JP2010250042A - プロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】液体循環部材の内部に気泡が発生しても、熱伝達性能の低下を防止して光学素子を効率的に冷却するプロジェクターを提供すること。
【解決手段】環状の流路に沿って冷却液体を循環させて液晶パネル451を冷却する液冷装置6を備えたプロジェクター1であって、液冷装置6は、冷却液体を内部に流動可能で、冷却液体と熱伝達可能に液晶パネル451を保持する光学素子保持部61と、冷却液体の流動方向を正方向と逆方向とに切り替え可能な液体圧送部62と、冷却液体を内部に流動する受熱ジャケット63と、冷却液体を貯留・供給する供給タンク64と、吸熱面661と放熱面662を有し、吸熱面661が受熱ジャケット63と熱伝達可能に接続するペルチェ素子66と、光学素子保持部61〜液体圧送部62〜受熱ジャケット63〜供給タンク64〜光学素子保持部61、の順に接続して環状の流路を形成する複数の液体循環部材65と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、プロジェクターに関する。
従来、光源装置と、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調素子と、画像光を拡大投写する投写光学装置と、を備えたプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターにおいて、光変調素子などの光学素子を冷却液体により冷却する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、内部に冷却液体を流動可能とし光学素子を保持する光学素子保持体と、冷却液体を強制的に循環させる液体圧送部と、ラジエーターと、を備える。これら各部材は、複数の液体循環部材により接続されており、冷却液体を循環させる環状の流路が形成されている。そして、光学素子に生じた熱は、光学素子保持体を介して冷却液体に伝達される。冷却液体に伝達された熱は、冷却液体がラジエーターを流動する際に放熱される。
特開2007−41412号公報
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクターでは、冷却液体の熱を放熱する手段としてラジエーターを採用しているが、冷却液体の温度を効率的に低下させることが難しい。詳細には、ラジエーターで冷却液体の熱を放熱しても、冷却液体の温度は、あまり低下せずに比較的高い温度となる(最低の温度は略環境温度となる)。従って、比較的高い温度の冷却液体により光学素子を冷却することになるため、光学素子を効率的に冷却することが難しいという課題がある。
また、液体圧送部やラジエーターなどをプロジェクター内部に設置する際、プロジェクター内部に設置される光学系や回路系などの構成物を避けながら設置しなければならない。そのため、液体流動管(液体循環部材)は、屈曲性が高い樹脂製の流動管を用いることでプロジェクター内部を引き回すことが有利となる。しかし、液体流動管として樹脂製の流動管を用いた場合、樹脂製流動管の有する水分透過性により、冷却液体が樹脂製流動管の内部から外部に蒸発する。その結果、樹脂製流動管の内部に気泡が発生する。液体流動管内部に気泡が発生した場合には、熱伝達性能が低下してしまい、光学素子を効率的に冷却することが難しくなるという課題がある。
従って、液体循環部材の内部に気泡が発生しても、熱伝達性能の低下を防止して光学素子を効率的に冷却するプロジェクターが要望されていた。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(適用例1)本適用例に係るプロジェクターは、環状の流路に沿って冷却液体を循環させて光学素子を冷却する液冷装置を備えたプロジェクターであって、液冷装置は、(a)冷却液体を内部に流動可能に構成され、冷却液体と熱伝達可能に光学素子を保持する光学素子保持部と、(b)冷却液体を吸入および圧送し、冷却液体の流動方向を正方向と逆方向とに切り替え可能な液体圧送部と、(c)冷却液体を内部に流動する受熱ジャケットと、(d)冷却液体を貯留して供給する供給タンクと、(e)吸熱面および放熱面を有し、吸熱面が受熱ジャケットと熱伝達可能に接続する熱電変換素子と、(f)光学素子保持部と液体圧送部、液体圧送部と受熱ジャケット、受熱ジャケットと供給タンク、および供給タンクと光学素子保持部、を接続して環状の流路を形成する複数の液体循環部材と、を備えることを特徴とする。
このようなプロジェクターによれば、液冷装置は、吸熱面が受熱ジャケットと熱伝達可能な状態で接続するペルチェ素子などの熱電変換素子を備える。そのため、熱電変換素子は、環状の流路に沿って循環する冷却液体の熱を受熱ジャケットと接続する吸熱面から効率的に吸熱して放熱面から放熱することで、冷却液体の温度を効率的に低下させることができる。このため、十分に温度の低い冷却液体により光学素子を効率的に冷却できる。
また、液体循環部材の内部に気泡が発生した場合には、液体圧送部において、逆方向に切り替えて冷却液体を流動させることにより、気泡を供給タンク内部に溜めることができる。これにより、液体循環部材の内部に発生した気泡は、液体循環部材や液体圧送部や受熱ジャケットの内部に溜まることを極力抑えることができる。従って、気泡が発生しても熱伝達性能の低下を防止して光学素子を効率的に冷却するプロジェクターが実現できる。特に、熱電変換素子の吸熱面に接続する受熱ジャケットに対し、受熱ジャケットの内部に気泡が溜まることを極力抑えることができるため、受熱ジャケットの内部を流動する冷却液体の熱を吸熱面に効率的に伝達することができ、熱電変換素子の冷却効率を維持させることができる。
(適用例2)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、液体圧送部に対し、冷却液体の流動方向を正方向と逆方向とに切り替える制御を行なう制御部を備え、制御部は、液体圧送部、受熱ジャケット、供給タンク、光学素子保持部、液体圧送部の順番で冷却液体を流動させる流動方向を正方向として制御し、また、プロジェクターの駆動が開始された際、冷却液体の流動方向が逆方向となるように制御を行なうことが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、制御部により、プロジェクターの駆動が開始された際、冷却液体の流動方向が逆方向となるように制御を行なう。これにより、液体循環部材の内部に気泡が発生した場合、受熱ジャケットと供給タンクとを接続する液体循環部材の内部の気泡のみが受熱ジャケットの内部に溜まり、その他の液体循環部材の気泡は供給タンク内部に貯めることができる。また、制御部により、プロジェクターの駆動が開始された際、冷却液体の流動方向が逆方向となるように制御を行なうことにより、光学素子が高温の状態となる前に気泡を排除することができる。これにより、気泡が発生しても熱伝達性能の低下を極力防止し、プロジェクターの動作中では効率的に冷却液体の温度を低下させることで、光学素子を効率的に冷却することができる。
(適用例3)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、冷却液体の逆方向への流動は、所定時間行なわれ、制御部は、所定時間となるまでの時間を計時するタイマー部を備えていることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、タイマー部を備えることで、容易に所定時間となるまでの時間を計時できると共に、逆方向へ流動する冷却液体の容量も正確に制御することができる。これにより、気泡を排除するために逆流させる冷却液体の容量を必要最低限に制御することができ、光学素子が高温の状態となる前に効率的に気泡を排除することができる。
(適用例4)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、制御部は、液体圧送部に対し、冷却液体を逆方向に流動させる場合は、正方向に流動させる場合と比較して駆動電圧を高くして駆動させる駆動部を備えていることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、制御部は駆動部を備えて、冷却液体を逆方向で流動させる際に、正方向に流動させる場合と比較して駆動電圧を高くして駆動させることにより、より早く気泡を供給タンク内部に貯めることができる。
(適用例5)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、所定時間は、供給タンク内の冷却液体の容量を除いた液冷装置に流動する冷却液体の容量以上を流動させるために必要な時間であることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、液体循環部材の内部に発生した気泡の略全体を確実に供給タンク内部に貯めることができ、気泡を排除することができる。
(適用例6)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、供給タンクは、受熱ジャケットの近傍に設置されていることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、供給タンクは、受熱ジャケットの近傍に設置されることにより、受熱ジャケットと供給タンクとを接続する液体循環部材の長さを短くすることができる。従って、冷却液体の流動方向が逆方向に切り替わった場合、受熱ジャケットの内部に溜まる気泡(受熱ジャケットと供給タンク間を接続する液体循環部材の内部に発生した気泡)を極力抑えることができ、受熱ジャケットの内部を流動する冷却液体の熱を吸熱面に伝達する効率を極力低下させることなく、熱電変換素子の冷却効率を維持させることができる。
(適用例7)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、受熱ジャケットと供給タンクとを接続する液体循環部材は、金属製の部材で形成されていることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、受熱ジャケットと供給タンクとを接続する液体循環部材が、金属製の部材で形成されることにより、樹脂製の部材で形成された場合の水分透過性による冷却液体の透過や、それに伴う気泡の発生を抑えることができる。従って、冷却液体の流動方向が逆方向に切り替わった場合にも、気泡が受熱ジャケットに溜まることを防止でき、受熱ジャケットの内部を流動する冷却液体の熱を吸熱面に伝達する効率を落とすことなく、熱電変換素子の冷却効率を維持させることができる。
(適用例8)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、光学素子は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調素子であることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、上述した液冷装置により、光変調素子で発生した熱を、光学素子保持部を介して効率的に冷却することができる。従って、熱による光変調素子の劣化を防止することができ、画像品質を長期間維持できるプロジェクターを実現できる。
実施形態に係るプロジェクターの光学系を模式的に示す平面図。 液冷装置の構成を説明するための斜視図。 光学素子保持部の構造を示す図。 液冷装置の構成を模式的に示した図。 プロジェクターの回路構成を模式的に示す構成図。 冷却制御部での制御に関する処理手順を示すフローチャート。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係るプロジェクターの光学系を模式的に示す平面図である。図1を参照して、プロジェクター1の光学系の構成および動作を説明する。
プロジェクター1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、形成した画像光をスクリーンSC(図5参照)上に拡大投写する装置である。プロジェクター1は、外装を構成する外装筐体(図示省略)を備え、外装筐体内部に光学ユニット4や、後述する液冷装置6(図2参照)や、プロジェクター1を動作させるための統括制御部500(図5参照)などを含んで構成される回路構成部(図示省略)などを備えている。
〔光学ユニットの構成〕
光学ユニット4は、統括制御部500による制御により、画像情報に応じて画像光を形成するものである。光学ユニット4は、光源装置41と照明光学装置42と色分離光学装置43とリレー光学装置44と光学装置45と光学部品用筐体46と投写光学装置47とを備えている。
光源装置41は、光源ランプ411の発光により光束をリフレクター412で反射させて、被照明領域に射出するものである。光源装置41は、光源ランプ411およびリフレクター412を有している。照明光学装置42は、光源装置41から射出された光束に対し、照明光軸Aに直交する面内での照度を均一化するためのものである。照明光学装置42は、レンズアレイ421,422、反射ミラー423、偏光変換素子424、および重畳レンズ425を有している。また、照明光学装置42は、3つのフィールドレンズ426を有している。フィールドレンズ426は、後述する光学装置45の3つの液晶パネル451の手前に配置され、レンズアレイ422から射出された各部分光束をその中心軸に対して平行な光束に変換する。
色分離光学装置43は、照明光学装置42からの照明光束を赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)の3つの色光に分離して3つの液晶パネル451に導光するものである。色分離光学装置43は、ダイクロイックミラー431,432、および反射ミラー433を有している。リレー光学装置44は、色分離光学装置43で分離された色光(本実施形態では赤色光)に対し、光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長くなるため、光の発散などによる光の利用効率の低下を防止し、液晶パネル451(本実施形態では液晶パネル451R)まで導くものである。リレー光学装置44は、入射側レンズ441、リレーレンズ443、および反射ミラー442,444を有している。
光学装置45は、各液晶パネル451に入射した各色光を画像情報に応じて変調して色光毎の画像光を形成し、その後、色合成光学装置で合成させるものである。光学装置45は、光変調素子(光学素子)としての3つの液晶パネル451、3つの入射側偏光板452、3つの射出側偏光板453、および色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム454を有している。また、3つの液晶パネル451は、赤色光用変調素子としての赤色光用の液晶パネル451R、緑色光用変調素子としての緑色光用の液晶パネル451G、および青色光用変調素子としての青色光用の液晶パネル451Bで構成されている。投写光学装置47は、投写レンズ471を有し、光学装置45(色合成光学装置)で合成された画像光をスクリーンSC(図5参照)に拡大投写する。
なお、上述した各光学装置41〜45,47に関しては、種々の一般的なプロジェクターの光学系として利用されているため、詳細な説明を省略する。光学部品用筐体46は、内部に所定の照明光軸Aが設定され、上述した各光学装置41〜45を照明光軸Aに対する所定位置に配置する。
図2は、液冷装置の構成を説明するための斜視図である。図3は、光学素子保持部の構造を示す図である。図4は、液冷装置の構成を模式的に示した図である。なお、図3は、光学素子保持部61を光束入射側から見た斜視図である。図2〜図4を参照して、液冷装置6の構成を説明する。
液冷装置6は、環状の流路に沿って水やエチレングリコールなどの冷却液体を循環させることにより、光学素子としての液晶パネル451を冷却する装置である。液冷装置6は、図2に示すように、3つの光学素子保持部61と、液体圧送部62と、受熱ジャケット63と、供給タンク64と、複数の液体循環部材65と、熱電変換素子としてのペルチェ素子66とを備えている。なお、受熱ジャケット63は、熱電変換素子(ペルチェ素子66)と接続している。また、熱電変換素子(ペルチェ素子66)は、放熱側伝熱部材67に接続している。また、熱電変換素子および放熱側伝熱部材67は、熱電変換ユニット69を構成している。
複数の液体循環部材65は、内部に冷却液体を流動可能とする管状部材で構成され、各構成部61〜64を接続し、環状の流路を形成する。なお、液体循環部材65による各構成部61〜64の接続構造については後述する。
〔光学素子保持部の構成〕
3つの光学素子保持部61は、図2に示すように、3つの液晶パネル451をそれぞれ保持すると共に、内部に冷却液体が流動することにより、3つの液晶パネル451をそれぞれ冷却する。なお、各光学素子保持部61は、同様の構成であり、以下では、図3を用いて、1つの光学素子保持部61のみを説明する。
光学素子保持部61は、図3に示すように、液体流動管611と、光学素子支持枠(前面側支持枠612、後面側支持枠613)と、枠部材614とを備える。前面側支持枠612は略矩形状に形成される。後面側支持枠613は、上部が一部開口する略矩形状に形成され、表面が前面側支持枠612の裏面と重なる。
前面側支持枠612は、液晶パネル451の画像形成領域(光透過領域)に応じた矩形状の開口部612Aを有している。また、前面側支持枠612の開口部612Aの裏面側周辺には、裏面側から挿入された液晶パネル451を案内して平面方向を固定する固定部(図示省略)が形成されている。また、前面側支持枠612の裏面には、後述する液体流動管611の形状に対応したU字状で半円形の凹面612Bが形成されている。
後面側支持枠613は、液晶パネル451の外形に応じた矩形状の開口部(図示省略)を有している。また、後面側支持枠613の表面には、前面側支持枠612の凹面612Bに相対して、また、後述する液体流動管611の形状に対応したU字状で半円形の凹面613Bが形成されている。
液体流動管611は、断面丸形状で平面視U字状に形成される管状部材であり、銅を含む金属で形成され、内部に冷却液体を流動可能に形成されている。液体流動管611は、詳細には、液晶パネル451の外形の上方向を除く3方向を囲むように形成され、冷却液体を流入・流出させる各端部が上方側に平行して延出するように形成されている。なお、液体流動管611は、銅以外に、熱伝導性の高いアルミニウムを含む金属製の管状部材で形成されていてもよい。
この液体流動管611は、前面側支持枠612と後面側支持枠613とを重ね合わせることにより、前面側支持枠612の凹面612Bと、後面側支持枠613の凹面613Bとに嵌め込まれ、前面側支持枠612および後面側支持枠613と熱伝達可能に接続される。なお、その後、後面側支持枠613の開口部から液晶パネル451を挿入して、前面側支持枠612の固定部に固定させる。
枠部材614は、折り曲げ可能なシート状部材であり、液晶パネル451の画像形成領域に応じた矩形状の開口部(図示省略)を有する。そして、枠部材614は、光学素子支持枠(前面側支持枠612、後面側支持枠613)および液晶パネル451を跨ぐように取り付けられる。
上述した構成により、液晶パネル451の光束入射側の面および側面部は、光学素子支持枠(前面側支持枠612、後面側支持枠613)に熱伝達可能に接続される。また、枠部材614を介して、液晶パネル451の光束射出側の面と光学素子支持枠(前面側支持枠612、後面側支持枠613)とが熱伝達可能に接続される。
〔液体圧送部の構成〕
液体圧送部62は、冷却液体を吸入および圧送するポンプであり、環状の流路に沿って冷却液体を循環させる。また、液体圧送部62は、吸入および圧送する方向を正方向と逆方向との2方向に切り替え可能なポンプである。
液体圧送部62は、例えば、中空部材内に羽根車が配置された構成を有し、羽根車が回転することで、冷却液体を吸入および圧送する。液体圧送部62の構成としては、羽根車を有する連続送出型の構成に限らず、ダイヤフラムを利用した間欠送出型などの他の構成を採用してもよい。
〔受熱ジャケットの構成〕
受熱ジャケット63は、略直方体状の中空部材で構成され、内部を流動する冷却液体から熱を受熱する。受熱ジャケット63内部には、冷却液体の流動方向に沿って延出する複数の板体(図示省略)が流動方向に直交する方向に並設されている。具体的に、これら板体は、例えば、数10μm〜数100μm程度の厚み寸法を有し、互いに数10μm〜数100μm程度の間隔を空けて配設される。以上の構成により、受熱ジャケット63内部には、各板体間に冷却液体が流動する複数の微細流路(図示省略)が形成される。すなわち、受熱ジャケット63は、いわゆるマイクロチャンネルなどの熱交換器で構成されている。
〔熱電変換ユニットの構成〕
熱電変換ユニット69は、支持部材68と、熱電変換素子としてのペルチェ素子66と、放熱側伝熱部材67とを備えて構成される。熱電変換ユニット69は、受熱ジャケット63内部を流動する冷却液体から熱を吸収する。
支持部材68は、平面視矩形状の板状に構成され、受熱ジャケット63、ペルチェ素子66、放熱側伝熱部材67を一体化する。支持部材68は、熱伝導率が低い(例えば、0.9W/(m・K)以下)材料で構成されている。支持部材68には、受熱ジャケット63の平面形状よりも小さい矩形形状を有する開口部(図示省略)が形成され、ペルチェ素子66を嵌合する。そして、受熱ジャケット63は、この開口部周縁部分に固定される。
ペルチェ素子66は、具体的な図示は省略したが、p型半導体とn型半導体とを金属片で接合して構成した接合対を複数有して構成され、これら複数の接合対は電気的に直接に接続されている。ペルチェ素子66は、電力が供給されると、図4に示すように、ペルチェ素子66の一方の端面が熱を吸収する吸熱面661となり、他方の端面が熱を放熱する放熱面662となる。そして、支持部材68の開口部に嵌合されるペルチェ素子66は、吸熱面661が受熱ジャケット63の一方の端面に熱伝達可能に接続する。
放熱側伝熱部材67は、図2に示すように、矩形状の板体671と、板体671の一方の端面から略垂直方向に突出して延出する複数のフィン部材672とを有する、いわゆるヒートシンクで構成されている。そして、放熱側伝熱部材67は、支持部材68の開口部周縁部分に固定される。この構成により、放熱側伝熱部材67は、ペルチェ素子66の放熱面662に熱伝達可能に接続する。すなわち、支持部材68を介して、受熱ジャケット63、ペルチェ素子66、および放熱側伝熱部材67を一体化した構成により、受熱ジャケット63からペルチェ素子66、ペルチェ素子66から放熱側伝熱部材67への熱伝達経路が形成される。
なお、図2に示すように、熱電変換ユニット69の横方向には、冷却ファン71が配設されている。冷却ファン71は、いわゆるシロッコファンを採用している。冷却ファン71は、吸入した空気を放熱側伝熱部材67(板体671、フィン部材672)に向けて吐出する。なお、冷却ファン71は、シロッコファンの他、軸流ファンなどを採用してもよい。
〔供給タンクの構成〕
供給タンク64は、略直方体状の中空部材で構成される。供給タンク64は、内部に冷却液体を貯留しており、液体循環部材65に冷却液体を供給する。なお、供給タンク64は、内部空間を有しており、その内部空間に液体循環部材65の内部に発生した気泡を溜めることができる。
〔液体循環部材による接続構造〕
図2、図4を参照して、液体循環部材65による各構成部61〜64の接続構造について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、3つの光学素子保持部61のうち、赤色光側の液晶パネル451Rを保持する光学素子保持部を赤色光用変調素子保持部61R、緑色光側の液晶パネル451Gを保持する光学素子保持部を緑色光用変調素子保持部61G、青色光側の液晶パネル451Bを保持する光学素子保持部を青色光用変調素子保持部61Bとする。
液体循環部材65は、第1液体循環部材651〜第6液体循環部材656の6本で構成されている。詳細には、図2に示すように、第1液体循環部材651は、青色光用変調素子保持部61Bと緑色光用変調素子保持部61Gとを接続する。第1液体循環部材651は、流入側を青色光用変調素子保持部61Bの液体流動管611の一方の端部と接続し、流出側を緑色光用変調素子保持部61Gの液体流動管611の一方の端部に接続する。
第2液体循環部材652は、緑色光用変調素子保持部61Gと赤色光用変調素子保持部61Rとを接続する。第2液体循環部材652は、流入側を緑色光用変調素子保持部61Gの液体流動管611の他方の端部と接続し、流出側を赤色光用変調素子保持部61Rの液体流動管611の一方の端部に接続する。
第3液体循環部材653は、赤色光用変調素子保持部61Rと液体圧送部62とを接続する。第3液体循環部材653は、流入側を、液体流動管6111を介して赤色光用変調素子保持部61Rの液体流動管611の他方の端部と接続する。流出側は、液体圧送部62の一方の接続口621と接続する。
第4液体循環部材654は、液体圧送部62と受熱ジャケット63とを接続する。第4液体循環部材654は、流入側を液体圧送部62の他方の接続口622と接続し、流出側を受熱ジャケット63の一方の接続口631と接続する。
第5液体循環部材655は、受熱ジャケット63と供給タンク64とを接続する。第5液体循環部材655は、流入側を受熱ジャケット63の他方の接続口632と接続し、流出側を供給タンク64の一方の接続口641と接続する。
第6液体循環部材656は、供給タンク64と青色光用変調素子保持部61Bとを接続する。第6液体循環部材656は、流入側を供給タンク64の他方の接続口642と接続する。流出側は、液体流動管6111を介して、青色光用変調素子保持部61Bの液体流動管611の他方の端部と接続する。
なお、第1液体循環部材651〜第4液体循環部材654、および第6液体循環部材656は、樹脂製の管状部材で形成されている。また、第5液体循環部材655は、銅を含む金属製の管状部材で形成されている。なお、第5液体循環部材655は、銅以外に、アルミニウムを含む金属製の管状部材で形成されていてもよい。
上述した液体循環部材65による接続構造により、3つの光学素子保持部61〜液体圧送部62〜受熱ジャケット63〜供給タンク64を巡り、再度、3つの光学素子保持部61に戻る環状の流路が形成される。また、第1液体循環部材651、第2液体循環部材652、第3液体循環部材653、および第6液体循環部材656による接続構造により、青色光用変調素子保持部61B、緑色光用変調素子保持部61G、および赤色光用変調素子保持部61Rが直列に接続される。
〔液冷装置の冷却動作〕
次に、液冷装置6による冷却動作に関して説明する。液冷装置6は、熱電変換ユニット69により液晶パネル451を冷却する場合、液体圧送部62により、冷却液体を、液体圧送部62〜受熱ジャケット63〜供給タンク64〜光学素子保持部61〜液体圧送部62の順番で流動させる。なお、この流動方向を正方向(図2、図4に実線矢印で示す方向)とする。
液体圧送部62が動作して冷却液体を正方向に流動させた場合、液晶パネル451で生じた熱は、光学素子保持部61を介して冷却液体に伝達する。液晶パネル451の熱を伝達された冷却液体は、第3液体循環部材653から液体圧送部62、液体圧送部62から第4液体循環部材654を流動する。そして、第4液体循環部材654を流動した冷却液体は、受熱ジャケット63の複数の微細流路を流動する際、受熱ジャケット63に熱を伝達する。
受熱ジャケット63に伝達された熱は、受熱ジャケット63からペルチェ素子66、ペルチェ素子66から放熱側伝熱部材67への熱伝達経路をたどり、フィン部材672を介して、冷却ファン71から吐出される空気により放熱される。冷却液体は、受熱ジャケット63により冷却液体の熱が放熱されることにより、環境温度よりも低い温度にまで冷却される。
ペルチェ素子66により冷却された冷却液体は、第5液体循環部材655を流動し、供給タンク64に流入する。そして、供給タンク64に貯留された冷却液体は、第6液体循環部材656を流動し、青色光用変調素子保持部61Bの液体流動管611に流動する。
そして、冷却液体は、青色光用変調素子保持部61Bを流動することにより、青色光用の液晶パネル451Bで生じた熱が伝達される。そして、第1液体循環部材651を流動して緑色光用変調素子保持部61Gに流動することにより、冷却液体は、緑色光用の液晶パネル451Gで生じた熱が伝達される。そして、第2液体循環部材652を流動して赤色光用変調素子保持部61Rに流動することにより、冷却液体は、赤色光用の液晶パネル451Rで生じた熱が伝達される。このような冷却液体の流動により、3つの液晶パネル451で生じた熱が冷却液体に伝達され、3つの液晶パネル451は冷却される。
図5は、プロジェクターの回路構成を模式的に示す構成図である。図5を参照して、プロジェクター1の回路構成を説明する。また、図5を参照して、図2、図3で説明した液冷装置6の制御(液体圧送部62、ペルチェ素子66の駆動)に関して説明する。
〔プロジェクターの回路構成〕
プロジェクター1は、統括制御部500、信号変換部530、画像処理部540、液晶パネル駆動部550、リモコン制御部560および電源570を有して構成される。また、プロジェクター1は、制御部としての冷却制御部510、光源装置駆動部501、タイマー部511、圧送駆動部512、ペルチェ素子駆動部513、ファン駆動部514などを有して構成される。統括制御部500、信号変換部530、画像処理部540およびリモコン制御部560は、バス500aにより互いに接続される。
信号変換部530は、画像入力端子531から入力されるアナログ画像信号(RGB信号やコンポジット画像信号など)をAD変換して、デジタル画像信号として画像処理部540に出力する。画像処理部540は、入力したデジタル画像信号に、フレームレート変換およびスケーリング処理などを行なって画像データを生成し、液晶パネル駆動部550に出力する。液晶パネル駆動部550は、画像処理部540から出力された画像データに基づき、光学装置45を構成する各液晶パネル451を駆動する。
リモコン制御部560は、リモコン(リモートコントローラー)561からの操作信号に基づいてプロジェクター1の各部の機能を制御する信号を出力する。電源570は、プロジェクター1の外部から、電源ケーブル(図示省略)などにより電力が供給され、プロジェクター1内部の各部に電力を供給する。電源570は、電源ケーブルなどと接続するためのコネクター571を備えて構成される。
統括制御部500は、プロジェクター1の動作を統括して制御する。統括制御部500は、光源装置駆動部501を制御しており、リモコン制御部560などからの信号により、光源装置駆動部501を駆動させる。光源装置駆動部501は、統括制御部500からの信号により、光源装置41に電力を供給する。これにより、光源装置41は発光(点灯)する。また、光源装置駆動部501は、統括制御部500からの信号により、光源装置41への電力供給を停止する。これにより、光源装置41は消灯する。
統括制御部500は、本実施形態の制御部としての冷却制御部510を有しており、液冷装置6や、空冷装置(図示省略)の動作を制御する。冷却制御部510は、タイマー部511、液体圧送部62を駆動する駆動部としての圧送駆動部512、ペルチェ素子駆動部513、およびファン駆動部514の動作を制御する。なお、冷却制御部510は、統括制御部500の一部として構成されている。
ペルチェ素子駆動部513は、冷却制御部510により制御され、液冷装置6の動作開始に同期してペルチェ素子66に電力を供給する。また、ファン駆動部514は、冷却制御部510により制御され、液冷装置6の動作開始に同期して冷却ファン71に電力を供給する。タイマー部511および圧送駆動部512の動作に関しては後述する。
空冷装置は、本実施形態では図示省略しているが、複数の冷却ファンにより、外気を取り込み、発熱する光学部品に送風して冷却する装置である。空冷装置は、本実施形態では、光源装置41、偏光変換素子424、および光学装置45などを冷却している。
図6は、冷却制御部での制御に関する処理手順を示すフローチャートである。図6を参照して、冷却制御部510の液冷装置6に対する制御方法(手順)に関して説明する。
なお、本実施形態では、液冷装置6の液体循環部材65のうち、第5液体循環部材655が金属製の管状部材で形成され、それ以外の液体循環部材65は、樹脂製の管状部材で形成されている。屈曲性が高い樹脂製の管状部材を用いてプロジェクター1内部を引き回すことで、液冷装置6の各構成部61〜64の設置における自由度の向上と、プロジェクター1の小型化の向上を実現している。しかし、樹脂製の管状部材で形成される液体循環部材65は、一般に水分透過性を有するため、プロジェクター1の使用頻度にかかわらず、程度の差はあるものの、冷却液体が液体循環部材65の内部から外部に蒸発して、液体循環部材65の内部に気泡が発生する。
液体循環部材65内部に気泡が発生した場合には、その気泡が、光学素子保持部61や受熱ジャケット63内部に流入することにより、熱伝達性能が低下する。特に、受熱ジャケット63内部に気泡が流入して溜まることにより、ペルチェ素子66との熱伝達効率が低下することが、液冷装置6の冷却性能を最も悪くする要因となる。従って、この気泡を冷却液体と共に循環させて、供給タンク64の内部(内部空間)に溜めることにより、気泡を排除することを行なう。
また、その際、気泡が受熱ジャケット63内部に流入して溜まることを抑制させるために、冷却液体の流動方向を、冷却する際の正方向とは逆となる逆方向に流動させている。図6は、上述したように、冷却液体を逆方向へ流動させる際の処理手順を示している。
冷却制御部510は、本ルーチンを開始し、ステップS100へ移行する。ステップS100において冷却制御部510は、プロジェクター1を動作する電源スイッチが入力(ON)されたか否かを判断する。実際には、統括制御部500が、リモコン561により電源スイッチが入力された場合の信号をリモコン制御部560から受け取る。そして、冷却制御部510は、統括制御部500からその信号を受け取ることで、ステップS101に移行する。なお、統括制御部500から電源スイッチが入力したことの信号を受け取らない場合、冷却制御部510は、電源スイッチが入力したことの信号を受け取るまでステップS100を繰り返す。
ステップS101において冷却制御部510は、圧送駆動部512に対して、冷却液体の流動方向が正方向から逆方向となるように切り替えて駆動させる信号を出力する。この信号が入力された圧送駆動部512は、液体圧送部62の動作が正方向とは逆の逆方向となるように駆動させる電力を、液体圧送部62に出力する。これにより、液体圧送部62は、冷却液体を逆方向に流動させる。なお、図2、図4において、冷却液体の逆方向の流動を破線矢印で示している。
なお、本実施形態では、圧送駆動部512は、液体圧送部62に逆方向の駆動を行なわせる場合、正方向の駆動を行なわせる場合の駆動電圧より高く設定された駆動電圧により駆動させる。これにより、冷却液体の逆方向における流動速度は、正方向における流動速度に比較して早くなる。
ステップS102において冷却制御部510は、タイマー部511を駆動させて、逆方向駆動の開始からの経過時間の計測を開始させる。ステップS103において冷却制御部510は、タイマー部511で計測した時間が、所定時間を経過したか否かを判断する。所定時間を経過した場合、冷却制御部510は、ステップS104に移行する。なお、所定時間を経過しない場合、冷却制御部510は、所定時間を経過するまでステップS103を繰り返す。ステップS104において冷却制御部510は、圧送駆動部512に対して、冷却液体の流動方向を逆方向とする駆動を停止させる信号を出力する。圧送駆動部512は、その信号を入力して逆方向への駆動を停止する。以上でルーチンは終了する。
上述したように、本実施形態では、プロジェクター1の使用を開始する際(液冷装置6の動作を開始させる際)、最初に、液冷装置6に対して、気泡を供給タンク64内部に溜めるための逆方向の流動を行なわせている。なお、逆方向の流動を行なった後、冷却制御部510の制御により、圧送駆動部512を介して、液体圧送部62に正方向の流動を行なわせることで、光学部品(本実施形態では液晶パネル451)の冷却が開始される。
なお、冷却液体を逆方向へ流動する期間(所定時間)は、本実施形態では、供給タンク64内の冷却液体の容量を除いた液冷装置6に流動する冷却液体の容量に対して、その容量以上を流動させるために必要な時間としている。本実施形態での所定時間は、最短の所定時間となるように設定している。最短の所定時間は、最低の容量(供給タンク64内の冷却液体の容量を除いた液冷装置6に流動する冷却液体の容量)を、液体圧送部62を逆方向に駆動させた際の流動速度で割った時間となる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、液冷装置6は、吸熱面661が受熱ジャケット63と熱伝達可能な状態で接続するペルチェ素子66を備える。そのため、ペルチェ素子66は、受熱ジャケット63と接続する吸熱面661から冷却液体の熱を効率的に吸熱し、放熱面662から放熱することで、冷却液体の温度を効率的に低下させることができる。このため、十分に温度の低い(環境温度以下)冷却液体により液晶パネル451を効率的に冷却できる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、液体循環部材65の内部に気泡が発生した場合には、液体圧送部62において、逆方向に切り替えて冷却液体を流動させることにより、気泡を供給タンク64内部に溜めることができる。これにより、液体循環部材65の内部に発生した気泡は、液体循環部材65や液体圧送部62や受熱ジャケット63の内部に溜まることを極力抑えることができる。従って、気泡が発生しても熱伝達性能の低下を防止して液晶パネル451を効率的に冷却するプロジェクター1が実現できる。特に、ペルチェ素子66の吸熱面661に接続する受熱ジャケット63に対し、受熱ジャケット63の内部に気泡が溜まることを極力抑えることができるため、受熱ジャケット63の内部を流動する冷却液体の熱を吸熱面661に効率的に伝達することができ、ペルチェ素子66の冷却効率を維持させることができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、受熱ジャケット63と供給タンク64とを接続する第5液体循環部材655は、金属製の管状部材で形成されており、気泡の発生を抑制できる。そして、冷却制御部510により、プロジェクター1の駆動が開始された際、所定時間の間、冷却液体の流動方向が逆方向となるように制御を行なう。このとき、受熱ジャケット63には、第5液体循環部材655内部の冷却液体が流入する。しかし、第5液体循環部材655内部の冷却液体には、気泡がほとんど発生しないため、受熱ジャケット63に気泡が流入して溜まることを防止できる。また、第5液体循環部材655内部の冷却液体が受熱ジャケット63に流入した後は、供給タンク64内部の冷却液体が第5液体循環部材655を介して流入するが、供給タンク64内部の冷却液体は、気泡が排除された状態のため、所定時間の間、逆方向に流動しても受熱ジャケット63に気泡が溜まることを防止できる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、受熱ジャケット63と供給タンク64とを接続する第5液体循環部材655は、金属製の管状部材で形成されているが、それ以外の液体循環部材65は、樹脂製の管状部材で形成されており、時間経過と共に気泡が発生する。しかし、冷却制御部510により、最低の容量(供給タンク64内の冷却液体の容量を除いた液冷装置6に流動する冷却液体の容量)を逆方向に流動させている。このため、樹脂製の液体循環部材65に発生した気泡の略全体を供給タンク64内部に溜めることができる。そのため、気泡が発生しても熱伝達性能の低下を防止し、プロジェクター1の動作中において、効率的に冷却液体の温度を低下させることで、液晶パネル451を効率的に冷却することができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、冷却液体を逆方向に流動させて気泡を排除することを、プロジェクター1の電源スイッチが入力された際に同期して行なう。これにより、光源装置41が高温の状態となる前(液晶パネル451が高温の状態となる前)に気泡を排除することができるため、その後の液冷装置6による液晶パネル451に対する冷却動作を効率的に行なうことができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、タイマー部511を備えることで、容易に所定時間となるまでの時間を計時できると共に、逆方向へ流動する冷却液体の容量も正確に制御することができる。これにより、気泡を排除するために逆流させる冷却液体の容量を必要最低限に制御することができ、液晶パネル451が高温の状態となる前に効率的に気泡を排除することができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、冷却制御部510は、圧送駆動部512を備え、冷却液体を逆方向で流動させる際に、正方向に流動させる場合と比較して駆動電圧を高くして駆動させる。これにより、発生した気泡を、より早く供給タンク64内部に流動して貯めることができる。従って、より早く流動方向を正方向に切り替えて、液晶パネル451の冷却を行なわせることができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、所定時間は、最短の所定時間となる供給タンク64内の冷却液体の容量を除いた液冷装置6に流動する冷却液体の容量を流動させるために必要な時間としている。これにより、最短の時間で、液体循環部材65の内部に発生した気泡の略全体を確実に供給タンク64内部に貯めることで、気泡を排除することができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、液体循環部材65により、青色光用変調素子保持部61B、緑色光用変調素子保持部61G、および赤色光用変調素子保持部61Rが直列に接続されている。この接続構造により、少ない本数の液体循環部材65でコンパクトに各光学素子保持部61を接続できると共に、各液晶パネル451を効率的に冷却できる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、上述した液冷装置6により、液晶パネル451で発生した熱を、光学素子保持部61を介して効率的に冷却することができる。従って、熱による液晶パネル451の劣化を防止することができ、液晶パネル451の長寿命化を図ることができる。これにより、画像品質を長期間維持できるプロジェクター1を実現できる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、上述した液冷装置6により、屈曲性の高い樹脂製の管状部材で形成される液体循環部材65を使用することができる。これにより、限られたプロジェクター1内部の空間に液体循環部材65を引き回すことができ、液冷装置6の各構成部61〜64を配置する自由度を向上させると共に、プロジェクター1の小型化も実現できる。
なお、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や改良などを加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
前記実施形態において、液冷装置6の逆方向への流動は、プロジェクター1の使用を開始する際の電源スイッチの入力に同期させて行なっている。しかし、これに加えて、プロジェクター1の使用終了時にも液冷装置6の逆方向への流動を行なわせることで、プロジェクター1の使用中に発生した気泡を排除することができる。
前記実施形態において、受熱ジャケット63と供給タンク64とを接続する第5液体循環部材655は、金属製の管状部材で形成されている。しかし、これに限られず、供給タンク64を受熱ジャケット63の近傍に設置する(受熱ジャケット63と供給タンク64とを近づけて設置する)ことで、第5液体循環部材での接続距離を短くし、第5液体循環部材を樹脂製の管状部材で構成することでもよい。この場合、第5液体循環部材の内部には気泡が発生するが、接続距離を短くしているため、逆方向に流動させた場合の受熱ジャケット63に溜まる気泡の量を少なくでき、冷却効率もほとんど低下させることがない。
前記実施形態において、所定時間は、最短の所定時間となる供給タンク64内の冷却液体の容量を除いた液冷装置6に流動する冷却液体の容量を流動させるために必要な時間としている。しかし、最短の所定時間より長く設定して、気泡をできる限り排除することでもよい。
前記実施形態において、逆方向に冷却液体を流動させる場合の液体圧送部62を駆動する駆動電圧は、正方向に流動させる場合の駆動電圧に比べて高くしている。しかし、駆動電圧は、逆方向に流動した場合の気泡の流動状態などを考慮して、適宜、駆動電圧を決めることができる。
前記実施形態において、青色光用変調素子保持部61B、緑色光用変調素子保持部61G、および赤色光用変調素子保持部61Rは、液体循環部材65により、直列に接続されている。しかし、これに限られず、各液晶パネル451の発熱量に対応させて、適宜、接続構成を設定することで、冷却効率をより高めることでもよい。例えば、緑色光用の液晶パネル451Gの発熱量が特に高い場合には、青色光用変調素子保持部61Bと赤色光用変調素子保持部61Rとを直列に接続し、緑色光用変調素子保持部61Gは単独で接続することで、青色光用変調素子保持部61Bおよび赤色光用変調素子保持部61Rと、緑色光用変調素子保持部61Gとが平行となるように接続してもよい。また、例えば、青色光用の液晶パネル451Bの発熱量が特に高い場合には、青色光用変調素子保持部61Bは単独で接続し、緑色光用変調素子保持部61Gと赤色光用変調素子保持部61Rとを直列に接続することで、青色光用変調素子保持部61Bと、緑色光用変調素子保持部61Gおよび赤色光用変調素子保持部61Rとが平行となるように接続してもよい。また、青色光用変調素子保持部61B、緑色光用変調素子保持部61G、および赤色光用変調素子保持部61Rをそれぞれ並列に接続してもよい。
前記実施形態では、液晶パネル451を冷却対象の光学素子としている。しかし、これに限られず、光源装置41、偏光変換素子424、入射側偏光板452、射出側偏光板453など、他の光学素子を冷却対象としてもよい。
前記実施形態のプロジェクター1は、射出された光束の照度を均一化する光学系(照明光学装置42)として、レンズアレイ421,422からなるレンズインテグレーター光学系を用いたが、これに限定されるものではなく、導光ロッドからなるロッドインテグレーター光学系も用いることができる。
前記実施形態のプロジェクター1は、フロントタイプのプロジェクターとして適用しているが、投写対象面としてのスクリーンを一体で有するリアタイプのプロジェクターにも適用できる。
前記実施形態のプロジェクター1の光学系において、光変調素子としての液晶パネル451R,451G,451Bは、透過型の液晶パネルを用いているが、反射型の液晶パネルなど、反射型の光変調素子を用いることも可能である。
前記実施形態のプロジェクター1の光学系において、光変調素子としての液晶パネル451R,451G,451Bを用いている。しかし、これに限られず、一般に、入射光束を画像信号に基づいて変調するものであればよく、マイクロミラー型光変調素子などを用いてもよい。なお、マイクロミラー型光変調素子としては、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を用いることができる。
前記実施形態のプロジェクター1の光学系において、光変調素子は、赤色光、緑色光、および青色光に対応して3つの液晶パネル451R,451G,451Bを用いる構成のいわゆる3板方式を採用している。しかし、これに限られず、単板方式を採用してもよい。また、コントラストを向上させるための液晶パネルを追加して採用してもよい。
前記実施形態のプロジェクター1の光学系において、光源装置41は、前記実施形態で説明した構成に限られず、レーザーダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子などの各種固体発光素子で構成してもよい。
1…プロジェクター、4…光学ユニット、6…液冷装置、61…光学素子保持部、62…液体圧送部、63…受熱ジャケット、64…供給タンク、65…液体循環部材、66…ペルチェ素子、67…放熱側伝熱部材、68…支持部材、69…熱電変換ユニット、71…冷却ファン、451…液晶パネル、510…冷却制御部、511…タイマー部、512…圧送駆動部、513…ペルチェ素子駆動部、514…ファン駆動部、661…吸熱面、662…放熱面、671…板体、672…フィン部材。

Claims (8)

  1. 環状の流路に沿って冷却液体を循環させて光学素子を冷却する液冷装置を備えたプロジェクターであって、
    前記液冷装置は、
    前記冷却液体を内部に流動可能に構成され、前記冷却液体と熱伝達可能に前記光学素子を保持する光学素子保持部と、
    前記冷却液体を吸入および圧送し、前記冷却液体の流動方向を正方向と逆方向とに切り替え可能な液体圧送部と、
    前記冷却液体を内部に流動する受熱ジャケットと、
    前記冷却液体を貯留して供給する供給タンクと、
    吸熱面および放熱面を有し、前記吸熱面が前記受熱ジャケットと熱伝達可能に接続する熱電変換素子と、
    前記光学素子保持部と前記液体圧送部、前記液体圧送部と前記受熱ジャケット、前記受熱ジャケットと前記供給タンク、および前記供給タンクと前記光学素子保持部、を接続して前記環状の流路を形成する複数の液体循環部材と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
  2. 請求項1に記載のプロジェクターであって、
    前記液体圧送部に対し、前記冷却液体の流動方向を前記正方向と前記逆方向とに切り替える制御を行なう制御部を備え、
    前記制御部は、前記液体圧送部、前記受熱ジャケット、前記供給タンク、前記光学素子保持部、前記液体圧送部の順番で前記冷却液体を流動させる流動方向を前記正方向として制御し、また、前記プロジェクターの駆動が開始された際、前記冷却液体の流動方向が前記逆方向となるように制御を行なうことを特徴とするプロジェクター。
  3. 請求項2に記載のプロジェクターであって、
    前記冷却液体の前記逆方向への流動は、所定時間行なわれ、
    前記制御部は、前記所定時間となるまでの時間を計時するタイマー部を備えていることを特徴とするプロジェクター。
  4. 請求項2または請求項3に記載のプロジェクターであって、
    前記制御部は、前記液体圧送部に対し、前記冷却液体を前記逆方向に流動させる場合は、前記正方向に流動させる場合と比較して駆動電圧を高くして駆動させる駆動部を備えていることを特徴とするプロジェクター。
  5. 請求項3に記載のプロジェクターであって、
    前記所定時間は、前記供給タンク内の前記冷却液体の容量を除いた前記液冷装置に流動する前記冷却液体の容量以上を流動させるために必要な時間であることを特徴とするプロジェクター。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記供給タンクは、前記受熱ジャケットの近傍に設置されていることを特徴とするプロジェクター。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記受熱ジャケットと前記供給タンクとを接続する前記液体循環部材は、金属製の部材で形成されていることを特徴とするプロジェクター。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記光学素子は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調素子であることを特徴とするプロジェクター。
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