JP2010256772A - 可動鏡機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】自由空間伝搬を用いた光通信装置の入力部または出力部に用いて通信光の光軸合わせを高い周波数応答性で行なうことができる可動鏡機構を提供する。
【解決手段】保持基板26に固定された反射鏡27と、保持基板26を動かして、その法線方向の方位を調整するアクチュエータ23と、上記保持基板と枢結し、上記アクチュエータと上記保持基板を連接させるための引っ張り手段22と、引っ張り手段22とアクチュエータ23とを持設する支持基板21と、上記アクチュエータを制御する制御器と、を備えるものである。上記引っ張り手段と上記保持基板とを、円環状の板ばね等の回転対称性を有する板バネ、圧縮バネあるいは引っ張りバネなどで枢結してもよい。上記の制御器は、保持基板26と引っ張り手段22とを枢結する部分が不動点であるように上記アクチュエータを駆動する。
【選択図】図3

Description

本発明は、自由空間中を伝搬する光ビームにより通信を行う光通信装置の光入出力部の構成要素である可動鏡機構に関するものである。
一般に、自由空間伝搬型光通信を用いた通信方式としては、拡散型通信方式と、狭ビーム型通信方式とが知られている。拡散型通信方式は主に近距離での光通信に用いられ、遠距離の光通信には、狭ビーム型通信方式が用いられることが多い。特に人工衛星と地上との間で光通信を行う場合には、次のような問題があることが知られている。
例えば、人工衛星は基地局に対して動いているので、互いに常時監視し、そのビームの射出方位を調整する必要がある。また、大気中の伝搬においては、大気の揺らぎによってたえず光路は擾乱を受ける。この擾乱は、1kHz以上の周波数成分を含むため、高速応答動作の可能な調整機構である必要がある。
このため、特に人工衛星と地上との間で光通信を行う場合には、狭ビームできわめて高精度の光軸合せが必要となる。この光軸を合わせる手段として可動鏡機構により光反射鏡を光路に挿入し、その法線の方位を高速に調整して光軸を合わせることが行われている。
レーザー加工装置などの光軸を調整する機構は、FPM(fine positioning mirror)として知られており、例えばガルバノミラー(galvanometer mirror)が通常用いられている。一般に、ガルバノミラーは、1つの回転軸に固定された鏡である。例えば、レーザービームの照射部を、このガルバノミラーを直交する2軸に配置する構成とすることで、照射点位置を平面上の点から選択することができるようになる。しかし、人工衛星と地上間の光通信用には、口径の大きな反射鏡を用いる必要があるため、従来のガルバノミラーでは、充分に高速な応答特性が得られない。
高速な応答特性をもった偏光器として、特許文献1(米国特許第5251056号明細書)の開示がある。これは、圧電性物質を平行に並べて反射鏡に可塑性の接着剤を用いて固定し、これを基板に載せて、プッシュプル動作をするように電圧印加を行なうことで、大きな面積の反射鏡を用いた場合でも、その共振周波数を高く設定することができるものである。
また、圧電性物質のアクチュエータを用いたものが特許文献2(米国特許第7221494号明細書)に開示されている。これは、反射鏡を載せ回転軸の周りに動くプラットフォームにアクチュエータとバネを取り付けて、プラットフォームを駆動する光走査装置であり、アクチュエータとバネをその回転軸の左右に配置してバネの反発力でプラットフォームをアクチュエータで保持するものである。アクチュエータとプラットフォームとはボールベアリングで接触しており、接する角度は自由に変えることができる。
また、特許文献3(特開2007−184706号公報)に光軸調整を行うことが可能な光無線伝送装置の記載がある。これに記載の光無線伝送子機は、撮像データに基づいて親機からのガイド光の光軸方向を特定し、その光軸方向から、反射板の反射面の移動方向および移動量を第1の移動情報としてそれぞれ取得する第1の方向検出部と、4分割PDにより受光されたガイド光の受光データから、反射板の反射面の移動方向および移動量を第2の移動情報としてそれぞれ取得する第2の方向検出部と、第1及び第2の方向検出部により取得された第1及び第2の移動情報に基づいて、ピエゾアクチュエータを介して反射板の反射面を移動させることにより、親機からのガイド光の光軸方向とコリメートレンズの光軸方向とを略一致させる駆動制御部とを備えるものである。
本発明に比較的近い従来例の模式図を図1に示す。これは、支持基板21上に光反射鏡27を載せ、この支持基板21を2つの圧電駆動素子23上に2つのバネ35で保持するものである。1軸方向の駆動を考えると、圧電駆動素子23の受け持つ慣性モーメントには、光反射鏡27の分と支持基板21の分とバネ35の分があるために、揺動駆動時の周波数応答性が充分高速にならない。あるいは、充分高速にするためには、駆動用である圧電駆動素子23を大型化する必要があり、消費電力が増大する。また、そのために駆動回路が非常に大きくなる。例えば1kHzで20ミリラジアン動かすために、圧電駆動素子23の1素子あたり75W、4個合計で300Wが必要となる。しかし、このように装置が大型になり消費電力が大きくなるため、衛星に搭載するには消費電力を小さくすることが望まれている。
また、従来例として、図1に類似のもので、圧電駆動素子4本を、4本のバネにより引っ張り力を加えて直動して反射鏡を動かすものもある。具体的には2本で1軸を動かし、これを2個重ねて2軸駆動としている。このような光軸調整機構においては、軸を別々に動かすことや、バネを4本用いるため複雑となり小型軽量化に不利となっている。また、バネや光反射鏡などを揺動する際の慣性モーメントが非常に大きくなるため、高速応答性が悪く、通信光の揺らぎに対応できず、受信が不安定なるという問題がある。この問題を解決するため、例えば、2軸を同時に駆動する機構が知られているが、複雑なジョイントを必要としており、この場合も小型軽量化に不利となっている。
図14(a)に非特許文献1に記載された精追尾機構の断面図を示す。これは、回転儀で支持された内側可動部上にミラーを固定したもので、その内側可動部を電磁吸引アクチュエータで駆動するものである。図14(b)、(c)に、この精追尾機構を用いて構成した光路差補正機構の閉ループ一巡伝達関数周波数特性の測定結果を示す。(b)は、ゲイン−周波数特性、(c)は、位相−周波数特性である。この結果では、周波数特性の上限は600Hz程度である。
米国特許第5251056号明細書 米国特許第7221494号明細書 特開2007−184706号公報
2008年、第52回宇宙科学技術連合講演会、484−486頁
本発明の目的は、自由空間伝搬を用いた光通信での通信光の軸のずれを周波数応答性良く補正することができる可動鏡機構を提供することにある。
上述の目的を達成するための本発明に係る可動鏡機構は、光通信装置の入力部または出力部に用いて通信光の光軸あわせを行なう可動鏡機構であって、保持基板に固定された反射鏡と、上記保持基板を動かして、その法線方向の方位を調整するアクチュエータと、上記保持基板と枢結し上記アクチュエータと上記保持基板を連接させるための引っ張り手段と、上記引っ張り手段と上記アクチュエータとを持設する支持基板と、上記アクチュエータを制御する制御器と、を備えるものである。ただし、上記制御器は、上記の法線方向の方位を調整する場合に、上記保持基板と上記引っ張り手段とを枢結する部分が不動点であるように上記アクチュエータを駆動する。
上記引っ張り手段と上記保持基板とを枢結するバネ機構を設ける場合は、上記バネ機構は、円環状の板ばね等の回転対称性を有する板バネで実現することができる。このバネ機構は、上記アクチュエータと上記保持基板を連接させるためのものである。引っ張り手段と上記保持基板とは、このバネ機構を通じて枢結されており、互いに自由に動くことができる。
また、上記バネ機構は、引っ張り型あるいは圧縮型のコイルバネでも実現することができる。
また、上記引っ張り手段は、引っ張り棒または引っ張りワイヤーでよい。
上記アクチュエータは、入力電圧に線形に応答する素子が望ましいが、非線形性や履歴特性を示す圧電駆動素子でも使用することができる。
上記アクチュエータは3以上の複数であって、上記引っ張り手段の周りを取り囲むように配置することで、上記アクチュエータと上記保持基板を圧接させることができる。この場合は、反射鏡の方位を2次元内で設定することができる。
また、反射鏡の方位を1次元内で設定すればよい場合は、上記アクチュエータ数を2とし、さらに上記保持基板を持設する保持棒を用いる。この場合も、上記アクチュエータと上記保持棒とは上記引っ張り手段の周りを取り囲むように配置することが望ましい。上記保持棒と上記引っ張り手段とを同軸に構成してもよい。
上記引っ張り手段と上記保持基板とを枢結する部分を、反射鏡を固定した保持基板の重心に設けることで、回転運動の慣性モーメントを最小にすることができる。
より具体的には、例えば、2軸方向に揺動する光反射鏡の保持基板と、該保持基板を3個または4個の直進駆動の圧電駆動素子により駆動し、前記保持基板と前記圧電駆動素子との接続間に、3個または4個の球体関節部材を直列に配列し、これら圧電駆動素子を3角または4角の頂点に配置して中央の間隙に引っ張り棒を配置して圧力を加える様にする。
上述の構成を有する可動鏡機構では、光反射鏡の法線方向の方位を調整する場合に、高い周波数応答特性を実現することができる。
従来の可動鏡機構の基本構造を示す断面図である。 第1の実施例に係わる可動鏡機構の基本構造を示す断面図である。 第1の実施例に係わる可動鏡機構の詳細構造を示す断面図である。 第1の実施例に係わる可動鏡機構の球体関節部材付近の詳細構造を示す断面図である。 第1の実施例に係わる可動鏡機構の全体構造を示す立体ワイヤーフレーム図である。 第1の実施例に係わる可動鏡機構の全体構造を別な角度から見た立体ワイヤーフレーム図である。 第1の実施例に係わる可動鏡機構の全体構造の斜視図である。 第1の実施例に係わる可動鏡機構の応用例を説明するブロック図である。 第2の実施例に係わる可動鏡機構の詳細構造を示す断面図である。 第2の実施例に係わる可動鏡機構の球体関節部材付近の詳細構造を示す断面図である。 引っ張り手段に(a)圧縮バネ、(b)引っ張りバネを用いる例を示す図である。 引っ張り手段にワイヤーを用いる例を示す図である。 (a)は製造した可動鏡機構の仕様を、(b)は測定に用いた測定系を示す。 本発明の例における、(a)共振周波数のプリロード値依存性の例を示す図と、(b)振幅の周波数依存性を示す図である。 従来の精追尾機構例の断面図と、それを用いて構成した光路差補正機構の周波数特性例を示す図である。
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同じ機能あるいは類似の機能をもった装置に、特別な理由がない場合には、同じ符号を用いるものとする。
図2は本発明の可動鏡機構の第1の実施例に係わる基本構造を示す断面図である。図3(b)は図3(a)のA−A’線に沿った断面図であり、同一の符号は同一の部材を示している。図4は上記可動鏡機構の球体関節部材付近の詳細構造を示す断面図である。図3(b)において、21は支持基板であり、22は引っ張り棒で両端にネジが切ってある。アクチュエータである圧電駆動素子23では直流電圧(例えば150V以内)を加えると数十ミクロン程度伸長する。球体関節部材24では直径数ミリの球体が円錐台上に接着されている。位置決めナット25では通常のナットの片面が円錐状になり、円環状の板バネ31を介在して、中央穴28にはまりこむ。光反射鏡保持部材26ではアルミ材をカップ状に削りだしている。光反射鏡27の直径は、例えば20mmである。また、光反射鏡保持部材26の底部に中央穴28が明けられており、また、光反射鏡保持部材26の底部縁部に明けられ球体関節部材24の球がはまりこむ球受け穴29がある。スリーブ30は円筒状で内側にネジが着られ引っ張り棒22にねじ込まれるスリーブである。
図2において1本の引っ張り棒22が光反射鏡保持部材26の中央に明けられた中央穴28と支持基板21の中央に開けられた穴を貫通し、位置決めナット25で両方から締め付ける。一方、光反射鏡保持部材26に明けられた4個の穴に球体関節部材24の球が嵌合し、回動できるようになっている。光反射鏡保持部材26は、圧電駆動素子23の伸縮によって中央穴28を中心に動いて、その方位を変える。図1の従来例と比較すると、バネ35が運動の中心から離れたところにない分だけ光反射鏡保持部材26の揺動時に発生する慣性モーメントが小さくなることがわかる。
図3は可動鏡機構の詳細構造を示す断面図である。支持基板21に圧電駆動素子23を4個、4角形頂点上に相当する点に配置し、この上に光反射鏡保持部材26を配置する。光反射鏡保持部材26では、引っ張り棒22を中央に貫通させて、両端で位置決めネジ25により光反射鏡保持部材26を引っ張る。これによって球体間接部材24を通して圧電駆動素子23に圧力を与える。この圧力は、支持基板21と光反射鏡27とを合わせた質量が例えば5gの場合には、100Kgから160Kgの範囲が最良である。
上記の引っ張り棒は、駆動する周波数帯域に共振点を持たない棒状の物体であればよいが、図12に示す様にワイヤー36であってもよい。ただし、充分な張力が架けられていてその固有振動周波数が駆動する周波数帯域よりも高いものとする。たとえば、上記の光反射鏡保持部材を用いる場合、800〜1000Nの力で引っ張るが、共振周波数が低くてもよい場合には、引っ張る力をより小さくすることができる。
図4は前述の機構の一部である球体関節部材24の周辺を説明するもので、光反射鏡27が光反射鏡保持部材26に貼り付けられている。引っ張り棒22の端を中央穴28に貫通し、円環状の板バネ31をはさんで位置決めナット25で締め付ける。位置決めナットは、先端が円錐状になっているので光反射鏡保持部材26の中央穴28にはまりこんで、中央に固定する。一方、位置決め管30が光反射鏡保持部材26を介して反対側で引っ張り部材22にねじ込まれるので、光反射鏡保持部材26の位置ずれを防止できる。
圧電駆動素子23には球体関節部材24が回転可能に係合され、更に球体関節部材24には、光反射鏡27が固定された光反射鏡保持部材26が、微回転可能に緩嵌合されている。図8において示すように制御駆動回路9の電圧出力が圧電駆動素子23に印加される。圧電駆動素子23は光反射鏡保持部材26を2軸方向に駆動することができる。
図5と図6は可動鏡機構の全体外観のワイヤーフレーム図であり、内側支持部材33が光反射鏡保持部材26と外側支持部材32の間に挟み込まれている。外側支持部材32は円筒状で底部が支持基板21にネジ留めされている。この構造により振動衝撃環境に耐えるものとなる。図7にその斜視図を示す。
図8に、以上説明した可動鏡機構の応用例を示す。可動鏡機構1に集光器2で通信光を集光して入射する。この反射光はビームスプリッタ4に入射する。一方、レーザー5の送信光と受信光がここで分離される。つぎに、レンズ3でビームを小さくし、ハーフミラー6を通過して受光素子7にて受信する。また、位置検出素子8に入射した光の位置を駆動制御回路9で検出し、所定の位置に光ビームが受光素子7へ入射するよう可動鏡機構1を駆動し制御する。この一連の動作の制御方法は既によく知られている。
図13(a)の仕様で製造した可動鏡機構について、図13(b)に示す測定系を用いて測定した結果として、図14(a)に共振周波数のプリロード値依存性の例を、また、図14(b)に振幅の周波数依存性の例を示す。ここで、共振周波数は、可動鏡機構の固有振動数である。この結果から、引っ張り棒が光反射鏡保持部材を圧電駆動素子に圧し付ける力であるプリロードが増大するに従って、共振周波数も上昇していることが分かる。プリロードが900Nのときには、周波数特性の上限は6kHz余りである。この例を図15に示す従来例の場合と比べると、周波数特性が大幅に改善されていることが分かる。図15(a)は、電磁吸引アクチュエータとフレキシャルピボットを用いた2軸一体型の構成を持った光路差補正機構であり、図15(b)は、その周波数特性である。
また、図14(a)に示すように、高い共振周波数を実現するためには、プリロード値を大きくする必要がある。しかし上記の公知例の様に、このために複数のバネなどの引っ張り手段を用いる場合には、力の印加が均一であることが望ましい。不均一である場合は、圧電駆動素子にその不均一を解消する電力を余分に印加する必要が生じるためである。
しかし、本発明に於いては、引っ張り手段は単一であり、その周りに圧電駆動素子を配置するため、それぞれの圧電駆動素子には、均一な圧力が印加される。これによって、回転モーメントが小さい状態で光反射鏡を載せた光反射鏡保持部材を動かすことになり、従来のものよりも高い周波数特性を実現できる。
次に、3つのアクチュエータを用いる例について説明する。図9は第2の実施例の構成図、図10は図9のA−A’線に沿った断面図であり、引っ張り棒22には3個の球体関節部材24が回転可能に係合され、球体関節部材24には光反射鏡27が固定された光反射鏡保持部34が回転可能に係合されている。また、引っ張り棒22により3本の圧電駆動素子23に圧力をかける。以上のように実施例1の圧電駆動素子23の数を4から3にしたところが異なる。他の構成要素は実施例1と同様である。この3本構成により、小型軽量化が有利になると共に、高速応答性もさらに良くなる。そして光軸ずれ補正の周波数応答性が向上し、装置の低消費電力化及び装置全体の小型化が進む。
この3つのアクチュエータのうち1つの機能を停止して保持棒とする場合でも、方位の調整を行なうことができる。
上記の実施例1、2では、アクチュエータとして圧電駆動素子23を用いているが、一般に、圧電素子は履歴特性を持ち、印加する電圧に対して非線形の変移を与えることが知られている。しかし、制御に際しては、線形の応答特性を持った圧電素子を持つほうが、制御がより容易である。このような場合には、入力電圧に対する伸張量応答が線形である位置フィードバックコントロール付きのピエゾ素子を用いることができる。このような動作制御は、図8の制御駆動回路9で行う。
また、アクチュエータは、上記の圧電素子に限定する必要はなく、ムービングコイルや磁歪素子などの高速動作が可能なアクチュエータであれば、本発明に適用することができる。
上記の実施例では、引っ張り手段として引っ張り棒22と板バネ31を用いる例を示したが、板バネ31は、図11(a)と(b)に示す様に、圧縮バネ34や引っ張りバネ35を用いることもできる。また、引っ張り棒22の代わりに図12に示す様に、ワイヤーを用いることもできる。特に、弾力性のあるワイヤーを用いることで、上記のバネを代用できる。
さらに、上記の引っ張り手段では、バネを用いる例を示したが、鏡の方位の可動範囲が小さくてもよい場合は、上記のバネを省略することができる。
上記の構成に於いて反射鏡の方位を変える際に、支持基板21の中央穴28の位置が変わらない不動点になるように、それぞれのアクチュエータの駆動量を設定することが望ましい。この動作制御は、図8の制御駆動回路9で行う。
以上述べたように、本発明の可動鏡機構により光通信装置の性能向上や小型軽量化が進む。特に重量や容積に厳しい条件が課せられる人工衛星の光通信装置に応用するとよい。光空間通信を宇宙と地上間で行うときに、大気による揺らぎが大きな問題となる。この揺らぎの周波数成分は2kHz程度にまで及ぶことがわかっている。そのため、可動鏡機構の周波数応答も2kHz以上が必要となる。従来の2軸型のガルバノミラーでは、周波数応答限界は50から100Hz程度であったため、本発明を適用する効果が大きい。さらに、図2に示す可動鏡機構を試作して評価したところ所望の性能が出ることが確認され、重量も40%以上軽量化できることが確認された。
1 可動鏡機構
2 集光器
3 レンズ
4 ビームスプリッタ
5 レーザー
6 ハーフミラー
7 受光素子
8 位置検出素子
9 制御駆動回路
21 支持基板
22 引っ張り棒
23 圧電駆動素子
24 球体関節部材
25 位置決めナット
26 光反射鏡保持部材
27 光反射鏡
28 中央穴
29 球受け穴
30 位置決め管
31 板バネ
32 外側支持部材
33 内側支持部材
34 圧縮バネ
35 引っ張りバネ
36 ワイヤー

Claims (10)

  1. 光通信装置の入力部または出力部に用いて通信光の光軸あわせを行なう可動鏡機構であって、
    保持基板に固定された反射鏡と、
    上記保持基板を動かして、その法線方向の方位を調整するアクチュエータと、
    上記保持基板と枢結し上記アクチュエータと上記保持基板を連接させるための引っ張り手段と、
    上記引っ張り手段と上記アクチュエータとを持設する支持基板と、
    上記アクチュエータを制御する制御器と、
    を備え、
    上記制御器は、上記保持基板と上記引っ張り手段とを枢結する部分が不動点であるように上記アクチュエータを駆動するものであることを特徴とする可動鏡機構。
  2. 上記引っ張り手段と上記保持基板とを枢結するバネ機構を備え、
    上記バネ機構は、回転対称性を有する板バネであることを特徴とする請求項1に記載の可動鏡機構。
  3. 上記引っ張り手段と上記保持基板とを枢結するバネ機構を備え、
    上記バネ機構は、コイルバネであることを特徴とする請求項1に記載の可動鏡機構。
  4. 上記引っ張り手段は、引っ張り棒または引っ張りワイヤーであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の可動鏡機構。
  5. 上記アクチュエータは、圧電駆動素子であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の可動鏡機構。
  6. 上記アクチュエータは複数であって、上記引っ張り手段の周りを取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の可動鏡機構。
  7. 上記アクチュエータ数は2であって、
    さらに上記保持基板を持設する保持棒を含み、
    上記アクチュエータと上記保持棒とは上記引っ張り手段の周りを取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の可動鏡機構。
  8. 上記引っ張り手段と上記保持基板とを枢結する部分は、反射鏡を固定した保持基板の重心にあることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の可動鏡機構。
  9. 2軸方向に揺動する光反射鏡の保持基板と、該保持基板を4個の直進駆動の圧電駆動素子により駆動し、前記保持基板と前記圧電駆動素子との接続間に、それぞれの前記圧電駆動素子の上部に貼り付けられた球体関節部材を直列に配列し、前記4個の圧電駆動素子の中央に配置された1本の引っ張り棒により前記保持基板を引っ張り、前期圧電駆動素子に圧接することを特徴とする請求項1に記載の可動鏡機構。
  10. 2軸方向に揺動する光反射鏡の保持基板と、該保持基板を3個の直進駆動の圧電駆動素子により駆動し、前記保持基板と前記圧電駆動素子との接続間に、それぞれの前記圧電駆動素子の上部に貼り付けられた球体関節部材を直列に配列し、前記3個の圧電駆動素子の中央に配置された1本の引っ張り棒により前記保持基板を引っ張り、前期圧電駆動素子に圧接することを特徴とする請求項1に記載の可動鏡機構。
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