JP2010248052A - イオン液体を用いた物理吸収法による二酸化炭素分離回収方法 - Google Patents

イオン液体を用いた物理吸収法による二酸化炭素分離回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン液体を用いた物理吸収法によるCO分離回収方法を提供する。
【解決手段】イオン液体吸収液を用いた物理吸収法により、CO−N系とHS、又はCO−N系と低級の炭化水素系ガスを含む多成分混合ガスから、COとHS、又はCOを分離回収するCO分離回収方法、CO−N系とHSを含む多成分混合ガスから、COとHSを同時に分離回収し、又は、CO−N系と低級の炭化水素系ガスを含む多成分混合ガスからCOのみを選択的に分離回収する、及び流通式ガス分離装置を用いた連続プロセスにより、多成分混合ガスからCOを分離回収する、前記のCO分離回収方法。
【効果】室温近辺の温度領域で3成分以上の多成分混合ガスからCOを分離回収することができる。
【選択図】図12

Description

本発明は、3成分以上の多成分混合ガスから、室温近辺の温度領域で、二酸化炭素を分離回収することを可能とする二酸化炭素分離回収方法に関するものであり、更に詳しくは、例えば、二酸化炭素−窒素系ガスに硫化水素又は低級の炭化水素系のガスが加わった多成分混合ガスから、イオン液体を用いて、二酸化炭素と硫化水素を同時に、又は二酸化炭素のみを選択的に分離回収する二酸化炭素の分離回収方法に関するものである。本発明は、例えば、化石燃料や天然ガスなどに含まれる多成分混合ガスから、上記温度領域で、二酸化炭素を分離回収する方法や、二酸化炭素の回収や水素の精製システムなどに好適に適用することが可能な多成分混合ガスからの二酸化炭素分離回収技術を提供するものである。
地球温暖化ガスの中心である二酸化炭素を分離回収し、貯留する技術(CCS)は、京都議定書の発効に見られるように、産業界のみならず社会的にも重要視されており、その研究開発は、国際的な課題となっている。このCCSプロセスでは、二酸化炭素の分離回収に掛かるエネルギーは、特に大きく、全体の70%近くにのぼると予想され、一層の低エネルギー化、低コスト化が望まれている。現在、アミノ基を持つ特定のアミン類化合物を用いた化学吸収法が、実用化に向けて、試験段階にあるが、この種の方法は、二酸化炭素再生プロセスでのエネルギー消費が著しく、新規な吸収液の開発が高く期待されている。
一方、物理吸収による方法については、これまで、SELEXSOL法によるケーススタディがあるのみで、ほとんど技術開発が進んでいない状況にあり、多くの研究課題が残されている。また、これまでに検討されている技術のほとんどは、二酸化炭素を常圧のガスとして回収するものであり、貯留や隔離を考えた場合には、高圧状態に圧縮する必要があり、そのためのエネルギーやコストも別に必要となる。
他方、水素燃料は、次世代のクリーンエネルギー源として注目され、燃料電池や水素燃料、自動車などへの応用研究が行なわれているが、それに伴い、水電解や光触媒など種々の方法を用いた水素製造技術の開発研究が盛んに進められている。その中でも、炭化水素系化合物を水蒸気あるいは部分酸化により改質し、引き続き、水性ガスシフト反応(CO+HO→CO+H)により水素を製造する方法は広く用いられている。この場合、エネルギー源となる水素の製造に伴い副生される二酸化炭素の分離は必須であり、分離効率の改善は、水素製造コストを大幅に向上するものと期待される。
これまで、水素精製技術として、圧力スイング吸着、膜分離、深冷分離などの方法が検討されているが、物理吸収法による研究例は見当たらないのが実情である。今後、水素の貯蔵や輸送などの観点から、高圧水素の需要が益々増加すると予想される。イオン液体を用いた物理吸収による分離精製法は、圧縮状態にある高圧ガスの処理に、非常に好適であり、クリーンな水素社会の実現に向けた重要技術と云える。
従来、先行技術として、例えば、イオン液体を主成分とした吸収液を用いて、酸性ガスと非酸性ガスからなる混合ガスを接触させて、酸性ガスを吸収させて分離精製するための吸収液について提案されている(特許文献1)。この文献では、アミノ基を持つイオン液体を用いて、化学吸収法により酸性ガスを除去しており、物理吸収によるガス分離精製法とは異なるものである。
また、イオン液体を主成分とした吸収液を用いて、酸性ガスと非酸性ガスからなる混合ガスを接触させて、酸性ガスを吸収させて分離精製するための吸収液、及びその方法と装置について提案されている(特許文献2)。この方法は、イオン液体を用いた物理吸収によるガス分離精製法であるが、この方法では、吸収塔と再生塔とを用いて、ガスの分離精製を行っており、二酸化炭素を液化炭酸ガスとして回収することを目的としたプロセスである。
これまでの研究(非特許文献1、2)により、イオン液体は、従来の物理吸収液より、優れた二酸化炭素吸収量を持つことが明らかとされている。例えば、従来の物理吸収液の代表的なものとしては、Selexol法の呼称で知られるポリエチレングリコールをジメチルエステル化した吸収液などが挙げられる。
それと類似の化学構造を有する、分子量が約400と600のポリエチレングリコールであるPEG400、PEG600の二酸化炭素溶解度を、典型的な疎水性のイオン液体である、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロスルホニル)アミド([BMIM][TfN])と比較すると、これらの吸収液の二酸化炭素溶解度は、モル分率表示では、顕著な違いが観察されない。
一方、二酸化炭素の溶解度を、吸収液の単位体積当りの二酸化炭素質量として表示すると、分子性の吸収液である、PEG400やPEG600に対して、イオン液体[BMIM][TfN]は、極めて高い二酸化炭素吸収量を示す。この結果は、従来の分子性の吸収液と比べて、イオン液体は、非常に高密度、かつ高濃度の吸収液であるため、単位体積当たりの濃度に換算した時に、極めて高いガス吸収量を示すことを意味する。
PEG400、PEG600、並びに[BMIM][TfN]のモル質量、密度、濃度、モル体積で比較すると、[BMIM][TfN]は、PEG400やPEG600に比べて、かなり濃度が高く、モル体積が小さいが、このことは、イオン液体中で、カチオンとアニオンは、静電的な相互作用により、かなり凝集し、過密な状態にあることを示している(非特許文献1−4)。
イオン液体の物理吸収法では、単位体積当りのガス吸収量が、実際のプロセスの処理量の目安となるため、上記の比較は、非常に重要である。また、同様にして、高二酸化炭素吸収性イオン液体の分子設計を進める上でも、イオン液体の単位体積当りの二酸化炭素吸収量が重要である。しかし、これまでのイオン液体の二酸化炭素溶解度のほとんどが、モル分率あるいは質量濃度で報告されている(非特許文献1、2)。イオン液体のガス吸収において、体積(密度)に関して記載されている文献(非特許文献3、6−8)は、極めて少ない。
ここで、それらについて、簡単に言及すると、Brenneckeら(非特許文献3、6)は、[BMIM]を、カチオンとして、種々のアニオンとの組み合わせのイオン液体[BMIM]Xの二酸化炭素吸収量について報告をしている。この文献では、モル分率表記では、二酸化炭素の溶解度は、次の順序、[NO<[N(CN),[BF<[CFSO<[PF<[N(CFSO,[C(CFSOで、大きくなることが示されている。
すなわち、ペルフルオロアルキル(CF)基の導入により、二酸化炭素吸収量は、増加する。一方で、ペルフルオロアルキル基を導入すると、イオン液体そのもののモル体積も一般に増加するため、単位体積当りの二酸化炭素濃度とすると、その差は小さくなる。しかし、それでも、CF基を有するアニオンの二酸化炭素吸収量は高くなり、次の順序、[NO<[N(CN),[BF,[CFSO<[PF,[C(CFSO,[N(CFSOで、大きくなることが示されている。
これらと同様に、イミダゾリウムカチオンの側鎖のアルキル基を、ブチル、ヘキシル、オクチルと延長した場合に、二酸化炭素吸収量がどのような影響を受けるかについては、モル分率でも、体積濃度ベースでも、ほとんど変化がないことが明らかとされている。
更に、Brenneckeら(非特許文献7)は、多種多様のカチオンとアニオンから構成されるイオン液体の二酸化炭素吸収量について、アニオンとしては、上述の[N(CFSO(=[TfN])に加え、PF の3つのFをCやCで置換した[eFAP]や[bFAP]が、良好な二酸化炭素収特性持つことを示している。また、この文献では、イミダゾリウムカチオンの側鎖をフッ素化した、[CMIM]も、大きな二酸化炭素吸収量を有している。これらの結果は、カチオン及びアニオンどちらのイオン種の場合にも、ペルフルオロアルキル基の導入が、二酸化炭素吸収量を増加させる上で、有効な手段であることが示されている。
一方、この文献では、[TfN]を、アニオンとして固定し、カチオンを、[BMIM]から、[N4111や[choline]などの4級アンモニウム系や、[b2−Nic]にしても、ほぼ同等の二酸化炭素吸収量が得られることも指摘されている。これらのイオン液体の二酸化炭素吸収量は、Selexol吸収液の値である40g−二酸化炭素/dm(3.5MPa,40℃)の2倍を容易に超えて、同条件で、〜100g−二酸化炭素/dmに達するものである。
このように、従来、イオン液体は、従来の物理吸収液より優れた二酸化炭素吸収量を持つことが知られているが、従来の研究例は、基本的には、イオン液体による二酸化炭素単独ないし2成分以下の混合ガスからの物理吸収による二酸化炭素の吸収性に関する研究に限られており、3成分以上の多成分混合ガスとして、二酸化炭素−窒素系ガスに他の成分ガスが共存する多成分混合ガス系からの二酸化炭素吸収性については報告例は無く、特に、硫化水素や低級炭化水素を含む多成分混合ガスからの二酸化炭素吸収性に関する研究例は報告されていない。従来、硫化水素あるいはハイドロカーボンを含んだ多成分ガスから二酸化炭素を分離吸収することは、単成分(N/CO)の場合に比べて非常に困難であり、脱硫プロセスや多段プロセスを採用することが不可欠とされていた。例えば、硫化水素あるいは低級の炭化水素を含んだ多成分混合ガス系では、硫化水を含む硫化水素系混合ガスの処理においては、脱硫プロセスが必要となると云う問題があり、また、低級の炭化水素系混合ガスの処理においては、メタンなどの炭化水素を分離するために、多段プロセスが必要となると云う問題があり、当技術分野においては、そのような脱硫プロセスや多段プロセスが不要で、高コストの設備を必要とすること無しに、しかも、硫化水素や低級の炭化水素の混入無しに、高精度に、二酸化炭素を分離回収することを可能とする、高精度、高効率、省エネルギーの低環境負荷型のプロセスで、3成分以上の多成分混合ガスからの二酸化炭素分離回収技術を開発することが強く要請されていた。
特開2006−36950号公報 特開2006−305544号公報
金久保光央、RITE H19プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発「先端的研究」成果報告書、「イオン液体物理吸収法による高圧ガス再生に関する研究」、2007 金久保光央、RITE H20プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発「先端的研究」成果報告書、「イオン液体物理吸収法による高圧CO2ガス再生に関する研究」、2008 S.N.V.K.Aki,B.R.Mellein,E.M.Saurer,and J.F.Brennecke,"High−Pressure Phase Behavior of Carbon Dioxide with Imidazolium−Based Ionic Liquids,"J.Phys.Chem.B,2004,108,20355 M.Daneshvar,S.Kim,and E.Gulari,"High−Pressure Phase Equilibria of Poly(ethylene glycol)−Carbon Dioxide Systems,"J.Phys.Chem.,1990,94,2124 K.R.Harris,M.Kanakubo,and L.A.Woolf,"Temperature and Pressure of the Viscosity of the Ionic Liquids 1−Hexyl−3−methylimidazolium Hexafluorophosphate and 1−Buthyl−3−methylimidazolium Bis(trifluoromethylsulfonyl)imide,"J.Chem.Eng.Data,2007,52,1080 L.A.Blanchard,Z.Gu,and J.F.Brennecke,"High−Pressure Phase Behavior of Ionic Liquid/CO2 Systems,"J.Phys.Chem.B,2001,105,2437 M.J.Muldoon,S.N.V.K.Aki,J.L.Anderson,J.K.Dixon,and J.F.Brennecke,"Improving Carbon Dioxide Solubility in Ionic Liquids,"J.Phys.Chem.B,2007,111,9001 W.Ren,and A.M.Scurto,"High−pressure phase equilibria with compressed gases,"Rev.Sci.Instrum.,2007,78,125104
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、物理吸収を原理とした低環境負荷型の分離回収プロセスにより3成分以上の多成分混合ガスからの二酸化炭素を分離回収する技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、イオン液体を用いた二酸化炭素分離回収方法を開発することに成功し、本発明を完成するに至った。本発明は、物理吸収を原理とした低環境負荷型の分離回収プロセスにより3成分以上の多成分混合ガスからの二酸化炭素ガスを、イオン液体吸収液に接触させることにより、省エネルギー、低コストで分離回収することを可能とする二酸化炭素分離回収方法を提供することを目的とするものである。尚、本明細書では、二酸化炭素をCO、二酸化炭素−窒素系をCO−N系、硫化水素をHS、メタンをCHと記載することがある。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)少なくとも3成分から構成される多成分混合ガスからCOを分離回収する方法であって、イオン液体吸収液を用いた物理吸収法により、少なくともCO−N系とHSを含む多成分混合ガス、又はCO−N系と低級の炭化水素系ガスを含む多成分混合ガスから、COとHS、又はCOを分離回収することを特徴とするCO分離回収方法。
(2)少なくともCO−N系とHSを含む多成分混合ガスから、COとHSを同時に分離回収し、あるいは、少なくともCO−N系と低級の炭化水素系ガスを含む多成分混合ガスから、COのみを選択的に分離回収する、前記(1)に記載のCO分離回収方法。
(3)CO−N系とHSを含む多成分混合ガスが、HS/CO/Nから成るHS系多成分混合ガスであり、CO−N系と低級の炭化水素系ガスを含む多成分混合ガスが、CH/CO/Nから成るCH系多成分混合ガスである、前記(1)又は(2)に記載のCO分離回収方法。
(4)低級の炭化水素系ガスが、CHである、前記(1)から(3)のいずれかに記載のCO分離回収方法。
(5)イオン液体吸収液が、陽イオン及び陰イオンからなるイオン液体であり、前記陽イオンが、アルキルアンモニウム、アルキルピリジニウム、アルキルピロリジニウム、アルキルホスホニウム、又はアルキルイミダゾリウム、あるいは、それらアルキル鎖に不飽和アルキル部位、アミノ基、エーテル基、エステル基、又はカルボニル基の官能基がある陽イオンから成る、1種あるいは2種以上の陽イオンであり、また、前記陰イオンが、PF ,BF ,CFSO ,CFCFSO ,(CFSO,(CFCFSO,(CFCO),(CFSO)N(COCF,FSONSOFから成る、1種あるいは2種以上の陰イオンである、前記(1)から(4)のいずれかに記載のCO分離回収方法。
(6)COを含む多成分混合ガスに対するイオン液体吸収液の流量比(吸収液/ガス)が、0.1〜3の領域で、ガス分離を行う、前記(1)から(5)のいずれかに記載のCO分離回収方法。
(7)温度25〜60℃の室温近辺の温度領域で、ガス分離を行う、前記(1)から(6)のいずれかに記載のCO分離回収方法。
(8)圧力1〜4MPaの領域で、ガス分離を行う、前記(1)から(7)のいずれかに記載のCO分離回収方法。
(9)流通式ガス分離装置を用いた連続プロセスにより、多成分混合ガスからCOを分離回収する、前記(1)から(8)のいずれかに記載のCO分離回収方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、3成分以上から構成される多成分混合ガスからCOを分離回収する方法であって、イオン液体吸収液を用いた物理吸収法により、少なくともCO−N系とHSを含む多成分混合ガス、又はCO−N系と低級の炭化水素系ガスを含む多成分混合ガスから、COとHS、又はCOを分離回収することからなるCO分離回収方法、である。
本発明では、少なくともCO−N系とHSを含む多成分混合ガスから、COとHSを同時に分離回収し、あるいは、少なくともCO−N系と低級の炭化水素系ガスを含む多成分混合ガスからCOのみを選択的に分離回収すること、また、CO−N系とHSを含む多成分混合ガスが、HS/CO/NからなるHS系多成分混合ガスであり、CO−N系と低級の炭化水素系ガスを含む多成分混合ガスが、CH/CO/NからなるCH系多成分混合ガスであること、また、低級の炭化水素系ガスが、CHであること、を好ましい実施の態様としている。
また、本発明は、COを含む多成分混合ガスに対するイオン液体吸収液の流量比(吸収液/ガス)が、0.1〜3の領域で、ガス分離を行うこと、また、温度25〜60℃の室温近辺の温度領域で、ガス分離を行うこと、また、圧力1〜4MPaの領域で、ガス分離を行うこと、流通式ガス分離装置を用いた連続プロセスにより、多成分混合ガスからCOを分離回収すること、を好ましい実施の態様としている。
本発明は、イオン液体に、COなどを大量に物理吸収させる物理吸収法の手法を利用するものである。イオン液体は、カチオンとアニオンのみから構成され、室温付近以下に融点をもつ溶融塩であり、不揮発性・不燃性の性質を持ち、広い温度範囲で液体状態を維持し、化学的にも安定である。そのため、イオン液体は、蒸気圧がほぼ無視でき、各種ガス相や超臨界流体相へは溶出せず、大気中へのエミッションが無く、低環境負荷の化学プロセスを構築することが可能である。
また、イオン液体のガス吸収は、物理的な機構であるため、ガスを加圧、接触することで吸収させることができ、一方、減圧することで、吸収したガスを容易に取り出すことができる。これにより、化学吸収法などで必要となるガス回収のための熱エネルギーを大幅に節約することができ、減圧により吸収したガスを回収した後で、吸収液の再利用が容易である。更に、物理吸収の利点は、吸収量がガスの分圧に比例することで、特に、高圧ガスの分離・精製プロセスに好適である。
本発明では、この性質を利用し、選択的にガスを吸収する分子ゲート機能を持った分離膜やマイクロリアクターを用いた接触吸収法によるガス分離精製が可能となる。また、イオン液体は、カチオンとアニオンの分子構造を自在に化学修飾できるデザイン溶媒と云われていることから、イオン液体の分子構造を、CO分離回収の吸収液として、好適な構造とすることで、一層のプロセスの高効率化が可能となる。
近年、イミダゾリウムなどを陽イオンとし、PF 、BF 、(CFSOなどを陰イオンとしたイオン液体は、単位体積当たりのCOなどの酸性ガスの吸収量が極めて高く、一方で、HやNなどの非酸性ガスはほとんど吸収しないことが明らかとされた。したがって、これらのイオン液体を吸収液として用い、混合ガスと接触させることで、ガスの分離精製が可能となると考えられる。
また、本発明では、吸収液に1種あるいは2種以上からなるイオン液体が用いられるが、その場合、陽イオンとして、アルキルアンモニウム、アルキルピリジニウム、アルキルピロリジニウム、アルキルホスホニウム、アルキルイミダゾリウム、あるいは、それらアルキル鎖に不飽和アルキル部位、アミノ基、エーテル基、エステル基、カルボニル基などの官能基がある陽イオンなどを用いることが好ましく、また、陰イオンとして、PF ,BF ,CFSO ,CFCFSO ,(CFSO,(CFCFSO,(CFCO),(CFSO)N(COCF,FSONSOFなどを用いることが好ましい。
COの分離回収技術については、化学吸収法、吸着法、膜分離法など、様々な方法により研究開発が進められており、エネルギーやコストの低減が図られている。火力発電所などの大規模固定発生源からCOを分離回収するプロセスでは、アルカノールアミン類やアミノ酸類をCO吸収液として用いる化学吸収法が、現時点における実用化技術として注目され、既に商用プラントとして、一部稼働している状況にある。
しかしながら、化学吸収法は、吸収液再生コストが分離回収コストの50%を占め、エネルギー消費が著しいという問題がある。したがって、コスト削減のため、100℃以下の室温程度の廃熱源で駆動可能な低エネルギー再生型吸収液の開発が望まれている。また、これまで検討されてきた方法の多くは、COを常圧のガスとして回収するものである。しかし、回収したCOを貯留・隔離する際には、得られたガスを液体あるいは超臨界状態にある高圧COに変換する必要があり、この過程のエネルギー消費も甚だしいとされている。
本発明で提案するイオン液体によるCO分離回収法は、物理吸収を原理とし、室温近辺での圧力操作のみで駆動できるため、従来の吸収液再生エネルギーコストなどを大幅に低減することが可能である。更に、イオン液体法では、回収条件を制御することで、COを高圧状態で回収することができ、貯留、隔離の際の圧縮エネルギーを軽減することができる。本発明者らの試算では、化学吸収法からイオン液体を用いた物理吸収法へ技術転換することにより、分離回収におけるエネルギー消費量が大幅に削減でき、分離回収から貯留、隔離までの技術全体としても、エネルギー消費量の低減が期待できる。
水素精製技術としては、これまで、圧力スイング吸着、膜分離、深冷分離などの方法が検討されているが、高圧条件における水素精製については、ほとんど実施の事例が無い。一方、水素の貯蔵や輸送を考えた場合には、高圧水素の需要は、今後、益々増加すると予想される。高圧水素精製では、対象とする混合ガス中の水素分圧を低下させること無く、分離精製を行うことが重要である。
また、圧力スイング吸着法は、現在最も実用化が進んでいるが、吸脱着において圧力操作が不連続となるため、高圧条件での水素精製に適しているとは云いがたい。また、パラジウムなどの水素透過膜を利用した分離精製法は、一般に、分離膜の前後において圧力差が生じ、供給側より精製後の水素分圧は低くなってしまう。このため、精製した水素の再圧縮が必要となり、エネルギー的に不利となる。
一方、本発明で提案するイオン液体法は、これまでほとんど利用されていなかった物理吸収を原理とした分離回収法であり、イオン液体を混合ガスと接触させることにより、COなどを選択的に吸収して取り除くことができる。このため、水素透過膜とは異なり、水素分圧を低下させること無く、高圧水素を精製することが可能である。高圧条件では、水素精製効率の向上が期待され、このことは、水素精製と圧縮を同時に行えることを示唆するものであり、オンサイト型の水素ステーションを想定した場合には、装置をコンパクト化することができ、非常に有利となる。
本発明では、高CO吸収性イオン液体の分子設計、合成を行うために、種々のイオン液体のCO吸収特性の調査を進めたところ、パーフルオロアルキル(CF)基を有するアニオン類(例えば、ビス(トリフルオロスルホニル)アミドアニオン([(CFSON])など)から構成されるイオン液体が、優れた性能を示すことが明らかとなった。一方、カチオンは、既存のイミダゾール系以外のものも選択可能であることなどが示された。これらのイオン液体のCO吸収量は、当初に目標としたSelexol吸収液の値である40g−CO/dm(3.5MPa,40℃)の2倍を超えて、100g−CO/dm(同条件)に達するものである。
次に、本発明では、COの選択性を評価するために、イオン液体を用いた物理吸収プロセスにおいて、硫化水素やメタンなどの他成分ガスが共存する場合の影響について、実際に、それらを含んだ混合ガスを用いて、ガス分離試験を行い、評価した。その結果、例えば、HSは、COと共に吸収分離されるが、炭化水素のCHは、ほとんど吸収されないことが明らかとなった。
次に、本発明では、高圧条件における性能評価試験として、イオン液体の物理吸収法によるCO分離回収条件を調べるために、ガス分離装置を用いて、各温度(25,40,60℃)で、所定圧力(1〜4 MPa)において、イオン液体の物理吸収法による標準ガス(窒素ベース25%CO)からのCO分離回収試験を実施した。
本発明では、イオン液体を用いて、ガス分離装置を用いた物理吸収プロセスでCOを分離回収することが可能であるが、これに限らず、本発明では、例えば、実施例1に例示したような流通式ガス分離装置を用いた連続プロセスでCOを分離回収することも適宜可能である。
イオン液体を吸収液として用いると、25%含まれていたCOは、〜3%近くまで減少し、従来の分子性の吸収液を用いた場合に比べて、COの分離回収量を大幅に改善できることが明らかとなった。また、精製ガス中のCO濃度は、ガスの全圧(CO分圧)を上げても、ほとんど変化せず、高圧ほど、単位吸収液当たりのCO分離回収量は、大きいことが確認された。
次に、本発明では、イオン液体を用いた物理吸収法により、低エネルギーで、COを分離回収するプロセスの基本技術を構築した。これまで、本発明者らの研究(非特許文献1、2)により、イオン液体の物理吸収法では、アミン類化合物を用いた化学吸収法で必要な、COの回収エネルギー(〜120℃)が省略でき、消費エネルギーの低減が可能なこと、従来の分子性の吸収液を用いた物理吸収法のように、低温(〜0℃)でガスを吸収させる必要が無く、冷却エネルギーを節約できることなど、種々の利点や優位性が見出されている。
本発明では、イオン液体の物理吸収法によるCO分離回収技術を更に発展させるために、主に、以下の3項目、すなわち、1)高CO吸収性イオン液体の分子設計、合成、2)高圧条件における性能評価試験、3)CO選択性評価、を中心に、検討を進めて、種々のイオン液体のCO吸収特性の調査を進めた結果、パーフルオロアルキル(CF)基を有するアニオン類(例えば、ビス(トリフルオロスルホニル)アミドアニオン([(CFSON])など)から構成されるイオン液体が、優れた性能を示すことを明らかとした。
また、本発明では、ガス分離装置を用いて、各温度(25,40,60℃)で、所定圧力(1〜4MPa)において、イオン液体の物理吸収法による標準ガス(窒素ベース25%CO)からのCO分離回収試験を実施したが、その結果、イオン液体を吸収液として用いると、25%含まれていたCOは、〜3%近くまで減少し、従来の分子性の吸収液を用いた場合に比べて、COの分離回収量を大幅に改善できることが明らかとなった。
また、分析するガス中のCO濃度は、ガスの全圧(CO分圧)を上げても、ほとんど変化せず、吸収液の単位体積当たりのCO分離回収量は、高圧ほど、大きいことが確認された。更に、本発明では、HSやCHなどの他成分ガスが共存する場合の影響について、実際に、それらを含んだ混合ガスを用いて、ガス分離試験を行い評価したが、その結果、HSは、COと共に吸収分離されるが、炭化水素のCHは、ほとんど吸収されないことが明らかとなった。
従来、多成分混合ガス系では、例えば、HSを含むHS系混合ガスの処理においては、脱硫プロセスが必要となると云う問題があり、また、低級炭化水素系混合ガスの処理においては、炭化水素を分離するために多段プロセスが必要となると云う問題があり、それらのプロセスにより、高エネルギー消費、高コスト化が不可避とされていた。これに対し、本発明では、3成分以上の多成分混合ガスからのCO分離回収に、イオン液体による物理吸収法を適用することにより、そのような脱硫プロセスや多段プロセスが不要で、高コストの設備を必要とすること無しに、しかも、HSやメタンなどの炭化水素の混入無しに、高精度に二酸化炭素を選択的に分離回収することを可能とする、高精度、高効率、省エネルギーの低環境負荷型のプロセスで、3成分以上の多成分混合ガスからのCO分離回収技術を提供することが可能である。
一般に、物理吸収法は、他の方法と比較して、ガスの吸収量や処理量に優れ、例えば、北米を中心に、天然ガスや合成ガスなどのガス分離精製プラントで、多数の実績がある。近年では、石炭ガス化複合発電(IGCC)における改質ガスからのCO分離などで、その利用が期待されている。本発明により、ガス分離回収効率向上のために、温度、圧力などの条件の最適化、共存ガス成分の影響の検討、精密なプロセスの設計などが進展することで、クリーンで、低コスト、低消費エネルギーのイオン液体を用いた、物理吸収法によるガス分離回収プロセスが実用化可能になるものと期待される。本発明は、特に、発生源のガスが高圧状態である場合や、除去すべき酸性ガス成分が高濃度である場合に、有効である。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)イオン液体による物理吸収により、3成分以上の多成分混合ガスからのCOを分離回収する方法を提供することができる。
(2)CO−N系とHS、又はCO−N系と低級の炭化水素系ガスを含む混合ガスから、COとHS、又はCOを高圧状態で回収することができ、貯留、隔離の際の圧縮エネルギーやコストを軽減することができる。
(3)温度25〜60℃の室温近辺の温度領域で、ガス分離することが可能であり、化学吸収法と比べて、分離回収におけるエネルギー消費量を大幅に削減することができる。
(4)水素を含んだ混合ガスでは、水素分圧を低下させること無く、二酸化炭素を選択的に吸収して取り除くことが可能である。
(5)高圧条件では、水素精製と圧縮を同時に行うことが可能である。
(6)HS系混合ガスの処理において、低圧から高圧へと多段に圧力調整するだけで、HSを前処理的に分取することが可能であり、これにより、脱硫プロセスを不要とすることができる。
(7)CH系混合ガスの処理において、一段のプロセスで、CHの混入無しにCOの分離吸収処理を実施することができる。
(8)高精度、高効率、省エネルギーの低環境負荷型のプロセスで、3成分以上の多成分混合ガスからのCOを分離回収するCO分離回収技術を提供することができる。
流通式ガス分離実験装置の概略(上)と外観(下)を示す。 CO−N系のCOの校正曲線を示す。 S−CO−N系のCOの校正曲線を示す。 CH−CO−N系のCOの校正曲線を示す。 S−CO−N系のHSの校正曲線を示す。 CH−CO−N系のCHの校正曲線を示す。 [BMIM][TfN]の再利用の概要を示す。 ガス分離実験における精製ガス中のCO濃度の経時変化(25℃、3MPa、流量比2における混合ガス(CH−CO−N)からのCO分離実験の結果)を示す。 精製ガス中のCO濃度の流量比依存性(25℃、2MPa)を示す。 精製ガス中のCO濃度の圧力依存性(25℃、流量比2)を示す。 精製ガス中のCO濃度の温度依存性(2MPa、流量比2)を示す。 精製ガス中のCO及びHS濃度の流量比依存性(25℃、2MPa)を示す。 精製ガス中のCO及びHS濃度の圧力依存性(25℃、流量比2)を示す。 精製ガス中のCO及びHS濃度の温度依存性(2MPa、流量比2)を示す。 精製ガス中のCO及びCH濃度の流量比依存性(25℃、2MPa)を示す。 精製ガス中のCO及びCH濃度の圧力依存性(25℃、流量比2)を示す。 精製ガス中のCO及びCH濃度の温度依存性(2MPa、流量比2)を示す。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、高圧条件における性能評価試験を行った。
(1)実験装置
本実施例で構築した流通式ガス分離実験装置の概略を図1に示す。また、流通式ガス分離実験装置の機種名(表中の番号は、図1と同符号)を、表1に示す。
ガス分離実験装置は、吸収液と標準ガスを定常的に送液する2台のシリンジポンプ(1,5)、約30mlのサファイア窓付の高圧セルからなる気液混合・分離器、圧力計測・制御機器(11−13)、及びガス組成分析機器(14,15)、の4つの主要部分から構成される。
(2)実験手順
ガス分離回収実験は、以下の手順で行なった。図1に示す流通式ガス分離実験装置において、循環ポンプ、恒温槽、冷却器を作動させ、シリンジポンプ、及び気液混合・分離器などを、所定の温度に保持した。測定条件を満たすために、必要な体積と、圧力を考慮し、それに合わせて、ポンプ−B(ガス側)と、ポンプ−A(液体側)を、それぞれ標準ガスと吸収液で充填した。充填は、ポンプの出口側バルブ(ポンプ右側に設置)を閉じ、ポンプ入口側のバルブ(ポンプ左側)を開け、“Refill”ボタンを押して行った。
粘性の高い液体は、ゆっくり充填する(2ml/min)か、又はポンプ停止後も時間をおき、遅れて充填が完了するのを待った。また、吸収液は、グローブボックス内で、密閉型の充填容器に移し替え、アルゴンをパージしながら充填することで、水分の混入を防いだ。
ガスクロマトグラフィーを、以下の手順で起動した。すなわち、キャリアガスであるHeの元栓を開き、供給側の圧力ゲージが、所定のガス圧(0.4−0.5MPa)を保つことを確認した。また、GCの“Primary”バルブを所定位置まで開け、“Carrier Gas”ゲージにより、1・2とも、Heが流れていることを確認した。
GCと記録計のスイッチを入れて、INJ温度を120℃に、COL温度を100℃に設定し、15〜20分後に、温度モニターで、設定温度に達したことを確認した。Currentを90mAに設定し、1時間くらい安定するのを待った。記録計の“MONIT”を押し、入力レベルを見て調節し、基準線をゼロにした。背圧弁全開のまま、圧力計のゼロ点補正を行った。また、この時点で、大気圧の値を記録し、以下、絶対圧として、圧力を制御した。なお、硫化水素ガスを使用する実験では、安全のため、背圧弁を閉じておいた。実験中は、最初にゼロ点補正した際の大気圧値を、そのまま使用し、その都度は、背圧弁の開閉は行わなかった。
背圧弁からGC側にある三方バルブを開け、ガスの流路を確保した。ガス側ポンプの出口側バルブを徐々に開き、標準ガスをラインへと流した。流量を、所定の値とし、“Run”ボタンを押して、ポンプ−Bを作動させた。気液混合器内のスターラを回し始め、圧力計の表示が目的の圧力に達したら、背圧弁をゆっくりと開け、GC側トラップの排気管を液面下に下げて、気泡を見ながら調整した。ガスの流れが安定するまで、背圧弁を微調整しながら、30分くらい保持した。
吸収液側ポンプのバルブを閉じたまま、“Run”ボタンを押して、ポンプ−Aを作動させた。圧力が目標値より少し高くなってから、出口側バルブを開け、反応器内部を観察し、ガスの気泡と吸収液の滴下を確認した。減圧弁、及び背圧弁を調節して、目標の圧力と気液分離器内の液量を適切に保持し、定常状態を保つようにした。
分析するガスのサンプリングを、以下の手順で行なった。分析するガスの種類に応じ、どちらのカラムを使うか確認した。混合ガス(CO−N系)と(CH−CO−N系)の分析では、カラム(Shincarbon−ST)を使用し、混合ガス(HS−CO−N系)では、カラム(Sunpak−S)を使用した。分析ガスの流路に注意して、三方バルブの向きを換えた。
GC記録計の“MONIT”ボタンを押し、Ch1が“RDY”になっていることを確認した。ガスと吸収液が平衡に達した後、GC側のサンプラーの“In”側、“Out”側を共にOPENにした後、三方バルブを所定のサンプラー側に切り替え、サンプラーに、分析ガスを流入させた。
サンプラーの “In”側のバルブを先に閉じ、三方バルブを排出側に切り替えた。〜30秒待って、サンプラー内部を常圧にした後に、“Out”側のバルブを閉じた。GC記録計の“Start”ボタンを押し、サンプラーのバルブを“Discharge”側に切り替え、分析するガスをカラムに送りこんだ。しばらく待ってから、バルブを“Charge”に戻した。ガス分離実験装置を定常状態を保ち、分離するガスを複数回サンプリングし、分析値が一定するのを確認した。
実験終了後、以下の手順で、ガス分離実験装置を停止した。吸収液側のポンプ−Aを停止し、出口側バルブを閉めた。吸収液が止まったことを確認してから、標準ガス側のポンプ−Bを停止し、出口側バルブを閉めた。
必要に応じて、減圧弁を操作して、反応器内部の液体を排出した。この時、GCトラップの溶液が、排気管を逆流しないように注意した。硫化水素ガスでない場合は、先に、排気管を液面上まで引き上げておいた。GC側にある三方バルブ2ヶ所の流路が、排出側に開いていることを確認してから、背圧弁を徐々に開いて、ゆっくりとライン内部を大気圧に戻した。循環ポンプ、恒温槽、冷却器を停止した。
以下の手順で、GCを停止した。サンプラーのバルブが“Charge”側であること、“IN”と“OUT”両方のバルブが閉じていること、を確認した。設定した温度、電流の値を、すべてゼロに戻し、扉を開放して、カラムの温度を下げた。30分以上経過して、温度が十分に下がってから、扉を閉めて、GCを停止した。キャリアガスであるHeの元栓を閉めた。
(3)ガスクロマトグラフ装置の校正
ガスクロマトグラフィーは、混合ガスの種類によって、カラムと測定条件を変更した。使用したカラムと測定条件を、表2に示す。
COの分析値については、それぞれの測定条件において、濃度既知の3種類の標準ガス(5.24,13.86,24.96%COinN;東京高圧山崎(株))を用いて、校正した。HSとCHについては、各1種類の標準ガス(0.987%HSinCO−N;ジャパンファインプロダクツ(株)、1.00%CHinCO−N;住友精化(株))を用いて、校正を行なった。COの校正結果を、図2〜4に、HSの校正結果を、図5に、CHの校正結果を、図6に、それぞれ示す。
(4)標準ガスと試料の取り扱い
本実施例では、3種類の標準ガスを用いた。それらの標準ガスの組成と供給元は、表3に示した通りである。
本発明では、疎水性の[BMIM][TfN]を、イオン液体吸収液として、主に使用した。[BMIM][TfN]は、以下の手順で合成、精製したものを用いた。まず、前駆体である[BMIM]Clを合成し、酢酸エチルで洗浄してから、乾燥した。乾燥した[BMIM]Clを、水に溶かし、ほぼ等量のLi[TfN]水溶液を、氷浴上でゆっくりと滴下して、アニオン交換を行なった。その後、[BMIM][TfN]中に残存したLiClなどの水溶性の不純物を、超純水で洗浄した。洗浄は、洗浄液が中性、かつAgNOを滴下して、AgCl由来の白色沈殿が生成しないことを確認するまで続けた。
精製した[BMIM][TfN]は、真空ポンプを用いて、343Kで、30時間以上乾燥して、十分に脱水を行なった(非特許文献2)。[BMIM][TfN]中に含まれる水分量を、電量型カール・フィッシャー水分滴定計(京都電子,MKC−510)で測定したところ、水分量は、質量分率で〜50ppm以下であることが確認された。
また、ガス分離精製実験で使用した[BMIM][TfN]を、水で洗浄し、十分に乾燥した後、H及び13CNMRで分析したところ、スペクトル上に、不純物と想定されるピークは現れず、ほぼ純粋な[BMIM][TfN]を得ることができた。
実際に再利用して、ガス分離精製実験を行ったところ、誤差範囲内で、定量的なデータを得ることができた。そこで、本発明では、図7に示した通り、[BMIM][TfN]を、水で洗浄後、十分に乾燥して、ガス分離実験で、繰り返し使用した。
一方、ポリエチレングリコール400(キシダ化学、1級、分子量380〜420、以下、PEG400と略記する)は、モレキュラーシーブス4A(Aldrich)で乾燥後、フィルターでろ過して、使用した。使用したPEG400の水分量は、〜300ppm以下であることを確認した。
(5)イオン液体物理吸収法によるCO分離回収実験の経時変化
上記実験手順にしたがって行った、ガス分離実験の一例について説明する。本実施例では、高圧セルの容量と気液相の体積を考慮して、セル内における混合時間が30分以上となるように、標準ガス、及び吸収液の流量を、約0.1〜0.6ml/minの範囲で制御した。ガス吸収における気液平衡が十分に達成されているかは、流量比(吸収液/標準ガス)を一定とし、それぞれの流量を変化させた場合に、同じ結果が得られるかにより確認した。
例えば、流量比(吸収液/標準ガス)が、2となる実験を、吸収液とガスの流量を、それぞれ0.6と0.3ml/minとしたときと、吸収液とガスの流量を、0.4と0.2ml/minとしたときで、ほぼ同様の結果が得られることが確認されている。しかしながら、マグネチックスターラーバーによる強制的な撹拌を行なわないと、定常的な値を得ることは困難であった。
図8に、温度25℃、圧力3MPa、流量比(吸収液/ガス=(0.6ml/min)/(0.3ml/min))において、混合ガス(CH−CO−N)からCO分離回収実験を行ったときの、分析するガス中に含まれるCO濃度の経時変化を示す。図中の時間0は、所定の温度圧力条件において、吸収液、及び標準ガスを、一定流量で流し始めた時間を表す。
本条件では、セル内の吸収液、及び標準ガスが置き換わるのに、〜1時間近く掛かる。そのため、分析するガス中のCO濃度は、実験を開始してから2〜3時間は、緩やかに減少する。分析するガス中のCO濃度は、約3時間後から一定となるが、その後、±0.1%以内のデータが、4〜5点取得できた時点で、それらの平均と標準偏差を求め、その条件における分析するガス中のCO濃度とした。
3成分系の混合ガスのガス分離回収実験も、同様の操作を行い、分析するガス中のそれぞれの濃度を求めた。分析するガス中におけるガス濃度の経時変化は、ガスの種類により大きく異なることは無く、CO濃度が一定となる時間には HSやCHの濃度も、ほぼ一定値を示した。
(6)イオン液体物理吸収法によるCO分離回収条件(2成分混合ガスCO−N
温度25℃、圧力2MPaにおいて、PEG400、及び[BMIM][TfN]を吸収液として、流量を変化させて行なったCO分離回収実験の結果として、2成分混合ガス(CO/N)からのCO分離実験の結果(25℃、2MPa)を、表4に示す。
また、それぞれの吸収液を用いて、温度25℃で、流量比(吸収液/ガス)を2と固定し、圧力を変化させたCO分離回収実験の結果として、2成分混合ガス(CO/N)からのCO分離実験の結果(25℃、流量比2)を、表5に、圧力2MPa、流量比2における、温度依存性の結果として、2成分混合ガス(CO/N)からのCO分離実験の結果(2MPa、流量比2)を、表6に示す。
表4の結果に基づき、25℃、2MPaにおいて、PEG400、及び[BMIM][TfN]を吸収液として用いたとき、分析するガス中のCO濃度が、流量比(吸収液/標準ガス)に対して、どの様に変化するかを、図9に、プロットした。どちらの吸収液を用いた場合も、ガスの流量に対して、吸収液の流量を増加していくと、CO濃度が急激に減少していくことが観察された。これは、ガス流量が大きい場合には、吸収液の溶解量に比べて、標準ガス中に含まれるCOが多く、全てのCOを吸収するのが困難であるためと考えられる。
図9から明らかなように、流量比が〜0.5近くまで、CO濃度は急激に下がり、その後は、緩やかに減少する。25℃、2MPaの標準ガス(24.45%CO−75.55%N)中に含まれるCOの体積モル濃度は、〜0.2moldm−3程度であり、CO分圧〜0.5MPaにおける吸収液のCO溶解量は、[BMIM][TfN]では、〜0.5moldm−3程度であることから考えて、この結果は、妥当であると考えられる。
非常に興味深いことに、流量比〜0.5以下の領域でのCO濃度の減少傾向は、PEG400に比べて、[BMIM][TfN]では、著しく大きい。また、[BMIM][TfN]を用いた場合には、流量比を増加した時に到達するCO濃度が、〜4%未満と非常に小さい。PEG400を吸収液として用いた場合には、元々24.45%あったCOは、〜9%弱まで取り除かれ、全体の約60%のCOを分離回収することができた。
一方、[BMIM][TfN]を吸収液として用いた場合には、全体の〜85%を超えるCOを容易に分離回収することが可能であった。すなわち、[BMIM][TfN]を用いると、PEG400よりも、同条件において、COを〜20%以上効率良く分離回収することができる。この結果は、前記したとおり、イオン液体の単位体積当りのCO吸収能力が、非常に優れていることに起因している。
表5の結果に基づき、25℃において、流量比を2と固定した場合に、精製ガス中のCO濃度が、圧力の変化に伴い、どのような影響を受けるかを、図10にプロットした。標準ガス中に含まれるCOの絶対量は、圧力増加にともない、大きくなるが、PEG400、及び[BMIM][TfN]のどちらの吸収液を用いた場合も、分析するガス中のCO濃度に、変化はほとんど観察されなかった。
実験を行なった圧力範囲(全圧1〜4MPa、CO分圧0.25〜1MPa)では、COの吸収は、ほぼヘンリー則が成立することが予想されることから、矛盾が無い結果と云える。すなわち、吸収液の単位体積あたりのCO処理量は、より高圧ほど、大きくなることが実証された。
更に、表6の結果に基づき、2MPa、流量比2における、分析するガス中のCO濃度の温度依存性を、図11に示した。一般に、同じ圧力条件であれば、ガスの物理吸収量は、低温ほど大きいため、CO濃度は、温度上昇にともない増加することが予想される。実際、図11から、PEG400、及び[BMIM][TfN]どちらの吸収液の場合も、ほぼ同様に、CO濃度は、温度に対し、緩やかな増加を示すことが確認された。
このことは、イオン液体を用いた物理吸収法でも、低温の方が、より効率的にCOの分離回収を行なえることを示している。ただし、[BMIM][TfN]の結果は、60℃近くまで温度を上げても、25℃のPEG400の結果よりも、優れており、上記実験条件では、温度依存性が比較的小さいことが明らかとされた。
(7)3成分混合ガス(HS−CO−N,CH−CO−N)を用いたCO分離回収試験
S系の混合ガス(HS−CO−N)を対象として、温度25℃、圧力2MPaで、[BMIM][TfN]を吸収液として用い、流量比(吸収液/ガス)を変化させて、CO分離回収実験を行った。その結果として、BMIM][TfN]による混合ガス(HS/CO/N)からのCO分離実験の結果(25℃、2MPa)を、表7に示す。
また、温度25℃において、流量比を2と固定し、圧力を増加させたときの結果として、[BMIM][TfN]による混合ガス(HS/CO/N)からのCO分離実験の結果(25℃、流量比2)を、表8に、圧力2MPa、流量比2において、温度を変化させたときの結果として、[BMIM][TfN]による混合ガス(HS/CO/N)からのCO分離実験の結果(2MPa、流量比2)を、表9に示す。
同様に、CH系の混合ガス(CH−CO−N)を対象として、[BMIM][TfN]を吸収液として用いたCO分離回収実験の結果として、[BMIM][TfN]による混合ガス(CH/CO/N)からのCO分離実験の結果(25℃、2MPa)を、表10に、また、[BMIM][TfN]による混合ガス(CH/CO/N)からのCO分離実験の結果(25℃、流量比2)を、表11に、また、[BMIM][TfN]による混合ガス(CH/CO/N)からのCO分離実験の結果(2MPa、流量比2)を、表12に、それぞれ流量依存性、圧力依存性、温度依存性をまとめて示す。
25℃、2MPaにおいて、HS系の3成分混合ガス(HS−CO−N)から、[BMIM][TfN]を吸収液として用いて、CO分離回収実験を行った時に、精製ガス中のCO、及びHSの濃度が、流量比(吸収液/標準ガス)に対して、どの様に変化するかを、図12に示した。図中、COの濃度変化は、左軸に、HSの濃度変化は、右軸に表されている。
精製ガス中のCO、及びHSどちらの濃度も、流量比を増加していくと、顕著に低下することが明らかとされた。特に、HS濃度は、現象が著しく、元々1%あったものが、その1/10以下の0.07%未満まで取り除かれる。この結果は、CO濃度の減少以上であり、これまで報告は無いものの、HSの方が、イオン液体に対する溶解性は高い(ヘンリー定数は小さい)ことが伺える。一方、分析するガス中のCO濃度は、CO/Nからなる2成分混合ガスの結果に比べて、1〜2%高い結果を示した。
25℃、流量比2における、分析するガス中のCO、及びHS濃度の圧力依存性を、図13にプロットした。図10の2成分混合ガス(CO−N)の場合と同様に、圧力に対するCO、及びHSの濃度変化は、ほとんど観察されなかった。
一方、図14に示したCO、及びHS濃度の温度依存性も、2成分混合ガス(CO−N)と類似の傾向を示したが、より溶解性の高いHSでは、温度依存性がやや小さく見える。以上より、イオン液体を用いた物理吸収法では、HS系の3成分混合ガス(HS−CO−N)から、COとHSの2種類のガスを、同時に分離回収可能であることが明らかとされた。
CH系の3成分混合ガス(CH−CO−N)から、[BMIM][TfN]を吸収液として、CO分離回収実験を行った結果について、精製ガス中のCO、及びCH濃度の流量比依存性、圧力依存性、温度依存性を、それぞれ図15〜17に示す。
図15の流量依存性から、分析するガス中のCO濃度は、2成分系混合ガス(CO−N)の場合と同様に、流量比の増加に伴い減少し、流量比3では〜4%弱の値となることが確認された。すなわち、CO濃度は、共存するCHの影響をほとんど受けないことが明らかとされた。
一方、CH濃度は、COの除去に伴い、僅かに増加するが、〜1.1%のままほとんど変化しなかった。これらの結果は、HSの場合とは全く逆に、CHの、イオン液体に対する溶解性が、COよりもかなり劣ることを示している。実際に、Leeら(B.−C.Lee,and S.L.Outcalt,“Solubilities of Gases in the Ionic Liquid 1−n−Butyl−3−methylimidazolium Bis(trifluoromethylsulfonyl)imide,”J.Chem.Eng.Data,2006,51,892)は、[BMIM][TfN]中におけるCOや炭化水素系ガスの吸収量を調べ、プロパンなど低級の炭化水素系ガスのヘンリー定数がCOの値より大きいことを報告している。
図16に示された通り、CH濃度は、圧力に依らず、ほぼ〜1.1%を示し、ほとんどイオン液体中に溶解しないことが分かる。また、図17でも、メタン濃度は、同様に、ほとんど温度変化を示さず、COの場合とは異なり、元々イオン液体に吸収されないCHの濃度は、温度を上げても、増加しないことが確認された。以上より、イオン液体を用いた物理吸収法により、CH系の3成分混合ガス(CH−CO−N)から、選択的かつ効率的にCOを分離回収可能であることが明らかとされた。
以上詳述したように、本発明は、イオン液体を用いた物理吸収法によるCO分離回収方法に係るものであり、本発明により、イオン液体による物理吸収を原理とするガス分離装置を用いたCO分離回収方法を提供することができる。本発明により、二酸化炭素を高圧状態で回収することができ、貯留、隔離の際の圧縮エネルギーを軽減することができる。本発明は、化学吸収法と比べて、分離回収におけるエネルギー消費量を大幅に削減することができる。本発明は、室温近辺の温度領域で、ガス分離することで、3成分以上の多成分混合ガスからCOを分離回収することを可能とするCOの分離回収技術を提供するものとして有用である。
1、5 シリンジポンプ
2、3、6、7 バルブ
4、8 逆止弁
9 恒温水槽
10 温度センサー
11 背圧弁
12 圧力計
13 減圧弁
14 ガスクロマトグラフィー(GC)
15 GC記録計

Claims (9)

  1. 少なくとも3成分から構成される多成分混合ガスからCOを分離回収する方法であって、イオン液体吸収液を用いた物理吸収法により、少なくともCO−N系とHSを含む多成分混合ガス、又はCO−N系と低級の炭化水素系ガスを含む多成分混合ガスから、COとHS、又はCOを分離回収することを特徴とするCO分離回収方法。
  2. 少なくともCO−N系とHSを含む多成分混合ガスから、COとHSを同時に分離回収し、あるいは、少なくともCO−N系と低級の炭化水素系ガスを含む多成分混合ガスから、COのみを選択的に分離回収する、請求項1に記載のCO分離回収方法。
  3. CO−N系とHSを含む多成分混合ガスが、HS/CO/Nから成るHS系多成分混合ガスであり、CO−N系と低級の炭化水素系ガスを含む多成分混合ガスが、CH/CO/Nから成るCH系多成分混合ガスである、請求項1又は2に記載のCO分離回収方法。
  4. 低級の炭化水素系ガスが、CHである、請求項1から3のいずれかに記載のCO分離回収方法。
  5. イオン液体吸収液が、陽イオン及び陰イオンからなるイオン液体であり、前記陽イオンが、アルキルアンモニウム、アルキルピリジニウム、アルキルピロリジニウム、アルキルホスホニウム、又はアルキルイミダゾリウム、あるいは、それらアルキル鎖に不飽和アルキル部位、アミノ基、エーテル基、エステル基、又はカルボニル基の官能基がある陽イオンから成る、1種あるいは2種以上の陽イオンであり、また、前記陰イオンが、PF ,BF ,CFSO ,CFCFSO ,(CFSO,(CFCFSO,(CFCO),(CFSO)N(COCF,FSONSOFから成る、1種あるいは2種以上の陰イオンである、請求項1から4のいずれかに記載のCO分離回収方法。
  6. COを含む多成分混合ガスに対するイオン液体吸収液の流量比(吸収液/ガス)が、0.1〜3の領域で、ガス分離を行う、請求項1から5のいずれかに記載のCO分離回収方法。
  7. 温度25〜60℃の室温近辺の温度領域で、ガス分離を行う、請求項1から6のいずれかに記載のCO分離回収方法。
  8. 圧力1〜4MPaの領域で、ガス分離を行う、請求項1から7のいずれかに記載のCO分離回収方法。
  9. 流通式ガス分離装置を用いた連続プロセスにより、多成分混合ガスからCOを分離回収する、請求項1から8のいずれかに記載のCO分離回収方法。
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