JP2000338430A - ミラー傾動機構 - Google Patents

ミラー傾動機構

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JP2000338430A
JP2000338430A JP14967399A JP14967399A JP2000338430A JP 2000338430 A JP2000338430 A JP 2000338430A JP 14967399 A JP14967399 A JP 14967399A JP 14967399 A JP14967399 A JP 14967399A JP 2000338430 A JP2000338430 A JP 2000338430A
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central axis
actuator
counter plate
joint
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Masatake Tabata
真毅 田畑
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外形寸法の過大化なしに広範囲な変位縮小率
又は拡大率を選択でき、反力モーメントの漏洩を防止
し、精度確保も容易なミラー傾動機構を提供する。 【解決手段】 ミラー1と、ミラー1背面においてミラ
ー面に垂直な中心軸3周りに均等配置された複数の第1
ジョイント2と、第1ジョイント2により一端をミラー
1に結合され中心軸3に対して放射状に均等配列された
複数のレバー4と、中心軸3から等距離にあるレバー4
の各他端に結合された複数の第2ジョイント6と、同じ
く等距離にあるレバー4の中間部分の各1点を支持する
複数の第1ピボット5と、第2ジョイント6により各レ
バー4に結合されるカウンタプレート7と、中心軸3に
関してレバー4と同一位相又は任意の位相ずれて中心軸
から等距離に配置され、カウンタプレート7に中心軸方
向の移動及び中心軸3に垂直かつ相互に直交する2軸回
りの傾動をさせる複数のアクチュエータ8と、を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信アンテナや
光学望遠鏡、あるいは光ビーム偏向装置などにおいて、
光ビーム指向方向を精密に制御するための反射ミラー傾
動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のミラー傾動機構として、例えば特
開平8−152575号公報に示された光ビーム偏向器
のミラー傾動機構がある。図9はこの従来技術によるミ
ラー傾動機構を示すもので、図において、51は反射ミ
ラー、54は反射板、55はピエゾ素子、56、57、
58はそれぞれ弾性ヒンジ部、63は支持台、64は伝
達部、65はアーム、66はダンパ、67は基板、68
は台である。台68、弾性ヒンジ部56および反射板5
4により偏向部が構成され、また、支持台63、伝達部
64、弾性ヒンジ部57、58、アーム65により変位
拡大・伝達機構部が構成される。
【0003】光ビームを反射させるミラー51は、前記
偏向部の台68と弾性ヒンジ部56を介して連結された
反射板54上に固着されている。ここでは、反射ミラー
51を固着した反射板54の片方の端(図では右端部)
で、支持台63と弾性ヒンジ部57を介して回動可能に
連結されたアーム65が支持点60で支持され、前記ア
ーム65の駆動により反射ミラー51が変位し、弾性ヒ
ンジ部56を支点にして反射ミラー51が回動するよう
になっている。
【0004】アーム65の先端部は、L字型に整形され
る。そして、伝達部64、アーム65、弾性ヒンジ部5
7、58は、支持台63と一体部品となっており、これ
によって前記変位拡大・伝達機構部が構成されている。
また、前記偏向部の台68と、前記変位拡大・伝達機構
部の支持台63との間に、電圧を印加すると長手方向に
伸縮する圧電アクチュエータであるピエゾ素子55が設
けられ、このピエゾ素子55の上端部に前記アーム65
に弾性ヒンジ部58を介して連結された伝達部64が、
前記ピエゾ素子55の伸びまたは収縮の変形に応じて変
位するように接続されている。
【0005】ここで、ピエゾ素子55に電圧を印加し、
ピエゾ素子55が長手方向に伸縮すると、その変位は、
伝達部64から弾性ヒンジ部58を介してアーム65に
伝達される。すると、ピエゾ素子55の伸縮による変位
は、弾性ヒンジ部57両側のアーム長さに比例して拡大
され、アーム65は弾性ヒンジ部57を支点として回動
し、支持点60で接続された反射板54に固着された反
射ミラー51が、弾性ヒンジ部56を支点として回動
し、光ビームを偏向する。
【0006】しかし、以上のようなミラー傾動機構で
は、変位拡大比を大きくとろうとすると、弾性ヒンジ部
57とアーム65の先端までの距離を長くする必要が生
じて全体としての寸法が過大になったり、あるいは、全
体寸法を一定以内に保ったままで変位拡大比を大きくと
ろうとすると、弾性ヒンジ部57と58との間の距離を
極端に短くしなければならず、アクチュエータ55がこ
の寸法内に実装できなくなるという問題があった。また
逆に変位拡大比を1よりかなり小さく(すなわち縮小)
しようとしても、同様にアーム長さを長くしなければな
らず、全体寸法を小型化できないという問題があった。
【0007】また、このような構成のミラー傾動機構で
は、反射板54に固着されたミラー51が傾動する場合
に生ずる反力モーメント(トルク)がそのまま基板67
に伝達され、この傾動機構(偏向器)の外部に漏洩する
ので、―般に高精度を保たねばならない傾動機構が取り
つけられた光学装置に外乱力をおよぼし、悪影響を与え
るという間題点があった。
【0008】従来技術によるミラー傾動機構の別の実施
例として、SPIE Vol.1920、pp353−
363に示されたミラー傾動機構がある。これを図10
に模式的に示す。図で80はリアクションマスである。
この実施例においては、ピエゾアクチュエータ75は、
弾性ヒンジ79を介して支持台に結合されたミラーセル
72(ミラー71はミラーセル72に固着されている)
と、リアクションマス80との相互間に配設されてお
り、ミラー71とミラーセル72を傾動させることによ
って発生する反力モーメント(トルク)は、リアクシヨ
ンマス80が同じアクチュエータによって反対方向に傾
動されることにより吸収されるため、上記のような反力
モーメント(トルク)の外部への漏洩という問題は発生
しないようにできる。
【0009】しかしながらこの実施例では、ミラー71
の傾動量は概ねアクチュエータ75のストロークと取付
け位置のみによって決定されてしまい、全体としての大
きさとアクチュエータが決定されてしまうと、傾動量あ
るいはその分解能を自由に設計することができないとい
う問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解決するためになされたものであり、外形寸法を過
大にすることなく変位縮小率あるいは拡大率を広い範囲
で選ぶことができ、また反力モーメントの漏洩を防止す
ることができ、精度確保もしやすいという、優れたミラ
ー傾動機構を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明が提供する手段は以下のとおりである。ちな
わち、請求項1に記載の本発明にかかるミラー傾動機構
は、光反射面を有する概略平板形状のミラーと、そのミ
ラー背面あるいは側面において、ミラー面に垂直な軸
(以下、中心軸と呼ぶ)を中心とした円周上に均等間隔
に配置された傾動自在な複数の第1ジョイントと、その
各第1ジョイントを介して一端を前記ミラーに結合さ
れ、前記中心軸に対して放射状に均等間隔に配列された
複数のレバーと、前記中心軸から等距離にある前記各レ
バーの他端に結合された傾動自在な複数の第2ジョイン
トと、前記中心軸から等距離にある前記各レバーの中間
部分のある1点を傾動自在に支持する複数の第1ピボッ
トと、前記各第2ジョイントを介して前記各レバーに結
合されるカウンタプレートと、前記中心軸に関して前記
レバーと同一位相もしくは任意の位相ずれて前記中心軸
から等距離に配置され、前記カウンタプレートの前記中
心軸方向の移動及び前記中心軸に垂直でかつ相互に直交
する2軸回りの傾動を行うための複数のアクチュエータ
と、を備えたことを特徴としている。
【0012】請求項2に記載の本発明にかかるミラー傾
動機構は、前記構成要素の内、各「複数の」が全て「4
つの」、もしくは全て「3つの」であることを特徴とし
ている。すなわち、中心軸を囲んでレバーが120゜対
向で3本配設されており、あるいは、中心軸を囲んでレ
バーが90゜対向で4本配設されており、レバーに結合
されているジョイントはいずれも中心軸に垂直な2軸ま
わりに傾動可能、ピボットはレバーの長手方向に垂直な
軸まわりに1軸傾動可能とし、アクチュエータは中心軸
を囲んで120゜対向で3本、あるいは、中心軸を囲ん
で90゜対向で4本配設されているようにしたものであ
る。
【0013】請求項3に記載の本発明にかかるミラー傾
動機構は、前記構成要素の内、各「複数の」が全て「2
つの」であり、前記アクチュエータは、前記中心軸に関
して前記レバーと同一位相に配置され、前記カウンタプ
レートに前記中心軸方向の移動及び前記中心軸に垂直な
軸回りの傾動をさせるものであることを特徴としてい
る。
【0014】請求項4に記載の本発明にかかるミラー傾
動機構は、前記アクチュエータが剛性の高い変位拘束型
アクチュエータであって、そのアクチュエータを前記カ
ウンタプレートに連結して用いることを特徴としてい
る。
【0015】請求項5に記載の本発明にかかるミラー傾
動機構は、前記カウンタプレートの傾動中心を傾動自在
な第2ピボットで支持し、前記アクチュエータが非接触
型のアクチュエータであることを特徴としている。すな
わち、アクチュエータの作用点と同等の位置において、
カウンタプレートに対しZ軸方向(中心軸方向)の前後
進力を作用させる力アクチュエータを用いるものであ
る。カウンタプレートの傾動中心位置において、Z軸方
向の動きを拘束し、カウンタプレートの傾動のみをさせ
るための構成である。
【0016】請求項6に記載の本発明にかかるミラー傾
動機構は、前記各ピボットおよび各ジョイントの一部も
しくは全部が、弾性変形を利用して傾動自由度を実現す
る弾性ヒンジであることを特徴としている。
【0017】請求項7に記載の本発明にかかるミラー傾
動機構は、前記中心軸に垂直な方向の距離に関し、前記
中心軸と前記第1ジョイントとの間をR1、前記第1ジ
ョイントと前記第1ピボットとの間をR2、前記第1ピ
ボットと前記第2ジョイントとの間をR3、前記第2ジ
ョイントと前記中心軸との間をR4、前記カウンタプレ
ートに対する前記アクチュエータの作用点と上記中心軸
との間をR5、とそれぞれしたとき、これらの間に R1>R4、R5>R4、R3>R2 の関係が成り立つように構成したことを特徴としてい
る。この構成は、アクチュエータの移動量を縮小してミ
ラーを傾動させるためのものである。
【0018】請求項8に記載の本発明にかかるミラー傾
動機構は、前記請求項7に定義したものと同一の定義に
よるR1、R2、R3、R4,R5において、 R1<R4、R5<R4、R3<R2 の関係が成り立つように構成したことを特徴としてい
る。この構成は、アクチュエータの移動量を拡大してミ
ラーを傾動させるためのものである。
【0019】請求項9に記載の本発明にかかるミラー傾
動機構は、前記ミラーの傾動軸まわりの慣性モーメント
をL1、前記カウンタプレートの傾動軸まわりの慣性モ
ーメントをL2としたとき、前記R1、R2、R3、R
4との間に、 L1/L2=(R3/R2)×(R1/R4) の関係が成り立つように構成したことを特徴としてい
る。このように構成することによって、ミラーの傾動に
よって生ずる反力モーメント(トルク)と、カウンタプ
レートの傾動によって生ずる反力モーメントとを相殺す
るものである。
【0020】そして、請求項10に記載の本発明にかか
るミラー傾動機構は、前記カウンタプレートの傾動角を
計測するための傾動センサを更に備えていることを特徴
としている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる各種実施
の形態について説明する。 <実施の形態1>図1は、本発明にかかるミラー傾動機
構の第1の実施の形態を示した模式断面図である。図に
おいて、1は光反射面を有する概略平板形状のミラー、
2は傾動自在な第1ジョイントで3の中心軸に関して対
称位置に配置されている。4は第1ジョイント2を介し
て一端でミラーに結合され、上記中心軸3に関して対称
に配置されたレバー、5は上記中心軸3に関して対称に
位置する上記各レバー4の中間部分のある1点を傾動自
在に支持する第1ピボット、6は上記各レバー4の他端
に結合された傾動自在な第2ジョイント、7は上記第2
ジョイント6を介してレバー4に結合されるカウンタプ
レート、8は上記カウンタプレートを上記中心軸に対し
て垂直な軸回り(この図では紙面に垂直な軸回り)に傾
動させるアクチュエータ、9は上記アクチュエータ8お
よび第1ピボット5を一体的に保持するベース、10は
与圧ばね、である。本実施の形態では、説明容易化のた
め、レバー4を対称位置に2つ配して、ミラー1を上記
のように紙面に垂直な1軸回りに傾動させる構成を示し
たものである。
【0022】ここで、前記アクチュエータ8は、中心軸
3に平行な方向に伸縮動作可能なリニアアクチュエータ
である。一例としてモータとボールネジを組み合せた伸
縮アクチュエータを用いたものを示すが、同等の機能を
有するものであれば原理を問わずアクチュエータ8とし
て利用できることは言うまでもない。アクチュエータ8
の先端には、曲げモーメントを開放するために先端が半
球面状に加工された11のトップピースが具備されてい
る。また、与圧ばね10は、前記アクチュエータ8に常
時圧縮力を加えておき、前記アクチュエータ8のバック
ラッシュを抑圧するためのものである。
【0023】なお、本実施の形態では、ピボットおよび
ジョイントはすべて弾性変形を利用して回転動作を実現
する弾性ヒンジで構成されている。また、上記ジョイン
ト2と6、ピボット5、レバー4の配置は、すべて中心
軸3に関して対称な配置となっている。
【0024】図2は、図1の各部の寸法を模式的に示し
たものである。図において、R1からR4は、全て中心
軸3に垂直な方向の距離を示したもので、R1は中心軸
3と第1ジョイント2との間の距離、R2は第1ジョイ
ント2と第1ピボット5との間の距離、R3は第1ピボ
ット5と第2ジョイント6との間の距離、R4は第2ジ
ョイント6と中心軸3との間の距離、R5は上記カウン
タプレート7に対するアクチュエータ8の作用点と上記
中心軸との間の距離であり、これらの間に、 R1>R4、R5>R4、R3>R2 (式1) の関係が成り立つように構成されている。
【0025】ここで、ミラーの傾動軸まわりの慣性モー
メントをL1,カウンタプレートの傾動軸まわりの慣性
モーメントをL2としたとき、 L1/L2=(R3/R2)×(R1/R4) (式2) の関係が成り立つように、ミラー1およびカウンタプレ
ート7の傾動軸まわりの慣性モーメントは構成されてい
る。また、レバー4の慣性モーメントは、ミラー1およ
びカウンタプレート7の慣性モーメントに比べて十分に
小さいように構成されている。
【0026】本実施の形態において、アクチュエータ8
は、図示しない駆動制御装置からの司令により伸縮動作
させられ、カウンタプレート7に作用してこれを傾動さ
せる。図3は、この時の様子を図示したものである。図
において、8a、8bは、中心軸に関して対称に配置さ
れたアクチュエータで、8aはある量Zaだけ変位し
(伸ばされ)、同時に8bは−Zaだけ変位した(Za
だけ縮められた)状態を示している。θ2はこの状態で
のカウンタプレートの傾動角であり、θ1は同じくミラ
ーの傾動角である。傾動角は図3上で反時計回りを正と
する。
【0027】いま、上述のように、アクチュエータ8a
がZaだけ変位し、同時に8bが−Zaだけ変位して、
カウンタプレート7が角度θ2傾動したとき、 θ2=Za/R5 (式3) なる関係がある。このとき、レバー4aはピボット5a
を支点とし、ジョイント6aを力点、ジョイント2aを
作用点とみなせる「てこ」として動作し、ジョイント2
aは図上で−Z方向に変位する。このときのジョイント
2aの変位量をZ 2aとすると、 Z2a=−{(R2×R4)/(R3×R5)}×Za (式4) となる。
【0028】同じく、ジョイント2bもレバー4bのて
こ動作によって変位し、その変位量をZ2bとすると Z2b={(R2×R4)/(R3×R5)}×Za (式5) となる。従って、ミラー1はジョイント2a,2bの互
いに逆方向の変位によって傾動し、その傾動角θ1は、 θ1=(Z2a−Z2b)/(2×R1) =−{(R2×R4)/(R3×R5)}×(Za/R1) (式6) となる。
【0029】従って、傾動角比θ1とθ2の比は、 θ1/θ2=−{(R2×R4)/(R3×R5)}×(R5/R1) =−(R2×R4)/(R3×R1) (式7) となる。すなわち、ミラーの傾動角θ1とカウンタプレ
ートの傾動角θ2は方向が逆で、絶対値の比が |θ1/θ2|=(R2×R4)/(R3×R1) (式8) となる。
【0030】ここで、ミラーの傾動軸まわりの慣性モー
メントをL1,カウンタプレートの傾動軸まわりの慣性
モーメントをL2としたとき、式2に示したとおり、 L1/L2=(R3/R2)×(R1/R4) (式2) の関係が成り立つように、ミラー1およびカウンタプレ
ート7の傾動軸周まわりの慣性モーメントは構成されて
いる。従って、ミラーの傾動角θ1とカウンタプレート
の傾動角θ2、およびミラーの傾動角まわりの慣性モー
メントL1とカウンタプレートの傾動角まわりの慣性モ
ーメントL2の間に、 θ1/θ2=−L2/L1 の関係が成り立つ。
【0031】さらに、レバー4の慣性モーメントはミラ
ー1およびカウンタプレート7の慣性モーメントに比べ
て十分に小さいように構成されているので、結局、上記
の傾動動作において、カウンタプレート7が傾動するこ
とによって発生する反力モーメント(トルク)と、ミラ
ー1が傾動することによって発生する反力モーメント
(トルク)とが釣り合って互いにキャンセルする。従っ
て、本傾動機構は、ミラー1の傾動動作によって発生す
る反力モーメント(トルク)を、本機構の外部に漏洩す
ることがなくなり、本機構を搭載した光通信アンテナや
望遠鏡などに外乱をおよぼさない、優れたミラー傾動機
構を提供することができる。
【0032】さらにここで、本実施の形態においては、 R2<R3、R4<R1、R5>R4 としているので、上記式8の値は非常に小さい値とする
ことができる。具体的な数値例として、たとえば、 R1=27、R2=3、R3=18、R4=6、R5=
18 とすれば、 |θ1/θ2|=(R2×R4)/(R3×R1)=
(3×6)/(8×27)=1/27 となり、このような非常に小さい傾動角比率を無理なく
実現することができる。
【0033】従って、アクチュエータ8として、分解能
の粗いアクチュエータを用いたとしても、上記傾動角比
率によって傾動角が縮小されるため、機構全体としては
分解能の高い微細なミラー傾動角制御が可能となる。一
般に分解能の粗いアクチュエータは、高分解能を持つも
のに比較して安価であるため、本発明を利用することに
より、高分解能のミラー傾動機構を安価に提供すること
ができる。また、何らかの環境条件によって、使用でき
るアクチュエータが限られており、使用できるアクチュ
エータの分解能が単体では不足しているような場合であ
っても、上記機構によって分解能を高めて使用すること
ができる。
【0034】上記のような傾動角比率について、たとえ
ば、カウンタプレートが具備されずアクチュエータ8が
第2ジョイント6を直接押すような機構や、あるいはレ
バー4がなく第2ジョイント6が直接にミラー1に接合
されているような機構で同様の傾動角比率を達成しよう
とすると、アクチュエータの実装スペースが極端な制約
を受け事実上実現困難になったり、ミラーを支えるジョ
イントが近接しすぎて取付けが不安定になるなどの障害
が生じる。
【0035】また、第1ピボット5を、第1ジョイント
2よりも中心軸3から遠い側に設置してレバー4を同じ
く遠い側に長くすることも考えられるが、その場合には
全体としての包絡域が大きくなり小型化には適さない。
本発明によれば、同じ傾動角比率に対して、レバー4の
てこ比や、第2ジョイント位置とカウンタプレート7の
大きさの組み合わせを適切に選ぶことができるので、ア
クチュエータの実装スペースをアクチュエータの大きさ
に合わせて無理なく設定することができ、設計の自由度
が大きく、機構の実現性が高い。また、ミラー1の支持
点間隔も広くとることができるので構造的にも安定であ
る。また、全体としてミラー1の外径と同じ程度の領域
内に全機構を収納することができるので、小型化にも適
する。
【0036】また、上記において、ジョイントおよびピ
ボットとして、弾性変形を利用して回転動作を実現する
弾性ヒンジを用いたので、ピンジョイント等を用いた場
合に比較して、機構的なガタやヒステリシスの影響が無
くなり、より高精度の傾動機構を得ることができる。
【0037】なお、上記傾動の説明においては、左右の
アクチュエータ8a,8bを、符号を異にした同一量そ
れぞれ伸・縮することによりミラー1を傾動するものと
したが、これを同一符号での移動、もしくは片方のみの
伸縮や左右間での異なる移動量の伸縮などにより、中心
軸3の方向、すなわち図面上でZ方向へのミラー1の前
進、後退を加えることができ、例えば傾動と同時にミラ
ー面1を前後進移動させて、このミラー傾動機構を組み
入れた光学系の焦点位置調整などの目的にも供すること
ができる。
【0038】<実施の形態2>図4は、本発明にかかる
第2の実施の形態を示す図で、前記実施の形態1のミラ
ーに相当する部分を、ミラー上面(Z方向)から見た模
式図である。本実施の形態においては、中心軸3を囲ん
でレバー14が120゜対向で3本配設されており、こ
れに結合されているジョイント12、16はいずれも中
心軸3に垂直な2軸まわりに傾動可能、ピボット15は
レバーの長手方向に垂直な軸まわりに1軸傾動可能とな
っている。アクチュエータ18は中心軸3を囲んで12
0゜対向で3本配設されている。その他の構成は先の実
施の形態1と同様である。
【0039】このような配置構成とすることにより、カ
ウンタプレート7を、3本のアクチュエータ18を協調
動作させて2軸回転させ、さらにはZ方向に前後進させ
ることもできる。従って、ミラー面1を2軸まわりに傾
動させて光ビーム方向を傾動させることが可能になり、
更にはミラー面1を前後に移動させて、このミラー傾動
機構を組み入れた光学系の焦点位置調整などの目的にも
供することができる。このとき重要なことは、先の(式
8)において、傾動角θ1とθ2の比が、R1、R2、
R3、R4によって決定されており、結果的にはR5の
値には直接に依存しないことである。すなわち、傾動角
比は、アクチュエータの取り付け位置に直接には依存せ
ず、カウンタプレートに接合された複数のアクチュエー
タを適切に協調させてカウンタプレートをθ2だけ傾動
させるようにできる構成であれば、アクチュエータの取
り付け位置にかかわらず、望ましい傾動角比が得られる
ことを示している。アクチュエータが3本以上の場合、
先の説明におけるR1、R2、R3、R4の長さは、あ
る所望の傾動軸に対し垂直な平面への各長さの投影にな
るが、いずれにせよカウンタプレートの傾動角とミラー
の傾動角の比はこれらの4つのパラメータによって規定
されるので、カウンタプレートに接合された複数のアク
チュエータを適切に協調させてカウンタプレートを所望
量だけ傾動させるようにできる構成であれば、アクチュ
エータの取り付け位置にかかわらず、望ましい傾動角比
を得ることができる。これらの傾動及び前後進移動のた
めに必要な各アクチュエータ18の伸縮移動量は,前記
図示しない駆動制御装置により計算され、各アクチュエ
ータ18毎に司令される。
【0040】なお、図4では、アクチュエータ18の取
付け位置とレバー14の取付け位置とを、中心軸3回り
に半位相、すなわち60゜位相をずらした配置とした例
を図示しているが、アクチュエータ18の取付け位置
と、レバー14の取付け位置とは同位相であっても、更
にはある一定の位相ずらした配置であっても差し支えな
い。このような構成によっても同等の効果を発揮するこ
とができるが,例えばミラー1を同一角度傾動させる場
合の各アクチュエータ18の伸縮移動量は、これらの各
構成間では異なるものとなる。これはカウンタプレート
7とレバー14を結ぶ第2ジョイント16に対するアク
チュエータ18の位置関係が異なることによるもので、
この場合にも各必要なそれぞれのアクチュエータ18の
伸縮移動量は、前記駆動制御装置で計算されアクチュエ
ータに司令される。
【0041】また、本実施の形態のようにレバー14を
3本、あるいはそれ以上設けることによりミラー1を2
軸方向に傾動させる場合においても、先の実施の形態と
同様にミラー1の傾動によって生ずる反力モーメント
(トルク)を、カウンタプレート7の傾動による反力モ
ーメント(トルク)で相殺することができるが、そのた
めには、先の実施の形態で定義した内容において、 L1/L2=(R3/R2)×(R1/R4) (式2) の関係が成立するようにしなければならない。図4に示
す例においては、ミラー1及びカウンタプレート7とも
円形平面形状となっているが、上記式2を満足するもの
は円形に限定されるものではない。すなわち、ミラー平
面形状として、例えば楕円、矩形なども考えられるが、
これら形状の場合においてもそのミラーが2軸方向に傾
動する場合に、その任意の傾動軸において上記式2を満
足させるためには、カウンタプレートの平面形状を一般
にミラー平面形状の相似形とすることが対応上好ましい
ものとなる。
【0042】<実施の形態3>図5は、本発明にかかる
第3の実施の形態を示す図で、前記実施の形態1のミラ
ーに相当する部分をミラー上面(Z方向)から見た模式
図である。本実施の形態においては、中心軸3を囲んで
レバー24が90゜対向で4本配設されており、またア
クチュエータ28は、中心軸3を囲んで90゜対向で4
本、上記レバー24と同位相で配設されている。その他
の構成は実施の形態1と同様である。
【0043】このような配置構成によっても、上記実施
の形態2と同様、4本のアクチュエータ28を協調動作
させてカウンタプレート7を2軸回転させ、さらにはZ
方向に前後進もさせることができる。従って、上記実施
の形態2と同様、ミラ一面を2軸まわりに傾動させて光
ビーム方向を傾動させることが可能になり、さらには、
ミラー面を前後に移動させて、このミラー傾動機構を組
み入れた光学系の焦点位置調整などの目的にも供するこ
とができる。また、ミラー1の傾動によって生ずる反力
モーメント(トルク)を、カウンタプレート7の傾動に
よる反力モーメント(トルク)によって相殺することが
できる。なお,本実施の形態においても、アクチュエー
タ28と各レバー24とを半位相ずらして配置したり、
あるいは任意の中間位置に位相をずらして配置すること
も可能であり、その場合の各アクチュエータ28伸縮移
動量が変化する点も,先の実施の形態2と同様である。
その際複数のアクチュエータは、軸3を中心とする同一
円周上に均等に配置することが制御上好ましいが、これ
に限定するものではない。又、先の実施の形態2及び本
実施の形態3において、レバーとアクチュエータとをそ
れぞれ3本もしくは4本として両者の数を一致させてい
るが、これを例えばレバーは3本でアクチュエータは4
本という組合せにするなど、異なる本数のレバーとアク
チュエータを任意に組合せることも可能である。
【0044】<実施の形態4>図6は、本発明にかかる
第4の実施の形態を示す断面模式図で、図において、3
2はカウンタプレート7の中心軸上を傾動自在に支持す
る第2ピボットである。38と39とは、カウンタプレ
ート7に対し、前記実施の形態1におけるアクチュエー
タ8の作用点と同等の位置においてZ方向の移動力を作
用させる力アクチュエータである。たとえばここでは、
電磁石38が鉄片39と対向することにより吸引力を発
生する非接触の磁気アクチュエータを例示している。
【0045】本実施の形態においては、上記第2ピボッ
ト32を具備することにより、カウンタプレート7のZ
方向の移動変位が拘束され、従ってミラー1のZ方向の
前後進変位が拘束される。すなわち、ミラー1の傾動動
作だけが必要で、ミラー1のZ方向の移動動作は不必要
である場合に、このような構成とすることにより確実に
前後進動作が生じないように拘束することができる。上
記ピボット32の存在によって、傾動動作には何ら障害
は生じないことは言うまでもない。
【0046】なおこのとき、アクチュエータ38,39
として、アクチュエータ8と同様の高剛性の変位拘束型
アクチュエータを用いると、第2ピボット32のZ方向
拘束とアクチュエータによるZ方向拘束が干渉しあっ
て、第2ピボット32に過大な負荷荷重が作用して壊れ
る場合がある。しかし、本実施の形態のように力アクチ
ュエータ38及び39を用いることで、上記干渉の問題
は生じないようにすることができる。
【0047】<実施の形態5>図7は、本発明にかかる
第5の実施の形態を示す図で、図面上で示す中心軸3に
垂直な方向の各距離R1、R2、R3、R4、R5は、
それぞれ実施の形態1と同様で、すなわちR1は中心軸
3と第1ジョイント2との間の距離、R2は第1ジョイ
ント2と第1ピボット5との間の距離、R3は第1ピボ
ット5と第2ジョイント6との間の距離、R4は第2ジ
ョイント6と中心軸3との間の距離、R5は上記カウン
タプレート7に対するアクチュエータ8の作用点と上記
中心軸との間の距離であり、本実施の形態においては、
これらの間で、 R1<R4、R5<R4、R3<R2 となるように構成されている。その他の構成は、実施の
形態1ないし4と同様である。したがって、上記の傾動
動作において、カウンタプレート7が傾動することによ
って発生する反力モーメント(トルク)と、ミラー1が
傾動することによって発生する反力モーメント(トル
ク)とが釣り合い、ミラー1の傾動動作によって発生す
る反力モーメント(トルク)を、本機構の外部に漏洩す
ることがなくなるという利点があるばかりでなく、本構
成によれば、式8の値を非常に大きい値とすることがで
きる。具体的な数値例として、たとえば、 R1=6、R2=18、R3=3、R4=27、R5=
6 とすれば、 |θ1/θ2|=(R2×R4)/(R3×R1)=
(18×27)/(3×6)=27/1 すなわち、27倍という非常に大きな傾動角比率を無理
なく実現することができる。
【0048】従って、アクチュエータ8として、ストロ
ークの小さいアクチュエータを用いたとしても、上記傾
動角比率によって傾動角が拡大されるため、広いストロ
ークのミラー傾動角制御が可能となる。ストロークの小
さいアクチュエータは一般に小型軽量であるため、本発
明により、小型軽量で広ストロークのミラー傾動機構を
提供することができる。また、何らかの環境条件によっ
て、使用できるアクチュエータが限られており、使用で
きるアクチュエータのストロークが単体では不足してい
るような場合であっても、上記機構によってストローク
を広げて使用することができる。ここでアクチュエータ
8として、たとえば圧電素子を用いることができる。
【0049】<実施の形態6>図8は、本発明にかかる
第6の実施の形態を示す図で、図において、45はカウ
ンタプレートのベースに対する相対的な傾動角を計測す
る傾動センサ、46はカウンタプレート上でその傾動角
センサ45を保持するステイである。この実施の形態で
は、傾動角センサ45によって、カウンタプレート7の
傾動角を計測することができ、ミラー1の傾動角は、先
の式6あるいは式7によりカウンタプレートの傾動角か
ら推定できるので、より高精度のミラー傾動角制御が可
能となる。
【0050】このとき、傾動角比が式7によって適宣設
定できるので、必要なミラー1の傾動角精度と、使用で
きるセンサー45の計測精度の組み合わせを適宣選択す
ることができ、たとえば、非常に高分解能のミラー傾動
角制御を行う場合でも、センサ45は比較的粗い安価な
センサを用いたり、あるいは逆に、非常に広いストロー
クのミラー傾動角制御が必要な場合でも、センサ45と
して比較的小さいレンジの小型のものを用いるなどの組
み合わせが可能となる。
【0051】なお、図8は、レバー4が対称位置に2つ
配置された例を示しているが、レバー4を3つもしくは
それ以上の数として2軸傾動させる場合でも、同様に傾
動角の測定が可能である。その場合には前記ステイ46
を少なくとも3本設けることが望ましく、また傾動角セ
ンサ45は2軸測定が可能なものとする必要がある。前
記ミラー傾動角制御は,このセンサ45からの信号を前
記駆動制御装置に入力し、必要な各アクチュエータ8の
伸縮移動量を算出することにより行われる。
【0052】
【発明の効果】以上のように構成される本発明により、
以下に記載するような各種効果を得ることができる。ま
ず、本発明の実施により、自在な傾動角比率を無理なく
実現することができる。従って、大きい傾動角比を実現
した場合には、その傾動角比率によって傾動角が縮小さ
れるため、分解能の粗いアクチュエータを用いたとして
も、機構全体として高い分解能のミラー傾動角制御が可
能となり、したがって高分解能のミラー傾動機構を安価
に提供することができる。また、何らかの環境条件によ
って、使用できるアクチュエータが限られており、使用
できるアクチュエータの分解能が単体では不足している
ような場合であっても、上記機構によって分解能を高め
て使用することができる。
【0053】また、小さい傾動角比率を実現した場合に
は、その傾動角比率によって傾動角を拡大することがで
きるため、ストロークの小さいアクチュエータを用いた
としても、機構全体として広いストロークのミラー傾動
角制御が可能となり、小型軽量で広ストロークのミラー
傾動機構を提供することができる。また、何らかの環境
条件によって、使用できるアクチュエータが限られてお
り、使用できるアクチュエータのストロークが単体では
不足しているような場合であっても、上記機構によって
ストロークを広げて使用することができる。
【0054】また、上記の構成によって、同じ傾動角比
率に対して、レバーのてこ比や、第2ジョイント位置と
カウンタプレートの大きさの組み合わせを適切に選ぶこ
とができるので、アクチュエータの実装スペースをアク
チュエータの大きさに合わせて無理なく設定することが
でき、設計の自由度が大きく、機構の実現性が高い。
【0055】また、ミラーの支持点間隔も広くとること
ができるので構造的にも安定である。
【0056】また、全体としてミラーの外径と同じ程度
の領域内に全機構を収納することができるので、小型化
にも適する。
【0057】また、ミラーの傾動角θ1とカウンタプレ
ートの傾動角θ2、およびミラーの傾動軸まわりの慣性
モーメントL1とカウンタプレートの傾動軸まわりの慣
性モーメントL2の間に、 θ1/θ2=−L2/L1 の関係が成り立ち、さらに、レバー4の慣性モーメント
はミラー1およびカウンタプレート7の慣性モーメント
に比べて十分に小さいように構成したので、カウンタプ
レートが傾動することによって発生する反力モーメント
(トルク)と、ミラーが傾動することによって発生する
反力モーメント(トルク)とが釣り合って互いにキャン
セルし、ミラーの傾動動作によって発生する反力モーメ
ント(トルク)を、本機構の外部に漏洩することがなく
なり、本機構を搭載する光通信アンテナや望遠鏡などに
外乱をおよぼさない優れたミラー傾動機構を得ることが
できる。
【0058】また、ジョイントおよびピボットとして、
弾性変形を利用して回転動作を実現する弾性ヒンジを用
いたので、ピンジョイント等を用いた場合に比較して、
機構的なガタやヒステリシスの影響が無くなり、より高
精度の傾動機構を得ることができる。
【0059】また、中心軸を囲んでレバーが複数本均等
に配設されており、これに結合されているジョイントは
いずれも中心軸に垂直な2軸まわりに傾動可能、ピボッ
トはレバーの長手方向に垂直な軸まわりに1軸傾動可能
とし,アクチュエータは中心軸を囲んで均等にレバーと
同数本配設されているようにしたので、そのアクチュエ
ータを協調動作させてカウンタプレートを2軸回転さ
せ、さらにはZ方向に前後進もさせることができる。従
って、ミラー面を2軸まわりに傾動させて光ビーム方向
を傾動させることが可能になり、さらには、ミラ一面を
Z軸方向に前後に移動させて、このミラー傾動機構を組
み入れた光学系の焦点位置調整などの目的にも供するこ
とができる。
【0060】また、カウンタプレートの中心軸上を傾動
自在に支持する第2ピボットを具備したので、カウンタ
プレートのZ方向の移動変位が拘束され、従ってミラー
のZ方向の前後進変位が拘束されるので、ミラーの傾動
動作だけが必要で、ミラーのZ方向の移動動作は不必要
である場合に、確実に前後進動作を生じないように拘束
することができる。またこのとき、アクチュエータの作
用点と同等の位置においてZ方向の前後進力を作用させ
る力アクチュエータを用いたので、ピボットのZ方向拘
束とアクチュエータによるZ方向拘束が干渉しあってピ
ボットに過大な負荷荷重が作用して壊れるという問題を
生じないようにすることができる。
【0061】また、カウンタプレートのベースに対する
相対的な傾動角を計測する傾動センサを設けたので、カ
ウンタプレートの傾動角を計測することができ、ミラー
の傾動角を推定できるので、より高精度のミラー傾動角
制御が可能となる。またこのとき、傾動角比が式7によ
って適宣設定できるので、必要なミラーの傾動角精度
と、使用できるセンサーの計測精度の組み合わせを適宣
選択することができ、たとえば、非常に高分解能のミラ
ー傾動角制御を行う場合でも、センサは比較的粗い安価
なセンサを用いたり、あるいは逆に、非常に広いストロ
ークのミラー傾動角制御が必要な場合でも、センサとし
て比較的小さいレンジの小型のものを用いるなどの組み
合わせが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるミラー傾動機構の実施の形態
を示した模式断面図である。
【図2】 図1に示すミラー傾動機構の各部寸法を示す
模式図である。
【図3】 図1に示すミラー傾動機構の動作状態を示す
模式図である。
【図4】 本発明にかかるミラー傾動機構の他の実施の
形態を示す模式図である。
【図5】 本発明にかかるミラー傾動機構の他の実施の
形態を示す模式図である。
【図6】 本発明にかかるミラー傾動機構の他の実施の
形態を示す模式断面図である。
【図7】 本発明にかかるミラー傾動機構の他の実施の
形態を示す模式断面図である。
【図8】 本発明にかかるミラー傾動機構の他の実施の
形態を示す模式断面図である。
【図9】 従来の技術によるミラー傾動機構を示す模式
図である。
【図10】 従来の技術による他のミラー傾動機構を示
す模式図である。
【符号の説明】
1:ミラー、 2:第1ジョイント、 3:中心軸、
4:レバー、 5:第1ピボット、 6:第2ジョイン
ト、 7:カウンタプレート、 8:アクチュエータ、
9:ベース、 10:与圧ばね、 12:第1ジョイ
ント、 14:レバー、 15:第1ピボット、 1
6:第2ジョイント、 18:アクチュエータ、 2
2:第1ジョイント、 24:レバー、 25:第1ピ
ボット、 26:第2ジョイント、 28:アクチュエ
ータ、 32:第2ピボット、 38:電磁石、 3
9:鉄片、 45:傾動センサ、 46:ステイ、 θ
1:ミラーの傾動角、 θ2:カウンタプレートの傾動
角。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反射面を有する概略平板形状のミラー
    と、 前記ミラー背面あるいは側面において、前記ミラー面に
    垂直な軸(中心軸)を中心とした円周上に均等間隔に配
    置された傾動自在な複数の第1ジョイントと、 前記各第1ジョイントを介して一端を前記ミラーに結合
    され、前記中心軸に対して放射状に均等間隔に配列され
    た複数のレバーと、 前記中心軸から等距離にある前記各レバーの他端に結合
    された、傾動自在な複数の第2ジョイントと、 前記中心軸から等距離にある前記各レバーの中間部分の
    ある1点を傾動自在に支持する複数の第1ピボットと、 前記各第2ジョイントを介して前記各レバーに結合され
    るカウンタプレートと、 前記中心軸に関して前記レバーと同一位相もしくは任意
    の位相ずれて前記中心軸から等距離に配置され、前記カ
    ウンタプレートの前記中心軸方向の移動及び前記中心軸
    に垂直でかつ相互に直交する2軸回りの傾動を行うため
    の複数のアクチュエータと、を備えたことを特徴とする
    ミラー傾動機構。
  2. 【請求項2】 前記構成要素にある各「複数の」の数
    が、全て「4つの」であること、もしくは全て「3つ
    の」であることを特徴とする、請求項1に記載のミラー
    傾動機構。
  3. 【請求項3】 前記構成要素にある各「複数の」の数
    が、全て「2つの」であり、前記アクチュエータは、前
    記中心軸に関して前記レバーと同一位相に配置されて前
    記カウンタプレートの前記中心軸方向の移動及び前記中
    心軸に垂直な1軸回りの傾動を行うことを特徴とする、
    請求項1に記載のミラー傾動機構。
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータが剛性の高い変位拘
    束型アクチュエータであって、そのアクチュエータを前
    記カウンタプレートに連結して用いることを特徴とす
    る、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のミラー
    傾動機構。
  5. 【請求項5】 前記カウンタプレートの傾動中心を傾動
    自在な第2ピボットで支持し、前記アクチュエータが非
    接触型のアクチュエータであることを特徴とする、請求
    項1ないし請求項3のいずれかに記載のミラー傾動機
    構。
  6. 【請求項6】 前記各ピボットおよび各ジョイントの一
    部もしくは全部が、弾性変形を利用して傾動自由度を実
    現する弾性ヒンジであることを特徴とする、請求項1な
    いし請求項5のいずれかに記載のミラー傾動機構。
  7. 【請求項7】 前記中心軸に垂直な方向の距離に関し、
    前記中心軸と前記第1ジョイントとの間をR1、前記第
    1ジョイントと前記第1ピボットとの間をR2、前記第
    1ピボットと前記第2ジョイントとの間をR3、前記第
    2ジョイントと前記中心軸との間をR4、前記カウンタ
    プレートに対する前記アクチュエータの作用点と上記中
    心軸との間をR5、とそれぞれしたとき、これらの間に R1>R4、R5>R4、R3>R2 の関係が成り立つように構成したことを特徴とする、請
    求項1ないし請求項6のいずれかに記載のミラー傾動機
    構。
  8. 【請求項8】 前記中心軸に垂直な方向の距離に関し、
    前記中心軸と前記第1ジョイントとの間をR1、前記第
    1ジョイントと前記第1ピボットとの間をR2、前記第
    1ピボットと前記第2ジョイントとの間をR3、前記第
    2ジョイントと前記中心軸との間をR4、前記カウンタ
    プレートに対する前記アクチュエータの作用点と上記中
    心軸との間をR5、とそれぞれしたとき、これらの間に R1<R4、R5<R4、R3<R2 の関係が成り立つように構成したことを特徴とする、請
    求項1ないし請求項6のいずれかに記載のミラー傾動機
    構。
  9. 【請求項9】 前記ミラーの傾動軸まわりの慣性モーメ
    ントをL1、前記カウンタプレートの傾動軸まわりの慣
    性モーメントをL2としたとき、前記R1、R2、R
    3、R4とこのL1、L2との間において、 L1/L2=(R3/R2)×(R1/R4) の関係が成り立つように構成したことを特徴とする、請
    求項7もしくは請求項8に記載のミラー傾動機構。
  10. 【請求項10】 前記ミラー傾動機構が、前記カウンタ
    プレートの傾動角を計測するための傾動センサを更に備
    えていることを特徴とする、請求項1ないし請求項9の
    いずれかに記載のミラー傾動機構。
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