JP2010259527A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの境界線の間において距離計測を行う場合に、2つの境界線の検出精度を高める。
【解決手段】内側境界線及び外側境界線が含まれるように関心領域が設定される。x方向の各座標において探索ライン58が設定され、探索ライン58上において仮閾値を利用して基準エッジ点(第1区間点)が検出され、それに基づいて第2区間点及び第3区間点が決定される。各探索ライン上での3つの区間点により、内側帯領域84及び外側帯領域86が定義される。各帯領域84,86を参照することにより部分ヒストグラムが生成され、それに基づいて閾値が決定される。そのように決定された閾値を用いて境界線(内側境界線、外側境界線)が検出される。
【選択図】図6

Description

本発明は超音波診断装置に関し、特に、超音波画像上において生体組織の境界線(輪郭線)を自動的に検出する技術に関する。
医療の分野において超音波診断装置が活用されている。超音波診断装置は、生体に対して超音波を送受波し、それにより得られた受信データに基づいて超音波画像を形成する装置である。超音波診断装置は、複数の動作モード(Bモード、ドプラモード等)を有し、また複数の計測機能を有する。そのような計測機構として、NT(Nuchal Translucency)計測機能、及び、IMT(Intima-Media Thickness)計測機能、をあげることができる。それらは断層画像上において2点間(あるいは2つの境界線の間)で距離の計測を行うものである点において共通する。
より詳しく説明すると、NT計測(NT厚計測)では、胎児における後頸部浮腫(NT)の大きさ(厚さ)が計測される。同浮腫は、妊娠10〜14週くらいの胎児における頸部後側において一般的に認め得るものである。通常、断層画像上において同浮腫は細長い袋状の組織として観察される。その輪郭を並走する2本の境界線に大別すると、2つの境界線(輪郭線)の間隔、特に浮腫の長手方向に直交する方向における浮腫(体液部)の最大幅(以下「NT厚」という)は、胎児の状態あるいは疾患を診断する際の1つの指標値となることが知られている。例えば、NT厚が基準値よりも大きい場合には、そうでない場合に比べて、ダウン症等の先天性疾患が多く認められる。そこで、超音波診断を利用してNT厚を調べることが望まれる。NT計測では、胎児に対して超音波の送受波がなされ、これにより断層画像が画面上に表示される。その断層画像上において、胎児後頸部浮腫を示す2つの境界線上に2つのマークをマニュアルで正確に位置決めることがなされる。その際、距離計測を行う方向及び位置は目視により判断される。その後、距離計測が自動的に実行され、すなわち2つのマーク間の距離がNT厚として計測される。必要に応じて、複数の箇所で同様の計測が実行される。
一方、IMT計測では、頸動脈における(プローブから見た)前壁及び後壁の一方又は両方が計測対象となる。血管壁(つまり前壁、後壁)は、血流側から見て、内膜、中膜そして外膜からなり、すなわち三層構造を有する。IMT計測では、内膜及び中膜を併せた複合体の厚さ(IMT)が計測される。断層画像上では、血管壁はかなり薄く表示されるものの、内膜の内側の内側境界線、及び、中膜と外膜との間の外側境界線は、比較的現れやすいためである。2つの境界線の間の距離としてIMTが計測される。動脈硬化が促進すると、IMTが増大することが知られており、IMTを計測すれば被検者における動脈硬化の程度を診断する際の1つの指標値を得られる。具体的には、超音波診断装置を用いたIMT計測では、頸動脈に対する超音波の送受波が行われ、これにより断層画像が表示される。次に、前壁又は後壁における内側境界線上及び外側境界線上にそれぞれマーカーがマニュアルによって位置決めされる。その際、できるだけ血管軸に直交する方向において2つのマーカーが並ぶようにそれらの位置決めがなされる。その後、2つのマーカーの間の距離が自動的に計測され、それがIMTとして取り込まれる。複数の箇所でIMTが計測されることもあり、その場合には最大値、平均値等が演算される。
なお、下記の特許文献1−6にはIMT計測を行う超音波診断装置が開示されている。特許文献7には、ヒストグラムに基づく閾値の段階的設定が記載されている。特許文献8にはヒストグラムについての標準偏差の演算が記載されている。
特開2008−168016号公報 特開2007―319255号公報 特開2000−271117号公報 特開2006−51285号公報 特開2006−122686号公報 特開2005−268号公報 特公平7−32773号公報 特開2008−253379号公報
上記のような手作業による厚さ計測では、検査者の負担が大きく、また再現性があまりよくない。検査者間において計測結果に差が生じやすい。また目視判断によるものなので、境界線が不鮮明な場合には計測の信頼性が極端に低下しやすい。そこで、境界線の自動計測又は半自動計測が求められる。ところが、断層画像には多くのノイズが含まれるために、それが誤検出の大きな要因となる。また、境界線の検出に当たっては通常、閾値法が利用されるが、その場合において計測の信頼性を高めるために画像状況に適合した閾値の設定が求められる。
本発明の目的は、境界線の自動検出精度を高めることにある。
あるいは、本発明の目的は、境界線を検出するための閾値を適切に設定できるようにすることにある。
あるいは、本発明の目的は、境界線を検出するための閾値の設定に当たって参照される画像範囲を適応的に設定できるようにすることにある。
あるいは、本発明の目的は、断層画像上でのNT計測又はIMT計測において境界線の検出精度ひいては厚み計測精度を高めることにある。
(1)本発明に係る超音波診断装置は、超音波の送受波により得られた断層画像上において、対象組織についての少なくとも1つの注目境界線を含む関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記関心領域内において、前記関心領域が有するベースライン上の各点から当該ベースラインに交差する探索方向へ伸びる探索ライン上で基準点の探索を行うと共に、各探索ライン上において基準点に基づいて区間を設定し、これにより複数の区間の集合としての帯領域を構成する区間設定手段と、前記帯領域に属する複数の画素値を参照することにより、前記注目境界線を検出するための画像処理パラメータを決定する決定手段と、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、断層画像上において関心領域が設定される。その場合、望ましくは、注目境界線の走行形態(特に走行方向)に合わせて関心領域の位置及び回転角度がユーザーにより指定され、その指定に基づいて関心領域が設定される。但し、断層画像(あるいは他の超音波画像)を解析して関心領域を自動的に設定するようにしてもよい。断層画像上に複数の関心領域を設定して、各関心領域において独立して画像処理が並列的に実行されてもよい。注目境界線は、超音波画像上において、検出対象となる境界線(輪郭線、エッジ)である。そのような境界線の検出に当たっては、その検出で利用されるパラメータを適応的に設定する必要があるが、本発明によれば、当該パラメータを設定する場合において帯領域が適応的に設定され、つまり、パラメータ設定のための参照範囲を絞り込むことができるので(誤差要因となる無関係な画像部分を参照範囲から除外できるので)、結果として、設定されるパラメータを優良化できる。ここで、パラメータはエッジ検出に当たって画素値と比較される閾値であるのが望ましい。帯領域は、望ましくは、検出対象となる注目境界線を含み且つその方向に沿って伸長した部分領域である。そのような帯領域を定めるのに先立って、各探索ライン上において基準点が検出(特定)され、当該基準点を基準として当該探索ライン上に区間(参照区間)が設定される。基準点は、望ましくは、検出対象となる境界点の手前側のエッジ点あるいは立ち上がり点である。但し、基準点は画像内容に応じて(特に探索ライン上の輝度分布に応じて)客観的に定められる点であればよく、例えば、注目境界線上の境界点それ自体又はそれに近い点が基準点として特定されてもよい。その場合には基準点を中心として区間が定義されるのが望ましい。例えばベースラインから遠くの点を基準点として利用することも可能であるが、演算迅速化の観点からはベースラインから近い点を基準点として定めるのが望ましい。基準点の検出に当たって閾値法が利用される場合にはその閾値(仮閾値、基準点検出用閾値)を定めるのに当たり、関心領域の全体を参照対象としてもよい。かかる構成においては、閾値法が段階的に利用されることになり、つまり、全体的な参照に基づく仮閾値と、局所的な参照に基づく本閾値と、が段階的に設定されることになる。なお、探索方向はベースラインに直交する方向であるのが望ましいが、背景となる座標系(例えば表示座標系)に従って探索方向を定めることも可能である。
以上のように、本発明によれば、帯領域という局所領域を適応的に定め、その局所領域の参照によって画像処理パラメータを優良化できる。よって、注目境界線の検出に際して検出精度を向上でき、かつ再現性を良好にできる。
望ましくは、前記決定手段は、前記帯領域に属する複数の画素値に基づいてヒストグラムを生成するヒストグラム生成部と、前記ヒストグラムに基づいて前記画像処理パラメータとして閾値を決定する閾値決定部と、を含む。ヒストグラムは、周知のように、画素値ごとの頻度の分布を表すものであり、画像状態あるいは画像傾向を示すものである。ヒストグラムから閾値を決定する方法として、従来から各種の方法が知られている。本発明においては、そのような各種の手法を利用することができる。閾値の決定に際して、ヒストグラムから複数の特徴量を抽出し、それらを利用して複数の閾値決定条件の中から最適な条件を選択し、当該最適条件に従って閾値(仮閾値、本閾値)を決定するようにしてもよい。ヒストグラムから直接的に閾値が決定されてもよいし、ヒストグラムから間接的に閾値が決定されてもよい(例えば、ヒストグラムから閾値決定関数が定義され、その閾値決定関数から実際に閾値が決定されてもよい)。なお、ヒストグラムに基づいて境界検出対象となる画像に対する補正関数が定義されてもよい。
望ましくは、前記区間設定手段は、前記各探索ライン上において前記ベースラインから画素値を順次参照すると共に当該画素値を仮閾値と比較することにより前記基準点を検出する基準点検出部と、前記各探索ライン上において前記基準点に基づいて前記区間を設定する区間設定部と、を含む。仮閾値の設定に当たっては関心領域の参照により生成されるヒストグラムが用いられてもよい。基準点は区間を設定する際の客観的な基準となるものであり、基準点が区間の一端を構成してもよいし、基準点が区間の内部点を構成してもよい。1つの基準点に基づいて複数の区間(例えば第1及び第2の境界線を検出するための第1及び第2区間)が設定されれば迅速な演算を期待できる。
望ましくは、前記仮閾値は前記注目境界線の手前側の地点を検出するための閾値である。望ましくは、前記区間設定部は、前記基準点を前記区間の一方端として定め、前記基準点から探索方向前方に離れた点を前記区間の他方端として定める。望ましくは、前記区間設定部は、前記基準点から探索方向前方に離れた点を前記区間の一方端として定め、前記基準点から探索方向前方に更に離れた点を前記区間の他方端として定める。この構成によれば、例えば、IMT計測において、基準点に基づいて内側境界線検出用の区間及び外側境界線検出用の区間の両方を設定できるので簡便である。なお、演算量削減及び検出精度の向上の観点から、各探索ライン上において、帯領域(つまり区間)内においてのみ境界線(境界点)が探索されるように構成するのが望ましい。
望ましくは、前記断層画像上において前記関心領域の位置及び角度をユーザーにより指定するための入力手段を含む。すなわち、断層画像を見ながら、できるだけベースラインの方向が注目境界線の走行方向に平行になるように関心領域の回転角度(つまり計測用座標系)を定めるのが望ましい。
望ましくは、前記関心領域は矩形の領域であり、前記関心領域における上辺又は下辺が前記ベースラインであり、前記関心領域における左右辺と並行に前記各探索ラインが設定される。望ましくは、前記少なくとも1つの注目境界線には、血管壁内の内側境界線及び外側境界線が含まれる。
望ましくは、前記関心領域は前記ベースラインとして機能する中間ラインを介して連結された上側サブ関心領域及び下側サブ関心領域により構成され、前記各サブ関心領域内においてそれぞれ注目境界線の検出が行われる。2つのサブ関心領域はそれぞれ関心領域の一部を構成するものである。上記構成によれば、上下に並走する2つの境界線に対して1つの(複合化された)関心領域を設定するだけでよいので簡便である。中間ラインが2つの境界線の間に入るように関心領域の設定を行うのが望ましい。上辺、中間ライン及び下辺という3つのラインを目安として、2つの境界線に対して適切な位置及び回転角度で関心領域を容易に設定できる。
望ましくは、前記少なくとも1つの注目境界線には、胎児後頸部浮腫の輪郭を表す上側境界線及び下側境界線が含まれ、前記上側サブ関心領域内において前記上側境界線が検出され、前記下側サブ関心領域内において前記下側境界線が検出される。
望ましくは、前記閾値決定部は、前記ヒストグラムから複数の特徴量を演算するヒストグラム解析部を含み、前記複数の特徴量を利用して前記閾値が決定される。望ましくは、前記複数の特徴量には、前記ヒストグラムの形状が属する類型として定義される第1特徴量、前記ヒストグラムにおけるピーク前後の平均輝度の大小関係から定義される第2特徴量、前記ヒストグラムの輝度軸上での偏りから定義される第3特徴量、及び、前記ヒストグラムの広がり度合いから定義される第4特徴量の内で少なくとも1つを含む。なお、現在注目しているヒストグラムにつき、例えば、第1特徴量を求めるために、双峰性を有する形状、単峰性を有する水平に平べったい形状、及び、単峰性を有する垂直に尖った形状の中でいずれの類型に属するのかが自動判別される。第2特徴量を求めるために、例えば、ピーク前の平均頻度とピーク後の平均頻度が比較されて、いずれの方が大きいのかが自動判別される。第3特徴量を求めるために、例えば、高輝度傾向及び低輝度傾向のいずれに該当するのかが自動判別される。第4特徴量を求めるために、高頻度傾向及び低頻度傾向のいずれに該当するのかが自動判別される。
(2)本発明に係る超音波診断装置は、超音波の送受波により得られた断層画像上において、血管壁中の内側境界線及び外側境界線を含む関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記関心領域内において、前記関心領域が有するベースライン上の各点から当該ベースラインに交差する探索方向へ伸びる探索ライン上で基準点の探索を行うと共に、各探索ライン上において基準点に基づいて第1区間及び第2区間を設定し、これにより複数の第1区間の集合としての第1帯領域を構成し、複数の第2区間の集合として第2帯領域を構成する区間設定手段と、前記第1帯領域に属する複数の画素値を参照することにより、前記内側境界線を検出するための内側閾値を決定する内側閾値決定手段と、前記第2帯領域に属する複数の画素値を参照することにより、前記外側境界線を検出するための外側閾値を決定する外側閾値決定手段と、を含むことを特徴とする。複数の第1区間がベースラインの方向に並び、それらによって第1帯領域が定義される。同じく、複数の第2区間がベースライン方向に並び、それらによって第2帯領域が定義される。望ましくは、第1帯領域及び第2帯領域がオーバーラップすることなく隣接(並走)する位置関係を有する。但し、それらの間において部分的にオーバーラップが生じてもよい。
望ましくは、前記内側境界線に沿って内側トレースラインを生成する手段と、前記外側境界線に沿って外側トレースラインを生成する手段と、前記内側トレースラインと前記外側トレースラインとの間で前記血管壁の厚みを計測する手段と、を含む。
(3)本発明に係る超音波診断装置は、超音波の送受波により得られた断層画像上において、胎児後頸部浮腫の上側境界線を含む上側サブ関心領域と前記胎児後頸部浮腫の下側境界線を含む下側サブ関心領域とからなる複合関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記上側サブ関心領域内において、前記複合関心領域が有する中間ベースライン上の各点から当該中間ベースラインに交差する上側探索方向へ伸びる上側探索ライン上で上側基準点の探索を行うと共に、各上側探索ライン上において上側基準点に基づいて上側区間を設定し、これにより複数の上側区間の集合としての上側帯領域を構成する上側区間設定手段と、前記下側サブ関心領域内において、前記複合関心領域が有する中間ベースライン上の各点から当該中間ベースラインに交差する下側探索方向へ伸びる下側探索ライン上で下側基準点の探索を行うと共に、各下側探索ライン上において下側基準点に基づいて下側区間を設定し、これにより複数の下側区間の集合としての下側帯領域を構成する下側区間設定手段と、前記上帯領域に属する複数の画素値を参照することにより、前記上側境界線を検出するための上側閾値を決定する上側閾値決定手段と、前記下帯領域に属する複数の画素値を参照することにより、前記下側境界線を検出するための下側閾値を決定する上側閾値決定手段と、を含むことを特徴とする。
望ましくは、前記上側境界線に沿って上側トレースラインを生成する手段と、前記下側境界線に沿って下側トレースラインを生成する手段と、前記上側トレースラインと前記下側トレースラインとの間で前記胎児後頸部浮腫の厚みを計測する手段と、を含む。
(4)本発明に係るプログラムは、超音波診断装置又は超音波画像を処理する情報処理装置において実行されるプログラムであって、超音波画像上におけるユーザー指定に基づいて、対象組織についての少なくとも1つの注目境界線を含む関心領域を設定する機能と、前記関心領域内において、前記関心領域が有するベースライン上の各点から当該ベースラインに交差する探索方向へ伸びる探索ライン上で基準点の探索を行うと共に、各探索ライン上において基準点に基づいて区間を設定し、これにより前記ベースラインの方向に並んだ複数の区間の集合としての帯領域を構成する機能と、前記帯領域に属する複数の画素値を参照することにより、前記注目境界線を検出するための閾値を決定する機能と、前記超音波画像上において、前記決定された閾値を用いて前記注目境界線を検出する機能と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、境界線の自動検出精度を高められる。あるいは、本発明によれば、境界線を検出するための閾値を適切に設定できる。あるいは、本発明によれば、境界線を検出するための閾値の設定に当たって参照される画像範囲を適応的に設定できる。あるいは、本発明によれば、断層画像上でのNT計測又はIMT計測において境界線の検出精度ひいては厚み計測精度を高められる。
本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。 血管の断層画像上におけるIMT計測を示す図である。 胎児の断層画像上におけるNT計測(NT厚計測)を示す図である。 IMT計測における各探索ライン上の3つの区間点の設定を示す図である。 IMT計測における3つの区間点の他の設定方法を示す図である。 IMT計測における関心領域内に設定された2つの帯領域を示す図である。 2つのトレースライン間における距離計測(IMT計測)を示す図である。 IMT計測における動作例を説明するためのフローチャートである。 NT計測における各探索ライン上の区間設定を説明するための図である。 NT計測における各サブ関心領域内に設定された帯領域を示す図である。 2つのトレースライン間における距離計測(NT厚計測)を示す図である。 NT厚計測における動作例を説明するためのフローチャートである。 閾値を利用したエッジ検出法の第1例を説明するための図である。 閾値を利用したエッジ検出法の第2例を示す図である。 閾値を利用したエッジ検出法の第3例を示す図である。 閾値を利用したエッジ検出法の第4例を示す図である 複数のヒストグラム特徴量に基づく閾値決定条件の選択を説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)超音波診断装置の構成
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。プローブ10は体表面上に当接される超音波探触子であり、生体に対して超音波を送波し、生体内からの反射波を受波する。プローブ10は図示されていない1Dアレイ振動子を有している。1Dアレイ振動子は複数の振動素子により構成され、それによって超音波ビームBが形成される。超音波ビームBが電子的に走査され、これによって二次元データ取込領域である走査面Sが構成される。電子走査方式としては、電子リニア走査、電子セクタ走査等が知られている。三次元データ取込領域を形成するための2Dアレイ振動子をプローブ10に設けるようにしてもよい。本実施形態において、IMT計測を行う場合には、頸部に対してプローブ部10が当接され、それによって頸動脈の断層画像情報が取得される。一方、NT計測を行う場合には、妊婦における腹部にプローブ10が当接され、それによって胎児の断層画像情報が取得される。
送信部12は送信ビームフォーマーとして機能するものである。送信部12は、送信時において、複数の送信信号を上記1Dアレイ振動子に供給する。これによって送信ビームが形成される。一方、生体内から反射波がプローブ10において受波されると、1Dアレイ振動子から複数の受信信号が並列的に出力され、それらが受信部14において処理される。受信部14は受信ビームフォーマーとして構成されており、複数の受信信号に対して整相加算処理を実行し、これにより整相加算後の受信信号(ビームデータ)を出力する。
信号処理部16は、ビームデータに対して幾つかの信号処理を実行する。そのような信号処理には、検波、対数圧縮、ノイズ除去等の処理が含まれ得る。信号処理部16から出力されるビームデータは画像形成部17に送られている。画像形成部17は本実施形態においてデジタルスキャンコンバータ(DSC)により構成されている。画像形成部17は座標変換機能、補間処理機能等を有している。画像形成部17で、複数のビームデータに基づいて断層画像が構築される。その画像データは表示処理部18に送られる他、計測部22に対しても送られている。
表示処理部18は画像合成機能等を有し、表示部20に対して表示画像データを出力するものである。表示処理部18においては、断層画像に対してグラフィックイメージを合成する処理等が実行される。表示部20には超音波画像としての断層画像が表示される。断層画像以外の超音波画像(二次元カラードプラ画像等)が表示されてもよい。
制御部24は、図1に示される各構成の動作制御を行っており、制御部24はCPU及び動作プログラムにより構成される。制御部24には操作パネル26が接続されている。操作パネル26は、キーボードやトラックボール等を含み、ユーザー入力装置として機能する。操作パネル26を利用してユーザーは関心領域(ROI)の設定を行うことができ、具体的には、画面表示された断層画像を見ながら、当該断層画像上に任意の位置、任意の回転角度及び任意のサイズをもって、関心領域を指定することが可能である。このユーザー入力に基づいて制御部24が関心領域を設定(認識)している。
計測部22は、本実施形態おいてIMT計測部及びNT計測部として機能している。具体的には、計測部22は、関心領域内における2つの境界線(輪郭線)をトレースして2つのトレースラインを生成し、それらの間において距離すなわち厚みを計測する。ちなみに、計測部22に対して制御部24から関心領域の座標情報が与えられている。計測部22は、実際にはソフトウェアの演算機能として実現されており、それは制御部24の一部を構成するものであってもよい。計測部22の計測結果及び必要なグラフィックデータが計測部22から表示処理部18に送られている。
図2には、IMT計測の様子が示されている。画像28は血管の断層画像(Bモード画像)である。断層画像28上には血管の断面が表されており、血管は前壁30及び後壁32を有している。ちなみにプローブ側から見て近い方が前壁30であり、プローブ側から見て遠い方が後壁32である。前壁30と後壁32との間は血流部34である。前壁30は、周知のように、血流部34側から見て、内膜36、中膜38及び外膜40により構成されている。ここで、内膜36は非常に薄い層であり、それは実質的に一本の線として画像上に現れる。IMT計測においては内側境界線42と外側境界線44との間、すなわち内膜36及び中膜38を合わせた複合体の厚みが計測される。後壁32は、前壁30と同様、血流部34から見て、内膜46、中膜48及び外膜50により構成されている。符号52は内側境界線を表し、符号54は外側境界線を表している。
以上のような断層画像上において、前壁30に対してIMT計測を行う場合には演算範囲を限定するために前壁30を含むように関心領域(ROI)56が設定される。同様に、後壁32に対してIMT計測を行う場合にはその後壁32を含むように関心領域(ROI)60が設定される。関心領域56内においては、符号58で示されるように、内膜境界線42と外膜境界線44の間の距離がIMT58として計測される。同様に、関心領域60内においては、内側境界線52と外側境界線54との間の距離がIMT62として計測される。
本実施形態においては、関心領域56,60の指定はユーザーにより行われており、その際に、関心領域56,60の水平線(上辺,下辺)が各境界線とできるだけ平行になるように、関心領域の傾き角度が指定されている。本実施形態においては、関心領域56については下辺がベースライン56Aとされており、当該ベースライン56Aは複数の探索ラインを設定する場合におけるスタートラインとして機能する。一方、関心領域60においては上辺がベースライン60Aとして定められており、そのベースライン60Aも複数の探索ラインを定める際のスタートラインとして機能する。ちなみに、IMT計測を行う場合には、関心領域56,60内に内側境界線及び外側境界線の両者が含まれるように当該関心領域56,60がユーザーにより指定される。もちろん、そのような設定を自動化することも可能である。なお、図2において、X方向は表示画面上における水平方向を表しており、Y方向は表示画面上における垂直方向を表している。後に説明するx方向は関心領域の水平方向であり、y方向は関心領域の垂直方向である。前者が絶対的な表示座標系であるのに対し、後者は関心領域を基準とする相対的な座標系である。
図3にはNT計測(すなわちNT厚計測)を行う場合の様子が示されている。断層画像164は胎児166の断面を表すものである。符号168は胎盤を表している。符号170は胎児後頸部浮腫を表している。当該浮腫170は断層画像164上において細長い空洞部として現れている。具体的には、当該浮腫は断層画像上において並走する上側境界線174及び下側境界線176によって囲まれた領域であり、その内部172が体液部である。
本実施形態において、NT計測を行う場合には、関心領域178が図示のようにユーザーにより指定される。関心領域178は2つのサブ関心領域180,182の結合体として構成されており、それらのサブ関心領域180,182の間が中間線としてのベースライン178Aである。上側サブ関心領域180内において上側境界線174のトレース処理が実行され、これと同様に、下側サブ関心領域182内において下側境界線176に対するトレース処理が実行される。それらの処理により2つのトレースラインが描かれると、それらの間がNT厚184として計測される。このようなNT計測にあたっては、上記IMT計測と同様に、ユーザーが関心領域178を指定すると、その指定以後においては基本的に全て自動的に演算処理が進行するので、ユーザーの負担が軽減される。また、主観によらないので、客観性あるいは再現性を高められる。ちなみに、ユーザーによる関心領域178の指定にあたっては、各サブ関心領域180,182内に各境界線174,176が含まれるように、複合化された関心領域178の位置及び傾きが指定される。特に、中間線をなすベースライン178Aが2つの境界線174,176の間に丁度位置するように、関心領域178が定められる。ここでベースライン178Aは、それぞれのサブ関心領域180,182において複数の探索ラインを設定する場合におけるスタートラインをなすものである。よって、ベースライン178Aができる限り2つの境界線174,176と平行になるように関心領域178を定めるのが望ましい。
(2)IMT計測の具体例
次に、図4乃至図8を用いてIMT計測の具体例について説明する。
図4には、関心領域56が示されている。その関心領域56内には内側境界線42の一部と外側境界線44の一部が含まれている。図4においてはそれらの境界線42,44が便宜上、直線として表されている。ちなみに、符号30は前壁を表しており、符号34は血流部を表している。すなわち関心領域56は前壁30に対して設定された関心領域である。
図4において、関心領域56の下辺がベースライン56Aとして機能する。すなわち、ベースライン56Aはx方向に伸長したラインであり、当該x方向における各位置においてy方向に探索ライン58が形成される。具体的には、各探索ライン58はベースライン56A上の各点(各画素)を開始点として当該ベースライン56Aに直交するy方向へ伸びるラインである。すなわち当該方向が探索方向となる。ROIが矩形であれば、探索方向は関心領域56の左辺及び右辺と平行になる。図4に示されるように、各探索ライン上においてスタート点58Aから探索方向(前方)に向けて画素値の参照及びエッジ検出が順次実行される。すなわち、対象画素の画素値が参照され、当該画素値が所定の閾値(仮閾値)と比較され、もし閾値よりも画素値が大きいならば、それがエッジ点(立ち上がり点)として特定され、当該地点が基準エッジ点となる。図中においては、符号60によって基準エッジ点が示されている。この基準エッジ点60は本実施形態において第1区間点として機能するものであり、その基準エッジ点60が基準となって、第2区間点62及び第3区間点64が定められる。仮閾値は固定値であってもよいが、関心領域の全体を参照することにより形成されるヒストグラムから決定される閾値であるのが望ましい。ヒストグラムから閾値を決定する方法としては従来から各種の手法が知られている。
より詳しく説明すると、基準エッジ点60は、内側境界線42よりも手前側において検出された点であり、換言すれば、そのような手前側の立ち上がり点が検出されるように仮閾値が設定されている。基準エッジ点60は、2つの区間を定める際の基準点すなわち原点となるものであり、基準エッジ点60に対して探索方向前方へ一定の距離W1を加えた地点として第2区間点62が定められ、第2区間点62に対して探索方向前方へ一定の距離W2を加えた地点として第3区間点64が定められる。なお、基準エッジ点60に対して距離W2を加えて第3区間点64を定めるようにしてもよい。W1よりもW2の方が大きい。第1区間点60と第2区間点62の間が第1区間であり、第2区間点62と第3区間点64の間が第2区間である。第1区間は後に説明する第1帯領域の要素をなすものであり、第2区間は後に説明する第2帯領域の要素をなすものである。結果として、各第1区間は内側境界線42を跨ぐように設定され、すなわちそのような条件が満たされるように基準エッジ点60及びW1の大きさが定められる。同様に、各第2区間が外側境界線44を跨ぐように、第3区間点64の位置すなわちW2の大きさが定められる。
図4に示した具体例においては、内側境界線の手前側に基準エッジ点60が検出されていたが、それに代えて、図5に示すような手法を採用することもできる。図5に示す手法では、探索ライン58に沿ってスタート点から順次エッジ検出処理が実行される。ここで仮閾値は本来のエッジである内側境界線42又はそれに近い位置を検出できるような値に設定されており、その結果、内側境界線42上あるいはその近傍に仮エッジ点66が見出される。仮エッジ点66の手前側所定距離の地点に第1区間点68が設定され、仮エッジ点66の奥側所定距離の地点に第2区間点70が設定される。そして、第1区間点68と第2区間点70との間が第1区間として定められる。一方、仮エッジ点66から探索方向前方へ再度探索が開始される。その場合、外側境界線44又はその近傍が検出されるように別の仮閾値が設定されており、そのような別の仮閾値と各画素値との比較を繰り返すことにより、仮エッジ点72が検出される。それを基準としてその手前側に第1区間点74が定められ、仮エッジ点72の奥側すなわち前方側に第2区間点76が定められる。第1区間点74と第2区間点76の間が第2区間となる。以上のように、検出対象となるエッジ又はそれに近い点を検出して、それを基準として区間を定めるようにしてもよい。ただし、図4に示した手法によれば、スタート点から比較的近い位置にある基準エッジ点を検出するだけで、第2区間点62及び第3区間点64を直ちに設定できるので、演算量を削減して迅速な処理を達成できるという利点が得られる。
図6において、x方向における各座標において探索ライン58上で基準エッジ点の検出及びそれに基づく2つの区間点の設定を行うことにより、まず複数の探索ライン58上における複数の第1区間点の並びとして第1区間点ライン78が構成される。これと同様に複数の探索ライン58上における第2区間点の並びとして第2区間点ライン80が構成される。更に複数の探索ライン58上における複数の第3区間点の並びとして第3区間点ライン82が構成される。そして、第1区間点ライン78と第2区間点ライン80との間の領域が内側帯領域84と定義される。同じく、第2区間点ライン80と第3区間点ライン82との間が外側帯領域86と定義される。
内側帯領域84はその内部に内側境界線42を含んでおり、それは内側境界線近傍領域である。外側帯領域86はその内部に外側境界線44を含んでおり、それは外側境界線近傍領域である。内側帯領域84は内側境界線42を検出する際に利用される閾値(本閾値)を決定するために参照される局所領域であり、また同時に、内側帯領域84は内側境界線42の探索領域でもある。外側帯領域86は、外側境界線44を検出する際に利用される閾値(本閾値)を決定するために参照される局所領域であり、また外側帯領域86は外側境界線44の探索領域をなすものである。
具体的には、内側帯領域84の参照により、そこに含まれている複数の画素値に基づいてヒストグラムが作成され、そのヒストグラムから直接的にあるいは間接的にエッジ検出用の閾値(本閾値)が定められる。外側帯領域86についても、その内部の画素値群の参照によりヒストグラムが作成され、それに基づいて閾値(本閾値)が定められる。ヒストグラムに基づいて閾値を決定する手法としては従来から各種の手法が提案されている。内側帯領域84の参照により決定された閾値を利用して、各探索ライン58上において内側境界点88の検出が行われる。その場合においては、各探索ライン上において、内側帯領域84における第1区間点ライン78をスタートラインとして、そこから第2区間点ライン80側へ閾値を利用したエッジ検出処理が順次実行される。同様に、外側帯領域86内においては、各探索ライン上において、外側帯領域86の参照により決定された閾値を利用して外側境界点90の検出が実行される。この場合においても、第2区間点ライン80をスタートラインとして、各探索ライン上において第3区間点ライン82側へエッジ検出が順次実行される。
図7には、以上のようにして形成された内側トレースライン92及び外側トレースライン94が示されている。内側トレースライン92は、内側境界線に対するエッジ検出により得られた複数の内側境界点88の並びによって構成されるものである。外側トレースライン94は、外側境界線に対するエッジ検出により得られた複数の外側境界点の並びにより構成されるものである。もちろん、複数の境界点の並びに対して補間処理やスムージング処理などを適用して、滑らかなトレースラインを構成するようにしてもよい。以上のように2つのトレースライン92,94が自動的に抽出、描画されると、2つのトレースライン92,94間においてIMT計測が実行される。具体的には、x方向における1又は複数の地点においてIMT計測が実行される。ここでは符号96によりIMTが表されている。この場合において厚みすなわち距離を計測する方向は図7に示す例においてy方向である。距離計測方向を2つのトレースラインの形状に基づいて適応的に定めるようにしてもよい。
上述した手法によれば、2つの帯領域の探索的設定により、それぞれの帯領域について適切な閾値を決定した上で、内側境界線及び外側境界線を精度よくしかも的確に検出できるので、2つのトレースラインを精度よく描けるという利点がある。従来においては、閾値の設定にあたって常に関心領域の全体が参照されていたが、そのような手法によると注目する境界線付近の情報以外の多くの情報を参照してしまい、場合によってはノイズによる影響をかなり受けて不適切な閾値の設定がなされてしまうという問題があったが、本実施形態においては、そのような問題を大幅に緩和又は回避できることが実験により確かめられている。特に、本実施形態においては、2つの境界線に対してそれぞれ帯領域を定義したので、それぞれの境界線にふさわしい閾値を設定して境界線検出の信頼性を極めて高めることができる。
図8には、IMT計測方法の一例がフローチャートとして示されている。S100においては、血管を表す断層画像上において関心領域(ROI)がユーザーにより指定される。その場合においては関心領域における水平軸が2つの境界線にできる限り平行になるように、ROIが設定されるのが望ましい。S102においては、仮閾値を定めるために、関心領域の全体が参照され、そこに含まれる複数の画素値に基づいてヒストグラム(全体ヒストグラム)が作成される。S104において、ヒストグラムに基づいて仮閾値a0が演算される。仮閾値a0は上述したように基準エッジ点を定めるためのものであり、厳密な境界検出が要求されるものではないために、仮閾値a0の決定にあたって関心領域の全体を参照しても基本的に問題は生じない。
S106においては、順番に指定されるいずれかの探索ライン上において基準エッジ点の探索が開始される。S108では、参照した画素値が仮閾値a0と比較され、画素値が仮閾値a0以上であるならばS110移行が実行される。ちなみに、関心領域の上辺すなわちエンドラインまで至っても基準エッジ点を検出できなかった場合にはエラー処理を適用すればよい。そのようなエラー処理には、例えば、隣接探索ライン上において検出された基準エッジ点を利用して補間処理により当該探索ライン上において基準エッジ点を定める方法等を挙げることができる。
S110においては、基準エッジ点すなわち第1区間点が特定される。S112においては基準エッジ点に基づいて第2区間点が特定され、更にS114においては基準エッジ点に基づいて第3区間点が特定される。これにより現在処理対象となっている探索ライン上において3つの区間点が定まることになる。S116においては、未処理の探索ラインがあるか否かが判断され、それがあればS106からの工程が繰り返し実行される。一方、S116において最後の探索ラインまで処理が進行したことが判断されると、以下に説明するS118以降の工程及びS130以降の工程が実行される。
S118〜S128までの一連の工程とS130〜S140までの一連の工程は順番に実行するようにしてもよいし並列的に実行するようにしてもよい。S118〜S128までの一連の工程が内側境界線に対するトレース処理に相当し、S130〜S140までの一連の工程が外側境界線に対するトレース処理に相当する。
S118においては、第1帯領域内が参照され、そこに含まれる画素群に基づいて第1部分ヒストグラムが作成される。S120において、第1部分ヒストグラムに基づいて閾値a1が決定される。S122において、その閾値a1を利用して、探索ライン上において探索が開始され、S124において閾値a1以上の画素値が見つかれば、S126において当該画素値が内側境界点であると特定される。S128において未処理の探索ラインが無くなると判断されるまで、S122以降の工程が繰り返し実行される。
その一方、S130においては第2帯領域内が参照され、そこに含まれる画素群に基づいて第2部分ヒストグラムが作成される。S132においては第2部分ヒストグラムに基づいて閾値a2が決定され、S134において、指定された探索ライン上での探索が開始される。S136において閾値a2以上の画素値が見つかった場合には、S138において当該画素値を有する地点が外側境界点であると特定され、S140においては最後の探索ラインまで処理が進行したか否かが判断される。最後の探索ラインまで処理が到達していなければS134以降の工程が繰り返し実行される。
第1帯領域内において複数の内側境界点が検出され、第2帯領域内において複数の外側境界線が検出されると、すなわち内側トレースライン及び外側トレースラインが形成されると、S142において、それらの2つのトレースライン間においてIMT計測が実行される。その場合、x方向の複数の箇所でIMT計測が実行され、それらの計測結果から、最大値、最小値、平均値等が求められる。
(3)NT計測の具体例
次に、図9乃至図12を用いてNT計測の具体例を説明する。
図9には断層画像上に設定された関心領域178が示されている。関心領域178は胎児後頸部浮腫(NT)170の断面を含むものであり、関心領域178内には上側境界線174及び下側境界線176が含まれている。より具体的には、関心領域178は中間ラインをなすベースライン178Aを連結線として上側サブ関心領域180と下側サブ関心領域182とに区分されており、上側サブ関心領域180内に上側境界線174が含まれており、下側サブ関心領域182内に下側境界線176が含まれている。
関心領域178内において、ベースライン178Aが2つのサブ関心領域180,182共通のスタートラインとして機能する。すなわち上側サブ関心領域180においては、x方向における各座標において探索ライン100がy方向に設定され、各探索ライン100上においてベースライン178A上のスタート点100Aから上辺に向けてエッジ探索が繰り返し実行される。その場合において用いられる閾値は仮閾値である。仮閾値を画素値が越えた場合、その地点が基準エッジ点(第1区間点)102として定められる。そして、基準エッジ点102を基準として所定距離W3だけ離れた点として第2区間点104が定められる。これによって探索ライン100上においては第1区間点102と第2区間点104が定められる。これと同様に、下側サブ関心領域182においても、x方向における各座標毎に探索ライン106がy方向に設定され、ベースライン178A上のスタート点からエンドラインである下辺に向けてエッジ検出が繰り返し実行される。仮閾値を画素値が上回った地点においてそれが基準エッジ(第1区間点)108として定められ、それを基準として所定距離W4だけ離れた点として第2区間点110が特定される。これにより各探索ライン106上において第1区間点108及び第2区間点110が定められることになる。上側サブ関心領域180における各第1区間は上側境界線174を跨いで設定されており、下側サブ関心領域182における各第2区間は下側境界線176を跨いて設定されている。
図10に示すように、x座標毎(X方向に並ぶ画素毎)に上記の処理を行うならば、上側サブ関心領域180において、帯領域120を定義することが可能となる。すなわち帯領域120は第1区間点ライン112と第2区間点ライン114との間の領域として定義されており、ここで、第1区間点ライン112は複数の第1区間点102の並びとして構成され、第2区間点ライン114は複数の第2区間点104の並びとして構成されている。これと同様に、下側サブ関心領域内においては、帯領域122が定義されており、すなわち帯領域122は第1区間点ライン116と第2区間点ライン118とにより挟まれた領域である。第1区間点ライン116は複数の第1区間点108の並びとして構成されており、第2区間点ライン118は複数の第2区間点110の並びとして構成されている。
帯領域120が定められると、帯領域120内の画素が参照され、複数の画素値に基づいてヒストグラムが生成される。そのヒストグラムに基づいて上側境界線検出のための閾値(本閾値)が演算される。これと同様に、帯領域122内の画素が参照され、複数の画素値に基づいてヒストグラムが生成され、そのヒストグラムから下側境界線を検出するための閾値(本閾値)が演算される。そして、帯領域120内において、上記のように求められた閾値を利用して、各探索ライン110上において上側境界点124の検出が実行される。これにより複数の上側境界点124の並びとして上側トレースライン126が構成される。一方、帯領域122内においては、上記のように決定された閾値を利用して、各探索ライン上においてエッジ検出が実行され、これにより複数の下側境界点128が検出される。それらの並びとして下側トレースライン130が構成されている。もちろん複数の上側境界点124の並び、及び、複数の下側境界点128の並びに対して、補間処理やスムージング処理を適用することにより、より滑らかなトレースライン126,130を構成するようにしてもよい。
図11において、上側トレースライン126及び下側トレースライン130の間においてNT厚132が計測される。x方向における複数の座標においてNT厚132が計測されるのが望ましい。厚み計測方向は図11に示す実施形態においてy方向と平行であるが、各トレースライン126,130の形態に応じて適切な方向に距離計測方向を適応的に定めるのが望ましい。
以上説明したNT計測法によれば、2つのサブ関心領域内において独立して閾値を設定して各境界線を精度よく検出できるという利点がある。その上で、関心領域全体内においてNT厚を計測できるという利点がある。以上説明したNT計測法においても、それぞれの境界線の検出にあたっては局所領域である帯領域が定義され、その帯領域内において参照された画素値群に基づいて閾値が決定されているため、閾値を最適化することが可能である。しかもその帯領域内において境界線の検出が行われるのでノイズ等による影響を極力排除できるという利点が得られる。
図12には上述したNT計測法がフローチャートして示されている。S200においては、断層画像上において、複合化された関心領域がユーザーにより指定される。この場合においては、2つのサブ関心領域内にそれぞれ境界線が含まれるように関心領域の位置や傾きが定められる。関心領域が適切に定められると、2つの境界線の間に中間ラインであるベースラインが位置することになる。次に、第1トレースライン生成処理S202及び第2トレースライン生成処理S204が実行される。それらは並列的に実行されてもよいし、順番に実行されてもよい。図12においては第1トレースライン生成処理S202について具体的な内容が表されている。第2トレースライン生成処理S204においても第1トレースライン生成処理と同様の構成が採用されている。第2ライントレース生成処理S204の説明を省略する。
S206においては、上側サブ関心領域内すなわち半ROI内の画素値群が参照され、それによって全体ヒストグラムが作成される。すなわち、局所領域として帯領域の参照ではなく、サブ関心領域全体が参照される。
S208では、S206で生成された全体ヒストグラムに基づいて仮閾値a0が演算される。S210においては、順番に指定される探索ライン上においてエッジ検出が実行される。S212において、参照した画素値が仮閾値a0以上であると判断された場合、S214において、当該地点が基準エッジ点(第1区間点)であると特定される。S216において、基準エッジ点すなわち第1区間点に基づいて第2区間点が特定される。このような処理がS218において最終ラインの処理が完了したと判断されるまで繰り返される。
S220では、以上のようにして構成される複数の第1区間からなる帯領域内において画素値群が参照され、これによって部分ヒストグラムが作成される。S222において、部分ヒストグラムに基づいて閾値a1が決定される。S224においては、順次指定される探索ライン上においてエッジ探索が開始され、S226において、参照した画素値が閾値a1以上であると判断された場合には、S228において当該地点が境界点であると特定される。このような処理が最終の探索ラインまで繰り返される。
以上のような第1トレースライン生成処理S202により、上側境界線に対して第1トレースラインを生成することが可能であり、一方、上記同様の手法を利用して第2トレースライン生成処理S204によって下側境界線に対して第2トレースラインを生成することが可能となる。S232においては、以上のように形成された上側トレースライン及び下側トレースラインの間においてNT厚の計測が実行される。その場合には、x方向における1又は複数の位置でNT厚が計測され、必要に応じて、複数のNT厚の中から最大値、最小値、平均値等が演算される。
(4)閾値決定方法
次に、図13乃至図17を用いて、ヒストグラムに基づく閾値決定法について説明する。各図に示す閾値決定法は、仮閾値及び本閾値の両者の決定において利用可能なものである。
図13に示す第1方法においては、S300においてヒストグラムが生成され、S302においてヒストグラムから直接的に閾値aが演算される。そして、その閾値aを利用して、S304において、元画像上においてエッジ検出(境界検出)が実行される。S302における閾値aを決定する方法としては、従来技術の説明において参照した文献に記載されている手法等を利用することができる。
図14に示す第2方法においては、S400においてヒストグラムが生成され、S402においてヒストグラムが加工される。この加工にはスムージング処理や横軸上における離散化処理等が含まれ、更に縦軸に対する規格化処理が含まれる。S404においては加工後のヒストグラムに基づいて閾値aが決定され、S406においては、そのように決定された閾値aを用いて元画像上においてエッジ検出が実行される。
図15に示す第3方法においては、S500においてはヒストグラムが生成され、S502においてそのヒストグラムが加工される。その加工には、上記同様にスムージング、横軸上における離散化処理、縦軸方向の規格化処理等が含まれてもよい。S504では加工後のヒストグラムに基づいて閾値aが決定される。一方、S506においては、ヒストグラムあるいは加工後のヒストグラムに基づいて、画像処理のための補正関数が決定される。例えば階調補正を行う場合には、その階調補正のための関数に含まれるパラメータα及びβが決定される。S508においては、そのように決定された補正関数を用いて元画像に対する階調補正処理が実行される。S510においては、必要に応じて元画像に対して他の画像処理が実行される。そのような画像処理には、ノイズ除去、ラベリング処理等が含まれてもよい。S512においては、以上のような処理を経た元画像に対してS504で決定された閾値aを用いてエッジ検出処理が実行される。
図16には第4方法が示されている。S600においてヒストグラムが生成され、S602においてヒストグラムの加工処理が実行される。その加工処理には、規格化処理や離散化処理が含まれてもよい。加工後のヒストグラムに基づいて複数の特徴量が抽出される。すなわち加工後のヒストグラムが多面的に解析される。図16に示す例では、S604〜S610の各工程が実行されている。
具体的には、S604においては、ヒストグラムの形状が評価されている。ここではまず二峰性の形態を有するか、単峰性の形態を有するかが判断され、後者については輝度軸方向に狭い分布をもったshort型であるか、同方向に広く伸びたLong型であるかが判断される。S606では、データ比重が評価される。具体的には、ヒストグラムにおけるピークが特定され、そのピークの前側所定範囲における頻度平均値が演算され、またピークの後側所定範囲内の頻度平均値が演算される。ピーク前の頻度平均値とピーク後の頻度平均値が比較され、いずれが大きいかが評価される。大きい方が比重点に相当する。S608では、ヒストグラムについての輝度傾向が評価される。すなわちヒストグラムの分布が全体として低輝度側に偏っているのかあるいは高輝度側に偏っているのかそれら以外であるのか(どちらにも分類できないか)が判断される。S610においては頻度傾向が評価される。それは分散あるいはヒストグラムの広がりを評価するものであり、局所的に集中した面積が小とも言える低頻度であるのか、横軸方向の全体にわたって広がった面積が大である高頻度であるのかが評価される。
以上のような多面的な解析結果を総合することにより、具体的には多面的な解析結果から最適な閾値演算条件を決定することにより、S612に示すように、ヒストグラムに基づいて閾値aが決定される。これについて以下に具体例を説明する。
図17には、図16に示したS612の具体的な内容が概念図として示されている。S604においては、ヒストグラムの形状が評価されており、符号134は二峰性すなわちU型を示している。符号136は単峰性short型を示している。符号138は単峰性Long型を示している。各ヒストグラムはいずれかの類型に分類される。S606においては、データ比重が評価されており、符号140はデータ比重(比重点)がピーク前にある類型を示している。符号142はデータ比重(比重点)がピーク前以外にある類型を示している。S608においては、輝度傾向が評価されており、符号144は低輝度傾向を示しており、符号146はその他の傾向を示している。更にS610においては頻度傾向が評価されている。符号148は低頻度の類型を示しており、符号150は高頻度の類型を示している。更に符号152はその他の類型を示している。
以上のような多面的な解析結果を総合考慮して閾値決定条件を選択することが図17においてツリー構造により表されている。すなわちS604〜S610の分析結果に基づいて、S612において条件1〜条件12におけるいずれかの条件が選択され、それに基づいてヒストグラムから閾値が演算される。もちろん図17に示す手法は一例であってそれ以外の手法を採用することもできる。いずれにしても複数の観点からヒストグラムの特徴量を評価した上でそれに最適な条件を選択し、それにしたがって閾値を演算するのが望ましい。
10 プローブ、12 送信部、14 受信部、16 信号処理部、17 画像形成部、18 表示処理部、22 計測部、30 前壁、32 後壁、34 血流部、56,60 関心領域、170 胎児後頸部浮腫(NT)、178 複合化された関心領域。

Claims (18)

  1. 超音波の送受波により得られた断層画像上において、対象組織についての少なくとも1つの注目境界線を含む関心領域を設定する関心領域設定手段と、
    前記関心領域内において、前記関心領域が有するベースライン上の各点から当該ベースラインに交差する探索方向へ伸びる探索ライン上で基準点の探索を行うと共に、各探索ライン上において基準点に基づいて区間を設定し、これにより複数の区間の集合としての帯領域を構成する区間設定手段と、
    前記帯領域に属する複数の画素値を参照することにより、前記注目境界線を検出するための画像処理パラメータを決定する決定手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記決定手段は、
    前記帯領域に属する複数の画素値に基づいてヒストグラムを生成するヒストグラム生成部と、
    前記ヒストグラムに基づいて前記画像処理パラメータとして閾値を決定する閾値決定部と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項1又は2記載の装置において、
    前記区間設定手段は、
    前記各探索ライン上において前記ベースラインから画素値を順次参照すると共に当該画素値を仮閾値と比較することにより前記基準点を検出する基準点検出部と、
    前記各探索ライン上において前記基準点に基づいて前記区間を設定する区間設定部と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項3記載の装置において、
    前記仮閾値は前記注目境界線の手前側の地点を検出するための閾値である、ことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項4記載の装置において、
    前記区間設定部は、前記基準点を前記区間の一方端として定め、前記基準点から探索方向前方に離れた点を前記区間の他方端として定める、ことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項4記載の装置において、
    前記区間設定部は、前記基準点から探索方向前方に離れた点を前記区間の一方端として定め、前記基準点から探索方向前方に更に離れた点を前記区間の他方端として定める、ことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置において、
    前記断層画像上において前記関心領域の位置及び角度をユーザーにより指定するための入力手段を含む、ことを特徴とする超音波診断装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置において、
    前記関心領域は矩形の領域であり、
    前記関心領域における上辺又は下辺が前記ベースラインであり、
    前記関心領域における左右辺と並行に前記各探索ラインが設定される、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  9. 請求項8記載の装置において、
    前記少なくとも1つの注目境界線には、血管壁内の内側境界線及び外側境界線が含まれる、ことを特徴とする超音波診断装置。
  10. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置において、
    前記関心領域は前記ベースラインとして機能する中間ラインを介して連結された上側サブ関心領域及び下側サブ関心領域により構成され、
    前記各サブ関心領域内においてそれぞれ注目境界線の検出が行われる、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  11. 請求項10記載の装置において、
    前記少なくとも1つの注目境界線には、胎児後頸部浮腫の輪郭を表す上側境界線及び下側境界線が含まれ、
    前記上側サブ関心領域内において前記上側境界線が検出され、
    前記下側サブ関心領域内において前記下側境界線が検出される、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  12. 請求項2記載の装置において、
    前記閾値決定部は、前記ヒストグラムから複数の特徴量を演算するヒストグラム解析部を含み、
    前記複数の特徴量を利用して前記閾値が決定される、ことを特徴とする超音波診断装置。
  13. 請求項12記載の装置において、
    前記複数の特徴量には、前記ヒストグラムの形状が属する類型として定義される特徴量、前記ヒストグラムにおけるピーク前後の平均輝度の大小関係から定義される特徴量、前記ヒストグラムの輝度軸上での偏りから定義される特徴量、及び、前記ヒストグラムの広がり度合いから定義される特徴量の内で少なくとも1つを含む、ことを特徴とする超音波診断装置。
  14. 超音波の送受波により得られた断層画像上において、血管壁中の内側境界線及び外側境界線を含む関心領域を設定する関心領域設定手段と、
    前記関心領域内において、前記関心領域が有するベースライン上の各点から当該ベースラインに交差する探索方向へ伸びる探索ライン上で基準点の探索を行うと共に、各探索ライン上において基準点に基づいて第1区間及び第2区間を設定し、これにより複数の第1区間の集合としての第1帯領域を構成し、複数の第2区間の集合として第2帯領域を構成する区間設定手段と、
    前記第1帯領域に属する複数の画素値を参照することにより、前記内側境界線を検出するための内側閾値を決定する内側閾値決定手段と、
    前記第2帯領域に属する複数の画素値を参照することにより、前記外側境界線を検出するための外側閾値を決定する外側閾値決定手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  15. 請求項14記載の装置において、
    前記内側境界線に沿って内側トレースラインを生成する手段と、
    前記外側境界線に沿って外側トレースラインを生成する手段と、
    前記内側トレースラインと前記外側トレースラインとの間で前記血管壁の厚みを計測する手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  16. 超音波の送受波により得られた断層画像上において、胎児後頸部浮腫の下側境界線を含む上側サブ関心領域と前記胎児後頸部浮腫の下側境界線を含む下側サブ関心領域とからなる複合関心領域を設定する関心領域設定手段と、
    前記上側サブ関心領域内において、前記複合関心領域が有する中間ベースライン上の各点から当該中間ベースラインに交差する上側探索方向へ伸びる上側探索ライン上で上側基準点の探索を行うと共に、各上側探索ライン上において上側基準点に基づいて上側区間を設定し、これにより複数の上側区間の集合としての上側帯領域を構成する上側区間設定手段と、
    前記下側サブ関心領域内において、前記複合関心領域が有する中間ベースライン上の各点から当該中間ベースラインに交差する下側探索方向へ伸びる下側探索ライン上で下側基準点の探索を行うと共に、各下側探索ライン上において下側基準点に基づいて下側区間を設定し、これにより複数の下側区間の集合としての下側帯領域を構成する下側区間設定手段と、
    前記上帯領域に属する複数の画素値を参照することにより、前記上側境界線を検出するための上側閾値を決定する上側閾値決定手段と、
    前記下帯領域に属する複数の画素値を参照することにより、前記下側境界線を検出するための下側閾値を決定する上側閾値決定手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  17. 請求項16記載の装置において、
    前記上側境界線に沿って上側トレースラインを生成する手段と、
    前記下側境界線に沿って下側トレースラインを生成する手段と、
    前記上側トレースラインと前記下側トレースラインとの間で前記胎児後頸部浮腫の厚みを計測する手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  18. 超音波診断装置又は超音波画像を処理する情報処理装置において実行されるプログラムであって、
    超音波画像上におけるユーザー指定に基づいて、対象組織についての少なくとも1つの注目境界線を含む関心領域を設定する機能と、
    前記関心領域内において、前記関心領域が有するベースライン上の各点から当該ベースラインに交差する探索方向へ伸びる探索ライン上で基準点の探索を行うと共に、各探索ライン上において基準点に基づいて区間を設定し、これにより前記ベースラインの方向に並んだ複数の区間の集合としての帯領域を構成する機能と、
    前記帯領域に属する複数の画素値を参照することにより、前記注目境界線を検出するための閾値を決定する機能と、
    前記超音波画像上において、前記決定された閾値を用いて前記注目境界線を検出する機能と、
    を含むことを特徴とするプログラム。
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