JP2010248838A - 戸建て建築物用免震構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡明で経済的に構成し得、建物の荷重を確実に受け止めることが可能であり、かつ必要な免震作用を発揮することができること。
【解決手段】建物の基礎を最下部の基盤部1とその上面上に分離状態に立ち上げた立ち上がり部2とで構成し、この基礎の周囲に、間隔を空けて補助基礎部3を付設する。基礎の最外周部以外に位置する立ち上がり部2の基部には幅広部2aを構成し、その下面に上側摺動板4aを配し、最外周部に位置する立ち上がり部2の基部には幅広部2bを構成し、その下面に上側摺動板4bを配する。また基盤部1に、立ち上がり部2の幅広部2a、2bに上下対応させて膨出面1aを僅かに立ち上げ、その上面に、上側摺動板4a、4bにスライド自在な当接状態となるように下側摺動板5を配する。下側摺動板5は、上方に突出する多数の半球状突起5pを平均に構成したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、戸建て住宅の基礎の立ち上がり部とその下部の基盤部との間に構成してそれらの上下の構造体の相対的な横滑りを許容できるようにすることにより、地震の際に戸建て住宅に加わる横揺れを減衰させ、その倒壊等の被害を防止する戸建て住宅用免震構造に関する。
戸建て住宅のための免震構造には特許文献1の提案例がある。
これは、割ぐり地業を施し、かつその上面にコンクリート又はモルタルによるならし層を形成した大地と、建物を支える基礎との間に、該基礎を該大地のならし層から絶縁し、かつ地震の強い横ゆれに対して慣性で建物ごと該基礎を滑らせる滑り層を介在させた家屋の免震基礎装置である。該滑り層としては、防水性のある塩ビシートによる例、ならし層上に敷き詰めた小石、砂、砂利、ガラス玉、鋼球などの粒状物による層とその上に配した塩ビシート、防水紙、油紙、フェルトシート等の絶縁シートによる例、発泡スチロールやウレタンの断熱性ボードによる例がある。
この特許文献1の発明では、例えば、大地のならし層と基礎の下部との間に滑り層を配し、これによってならし層と基礎とを絶縁し、地震の際には、滑り層を介して基礎より上部がならし層上を相対的に横方向に往復運動をするものであり、これによって建物に加わる地震動を減衰する趣旨である。しかし、この特許文献1の発明では、滑り層が、防水性のある塩ビシートで構成したもの、ならし層上に敷き詰めた小石、砂、砂利、ガラス玉、鋼球などの粒状物による層とその上に配した塩ビシート、防水紙、油紙、フェルトシート等の絶縁シートとで構成したもの、或いは発泡スチロールやウレタンの断熱性ボードで構成したものであるため、繰り返す横揺れに応じて、基礎及びそれより上部の構造と大地のならし層との間の安定した滑り動作を繰り返すのは困難であるように思われる。いずれの場合であれ、それぞれが相当な厚さに構成されていたとしても、地震による滑り動作で容易にすり減ってしまい、建物が傾くおそれすら出てくるものと思われる。更に耐久性にも問題があると思われる。
特許文献2の提案例もあるが、これは、建物の土台或いは機械器具装置の据え付け部に上下方向に十字クロスして固定配設される上部ガイドレールと下部ガイドレールとの交叉部外面に、この各ガイドレールに嵌合する嵌合溝を上下方向に十字クロスさせて一体成型したガイドホルダーを嵌合し、各ガイドレールとガイドホルダーとを、木質系多孔質炭素材料のウッドセラミックスからなる摩擦体によるスライダーを介して面接触により摺動自在に係合させた無潤滑免震装置である。
この無潤滑免震装置によれば、地震の際の横揺れを良好に減衰させることができると思われる。しかし、建物は、クロス状態に配されたガイドレールとこれらにスライド自在に嵌合したガイドホルダーとからなる装置を介して基礎コンクリート上に支持され、より詳細には、建物の重量は、点状態に配されるガイドホルダーを介して上部のガイドレールから下部のガイドレールに伝えられるようになっているものである。それ故、ガイドホルダーには極めて大きな荷重がかかることになり、負担の大きいものとなる。必然的に、該ガイドホルダーは大きなものにならざるを得ないし、一つ一つへの負担を軽減する観点からその数も相応する多数個に構成する必要が生じると思われる。いずれにしても構成が簡易であるとは云えないものとなる。
特開平11−141183号公報 特開2000−193024号公報
本発明は、以上の従来技術の問題点を解消し、極めて簡明で、経済的に構成しうるものでありながら、建物の荷重を確実に受け止めることが可能であり、かつ必要な免震作用を発揮することのできる戸建て建築物用免震構造を提供することを解決の課題とする。
本発明の1は、基礎を、最下部の基盤部と、その上面上に分離状態に配する立ち上がり部とで構成し、該基礎の立ち上がり部の下面に上側摺動板を配し、かつ該基盤部の該摺動板に対面する面に下側摺動板を配し、該上側摺動板又は該下側摺動板のいずれか一方を滑面の板材で、他方を複数の突起をその全面に連設状態に立ち上げた板材で、各々構成するものとした戸建て建築物用免震構造である。
本発明の2は、本発明の1の戸建て建築物用免震構造に於いて、前記立ち上がり部の基部を上部より幅の広い幅広部に構成し、かつ該立ち上がり部の幅広部の下面と対面する前記基盤部の面に該面から立ち上がる膨出面を構成し、
更に該立ち上がり部の幅広部の下面の全部又は一部に前記上側摺動板を配し、該膨出面の全部又は該幅広部の下面の一部に配された上側摺動板に対応する一部に前記下側摺動板を配するものである。
本発明の3は、本発明の2の戸建て建築物用免震構造に於いて、前記基礎に、前記基盤部の外周から所定の間隔で該基盤部を囲むように、かつ上面が前記基盤部の外周部に位置する立ち上がり部の幅広部の上面に対応する高さになるように、補助基礎部を付設し、
該基盤部の外周部に位置する立ち上がり部の幅広部の上面に該補助基礎部の上面上まで延長するカバー部材を固定したものである。
本発明の4は、本発明の2又は3の戸建て建築物用免震構造に於いて、前記上側摺動板を前記立ち上がり部の幅広部の下面の一部に配し、かつ前記下側摺動板を前記基盤部の膨出面の上面の、該幅広部の下面の一部に配する上側摺動板に対応する面に配することとした場合に、該上側摺動板は該立ち上がり部の幅広部の下面にその面積の50%以上の部分に平均に位置するように配し、該下側摺動板は該基盤部の膨出面の上面の面積の50%以上の部分に平均に位置するように配することとしたものである。
本発明の5は、本発明の2、3又は4の戸建て建築物用免震構造に於いて、前記上側摺動板又は前記下側摺動板として1〜1.5mmの厚さのステンレススチールの板材を採用し、かつそのいずれかに構成する多数の半球状突起を100cm2当たり50〜100個形成することとしたものである。
本発明の1の戸建て建築物用免震構造によれば、これが、基礎を、最下部の基盤部と、分離状態の立ち上がり部とで構成し、前者の上面に配した下側摺動板又は後者の下面に配した上側摺動板のいずれか一方を滑面の板材で、他方を複数の突起を全面に連設状態に立ち上げた板材で構成したものであり、建築物の荷重を数カ所に配した点状の部材で受けるのではなく、広い面積を持った面状の部材(立ち上がり部の下面、上側摺動板、下側摺動板、基盤部の上面)で受けることとしたものであるため、たとえ、地盤が良くない場合であっても、極めて簡単な構成でありながら、建築物の荷重を容易かつ確実に受け止めることが可能であり、更に地震による横揺れを受けた場合には、前記多数の突起の作用により、いずれの方向へもスムーズにスライド移動することが可能である。それ故、地震による横揺れを良好に減衰させることができる。また、前記のように、極めて簡単な構成であり、一般の基礎構造に追加する構成が少ないので、経済的に作成できるものでもある。
本発明の2の戸建て建築物用免震構造によれば、分離した基礎構造の立ち上がり部及び基盤部の対面部が広くなり、より安定した構造になる。また上側摺動板及び下側摺動板を建築物の荷重に適合する適切な広さの部材に構成することが可能であり、そのため単位面積当たりの荷重を適切に保持しながら、地震の際の良好な横揺れ減衰作用を確保することができる。
本発明の3の戸建て建築物用免震構造によれば、前記基礎の周囲に適切な間隔を空けて補助基礎部を付設し、補助基礎部との間の溝空間を地震の際の横揺れでも不都合が生じないように基礎側にのみ固定したカバー部材でカバーすることとしたため、地震の際の基礎の立ち上がり部の横方向スライド移動が支障なく行い得られ、かつその際に前記溝空間が開いてしまうような問題も生じない。
本発明の4の戸建て建築物用免震構造によれば、上側摺動板及び下側摺動板を、それぞれ対象とする面の50%以上の部分に平均に位置するように配したため、単位面積当たりの荷重が適切に設定され、地震の際の良好な横揺れ減衰作用を確保することができる。
本発明の5の戸建て建築物用免震構造によれば、前記上側摺動板又は前記下側摺動板として適切な厚さのステンレススチールの板材を採用し、かつそのいずれかに構成する多数の半球状突起を100cm2当たり50〜100個形成することとしたため、建築物の荷重を良好に受け止め得、かつ地震の際の横方向スライドをスムーズに行うことが可能となる。
戸建て住宅の基礎に構成した一実施例の戸建て建築物用免震構造の断面説明図。 図1の一部の拡大図。 図1の他の一部の拡大図。 (a)は下側摺動板の概略斜視図、(b)は外周部以外に用いる上側摺動板の概略斜視図、(c)は外周部に用いる上側摺動板の概略斜視図、(d)は下側摺動板の概略正面図、(e)は外周部以外に用いる上側摺動板の概略正面図、(f)は外周部に用いる上側摺動板の概略正面図、(g)はカバーフレームの概略斜視図、(h)はカバー片の概略斜視図。
以下、発明を実施するための形態を、実施例に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施例の戸建て建築物用免震構造は、図1に示すように、基本的に、建物の基礎を最下部の基盤部1と該基盤部1の上面上に分離状態に立ち上げる立ち上がり部2とで構成し、更にこの基礎の周囲には、補助基礎部3を付設し、かつ該立ち上がり部2の下面には上側摺動板4a、4bを配し、基盤部1の上面には、該上側摺動板4a、4bにスライド自在な当接状態に下側摺動板5を配して構成したものである。
前記基礎は、この実施例では、基本的にベタ基礎として構成したものであり、前記基盤部1は、従って基礎の構築領域全体に配設してあるものであり、その上面の前記立ち上がり部2の下面と上下対応する部位に膨出面1aを僅かに立ち上げて構成してあるものである。この膨出面1aは、図1〜図3に示すように、上面は平坦に構成し、この実施例では、その幅を該立ち上がり部2の下面の当接面の幅より広く構成したものである。場合により、この膨出面1aの幅は立ち上がり部2の下面の幅より狭く構成することも可能である。そのようにした場合は、該膨出面1aの上面に配する下側摺動板5の上面がほぼ常時上側摺動板4a、4bの下方に位置することとなり、塵埃等が付着しにくくなる利点が得られる。いずれにしても該膨出面1aの幅は地震の際の立ち上がり部2の水平方向スライド往復動を支障なく行うのに十分なそれとする。該膨出面1aの立ち上がり寸法は数10mm程度が良い。この実施例では50mmとした。
前記立ち上がり部2は、一般の住宅の基礎の立ち上がり部に相当するものであり、この実施例では、該立ち上がり部2の基部を上部より幅の広い幅広部2a、2bに構成し、かつ該立ち上がり部2の幅広部2a、2bの下面の当接面と前記基盤部1の膨出面1aとを対面状態となるようにしたものである。なお、最外周に位置する立ち上がり部2以外の立ち上がり部2の幅広部2aの下面は全てが当接面であり、前記したように、上側摺動板4a及び下側摺動板5を介して基盤部1の膨出面1aとスライド自在に当接するものであるが、図1及び図3に示すように、基礎の最外周に位置する立ち上がり部2の幅広部2bは、その外方に延長する最外方の一部の下面が、この実施例では、当接部とならないように構成してある。この外方に延長した部位は、後述するように、前記補助基礎部3の上面まで延長する溝カバー(カバー部材)6を固定する固定手段を構成するものとなっている。またこの部位は、内側の当接面側に雨水等が浸入しないようにする手段も兼ねている。
以上の基礎は、基盤部1も立ち上がり部2も、それら相互が分離していること等のいくつかの違いを除けば、それら自体の基本構成は、従来のそれとほぼ同様であり、鉄筋を配してコンクリートによって構成するものである。前記補助基礎部3も鉄筋を配してコンクリートによって構成する。
前記上側摺動板4a、4bは、図1〜図4(b)、(c)、(e)、(f)に示すように、この実施例では、二つのタイプに構成してある。これは、基礎の最外周部以外に配される立ち上がり部2の幅広部2aの下面に取り付けるタイプの上側摺動板4aと、最外周部に配される立ち上がり部2の幅広部2bの下面に取り付けるタイプの上側摺動板4bとの二タイプである。
前者は、詳細には、図2及び図4(b)、(e)に示すように、一つのタイプ、即ち、基礎の最外周部以外に配される立ち上がり部2の幅広部2aの下面に取り付けるタイプの上側摺動板4aであり、この上側摺動板4aは、長方形を基本とし、その両側に側板4as、4asを立ち上げた板材に構成したものである。この上側摺動板4aは、その幅を該立ち上がり部2の幅広部2aの幅とほぼ一致させ、該幅広部2aの下面を該上側摺動板4aの上面に当接させると、その状態でその両側板4as、4asの内面が該幅広部2aの両側にピッタリ当接するようにする。この上側摺動板4aは、このように取り付けて使用する。
また後者は、詳細には、図3及び図4(c)、(f)に示すように、もう一つのタイプ、即ち、基礎の最外周部に配される立ち上がり部2の幅広部2bの下面に取り付けるタイプの上側摺動板4bであり、この上側摺動板4bは、長方形を基本とし、その一側に側板4bsを、他側に逆U字形の嵌合片4bkを、それぞれ立ち上げた板材に構成したものである。この上側摺動板4bは、その幅を該立ち上がり部2の幅広部2bの嵌合溝2bmより内側の部位の幅とほぼ一致するように構成し、該幅広部2bの下面の嵌合溝2bmより内側の部位を該上側摺動板4bの上面に当接させた状態でその嵌合片4bkが該嵌合溝2bmに嵌合し、かつ側板4bsの内面が該幅広部2bの内側の面にピッタリ当接するようにする。この上側摺動板4bは、このように取り付けて使用する。
この実施例では、以上の上側摺動板4a、4bは、いずれも1.5mmの厚さのステンレススチールで構成し、その下面を滑面に構成するものである。該上側摺動板4aは、基礎の最外周以外の部位に位置する立ち上がり部2の幅広部2aの下面の内、その一部にのみ配することとすることもできるが、この実施例では、該幅広部2aの下面の全部に配することとしたものである。また該上側摺動板4bは、基礎の最外周に位置する立ち上がり部2の幅広部2bの下面の内、嵌合溝2bmより内方寄りの一部にのみ配することとすることも可能であるが、この実施例では、該嵌合溝2bmより内方寄りの全部に配することとしたものである。
前記下側摺動板5は、図1、図2、図3及び図4(a)、(d)に示すように、長方形を基本とし、その全面に多数の半球状突起(突起)5p、5p…をほぼ平均に突設し、両側に側板5s、5sを立ち下げた板材に構成したものである。この実施例では、突起を半球状突起5p、5p…として構成したが、半楕円球状でも良いし、或いは、半球状又は半楕円球状の先端に若干の平坦部を有する形状に構成したものなどでも良い。先端に鋭い尖端部を有しない種々の突起を採用することができる。またこの下側摺動板5は、その幅を前記基盤部1の膨出面1aの幅とほぼ一致させ、該下側摺動板5の下面を、該膨出面1aに当接させると、その状態で該下側摺動板5の両側板5s、5sの内面が該膨出面1aの両側にピッタリ当接するように構成するものである。この下側摺動板5は、このように取り付けて使用する。
この実施例では、該下側摺動板5は、上側摺動板4a、4bと同様に、1.5mmの厚さのステンレススチールで構成したものであり、その上面は、前記のように、多数の半球状突起5p、5p…を突設したものである。該半球状突起5pの数は、この実施例では、100cm2当たり80個の密度で構成したものである。該下側摺動板5は、基盤部1の膨出面1aの内、その一部にのみ配することとすることもできるが、この実施例では、該膨出面1aの全面に配することとしたものである。
前記補助基礎部3は、図1及び図3に示すように、基礎の最外周部、即ち、基盤部1の最外周部から一定の距離、この実施例では、200mmをあけてその全周を囲むように構成したものである。該補助基礎部3は、同図に示すように、埋設部分も含めて断面L字形に構成してあり、その上端を基礎最外周の立ち上がり部2の幅広部2bの上面より僅かに低い面に構成してある。
基礎最外周の立ち上がり部2の幅広部2bは、前記したように、外方に延長する部分が前記溝カバー6の内端側を固定する固定手段となっている。該固定手段は、主として二つの構成要素からなり、その一つは、該幅広部2bの外方側の上面側で、下面側の嵌合溝2bmと上下対応する位置よりやや立ち上がり部2本体寄りの位置に形成した係止溝2bgであり、もう一つは、該係止溝2bgから外端側までの部位の上面である固定面2bfである。該係止溝2bgには、これとT字形に接続し、該固定面2bfの外端まで延長する直交溝2biが一定間隔毎に付設してある。この一定間隔は、隣接する二つの直交溝2bi、2bi間に後記カバー片6bを配しうる寸法とする。
前記係止溝2bgは、立ち上がり部2本体に平行に基礎の全外周に沿って構成した凹溝であり、前記直交溝2biは、前記したように、該係止溝2bgとT字状に接続する凹溝である。また前記固定面2bfは、図1及び図3に示すように、僅かに外方に向かって下降傾斜した傾斜面である。前記補助基礎部3の上端は、前記し、かつ同図に示すように、該固定面2bfより僅かに低い面に構成したものであるが、初期状態、即ち、地震等でスライド移動を生じていない状態の位置関係にある最外周の立ち上がり部2の幅広部2bの固定面2bfから延長した延長面上に沿って位置するように、その高さ及び傾斜状態を設定してあるものである。また該補助基礎部3の上端には、前記直交溝2biの延長ラインに沿って同様の直交溝3iが形成してある。
前記基礎最外周の立ち上がり部2の幅広部2bは、前記したように、外方に延長する部分が、内部への水の浸入を防止する手段をも兼ねるものである。特に該幅広部2bの下部に形成してある前記嵌合溝2bmは、上側摺動板4b及び下側摺動板5側に水が滲入するのを防止する手段を兼ねているものである。
前記係止溝2bg、前記直交溝2bi及び前記固定面2bfには、図1及び図3に示すように、前記溝カバー6の内端側を取付固定する。該溝カバー6は、図4(g)、(h)に示すように、平面から見てT字形のカバーフレーム6aと、カバー片6bとで構成したものである。該カバーフレーム6aは、同図に示すように、T字形の横棒部6ay、縦棒部6at及び該横棒部6ayの下部から垂下させた複数のアンカー部6aaからなり、前二者はいずれも断面U字形のステンレススチール製の部材であり、最後のアンカー部6aaは最下部にフックを備えた同様にステンレススチール製の棒状部材である。
該カバーフレーム6aは、図1及び図3に示すように、最外周部の立ち上がり部2の幅広部2bの外方側上面に於いて、横棒部6ayを係止溝2bgに、縦棒部6atを直交溝2biに、それぞれ嵌合状態に配する。縦棒部6atの先端側は、前記補助基礎部3の上端に構成した直交溝3iにスライド進退自在に嵌合させる。またアンカー部6aaは係止溝2bgの下方のコンクリート中に埋設状態とする。従って該カバーフレーム6aは、立ち上がり部2の幅広部2bを成形する際に同時に以上のようにセットすべきものである。
前記カバー片6bは、図1及び図3に示すように、その内端側下面を該幅広部2bの固定面2bfに接合固定する。接合固定位置は、カバーフレーム6aの横棒部6ay及び縦棒部6atに囲まれた固定面2bfの領域である。固定は接着剤によって行う。
なお、図1中、7は建物の土台である。
以下にこの実施例の戸建て建築物用免震構造の作成手順を若干述べておくこととする。
まず土地の所定の領域に基盤部1を作成する。型枠を作成し、一般の技法によって鉄筋を組んでコンクリートを打設して作成する。硬化後に、その上面の所定の領域に膨出面1aを作成する。両側に型枠を配し、所定の高さにコンクリートを打設した上で、上端を平坦化させるべく処理して構成する。なお、この膨出面1a内にも基盤部1本体内から鉄筋を立ち上げておき、更に該鉄筋に結合状態に網状の鉄筋を配することとして、地震の際の立ち上がり部2の相対的なスライド移動の際にも該膨出面1aが基盤部1本体から剥離するようなことがないようにしておく。
膨出面1aの硬化後に、該膨出面1a上に下側摺動板5を載せ、その下側摺動板5上に上側摺動板4a又は4bをその位置に対応させて載せ、型枠を作成して一般の技法により鉄筋を組み、コンクロートを打設して該上側摺動板4a、4bの上に対応する立ち上がり部2の幅広部2a、2bを作成する。該幅広部2a、2bの硬化後に、更にそれぞれの幅広部2a、2bの上に型枠を組んで立ち上がり部2を作成する。この中には、当然、幅広部2a、2bから立ち上がる鉄筋が組んである。
更にその後に以上の基礎の周囲に前記補助基礎部3を作成する。この作成も型枠を組んで一般の技法によって行う。
この実施例では、以上のようにして作成したものであるが、このような手順に限定される訳ではない。自由な手順によって作成することができる。
この実施例の戸建て建築物用免震構造によれば、建物及び基礎上部の立ち上がり部2の荷重を、基礎下部の基盤部1に、面状の上側摺動板4a、4b及び下側摺動板5を介して伝えるものであるため、点状の部材を介して伝えるものと異なり、下方の地盤が良好とは云えない場合であっても安定した支持が可能になる。また地震の際には、建物及び基礎上部の立ち上がり部2と基礎下部の基盤部1との相対的な横方向の動きを、以上の上側摺動板4a、4bと半球状突起5p、5p…を構成した下側摺動板5とのスライド動作を通じて減衰させるものであり、水平振動を良好に減衰させることができる。また、前記のように、この免震のための構造は、極めて簡単なものであり、一般の基礎構造に追加する構成が少ないので、経済的に作成できるものでもある。
詳細には、地震の際には、建物を建てた地盤が鉛直方向及び水平方向の振動成分を持った地震動をすることになるが、この実施例の戸建て建築物用免震構造によれば、その水平方向の振動の減衰作用を良好に果たすことができる。
地震の水平方向の振動成分により、地盤が水平方向に振動動作すると、地盤側の基盤部1の膨出面1aに配された下側摺動板5と立ち上がり部2の幅広部2a、2bに配された上側摺動板4a、4bとのスライド作用により、立ち上がり部2により支持される建物側と、基盤部1を固定した地盤側とが相対的に水平方向往復動作をすることになり、この相対的水平動作により建物側の水平振動動作は極めて小さいものとなる。即ち、大きな減衰効果を得ることができる。
下側摺動板5と上側摺動板4a、4bとのスライド動作は、前者と後者との接触が、前者の上面側に突設された多数の半球状突起5p、5p…の各々と後者の下面との間の多数の点接触によるものであるため、非常に軽快に行われるものとなる。それ故、地震により地盤が水平方向に振動動作した際に、基盤部1の膨出面1aに配した下側摺動板5は、その上に接する上側摺動板4a、4bを強く引きずるようなこと無く動作し、その上部の建物は慣性によって比較的良好に動きが限定され、振動が減衰されることになる。
地震の際にも上部の建物等の動きは、以上のように、小さなものに限定されるが、地盤の地震動との相対的な動きにより、基礎上部である立ち上がり部2は、建物と共に、地盤及び基礎下部である基盤部1に対して、相対的に、水平動することになる。しかし、基礎の基盤部1の周囲には、その外周から一定の間隔、この実施例では、前記のように、200mmの間隔を空けて補助基礎部3が構成してあり、その間は、溝状の空間となっているため、そのような相対的な水平動が支障なく行い得られるものとなっている。
最外周の立ち上がり部2の幅広部2bの外端側の係止溝2bg、直交溝2bi及び固定面2bfには、前記のように、カバーフレーム6aとカバー片6bとからなる溝カバー6の内端側が固定してあり、その外端側が前記補助基礎部3の上面上まで延長して非結合状態になっているため、前記のように、基礎上部の立ち上がり部2及び幅広部2a、2bが建物と共に、地盤に対して相対的に動くと、対応して該溝カバー6も動くことになるが、基礎上部の最外周の立ち上がり部2に於ける幅広部2bの外周側の部位と補助基礎部3との間の溝状の空間は常時該溝カバー6によってカバーされ、閉じた状態が維持されるようになっている。
また雨水等は、基礎の最外周の立ち上がり部2の幅広部2b下面に形成してある嵌合溝2bmでその浸入が防止され、それより内側には入らないようになっている。
1 基盤部
1a 膨出面
2 立ち上がり部
2a、2b 幅広部
2bf 固定面
2bg 係止溝
2bi 固定面の直交溝
2bm 嵌合溝
3 補助基礎部
3i 補助基礎部の上面の直交溝
4a、4b 上側摺動板
4as 側板
4bk 嵌合片
4bs 側板
5 下側摺動板
5p 半球状突起
5s 側板
6 溝カバー(カバー部材)
6a カバーフレーム
6aa アンカー部
6b カバー片
6ay 横棒部
6at 縦棒部
7 土台

Claims (5)

  1. 基礎を、最下部の基盤部と、その上面上に分離状態に配する立ち上がり部とで構成し、該基礎の立ち上がり部の下面に上側摺動板を配し、かつ該基盤部の該摺動板に対面する面に下側摺動板を配し、該上側摺動板又は該下側摺動板のいずれか一方を滑面の板材で、他方を複数の突起をその全面に連設状態に立ち上げた板材で、各々構成するものとした戸建て建築物用免震構造。
  2. 前記立ち上がり部の基部を上部より幅の広い幅広部に構成し、かつ該立ち上がり部の幅広部の下面と対面する前記基盤部の面に該面から立ち上がる膨出面を構成し、
    更に該立ち上がり部の幅広部の下面の全部又は一部に前記上側摺動板を配し、該膨出面の全部又は該幅広部の下面の一部に配された上側摺動板に対応する一部に前記下側摺動板を配する請求項1の戸建て建築物用免震構造。
  3. 前記基礎に、前記基盤部の外周から所定の間隔で該基盤部を囲むように、かつ上面が前記基盤部の外周部に位置する立ち上がり部の幅広部の上面に対応する高さになるように、補助基礎部を付設し、
    該基盤部の外周部に位置する立ち上がり部の幅広部の上面に該補助基礎部の上面上まで延長するカバー部材を固定した請求項2の戸建て建築物用免震構造。
  4. 前記上側摺動板を前記立ち上がり部の幅広部の下面の一部に配し、かつ前記下側摺動板を前記基盤部の膨出面の上面の、該幅広部の下面の一部に配する上側摺動板に対応する面に配することとした場合に、該上側摺動板は該立ち上がり部の幅広部の下面にその面積の50%以上の部分に平均に位置するように配し、該下側摺動板は該基盤部の膨出面の上面の面積の50%以上の部分に平均に位置するように配することとした請求項2又は3の戸建て建築物用免震構造。
  5. 前記上側摺動板又は前記下側摺動板として1〜1.5mmの厚さのステンレススチールの板材を採用し、かつそのいずれかに構成する多数の半球状突起を100cm2当たり50〜100個形成したものとする請求項2、3又は4の戸建て建築物用免震構造。
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