JP2010251245A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘導加熱調理器に備えた加熱コイルの径よりも大きな径の調理容器を加熱する場合にも、加熱むらを抑制するとともに、より高火力での加熱を可能とする誘導加熱調理器を得る。
【解決手段】天板2と、天板2の下に配設される複数の加熱コイル37、38と、加熱コイルに高周波電流を供給する複数のインバータ回路19、20と、インバータ回路の入力電力を検出する入力電力検出部12と、加熱出力と加熱動作モードを設定可能な入力設定部5と、入力設定部5からの入力を受けて表示部6に動作状態を表示させるとともにインバータ回路19、20を駆動制御する制御部44とを有し、入力設定部5において設定可能な加熱動作モードには複数の加熱コイル37、38への加熱出力を一体として制御する加熱出力一体モードと、複数の加熱コイル37、38への加熱出力を個別に制御する加熱出力個別モードとを有する。
【選択図】図6

Description

この発明は、複数の加熱コイルを有する誘導加熱調理器に関するものである。
従来の誘導加熱調理器においては、「複数の加熱コイルのうち少なくとも1個を他の加熱コイルの径と異なる径にすると共に、前記天板に前記加熱コイルの径にそれぞれ対応した大きさの鍋位置表示部を設けた」ものがあった(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の誘導加熱調理器では、他の加熱コイルの径と異なる径の加熱コイルを設けることにより、小さい鍋を使用する場合でも効率よく加熱することができる。
特開2004−186002号公報(第3頁、図1)
しかし、誘導加熱調理器に備えた加熱コイルの径よりも大きい径の鍋やフライパンなどを使用する場合、鍋やフライパンに対して加熱する火力が不足する場合があった。また、加熱コイルからの磁力線が鍋底の一部分にしか鎖交しないので、大きな加熱むらが生じる場合があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、誘導加熱調理器に備えた加熱コイルの径よりも大きな径の調理容器を加熱する場合にも、加熱むらを抑制するとともに、より高火力での加熱を可能とする誘導加熱調理器を提供するものである。
この発明に係る誘導加熱調理器は、被加熱物を載置する天板と、前記天板の下に配設される複数の加熱コイルと、前記加熱コイルにそれぞれ高周波電流を供給する複数のインバータ回路と、前記インバータ回路の入力電力あるいは出力電力を検出する電力検出手段と、加熱出力と加熱動作モードを設定可能な入力設定手段と、前記入力設定手段からの入力を受けて前記インバータ回路を駆動制御する制御手段とを有し、前記入力設定手段において設定可能な加熱動作モードには前記複数の加熱コイルへの加熱出力を一体として制御する加熱出力一体モードと、前記複数の加熱コイルへの加熱出力を個別に制御する加熱出力個別モードとを有するものである。
この発明によれば、一体加熱モードが設定されている場合には、複数のインバータ回路を駆動制御して複数の加熱コイルに高周波電流を通電させる。このため、複数の加熱コイルにより一つの鍋を加熱することができる。したがって、より広い面積の鍋底に誘導渦電流を生じさせて大きな径の鍋の加熱むらを抑制するとともに、より高火力での加熱が可能となる。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器の外観図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の回路構成図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第一加熱コイルと第二加熱コイルの形状と配置を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第一加熱コイルと第二加熱コイルの位置関係を示す側面断面模式図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の入力設定手段と表示部を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の加熱モード切替処理を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の個別加熱制御処理を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の一体加熱制御処理を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第一加熱コイルと第二加熱コイルの他の形状と配置を示す図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の一体加熱制御処理を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の火力表示の例である。 実施の形態4に係る誘導加熱調理器の要部の側面断面模式図である。 実施の形態4に係る誘導加熱調理器の個別加熱モードにおける天板の上面図である。 実施の形態4に係る誘導加熱調理器の一体加熱モードにおける天板の上面図である。
実施の形態1.
本実施の形態1では、第1加熱口と第2加熱口の2つの加熱口を有する誘導加熱調理器を例に説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す図であり、図1(A)は外観を示す斜視図、図1(B)は上面図である。図1において、誘導加熱調理器の本体1の上面には、被加熱物である調理容器を載置する天板2が設置されている。
天板2には、調理容器を載置すべき位置として、第一載置位置表示部3と、第二載置位置表示部4が表示されている。第一載置位置表示部3は、天板2の手前側の位置に略円形に表示されている。また、第二載置位置表示部4は、天板2の奥側の位置に横長楕円形状に表示されている。
第一載置位置表示部3、及び第二載置位置表示部4の下方に位置する本体1の内部には、それぞれの載置位置表示部の形状に類似する形状の加熱コイル(図1には図示せず)が配設され、この加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源回路や制御回路(図1には図示せず)も、本体1の内部に設けられている。
また、本体1の手前側の側面には、各加熱口の火力設定を行う入力設定部5が設けられている。入力設定部5は、第一加熱口の加熱の入り切りや火力設定を行う第一火力設定部5a、第二加熱口の加熱の入り切りや火力設定を行う第二火力設定部5b、及び個別加熱モードと一体加熱モードとを切り替える切替スイッチ5cを備える。
ここで、本実施の形態1に係る誘導加熱調理器は、個別加熱モードと一体加熱モードの2つの加熱モードで動作可能なものである。
個別加熱モードとは、第一加熱口と第二加熱口を個別に制御し、第一加熱口と第二加熱口にそれぞれ鍋を載置して加熱可能なモードである。また、一体加熱モードとは、第一加熱口と第二加熱口に跨るように載置した1つの鍋を、第一加熱口と第二加熱口とを用いて加熱可能とするモードであり、第一加熱口と第二加熱口を一体として制御するものである。なお、本実施の形態1では、この発明の加熱出力個別モードは個別加熱モードに、加熱出力一体モードは一体加熱モードにそれぞれ相当する。
また、第一加熱口及び第二加熱口の加熱出力状態を示す表示部6が設けられている。表示部6は、第一加熱口の火力を示す第一火力表示部6a、第二加熱口の火力を示す第二火力表示部6b、及び個別加熱モードと一体加熱モードとの区別を表示するモード表示ランプ6cを備える。第一火力表示部6aと第二火力表示部6bは、それぞれ複数のLED等の発光素子で構成され、個別加熱モードで動作中は、第一加熱口及び第二加熱口の設定火力に応じた数の発光素子をそれぞれ点灯表示する。また、一体加熱モードで動作中は、モード表示ランプ6cを点灯するとともに、設定された火力を第一火力表示部6aと第二火力表示部6bの両方を用いて表示する。
図2は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の回路構成を示す図である。
誘導加熱調理器は、商用交流電源7と、商用交流電力を第一加熱口用の高周波電力に変換する第一高周波電源回路8と、第一加熱口用の負荷回路9と、商用交流電力を第二加熱口用の高周波電力に変換する第二高周波電源回路10と、第二加熱口用の負荷回路11とを備える。
また、第一高周波電源回路8及び第二高周波電源回路10への入力電圧を検出する入力電圧検出部12と、第一高周波電源回路8の入力電流を検出する第一入力電流検出部13と、第二高周波電源回路10の入力電流を検出する第二入力電流検出部14とを備える。さらに、第一高周波電源回路8の出力電流を検出する第一出力電流検出部15と、第二高周波電源回路の出力電流を検出する第二出力電流検出部16とを備える。
第一高周波電源回路8は、商用交流電源7から供給される交流電力を整流して平滑する直流電源回路17と、平滑後の直流電力を高周波電力に変換する第一インバータ回路19とを備える。
直流電源回路17は、商用交流電源7から供給される交流電力を整流する整流回路21と、その整流後の出力を平滑するチョークコイル23と、平滑コンデンサ25を備える。
第一インバータ回路19は、直流電源回路17の出力母線間に直列に接続した高電位側スイッチング素子27と、低電位側スイッチング素子29と、各スイッチング素子と逆並列に接続したダイオード31、33、高電位側スイッチング素子27と低電位側スイッチング素子29を交互にオン/オフする駆動回路35を備える。
第二高周波電源回路10は、前述の第一高周波電源回路9と同様の構成である。
第一加熱口用の負荷回路9は、第一加熱コイル37と、第一加熱コイル37に直列に接続された共振コンデンサ39と、共振コンデンサ39に並列に接続されたクランプダイオード41とを備える。また、第二加熱口用の負荷回路11は、第二加熱コイル38と、第二加熱コイル38に直列に接続された共振コンデンサ40と、共振コンデンサ40に並列に接続されたクランプダイオード42とを備える。
報知部43は、ブザー音などの音声を出力する音声出力手段であり、例えば火力設定を変更する際にブザー音を出力する。
制御部44は、誘導加熱調理器全体の制御を行う制御部であり、入力設定部5により設定された火力等に基づいて駆動回路35、36を制御して第一加熱口及び第二加熱口の加熱出力を制御する。また、入力設定部5により設定された火力等に基づいて報知部43にブザー音を出力させるとともに、表示部6に加熱動作状態などを表示させる。
本実施の形態1においては、第一インバータ回路19、第二インバータ回路20への入力電力を検出可能な入力電圧検出部12、第一入力電流検出部13、及び第二入力電流検出部14が、この発明の電力検出手段に相当する。なお、第一インバータ回路19、第二インバータ回路20の出力電圧を検出する出力電圧検出部を別途設け、この出力電圧検出部と第一出力電流検出部15、第二出力電流検出部16により出力電力を検出し、本実施の形態1で述べる入力電力に代えて用いることもできる。
図3は、第一加熱コイル37と第二加熱コイル38の形状及びその配置を示した図であり、誘導加熱調理器の本体1を上方から見たときの図である。
図3に示すように、本体1の手前側に配置する第一加熱コイル37は略円形に巻き回し、奥側に配置する第二加熱コイル38は横長の楕円形に巻き回している。第一加熱コイル37は、横長の楕円形に巻き回された第二加熱コイル38の短径方向に位置するように配置されている。
また、第一加熱コイル37のコイル導線のピッチP0は、第二加熱コイル38の短径方向におけるコイル導線のピッチP1より広く、第二加熱コイル38の長径方向におけるコイル導線のピッチP2より狭い。このようにすることで、第一加熱コイル37のコイル導線密度と第二加熱コイル38のコイル導線密度との差が大きくならないようにしている。その結果、第一加熱コイル37と第二加熱コイル38に同等の高周波電流を流すことにより、第一加熱口と第二加熱口で大差ない加熱密度を得ることができる。特に、第一加熱コイルのコイル導線密度と第二加熱コイルのコイル導線密度を略同等とすれば、第一加熱コイルと第二加熱コイルに同等の高周波電流を流すことにより、第一加熱口と第二加熱口で略同等の加熱密度を得ることができる。このようにすることにより、加熱むらをより一層低減することができる。
図4は、第一加熱コイル37及び第二加熱コイル38と、調理容器45の位置関係を示す側面断面模式図である。図4では、図の右側が誘導加熱調理器の手前側、左側が誘導加熱調理器の奥側に相当する。
図4(A)は、個別加熱モードにおいて、中径の調理容器45aを第一加熱口で加熱し、小径の調理容器45bを第二加熱口で加熱する場合の載置位置を示している。図4(A)に示すように、調理容器45a、45bは、それぞれ第一加熱コイル37、第二加熱コイル38の直上の位置に載置する。
そして、第一火力設定部5a、第二火力設定部5bで火力が設定されると、制御部44は、設定された火力にしたがって第一インバータ回路19、第二インバータ回路20への通電制御を行い、負荷回路9、負荷回路11に電圧を印加する。この電圧印加により、負荷回路9、負荷回路11に高周波の共振電流が流れ、この電流により第一加熱コイル37、第二加熱コイル38に高周波磁界が発生する。そして、この高周波磁界により、第一加熱口、第二加熱口に載置された調理容器45a、45bの底部に渦電流を発生させ、鍋が誘導加熱される。
図4(B)は、一体加熱モードにおいて、第一加熱コイル37又は第二加熱コイル38の径より大きい径の調理容器45cを加熱する場合の載置位置を示している。図4(B)に示すように、調理容器45cは、第一加熱コイル37、第二加熱コイル38に跨るように載置する。
そして、第一インバータ回路19と第二インバータ回路20を同一の周波数で駆動させ、第一加熱コイル37及び第二加熱コイル38の両方の加熱コイルを用いて調理容器45cを加熱する。このようにすることで、調理容器45cの底の広い面積に誘導渦電流を生じさせて加熱することができる。
このとき、第一加熱コイル37と第二加熱コイル38に略逆周回方向(位相差90度超)の高周波電流を流す。第一加熱コイル37と第二加熱コイル38に流す高周波電流を同一周波数とすることで、各加熱コイルに流れる電流による磁界の周波数の差分による可聴周波数帯の鍋の振動音が発生するのを抑制することができる。
また、第一加熱コイル37と第二加熱コイル38に略逆周回方向の高周波電流を流すことで、第一加熱コイル37に流れる高周波電流による誘導渦電流と、第二加熱コイル38に流れる高周波電流による誘導渦電流とが、その境界部分で互いに打ち消し合うことがない。そして、これらの誘導渦電流は、略同方向に流れて強め合うので、第一加熱コイル37と第二加熱コイル38の間に対向する鍋底部分の加熱不足を抑制することができる。
図5は、実施の形態1に係る入力設定部5と表示部6を説明する図である。図5(A)は個別加熱モードで動作中の例、図5(B)は一体加熱モードで低火力レベルで動作中の例、図5(C)は一体加熱モードで高火力レベルで動作中の例を示す。
個別加熱モードと一体加熱モードの切替は、両加熱口による加熱を停止した状態で、切替スイッチ5cを操作することにより行う。そして、個別加熱モードのときにはモード表示ランプ6cを消灯させ、一体加熱モードのときには点灯させる。
個別加熱モードにおいては、第一火力設定部5aで第一加熱口の加熱入り切りと火力設定を行い、第二火力設定部5bで第二加熱口の加熱入り切りと火力設定を行う。そして、図5(A)に示したように、それぞれ設定された火力に応じて、第一火力表示部6aの発光素子と、第二火力表示部6bの発光素子を点灯させる。
一体加熱モードにおいては、第一火力設定部5aを操作することにより、第一加熱口と第二加熱口を合わせた火力の設定を行う。そして、第一火力表示部6aと第二火力表示部6bの両方を用いて、設定された火力に応じた表示を行う。図5(B)に示すように、設定された火力レベルが低い場合には、第一火力表示部6aのみを用いて表示する。また、図5(C)に示すように、設定された火力レベルが高い場合には、第一火力表示部6aと第二火力表示部6bの両方の発光素子を点灯させて火力を表示する。このようにすることで、一体加熱モード時には、より広い火力範囲の詳細な火力表示が可能となる。
なお、表示部6における加熱出力レベルの表示は、その加熱出力の大きさに応じた数の発光素子を発光させることにより行うが、この際、個別加熱モードと一体加熱モードとで表示態様を異ならせてもよい。例えば、個別加熱モードにおいては赤色LEDを点灯させ、一体加熱モードでは黄色LEDを点灯させるなど、加熱モードに応じて色を変えることができる。このようにすることで、使用者にどの加熱モードで動作しているのかを、はっきりと認識させることができる。
次に、図6〜図8に示すフローチャートにより、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の制御動作を説明する。図6は、加熱停止状態において個別加熱モードと一体加熱モードの切替を行う加熱モード切替処理を示す。
図6において、まず、制御部44に設定されている現在のモードが一体加熱モードか否かを判定する(S101)。
一体加熱モードでなければ、切替スイッチ5cによる一体加熱モードへの切替入力の有無を判断し(S102)、切替入力がなければ、第一火力設定部5a又は第二火力設定部5bへの加熱開始指示があるか否かを判断する(S103)。いずれの火力設定部とも停止状態であればステップS101に戻り、いずれかの火力設定部に加熱開始指示がなされていれば、個別加熱制御処理を実行する(S104)。
また、ステップS102において、一体加熱モードへの切替入力があった場合には、制御部44は現在のモードを一体加熱モードに設定し、一体加熱モード表示をセットしてモード表示ランプ6cを点灯させ(S105)、ステップS107へ進む。
また、ステップS101において、一体加熱モードであれば、切替スイッチ5cによる個別加熱モードへの切替入力の有無を判断し(S106)、切替入力がなければ、第一火力設定部5aへの加熱開始指示があるか否か判断する(S107)。そして、加熱開始指示がなければステップS101に戻り、加熱開始指示があれば一体加熱制御処理を実行する(S108)。
また、ステップS106において、個別加熱モードへの切替入力があった場合には、制御部44は現在の加熱モードを個別加熱モードに設定し、一体加熱モード表示をクリアしてモード表示ランプ6cを消灯させ(S109)、ステップS103へ進む。
以上のように、加熱モード切替処理においては、切替スイッチ5cで設定された加熱モードに応じて、個別加熱モードあるいは一体加熱モードでの加熱制御処理を行う。
次に、図7に基づき、第一加熱口と第二加熱口とで個別に火力を制御する個別加熱モードの動作を説明する。図7で示す処理は、大まかには、まず第一加熱口に対する制御を行い、続けて第二加熱口に対する制御を行う流れとなっている。
まず、第一火力設定部5aで設定された第一加熱口の加熱設定に変更があったか否かを判断する(S111)。変更がなければステップS113に移行し、変更があった場合には、第一火力表示部6aの発光素子の点灯数を、設定された火力に応じた数に変更するとともに、報知部43により第一報知音を発生させる(S112)。なお、この第一報知音は、個別加熱モードにおいて、火力設定が変更されたことを示す音声である。
続けて、入力電圧検出部12、第一入力電流検出部13、及び第一出力電流検出部15を用いて、第一加熱口の入力電圧、入力電流、及び出力電流を検出する(S113)。そして、検出された出力電流と所定の閾値を比較して、第一加熱口の出力電流が過大か否かを判断する(S114)。
ステップS114で第一加熱口の出力電流が過電流でなければ、第一火力設定部5aで設定された設定電力と、ステップS113で検出した入力電圧及び入力電流から算出した入力電力とを比較する(S115)。入力電力の方が大きければ駆動回路35を制御して第一インバータ回路19の駆動周波数を上昇させて第一加熱口の加熱出力を抑制し(S116)、入力電力の方が小さければ第一インバータ回路19の駆動周波数を低下させて第一加熱口の加熱出力を増加させる(S117)。設定電力と入力電力とが等しければ(S115)、ステップS118に移行する。
また、ステップS114で第一加熱口の出力電流が過電流であれば、ステップS116に移行して第一インバータ回路19の出力を抑制する(S116)。
また、第二加熱口に対する制御も同様にして行う。
まず、第二火力設定部5bで設定された第二加熱口の加熱設定に変更があったか否かを判断する(S118)。変更がなければステップS120に移行し、変更があった場合には、第二火力表示部6bの発光素子の点灯数を、設定された火力に応じた数に変更するとともに、報知部43により第一報知音を発生させる(S119)。
続けて、入力電圧検出部12、第二入力電流検出部14、及び第二出力電流検出部16を用いて、第二加熱口の入力電圧、入力電流、及び出力電流を検出する(S120)。そして、検出された出力電流と所定の閾値を比較して、第二加熱口の出力電流が過大か否かを判断する(S121)。
ステップS121で第二加熱口の出力電流が過電流でなければ、第二火力設定部5bで設定された設定電力と、ステップS120で検出した入力電圧及び入力電流から算出した入力電力とを比較する(S122)。入力電力の方が大きければ駆動回路36を制御して第二インバータ回路20の駆動周波数を上昇させて第二加熱口の加熱出力を抑制し(S123)、入力電力の方が小さければ第二インバータ回路20の駆動周波数を低下させて第二加熱口の加熱出力を増加させる(S124)。設定電力と入力電力とが等しければ(S122)、ステップS125に移行する。
また、ステップS121で第二加熱口の出力電流が過電流であれば、ステップS123に移行して第二インバータ回路20の出力を制御する。
次いで、第一加熱口と第二加熱口の双方とも入力設定部5により加熱停止が指示されているか否か判断し(S125)、加熱停止が指示されていれば処理を終了し、加熱停止が指示されていなければステップS111に戻って処理を継続する。
次に、図8に基づき、第一加熱口と第二加熱口を一つの加熱口として一体で火力制御する一体加熱モードの動作を説明する。一体加熱モードにおいては、第一火力設定部5aによりその火力を設定する。
まず、第一火力設定部5aで設定された火力設定に変更があったか否かを判断する(SS131)。変更がなければステップS133に移行し、変更があった場合には、第一火力表示部6a及び第二火力表示部6bの発光素子の点灯数を、設定された一体加熱火力に応じた数に変更するとともに、報知部43により第二報知音を発生させる(S132)。なお、この第二報知音は、一体加熱モードにおいて、火力設定が変更されたことを示す音声であり、前述の図7で説明した第一報知音とは音色等の異なるものとする。このようにすることで、動作モードの違いを使用者に確実に認識させるようにする。
また、表示部6における火力表示も、前述の通り例えば個別加熱モードにおける表示とは点灯色が異なるものとすることができる。また、一体加熱モード時には、第一火力表示部6aと第二火力表示部6bを1つの表示部として扱って火力表示に用いてもよい。
次に、入力電圧検出部12、第一入力電流検出部13、第二入力電流検出部14、第一出力電流検出部15、及び第二出力電流検出部16を用いて、第一加熱口と第二加熱口の入力電圧、入力電流、及び出力電流を検出する(S133)。そして、検出された第一加熱口の出力電流(以下、第一出力電流)と第二加熱口の出力電流(以下、第二出力電流)を比較する(S134)。
第一出力電流の方が大きい場合、第一出力電流が過電流か否か判断し(S135)、過電流でなければ設定火力に対応する電力と、ステップS133で検出した入力電圧及び第一・第二の入力電流から算出される第一加熱口及び第二加熱口の入力電力の和と比較する(S136)。
ステップS136で入力電力の和の方が小さい場合には、駆動回路36を制御して第二インバータ回路20の出力を増加させ(S137)、ステップS143へ進む。また、入力電力の和の方が大きい場合には駆動回路35を制御して第一インバータ回路19の出力を抑制し(S138)、ステップS143へ進む。また、設定電力と入力電力の和が等しい場合には、そのままステップS143へ進む。
また、ステップS135で第一出力電流が過電流であれば、ステップS138に移行して第一インバータ回路19の出力を抑制する(S138)。
また、ステップS134で第二の出力電流の方が大きい場合には、その第二出力電流が過電流か否か判断し(S139)、過電流でなければ設定火力に対応する電力と、ステップS133で検出した入力電圧及び第一・第二の入力電流から算出される第一加熱口及び第二加熱口の入力電力の和と比較する(S140)。
ステップS140で入力電力の和の方が小さい場合には、駆動回路35を制御して第一インバータ回路19の出力を増加させ(S141)、ステップS143へ進む。また、入力電力の和の方が大きい場合には駆動回路36を制御して第二インバータ回路20の出力を抑制する(S142)。また、設定電力と入力電力の和が等しい場合には、そのままステップS143へ進む。
また、ステップS139で第二出力電流が過電流であれば、ステップS142に移行して第二インバータ回路20の出力を抑制する(S142)。
続けて、第一火力設定部5aに加熱停止が指示されているか否か判断し(S143)、加熱停止が指示されていれば一体加熱処理を終了し、加熱停止が指示されていなければステップS131に戻って処理を継続する。
このように、一体加熱モードにおいては、第一加熱口と第二加熱口の入力電力の和を、設定火力に対応する電力となるように制御し、第一加熱コイル37と第二加熱コイル38に流れる電流の差を抑えるように制御する。このようにすることで、第一インバータ回路19及び第二インバータ回路20が備える複数のスイッチング素子に流れる電流の片寄りを低減し、一部のスイッチング素子にストレスが集中するのを回避する。したがって、第一加熱コイル37による加熱部分と第二加熱コイル38による加熱部分との加熱むらを抑えることができる。
以上のように本実施の形態1に係る誘導加熱調理器によれば、複数の加熱口を個別に加熱制御する個別加熱モードと、複数の加熱口を一つの加熱口として制御する一体加熱モードを設けた。そして、一体加熱モードにおいては、第一加熱コイル37と第二加熱コイル38を一体に制御するようにした。このため、第一加熱コイル37や第二加熱コイル38の径よりも大きな径の鍋を加熱することができる。
また、一体加熱モードにおいては、第一加熱口と第二加熱口の入力電力の和を、設定火力に対応する電力となるように制御し、第一加熱コイル37と第二加熱コイル38に流れる電流の差を抑えるように制御する。このため、一体加熱モードで加熱する際の鍋の加熱むらを抑制することができる。
また、第二加熱コイル38を楕円形状として、その短径方向に第一加熱コイル37が位置するように配置した。このため、一体加熱モードで加熱する際に、第一加熱コイル37と第二加熱コイル38とで加熱される鍋底部位の形状が細長くなるので、鍋底の加熱むらが大きくなるのを抑制することができる。
また、第一加熱コイル37のコイル導線密度と第二加熱コイル38のコイル導線密度との差が大きくならないように構成した。このため、第一加熱コイル37と第二加熱コイル38に同等の高周波電流を流すことにより、第一加熱口と第二加熱口で大差ない加熱密度を得ることができる。特に、第一加熱コイル37のコイル導線密度と第二加熱コイル38のコイル導線密度を略同等とすれば、第一加熱コイルと第二加熱コイルに同等の高周波電流を流すことにより、第一加熱口と第二加熱口で略同等の加熱密度を得ることができる。このようにすることにより、加熱むらをより一層低減することができる。
また、個別加熱モードで動作中と一体加熱モードで動作中とでは、表示部6による火力表示を異ならせるとともに、報知部43による報知音も異ならせるようにした。このため、どの加熱モードで動作しているのかを、使用者により明確に伝えることができる。
なお、本実施の形態1では、第一加熱コイル37を略円形とし、第二加熱コイル38を楕円形とする例を示したが、図9に示すように、両方の加熱コイルとも楕円形状に巻き回して構成してもよい。このようにすることで、一体加熱モードで加熱する際の第一加熱コイル37と第二加熱コイル38とで加熱される鍋底部位の形状が円形に近づき、鍋底の加熱むらをさらに抑制することが容易となる。
実施の形態2.
図10は、この発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器の一体加熱モードでの加熱制御処理のフローチャートである。本実施の形態2に係る誘導加熱調理器の回路構成(図2)や一体加熱モードでの加熱制御処理以外の制御処理(図6、図7)は、前述の実施の形態1と同様であるので、本実施の形態2では相違点を中心に説明する。
前述の実施の形態1では、図3に示すコイル線密度が同等の第一加熱コイル37と第二加熱コイル38を用い、一体加熱モードにおいては図8のフローチャートに示したように各加熱コイルに流す高周波電流の大きさを近づけるように制御して、鍋の加熱むらを抑制した。これに対し本実施の形態2では、一体加熱モードにおいて、第一高周波電源回路8の入力電力と第二高周波電源回路10の入力電力の比を、第一加熱コイル37の面積S1と第二加熱コイル38の面積S2の比に近づけることにより、鍋の加熱むらを抑制する。
図10において、ステップS231〜ステップS233は、前述の実施の形態2における図8のステップS131〜ステップS133に相当し、同様の動作を行う。
ステップS234において、ステップS233で検出した第一出力電流と第二出力電流が過電流か否か判断する(S234)。
第一出力電流と第二出力電流のいずれか又は両方が過電流であれば、その過電流となっている出力電流を抑制すべく、対応する駆動回路35又は駆動回路36を制御して、第一インバータ回路19又は第二インバータ回路20の出力を抑制する(S235)。
ステップS234で、第一出力電流と第二出力電流の双方ともが過電流でなかった場合には、設定火力に対応する電力と、ステップS233で検出した入力電圧及び第一・第二入力電流から算出される第一加熱口の入力電力(W1)及び第二加熱口の入力電力(W2)の和と比較する(S236)。
ステップS236で、入力電力の和の方が大きい場合には、第一加熱コイル37の面積(S1)に対する第一加熱口の入力電力(W1)の割合(以下、加熱密度W1/S1)と、第二加熱コイル38の面積(S2)に対する第二加熱口の入力電力(W2)の割合(以下、加熱密度W2/S2)と比較する(S237)。
ステップS237で、加熱密度W1/S1が、加熱密度W2/S2より大きい場合には、第一加熱口の加熱密度の方が第二加熱口の加熱密度より高いといえる。この場合は、駆動回路35を制御して第一インバータ回路19の出力を抑制する。このようにすることで、第一加熱口と第二加熱口の入力電力の和を減少させるとともに、第一加熱口の加熱密度と第二加熱口の加熱密度の差を縮小させることができる(S238)。
ステップS237で、加熱密度W1/S1が、加熱密度W2/S2より大きくない場合には、駆動回路36を制御して第二インバータ回路20の出力を抑制する。このようにすることで、第一加熱口と第二加熱口の入力電力の和を減少させるとともに、第二加熱口の加熱密度を減少させる(S239)。
また、ステップS236において、入力電力の和が設定火力に対応する電力と同等である場合も、第一加熱口の加熱密度W1/S1と第二加熱口の加熱密度W2/S2とを比較する(S240)。
そして、ステップS240で第一加熱口の加熱密度W1/S1の方が大きい場合には、ステップS238に移行して第一インバータ回路19の出力を抑制する(S238)。また、第二加熱口の加熱密度W2/S2の方が大きい場合には(S240)、ステップS239に移行して第二インバータ回路20の出力を抑制する(S239)。このようにすることで、第一加熱口と第二加熱口の加熱密度の差を低減させる。
また、ステップS240で第一加熱口の加熱密度と第二加熱口の加熱密度が同等であれば、そのまま処理を終了する。
また、ステップS236において、入力電力の和が設定火力に対応する電力よりも小さい場合には、第一加熱口の加熱密度W1/S1と第二加熱口の加熱密度W2/S2とを比較する(S241)。
そして、第一加熱口の加熱密度の方が小さい場合には、駆動回路35を制御して第一インバータ回路19の出力を増加させる(S242)。また、第一加熱口の加熱密度が第二加熱口の加熱密度より小さくない場合には、駆動回路36を制御して第二インバータ回路20の出力を増加させる(S243)。このようにすることで、第一加熱口と第二加熱口の加熱密度の差を低減させる。
以上のように、本実施の形態2に係る誘導加熱調理器によれば、一つの鍋を複数の加熱コイルで加熱する一体加熱モードにおいて、各加熱コイルの面積を考慮し、各加熱コイルの加熱密度の差を抑制するように各加熱コイルの駆動状態を制御するようにした。このため、各加熱コイルの加熱密度の差に起因する加熱むらを抑制することができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、個別加熱モードと一体加熱モードにおける、表示部による火力表示について説明する。
図11は、本実施の形態3に係る火力表示部60の詳細を示した図であり、図11(A)は個別加熱モードにおける火力表示、図11(B)は一体加熱モードにおける火力表示の例を示している。なお、火力表示部60は、前述の実施の形態1の第一火力表示部6a及び第二火力表示部6bに相当するものである。
図11に示すように、火力表示部60は複数の発光素子61〜6n(以下、単に発光素子と称する)が連なって配列されている。なお、図11では、点灯状態の発光素子を実線で表示し、消灯状態の発光素子を破線で示している。
本実施の形態3では、発光素子は例えば青色と赤色の2色表示が可能なLEDである。加熱口が加熱可能な状態となると、対応する複数の発光素子すべてを青色で点灯する。そして、出力中の火力に応じた数の発光素子を赤色で点灯させ、各加熱口の火力レベルに応じて赤色で点灯する発光素子の数を増減させる。
図11(A)に示すように、個別加熱モードでは、連なって配列された複数の発光素子を、第一加熱口の火力表示用と第二加熱口の火力表示用に分け、中間部に位置するいくつかの発光素子を消灯状態(図11(A)の破線表示箇所)として2つの加熱口の火力表示部を分離する。そして、第一加熱口の火力表示と第二加熱口の火力表示とを、発光素子の点灯色を変更することにより行う。
図11(B)に示すように、一体加熱モードにおいては、連なって配列された複数の発光素子のうち、連続して位置する発光素子を使用して、一体制御される加熱口の火力表示を行う。図11(B)の例では、左右両端に位置するいくつかの発光素子を消灯状態にして使用しないこととしているが、すべての発光素子を使用して火力表示を行ってもよい。このように、連続して位置する発光素子を使用して火力表示を行うことで、第一加熱口と第二加熱口が一つの加熱口として動作することを使用者により明確に知らせることができる。
また、一体加熱モードにおいて、火力レベルの表示を、個別加熱モードにおける火力レベルの表示とは色を変えて表示してもよい。例えば、赤色と青色の同時点灯により紫色で表示することができる。このように、一体加熱モードと個別加熱モードの火力レベルの表示色を異ならせることで、加熱モードの区別をより一層明確化することができる。
以上のように本実施の形態3に係る誘導加熱調理器によれば、複数の加熱口を個別に加熱制御する個別加熱モードと、複数の加熱口を一つの加熱口として制御する一体加熱モードにおいて、連なって配置された発光素子を用いて火力レベルの表示を行うようにした。そして、発光素子の点灯状態を制御することで、個別加熱モードと一体加熱モードとを区別させるようにした。このため、現在の加熱モードの状態を使用者に直感的に把握させることができるとともに、加熱口の火力レベルを知らせることができる。
なお、本実施の形態3は、他の実施の形態と組み合わせて用いることができる。
実施の形態4.
本実施の形態4では、天板に鍋の載置位置を表示するとともに、個別加熱モードと一体加熱モードとを区別可能とする実施の形態について説明する。
図12は、本実施の形態4に係る誘導加熱調理器の側面断面模式図であり、主要部のみ記載している。図13は個別加熱モードにおける天板2の上面図、図14は一体加熱モードにおける天板2の上面図である。
図12において、天板2の下方には、第一光源46及び第一導光体47と、第二光源48及び第二導光体49と、第三光源50及び第三導光体51とを備える。第一光源46、第二光源48、第三光源50は光を発する電球やLEDなどで構成され、第一導光体47、第二導光体49、第三導光体51は、例えば透明アクリル樹脂や透明ガラスなどの導光部材で構成される。第一導光体47は第一加熱コイル37の外周に相当する形状を有し、第二導光体49は第二加熱コイル38の外周に相当する形状を有する。また、第三導光体51は第一加熱コイル37と第二加熱コイル38を取り囲む略楕円形状に相当する形状をなしている。本実施の形態4において、第一光源46、第一導光体47、第二光源48、第二導光体49、第三光源50、及び第三導光体51は、この発明のガイド表示部に相当する。
天板2は、少なくとも第一導光体47、第二導光体49、第三導光体51に相当する位置が、光線を透過可能に構成されている。そして、第一光源46からの光が第一導光体47により、第二光源48からの光が第二導光体49により、第三光源50からの光が第三導光体51により導かれ、天板2を介して照射される。
このように構成された誘導加熱調理器において、複数の加熱口を個別に加熱制御する個別加熱モードと、複数の加熱口を一つの加熱口として制御する一体加熱モードとで、第一光源46、第二光源48、第三光源50の点灯状態を切り替えることにより鍋の載置位置を表示する。
個別加熱モードでは、第一光源46及び第二光源48を点灯させるとともに、第三光源50は消灯し、図13に示すように第一加熱口と第二加熱口に相当する位置に、鍋の載置位置を表示する。図13において、実線で示した円形表示52、53が、第一光源46、第二光源48の点灯により表示される第一加熱口及び第二加熱口に対応する鍋の載置位置表示である。なお、破線で示した円形表示54は、第三光源50が消灯されているために表示されない。
一体加熱モードでは、第一光源46及び第二光源48を消灯させるとともに、第三光源50は点灯し、図14に示すように第一加熱口と第二加熱口の両方を囲う円形表示54により、鍋の載置位置を表示する。なお、破線で示す円形表示52、53は、第一光源46、第二光源48が消灯されているために表示されない。
以上のように本実施の形態4に係る誘導加熱調理器によれば、複数の加熱口を個別に加熱制御する個別加熱モードと、複数の加熱口を一つの加熱口として制御する一体加熱モードにおいて、鍋の載置位置をガイドする表示の状態を切り替えるようにした。このため、使用者は、加熱モードに応じて適切な位置に鍋を載置することができる。したがって、鍋の載置位置のずれを抑制することができ、鍋ずれに伴う加熱効率の低下を抑制することができる。また、加熱モードに応じて鍋の載置位置の表示状態を切り替えるので、使用者は、どの動作モードで動作中であるか容易に把握することができる。さらに、加熱モードに応じて適切な鍋の大きさを使用者に知らせることができる。
なお、本実施の形態4は、他の実施の形態と組み合わせて用いることができる。
なお、上記説明では、2つの加熱口(加熱コイル)を有する誘導加熱調理器を例に説明したが、加熱口(加熱コイル)の数はこれに限定されるものではない。例えば、3つの加熱口(加熱コイル)を有する誘導加熱調理器に本発明を適用することができ、この場合、3つの加熱口のうちの2つを一体加熱に使用することもできるし、3つの加熱口すべてを一体加熱に使用することとしてもよい。
1 本体、2 天板、3 第一載置位置表示部、4 第二載置位置表示部、5 入力設定部、5a 第一火力設定部、5b 第二火力設定部、5c 切替スイッチ、6 表示部、6a 第一火力表示部、6b 第二火力表示部、6c モード表示ランプ、7 商用交流電源、8 第一高周波電源回路、9 負荷回路、10 第二高周波電源回路、11 負荷回路、12 入力電圧検出部、13 第一入力電流検出部、14 第二入力電流検出部、15 第一出力電流検出部、16 第二出力電流検出部、17、18 直流電源回路、19 第一インバータ回路、20 第二インバータ回路、21、22 整流回路、23、24 チョークコイル、25、26 平滑コンデンサ、27、28 高電位側スイッチング素子、29、30 低電位側スイッチング素子、31、32、33、34 ダイオード、35 駆動回路、36 駆動回路、37 第一加熱コイル、38 第二加熱コイル、39 共振コンデンサ、40 共振コンデンサ、41 クランプダイオード、42 クランプダイオード、43 報知部、44 制御部、45 調理容器、45a 調理容器、45b 調理容器、45c 調理容器、46 第一光源、47 第一導光体、48 第二光源、49 第二導光体、50 第三光源、51 第三導光体、52 円形表示、53 円形表示、54 円形表示、60 火力表示部、61〜6n 発光素子。

Claims (11)

  1. 被加熱物を載置する天板と、
    前記天板の下に配設される複数の加熱コイルと、
    前記加熱コイルにそれぞれ高周波電流を供給する複数のインバータ回路と、
    前記インバータ回路の入力電力あるいは出力電力を検出する電力検出手段と、
    加熱出力と加熱動作モードを設定可能な入力設定手段と、
    前記入力設定手段からの入力を受けて前記インバータ回路を駆動制御する制御手段とを有し、
    前記入力設定手段において設定可能な加熱動作モードには前記複数の加熱コイルへの加熱出力を一体として制御する加熱出力一体モードと、前記複数の加熱コイルへの加熱出力を個別に制御する加熱出力個別モードとを有する
    ことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記複数の加熱コイルは2つの加熱コイルであり、
    少なくとも一方の加熱コイルを略楕円形状に巻き回して構成する
    ことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記略楕円形状に巻き回した加熱コイルの短径方向に、他方の加熱コイルを配置した
    ことを特徴とする請求項2記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記2つの加熱コイルのうちの他方の加熱コイルは略円形に巻き回して構成され、この巻き回しの幅は、前記略楕円形状に巻き回した加熱コイルの短径方向の幅よりも広く、長径方向の幅よりも狭い
    ことを特徴とする請求項2または請求項3記載の誘導加熱調理器。
  5. 加熱出力と加熱動作モード等の動作状態を表示可能なモード表示手段を備え、
    加熱出力一体モードが設定されている場合、
    前記制御手段は、前記モード表示手段に加熱出力一体モードで動作していることを表示させる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記入力設定手段により設定された加熱動作モードに応じて、異なる表示状態で前記加熱出力を表示する加熱出力表示手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記入力設定手段により加熱出力が変更された際に音声を出力する音声出力手段を備え、
    前記音声出力手段は、前記入力設定手段により設定された加熱動作モードに応じて、異なる音声を出力する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記入力設定手段により設定された加熱動作モードに応じて、前記被加熱物を載置すべき前記天板上の位置をガイドするガイド表示部を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記加熱出力一体モードで動作させるときは、
    前記制御手段は、前記電力検出手段で検出された検出電力の和が、前記入力設定手段で設定された加熱出力の電力となるように、前記複数のインバータ回路を駆動制御する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか記載の誘導加熱調理器。
  10. 前記加熱出力一体モードで動作させるときは、
    前記制御手段は、前記複数の加熱コイルの加熱密度が略同等の大きさとなるように、前記複数のインバータ回路を駆動制御する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか記載の誘導加熱調理器。
  11. 前記複数の加熱コイルは2つの加熱コイルであり、
    一方の前記加熱コイルのインバータ回路に流す高周波電流に対して、他方の前記加熱コイルのインバータ回路に流す高周波電流は略逆周回方向とする
    ことを特徴とする請求項9または請求項10記載の誘導加熱調理器。
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