘻造設を行う方法は、従来の胃瘻造設手法と略同様であるが、胃瘻造設用カテーテルの医療用器具カバー1への挿入、引抜をより一層容易にするという観点から、胃瘻造設用カテーテルを医療用器具カバー1に挿入する前段階において、医療用器具カバー1のハイドロゲル層3に水分を含ませることが特に好ましい。ハイドロゲル層3に水分を含ませる方法としては、例えば、水や生理食塩水が貯留されている容器内に医療用器具カバー1を浸漬することにより、或いは、医療用器具カバー1の内部に向けて水や生理食塩水を散布することにより行うことができる。
本実施形態に係る医療用器具カバー1は、内部に収容されるカテーテル等の医療用器具と接する面(内周面)が水分を潤沢に保持するハイドロゲル層3により構成されており、この結果、医療用器具カバー1内面に厚い水の膜が形成されているため、医療用器具との滑り性が極めて良好となる。したがって、医療用器具の医療用器具カバー1への挿入、引抜を抵抗なく円滑に行うことができ、医療用器具カバー1に医療用器具を挿入する際、或いは引き抜く際に、医療用器具カバー1が伸びたり破損してしまうことを防止することができる。
また、ハイドロゲル層3は、水分を含んで膨潤しているため、軟らかく弾力がある状態となっている。したがって、医療用器具カバー1内に収納される医療用器具は、膨潤したハイドロゲル層3によって周囲を囲まれているため、何らかの衝撃が医療用器具カバー1の外方から加えられたとしても損傷することが防止される。更に、例えば、経皮内視鏡的胃瘻造設術による胃瘻造設において、医療用器具カバー1に収容された胃瘻造設用カテーテルを患者の口腔から喉頭、咽頭を通して胃に送り込む操作を行うときに、膨潤したハイドロゲル層3がクッションのような機能を果たすため、医療用器具カバー1を介して医療用器具が患者の身体に当たって傷つけることを効果的に防止することが可能になる。
また、本実施形態に係る医療用器具カバー1は、ハイドロゲル層3が積層されるカバー本体2を備えているため、医療用器具の挿入や引抜の際に医療用器具カバー1自体が変形することを確実に防止することができ、更に、医療用器具カバー1全体の強度を高い状態で維持することができる。
また、医療用器具カバー1の外側を構成するカバー本体2は疎水性プラスチックにより形成されているため、水分を吸収して滑り易くなるようなことがなく、医療用器具を医療用器具カバー1に挿入したり、医療用器具カバー1から医療用器具を引き抜いたりする際の医師のハンドリングを良好なものとすることができる。なお、医療用器具カバー1に収容された胃瘻造設用カテーテル等を患者の口腔から喉頭、咽頭を通して胃に送り込む操作を行う際に、医療用器具カバー1と体内部分との滑り性を良好なものにする場合には、カバー本体2を親水性プラスチックにより形成してもよいし、あるいは疎水性プラスチック製のカバー本体2の外表面を親水化処理して形成してもよい。
以下に、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
高密度ポリエチレンシートから形成した厚み30μmのカバー本体2に厚み300μmのハイドロゲル(積水化成品工業製テクノゲルSC)をハイドロゲルの粘着性により接着した後、高密度ポリエチレンシート製のカバー本体2を外側にして高密度ポリエチレンシート同士を熱融着することにより直径18mm長さ30cmの筒状の医療用器具カバー1を作成した。この医療用器具カバー1を内径15mm長さ20cmのアクリルパイプ内に装着し内面を十分水で濡らした後、医療用器具カバー1内にシリコーンゴムからなる胃瘻造設用カテーテル(外径6.7mmのシリコーンゴムチューブの先端にマッシュルーム型外径25mmの内部バンパーを接続した胃瘻造設用カテーテル)を挿入し、引張試験機にて胃瘻造設用カテーテルがアクリルパイプを通過する際の引抜力を測定したところ、平均引抜力は0.41kgfであった。
実施例2
厚み600μmのハイドロゲル(積水化成品工業製テクノゲルSR)を用いた以外は実施例1と同様に医療用器具カバー1を作成し、実施例1と同様に引張試験機にて胃瘻造設用カテーテルがアクリルパイプを通過する際の引抜力を測定したところ、平均引抜力は0.23kgfであった。
比較例
ハイドロゲルを用いず、厚み30μmの高密度ポリエチレンシートのみで実施例1と同様に医療用器具カバー1を作成し、実施例1と同様にPEGカテーテルがアクリルパイプを通過する際の引抜力を測定しようと試みたが、胃瘻造設用カテーテルと医療用器具カバー1との摩擦力が大きく胃瘻造設用カテーテルは引抜けなかった。
このように、本実施形態に係る医療用器具カバー1の実施例と比較例との結果から、医療用器具カバー1の内周面にハイドロゲル層3を形成することにより、医療用器具を円滑に挿入でき、そして、引き抜くことができることが分かる。
また、上記実施例1と実施例2とを比較すると、ハイドロゲル層3の厚みが大きくなる程、胃瘻造設用カテーテルを引く抜く際の引抜力が低下し、より一層、滑り性が良好になり引き抜き易くなっていることが分かる。
以上、本発明の一実施形態に係る医療用器具カバー1について説明したが、医療用器具カバー1の具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、図3の概略構成断面に示すように、ハイドロゲル層3の露出面に円筒形状の剥離紙4を積層する構成を採用してもよい。このような構成により、円筒状のハイドロゲル層3の向かい合う部分同士が、自らの粘着性により張り合わされてしまうことを確実に防止することができる。
また、剥離紙4の形状としては、上述のように円筒形状を採用し、この円筒形状の剥離紙4をハイドロゲル層3の露出面に重ね合わせて積層することもできるが、例えば、シート状の剥離紙4をハイドロゲル層3の露出面に積層することもできる。シート状の剥離紙4を用いた場合、筒状の医療用器具カバー1は直径方向に畳まれて、図4の概略構成断面図に示すように、円筒状のハイドロゲル層3の略半周分がシート状の剥離紙4の一方面に重ね合わされ、円筒状のハイドロゲル層3の残りの略半周分がシート状の剥離紙4の他方面に重ね合わされた状態となる。また、剥離紙4を取り外す際の容易性を考慮すると、図5の断面図に示すように、医療用器具カバー1の内周面を周方向に複数のシート状の剥離紙4により被覆するように構成することが好ましい。なお、図5の断面図は、図1におけるA−A断面位置における断面図に相当する。このような構成を採用する場合、各剥離紙4,4の近接する各側縁部4a,4b同士が互いに重なるように配置することが、剥離紙4の取り外しを容易にするという観点から特に好ましい。
また、剥離紙4として、親水性の紙、布、不織布などの水を含浸し通す親水性材料を用いることができる。水分の吸収性に富む親水性材料により剥離紙4を形成することにより、使用前の保管中には、剥離紙4は円筒状のハイドロゲル層3の向かい合う部分同士に挟まれた状態でハイドロゲル層3同士の粘着を防止できる一方、使用前に剥離紙4の端部から水を供給することによりハイドロゲル層3に水を供給することができる。ハイドロゲル層3に水が供給されると、ハイドロゲル層3の粘着性が低下し、剥離紙4を容易に引抜くことができ、ハイドロゲル層3に水分を含ませた医療用カバー1を得ることができる。
親水性の紙、布、不織布等の親水性材料に特に制限はないが、強度や含水率などの点から、レーヨンやコットンを主成分とする不織布が好適である。なお、親水性材料を形成する材料は、単一素材である必要はなく、例えばレーヨン/ポリエステルなどの混合素材を用いてもよい。また、親水性材料からなる剥離紙4は、強度があり、水を含浸し通すものであれば単なる一層のシート状であっても、或いは、円筒形状であっても構わないが、剥離紙4の端部から水を効率的に吸収できるようにするために、図6に示すように、カバー本体2の少なくとも一方の端部から剥離紙4の端部41が外方に突出するように構成することが望ましい。なお、図6(a)は、円筒形状の剥離紙4を用いた医療用器具カバー1の概略構成断面図であり、図6(b)は、シート状の剥離紙4を用いた医療用器具カバー1の概略構成断面図である。
1 医療用器具カバー
2 カバー本体
3 ハイドロゲル層
4 剥離紙

Claims (9)

  1. 医療用器具を収容可能な医療用器具カバーであって、
    筒状のカバー本体と、前記カバー本体の内周面に積層されるハイドロゲル層とを備えており、
    前記ハイドロゲル層の厚みは100μm以上である医療用器具カバー。
  2. 前記カバー本体の厚みは、100μm以下である請求項1に記載の医療用器具カバー。
  3. 前記カバー本体は、疎水性プラスチックにより形成されている請求項1または2に記載の医療用器具カバー。
  4. 前記ハイドロゲル層の露出面には、剥離紙が積層されている請求項1から3のいずれかに記載の医療用器具カバー。
  5. 前記剥離紙は、親水性材料から形成されている請求項4に記載の医療用器具カバー。
  6. 前記親水性材料は、親水性の不織布である請求項5に記載の医療用器具カバー。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の医療用器具カバーと、前記医療用器具カバーに収容される医療用器具とを備える医療用器具セットであって、前記医療用器具がシリコーンゴムにより形成されている医療用器具セット。
  8. 前記医療用器具は、カテーテルである請求項7に記載の医療用器具セット。
  9. 前記医療用器具は、胃瘻造設用カテーテルである請求項7に記載の医療用器具セット。
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