JP2010252278A - 周波数特性調整装置、プログラム、及び周波数特性調整方法 - Google Patents

周波数特性調整装置、プログラム、及び周波数特性調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】調整帯域のゲインを更新する際に発生する不連続点によるノイズを極力抑制する。
【解決手段】デジタル音声信号のレベルをデジタル信号処理により減衰させる減衰手段と、減衰手段の出力信号に対し、所定の周波数帯域について、設定されたゲインをデジタル信号処理により付与する特性調整手段と、特性調整手段の出力信号のレベルを調整するレベル調整手段と、減衰手段、特性調整手段、及びレベル調整手段を制御する制御手段とを備えた周波数特性調整装置において、制御手段により、特性調整手段におけるゲインの設定値を減少させる場合、まず、レベル調整手段のゲインを所定量減少させ(ステップ25)、次に、特性調整手段のゲイン設定値を更新し(ステップ26)、その後、減衰手段の減衰量を所定量減少させる(ステップ27)ようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、音声信号の周波数特性を調整する周波数特性調整装置、該装置における制御手段としてコンピュータを機能させるプログラム、及び該装置に適した周波数特性調整方法に関する。
従来、入力音声信号について、所定の周波数帯域のレベルを増減することにより周波数特性の調整を行う周波数特性調整装置が知られている。周波数特性調整装置はたとえば図1に示すように、入力される左右チャンネルのアナログ音声信号L及びRをデジタル音声信号に変換するAD変換器1、AD変換器1からのデジタル音声信号に対して所定の信号処理を施すDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)2、DSP2からのデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するDA変換器3、DA変換器3からのアナログ音声信号のレベルを調整するための電子ボリューム4、DSP2及び電子ボリューム4を制御するマイコン5を備える。DSP2はAD変換器1からのデジタル音声信号のレベルを減少させるアッテネータ2a、アッテネータ2aからのデジタル音声信号に対し、所定の周波数帯域について、設定されたゲインを付与するイコライザ2bを備える。装置からの出力音声信号は、ユーザによる聴取に供される。
図10は従来の周波数特性調整装置におけるゲイン更新処理の一例を示すフローチャートである。ゲイン更新処理は、イコライザ2bにおけるゲインの設定値を更新する処理である。ゲイン更新処理を開始すると、マイコン5は、まず、イコライザ2bのフィルタ係数が更新される際に発生する信号の不連続点におけるノイズが出力されるのを防止するために、電子ボリューム4をミュート状態に設定する(ステップ101)。次に、アッテネータ2aに付与するアッテネータ係数を更新することにより、アッテネータ2aにおける減衰量の設定値を更新する(ステップ102)。新たな設定値は、次のステップ103の設定値更新後におけるイコライザ2bのゲイン設定値に等しい減衰量とされる。イコライザ2bにおけるブースト処理によるクリップの発生を防止するためである。次に、イコライザ2bに付与するイコライザ係数(フィルタ係数)を更新することにより、イコライザ2bにおけるゲイン設定値の更新を行う(ステップ103)。次に、アッテネータ21における減衰量の更新(ステップ102)により減衰量が増大した分だけブースト量が増大するように、電子ボリューム4の設定値を更新する(ステップ104)。アッテネータ21により減衰されるレベルを元に戻すためである。そして、電子ボリューム4によるミュートを解除する(ステップ105)。これにより、ゲイン更新処理が終了する。なお、アッテネータ2aの減衰量と、電子ボリューム4のゲインの増加量は等しくする必要はあるが、アッテネータ2aの減衰量は、イコライザ2bのゲイン設定値と等しくする必要はなく、イコライザ2bのゲイン設定値よりも大きくし、確実にクリップを防止するようにしてもよい。たとえば、イコライザ2bのゲイン設定値を+1[dB]とする場合、アッテネータ2aの減衰量の設定値を−4[dB]、電子ボリューム4のブースト量を+4[dB]として、3[dB]分のマージンをとるようにしてもよい。
このようなゲイン更新処理においてS/N比の悪化やDSPでの演算によるクリップの発生を防止するようにした技術は、たとえば特許文献1や特許文献2において開示されている。特許文献1の技術においては、DSPにおいて高域成分強調処理及び低域成分強調処理を行わない場合には、DSPにおける減衰処理を行わないようにすることによってS/N比の悪化を防止するようにしている。特許文献2の技術においては、図10の処理の場合と同様に、入力デジタルオーディオ信号について増幅する周波数成分がある場合に、該周波数成分の増幅前に、その増幅量の最大値分だけ信号を減衰させるとともに、該周波数成分の増幅後、減衰させた分だけ増幅することにより、S/N比やダイナミックレンジの悪化を防止するようにしている。この場合も、特許文献1の場合と同様、増幅する周波数成分がない場合には、予め減衰させる処理は行わないようにしている(特許文献2の段落0050参照)。
特開平6−13826号公報 特開平9−102719号公報
しかしながら、上述図10の従来技術によれば、ゲイン更新処理に際し、出力音声信号に対してミュートを施すようにしているので、出力音声信号による再生音を聴取しているユーザにとっては、ゲイン設定値の更新による再生音の変化がわかりにくい。また、ミュートによって、聴取中の再生音が途切れてしまう。
また、上述の特許文献1や2の技術によれば、所定帯域成分の強調を行う際に、音声信号をミュートする処理を行っていないため、強調により音声信号に発生する不連続点がノイズとなって出力されるおそれがある。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、周波数特性調整装置において、調整帯域のゲインを更新する際に発生する不連続点によるノイズを極力抑制することにある。
この目的を達成するため、第1の発明に係る周波数特性調整装置は、デジタル音声信号のレベルをデジタル信号処理により減衰させる減衰手段と、前記減衰手段の出力信号に対し、所定の周波数帯域について、設定されたゲインをデジタル信号処理により付与する特性調整手段と、前記特性調整手段の出力信号のレベルを調整するレベル調整手段と、前記減衰手段、特性調整手段、及びレベル調整手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記特性調整手段におけるゲインの設定値を減少させる場合、まず、前記レベル調整手段のゲインを所定量減少させ、次に、前記特性調整手段のゲイン設定値を更新し、その後、前記減衰手段の減衰量を所定量減少させることを特徴とする。
第2の発明に係る周波数特性調整装置は、第1発明において、前記特性調整手段におけるゲインの設定値を減少させる場合の減少量、前記レベル調整手段のゲインを所定量減少させるときの減少量、及び前記減衰手段の減衰量を所定量減少させるときの減少量は等しいことを特徴とする。
第3の発明に係る周波数特性調整装置は、第1又は第2発明において、前記制御手段は、前記特性調整手段におけるゲインの設定値を増大させる場合、まず、前記減衰手段の減衰量を所定量増大させ、次に、前記特性調整手段のゲイン設定値を更新し、その後、前記レベル調整手段のゲインを所定量増大させることを特徴とする。
第4の発明に係るプログラムは、第1〜第3のいずれかの発明に係る周波数特性調整装置における制御手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
第5の発明に係る周波数特性調整方法は、 デジタル音声信号のレベルをデジタル信号処理により減衰させる減衰手段と、
前記減衰手段の出力信号に対し、所定の周波数帯域について、設定されたゲインをデジタル信号処理により付与する特性調整手段と、前記特性調整手段の出力信号のレベルを調整するレベル調整手段とを備えた周波数特性調整装置における周波数特性調整方法であって、前記減衰手段、特性調整手段、及びレベル調整手段を制御する制御工程を備え、前記制御工程では、前記特性調整手段におけるゲインの設定値を減少させる場合、まず、前記レベル調整手段のゲインを所定量減少させ、次に、前記特性調整手段のゲイン設定値を更新し、その後、前記減衰手段の減衰量を所定量減少させることを特徴とする。
本発明によれば、特性調整手段におけるゲインの設定値を更新するに際して発生する不連続点によるノイズを極力抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る周波数特性調整装置の構成を示すブロック図である。 図1の装置におけるゲイン更新処理を示すフローチャートである。 図2の処理においてイコライザのゲインが増大される場合の図1の装置における各設定値及び出力レベルの変化の一例を示す図である。 図3の例によるゲイン更新処理が行われるときの図1の装置の出力信号における調整帯域の中心周波数の波形図である。 図3の例によるゲイン更新処理が行われるときの図1の装置の出力信号における調整帯域以外の周波数の波形図である。 図2の処理においてイコライザのゲインが減少される場合の図1の装置における各設定値及び出力レベルの変化の他の例を示す図である。 図6の例によるゲイン更新処理が行われるときの図1の装置の出力信号における調整帯域の中心周波数の波形図である。 図6の例によるゲイン更新処理が行われるときの図1の装置の出力信号における調整帯域以外の周波数の波形図である。 本発明の他の実施形態に係る周波数特性調整装置の構成を示すブロック図である。 従来の周波数特性調整装置におけるゲイン更新処理を示すフローチャートである。 従来のようにアッテネータの設定値の更新を先に行い、電子ボリュームの設定値の変更を後で行うようにした点以外は図6の場合と同様にしてゲイン更新処理を行う場合の各設定値及び出力レベルの変化を示す図である。
図1は本発明の一実施形態に係る周波数特性調整装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この装置は、入力される左右チャンネルのアナログ音声信号L及びRをデジタル音声信号に変換するAD変換器1、AD変換器1からのデジタル音声信号に対して所定の信号処理を施すDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)2、DSP2からのデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するDA変換器3、DA変換器3からのアナログ音声信号のレベルを調整するための電子ボリューム4、DSP2及び電子ボリューム4を制御するマイコン5を備える。電子ボリューム4はマイコン5からの指示に応じて出力をミュートするミュート機能を有する。
DSP2はAD変換器1からのデジタル音声信号のレベルを減衰させるアッテネータ2a、及びアッテネータ2aからのデジタル音声信号の周波数特性を調整するイコライザ2bを備える。イコライザ2bは、所定の調整帯域について、その中心周波数f0におけるゲインが、設定された値となるようにゲインを付与することによって、入力信号の周波数特性の調整を行う。調整帯域以外の他の周波数帯域については影響を与えることはない。
マイコン5はDSP2における設定値として、アッテネータ2aの減衰量及びイコライザ2bのゲインを設定することができる。アッテネータ2aの減衰量の設定値は、DSP2に付与するアッテネータ係数を更新することにより更新することができる。イコライザ2bのゲインの設定値は、DSP2に付与するDSPのフィルタ係数(イコライザ係数)を更新することにより更新することができる。
図2はマイコン5によるゲイン更新処理を示すフローチャートである。この処理は、イコライザ2bにおけるゲインの設定値を更新する際に行われる処理であり、所定のプログラムに従って行われる。この処理では、従来と異なり、イコライザ2bのゲインを減少させる場合には、電子ボリューム4のブースト量を減少させてから、イコライザ2bのゲインを減少させ、その後、アッテネータ2aにおける減衰量を減少(ゲインを増大)させるようにしている。
すなわち、ゲイン更新処理を開始すると、マイコン5は、まずステップ21において、イコライザ2bについてのゲイン設定値の更新はイコライザ2bのゲインを増大させるものであるか又は減少させるものであるかを判定する。増大させるものであると判定した場合には、ステップ22においてアッテネータ2aにおける減衰量の設定値を更新する。新たな設定値は、イコライザ2bの更新後のゲイン設定値に等しい減衰量とされる。ゲイン設定値更新後のイコライザ2bにおけるブースト処理によりクリップが発生するのを防止するためである。次に、ステップ23において、イコライザ2bにおけるゲイン設定値の更新を行う。次に、ステップ24において、電子ボリューム4のブースト量の設定値を更新する。この更新は、ブースト量が、ステップ22において設定したアッテネータ2aの減衰量に等しくなるように行われる。これにより、ゲイン更新処理が終了する。これにより、イコライザ2bによる調整帯域のみのゲインが増大されることになる。
一方、ステップ21においてゲインを減少させるものであると判定した場合には、ステップ25において、電子ボリューム4のブースト量の設定値を更新する。新たな設定値はイコライザ2bの更新後のゲイン設定値に等しいブースト量とされる。次に、ステップ26において、イコライザ2bのゲイン設定値を更新する。さらに、ステップ27においてアッテネータ2aにおける減衰量の設定値を更新する。新たな設定値は、更新後のイコライザ2bのゲイン設定値に等しい減衰量とされる。これにより、ゲイン更新処理が終了する。これにより、イコライザ2bによる調整帯域のみのゲインが減少されることになる。
図3はゲイン更新処理における周波数特性調整装置の各設定値及び出力レベルの変化の一例を示す。「初期状態」欄においては、ゲイン更新処理を行う前の初期状態におけるアッテネータ1aの減衰量A、及びイコライザ1bのゲインG、並びに電子ボリューム4のブースト量Bの各設定値、並びに、調整帯域の中心周波数f0における周波数特性調整装置の出力レベル、及び他の帯域の周波数における周波数特性調整装置の出力レベルが示されている。「ATT係数更新」欄においては、アッテネータ1aの減衰量Aの更新(ステップ22)直後における各設定値及び出力レベルが示されている。「DSP係数更新」欄においては、イコライザ1bのゲインGの更新(ステップ23)直後における各設定値及び出力レベルが示されている。「Evol更新」欄においては、電子ボリューム4のブースト量Bの更新(ステップ24)直後における各設定値及び出力レベルが示されている。
図3の例では、イコライザ2bのゲインGを+1[dB]から+2[dB]に1[dB]だけ増大させる場合について示している。図3の「初期状態」欄に示すように、初期状態における各設定値は、減衰量Aが−1[dB]、ゲインGが+1[dB]、ブースト量Bが+1[dB]である。また、初期状態における出力レベルは、調整帯域の中心周波数f0において+1[dB]、他の帯域の周波数において±0[dB]である。この場合、図2の処理によれば、まず、アッテネータ2aの減衰量Aが−2[dB]に更新され(ステップ22)、次に、イコライザ2bのゲインGが+2[dB]に更新され(ステップ23)、そして電子ボリューム4のブースト量Bが+2[dB]に更新される(ステップ24)。

その際、図3の「ATT係数更新」欄で示されるように、アッテネータ2aの減衰量Aが−2[dB]に更新されたとき、減衰量が1[dB]増大するので、出力レベルは調整帯域の中心周波数f0及び他の帯域の周波数において、ともに1[dB]減少し、それぞれ±0[dB]及び−1[dB]となる。次に、「DSP係数更新」欄に示すように、イコライザ2bのゲインGが+2[dB]に更新されると、出力レベルは調整帯域の中心周波数f0では1[dB]増加して+1[dB]となる。他の帯域の周波数では、影響を受けないので、−1[dB]のままである。次に、「Evol更新」欄で示されるように、電子ボリューム4のブースト量Bが+2[dB]に更新されると、出力レベルは調整帯域の中心周波数f0及び他の帯域の周波数においてともに1[dB]増加し、それぞれ+2[dB]及び±0[dB]となる。これにより、他の帯域の周波数に影響を与えることなく、調整帯域の中心周波数f0におけるレベルを1[dB]増大させたことになる。
図4及び図5は図1の装置のゲイン更新処理時における出力信号波形の一例を示す。図3のようにしてイコライザ2bのゲインGが増大される場合について示している。図4の波形は調整帯域の中心周波数f0における出力信号の波形である。図5の波形は他の帯域の周波数における出力信号の波形である。図4中の41〜44は、それぞれ初期状態(ゲイン更新処理の開始前)、アッテネータ2aの減衰量Aの更新時(図3中の「ATT係数更新」;ステップ22)、イコライザ2bのゲインGの更新時(「DSP係数更新」;ステップ23)、及び電子ボリューム4のブースト量Bの更新時(「Evol更新」;ステップ24)に対応する波形部分である。図5中の51〜54は、それぞれ同様の時点に対応する波形部分である。
図4及び図5で示されるように、ゲイン更新処理に際しては、波形部分41及び51で示される初期状態において、波形部分42及び52のように、減衰量Aの更新によって一旦レベルを減衰させてから、波形部分43のように、ゲインGの更新によって調整帯域のみゲインを増大させ(他の帯域の波形部分53はそのまま)、その後、波形部分44及び54のように、ブースト量Bの更新によって減衰量分を元に戻すようにしている。これにより、他の帯域に影響を与えることなく、調整帯域のみゲインを増大させるようにしている。
図6はゲイン更新処理における周波数特性調整装置の各設定値及び出力レベルの変化の他の例を示す。この例では、イコライザ2bのゲインGを+2[dB]から+1[dB]に1[dB]だけ減少させる場合について示している。この場合、図6の「初期状態」欄に示すように、初期状態における各部の設定値及び装置の出力レベルは、図3の例によるゲイン更新処理が行われた後の状態、すなわち図3の「Evol更新」欄における各部の設定値及び出力レベルと同じである。この場合、図2のゲイン更新処理によれば、まず、電子ボリューム4のブースト量Bが+1[dB]に更新され(ステップ25)、次に、イコライザ2bのゲインGが+1[dB]に更新され(ステップ26)、そしてアッテネータ2aの減衰量Aが−1[dB]に更新される(ステップ27)。
その際、ブースト量Bが+1[dB]に更新されたとき(ステップ25)、図6の「Evol更新」欄に示すように、調整帯域の中心周波数f0及び他の帯域の周波数における出力レベルは1[dB]減少し、それぞれ+1[dB]及び−1[dB]となる。イコライザ2bのゲインGが+1[dB]に更新されたとき(ステップ26)、「DSP係数更新」欄に示すように、調整帯域の中心周波数f0における出力レベルは、±0[dB]となる。他の帯域の周波数では影響を受けないので、−1[dB]のままである。アッテネータ2aの減衰量Aが−1[dB]に更新されたとき(ステップ27)、「ATT係数更新」欄に示すように、調整帯域の中心周波数f0及び他の帯域の周波数における出力レベルはともに1[dB]増加し、それぞれ+1[dB]及び±0[dB]となる。これにより他の帯域に影響を与えることなく、調整帯域について、その中心周波数f0における出力レベルが1[dB]減少するように調整が行われたことになる。
図7及び図8は図6の例によるゲイン更新処理が行われるときの周波数特性調整装置の出力信号の波形を示す。図7の波形は調整帯域の中心周波数f0における出力信号の波形である。図8の波形は他の帯域の周波数における出力信号の波形である。図7中の71〜74は、それぞれ初期状態(ゲイン更新処理の開始前)、電子ボリューム4のブースト量Bの更新時(図6中の「Evol更新」;ステップ25)、イコライザ2bのゲインGの更新時(「DSP係数更新」;ステップ26)、及びアッテネータ2aの減衰量Aの更新時(「ATT係数更新」;ステップ27)の波形部分である。図8中の81〜84も、それぞれ同様の時点における波形部分である。
図7及び図8で示されるように、ゲイン更新処理においては、波形部分71及び81で示される初期状態において、波形部分72及び82のように、ブースト量Bの更新により一旦レベルを減衰させから、波形部分73及び83のように、ゲインGの更新によって調整帯域のみゲインを減少させ(他の帯域の波形部分83はそのまま)、その後、波形部分74及び84のように、レベルの減衰分を、減衰量Aの更新によって元に戻すようにしている。これにより、他の帯域に影響を与えることなく、調整帯域のみゲインを減少させるようにしている。
図11は従来のようにアッテネータの減衰量Aの更新を先に行い、電子ボリュームのブースト量Bの更新を後で行うようにした点以外は図6の場合と同様にしてゲイン更新処理を行う場合の各設定値及び出力レベルの変化を示す。この場合、まず、アッテネータ2aの減衰量Aが、イコライザ2bの新たなゲインGと同量の減衰を与える−1[dB]に更新され、次に、イコライザ2bのゲインGが+1[dB]に更新され、そして電子ボリューム4のブースト量Bが、減衰量Aを相殺するように、+1[dB]に更新される。しかしその際、アッテネータ2aの減衰量Aを更新したとき、出力レベルは調整帯域の中心周波数f0において+3[dB]となり、更新前よりも1[dB]増大する。このことは、ゲイン更新処理により発生する音声信号における不連続点を目立たせることになる。
これに対し、本発明に従った図6の例によれば、電子ボリュームのブースト量Bの更新が先に行われ、アッテネータの減衰量Aの更新は後で行われるので、出力レベルが2[dB]よりも低い状態でゲイン更新処理が行われることになる。このため、ゲイン更新処理により発生する不連続点を目立たせることはない。すなわち、イコライザ2bのゲインGを減少させる場合、減少分だけアッテネータ2aの減衰量Aを減少させる(ゲインを増大させる)ので、従来のように減衰量Aの更新を先に行うと、必ず出力レベルを増大させることになる。これに対し、本実施形態によれば、電子ボリュームのブースト量Bを先に減少させ、アッテネータの減衰量Aの減少を後で行うようにしたため、ゲイン更新処理は、中心周波数f0については出力レベルが初期状態よりも減少した状態で行われて完了し、調整帯域外の周波数については、初期状態よりも減少した状態で行われ、初期状態に戻され、完了する。したがって、不連続点を目立たせることなく、ゲイン更新処理を行うことができる。なお、イコライザ2bのゲインGを増大させる場合も、図3〜図5に示されるように、出力レベルを減少させた状態で、不連続点を目立たせることなく、ゲイン更新処理を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ゲイン更新処理に際し、イコライザ2bのゲインを減少させる場合には、アッテネータ2aの減衰量の更新を後で行い、電子ボリューム4のブースト量の更新を先に行うようにしたため、ゲイン更新処理によって生じる不連続点によるノイズを目立たなくすることができる。したがって、従来行っていた、ゲイン設定処理の前後におけるミュートのオン・オフを省略することができる。したがって、ゲイン設定処理に際して出力音声信号がミュートにより途切れるのを回避することができるとともに、出力音声信号に基づいた聴取を行っているユーザは、中心周波数f0におけるゲインの変化を容易に認識することができる。また、イコライザ2bによるゲイン分だけ、アッテネータ2aにより減衰を施して、イコライザ2bへの入力レベルを下げるようにしたため、イコライザ2bによりクリップが生じるのを防止することができる。
なお、本発明は上述実施形態に限定されることなく、適宜変形して実施することができる。たとえば上述においては、ボリューム調整手段として、DSP2とは別個の電子ボリューム4を用いるようにしているが、電子ボリューム4の代わりに、図9に示すように、DSP2により構成されたデジタルボリューム2cを用いるようにしてもよい。
また、上述においては言及しなかったが、イコライザ2bによる調整対象となる帯域及び中心周波数f0は、たとえば、ユーザの指示に応じた複数の帯域及び中心周波数であってもよい。その場合、ゲイン設定処理においては、中心周波数毎に指示されたゲインをイコライザ2bに設定するようにしてもよい。この場合、アッテネータ2aの減衰量の更新は、指示された各中心周波数のゲインのうちの最大値に等しい減衰量となるように行えばよい。
1:AD変換器、2:DSP、2a:アッテネータ、2b:イコライザ、2c:デジタルボリューム、3:DA変換器、4:電子ボリューム、5:マイコン。

Claims (5)

  1. デジタル音声信号のレベルをデジタル信号処理により減衰させる減衰手段と、
    前記減衰手段の出力信号に対し、所定の周波数帯域について、設定されたゲインをデジタル信号処理により付与する特性調整手段と、
    前記特性調整手段の出力信号のレベルを調整するレベル調整手段と、
    前記減衰手段、特性調整手段、及びレベル調整手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記特性調整手段におけるゲインの設定値を減少させる場合、まず、前記レベル調整手段のゲインを所定量減少させ、次に、前記特性調整手段のゲイン設定値を更新し、その後、前記減衰手段の減衰量を所定量減少させることを特徴とする周波数特性調整装置。
  2. 前記特性調整手段におけるゲインの設定値を減少させる場合の減少量、前記レベル調整手段のゲインを所定量減少させるときの減少量、及び前記減衰手段の減衰量を所定量減少させるときの減少量は等しいことを特徴とする請求項1に記載の周波数特性調整装置。
  3. 前記制御手段は、前記特性調整手段におけるゲインの設定値を増大させる場合、まず、前記減衰手段の減衰量を所定量増大させ、次に、前記特性調整手段のゲイン設定値を更新し、その後、前記レベル調整手段のゲインを所定量増大させることを特徴とする請求項1又は2に記載の周波数特性調整装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかの周波数特性調整装置における制御手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  5. デジタル音声信号のレベルをデジタル信号処理により減衰させる減衰手段と、
    前記減衰手段の出力信号に対し、所定の周波数帯域について、設定されたゲインをデジタル信号処理により付与する特性調整手段と、
    前記特性調整手段の出力信号のレベルを調整するレベル調整手段とを備えた周波数特性調整装置における周波数特性調整方法であって、
    前記減衰手段、特性調整手段、及びレベル調整手段を制御する制御工程を備え、
    前記制御工程では、前記特性調整手段におけるゲインの設定値を減少させる場合、まず、前記レベル調整手段のゲインを所定量減少させ、次に、前記特性調整手段のゲイン設定値を更新し、その後、前記減衰手段の減衰量を所定量減少させることを特徴とする周波数特性調整装方法。
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