JP2010254402A - エレベータシステム - Google Patents

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Yuki Tai
佑樹 田井
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Abstract

【課題】簡便且つ安価な構成によって、各階床の乗場押ボタンを昇順又は降順に押していくようないたずらによる運行遅延を防止することが可能なエレベータシステムを提供することである。
【解決手段】エレベータシステム10は、乗場呼び登録を行なう乗場呼び登録手段31と、複数階床における乗場押ボタン22の各操作が、階床の昇順又は降順になされると共に、各操作の間隔が予め定められた所定の時間範囲内であるときに、いたずらによる操作であると判定して、当該操作をキャンセルするいたずら判定手段32と、乗場押ボタン22の操作をキャンセルしたときに報知装置であるスピーカ19を作動させる報知装置作動手段33と、を含む制御装置30を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレベータシステム係り、特に、少なくとも3階床に設置されたエレベータ乗場を備えたエレベータシステムに関する。
エレベータは、複数階床間を移動する昇降機であり、各階床にはエレベータかごに乗降するためのエレベータ乗場が設置される。このエレベータ乗場には、エレベータかごの運転方向や位置(階床)を表示する乗場インジケータ、エレベータかごを呼ぶための乗場押ボタン等が設置されている。そして、エレベータ(エレベータシステム)は、乗場押ボタンが操作されたことを検知して、対応するエレベータ乗場にエレベータかごを停止させる制御装置を備えている。
エレベータかごには、行き先階床を指定する行き先階ボタンが設置されている。行き先階ボタンが誤って操作されたとき、或いはいたずらで操作されたときには、エレベータかご内に誰も乗っていない無人の状態でエレベータかごの運転が継続される場合がある。そのような場合に、エレベータかごの重量を計測して無人状態であることが判断されると、行き先階ボタンの操作をキャンセルするエレベータシステムが提供されている。
一方、エレベータ乗場においても、乗場押ボタンが誤って操作される、或いはいたずらで操作される場合がある。例えば、エレベータに隣接した階段が設けられている場合に起こり易いいたずらとして、各階床の乗場押ボタンを昇順又は降順に押していくようないたずらが考えられる。そのようないたずらがなされた場合、エレベータかごは、各エレベータ乗場に停止することになって迅速な運行が妨げられる。
本発明に関連する技術として、乗場押ボタンの操作をキャンセルする機能を備えたエレベータシステムが幾つか開発されている。例えば、特許文献1には、エレベータホールが座標付けされて記録された映像処理メモリ上で、エレベータの待客が待機する蓋然性の高い領域を待機領域として区分して、この待機領域で撮影された映像を待客として検出し、この検出結果によってエレベータを運転するシステムが開示されている。
特許文献2には、乗場押ボタン又は行先階ボタンによる呼び登録を記憶する呼び登録記憶手段と、エレベータの乗場やかご内の利用者の有無を検出する赤外線センサ等の利用者検出手段と、利用者検出手段から出力された検出情報に基づき、利用者が居ないと判断した場合に、該利用者検出手段に対応する呼び登録を呼び登録記憶手段より解除する呼び登録解除判定手段と、を備えたシステムが開示されている。また、特許文献2には、第1の利用者が乗場押ボタン(上)の呼び登録を行なった後に乗場を離れ、設定時間を経過する前に第2の利用者が乗場押ボタン(下)の呼び登録を行なって乗場付近に待機している場合には、第1の利用者が登録した上方向への呼び登録は解除されない、と記載されている。
特開平9−278301号公報 特開2002−348054号公報
しかしながら、上記特許文献1、2のシステムでは、各エレベータ乗場に、監視カメラや赤外線センサを設置する必要があり、実装コストが高くなるという問題がある。また、エレベータ乗場の人通りが多いとき等には、いたずらによる操作であるか否かがを判断することが困難である。したがって、各階床の乗場押ボタンを昇順又は降順に押していくようないたずらによる運行遅延を防止することが難しい場合がある。
本発明の目的は、簡便且つ安価な構成によって、各階床の乗場押ボタンを昇順又は降順に押していくいたずらによる運行遅延を防止することが可能なエレベータシステムを提供することである。
本発明に係るエレベータシステムは、少なくとも3階床に設置されたエレベータ乗場と、エレベータ乗場に設置された乗場押ボタンと、乗場押ボタンが操作されたことを検知して、対応するエレベータ乗場にエレベータかごを停止させる制御装置と、を備えたエレベータシステムにおいて、制御装置は、複数階床における乗場押ボタンの各操作が、階床の昇順又は降順になされると共に、各操作の間隔が予め定められた所定の時間範囲内であるときには、いたずらによる操作であると判定して、当該操作をキャンセルする手段を有することを特徴とする。
また、エレベータ乗場には、乗場押ボタンの操作がキャンセルされたことを報知する報知装置が設置され、制御装置は、さらに、乗場押ボタンの操作をキャンセルしたときに報知装置を作動させる手段を有することが好ましい。
また、一部のエレベータ乗場には、利用者の有無を検出する利用者検出装置が設置され、制御装置は、さらに、利用者検出装置によりエレベータ乗場に利用者が検出されたときには、当該エレベータ乗場における操作のキャンセルを禁止する手段を有することが好ましい。
本発明に係るエレベータシステムによれば、複数階床における乗場押ボタンの各操作が、階床の昇順又は降順になされると共に、各操作の間隔が予め定められた所定の時間範囲内であるときには、いたずらによる操作であると判定して、当該操作をキャンセルする制御装置を有するので、簡便且つ安価な構成によって、各階床の乗場押ボタンを昇順又は降順に押していくいたずらによる運行遅延を防止することが可能であり、利用者の利便性を向上させることができる。
また、エレベータ乗場には、乗場押ボタンの操作がキャンセルされたことを報知する報知装置が設置され、制御装置は、さらに、乗場押ボタンの操作をキャンセルしたときに報知装置を作動させる手段を有する構成とすれば、万が一、いたずらではない操作を誤ってキャンセルした場合に、再操作を促して利用者の利便性を確保することができる。
また、一部のエレベータ乗場には、利用者の有無を検出する利用者検出装置が設置され、制御装置は、さらに、利用者検出装置によりエレベータ乗場に利用者が検出されたときには、当該エレベータ乗場における操作のキャンセルを禁止する手段を有する構成とすれば、例えば、利用頻度が高いエレベータ乗場に利用者検出装置を設置することにより、誤判定によるキャンセルを防止することができる。なお、利用者検出装置の設置箇所を限定することで実装コストの上昇を防止することができる。
本発明に係る実施の形態におけるエレベータシステムの概略構成を示す図である。 図1に示すエレベータシステムの制御手順を示すフローチャートである。
以下に図面を用いて、本発明に係るエレベータシステムの実施の形態につき、詳細に説明する。なお、以下では、エレベータシステム10は、上部機械室14を有するロープ式のエレベータシステムとして説明するが、エレベータシステム10は、機械室レスエレベータや油圧式エレベータとすることもできる。
図1に示すように、エレベータシステム10は、昇降路11内において、エレベータかご12(以下、かご12とする)が各階床に設置されたエレベータ乗場13の間を昇降する昇降装置であって、特に、各階床のエレベータ乗場13に設置された乗場押ボタン22を昇順又は降順に押していくいたずらによる運行遅延を防止する機能を有する。エレベータシステム10は、大別すると、機械的要素である機構部と、機構部の動作を制御する制御装置30とで構成されている。
機構部の昇降路11は、建造物内等に鉛直方向に貫通して設けられたかご12の昇降通路である。昇降路11の最下部には、図示しないピットが設けられ、昇降路の上部には、上部機械室14が設けられる。なお、図1に示すエレベータシステム10では、昇降路11に隣接して階段100が設けられているため、乗場押ボタン22を昇順又は降順に押していくいたずらが起こり易い環境である。
上部機械室14は、昇降路11の上部、例えば、エレベータ10が設置される建造物の屋上に設けられた部屋であって、室内には、かご12を昇降させる巻上げ機15や制御装置30が設置されている。巻上げ機15のシーブには、一端がかご12の上部に、他端が図示しないカウンターウエイトに、連結された主ロープ16が巻きかけられており、巻上げ機15を駆動することにより主ロープ16が巻上げられ又は送り出されて、かご12が昇降路11内を昇降することになる。
かご12は、上部機械室14に設置された巻上げ機15を駆動することにより昇降路11内を昇降する乗りかごであって、利用者が乗り込むことのできる図示しない室内スペースを有している。かご12には、昇降運転中は閉扉し、かご12がエレベータ乗場13に着床したときに開扉するかごドア17、及びかごドア17を開閉する図示しないかごドア開閉装置が設置されている。また、かご12の室内壁面には、かご12の行き先階を指定する行き先階釦等を有するかご内操作盤が設置されている。かご内操作盤は、制御装置30と接続されており、行き先階釦等を操作すると操作信号が制御装置30に伝達されるようになっている。
エレベータ乗場13は、各階床に設けられたかご12の乗降口である。エレベータ乗場13には、かごドア17に追従して開閉する乗場ドア18、かご12の到着等を表示する乗場インジケータ20等が設置される。さらに、かご12の呼び登録を行なうための乗場押ボタン22、報知装置であるスピーカ19を含む乗場ユニット21が設置されている。なお、エレベータシステム10は、乗場押ボタン22を昇順又は降順に押していくいたずらによる運行遅延を防止するシステムであるから、少なくとも3階床にエレベータ乗場13が設置される。
乗場押ボタン22は、上記のように、エレベータ乗場13においてかご12の呼び登録を行なうためボタンであり、最上階、最下階以外のエレベータ乗場13には、上り用と下り用の2つのボタンが設置されている。乗場押ボタン22を含む乗場ユニット21は、かご内操作盤と同様に、制御装置30と接続されており、乗場押ボタン22を操作すると操作信号が制御装置30に伝達されるようになっている。
スピーカ19は、後述のキャンセル判定手段32の機能により、乗場押ボタンの操作がキャンセルされたことを報知する報知装置である。図1に示すように、スピーカ19は、乗場押ボタン22と一体化した乗場ユニット21に設置される。エレベータ乗場13付近にスピーカが既設されている場合は、制御装置30と接続して、エレベータシステム10のスピーカ19として使用することもできる。なお、報知装置は、表示装置とすることもできるが、利用者が認識し易いように、音声等を出力するスピーカ19であることが好ましい。
また、エレベータシステム10は、一部のエレベータ乗場13に赤外線センサや監視カメラ等の利用者検出装置を設置することができる。例えば、監視カメラを設置すると、乗場押ボタン22の正規の操作がいたずらによる操作と判定されてしまったときに、監視カメラにより利用者が検出された場合には、その操作をキャンセルしない設定を設けることができる。ここで、監視カメラによる利用者検出は、例えば、画像取得範囲に一定時間以上滞在する人物が居る場合には、利用者が検出されたものとすることができる。なお、利用者検出装置を設置する一部のエレベータ乗場13としては、頻繁に乗場押ボタン22が操作される利用者の多いエレベータ乗場13が好ましい。このように設置箇所を一部のエレベータ乗場13に限定することで実装コストの上昇を防止することができる。
制御装置30は、上記のように、機構部を構成する各要素の動作を統一的に制御する装置であって、例えば、巻上げ機15に指令を与えてかご12の自動昇降運転を制御し、かごドア開閉装置に指令を与えてかごドア17の開閉を制御する等の機能を有する。さらに、制御装置30は、乗場押ボタン22の操作信号を取得して、対応するエレベータ乗場13にかご12を停止させる乗場呼び登録手段31と、各階床のエレベータ乗場13に設置された乗場押ボタン22を昇順又は降順に押していくいたずらを防止するための手段であるキャンセル判定手段32と、報知装置作動手段33とを有する。
なお、制御装置30は、CPUと、上記各手段の機能を実行する際に使用される制御パラメータ等の入力に用いられる入力部と、入力した制御パラメータ、制御プログラムなどを記憶する記録部と、入出力ポートなどを備える装置であって、コンピュータによって構成することができる。各機能は、ソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には、対応するエレベータ制御プログラムを実行することにより実現できる。
制御装置30の乗場呼び登録手段31は、乗場押ボタン22の操作信号を取得して、対応するエレベータ乗場13にかご12を停止させる機能を有する。図1に示すように、かご11が最上階のエレベータ乗場13に停止しているときに、下階の乗場押ボタン22が操作された場合、操作信号を受信して、その操作信号に基づいた乗場呼び登録を行ない、登録されたエレベータ乗場13までかご12を運転させて停止させる。例えば、乗場呼び登録手段31が、制御装置30の記憶部に、乗場呼び登録情報として、かご12を停止させるエレベータ乗場13を記録することで、制御装置30は、かご内操作盤の行き先階登録情報も加えた登録情報に基づいて、かご12の昇降運転を制御する。
キャンセル判定手段32は、複数階床における乗場押ボタン22の各操作が、階床の昇順又は降順になされると共に、各操作の間隔が予め定められた所定の時間範囲内であるときには、いたずらによる操作であると判定して、当該操作をキャンセルする機能を有する。即ち、キャンセル判定手段32は、乗場押ボタン22の各操作が、いたずらによる操作であるか否かを判定する機能と、いたずらによる操作と判定したときには各操作をキャンセルする機能と、を有する。
キャンセル判定手段32が判定するいたずらとしては、各階床のエレベータ乗場13に設置された乗場押ボタン22を昇順又は降順に押していくいたずらである。このようないたずらは、図1に示すように、昇降路11に隣接した階段100が設けられる場合に起こり易い。例えば、子供が階段100を降りながら、各エレベータ乗場13の乗場押ボタン22を順番に押していくことが想定される。ここで、順番としては、必ずしも各操作が連続する(降順の全ての階床の乗場押ボタン22が操作される)とは限らず、一部の階床の乗場押ボタン22が操作されない場合も想定される。
キャンセル判定手段32は、予め定められた判定条件に基づいて、上記のいたずら判定を実行する。具体的に、いたずら判定は、複数階床のエレベータ乗場13における乗場押ボタン22が操作されたときに実行される。ここで、いたずら判定を開始する複数階床における操作としては、2階床分の操作、3階床分の操作、4階床分の操作のように、設置状況等に応じて任意に設定することができる。そして、いたずら判定を実行する場合の判定条件は、各操作が階床の昇順又は降順になされること、各操作の間隔が予め定められた所定の時間範囲内であることの2つであり、これら2つの条件が揃ったときに、いたずらによる操作であると判定する。
各操作が階床の昇順又は降順になされるとの条件は、操作階床が連続する場合は勿論、操作階床が連続しない場合も含むことが好ましい。例えば、4階床分の操作がなされた場合に、いたずら判定を開始する設定において、10階、9階、7階、5階の乗場押ボタン22が降順に操作されたときには、この条件を満たすものとすることができる。一方、途中の所定階床分(例えば、2階床分のように任意に設定)が操作されなかった場合、例えば、10階、9階、6階、5階の乗場押ボタン22が降順に操作されたときには、8階及び7階の2階床分が操作されていないので、この条件を満たさないものとすることができる。
各操作の間隔が予め定められた所定の時間範囲内であるとの条件は、いたずらがなされるエレベータ以外の昇降手段を使用して、乗場押ボタン22を操作する場合の時間を考慮して決定される。例えば、図1に示すように、昇降路11と隣接する階段100が設けられる場合には、上記所定の時間範囲は、例えば、5〜10秒のように短時間に設定される。また、所定の時間範囲は、エレベータシステム10の設置状況(階段100等の昇降手段とエレベータの距離など)だけでなく、エレベータ乗場13におけるかご12の停止時間、かご12の昇降速度、階床間距離等を考慮して決定されることが好ましい。
例えば、エレベータ乗場13におけるかご12の停止時間(かごドア17が開扉されている時間)が10秒、かご12の移動時間が5秒に設定されている場合において、階段100を走って降りた場合に10秒、歩いて降りた場合に20秒であるときには、上記所定の時間範囲を10秒〜15秒のように設定することができる。この所定の時間範囲は、誤判定を防止して、いたずらによる操作のみを識別するために重要なパラメータである。
また、各操作が階床の昇順又は降順になされて、操作階床が連続しない場合には、この時間範囲を足したものに基づいてこの条件が判定される。また、所定の時間範囲は、予め定められたものであるが、乗場押ボタン22を順番に押していく操作がなされたときに、そのパターンを記録部等に記録しておき、頻度の高いパターンに合わせて所定の時間範囲を変更していくこともできる。
上記のように、キャンセル判定手段32は、いたずらによる操作と判定したときに、乗場呼び登録手段31によりなされた乗場呼び登録をキャンセル(削除)する。このとき、全ての乗場呼び登録を削除するのではなく、いたずらによる操作に基づいた乗場呼び登録のみを全て削除する。なお、キャンセル判定手段32のいたずら判定条件は、上記のように特殊なものであるが、いたずらによる操作に混ざって正規の操作がなされ、その操作がいたずらによる操作と判定されることが全くないとは言い切れない。そこで、正規の操作に基づく乗場呼び登録が削除された場合を考慮して、報知装置作動手段33等を設けることが好ましい。
報知装置作動手段33は、乗場押ボタン22の操作をキャンセルしたとき、即ち対応する乗場呼び登録を削除したときに、報知装置であるスピーカ19を作動させる機能を有する。例えば、スピーカ19から「只今のボタン操作はキャンセルされました、再度ボタンを押して下さい」のような音声を流すことができる。このような音声を流すことにより、万が一、いたずらではない操作を誤ってキャンセルした場合に、再操作を促して利用者の利便性を確保することができる。
なお、キャンセル判定手段32による乗場呼び登録の削除において、上記のように、利用者検出装置により利用者が検出されたときには、対応するエレベータ乗場13における削除を禁止することもできる。また、利用頻度の高いエレベータ乗場13については、常時、乗場呼び登録の削除を禁止する設定とすることもできる。
上記構成のエレベータシステム10の作用、特に、制御装置30の機能について、図2を用いて以下説明する。図2は、エレベータシステム10のいたずら防止制御の手順を示すフローチャートを示す。上記のように、エレベータシステム10が防止するいたずらとしては、各階床のエレベータ乗場13に設置された乗場押ボタン22を昇順又は降順に押していくいたずらであり、図2では、乗場押ボタン22を降順に連続して押していくいたずらを想定している。
まず初めに、いずれかのエレベータ乗場13で乗場押ボタン22の操作がなされたか否かを判定する(S10)。そして、操作された乗場押ボタン22に基づいて、乗場呼び登録を行なう(S11)。この手順は、乗場呼び登録手段31の機能によって実行される。制御装置30は、乗場呼び登録情報及びかご内操作盤の行き先階登録情報に基づいて、かご12の昇降運転を制御する。
次に、乗場押ボタン22の操作が複数階床のエレベータ乗場13でなされたか否かを判定する(S12)。複数階床としては、任意に設定することができ、ここでは、3階床以上に設定した場合を想定する。したがって、乗場押ボタン22の操作が3階床以上のエレベータ乗場13でなされたと判定されたときには、S13及びS14で、各操作がいたずらに該当するか否かを判定する。
いたずら判定の1段階目として、S12における各操作が降順になされたか否かを判定する(S13)。そして、各操作が降順になされたと判定されたときには、いたずら判定の2段階目に進む。一方、10階、9階、11階のように、降順になされた操作ではないときには、いたずらによる操作ではないと判定して、乗場呼び登録は維持される。
S13において、各操作が降順になされたと判定されたときには、各操作の間隔が所定の時間範囲内でなされたか否かを判定する(S14)。例えば、所定の時間範囲が15〜30秒に設定されている場合に、前の操作から10秒後に次の操作がなされたときには、いたずらによる操作ではないと判定して、乗場呼び登録は維持される。
S14において、各操作の間隔が所定の時間範囲内でなされたと判定されたときには、対応する乗場呼び登録を削除する(S15)。S12〜S15の手順は、いたずら判定手段32の機能によって実行され、これにより、乗場押ボタン22を降順に連続して押していくいたずらによる運行遅延を防止することができる。
S15において、乗場呼び登録が削除されたときには、スピーカ19から、乗場押ボタン22の操作がキャンセルされたことを通報する音声を流す(S16)。これにより、万が一、いたずらではない操作を誤ってキャンセルした場合に、再操作を促して利用者の利便性を確保することができる。この手順は、報知装置作動手段33の機能によって実行される。
以上のように、エレベータシステム10は、複数階床における乗場押ボタン22の各操作が、階床の昇順又は降順になされると共に、各操作の間隔が予め定められた所定の時間範囲内であるときに、いたずらによる操作であると判定して、当該操作をキャンセルするいたずら判定手段32と、乗場押ボタン22の操作をキャンセルしたときに報知装置であるスピーカ19を作動させる報知装置作動手段33と、を含む制御装置30を備えるので、簡便且つ安価な構成によって、各階床の乗場押ボタンを昇順又は降順に押していくいたずらによる運行遅延を防止すると共に、万が一、いたずらではない操作を誤ってキャンセルした場合に、再操作を促して利用者の利便性を確保することができる。
10 エレベータシステム、11 昇降路、12 エレベータかご、13 エレベータ乗場、14 上部機械室、15 巻上げ機、16 主ロープ、17 かごドア、18 乗場ドア、19 スピーカ、20 乗場インジケータ、21 乗場ユニット、22 乗場押ボタン、30 制御装置、31 乗場呼び登録手段、32 キャンセル判定手段、33 報知装置作動手段、100 階段。

Claims (3)

  1. 少なくとも3階床に設置されたエレベータ乗場と、
    エレベータ乗場に設置された乗場押ボタンと、
    乗場押ボタンが操作されたことを検知して、対応するエレベータ乗場にエレベータかごを停止させる制御装置と、
    を備えたエレベータシステムにおいて、
    制御装置は、
    複数階床における乗場押ボタンの各操作が、階床の昇順又は降順になされると共に、各操作の間隔が予め定められた所定の時間範囲内であるときには、いたずらによる操作であると判定して、当該操作をキャンセルする手段を有することを特徴とするエレベータシステム。
  2. 請求項1に記載のエレベータシステムにおいて、
    エレベータ乗場には、乗場押ボタンの操作がキャンセルされたことを報知する報知装置が設置され、
    制御装置は、
    さらに、乗場押ボタンの操作をキャンセルしたときに報知装置を作動させる手段を有することを特徴とするエレベータシステム。
  3. 請求項1又は2に記載のエレベータシステムにおいて、
    一部のエレベータ乗場には、利用者の有無を検出する利用者検出装置が設置され、
    制御装置は、
    さらに、利用者検出装置によりエレベータ乗場に利用者が検出されたときには、当該エレベータ乗場における操作のキャンセルを禁止する手段を有することを特徴とするエレベータシステム。
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