JP2010247395A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】グラデーションマスクのようなマスクパターンを用いることなく、端ヨレによる画質の低下を抑制することができる画像形成装置及び画像形成方法等を提供する。
【解決手段】領域903に注目すると、印刷ステップ(1)においては、網掛けを施した部分aが濃度補正によって印刷デューティが低く制御されている部分である。印刷ステップ(2)においては、網掛けを施した部分bが検出濃度のフィードバックによって、部分aの濃度補正量だけ印刷デューティが高くなった部分である。印刷ステップ(3)においては、網掛けを施した部分cが濃度補正によって、次のパス、即ち第4パス目で印刷デューティが低くなるよう、印刷デューティを高く制御されている部分である。印刷ステップ(4)においては、網掛けを施した部分dが検出濃度のフィードバックによって、部分cの濃度補正量だけ印刷デューティが低くなった部分である。
【選択図】図6
【解決手段】領域903に注目すると、印刷ステップ(1)においては、網掛けを施した部分aが濃度補正によって印刷デューティが低く制御されている部分である。印刷ステップ(2)においては、網掛けを施した部分bが検出濃度のフィードバックによって、部分aの濃度補正量だけ印刷デューティが高くなった部分である。印刷ステップ(3)においては、網掛けを施した部分cが濃度補正によって、次のパス、即ち第4パス目で印刷デューティが低くなるよう、印刷デューティを高く制御されている部分である。印刷ステップ(4)においては、網掛けを施した部分dが検出濃度のフィードバックによって、部分cの濃度補正量だけ印刷デューティが低くなった部分である。
【選択図】図6
Description
本発明は、カラー画像の形成に好適な画像形成装置及び画像形成方法等に関する。
複数の記録素子を備えた記録ヘッドが設けられた記録装置の一例として、複数のインクの吐出口を備えた記録ヘッドが設けられたインクジェット記録装置が知られている。
インクジェット記録装置では、インクの吐出量のばらつき及びインクの吐出方向のばらつき(ヨレ)等によってインクにより形成されるドットの大きさ及び形成位置がばらつき、印刷された画像に濃度ムラが生じることがある。このような記録ヘッドのノズル特性のばらつきに起因した濃度ムラは、すじ状のムラ(スジムラ)となって印刷された画像中に現れるため、視覚上、目立ち易く、印刷された画像の品位が低下する。
このような濃度ムラを補正するための技術が提案されている。この技術では、複数の吐出口を備えたインクジェット記録ヘッドを用いて画像形成を行う際に、ハーフトーン処理(2値化処理等)を施した後の画像データ(ドットパターン)の1ラインを複数の異なる吐出口から吐出されるインクで形成することとしている。この技術は、例えば、記録ヘッドの幅未満の紙送りを行うことにより、1ラインの画像データを複数の走査(スキャン又はパス)で補完することにより実現できる。この技術は、一般にマルチパス印字又はマルチパス記録方式とよばれる。マルチパス記録方式には、マスクパターンを使って行う方法がある。
マスクパターンを使ってパス分割を行う方法は、一旦生成した印字データに対して、複数回の印字に分割するために、パスに応じたマスクパターンを予め用意し、このマスクパターンと生成した印字データの論理積を取ることで、実際の印字を行っている。このマスクパターンは、複数回の印字により、生成された全てのデータを打ち切ることができるように、予め決められている。マスクパターンは、印字可能なドットを100%として、パス毎に印字可能なドットが決められ、各パス間では排他的であり、かつ、全てのパスの印字可能なドットの論理和をとると全領域に等しくなるように作られている。このマスクパターンによりマルチパスのパス分割を行うためである。このため、マスクパターン自体は上記ハーフトーン処理との干渉を避けるため極力ランダムになるように、設計されている。
一方で、微細なノズルを配列した状態で印字デューティの高い画像を高速で印刷した場合に、以下の問題が生じる。記録ヘッドが主走査方向に移動しながら印字を行っていく際に、記録ヘッドの移動によって生じる気流の影響を受けて、記録ヘッド端部側に位置するノズルからのインク吐出方向が配列の内側に向かってよれる。この結果、吐出インクの着弾位置が吐出口と正対したものとならなくなる現象(端ヨレ)である。この現象は、さらなる濃度ムラの原因となり、記録品位の低下を招いている。
この端ヨレによる画像品位低下を抑制するために、ノズルの配列において中央部に位置するノズルほど印字デューティを高く(間引き率が低く)、端部に位置するノズルほど印字デューティを低く(間引き率が高く)なるようにする技術が開示されている(特許文献1)。この技術は、グラデーションマスクとよばれる。
しかしながら、マスクパターンによる従来技術の画像形成方法には以下の課題がある。マスクパターンはドットを生成するハーフトーン処理とは無関係に作成されているため、入力画像データによっては、マスクパターンとハーフトーン処理によるドットパターンが干渉を起こし、パス分割後のドット生成比率が想定通りにならないという問題がある。例えば、ドットパターンとマスクパターンとが一致した場合はパス分割されずに1回の走査で全てのドットが印字されてしまう。更に、設定できる印字比率はマスクバターンのサイズに依存するため、任意の印字比率を作成することは困難である。
本発明は、グラデーションマスクのようなマスクパターンを用いることなく、端ヨレによる画質の低下を抑制することができる画像形成装置及び画像形成方法等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、複数の吐出部を備えたプリントヘッドと、前記プリントヘッドに記録媒体上の同一の印刷領域に対して複数回の走査を行わせる走査手段と、入力された画像情報に基づいて、前記複数回の走査毎の画像形成データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された画像形成データに基づいて前記複数の吐出部からインクを前記記録媒体上に吐出して画像形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により形成された画像の状態を検出する検出手段と、を有し、前記生成手段は、前記検出手段による検出の結果及び前記吐出部の位置に応じて前記走査毎の濃度比率を決定する決定手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、吐出部の位置に応じて走査毎の濃度比率が決定されるので、端ヨレに伴う画質の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットプリンタの構成を示すブロック図である。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットプリンタの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係るインクジェットプリンタ10には、CPU100、ROM110、RAM120、USBデバイスインタフェース130、及びUSBホストインタフェース140が設けられている。また、画像処理部150、印刷制御部160、メカ制御部170、及びプリンタエンジン部180も設けられている。ROM110にはCPU100が実行するプログラム及びテーブルデータが格納されている。RAM120は変数及びデータを格納する。USBデバイスインタフェース130は、外部のパーソナルコンピュータ(PC)20よりデータを受け取る。USBホストインタフェース140は、外部のデジタルカメラ30等よりデータを受け取る。画像処理部150は、デジタルカメラ30等より入力された多値の画像の色変換及び2値化処理等を行う。印刷制御部160は、画像処理部150により2値化処理された印刷データ(画像形成データ)をプリントヘッドに送って印刷制御を行う。メカ制御部170は、印刷を行うための紙送り機構及びキャリッジ送り機構を制御する。プリンタエンジン部180には、印刷を行うためのヘッド、印刷状態を検出するセンサ、並びに記録媒体の搬送機構及びキャリッジの搬送機構が設けられている。なお、インクジェットプリンタ10がラインヘッドプリンタであれば、キャリッジの搬送機構は不要である。
次に、インクジェットプリンタ10の動作の概要について説明する。ここでは、デジタルカメラ30によって撮影された画像を直接インクジェットプリンタ10に送り、印刷する動作について説明する。
先ず、画像データを印刷する記録媒体の種類の検出を行う。プリンタエンジン部180にセットされた記録媒体(図示せず)の種類を検出するための記録媒体センサ(図示せず)が、記録媒体の情報を読み取り、CPU100が記録媒体の種類を判別する。記録媒体の種類を検出するためのセンサの構成は特に限定されず、例えば、特定の波長の光を投射してその反射光を読み取るように構成されている。デジタルカメラ30により撮影された画像データは、例えばJPEG画像としてデジタルカメラ30内のメモリ(図示せず)に格納されている。デジタルカメラ30は接続ケーブルを介してUSBホストインタフェース140に接続される。デジタルカメラ30のメモリに格納された画像データは、USBホストインタフェース140を介してRAM120に一旦格納される。デジタルカメラ30より受け取った画像データがJPEG画像であるために、CPU100が圧縮画像を解凍して画像データとし、また、RAM120に格納する。この画像データをもとに、プリンタエンジン部180内のプリントヘッドで印刷するための印刷データが生成される。即ち、RAM120に格納された画像データに対して、画像処理部150が、色変換、濃度分割(パス分割)及び2値化処理等を行い、印刷するための印刷データ(ドットデータ)に変換する。この変換の内容の詳細については後述する。パス分割されたデータ印刷データは、印刷制御部160に渡され、プリントヘッドの駆動順に合わせて、プリンタエンジン部180のプリントヘッドに送られる。そして、プリンタエンジン部180のモータ及びメカ部分を制御するメカ制御部170とこれにより制御されるプリンタエンジン部180に同期して、印刷制御部160が吐出パルスを生成して、インク滴を吐出し、記録媒体(図示せず)上に画像が形成される。
上記の説明では、画像処理部150により2値化処理が行われるとしているが、これは、入力画像を印刷するために低階調化するためのものであり、2値化に限定するのもではない。例えば、濃淡インクを用いた印刷、インク液滴の大小又は大中小液滴等が行われてもよく、また、データ量削減のためのN値化(Nは2以上の整数)処理が行われてもよい。
また、記録媒体の種類の判別を行わずに、インクジェットプリンタ10又はデジタルカメラ30上の操作の中で、ユーザが記録媒体の種類を選択してもよい。本実施形態では、後述のように、センサによって読み取った印刷濃度によって印刷データの生成が制御されるので、記録媒体の種類に関しては、検出によっても、選択によっても、どちらでも同様の効果がある。
次に、第1の実施形態におけるインクジェットヘッド、センサ及び印刷媒体の関係について説明する。図2(a)は、第1の実施形態におけるインクジェットヘッド、センサ及び印刷媒体の関係を示す図である。
キャリッジ210には、シアン用の複数のノズル(吐出部)を有したインクジェットヘッド220_C、マゼンタ用の複数のノズルを有したインクジェットヘッド220_M、イエロー用の複数のノズルを有したインクジェットヘッド220_Yが搭載されている。キャリッジ210には、更に、ブラック用の複数のノズルを有したインクジェットヘッド220_Bk、及び記録媒体(印刷媒体)200への印刷状態を検出するセンサ230も搭載されている。センサ230は、プリンタエンジン部180内のセンサである。
キャリッジ210は、記録媒体200上を主走査方向(細い矢印左から右へ)に走査を行い、この走査中に各インクジェットヘッド220_x(xは、C、M、Y又はBk)の吐出ノズルよりインク滴の吐出を行い、印刷を行う。主走査を終了し、一走査における印刷を終了すると、プリンタメカ(図示せず)により記録媒体200を副走査方向(太い矢印下から上へ)に搬送し、次の主走査の位置に記録媒体200をセットする。本実施形態では、同一の印刷領域を複数回の走査で印刷を行うマルチパス印刷を行うために、記録媒体200の1回の搬送量は、インクジェットヘッド220_xのノズル幅より小さい。例えば、4パス印刷を行う際には、インクジェットヘッド220_xノズル幅の1/4分をキャリッジ210の一走査毎に搬送する。本実施形態では、センサ230が主走査方向に対してインクジェットヘッド220_xの上流側に位置している。このように、上流側にセンサ230が配置されているため、マルチパス印刷を行っていく際の以前のパス(走査)までの印刷の状態、即ち、インクジェットヘッドの吐出特性及びプリンタメカによる記録媒体200の搬送量のばらつきを検出することが可能である。吐出特性には、インク吐出量のばらつき及びインク吐出方向のばらつきが含まれる。詳細は後述するが、センサ230により検出した印刷状態により、画像処理部150が、インクジェットヘッド220_xによる印刷データ生成を制御する。
なお、本実施形態では、センサはRGBのカラーセンサであるが、CMYの補色センサ又はモノクロセンサ等であってもよい。
また、キャリッジ210に代えて、図2(b)に示すように、記録媒体(印刷媒体)200への印刷状態を検出するセンサ231がインクジェットヘッド220_xの下流側に配置されたキャリッジ240を用いてもよい。センサ231も、プリンタエンジン部180内のセンサである。下流側にセンサ231が配置されている場合、インクジェットヘッド220_xにより印刷した直後の状態を検出することができる。これにより、次の走査時の記録媒体200の搬送量のばらつきは検出できないものの、インクジェットヘッドの吐出特性を検出することが可能である。センサ231により検出した印刷状態により、画像処理部150が、インクジェットヘッド220_xによる印刷データ生成を制御することもできる。
また、キャリッジ210に代えて、図2(c)に示すように、記録媒体(印刷媒体)200への印刷状態を検出する2個のセンサ232及び233が配置されたキャリッジ250を用いてもよい。センサ232は、キャリッジ250を右方向に走査した時のインクジェットヘッド220_xの上流側に配置され、センサ233は、キャリッジ250を左方向に走査した時のインクジェットヘッド220_xの上流側に配置されている。センサ232及び233も、プリンタエンジン部180内のセンサである。このような構成によれば、キャリッジ250を双方向に走査させる双方向走査で印刷を行う際に、インクジェットヘッド220_xの両側にセンサ232及び233が配置されていることとなる。従って、双方向印刷を行う際に、いずれの方向においてもインクジェットヘッド220_xに対してセンサ232、233が上流側又は下流側の同じ側に位置する。このため、右方向印刷、左方向印刷のいずれの場合にもセンサ232とセンサ233とを切り換えることで、キャリッジ210を用いた場合、キャリッジ240を用いた場合と同様の制御、処理を行うことが可能である。
図3は、画像処理部150及び印刷制御部160の構成を示すブロック図である。画像処理部150は、画像形成を行うために、入力画像及びセンサによる検出信号に基づいて印刷データを生成する。
図3に示すように、画像処理部150には、色変換部330及び350、シアン用の印刷データ生成部370_C、マゼンダ用の印刷データ生成部370_M、並びにイエロー用の印刷データ生成部370_Yが設けられている。
色変換部330は、印刷を行おうとする入力画像情報320のRGBをCMY(シアンの信号335_C、マゼンタの信号335_M、イエローの信号335_Y)に変換する。色変換部350は、プリンタエンジン部180内の印刷状態を検出するセンサ340により検出されたRGB信号をCMY(シアンの信号335_C、マゼンタの信号335_M、イエローの信号335_Y)に変換する。
シアン用の印刷データ生成部370_Cは、センサ340の検出信号を色変換したシアンの検出信号355_Cを受け、入力された入力画像情報320の信号を色変換したシアンの信号335_Cより印刷を行うために印刷データの生成を行う。
マゼンタ用の印刷データ生成部370_Mは、センサ340の検出信号を色変換したマゼンタの検出信号355_Mを受け、入力された入力画像情報320の信号を色変換したマゼンタの信号335_Mより印刷を行うために印刷データの生成を行う。
イエロー用の印刷データ生成部370_Yは、センサ340の検出信号を色変換したイエローの検出信号355_Yを受け、入力された入力画像情報320の信号を色変換したイエローの信号335_Yより印刷を行うために印刷データの生成を行う。
印刷制御部160には、シアン用の印刷制御部380_C、マゼンダ用の印刷制御部380_M、及びイエロー用の印刷制御部380_Yが設けられている。
シアン用の印刷制御部380_Cは、印刷データ生成部370_Cにより生成された印刷データのプリントヘッドによる印刷の制御を行う。
マゼンタ用の印刷制御部380_Mは、印刷データ生成部370_Mにより生成された印刷データのプリントヘッドによる印刷の制御を行う。
イエロー用の印刷制御部380_Yは、印刷データ生成部370_Yにより生成された印刷データのプリントヘッドによる印刷の制御を行う。
このように構成された画像処理部150及び印刷制御部160では、印刷すべき入力画像情報320がRGB信号であり、色変換部330によりインクジェットプリンタ10にて印刷を行うためのCMY信号に変換される。また、センサ340により検出されたRGB信号も色変換部350によりCMYの信号に変換される。色変換部350は、センサ340のRGBのカラーフィルタ特性、センサ340の検出領域に対して与える光源の特性、及び、印刷を行うインクの特性を加味してCMYへの色変換を行う。入力画像情報320より色変換された各信号335_C、335_M及び335_Yは、センサ340により検出された印刷状態の検出信号を色変換部350によりインク色であるCMYに変換された信号と共に、印刷データ生成部370_C、370_M、370_Yに入る。印刷データ生成部370_xは、インクジェットヘッドにて印刷を行うために、2値化又はN値化(Nは2以上の整数)を行い、印刷データを生成する。この際に、センサ340により検出された印刷状態の検出信号を色変換部350によりインク色であるCMYに変換された信号を用いて、印刷データの生成に対して制御を受ける。印刷データ生成部370_xによりインクジェットヘッドにより印刷データが生成された後、各色の印刷制御部380_C、380_M、380_Yによりインクジェットヘッド、及び、プリンタメカ機構に対して印刷制御を行い、記録媒体に対して画像を形成していく。
次に、図4を参照しながら、図3における印刷データ生成部370_xの一色分を抽出して、動作について詳しく説明する。図4は、第1の実施形態における印刷データ生成部370_xの構成を示すブロック図である。ここでは、4パス印刷を例とするが、4パス印刷以外のマルチパス印刷に関しても、同様である。
図4に示すように、印刷データ生成部370_xには、現在のノズルの主走査方向の位置を管理するノズル位置情報管理部470、及び主走査方向の位置に応じて濃度補正を行う濃度補正部475が設けられている。また、ROM110に、マルチパスに分割するための係数が設定されたパス分割テーブル410が格納されている。パス分割テーブル410からは、第1パスのパス分割係数415_1(k1)、第2パスのパス分割係数415_2(k2)、第3パスのパス分割係数415_3(k3)及び第4パスのパス分割係数415_4(k4)が読み出し可能である。
本実施形態において、4パス印刷を行う際の各パスでの印刷濃度を決めているのが、パス分割テーブル410であり、パス分割係数k1、k2、k3、k4が、各々第1パス、第2パス、第3パス、第4パスの分割比率を示している。各パス分割係数は夫々、
0<=ki<=1(i:1、2、3、4)
k1+k2+k3+k4=1
を満たしている。これらのパス分割係数には、4パス印刷の場合、例えば、k1、k2、k3、k4が夫々0.25という値を設定しておく。また、第1パスの印刷比率を落して後に続くパスの印刷比率を増やした値(k1、k2、k3、k4が夫々0.1、0.2、0.3、0.4という値)等を設定しておいてもよい。このようなパス分割係数を設定しておくことで、任意の濃度比率でパス分割を行うことができる。
0<=ki<=1(i:1、2、3、4)
k1+k2+k3+k4=1
を満たしている。これらのパス分割係数には、4パス印刷の場合、例えば、k1、k2、k3、k4が夫々0.25という値を設定しておく。また、第1パスの印刷比率を落して後に続くパスの印刷比率を増やした値(k1、k2、k3、k4が夫々0.1、0.2、0.3、0.4という値)等を設定しておいてもよい。このようなパス分割係数を設定しておくことで、任意の濃度比率でパス分割を行うことができる。
印刷データ生成部370_xには、乗算器480_1、480_2、480_3、及び480_4が設けられている。乗算器480_1、480_2、480_3、及び480_4は、濃度補正部475が出力する濃度補正係数c1、c2、c3、c4と、各パスのパス分割係数k1、k2、k3、k4を各々乗算して、位置情報に基づく補正をかけたパス分割係数を計算する。
印刷データ生成部370_xには、乗算器420_1、420_2、420_3、及び420_4が設けられている。乗算器420_1は、色変換部330により各インク色に変換された印刷画像信号(図3中の335_xに相当する信号)400に対して、位置情報に基づく補正をかけた第1パスのパス分割係数(乗算器480_1の出力)を乗算して、第1パスの印刷濃度を計算する。乗算器420_2は、印刷画像信号400に対して、位置情報に基づく補正をかけた第2パスのパス分割係数(乗算器480_2の出力)を乗算して、第2パスの印刷濃度を計算する。乗算器420_3は、印刷画像信号400に対して、位置情報に基づく補正をかけた第3パスのパス分割係数(乗算器480_3の出力)を乗算して、第3パスの印刷濃度を計算する。乗算器420_4は、印刷画像信号400に対して、位置情報に基づく補正をかけた第4パスのパス分割係数(乗算器480_4の出力)を乗算して、第4パスの印刷濃度を計算する。
印刷データ生成部370_xには、色変換部350によりCMYに変換されたセンサ340からの信号430(図3中の355_xに相当する信号)に対して印刷濃度に変換する濃度変換部440が設けられている。
印刷データ生成部370_xには、乗算器620_1、620_2、及び620_3が設けられている。乗算器620_1は、印刷画像信号400及び第1パスのパス分割係数615_1(k1)から第1パスによる目標出力濃度を計算する。乗算器620_2は、印刷画像信号400及び第1パス、第2パスの合計のパス分割係数615_2(k1+k2)から第1パス、第2パスによる合計の目標出力濃度を計算する。乗算器620_3は、印刷画像信号400及び第1パス、第2パス、第3パスの合計のパス分割係数615_3(k1+k2+k3)から第1パス、第2パス、第3パスによる合計の目標出力濃度を計算する。各パスのパス分割係数は、当該パスの印刷濃度比率(画像形成濃度比率、ドット生成比率)に相当し、複数パスの合計のパス分割係数は、当該複数パスの合計の印刷濃度比率に相当する。
印刷データ生成部370_xには、加算器630_1、630_2、及び630_3が設けられている。加算器630_1は、第1パスによる目標出力濃度とセンサにより検出した印刷濃度との差分を計算する。加算器630_2は、第1パス、第2パスによる合計の目標出力濃度とセンサにより検出した印刷濃度との差分を計算する。加算器630_3は、第1パス、第2パス、第3パスによる合計の目標出力濃度とセンサにより検出した印刷濃度との差分を計算する。
印刷データ生成部370_xには、加算器640_2、640_3、及び640_4が設けられている。加算器640_2は、加算器630_1により計算された第1パスによる目標出力濃度とセンサにより検出した印刷濃度との差分を第2パスの印刷濃度に加算する。加算器640_3は、加算器630_2により計算された第1パス、第2パスによる合計の目標出力濃度とセンサにより検出した印刷濃度との差分を第3パスの印刷濃度に加算する。加算器640_4は、加算器630_3により計算された第1パス、第2パス、第3パスによる合計の目標出力濃度とセンサにより検出した印刷濃度との差分を第4パスの印刷濃度に加算する。
印刷データ生成部370_xには、低階調化部450_1、450_2、450_3、及び450_4が設けられている。低階調化部450_1は、第1パスの印刷濃度を計算した乗算器420_1の出力から第1パスの印刷データを生成する。低階調化部450_2は、第2パスの印刷濃度を計算した加算器640_2の出力から第2パスの印刷データを生成する。低階調化部450_3は、第3パスの印刷濃度を計算した加算器640_3の出力から第3パスの印刷データを生成する。低階調化部450_4は、第4パスの印刷濃度を計算した加算器640_4の出力から第4パスの印刷データを生成する。
なお、以下の説明では、印刷すべき印刷画像信号400に対して各パス分割係数を乗算器420_1並びに640_xにより計算された結果を各パスの印刷濃度と表現する。これは、記録媒体上に印刷した結果の濃度ではないものの、処理を行う上で扱っている値として印刷濃度と表現するのである。同様に、乗算器620_1、620_2、620_3の出力も、以前のパスにて印刷した合計として、第1パスの目標出力濃度、第1パスと第2パスの合計の目標出力濃度、第1パスから第3パスまでの合計の目標出力濃度、と表現する。また、同様に、センサ340により検出した印刷状態に関しても、センサ340の検出信号を色変換部350によりインク色CMYに変換され、更に印刷画像と同等のレベルに濃度変換部440により濃度変換された信号を、検出濃度又は検出した印刷濃度と表現する。
印刷データ生成部370_xには、第1パス記録画像記憶部460_1、第2パス記録画像記憶部460_2、第3パス記録画像記憶部460_3、及び第4パス記録画像記憶部460_4が設けられている。第1パス記録画像記憶部460_1は、第1パスの印刷データ生成を行った低階調化部450_1の出力を第1パスの記録画像として一旦記憶する。第2パス記録画像記憶部460_2は、第2パスの印刷データ生成を行った低階調化部450_2の出力を第2パスの記録画像として一旦記憶する。第3パス記録画像記憶部460_3は、第3パスの印刷データ生成を行った低階調化部450_3の出力を第3パスの記録画像として一旦記憶する。第4パス記録画像記憶部460_4は、第4パスの印刷データ生成を行った低階調化部450_4の出力を第4パスの記録画像として一旦記憶する。
そして、このように構成された印刷データ生成部370_xを備えた画像処理部150では、以前の走査までの印刷状態をセンサによって検出し、この検出した印刷濃度と、計算上の目標出力濃度との差分を求めて、次の印刷データ生成に対して補正を行う。パス分割テーブル410より読み出されたパス分割係数(k1、k2、k3、k4)、及びノズル位置情報管理部470の位置情報に基づいて濃度補正部475が出力する濃度補正係数(c1、c2、c3、c4)が、乗算器480_xによって乗算される。この結果、位置情報に基づく補正をかけたパス分割係数が計算される。次いで、各インク色に変換された印刷画像信号と、乗算器480_xの出力が乗算器420_xによって乗算され、各パスの印刷濃度が決定される。
次に、パス毎の印刷データの生成について説明する。
先ず、第1パスの領域に対する印刷データの生成について説明する。先ず、マルチパス印刷を行うための印刷濃度比率に対応するパス分割係数k1と、ノズル位置情報管理部470の位置情報に基づいて濃度補正部475が出力する濃度補正係数c1とが、乗算器480_1により乗算される。この結果、位置情報に基づく補正をかけたパス分割係数が計算される。次いで、色変換部330にて印刷するインク色に分解されたインク色毎の印刷画像信号400と、乗算器480_1の出力とが乗算器420_1にて乗算され、第1パスの印刷濃度が決定される。第1パスの印刷濃度を第1パスの低階調化部450_1にて低階調化して印刷データを生成する。生成された第1パスの印刷データは、第1パス記録画像として、第1パス記録画像記憶部460_1に記憶される。
次に、第2パスの領域に対する印刷データの生成について説明する。先ず、マルチパス印刷を行うためのパス分割係数k2と、ノズル位置情報管理部470の位置情報に基づいて濃度補正部475が出力する濃度補正係数c2とが、乗算器480_2により乗算される。この結果、位置情報に基づく補正をかけたパス分割係数が計算される。次いで、色変換部330にて印刷するインク色に分解されたインク色毎の印刷画像信号400と、乗算器480_2の出力とが乗算器420_2にて乗算され、第2パスの印刷濃度が決定される。更に、それ以前までの走査による目標出力濃度を乗算器620_xが計算する。第2パスの印刷を行う際には、第1パスによる目標出力濃度を、印刷画像信号400に第1パスのパス分割係数k1を乗算器620_1によって計算する。一方、センサによる印刷状態を検出した検出信号は、CMYに色変換された後に、濃度変換部440にて検出濃度に変換される。第1パスの検出濃度は、計算上の目標出力濃度と比較し差分を計算するために、乗算器620_1の出力と共に加算器(減算器)630_1に入力される。加算器630_1により計算された第1パスによる目標出力濃度に対する検出濃度の差分は、加算器640_2により第2パスの印刷濃度に加算される。第1パスによる目標出力濃度と検出された印刷濃度との差分で補正された第2パスの印刷濃度は、低階調化部450_2により印刷データの生成が行われ、生成された第2パスの印刷データは、第2パス記録画像として、第2パス記録画像記憶部460_2に記憶される。
第3パスの印刷に関しては、第2パスの印刷と同様に、第3パスの印刷濃度が乗算器480_3及び420_3により計算され、既に印刷を行った第1パス、第2パスの合計の目標出力濃度を乗算器620_2が計算する。一方、センサにより検出された印刷状態より第2パスの印刷後の検出濃度が濃度変換部440により変換される。乗算器620_2により計算された第2パスの印刷後の目標出力濃度とセンサにより検出された検出濃度の差分が、加算器630_2により計算され、第3パスの印刷濃度に加算器640_3により加算される。第2パス印刷後の目標出力濃度と検出された印刷濃度との差分で補正された第3パスの印刷濃度は、低階調化部450_3により印刷データの生成が行われ、生成された第3パスの印刷データは、第3パス記録画像として、第3パス記録画像記憶部460_3に記憶される。
第4パスの印刷に関しても、第2パス及び第3パスと同様に、以前の走査までの合計の目標出力濃度とセンサにより検出した印刷状態より変換された印刷濃度との差分が加算器630_3により計算される。更に、加算器640_4によりパス分割された第4パスの印刷濃度に補正され、低階調化部450_4により印刷データの作成が行われ、第4パス記録画像記憶部460_4に記憶される。記憶された印刷データは、印刷制御部160によりインクジェットヘッドを駆動して記録媒体に画像が形成される。
本実施形態を説明する上で、最初に印刷処理全体のブロック図を図3と同様として、インク色CMYに色分解された後の処理について図4を示して説明を行った。本実施形態では、センサにより印刷状態を検出して、以前の走査による印刷結果の印刷濃度を検出して、本来印刷を行おうとした目標出力濃度との差分、即ち濃度誤差を計算し、この濃度誤差を次の走査による印刷において補正を行うように印刷データの生成を行う。このため、センサにより検出された検出信号をインク色のCMYに色変換するのではなく、画像形成をする上での理想とするCMY系(標準的な色空間)に色変換を行い、この理想系のCMY色空間に対する濃度誤差を計算し、印刷データに補正を行うようにしてもよい。この結果、インクと記録媒体との関係により、計算上の色変換に対して、記録媒体が違うことによる発色の違いに関しても、補正を行い、発色特性を改善することが可能である。
次に、図5及び図6を参照しながら、マルチパス印刷における端ヨレ(端部ノズルの大きなヨレ)の抑制について説明する。ここでは、先ず、図5を用いて濃度補正及び検出濃度のフィードバック(反映)について説明し、その後、図6を用いて図5の処理の結果がどのようにマルチパス印刷されるかについて説明する。
図5(a)は、パス分割係数k1、k2、k3、k4と副走査方向の座標との関係を表している。縦軸はパス分割係数の値を示し、横軸はノズルの副走査方向の座標を示す。図5(a)においては、説明の分りやすさのために、パス分割係数の値は、「k1=k2=k3=k4=0.25」としている。パス分割係数は、同一パス領域内においてはノズルの副走査方向座標に関わらず一定値である。即ち、パス領域に応じてk1、k2、k3、k4となる。なお、図5(a)〜(g)においては、見易さを考慮して、グラフの高さが一定になるように、縦軸を正規化している。
図5(b)は、濃度補正部475の濃度補正特性と副走査方向の座標との関係を表している。縦軸は濃度補正係数、即ち濃度補正部475の出力c1、c2、c3、c4の値であり、各々第1パス領域、第2パス領域、第3パス領域、第4パス領域の濃度補正係数に相当する。また、横軸はノズルの副走査方向の座標である。濃度補正係数c1には、インクジェットヘッド端部における端ヨレを抑制するため、インクジェットヘッド端部の印刷デューティが内部の印刷デューティよりも低くなるような濃度補正特性を持たせている。濃度補正係数c3には、第3パス領域の右端の印刷デューティが高くなるような濃度補正特性を持たせている。これは、次のパス、即ち第4パスにおいて、センサにより検出された検出濃度によってフィードバックがかかることにより、インクジェットヘッドのもう一方の端部におけるヨレが抑制されるようにするためである。なお、第4パスにおけるフィードバックに関する詳細は、図5(f)を用いて後述する。濃度補正係数c2及び濃度補正係数c4は、1のまま固定である。
図5(c)は、印刷画像と副走査方向の座標との関係を表している。印刷画像は印刷画像信号400に相当する。なお、図5(c)においては、説明の分りやすさのために、印刷画像を一定値としている。
図5(d)は、生成データ濃度と副走査方向の座標との関係を表している。生成データ濃度は、図5(a)のパス分割係数、図5(b)の濃度補正係数、図5(c)の印刷画像を互いに乗算した結果、即ち、乗算器420_1、420_2、420_3、420_4の出力と等しい。パス分割係数をk1=k2=k3=k4=0.25とし、かつ、印刷画像を一定値としたため、図5(d)の濃度特性は、図5(b)の濃度係数特性に比例した特性となる。
図5(e)は、検出濃度と副走査方向の座標との関係を表している。検出濃度は、センサ340かrの信号430で検出され濃度変換部440によって濃度変換された信号、即ち濃度変換部440の出力に等しい。換言すると、検出濃度は、図5(d)の生成データ濃度を1パス分遅らせたもの、即ち、生成データ濃度を主走査方向に1パス分右シフトしたものとほぼ等しい。
図5(f)は、フィードバック量と副走査方向の座標との関係を表している。フィードバック量は、図5(e)の検出濃度と、インクジェットヘッドの特性のばらつき、記録媒体の搬送量のばらつき等に起因するヨレ及び端ヨレに起因する印刷誤差とを加算したものであり、加算器630_1、630_2、630_3の出力と等しい。
図5(g)は、インク吐出量と副走査方向の座標との関係を表している。インク吐出量は、図5(d)の生成データ濃度と図5(f)のフィードバック量とを加算したもの、即ち、乗算器420_1、加算器640_2、640_3、640_4の出力と等しい。但し、1パス目にはフィードバックがないため、乗算器420_1の出力が用いられる。第1パス領域においては、前述のとおり濃度補正係数c1によってインクジェットヘッド端部のノズルの印刷デューティを低くしている。第2パス領域においては、直近の第1パス領域の濃度補正に対するフィードバックがかかることによって、第1パス領域で濃度補正した分だけ印刷デューティが高くなる。第3パス領域においては、濃度補正係数c3によって、次のパス領域、即ち第4パス領域の印刷デューティが低くなるよう、印刷デューティを高く濃度補正している。第4パス領域においては、直近の第3パス領域の濃度補正に対するフィードバックがかかることによって、もう一方のインクジェットヘッド端部のノズルの印刷デューティが低くなる。以上のように、ノズルの主走査方向の位置に応じた濃度補正と、センサからの検出濃度のフィードバックによって、インクジェットヘッド端部のノズルの印刷デューティを低くし、その他のノズルの印刷デューティを高くすることが可能となる。従って、端ヨレに起因する画像品位低下を抑制することが可能となる。
図6は、図5を用いて説明した濃度補正及び検出濃度のフィードバックの結果が、どのようにマルチパス印刷されるかを示している。図6には、(1)〜(6)の6回(1パス分の印刷を1回とする)の印刷ステップにおけるインクジェットヘッドの移動、各印刷ステップにおけるノズルの副走査方向座標とインク吐出量の関係を表すグラフ、濃度補正制御と検出濃度のフィードバックの関係を表している。また、図6においては4パス印刷の場合を表しており、図6中の領域900〜908は各々インクジェットヘッドの1/4の幅の領域となっている。
例えば、領域903に注目すると、印刷ステップ(1)で1パス目を印刷し、印刷ステップ(2)で2パス目を印刷し、印刷ステップ(3)で3パス目を印刷し、印刷ステップ(4)で4パス目を印刷している。図6中の印刷ステップ(1)においては、網掛けを施した部分aが濃度補正によって印刷デューティが低く制御されている部分である。印刷ステップ(2)においては、網掛けを施した部分bが検出濃度のフィードバックによって、部分aの濃度補正量だけ印刷デューティが高くなった部分である。印刷ステップ(3)においては、網掛けを施した部分cが濃度補正によって、次のパス、即ち第4パス目で印刷デューティが低くなるよう、印刷デューティを高く制御されている部分である。印刷ステップ(4)においては、網掛けを施した部分dが検出濃度のフィードバックによって、部分cの濃度補正量だけ印刷デューティが低くなった部分である。以上のような、濃度補正と検出濃度のフィードバックを行うことにより、領域903に対して、インクジェットヘッド端部のノズルの印刷デューティを低くした4パス印刷が可能となる。領域904以降についても領域903と同様の処理が行われる。
なお、4パス印刷である必要はなく、2パス以上であれば、他のパス数のマルチパス印刷においても、同様の処理を行うことが可能である。
次に、図7を参照しながら、図4の低階調化部450_xの処理の一例として誤差拡散を用いた低階調化に関して説明する。図7は、低階調化部450_xの構成を示すブロック図である。
図7に示すように、低階調化部450_xには、加算器510、閾値生成部520、量子化器530、逆量子化器540、加算器560、拡散/収集部570及び誤差バッファ580が設けられている。加算器510は、低階調化するための入力画像信号(乗算器420_xの出力に相当する信号)500に量子化誤差を加算する。閾値生成部520は量子化を行うための閾値を生成する。量子化器530は、量子化誤差を加算され、誤差を含む入力画像信号515に対し閾値生成部520により生成された閾値により量子化を行う。逆量子化器540は、量子化器530により低階調化された出力信号535に対して逆量子化を行う。加算器560は、入力画像信号515に対して、量子化を行った結果の誤差を計算する。拡散/収集部570は、逆量子化器540の出力である量子化誤差信号565に対し、量子化誤差を拡散又は収集する。そして、拡散/収集部570から出力された誤差信号575が加算器510に入力される。
閾値生成部520による閾値は、低濃度部におけるドット生成遅延(所謂“掃き寄せ”)を解消するため、入力濃度に応じて閾値を変動させている。このようにして、入力画像信号500に対して誤差拡散を行いながら、量子化器530にて2値化又はN値化(Nは2以上の整数)を行う。
ここでは、低階調化部450_xの処理を、誤差拡散処理に基づくものとしているが、ハーフトーン処理等に基づいても、本実施形態と同様の効果が得られる。
次に、図3、図4、図7を参照しながら説明してきたデータ処理の流れについて、図8を参照しながら、記録媒体上の領域、キャリッジの走査と共に説明する。
図8(a)に示すように、キャリッジ210は、記録媒体200上を主走査方向(図8(a)中の左から右方向)に走査され、インクジェットヘッド220_xの集合体としてのインクジェットヘッド220により本走査による記録媒体200への画像が形成される。センサ230は、例えば、インクジェットヘッド220のノズル幅と同等か、又は第1パス印刷のノズル領域を除いた幅と同等の幅を有するラインセンサである。また、センサ230は、図2(a)に示す例と同様に、キャリッジ210の主走査方向に対してインクジェットヘッド220に先行する上流の位置に配置されており、キャリッジ210の主走査に従い、以前の走査により印刷された記録媒体200上の印刷状態を検出する。センサ230により検出された印刷状態は、センサ230がラインセンサであるためにセンサ230上のライン方向に読み出される。センサ230から読み出された検出信号は、本走査により印刷を行う領域(印刷領域)205に対して縦方向(図8(a)中の上下方向)に読み出される。また、これに合わせて、RAM120に一旦記憶された印刷すべき入力画像が、印刷領域205に対して縦方向(図8(a)中の上下方向)に読み出される。そして、画像処理部150が、RAM120から読み出された印刷すべき入力画像信号に対し、印刷データの生成を行うための着目画素及び拡散マトリックス260の縦方向の移動に付随して、センサ230により検出された印刷状態に応じて、印刷データを生成する。印刷データの生成が行われると、一旦印刷データがRAM120に記憶される。なお、センサ230からインクジェットヘッド220までの間の距離に応じて、この印刷データを記憶するRAM120の容量を設定しておくことが好ましい。センサ230がインクジェットヘッド220の直前に配置されていればRAM120に要する容量は少なくてすむ。但し、センサ230、インクジェットヘッド220及びキャリッジ210の構造により、センサ230及びインクジェットヘッド220の配置可能な場所にはある程度の制限がある。このため、RAM120の容量は、これらの位置関係に依存して設定することが好ましい。
また、印刷データは、印刷領域205の上下方向に沿って生成されていく。このため、本走査による印刷領域205のうち、図8(b)に示す第1パスの領域205_1、第2パスの領域205_2、第3パスの領域205_3及び第4パスの領域205_4を上下方向に縦断しながら印刷データの生成が行われる。従って、図4に示す各パスに応じたブロックは、夫々独立に設けられている必要はない。即ち、印刷画像信号400に対して各パスのパス分割係数kxを乗算して各パスの印刷濃度を計算する乗算器420_xが独立に設けられている必要はない。また、各パスの印刷濃度を低階調化する低階調化部450_xが独立に設けられている必要はない。更に、各パスの記録画像を記憶する各パス記録画像記憶部460_xが独立に設けられている必要もない。いずれも、1つずつ設けられていれば、シーケンシャルな処理により上記のような印刷データの作成を行うことが可能である。
このような第1の実施形態によれば、端ヨレによる濃度ムラの非常に少ない印刷を行うことが可能となる。これは、マルチパス印刷の各パス以降において、ノズル位置情報に基づいてパス分割係数に対して濃度補正をかけると共に、第2パス以降において、それ以前までの走査による目標出力濃度とセンサによる検出濃度とを比較し、差分を次の印刷に対して補正を行うからである。
また、端ヨレのみならず、インクジェットヘッドの特性のばらつき、記録媒体の搬送量のばらつき等による濃度誤差を生じても、濃度ムラを低減することもできる。これは、第2回目以降の走査において、それ以前までの走査により印刷した濃度をセンサにより検出し、印刷しようとした目標出力濃度との差分、即ち発生した濃度誤差を、そのパスでの印刷データ生成に対して濃度補正を行うからである。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、印刷データ生成部370_xの構成が第1の実施形態と相違している。図9は、第2の実施形態における印刷データ生成部370_xの構成を示すブロック図である。本実施形態では、印刷データ生成部370_xでの処理がシーケンシャルに行われる。他の構成は第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、印刷データ生成部370_xの構成が第1の実施形態と相違している。図9は、第2の実施形態における印刷データ生成部370_xの構成を示すブロック図である。本実施形態では、印刷データ生成部370_xでの処理がシーケンシャルに行われる。他の構成は第1の実施形態と同様である。
図9に示すように、印刷データ生成部370_xには、現在のノズルの主走査方向の位置を管理するノズル位置情報管理部470、及び主走査方向の位置に応じて濃度補正を行う濃度補正部675が設けられている。また、ROM110に、マルチパスに分割するための係数が設定されたパス分割テーブル610が格納されている。パス分割テーブル610からは、パス分割テーブル410と同様に、第1パスのパス分割係数k1(i=1、2、3、4)が読み出し可能である。
印刷データ生成部370_xには、乗算器480が設けられている。乗算器480は、濃度補正部675が出力する濃度補正係数ci(i=1、2、3、4)と、各パスのパス分割係数ki(i=1、2、3、4)を各々乗算して、位置情報に基づく補正をかけたパス分割係数を計算する。
印刷データ生成部370_xには、乗算器420、乗算器620、加算器630及び加算器640が設けられている。乗算器420は、色変換部330により各インク色に変換された印刷画像信号400に対して、位置情報に基づく補正をかけた各パスのパス分割係数415(乗算器480の出力)を乗算して、各パスの印刷濃度を計算する。つまり、乗算器420はパス分割を行う。乗算器620は、各パスの目標出力濃度を計算する。加算器630は、目標出力濃度と検出濃度との差分を計算する。加算器640は、各パスの印刷濃度に誤差分を加算する。
印刷データ生成部370_xには、色変換部350によりCMYに変換されたセンサ340からの信号430に対して印刷濃度に変換する濃度変換部440が設けられている。
また、印刷データ生成部370_xには、低階調化部450及び第iパス記録画像記憶部460が設けられている。低階調化部450は、誤差が加算された各パスの印刷画像から印刷データを生成する。第iパス記録画像記憶部460は、各パスの印刷データを記憶する。
なお、第2の実施形態においても、図8に示すように、CMY変換された印刷画像信号400、および、センサにより検出されて、読み出され、CMY変換された信号430は図8の印刷領域205を縦方向にスキャンされる。
そして、このように構成された印刷データ生成部370_xを備えた画像処理部150では、先ず、各パスの領域にあわせてパス分割テーブル610より読み出されたパス分割係数ki及びノズル位置情報管理部470の位置情報に基づいて濃度補正部675が各パスの領域に応じて出力する濃度補正係数ciが、乗算器480によって乗算される。この結果、位置情報に基づく補正をかけたパス分割係数が計算される。次いで、印刷画像信号400及び乗算器480の出力が乗算器420によって乗算され、パス領域に応じた印刷濃度が計算される。
また、第2パス以降においては、第iパス目であれば、パス分割テーブル610が、下記の数1で表わされる第「i−1」パス目までのパス分割係数の合計を出力し、乗算器620が目標出力濃度を計算する。この結果、第iパス目の印刷の際に、第「i−1」パス目までの合計の目標出力濃度が計算される。一方、センサ340からの信号430から濃度変換部440により検出濃度への変換が行われ、加算器630が、目標出力濃度と検出濃度との差分を計算する。計算された誤差分は、加算器640によって各パスの印刷濃度に補正されて、低階調化部450により各パスに応じた印刷データが生成される。生成された印刷データは、第iパス記録画像記憶部460に一旦記憶され、印刷制御部160により記録媒体に印刷が行われ、画像が形成される。
このような第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した実施形態の処理は、各機能を具現化したソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或いは装置に提供しても実現することができる。そして、そのシステム又は装置のコンピュータ(若しくはCPU、MPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって、前述した実施形態の機能を実現することができる。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク等を用いることができる。また、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることもできる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した各実施例の機能が実現される場合も含まれている。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれてもよい。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含むものである。
つまり、本発明の実施形態は、例えばコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記の印刷処理用のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
Claims (7)
- 複数の吐出部を備えたプリントヘッドと、
前記プリントヘッドに記録媒体上の同一の印刷領域に対して複数回の走査を行わせる走査手段と、
入力された画像情報に基づいて、前記複数回の走査毎の画像形成データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された画像形成データに基づいて前記複数の吐出部からインクを前記記録媒体上に吐出して画像形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により形成された画像の状態を検出する検出手段と、
を有し、
前記生成手段は、前記検出手段による検出の結果及び前記吐出部の位置に応じて前記走査毎の濃度比率を決定する決定手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記検出手段は、直近の走査において前記画像形成手段により行われた画像の状態を検出し、
前記決定手段は、前記検出手段により検出された、当該直近の走査における印刷の状態に応じて前記走査毎の濃度比率を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記決定手段は、次の走査において前記検出手段による検出が行われ、その結果が当該次の走査における画像形成濃度比率に反映されることを考慮して、当該走査における濃度比率を決定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記決定手段は、
前記画像情報に基づいて、濃度を複数の走査に分割する分割手段と、
前記分割された濃度を、前記吐出部の位置に応じて補正する補正手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記決定手段は、前記記録媒体の端部に該当する吐出部に対する画像形成濃度比率を、前記記録媒体の内部に該当する吐出部の画像形成濃度比率よりも低くすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 複数の吐出部を備えたプリントヘッドに記録媒体上の同一の印刷領域に対して複数回の走査を行わせる走査ステップと、
入力された画像情報に基づいて、前記複数回の走査毎の画像形成データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップにおいて生成した画像形成データに基づいて前記複数の吐出部からインクを前記記録媒体上に吐出して画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップにおいて形成された画像の状態を検出する検出ステップと、
を有し、
前記生成ステップは、前記検出ステップにおける検出の結果及び前記吐出部の位置に応じて前記走査毎の濃度比率を決定する決定ステップを有することを特徴とする画像形成方法。 - コンピュータに、
複数の吐出部を備えたプリントヘッドに記録媒体上の同一の印刷領域に対して複数回の走査を行わせる走査ステップと、
入力された画像情報に基づいて、前記複数回の走査毎の画像形成データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップにおいて生成した画像形成データに基づいて前記複数の吐出部からインクを前記記録媒体上に吐出して画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップにおいて形成された画像の状態を検出する検出ステップと、
を実行させ、
前記生成ステップは、前記検出ステップにおける検出の結果及び前記吐出部の位置に応じて前記走査毎の濃度比率を決定する決定ステップを有することを特徴とするプログラム。
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