JP2010250176A - 軽量粘土の配合組成とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合成樹脂マイクロバルーン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキシド、水溶性高分子展伸剤及び水を配合したことを特徴とする軽量粘土を提供する。水溶性高分子展伸剤は、アラビアガム、トラガカントガム、グアーガム、ローカストガム、カラヤガム、アルギン酸、寒天、大豆グルー、グルテン、ポリアクリル酸ソーダからなる群から選択された少なくとも1種が適する。
【選択図】なし
Description
さらに本願発明は、上記の粘土同士の良好なくっつき性と水彩絵具による着色性を実現した上で、粘土の伸びをも改善することができた軽量粘土の提供を図らんとするものである。
本願の請求項2に係る発明は、水溶性高分子展伸剤が配合されたことを特徴とする請求項1記載の軽量粘土を提供する。
本願の請求項3に係る発明は、合成樹脂マイクロバルーン1〜15重量%、ポリビニルアルコール2〜15重量%、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキシド0.01〜2重量%及び水50〜90重量%が配合されたことを特徴とする軽量粘土を提供する。
本願の請求項4に係る発明は、アラビアガム、トラガカントガム、グアーガム、ローカストガム、カラヤガム、アルギン酸、寒天、大豆グルー、グルテン、ポリアクリル酸ソーダからなる群から選択された少なくとも1種からなる水溶性高分子展伸剤0.1〜10重量%が配合されたことを特徴とする請求項は3記載の軽量粘土を提供する。
本願の請求項5に係る発明は、第1群として合成樹脂マイクロバルーンとポリビニルアルコールとを混合し、第2群として、温水と、水溶性高分子展伸剤と、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキシドとを混合し、この第1群と第2群とを混合攪拌して粘土を製造することを特徴とする軽量粘土の製造方法を提供する。
本願の請求項2〜4に係る発明は、粘土の伸びを改善し、工作容易な軽量粘土を提供することができたものである。
本願の請求項5に係る発明は、これらの特性を有する新たな軽量粘土の製造方法を提供することができたものである。
最も望ましい実施例に係る粘土では、粘土の柔軟性、やさしい肌触り、表面の平滑性、保水性、収縮性、伸び、粘土同士のくっつきの良さを実現し、その上に、水彩絵具の練り込み、及び、乾燥後の水彩絵具での着色が可能といった特徴も保持している。
合成樹脂マイクロバルーンの粒径は、特に限定されないが、1〜150μm、特に30〜100μmであることが望ましい。この粒径は、小さすぎると粘土が重たくなり、大きすぎると壊れ易い。
合成樹脂マイクロバルーンの配合量は、乾燥重量で、粘土全体の1〜15重量%が望ましい。配合量が少なすぎると粘土の重量が重くなり、多すぎると粘土としての造形性や保形成が悪くなる。この乾燥重量は、固形分10〜15%、水分85〜90%として、乾燥重量で表した。即ち、配合当初は、合成樹脂マイクロバルーンは乾燥状態で配合され、ともに配合される水分を吸収した状態で粘土として完成される。
ポリビニルアルコールの配合量は、粘土全体の2〜15重量%の範囲内が望ましく、5〜12重量%の範囲内がより望ましい。
ポリビニルアルコールは、ゲル化剤によってゲル状にして配合すると、「コシ」のある粘土が得られる点で望ましい。このゲル化剤として、ボウ硝(硫酸ソーダ)、カリウムミョウバン(ミョウバン)、硼酸、硼砂などが挙げられる。配合量は、ポリビニルアルコール100重量部に対して、ゲル化剤を2〜15重量部が好ましく、特に、8〜15重量部が望ましい。
ポリエチレングリコールは、エチレングリコールが重合した構造を持つ高分子化合物(ポリエーテル)で、ポリエチレンオキシドも基本的に同じ構造を持つ。ただ、分子量が50,000g/mol未満のものをポリエチレングリコールといい、50,000g/mol以上のものをポリエチレンオキシドという。両者は、化学的性質はほぼ同じであるので、本願発明の軽量粘土にはいずれも用いることができ、併用することもできる。ただ、ポリエチレンオキシドは、作業工程上、水への分散が若干難しい。
ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキシドを上記のポリビニルアルコールと組み合わせ使用することによって、粘土に粘りが出て、亀裂が入り難くなり、保形成もよく、何よりも粘土同士のくっつきが良くなる。よって、本願発明の粘土にあっては、良好な造形性を実現することができたものである。
このポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキシドは、0.01〜2重量%の範囲内で配合することが望ましい。
繊維粉としては、パルプ、有機繊維粉、ケナフを挙げることができ、これのうち、少なくとも一種を添加することができる。合成糊剤としては、メチルセルロース類を挙げることができ、具体的には、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキメチルセルロース、ヒドロキエチルセルロースのうちの少なくとも一種を添加することができる。
第1群として、表1に示す配合量の合成樹脂マイクロバルーンとポリビニルアルコールとを攪拌する。第2群として、別のタンク中の温水に、表1に示す配合量のポリエチレングリコールとアラビアゴムとゲル化剤(ポリビニルアルコールの10重量%を配合)を溶かし、第1群と第2群とを混合攪拌して、押出機で押し出し形成して、粘土を製造した。なお、表1、表2における各成分の単位は、重量%である。
(実施例2)
アラビアガムを用いず、配合量が異なる以外は、実施例1と同様である。
(実施例3)
配合量が異なる以外は、実施例1と同様である。
(実施例4)
カルボキシメチルセルロースを第1群に加えると共に、配合量が異なる以外は、実施例1と同様である。
(実施例5)
アラビアガムに代えてローカストガムを第2群に加えると共に、配合量が異なる以外は、実施例1と同様である。
(実施例6)
アラビアガムに代えてアルギン酸を第2群に加えると共に、配合量が異なる以外は、実施例1と同様である。
(実施例7)
ポリエチレングリコールに代えてポリエチレンオキシドを第2群に加えると共に、配合量が異なる以外は、実施例1と同様である。
(実施例8)
第1群にカルボキシメチルセルロース及び乾燥パルプを加えると共に、配合量が異なる以外は、実施例1と同様である。
(実施例9)
アラビアガムを用いず、第1群にカルボキシメチルセルロースを加えると共に、配合量が異なる以外は、実施例1と同様である。
(比較例1)
ポリエチレングリコールを用いず、第1群にカルボキシメチルセルロース及び乾燥パルプを加えると共に、配合量が異なる以外は、実施例1と同様である。
(比較例2)
ポリエチレングリコールを用いず、配合量が異なる以外は、実施例1と同様である。
得られた各実施例及び比較例の粘土について、3名の評価係が、それぞれを試用して塑像を作成し、粘土の下記の項目について評価した。評価の集計は、各評価係が各項目毎に1〜3点を与えて採点し、3人の得点の合計について、下記の評価を付した。
◎=8〜9点
○=6〜7点
△=4〜5点
×=3点
(1)粘土同士のくっつき
粘土が、手に付着することなく、且つ、粘土同士が良好に付着して、良好な造形性を示すか否かを評価する。
1点=手に付着して、粘土同士がほとんどくっつかない
2点=手にも付着するが、粘土同士もくっつく
3点=手に付着せず、粘土同士が良好にくっつく
造形し、乾燥させた後の粘土に水彩絵具で着色を施し、絵具の付着程度を観察する。
1点=粘土が絵具をはじいてしまって、絵具が定着しない
2点=粘土が絵具を少しはじくが、数度塗れば絵具は定着する
3点=粘土が絵具をはじくことなく、絵具が良好に定着する
造形後の粘土の表面状態を観察する。
1点=造形後の粘土の表面が粗面となっている
2点=造形後の粘土の表面がやや滑らかになっている
3点=造形後の粘土の表面が滑らかになっている
造形中の粘土の状態を観察する。
1点=粘土を引っ張ったとき、伸びにくく、伸びる前にちぎれてしまう
2点=粘土を引っ張ったとき、少し伸びにくいが、伸びを示した後にちぎれる
3点=粘土を引っ張ったとき、適度な伸びを示した後にちぎれる
Claims (5)
- 合成樹脂マイクロバルーン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキシド、及び、水を配合したことを特徴とする軽量粘土。
- 水溶性高分子展伸剤が配合されたことを特徴とする請求項1記載の軽量粘土。
- 合成樹脂マイクロバルーン1〜15重量%、ポリビニルアルコール2〜15重量%、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキシド0.01〜2重量%及び水50〜90重量%が配合されたことを特徴とする軽量粘土。
- アラビアガム、トラガカントガム、グアーガム、ローカストガム、カラヤガム、アルギン酸、寒天、大豆グルー、グルテン、ポリアクリル酸ソーダからなる群から選択された少なくとも1種からなる水溶性高分子展伸剤0.1〜10重量%が配合されたことを特徴とする請求項3記載の軽量粘土。
- 第1群として合成樹脂マイクロバルーンとポリビニルアルコールとを混合し、
第2群として、温水と、水溶性高分子展伸剤と、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキシドとを混合し、
この第1群と第2群とを混合攪拌して粘土を製造することを特徴とする軽量粘土の製造方法。
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