(パチンコ機の構成)
図1に示されるように、パチンコ機10の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り12が取り付けられている。
また、パチンコ機10の下飾り12の上部には、互いに平行、かつ奥行き方向に所定の間隔をおいて配置された一対のガラス板14を装着したガラス枠16が配置されており、ガラス枠16は左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。このガラス枠16の奥側には、着脱交換可能な遊技盤18がセットされており、遊技盤18は、ガラス枠16で閉塞された状態でガラス板14に対向するようになっている。
ガラス枠16の下部には、一体皿24が配置されている。一体皿24の図1の右端部には、鍵穴27が設けられ、この鍵穴27にキーを差し込み、左右の内、一方に回すとガラス枠16が開放し、他方に回すと一体皿24が開放する。
一体皿24には、上皿部28と、下皿部30とが設けられている。上皿部28を形成する周縁壁部32には、上皿球抜きレバー34が設けられ、この上皿球抜きレバー34を操作することで、上皿部28に貯留された遊技球PBを下皿部30へ送り出すことができるようになっている。また、下皿部30には、下皿球抜きボタン36が設けられ、この下皿球抜きボタン36を操作することで、下皿部30に貯留された遊技球PBを外部(例えば、所謂「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
上皿部28の周縁壁32における図1の右端部には、球貸ボタン42と、返却ボタン44が設けられている。
また、一体皿24の右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するためのグリップユニット(発射ハンドル)26が取り付けられ、左側下部には、灰皿46が取り付けられている。
一体皿24における下皿部30の図1の右側には受け皿スピーカ60Uが配置されている。
ここで、一体皿24における上皿部28の周縁壁32には、遊技者が操作可能な操作ボタン50が設けられている。この操作ボタン50は、遊技中において、操作有効期間中に操作することで、演出画像に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
ガラス枠16におけるガラス板14の周囲には、アーチ状に遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による視覚的効果や、音声等による聴覚的効果等の演出効果を生み出す上部演出部52が配置されている。この上部演出部52の下端部は、一体皿24の周囲に略U字型に配置された下部演出部54の上端部と連結されている。
この結果、上演出部52と下演出部54とで、遊技盤18の周囲を取り囲むように、演出部56が形成されている。
この演出部56は、上演出部52及び下演出部54共に、照明部材(LED等)が取り付けられた基板(図示省略)と、この基板を覆うように、所定の意匠で形成されたレンズカバー58が取り付けられている。
レンズカバー58は、前記照明部材が点灯する領域を区画するよう凹凸状にカットされており、区画された領域(以下、必要に応じて「レンズ部58」という)毎に照明部材の点灯制御がなされる。なお、照明部材は基本的にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に点灯するLEDが1組となっており、それぞれの点灯時の光量比により、様々な配色の点灯が可能となっている。
また、前記上演出部52における、ガラス枠16の上部円弧の約1/3に相当する領域の中央及び両端には、ガラス枠スピーカ60C、60L、60Rが内蔵され、照明と同時に、音声を出力する。
なお、以下では、前述した受け皿スピーカ60Uと、このガラス枠スピーカ60C、60L、60Rを総称して、「スピーカ60」という。
(エラー報知機能)
さらに、ガラス枠16の上部2箇所の角部には、エラーランプとして機能する細長状の3連表示部62が設けられている。この3連表示部62は、演出に使われる場合もあるが、基本的には、遊技中に発生した遊技者の不正行為など遊技機の外部要因にからむエラーの内容を色の変化で報知するエラー報知用とされ、エラー発生時には演出を中断してエラー状態を報知する。
遊技中に発生したエラーとは、遊技盤18面近傍で磁力を検出した場合、遊技盤18に振動が起きた場合、ガラス枠16等が開放した場合、遊技中の遊技球PBの不正な入賞があった場合等が挙げられる。
遊技盤18面近傍の磁力は、予め遊技盤18に取り付けられた磁気センサ64(図2参照)によって検出する。また、遊技盤18の振動は、予め遊技盤18に取り付けられた振動センサ66(図2参照)によって検出する。
ガラス枠16等の開放は、予め取り付けられた開放検出センサ68によって検出する。
遊技球PBの不正入賞は、遊技の進行状態と、各入賞口107,108,110,206,232等の近傍に設けられて遊技球PBの入賞や通過を検出する入賞センサ300、302A、302B、304、212、220、222、247、248、260からの信号に基づいて判断する。このようなエラーは、パチンコ機10の外部からの行為によってもたらされるため、以下、当該エラーの発生元を「外部からの行為」という。
磁気センサ64及び振動センサ66は、遊技盤18において、重要部位の近傍に取り付けられるようになっており、本実施の形態では、少なくとも、図2に示される如く、後述する特図B始動入賞口108Bの裏面側に取り付けられている。なお、磁気センサ64は、この特図B始動入賞口108Bの近傍のみである必要はなく、その他、適宜位置に取り付けてもよいし、遊技盤18の領域内で複数個配置するようにしてもよい(例えば、図2の鎖線円で囲んだ領域)。また、磁気センサ64においては、遊技盤18に適用されるモータやソレノイドの磁力の影響を受けない位置とする必要がある。
図3に示される如く、前記磁気センサ64及び振動センサ66、並びに前述の開放検出センサ68は、後述する演出制御部152(図7参照)の一部を構成するエラー監視用制御部70に接続されている。
エラー監視用制御部70には、主制御部150から、RAMクリア信号と、不正入賞信号が入力されるようになっている。
RAMクリア信号は、電源がオフになったあと、再度投入されたときにRAMを初期化するときに出力される信号である。
また、不正入賞信号は、例えば、ソレノイドやモータ等で動作によってのみ開口することで、入賞可能な領域に、当該ソレノイドやモータ等の動作がないのに、遊技球PBが入賞したようなときに出力される信号である。
エラー監視用制御部70は、前記パチンコ機10の周囲に設けられた演出部56(上演出部52、下演出部54)及びスピーカ60を報知制御対象として制御するようになっている。
また、エラー監視用制御部70は、遊技盤18に取り付けられたLCD106を制御する。LCD106は、図柄制御部156によって制御されるようになっている。なお、LCD106は、本実施の形態では、遊技盤18に取り付けられているが、本体(遊技機18)側に取り付けられている場合もある。
さらに、前記エラー監視用制御部70は、例えば、3段階の報知形態を記憶してなる記憶装置70Bを有すると共に、選択手段としての切替スイッチ72が接続されている。この切替スイッチ72は、遊技盤18の裏面側に取り付けられ、設置した店の店員等が操作可能となっている。
本実施の形態における切替スイッチ72は、3段階(3接点)切替タイプであり、この切替スイッチ72の切替操作位置に基づいて、3段階の報知形態から1つの報知形態が選択されるようになっている。
3段階の報知形態は、報知対象は同一であるが、相対的に報知形態の強度(報知レベル)が異なっている。
(遊技盤の構成)
図2に示される遊技盤18は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状のセルが貼着されてそのセルの表面が盤面となっており、盤面の外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置(図示省略)から発射されて打ち込まれた遊技球PBが釘20や役物74、105、107、108A、108B、109、110等により弾かれながら自重落下により移動可能な遊技領域19を構成している。
なお、図2において遊技領域19内に符号20で示した○印と同じ大きさ、形状の○印は全て釘20の打込み位置を示している。
遊技盤18のほぼ中央には、本発明の入賞装置であるセンター役物105が配置されている。センター役物105は、各種演出等の映像を表示する液晶表示器(Liquid Crystal Display device(LCD))106を備えている。
このLCD106では、通常は当該パチンコ機のテーマ等に応じたキャクラタ等を登場させる様々な動画像や、遊技の進行上の状況(例えば、後述する特図抽選の結果)を報知する画像を表示する。
なお、図示は省略したが、遊技盤18におけるセンター役物105以外の遊技領域19には、遊技球PBが当接することで予期せぬ方向へ跳ね返らせる釘や、予期せぬ方向へ方向転換させる風車等が取り付けられている。
上記センター役物105では、その最上端から遊技球PBを受入れることで、内部の特定領域200において遊技球PBを流動に絡めた様々な演出を実行する。
前記遊技領域19におけるセンター役物105に向かって左側は、主となる遊技球流路であり、前述した釘や風車に混じって通過ゲート(スルーチャッカー)107が設けられている。前記通過ゲート107を遊技球PBが通過すると、普通図柄(普図)抽選が実行される。普通図柄抽選の結果は、2個のLED表示器で構成される普図表示器111によって報知される。通過ゲート107への遊技球PBの通過に基づいて普図抽選が行われるが、普図表示器111は、この普図抽選中、双方のLED表示器が点滅表示を繰り返す。そして、当たりの場合には双方のLED表示器が点灯状態で停止する。また、外れの場合には、いずれか一方が点灯し、他方が消灯して停止する。普図抽選のための遊技球PBの保留は、2個のLED表示器で構成される普図保留表示器126によって報知される。普図保留表示器126は、普図の保留球が1個の場合左側のLEDが点灯、2個の場合双方のLEDが点灯、3個の場合右側のLEDが点灯し左側のLEDが点滅、4個の場合双方のLEDが点滅表示することにより保留数を示し、普通図柄抽選の入賞数を最大4個まで保留することが可能となっている。
なお、通過ゲート107は、遊技球PBが入賞するとその遊技球PBを遊技機内に取り込むタイプのものであっても良い。
前記遊技領域19における前記通過ゲート107の下方には、第1の始動入賞口である特別図柄A始動入賞口(特図A始動入賞口)108Aが設けられている。また、前記遊技領域19におけるセンター役物105の直下には、第2の始動入賞口である特別図柄B始動入賞口(特図B始動入賞口)108Bが設けられている。以下、特図A始動入賞口108A及び特図B始動入賞口108Bを総称するときは「始動入賞口108」という。
なお、この始動入賞口108への遊技球PBの入賞が、特別図柄(特図)抽選のトリガとなる。前記特図A始動入賞口108Aへの遊技球PBの入賞により実行された特図抽選の結果は、特図A表示器130によって報知される。一方、前記特図B始動入賞口108Bへの遊技球PBの入賞により実行された特図抽選の結果は、特図B表示器132によって報知される。
また、特図B始動入賞口108Bは、上下方向に2段構造となっており、上段はいつでも入賞可能に開口され、下段は電動チューリップ109が設けられており、電動チューリップ109の閉止時は入賞が阻止される。ここで、前記普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ109が所定時間開放し、下段の入賞口への入賞が可能となる。
さらに、前記遊技領域19におけるセンター役物105の下方右側の7セグメント表示器111付近には、特図B保留表示器134が設けられている。特図B始動入賞口108Bへ入賞しても特図抽選を実行することができない場合(例えば、先の始動入賞に基づく特図抽選の実行中等)には、入賞を保留することが可能となっている。本実施の形態において、特図B保留表示器134は、横1列に配列された4個の保留ランプ136で構成されている。この保留ランプ136は、特図B始動入賞口108Bに入賞した遊技球PBが最大4球分保留されていることを点灯状態で報知するものであり、1回の抽選が終了した時点で保留された分が消化されて消灯するようになっている。
なお、始動入賞口108は、本実施形態のように、入賞した遊技球PBを遊技機内に取り込むタイプのものが望ましいが、例えば通過ゲート107のように遊技球PBを通過させて引き続き遊技領域19上を落下させるタイプのものであってもよい。
さらに、本実施の形態では、特図A始動入賞口108Aには遊技球PBの保留を設けていないが、特図A始動入賞口108Aについても最大4個までの保留を可能にしてもよい。
また、特図A始動入賞口108Aのさらに下部には、アタッカー(大入賞口)110、アウト口112がそれぞれ設けられている。
ここで、本実施の形態では、前記特図抽選で後述する直当たりに当選した場合、或いは、V入賞し予め定められた確率で選択された場合には、大当たり表示器138の該当するLEDを点灯させた後、アタッカー110が所定ラウンド開閉を繰り返す大入賞遊技の処理が実行される。また、前記特図抽選で直当たりに非当選(以下「小当たり」という)の場合には、センター役物105の羽根部材202が開放し、当該開放時期に遊技球PBがセンター役物105内に入りV入賞することを条件に、V入賞遊技の処理が実行される。
図2に示すように、大当たり表示器138は、4個(又は5個)のLEDランプで構成され、直当たりによる特図A表示器130若しくは特図B表示器132の停止後、又は小当たり後に遊技球PBがセンター役物105内に入りV入賞が確定した後、各大当たり遊技の最大ラウンド数3,8,16ラウンド、及びV入賞遊技(カップインチャレンジ)に対応するLEDランプが点灯表示されることにより、各大当たりの種類を告知する。また、大当たり表示器138の左右いずれかの端部には、各大当たり遊技の後、時短状態のときに点灯するLEDランプが設けられている。尚、図2に示す実施の形態では、16ラウンドの告知ランプは大入賞遊技とV入賞遊技(カップインチャレンジ)の表示双方に共通に用いられている。これは、本遊技仕様において、V入賞遊技(カップインチャレンジ)は、各ラウンドで遊技球PBが1個以上V入賞することを条件として最大16ラウンドまで継続可能な大当たり遊技だからである。
(センター役物105)
図4には、本実施の形態に係るセンター役物105の概略構造が示されている。なお、以下に示すセンター役物105の中の機械的、電気的作動部材は、遊技仕様に基づき、遊技盤面状の他の役物とは独立して制御可能となっている。
センター役物105は、全体として、側壁部204によって周囲が覆われており、その内外とが完全に仕切られている。従って、遊技盤18上の遊技球PBは、前述した羽根部材202の開放によって開口する受入口206以外から、センター役物105の内側の特定領域200に入り込むことはない。
なお、図2に示される如く、側壁部204の外側に跳び出るように、遊技盤18面には、円形の時短報知用表示部74が設けられ、本実施の形態における遊技仕様の下で、後述する時間短縮(時短)モードの有無を報知すると共に、時短モード有りの場合に時短モード時の種類(時短10回又は時短50回)を報知するようになっている。なお、本実施の形態では、時短モード(50回)が「特訓モード」と称され、時短モード(10回)が「レッスンモード」と称されており、前記時短報知用表示部74に当該何れかの文字が光線によって透過することで、遊技者に報知するようになっている。
図4に示される如く、センター役物105の背面には矩形の開口部が設けられ、前記LCD106が嵌め込まれている。なお、このLCD106の前側空間並びに周囲空間が、遊技球PBが流動する球演出空間となる。なお、前側空間はLCD106の表示面が遊技盤18の遊技領域面よりも紙面奥側に位置しており、所謂奥行き感のある演出空間ステージ208を構成している。
センター役物105の最上端部には、前述したように一対の羽根部材202が左右対称に設けられている。この羽根部材202は、閉止状態では互いに縦(立直)方向とされ、開放状態では下端部が中心となって互いに外向きに回転する構造となっている。
一対の羽根部材202はそれぞれ羽根部材ソレノイド210への通電、非通電によって開閉動作がなされる。
一対の羽根部材202の開放状態では、受入口206から遊技球PBが受け入れ可能であり、その際、羽根部材202がガイド板の役目を果たすようになっている。
一例として本実施の形態では、受入口206から特定領域200に受け入れた遊技球PBは、まず一対の受入センサ212の何れかによって検出され、第1の振分部材214へ至るようになっている。
この第1の振分部材214は、前記LCD106の上辺に沿って設けられた筒状の水平連通路216内において、LCD106の上辺かつ中央に位置している。
第1の振分部材214は、横長の薄板形状であり、その左右方向中央に回転軸214Aが設けられ、シーソーの如く、左下がり、或いは右下がりに傾斜するように可動する。
この第1の振分部材214は、第1の振分ソレノイド218の通電、非通電によって回転軸214Aを中心として回転し、前記左下がり位置、又は右下がり位置の2位置間の何れかに保持されるようになっている。
なお、本実施の形態では、第1の振分部材214は、通常時、前記左下がり位置に保持されるようになっており、所定のタイミング(例えば、羽根部材202の開放に同期)で前記右下がり位置に傾斜するように制御されている。
第1の振分部材214が、図2に示すような左下がり位置になった場合は、遊技球PBは水平連通路216に沿って図2の左方向へ転動する。この遊技球PBの転動は、左ルートセンサ220によって検出される(後述する「パットインルート」確定)。
一方、第1の振分部材214が右下がり位置になった場合は、遊技球PBは水平連通路216に沿って図2の右方向へ転動する。この遊技球PBの転動は、右ルートセンサ222によって検出される(後述する「ナイスショットルート」確定)。
水平連通路216の図2の左端は、LCD106の左辺に沿って設けられた左端連通路224と連通している。
図4に示される如く、左端連通路224は、前記演出空間ステージ208の奥側から手前側までの緩やかな傾斜路で構成された緩斜面通路224Aと、この緩斜面通路224Aの最手前側でLCD106の下辺位置まで落下する落下通路224Bと、この落下通路224Bの最下端において特定領域200の中央へ若干転動させた後、奥側へ転動させる転動通路224Cと、が直列に接続された立体的な構造となっている。
ここで、転動通路224Cにおける奥側への転動する斜面の途中には、第1のキャラクタ226が配設されている。この第1のキャラクタ226は、ゴルフクラブのパター226Aを把持している。パター226Aは、前記斜面を横切るように、振り子動作するようになっている。
このパター226Aは、パターソレノイド228の通電・非通電によって動作し、遊技球PBの転動タイミングと一致したときに、遊技球PBをはじき、LCD106の下辺に沿って設けられた演出空間ステージ208上の転動通路224Dを図2の左から右に向けて転動することになる。なお、遊技球PBの転動タイミングとパター226Aの動作のタイミングが合わない場合は、遊技球PBは、転動通路224Cの奥側に設けられた外れ口230(図4参照)へ案内されるようになっている。
前記パター226Aで打ち出したときの転動方向先端、すなわち演出空間ステージ208の右端部近傍には、ゴルフ場のグリーンに見立てた回転体232が配設されている。この回転体232の詳細については後述するが、以下、このパター226Aの動作による遊技球PBの移動通路224Dを経由しての回転体232への接近ルートを「パットインルート」という。
前記水平連通路216の図2の右端は、LCD106の右辺よりも外側に設けられた第1の右端連通路234と連通している。
第1の右端連通路234は、遊技球PBをLCD106の右辺に沿って落下させるが、略S字状に屈曲しておりその落下速度が抑制されている。
第1の右端連通路234は、LCD106の下辺よりも若干上位の位置が下端部となっている。この下端部までは、遊技球PBは、落下速度が抑制された状態で落下し、スロープ236に受け渡されるようになっている。
スロープ236は、前記演出空間ステージ208の右端部近傍に配設された前記回転体232の真上まで延長されており、遊技球PBをこの回転体232の真上まで転動させる傾斜面となっている。
回転体232の真上に位置するスロープ236の延長方向先端部には、所謂1穴クルーン238が形成されている。
図4及び図5に示される如く、1穴クルーン238は、遊技球PBの外径よりも若干大きい円弧皿形状であり、その底部中央には遊技球PBの外径とほぼ同一の貫通孔238Aが設けられている。この結果、遊技球PBがスロープ236上を転動し、1穴クルーン238に至ると、所定の半径の円軌跡を描きながら徐々に半径が小さくなって、最終的に貫通孔238Aから落下するという動作がなされる。すなわち、1穴クルーン238は、所定の時間をかけて、回転体232に落下させる遅延機能という役目を有している。
なお、以下、この1穴クルーン238の貫通孔238Aから落下して回転体232へ至るルートを、「チップインルート」という。
前記第1の右端連通路234における水平連通路216との連通位置よりも若干下方には、第2の右端連通路240の上端部と連通する分岐部242が設けられている。
第2のキャラクタ244は、分岐振分手段として機能するものであり、メッセージボードソレノイド246の通電・非通電によって、メッセージボード(第2のキャラクタ244)を第1の右端連通路234に突出したり、待避させるように動作する。
なお、本実施の形態では、メッセージボード(第2のキャラクタ244)は、原則として一定の間隔で突出位置・待避位置間を移動しており、所定のタイミング(例えば、羽根部材202の開放に同期)で突出位置を保持するように制御されている。
ここで、メッセージボード(第2のキャラクタ244)が第1の右端連通路234から待避された状態では、遊技球PBは、この第1の右端連通路234に沿って落下して、前記スロープ236へと至ることになる。この遊技球PBの第1の右端連通路234からスロープ236への受け渡しは、チップインルートセンサ247によって検出されるようになっている。
一方、メッセージボード(第2のキャラクタ244)が第1の右端連通路234に突出したときに遊技球PBが通過すると、当該遊技球PBがメッセージボード(第2のキャラクタ244)によって第2の右端連通路240へ弾き飛ばされるようになっている。
第2の右端連通路240は、所謂ジグザグに傾斜面が形成、すなわち、傾斜方向の異なる傾斜面が交互に配置され、遊技球PBが左右に転動しながら落下していく構成となっている。
LCD106の下辺の演出空間ステージ208と同位の位置まで落下した遊技球PBは、図2の右端から前記回転体232までの傾斜面通路240Aに沿って転動し、回転体232へと到達するようになっている。なお、以下、この第2の右端連通路240を経た流動路で回転体232へ至るルートを「ホールインワンルート」という。
この第2の右端連通路240を通過する遊技球PBは、ホールインワンセンサ248によって検出されるようになっている。
(回転体232の構造)
以下、回転体232の構造について説明する。
回転体232は、円柱形状であり、上端面が部分球面形状であり略中央部が最も上に凸となっている。この最も上に凸となる位置に対向するように、前記1穴クルーン238が配設されている。
回転体232の周縁には、略均等に8カ所の位置に遊技球PBを受ける1個の切欠部232A及び7個の切欠部232Bが形成されている。遊技球PBは、この切欠部232A、232Bのいずれかに、回転体232の外周左側(すなわち、パットインルート)からや、回転体232の中央(すなわち、チップインルート)から、又は回転体232の外周右側(すなわち、ホールインワンルート)から入ることができる。(図4、図5、図30参照)。
より具体的には、7個の外れ切欠部232Bは、回転体232の外周左側から受け入れ可能(すなわち、パットインルートから受け入れ可能)であり、その内の3個は中央からも受け入れ可能(すなわち、チップインルートから受け入れ可能)である(図4,図5,図30参照)。
一方、当たり切欠部232Aは、外周右側、中央の両方から受け入れ可能(すなわち、パットインルート、チップインルートから受け入れ可能)となっている。
さらに、当たり切欠部232Aは、ホールインワンルートからの遊技球PBを唯一受け入れることが可能である。すなわち、ホールインワンルートから傾斜面通路240Aを通って遊技球PBが回転体232へ到達すると、図30(A),図30(B)に示すように外れ切欠部232Bは壁面が妨げとなって受け入れることができず、当たり切欠部232Aが対応したときのみ受け入れることができる(図30(C)参照)。
このような受け入れ条件を実現するために、回転体232の切欠部232A、232Bの周縁には、適宜壁面232A1,232B1,232B2が形成され、この壁面(232B1,232B2)が遊技球PBの流入を阻止したり、許可したり(壁面232A1)させることが可能となっている。
本実施の形態では、切欠部232Aに遊技球PBが入ると、その遊技球PBは、後述する貫通孔252を通ってV入賞路256に導かれる。また、切欠部232Bに入ると、後述する外れ口案内路263に導かれる。上述のホールインワンルートの傾斜面通路240Aを転動した遊技球PBは、略100%の確率で切欠部232A内に入り、貫通孔252を通ってV入賞路256に導かれる。V入賞路256に入った遊技球PBはV入賞路256を通過した後、後述のV入賞センサ260によって検知されると、大当たりとなって、大当たり遊技が開始される。尚、この傾斜面通路240Aから切欠部232Aへの入賞路構造及び切欠部232Bへの非入賞路構造については、WO2008/050561を参照されたい。
一方、演出空間ステージ208には円溝208Aが形成され、回転体232が収容されている。回転体232は、その底面(下端面)が平面とされ、前記円溝208Aの底部がこの底面を支持している。この状態で、回転体232の底面からは不図示の回転軸が演出空間ステージ208の下方に延出され、モータ250の回転軸と連結されている。これにより、回転体232は、円溝208A内で本実施の形態では矢印X方向に回転する構成となっている。この円溝208Aの底部には、回転体232の周縁に対向する位置に特別入賞(いわゆる大当たり)となる遊技球PBが入賞可能な貫通孔252(図5参照)が設けられてV入賞口を構成し、V入賞路256(図2参照)と連通している。尚、回転体232の回転方向は、本実施形態では、図4、図5に示す矢印Xの方向としているが、回転体232の回転方向は、V入賞路256の入賞結果に対する遊技仕様との関連を考慮して決めればよく、遊技仕様次第では、本実施形態とは異なり図4、図5に示す矢印X方向とは逆の方向であっても良い。
また、このV入賞路256には、V入賞センサ260が設けられている。V入賞路256に入った遊技球PBがV入賞センサ260によって検知されると大当たりとなり、抽選によりアタッカー110又は羽根部材202が所定回数開閉制御されることにより遊技球PBを大量に入賞させて大量の賞球獲得が可能な特別遊技(大当たり遊技)が開始される。また、円溝208Aに連続するように外れ口案内路263(図4、図5参照)が形成されている。これにより、遊技球PBは、いずれかの切欠部232A又は232Bに入り、V入賞路256又は外れ口案内路263へ落ちるようになっている。
なお、前記V入賞路256は、前記回転体232によって隠蔽され、各切欠部232A、232Bが上部に対峙した場合を除き遊技者から見えない構造となっている。これは、意図的に隠蔽したものであり、V入賞路256が通常は見えなくすることで、遊技者が有利な方を狙い難くする役目を持たせている。
次に、本実施の形態におけるセンター役物105の一部として取り付けられている電気制御部品、すなわち、動作部材並びにその駆動源、センター役物105内を流動する遊技球PBの位置を検出するために各部に設けられたセンサをブロック化して示す。
図6に示される如く、センター役物105には、その裏面側等に電気部品の配線を集約したセンター役物基板264が設けられており、各部への配線は、着脱可能なコネクタ266を介して電気的に接続されるようになっている。コネクタ266は、単一の電気部品を担うものもあれば、複数の電気部品を担うものも存在し、電気部品の数、設置スペース等に基づいて適宜選択されて適用されるものである。
また、センター役物基板264は、パチンコ機10の主制御部150や演出制御部152(共に後述/図7参照)と電気的に接続するためのハーネス268がコネクタ270を介して接続されている。
センター役物基板264には、出力系として2個の羽根部材ソレノイド210、第1の振分ソレノイド218、パターソレノイド228、メッセージボードソレノイド246、モータ250が接続されている。
羽根部材ソレノイド210は、一対の羽根部材202をそれぞれ独立して開閉動作させるときに駆動(通電/非通電)する。
第1の振分ソレノイド218は第1の振分部材214の傾斜方向を変更動作させるときに駆動(通電/非通電)する。
パターソレノイド228は、第1のキャラクタ226を把持するパター226Aを振り子動作させるときに駆動(通電/非通電)する。
メッセージボードソレノイド246は、第2のキャラクタ244のメッセージボードを第1の右端連通路234に突出/待避動作させるときに駆動(通電/非通電)する。
モータ250は、回転体232を回転させる場合に駆動する。
一方、センター役物基板264には、入力系として2個の受入れセンサ212、左ルートセンサ220、右ルートセンサ222、チップインルートセンサ247、ホールインワンセンサ248、V入賞センサ260が接続されている。
受入れセンサ212は、羽根部材202が開放されたときに遊技球PBが受け入れられたか否かを判断するために設けられている。
左ルートセンサ220は、受け入れられた遊技球PBが左ルート(パットインルートに確定)に案内されたか否かを判断するために設けられている。
右ルートセンサ222は、受け入れられた遊技球PBが右ルート(チップインルート又はホールインワンルートの何れかであるがこの時点では未確定(総称して「ナイスショットルート」という)に案内されたか否かを判断するために設けられている。
チップインルートセンサ247は、遊技球PBが右ルートに案内された後、第1の右端連通路234を通過するか(チップインルート)否かを判断するために設けられている。
ホールインワンセンサ248は、遊技球PBが右ルートに案内された後、第2の右端連通路240を通過するか(ホールインワンルート)否かを判断するために設けられている。
V入賞センサ260は、遊技球PBが回転体232の当たり切欠部232AからV入賞路256へ案内されたか否かを判断するために設けられている。
なお、上記において、ハーネス268は分割されており、基本的には、図7に示される如く、入力系(センサ群)、出力系(アクチュエータ群)が、遊技球PBの入賞または通過の入力を受けてこの入力信号に基づく抽選及びこの抽選結果に基づく本遊技機の遊技状態に係る制御を行う主制御部150と、この主制御部150の制御に基づき各種表示装置106,126の表示制御、センター役物105内の各種部品の駆動制御、各種スピーカ60の制御による音声制御等、遊技の演出に係る部分の制御を行う演出制御部152とに分類されて接続されている。
(制御系の構成)
次に、図7を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。図7に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されており、この主制御部150には、演出制御部152と払出制御部154とが接続されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり信号、図柄確定回数信号)が送信される。
演出制御部152には、図柄制御部156を介してLCD106が接続されている。また、演出制御部152は、パチンコ機10の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子126の点灯、消灯、及び点滅を制御し、さらに、スピーカ60を作動させて効果音等の出力を制御する。
この演出制御部152に制御されるLCD106には、演出映像が表示され、スピーカ60からはその演出時のBGMが出力される。これにより、遊技者は、視覚及び聴覚を通じて、演出図柄による演出を楽しむことができる。
また、演出制御部152には、センター役物105に設けられたパター226Aを動作させるパターソレノイド228、第2のキャラクタ244のメッセージボードを動作させるメッセージボードソレノイド246、回転体232を回転させるモータ250、第1の振分部材214を動作させる第1の振分ソレノイド218が接続されている。
さらに、遊技の進行に関わるものではない、エラー検知システムに関する部材として、演出制御部152には、磁気センサ64、振動センサ66及び開放検出センサ68、切替スイッチ72が接続されている(詳細は図3参照)。
また、払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置40が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者によるグリップユニット26(図1参照)の操作により発射装置40を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、グリップユニット26の操作量に応じた発射力を制御する。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータへ送信するようになっている。
主制御部150には、通過ゲート107(図2参照)を通過する遊技球PBを検出する通過ゲートセンサ300、特図A始動入賞口108Aへの入賞球を検出する特図A始動口センサ302A、特図B始動入賞口108Bへの入賞球を検出する特図B始動口センサ302B、大入賞遊技状態の際に開放するアタッカー110への入賞球を検出するアタッカーセンサ304が接続されている。
また、主制御部150及び演出制御部152には、センター役物105内に設けられた各種センサが、センター役物基板264を経由して、接続されている。
すなわち、主制御部150には、コネクタ266(図6参照)を介して、受入れセンサ212、左ルートセンサ220、右ルートセンサ222、チップインセンサ247、ホールインワンセンサ248、V入賞センサ260がそれぞれ接続されており、これらの各センサは、入賞球の検出時にその検出信号を主制御部150へ出力する。
さらに、主制御部150には、特図B始動入賞口108Bに設けられた電動チューリップ109を作動させる電動チューリップソレノイド306、アタッカー110の開閉扉を開放/閉塞させるアタッカーソレノイド308、羽根部材202を開閉させる羽根部材ソレノイド210がそれぞれ接続されている。
ところで、本実施の形態に係るパチンコ機10では、前記特図A始動入賞口108A又は特図B始動入賞口108Bの入賞、並びに抽選によってその後の遊技仕様(前述した大入賞遊技、V入賞遊技)が設定されるようになっている。その1つとして、上述のセンター役物105内での演出が実行される場合がある。
図8には、パチンコ機10に係る通常遊技とは異なる大入賞遊技又はV入賞遊技の実行を制御するための機能ブロック図が示されている。なお、この機能ブロック図は、主制御部150のハード構成を限定するものではなく、あくまでも大入賞遊技又はV入賞遊技制御に特化した制御を機能的に分類したものである。
アタッカーセンサ304、特図A始動入賞口センサ302A、特図B始動入賞口センサ302B、V入賞センサ260及び受入れセンサ212の各センサは、主制御部150の入賞判定部350へ接続されている。各センサは、遊技球PBが入賞したことを示す入賞信号を入賞判定部350へ出力する。
入賞判定部350では、入力された入賞信号に基づき、遊技球PBがいずれの入賞口に入賞したかを判定する。
具体的には、入賞判定部350は、特図A始動入賞口センサ302Aからの入賞信号が入力された場合、特図A抽選部352へ特図抽選を実行するよう指示信号を出力する。一方、入賞判定部350は、特図B始動入賞口センサ302Bからの入賞信号が入力された場合には、特図B抽選部354へ特図抽選を実行するよう指示信号を出力する。
特図A抽選部352及び特図B抽選部354は、入賞判定部350からの指示信号に基づき、特図抽選を実行する。特図A抽選部352及び特図B抽選部354は、乱数カウンタ356とそれぞれ接続されている。特図抽選にあたり、特図A抽選部352及び特図B抽選部354は、それぞれ乱数カウンタ356から乱数値を取得する。
ここで、特図B抽選部354は、保留メモリ358と接続されている。特図B抽選部354は、特図B始動入賞口108Bへの入賞を保留することができる。本実施の形態では、最大4回分の入賞を保留することができるようなっており、その保留数は特図B保留表示器134に表示されている。
一方、特図A抽選部352は、大入賞遊技実行制御部360、V入賞遊技実行制御部362及び特図B抽選部354と接続されている。特図A抽選部352は、入賞判定部350からの指示信号に基づき、大入賞遊技実行制御部360における大入賞遊技状況、V入賞遊技実行制御部362におけるV入賞遊技状況、及び特図B抽選部354から特図抽選状況や保留メモリ358内の各情報を取得する。特図A抽選部352には、上記保留メモリ358が接続されていないので、上記大当たり遊技中、小当たり遊技中又は特図抽選中や特図抽選保留中において、特図抽選を実行することができない構成となっている。
なお、特図A抽選部352及び特図B抽選部354は、抽選結果判定部364と接続されている。特図A抽選部352及び特図B抽選部354は、特図抽選において乱数カウンタ356から取得した乱数値情報を抽選結果判定部364へ出力する。
抽選結果判定部364は、当たり値メモリ366と接続されている。当たり値メモリ366は、各特図抽選の当たりとなる乱数値を記憶している。抽選結果判定部364は、当たり値メモリ366に記憶された当たり値に基づいて、特図A抽選部352又は特図B抽選部354から入力された乱数値情報が直当たり又は小当たりの何れかを判定する。
抽選結果判定部364は、大入賞遊技実行制御部360及びV入賞遊技実行制御部362と接続されている。抽選結果判定部364は、判定結果に基づき、直当たりのときには大入賞遊技実行制御部360へ直当たり情報を出力する。一方、抽選結果判定部364は、判定結果に基づき、小当たりのときにはV入賞遊技実行制御部362へ小当たり情報を出力する。
大入賞遊技実行制御部360は、抽選結果判定部364からの直当たり情報に基づいて、大入賞遊技の実行を制御する。ここで、大入賞遊技実行制御部360は、アタッカーソレノイド308が接続されている。大入賞遊技実行制御部360は、大入賞遊技の状況に応じて当該アタッカーソレノイド308を制御してアタッカー110を開閉させる。
アタッカーセンサ304が、アタッカー110への遊技球PBの入賞を検知すると、入賞信号を入賞判定部350へ出力する。入賞信号判定部350は、大入賞遊技実行制御部360へ入賞信号を出力する。
大入賞遊技実行制御部360は、アタッカー開放タイマ360A、アタッカー入賞カウンタ360B、ラウンドR1カウンタ360Cを備えている。当該アタッカー開放タイマ360Aは、アタッカー110の開放時間をカウントする。また、当該アタッカー入賞カウンタ360Bは、入賞判定部350を介して入力されたアタッカーセンサ304からの入賞信号に基づいて、アタッカー110への遊技球PBの入賞球数をカウントする。また、ラウンドR1カウンタ360Cは、複数ラウンドからなる大入賞遊技のラウンド数をカウントする。
一方、V入賞遊技実行制御部362は、抽選結果判定部364からの小当たり情報に基づいて、小当たり遊技の実行を制御する。V入賞遊技実行制御部362は、羽根部材ソレノイド210が接続されている。V入賞遊技実行制御部362は、小当たり遊技の状況に応じて当該羽根部材ソレノイド210を制御して羽根部材202を開閉させる。
また、V入賞遊技実行制御部362は、羽根部材開放タイマ362A、羽根部材開放カウンタ362B、役物入賞カウンタ362C、ラウンドR2カウンタ362Dを備えている。当該羽根部材開放タイマ362Aは、羽根部材202の開放時間をカウントする。羽根部材開放カウンタ362Bは、羽根部材202の開放回数をカウントする。役物入賞カウンタ362Cは、入賞判定部350を介して入力された受入センサ212からの入賞信号に基づいて、センター役物105内へ受け入れられた遊技球PBの球数をカウントする。V入賞したラウンドR2カウンタ362Dは、複数ラウンドからなる小当たり遊技のラウンド数をカウントする。
ここで、特図抽選による小当たりの場合、V入賞遊技実行制御部362は、羽根部材開放タイマ362Aに基づき、羽根部材ソレノイド210を制御して所定時間(本実施の形態では、0.5秒)羽根部材202を開放する。当該羽根部材202の開放により、センター役物105へ受入れられた遊技球PBがV入賞したことをV入賞センサ260が検出すると、V入賞検出センサ260は入賞信号を入賞判定部350へ出力する。
入賞判定部350は、当たり種類抽選部368と接続されている。当たり種類抽選部368は、入賞判定部350からの入力に基づき、当たり種類の抽選を行う。具体的には、当たり種類抽選部368は、乱数カウンタ356及び抽選結果判定部364と接続されている。当たり種類抽選部368は、乱数カウンタ356から乱数値を取得し、取得した乱数値情報を抽選結果判定部364へ出力する。抽選結果判定部364は、当たり値メモリ366に記憶された当たり値に基づいて、大入賞遊技かV入賞遊技かを判定する。
大入賞遊技の場合、抽選結果判定部364は、上記と同様に指示信号を大入賞遊技実行制御部360へ出力する。一方、V入賞遊技の場合、抽選結果判定部364は、V入賞情報をV入賞遊技実行制御部362へ出力し、これによりV入賞遊技実行制御部362においてV入賞遊技の実行が制御されることとなる。
V入賞遊技の実行において、V入賞遊技実行制御部362は、羽根部材ソレノイド210を制御して羽根部材202を開放する。このとき、開放された羽根部材202から遊技球PBがセンター役物105へ入ると、受入れセンサ212が検知する。受入れセンサ212は、入賞判定部350と接続されている。受入れセンサ212が検出した入賞情報は、入賞判定部350を介して、V入賞遊技実行制御部362へ入力されるようになっている。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
(エラーの監視レベルの設定)
本実施の形態に係るパチンコ機10は、ガラス枠16の上部2箇所の角部には、エラーランプとして機能する3連表示部62が設けられており、何からのエラーが発生すると、この3連表示部62の点灯色でエラー内容が認識できる。
また、エラー監視用制御部70は、前記3連表示部62のみならず、前記パチンコ機10の周囲に設けられた演出部56及びスピーカ60を報知制御対象として制御するようになっている。
遊技中に発生したエラーとは、遊技盤18面近傍で磁力を検出した場合、遊技盤18に振動が起きた場合、ガラス枠16等が開放した場合、遊技中の遊技球PBの不正な入賞があった場合等である。
エラー監視用制御部70には、主制御部150から、RAMクリア信号と、不正入賞信号が入力されるようになっており、前記センサによるエラー監視と同時に監視する。
ここで、本実施の形態では、切替スイッチ72を設置し、店員等が操作可能とした。切替スイッチ72は、3段階(3接点)切替タイプであり、この切替スイッチ72の切替操作位置に基づいて、記憶装置70Bに予め定めた3段階の報知形態から1つの報知形態が選択されるようになっている。3段階の報知形態は、報知対象は同一であるが、相対的に報知形態の強度(報知レベル)が異なっている。このため、店の状況によって、適正な報知形態を選択することができる。
(パチンコ機10の遊技の流れ(一例))
パチンコ機10による遊技では、遊技者が発射ハンドル26を操作すると、一球ずつ発射装置によって上方へ発射される。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤18の遊技領域19に打ち込まれ、遊技釘20や風車、入賞口等の各種役物74、105、107、108A、109、110に当たり方向を変えながら遊技領域19内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域19の下端部に至った遊技球PBはアウト口112からパチンコ機10内に回収される。
また、遊技球PBが遊技領域19内に設けた入賞口108A、108B、110やセンター役物105内に入賞したり、通過ゲート107を通過すると、それぞれの遊技仕様に基づく処理(例えば、抽選等)が実行されると共に、LCD106への画像表示演出、スピーカ60を用いた音演出等が実行される。
(遊技仕様の一例)
図9、図10のフローチャートに従い、本実施の形態に係るパチンコ機全体としての遊技仕様に基づく遊技の流れの一例を示す。
ステップ400では、特図A始動入賞口108Aに遊技球PBが入賞したか否かが判断される。肯定判定されると、ステップ402へ移行する。
ステップ402では、特図Aにおける特図抽選を実行可能か否かが判断される。このとき、例えば、特図Bにおける特図抽選の実行中又は実行保留中か否か、大入賞遊技中又はV入賞遊技中か否か等が判断される。いずれにも該当しない場合に、特図抽選が実行可能となる。
ステップ402で肯定判定されると、ステップ404へ移行し、特図抽選が実行される。次のステップ406では、特図抽選の結果(直当たりか小当たりか)が判定される。本実施の形態では、直当たりが1/397、小当たりが396/397(直当たり:小当たり=1:396)に設定されているが、遊技仕様により適宜選択確率を決めればよい。また、落選(外れ)を導入してもよい。ステップ406で直当たりと判定されると、ステップ408へ移行する。
また、このステップ404における特図抽選時には、直当たりか小当たりかの抽選の他に、以下の抽選が同時に実行される。即ち、小当たりの場合には、羽根部材202は1回開きか3回開きか、及びその特図抽選演出の開始から羽根部材202の開放までの時間、V入賞後の遊技状態は大入賞遊技かV入賞遊技(カップインチャレンジ)か、及び、V入賞後に大入賞遊技となる場合には、そのラウンド数(本実施の形態では16R、8R、3Rのいずれか)を抽選で決定する。また、直当たりによる大当たり及び小当たり後のV入賞による大当たりに伴う大当たり遊技後の特典遊技としての時短遊技の付加の有無、及び時短付加有の場合はその回数(本実施の形態では10回か50回のいずれか)も全てこの特図抽選時に同時に抽選で決定される。尚、直当たりの場合には、必ずラウンド数16の大入賞遊技が選択され、その大入賞遊技の後は小当たりの場合と同じく抽選により、0回、10回又は50回の時短遊技が特典として付与される。
一方、ステップ406で小当たりと判定されると、ステップ407へ移行する。ステップ407では、設定された演出時間が最長のものか否か、すなわち後述の直当たり演出か小当たり演出かが判断される。否定判定された場合(小当たり演出)はステップ409へ移行し、肯定判定された場合(直当たり演出)はステップ412へ移行する。
ステップ409では、羽根部材202の開放回数が1回か3回かが判断される。開放回数が1回と判断されるとステップ410へ移行し、開放回数が3回と判断されるとステップ411へ移行する。
ステップ410では、小当たり演出の後、羽根部材202を1回、所定時間(本実施の形態では、0.5秒)開放し、ステップ413へ移行する。また、ステップ411では、小当たり演出の後、羽根部材202を3回、所定時間(本実施の形態では、0.5秒)開放し、ステップ413へ移行する。一方、ステップ412では、直当たり演出の後、羽根部材202を3回、所定時間(本実施の形態では、0.5秒)開放し、ステップ413へ移行する。
ここで、ステップ410、ステップ411とステップ412との間に見られる差異は、羽根部材202の開放回数及び演出時間(小当たり演出か直当たり演出か)の違いであるが、ステップ407で判断される最長時間の演出(直当たり演出)による小当たりは、言い換えれば、直当たり演出の落選に相当するものであり、この直当たりの期待感を持って演出が実行されたにも関わらず、落選したため、遊技者に僅かではあるが、直当たり演出後の羽根部材202の開放よりも有利とする意味合いを持たせたものである。この3回の開放により、センター役物105内へ遊技球PBが流入する確率を高めることができる。
このように、羽根部材202の開放回数(1回又は3回)は、LCD106による演出と同期して実行されるものであるが、羽根部材202の開放制御は主制御部150、LCD106を用いた演出制御は演出制御部152であり、このLCD106による演出の詳細は、図20に基づき、後述する。
ステップ413では、所定時間経過するのを待って、ステップ414へ移行する。
ステップ414では、遊技球PBがセンター役物105内に入りV入賞したか否かが判定される。肯定判定されると、ステップ416へ移行する。
ステップ416では、ステップ404の特図抽選時の抽選結果に従って、大入賞遊技かV入賞遊技かの当たり種類が実行される。例えば、本実施の形態では、大入賞遊技とV入賞遊技の割合を33:67に設定する。さらに、大入賞遊技のラウンド数を複数種類(16R、8R、3R)設け、それぞれ11:11:11に設定する(16R:8R:3R:V入賞遊技=11:11:11:67)。
ステップ416で大入賞遊技と判定された場合には、ステップ408へ移行し、抽選結果に応じたラウンド数の大入賞遊技処理が実行され、時短遊技が付加されている場合には、その後の時短遊技が実行される。一方、ステップ416でV入賞遊技と判定された場合には、ステップ418へ移行し、V入賞遊技処理が実行され、時短遊技が付加されている場合には、その後の時短遊技が実行される。これにより、本ルーチンは終了する。
なお、ステップ400、ステップ402、ステップ414で否定判定された場合、本ルーチンは終了する。
一方、ステップ450では、特図B始動入賞口108Bへの入賞が保留されているか否かが判定される。
ステップ450で肯定判定されると、ステップ452へ移行し、保留球数(本実施の形態では、最大4球)を1減算してステップ456へ移行する。
一方、ステップ450で否定判定されると、ステップ454へ移行する。ステップ454で、特図B始動入賞口302Bに遊技球PBが入賞したか否かが判定され、肯定判定されるとステップ456へ移行する。
次のステップ456では、特図抽選が実行される。次のステップ457では、特図抽選の結果(直当たりか小当たりか)が判定される。本実施の形態では、直当たりが1/397、小当たりが396/397(直当たり:小当たり=1:396)に設定されているが、遊技仕様により適宜選択確率を決めればよい。また、落選(外れ)を導入してもよい。さらに、当該比率は、特図Bによる特図抽選と特図Aにおける特図抽選とで異ならせてもよい。ステップ457で直当たりと判定されると、ステップ408へ移行する。
また、このステップ456における特図抽選時には、直当たりか小当たりかの抽選の他に、以下の抽選が同時に実行される。即ち、小当たりの場合には、羽根部材202は1回開きか3回開きか、及びその特図抽選演出の開始から羽根部材202の開放までの時間、V入賞後の遊技状態は大入賞遊技かV入賞遊技(カップインチャレンジ)か、及び、V入賞後に大入賞遊技となる場合には、そのラウンド数(本実施の形態では16R、8R、3Rのいずれか)を抽選で決定する。また、直当たりによる大当たり及び小当たり後のV入賞による大当たりに伴う大当たりの遊技後の特典遊技としての時短遊技の付加の有無、及び時短付加有の場合はその回数(本実施の形態では10回か50回のいずれか)も全てこの特図抽選時に同時に抽選で決定される。尚、直当たりの場合には、必ずラウンド数16の大入賞遊技が選択され、その大入賞遊技の後は小当たりの場合と同じく抽選により、0回、10回又は50回の時短遊技が特典として付与される。
一方、ステップ457で小当たりと判定されると、ステップ458へ移行する。ステップ458では、設定された演出時間が最長のものか否か、すなわち特別演出か通常演出かが判断される。否定判定された場合(小当たり演出)はステップ459へ移行し、肯定判定された場合(直当たり演出)はステップ462へ移行する。
ステップ459では、小当たり演出の後、羽根部材202の開放回数が1回か3回かが判断される。開放回数が1回と判断されるとステップ460へ移行し、開放回数が3回と判断されるとステップ461へ移行する。
ステップ460では、小当たり演出の後、羽根部材202を1回、所定時間(本実施の形態では、0.5秒)開放し、ステップ463へ移行する。また、ステップ461では、小当たり演出の後、羽根部材202を3回、所定時間(本実施の形態では、0.5秒)開放し、ステップ463へ移行する。一方、ステップ462では、直当たり演出の後、羽根部材202を3回、所定時間(本実施の形態では、0.5秒)開放し、ステップ463へ移行する。
ここで、ステップ460、ステップ461とステップ462との間に見られる差異は、羽根部材202の開放回数及び演出時間(小当たり演出か直当たり演出か)の違いであるが、ステップ458で判断される最長時間の演出(直当たり演出)による小当たりは、言い換えれば、直当たり演出の落選に相当するものであり、この直当たりの期待感を持って演出が実行されたにも関わらず、落選したため、遊技者に僅かではあるが、通常の演出後の羽根部材202の開放よりも有利とする意味合いを持たせたものである。この3回の開放により、センター役物105内へ遊技球PBが流入する確率を高めることができる。
このように、羽根部材202の開放回数(1回又は3回)は、LCD106による演出と同期して実行されるものであるが、羽根部材202の開放制御は主制御部150、LCD106を用いた演出制御は演出制御部152であり、このLCD106による演出の詳細は、図20に基づき、後述する。
ステップ463では、所定時間経過するのを待って、ステップ464へ移行する。
ステップ464では、遊技球PBがセンター役物105内に入りV入賞したか否かが判定される。肯定判定されると、ステップ466へ移行する。
ステップ466では、ステップ456の特図抽選時の抽選結果に従って、大入賞遊技かV入賞遊技かの当たり種類が実行される。例えば、本実施の形態では、大入賞遊技とV入賞遊技の割合を90:10に設定する。さらに、大入賞遊技のラウンド数を複数種類(16R、8R、3R)設け、それぞれ30:30:30に設定する(16R:8R:3R:V入賞遊技=30:30:30:10)。
ステップ466で大入賞遊技と判定された場合には、ステップ408へ移行し、抽選結果に応じたラウンド数の大入賞遊技処理が実行され、時短遊技が付加されている場合には、その後の時短遊技が実行される。一方、ステップ466でV入賞遊技と判定された場合には、ステップ418へ移行し、V入賞遊技処理が実行され、時短遊技が付加されている場合には、その後の時短遊技が実行される。これにより、本ルーチンは終了する。
なお、ステップ454、ステップ464で否定判定された場合、本ルーチンは終了する。
ところで、本実施の形態では、センター役物105内における遊技球PBの流路として、第1の案内路としてのパットインルートと、第1の案内路以外の案内路としてのナイスショットルート(ホールインワンルート及びチップインルート)と、第2の案内路としてのホールインワンルートと、第2の案内路以外の案内路としてのチップインルートと、がある。センター役物105において遊技球PBがいずれのルートに振り分けられるかは、遊技球PBの自重による自然落下によるところが大きいが、適所に第1の振分部材214やメッセージボード(第2のキャラクタ244)を設け遊技球PBの流れについて制御可能にしている。すなわち、図9のステップ410、411、412、及び図10のステップ460、461、462における羽根部材202の開放制御に同期して、第1の振分部材214及びメッセージボード(第2のキャラクタ244)の動作を制御している。
通常時(羽根部材202の閉鎖時)において、第1の振分部材214は左側に傾斜しており、メッセージボード(第2のキャラクタ244)は一定間隔で動作している。
図31に示される如く、始動入賞に基づく羽根部材202の開放に伴い、第1の振分部材214は一度右側に傾斜し左側へ戻る。これにより、役物105内へ流入した遊技球PBがナイスショットルートへ進めば、パットインルートよりもV入賞する確率が高まる。なお、この際もメッセージボード(第2のキャラクタ244)は一定間隔での動作を継続している。
図9のステップ410、図10のステップ460(小当たり演出で羽根部材1回開放)の場合には、上述の処理がなされる。また、図9のステップ411、ステップ412、図10のステップ461、ステップ462(直当たり演出で羽根部材3回開放(直当たり演出落選))における最終開放時以外の開放時(開放1回目、2回目)は、上述の処理がなされる。
一方、図9のステップ411、ステップ412、図10のステップ461、ステップ462における最終開放時(開放3回目)においては、第1の振分部材214は右側へ傾斜し、メッセージボード(第2のキャラクタ244)は突出状態となる。すなわち、羽根部材202の最終開放時に遊技球PBが役物105内へ流入すれば、流入した遊技球PBは全てホールインワンルートへ導かれる構造となっている。
なお、本実施の形態では、小当たり演出後の羽根部材202の3回開放では、羽根部材202の最終開放時に遊技球PBをホールインワンルートへ導くようにしているが、設定により、第2の実施の形態として、図31に破線で示すように、図9のステップ411、図10のステップ461の処理において、小当たり演出での羽根部材202の1回目や2回目の開放の場合と同じく、第1の振分部材214は、一度右側(ナイスショットルート側)に傾斜した後左側に戻り、メッセージボード244もその1回目や2回目の動きと同じく、一定間隔での動作を継続している仕様としてもよい。かかる遊技仕様によれば、小当たり演出後の3回開放遊技において上記実施形態よりも射幸性を抑制しつつ遊技者の技量によりV入賞をめざす遊技仕様を実現することができる。
また、本実施の形態では、羽根部材202の3回目の開放でセンター役物105内に受入れられた遊技球PBは全てホールインワンルートへ導かれる仕様になっているが、第3の実施形態として、図9のステップ411、ステップ412、図10のステップ461、ステップ462の各処理において、3回目の開放の際、第1の振分部材214を図31の実線で示すように、本実施の形態と同様に、羽根部材202の3回目の開放に合わせて右側へ傾斜し、メッセージボード244は、図31に破線で示すように、3回目の開放の際も羽根部材の1回目や2回目の開放の場合と同じく、一定間隔での動作を継続するように制御させて本実施の形態よりも射幸性を抑制する仕様としてもよい。かかる遊技仕様によれば、羽根部材202の3回目の開放の際、センター役物105内に受入れられた遊技球PBは必ず右側の高確率のルートに導かれることとなり、V入賞の可能性は本実施の形態よりは低いものの第2の実施の形態よりも高くすることができる。
図11には、上記ステップ408における大入賞遊技処理の流れが示されている。
ステップ500において、ラウンドR1カウンタ360Cの大入賞遊技のラウンド数R1が0に設定される。次のステップ502では、アタッカー開放タイマ360A、アタッカー入賞カウンタ360Bがリセットされる。さらに次のステップ504では、上記ラウンドR1カウンタ360Cのラウンド数R1に1を加え、ステップ506へ移行する。
ステップ506では、アタッカー110が開放されると共に、アタッカー開放タイマ360Aがスタートされる。
次のステップ508では、アタッカー110への遊技球PBの入賞球数が10個あるか否かを判定する。ステップ508で否定判定されると、ステップ510へ移行する。
ステップ510では、アタッカー110の開放時間が所定時間(本実施の形態では30秒)を超えたか否かを判定する。ステップ510で否定判定されると、ステップ506へ戻る。
一方、ステップ508で肯定判定された場合、及びステップ510で肯定判定された場合にはステップ512へ移行する。ステップ512では、アタッカー110が閉鎖される。
次のステップ514では、ラウンドR1が所定ラウンドか否かが判定される。例えば、特図A始動入賞による特図抽選(ステップ406)で直当たりとなった場合には2ラウンド、特図B始動入賞による特図抽選(ステップ456)で直当たりとなった場合には16ラウンドが設定される。また、特図抽選により小当たりとなったときの羽根部材202開放後のV入賞による当たり種類抽選(ステップ416又はステップ466)で大入賞遊技となった場合には抽選により16ラウンド、8ラウンド、3ラウンドが設定される。
従って、ステップ514では、上記設定されたラウンドか否か判定されることとなる。ステップ514で否定判定されると、ステップ502へ戻り、肯定判定されるとステップ516へ移行する。
ステップ516では、時短遊技処理が実行される。ここで、時短遊技とは、普図抽選に必要な時間を通常よりも短くし、かつ当選したときの電動チューリップ109の開放時間を長くした状態での遊技のことをいう。
例えば、通常遊技では、普図抽選に必要な時間が30秒で、電動チューリップ109の開放時間が0.5秒であるのに対し、時短遊技では、普図抽選に必要な時間が0.5秒で、電動チューリップ109の開放時間が6秒に設定する。このような遊技状態の変化により、特図B始動入賞口108Bの始動入賞確率を変化させることが可能となる。
本実施の形態では、直当たりによる大入賞遊技後には抽選で10回又は高確率での50回(有効始動入賞回数)の時短遊技を付し、時短遊技からの大当たりによる大入賞遊技後には抽選で10回又は50回の時短遊技を付す。また、直当たりからの場合も時短遊技からの場合も抽選により大入賞遊技後の時短遊技を1回も得られない(時短回数0)場合もある。これにより本ルーチンは終了する。
なお、これらの時短回数の抽選は、当該大入賞遊技開始のための必要条件である特図A始動入賞口108A又は特図B始動入賞口108Bへの遊技球PBの入賞時に特図抽選と共に予め実行されている。
このステップ516における時短遊技の有無、並びに回数の報知は、大当たり処理中にLCDを用いて実行されるようになっており、このLCD106を用いた時短遊技有無及び回数報知の演出制御に関しては後述する(図21〜図29参照)。
上記実施の形態では、大入賞遊技後の時短遊技の回数を直当たりの場合と時短遊技からの大当たりの場合とで明確に分けて、各遊技後の連荘確率に変化を持たせているが、大入賞遊技後の時短回数は必ずしも双方で変える必要はなく、それぞれ抽選で10回又は50回の時短回数が付与されるようにしてもよい。
なお、上述の時短回数0は一方の大入賞遊技後にだけ付与されるものであってもよく、また、例えば直当たりからの大入賞遊技後の時短遊技は、全ての場合において50回付与され、時短遊技からの大当たりの場合は、抽選により0回、10回又は50回の何れかの時短回数が付与されるようにしてもよい。これにより、直当たりの場合と時短遊技からの大当たりの場合とで各遊技後の連荘確率を更に大きく変化させることができる。
また、仕様により、直当たりの場合と時短遊技からの大当たりの場合とのいずれにおいても大入賞遊技後の時短遊技は、同じ確率で抽選により0回、10回又は50回の何れかとすることもできる。
さらに、大入賞遊技後の時短遊技の回数をそれぞれ0回、10回又は50回の場合があり、しかも各時短回数の発生確率を同確率とすることにより、各大入賞遊技後の連荘確率が同じとなり、遊技のメリハリは少し小さくなるものの、良く当たりの出る、いわゆる遊技者にとって遊べる遊技仕様を持つ遊技機を得ることができる。
図12には、上記ステップ418におけるV入賞遊技処理の流れが示されている。
ステップ550において、ラウンドR2カウンタ362DのV入賞遊技のラウンド数R2が0に設定される。次のステップ552では、役物入賞カウンタ362C、羽根部材開放カウンタ362Bがリセットされる。さらに次のステップ554では、上記ラウンドR2カウンタ362Dのラウンド数R2に1を加え、ステップ556へ移行する。
ステップ556では、羽根部材202の開放動作が開始される。本実施の形態では、羽根部材開放タイマ362Aに基づき、羽根部材202の開放1回につき0.7秒開放される。
次のステップ558では、センター役物105への遊技球PBの入賞球数が10個あるか否かを判定する。ステップ558で否定判定されると、ステップ560へ移行する。
ステップ560では、羽根部材202の開放回数が所定回数(本実施の形態では18回)を超えたか否かを判定する。ステップ560で否定判定されると、ステップ556へ戻る。
一方、ステップ558で肯定判定された場合、及びステップ560で肯定判定された場合にはステップ562へ移行する。ステップ562では、羽根部材202の開閉動作が停止される。
次のステップ564では、遊技球PBがV入賞したか否かが判定される。肯定判定されると、ステップ566へ移行する。
ステップ566では、ラウンドR2が所定ラウンドか否かが判定される。本実施の形態では、16ラウンドを上限として設定しており、16ラウンドか否かが判定される。否定判定されると、ステップ552へ戻る。一方、ステップ564で肯定判定された場合、及びステップ566で肯定判定された場合、ステップ516へ移行する。
ステップ516では、上記と同様に時短遊技処理が実行される。
本実施の形態では、通常遊技からのV入賞遊技の場合0回、10回、50回の何れかの時短遊技を付し、時短遊技からのV入賞遊技の場合10回又は50回の時短遊技を付す。これにより、本ルーチンは終了する。
尚、本実施の形態においても時短遊技からのV入賞遊技の場合も0回、10回又は50回の何れかの時短遊技を付与するようにしてもよい。
このステップ516における時短遊技の有無、並びに回数の報知は、大当たり処理中にLCDを用いて実行されるようになっており、このLCD106を用いた時短遊技有無及び回数報知の演出制御に関しては後述する(図21〜図29参照)。
図13には、本実施の形態における普通図柄抽選の流れが示されている。
ステップ600では、遊技球PBが通過ゲート107を通過したか否かが判定される。否定判定されると、このルーチンは終了する。
一方、ステップ600で肯定判定されると、ステップ602において、普図抽選が実行される。次のステップ604へ移行する。
ステップ604では、普図抽選の結果(当たりか外れか)が判定される。ステップ604で否定判定されると本ルーチンは終了し、肯定判定されるとステップ606へ移行する。
ステップ606では、時短遊技中か否かが判定される。否定判定されるとステップ608へ移行し、肯定判定されるとステップ610へ移行する。
ステップ608では、通常遊技時の電動チューリップ109の開放時間(本実施の形態では、0.5秒)が設定され、ステップ612へ移行する。一方、ステップ610では、時短遊技時の電動チューリップ109の開放時間(本実施の形態では、6秒)が設定され、ステップ612へ移行する。
ステップ612では、電動チューリップ109が上記ステップ608又はステップ610で設定された時間開放され、本ルーチンは終了する。
以上説明したように本実施の形態では、特図A始動入賞口108A又は特図B始動入賞口108Bへ始動入賞することにより特図抽選が実行され、直当たりとなった場合には大入賞口の開放により、遊技者に有利な大入賞遊技へと移行する。一方、特図抽選で小当たりとなった場合でも、羽根部材202の開放によりV入賞すれば、当たり種類の選択抽選により大入賞遊技となる、あるいは、V入賞によりV入賞遊技が数ラウンド継続する、という何れかの遊技仕様が選択される。
本実施の形態においては、特図A始動入賞口108A又は特図B始動入賞口108Bへ入賞したかによって、入賞遊技の選択抽選の確率を異ならせているため、遊技状態に応じてより変化に富んだ遊技性を備えることができる。
(LCD106による演出について)
「始動前演出」
本実施の形態では、通常遊技中の始動前、すなわち、大当たり処理中ではなく、始動入賞口108に入賞する前の通常遊技中、LCD106では、図14(A)に示される基本画像170が表示されている。
基本画像170は、ゴルフ場におけるティーグラウンド画像172と、このティーグラウンド画像172から見たゴルフボールを打ち出すフェアウェイ画像174等で構成された背景画像176と、前記ティーグラウンドで、所謂アドレスに入ったプレイヤーキャラ画像178と、が組み合わされて構成されている。なお、時短中は、背景画像176がゴルフ練習場画像180になる(図14(B)参照)。
プレイヤーキャラ画像178は、始動入賞口108に遊技球PBが入賞したときにスイング動作をする動画像である。
ここで、プレイヤーキャラ画像178は、複数(本実施の形態では、4人)のキャラクタが準備されている。
このキャラクタは、遊技状態が、前記「通常遊技中の始動前」であることを条件に、遊技者の意思で変更することができるようになっている。
遊技者による変更の意思は、図1に示される如く、パチンコ機10の一体皿24に設けられた操作ボタン50の操作によって認識する。この操作ボタン50の操作があると、LCD106では、基本画像170からキャラクタ選択画像182に切り替わる(図14(C)参照)。
この画像の切り替わりと同時に、タイマが作動して、所定時間のキャラクタ選択時間が開始されるようになっている。なお、本実施の形態では、キャラクタ選択時間は5秒とされ、5秒経過すると、キャラクタ選択の有無に関わらず、基本画像170に戻るようになっている。
また、キャクタ選択画像182の表示中に、始動入賞口108に入賞があると、キャラクタ選択の有無に関わらず、抽選演出画像に切り替わるようになっている。
本実施の形態のキャラクタ選択画像182は、4人のプレイヤーキャラ画像178(以下、それぞれのキャラクタを区別するとき、プレイヤーキャラ画像178A、プレイヤーキャラ画像178B、プレイヤーキャラ画像178C、プレイヤーキャラ画像178D、という)が外を向いて円陣を組み、何れかのプレイヤーキャラ画像178が正面を向いた3D画像となっている。
前記キャラクタ選択画像182では、操作ボタン50を操作する毎に、前記円陣の中心軸を中心に90°ずつ回転し(図14(C)の矢印A参照)、4人のプレイヤーキャラ画像178A、プレイヤーキャラ画像178B、プレイヤーキャラ画像178C、プレイヤーキャラ画像178Dの何れかが順に正面を向くことで強調されるようになっている。この強調されたキャラクタが仮選択されたキャラクタとなり、本実施の形態では、タイムアウト(5秒経過)によって本選択となる。
ここで、本実施の形態では、このタイムアウトの前に、始動入賞口108に入賞があると、操作ボタン50が操作される前のキャラクタのまま、基本画像170に戻るのではなく、現在選択されようとしているキャラクタ、言い換えれば、始動入賞口108へ入賞する以前の操作ボタン50の操作が全て有効とされるようになっている。これにより、遊技者の意思を最後まで尊重する制御を実現することができる。
図15及び図16は、このキャラクタ選択制御の流れを示すフローチャートであり、演出制御部152で実行される。なお、図17及び図18は、前記キャラクタ選択制御の実行時における、主制御部150、演出制御部152及び図柄制御部156間の通信プロトコルを示している(図17は、図15に対応するタイムアウトによる終了時、図18は図16に対応する変動開始による終了時)。
図15に示される如く、ステップ272では、操作ボタンが操作されたか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。ステップ272で肯定判定されると、ステップ274へ移行して基本画像170(図14(A)参照)が表示中か否かが判断される。このステップ274で否定判定された場合は、通常遊技中の始動入賞口108へ入賞前の状態ではない(例えば、大当たり中)と判断し、このルーチンは終了する。
ステップ274で肯定判定されると、キャクラタ選択可能と判断し、ステップ276へ移行する。ステップ276では、キャラクタ選択画像182(図14(C)参照)を表示する。このとき、正面に表示されるキャラクタ(プレイヤーキャラ画像178)は、現在選択されているプレイヤーキャラ画像178となる。
次のステップ278では、タイマがリセット・スタートする。本実施の形態では、5秒に設定され、これがキャラクタ選択可能時間となる。
次のステップ280では、操作ボタン50が操作されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ282へ移行して、キャラクタ選択画像182のプレイヤーキャラ画像178A〜プレイヤーキャラ画像178Dで構成される円陣を90°回転させてスクロールし、正面のプレイヤーキャラ画像178を入れ替え、ステップ280へ戻る。この操作ボタン50の操作により、ローテーションしながら4人のプレイヤーキャラ画像178A〜プレイヤーキャラ画像178Dが仮選択される(ステップ280及びステップ282の繰り返し)。
一方、ステップ282で否定判定された場合は、ステップ284へ移行して、タイウアウトか(5秒経過したか)否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ280へ戻る。
また、ステップ284で肯定判定された場合は、ステップ286へ移行して、現在のキャラクタ選択画像182において、正面に表示されているキャラクタ(プレイヤーキャラ画像178A〜プレイヤーキャラ画像178Dの何れか)を本選択プレイヤーキャラ画像178とし、次いでステップ288ヘ移行して、基本画像170に戻る。このときの基本画像170では、本選択されたキャラクタ(プレイヤーキャラ画像178A〜プレイヤーキャラ画像178Dの何れか)のみが表示され、ティーグラウンド画像172上でアドレスに入った状態となる。
ここで、図15のキャラクタ選択制御ルーチンの実行中に始動入賞口108に有効入賞があった場合に、遊技仕様上、キャラクタのゴルフスウィング動画像に移行する必要がある。
図16は、キャラクタ選択制御の強制中止制御ルーチンであリ、始動入賞口108に有効入賞があったときに、割り込まれるルーチンである。
ステップ290では、現在LCD106に表示されている画像がキャラクタ選択画像182か否かが判断され、否定判定された場合は、現在が基本画像170等であるので、このルーチンは終了する。
ステップ290で肯定判定されると、ステップ292へ移行して、タイムアウト前ではあるが、これまでの操作ボタン50の操作を全て有効とした場合の選択キャラクタ(詳細には、現在正面に表示されているキャラクタ、若しくは回転中であれば回転終了後に正面に表示されるキャラクタ)を本選択キャラクタに設定し、次いでステップ294ヘ移行して、基本画像170に戻る。このときの基本画像170では、本選択されたキャラクタ(プレイヤーキャラ画像178A〜プレイヤーキャラ画像178Dの何れか)のみが表示され、ティーグラウンド画像172上でアドレスに入った状態となる。
「始動後演出」
前述した図9及び図10における始動入賞後の羽根部材202の開放制御(図9のステップ410、411、図10のステップ460、461)に同期するように、LCD106では、始動入賞による直当たり/小当たりの報知が実行される。
すなわち、本実施の形態では、前記始動入賞口108(特図A始動入賞口108A、又は特図B始動入賞口108B)に遊技球PBが入賞すると、特図抽選の結果に基づいて、LCD106上で特図抽選の結果を報知する演出画像(動画)が表示されるようになっている。
本実施の形態の場合、特図抽選は、1/397の確率で直当たりがあるのみで、それ以外(396/397)では、羽根部材202が開放する(以下、「小当たり」という)遊技仕様となっている。
「小当たり」における羽根部材202の開放は原則1回(図9のステップ410、図10のステップ460)であるが、1/20〜1/30の確率で開放回数が3回となる場合がある(図9のステップ411、図10のステップ461)。
この羽根部材202の開放時にセンター役物105内に遊技球PBが流入するか否かは、今後の遊技に大きな影響を与えることになる。
このとき、前記始動入賞口108に遊技球PBが入賞してから、同一時間経過後に一律に羽根部材202が開放すると、その時期を見計らって、狙い打ちされる可能性がある。
そこで、本実施の形態では、始動入賞口108に入賞してから羽根部材202が開放するまでの時間を複数設定した。従って、この複数の時間に合わせて、LCD106に表示する特図抽選結果報知画像(動画)の演出時間も複数設定した。
特図抽選結果報知画像は、大きく分けて、小当たり用と、直当たり用(当選及び落選)とがあり、小当たり用と直当たり用との間には、演出時間において大きな差がある。
(小当たり用演出)
小当たり用の特図抽選結果報知画像は、前記始動入賞口108に遊技球PBが入賞することで開始され、既に基本画像170(図14参照)として表示されているプレイヤーキャラ画像178がスウィング動作を開始し、最終的にショットするまでの画像となっている(以下、「スウィング演出」という)。このスウィング演出のショット時(インパクト時)に合わせて主制御部150の制御による前記羽根部材202が開放するようにスウィング演出の瞬間を各始動入賞に基づく抽選結果に合わせて設定することにより同期がとられている(図9のステップ410、ステップ411、図10のステップ460、ステップ461参照)。このスウィング演出のショット時(インパクト時)の画像が特定画像となる。また、この特定画像の前に演出されるスウィング動作の演出画像を前段画像と称する。
ところで、プレイヤーキャラ画像178は、所謂アドレスからトップスウィング、ダウンスウィング、インパクト、フォロースルーまでの間、特にトップスウィングでの「タメ」によって時間差を設けている。本実施の形態では、小当たり時のスウィング演出全体の演出時間として、4種類の演出時間を設定している(1.7秒、2.4秒、3.1秒、3.8秒)。
なお、実際には、さらに1種類の小当たり用演出時間が存在しており、これは、後述する直当たり用演出時の落選報知に相当する(約30秒)。
(直当たり用演出)
直当たり用の特図抽選結果報知画像は、前記始動入賞口108に遊技球PBが入賞することで開始され、前記スウィング演出が実行されるまでは前記小当たり用演出と同様の「擬似小当たり用演出」である(演出時間は、3.1秒、3.8秒、4.4秒)。
ここで、擬似小当たり用演出が前記小当たり用演出と異なるのは、ショット時に実際にゴルフボールをヒットせず、フォロースルー後に演出が継続される点である(以下、「継続演出」という)。また、主制御部150による羽根部材202の開放制御も行われない。
ゴルフボールをヒットしないことで、遊技者は直当たり演出に移行するものと認識することになる。
前記継続演出は、再度ボールをヒットさせた後、飛球を追い、最終的にカップインするか否かの演出となっている。この継続演出において、カップインすれば「直当たり」確定であり、カップインを逃せば「小当たり」確定となる。
なお、本実施の形態では、「直当たり」演出で落選、すなわち「小当たり」確定の場合、前記小当たり用演出に戻る制御を行っている。すなわち、演出でカップインを失敗した後、再び基本画像170(図14(A)参照)から始まるスウィング演出を実行(演出時間は4種類から選択)した後、ショット画像の表示タイミングに合わせて主制御部150が羽根部材202を連続3回開放することになるようにLCD106の演出はショット画像のタイミングを制御する(図9のステップ412、図10のステップ462参照)。
図19は、「小当たり」と「直当たり(落選)」及び「直当たり(当選)」の特図A表示器130,特図B表示器132上での特図制御の流れとLCD106上での演出とのタイミングチャート(横軸が時間軸)を示したものである。
「小当たり」の場合、変動時間(定速)と停止時間(減速を含む)とに分けられている。図19では、「小当たり」演出のタイミングを単一パターンで示しているが、変動時間を変更することで、合計時間が前記4種類の何れかのスウィング演出の演出時間となる。
「直当たり(落選)」の場合、変動時間と停止時間とに分けられており、変動時間を変更することで、合計時間が前記最初のスウィング演出+継続演出+最後のスウィング演出のための演出時間となる(約30秒)。なお、最初及び/又は最後のスウィング演出は、前述のように時間差のあるスウィング演出の何れかが選択される。この場合、4種類から選択してもよいが、本実施の形態では、直当たり(当選)との差が目立ちすぎるので、少なくとも最も短い演出(1.7秒)は直当たり(落選)では適用していない。
また、スウィング演出の時間は、最初と最後とで同一の時間が選択され、例えば3.8秒のスウィング演出を開始した場合は再開後のスウィング演出も3.8秒である。
「直当たり(当選)」の場合、変動時間と停止時間とに分けられており、変動時間を変更することで、合計時間が前記最初のスウィング演出+継続演出のための演出時間となる(約27秒)。
なお、図19における「スウィング」とはアドレスからトップスウィングまでを言い、「ショット」とはトップ位置からのダウンスウィングでインパクトを経てフォロースルーまでを言うものとする。また、「リーチ演出」とは継続演出の共通部分のことを言い、その後に「カップイン失敗」演出が付加されると、「直当たり(落選)」となり、「カップイン成功」演出が付加されると、「直当たり(当選)」となる。
図20は、演出制御部152における始動入賞時の演出制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ370では、主制御部150から演出実行コマンドが入力されたか否かが判断され、否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
また、ステップ370で肯定判定されると、ステップ372へ移行して演出が「小当たり」か「直当たり」かが判別される。
このステップ372で「小当たり」演出と判別されると、ステップ374へ移行する。
このステップ374を含め、ステップ376、ステップ378により、演出時間を判別する。すなわちステップ374で演出時間Aか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ380へ移行して演出時間A(ここでは、2.4秒)の演出が実行され、このルーチンは終了する。
また、ステップ374で否定判定されると、ステップ376で演出時間Bか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ382へ移行して演出時間B(ここでは、3.1秒)の演出が実行され、このルーチンは終了する。
また、ステップ376で否定判定されると、ステップ378で演出時間Cか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ384へ移行して演出時間C(ここでは、3.8秒)の演出が実行され、このルーチンは終了する。
また、ステップ378で否定判定されると、ステップ386へ移行して演出時間D(ここでは、1.7秒)の演出が実行され、このルーチンは終了する。
次に、前記ステップ372で「直当たり」演出と判別されると、ステップ388へ移行する。
ステップ388では、演出時間Eか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ390へ移行して演出時間E(ここでは、3.1秒)の演出が実行され、ステップ397へ移行する。
また、ステップ388で否定判定されると、ステップ392で演出時間Fか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ394へ移行して演出時間F(ここでは、3.8秒)の演出が実行され、ステップ397へ移行する。
また、ステップ392で否定判定されると、ステップ396へ移行して演出時間G(ここでは、4.4秒)の演出が実行され、ステップ397へ移行する。
ステップ397では、前記「直当たり」が当選か落選かを判断し、当選と判断された場合は、ステップ398へ移行して当選演出を実行する。この当選演出は、前記「小当たり」演出よりも長い演出(継続演出)が実行される。
また、ステップ397で落選と判断された場合は、ステップ399へ移行して落選演出を実行する。この当選演出は、前記「小当たり」演出よりも長い演出(継続演出)が実行される。
ここで、ステップ398及びステップ399における継続演出は同一の動画像であるが、当該動画像で繰り広げられる状況の結果が、当選時と落選時とで異なっている。本実施の形態では、継続演出は、ショットされたゴルフボールがカップインするまでの過程を示しており、当選時はカップインに成功し、落選時はカップインに失敗する画像が表示される。
前記ステップ398で「直当たり(当選)」の演出が終了すると、このルーチンは終了する。一方、ステップ399で「直当たり(落選)」の演出が終了すると、ステップ374へ戻り、「疑似小当たり」で選択されていた時間と同一の通常の「小当たり」の演出を経て(前述したステップ374以降の処理)、このルーチンは終了する。
このように、本実施の形態では、始動入賞してから羽根部材202が開放するまでの時間を、複数設定し、これを異なる演出時間のLCD106による演出時間と同期させるようにしたため、遊技者に違和感なく時間差を持った羽根部材202の開放開始時期を設定することができる。
これにより、羽根部材202の開放時期を狙って遊技球PBを発射する、所謂「狙い打ち」が困難になり、設計通り(例えば、センター役物105への流入率等)の遊技の進行を期待することができる。
また、この演出時間差の中に、他と比べて極めて長い演出(擬似小当たり演出+継続演出+小当たり演出)を含ませ、これを「直当たり(落選)」演出としている。この「直当たり(落選)」演出を取り入れることで、上記「狙い打ち」防止という効果以外に、「直当たり」演出の期待感(当選か落選か)を持続することができるという効果を奏する。
また、この「直当たり(落選)」演出後の小当たり処理、すなわち、羽根部材202の開放回数を、前記他の短い演出時の羽根部材の開放回数(1回)よりも多くした(3回)。これにより、「直当たり」に落選した遊技者の救済をすることができる。
「大当たり処理中演出」
通常、大当たり処理中は、賞球が極めて多く遊技者にとって有利な状態であるので、演出も普段は見られない画像をLCD106に表示したり、普段は聞くことができない音楽や音声をスピーカ60から流すようにして、演出効果を高め、遊技趣向性を向上させている。
本実施の形態では、大当たり処理後に、時間短縮モード(時短モード)を付与する場合がある(図11のステップ516、図12のステップ516参照)。この時短モードが付与されるか否か(有無)の報知は、大当たり処理中にLCD106と、前記時短報知用表示部74(図2参照)を用いて演出を交えて報知するようになっている。
なお、時短遊技とは、前述したように、普図抽選に必要な時間を通常よりも短くし、かつ当選したときの電動チューリップ109の開放時間を長くした状態での遊技であり、特図B始動入賞口108Bからの始動入賞が多くなり、遊技者に有利となる。
ここで、本実施の形態では、前記時短報知をLCD106及び時短報知用表示部74で実行する場合の演出として、始動前演出等に用いられ、現在選択されているプレイヤーキャラ画像178を用いて報知することが特徴となっている。本実施の形態では、プレイヤーキャラ画像178は4種類(A〜D)が存在するが、この登場する(表示される)プレイヤーキャラ画像178が変わるのみならず、それぞれのプレイヤーキャラ画像178に応じて、それぞれ異なる演出形態を持っている(表1参照)。
図21は、演出制御部152における、大当たり処理中時短報知制御のルーチンを示すフローチャートであり、通常の大当たり処理演出と共に、大当たり処理が開始されると起動する。
ステップ470では、現在選択されているプレイヤーキャラ画像178を判別する。この選択されているプレイヤーキャラ画像178は、図15及び図16の処理により選択されたものであり、これにより、統一感を持たせることができる。
次のステップ472では、ステップ470で判定されたプレイヤーキャラ画像178がキャラAか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ474へ移行してキャラA時短演出処理が実行される。
ステップ472で否定判定されると、ステップ476へ移行して、ステップ470で判定されたプレイヤーキャラ画像178がキャラBか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ478へ移行してキャラB時短演出処理が実行される。
ステップ476で否定判定されると、ステップ480へ移行して、ステップ470で判定されたプレイヤーキャラ画像178がキャラCか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ482へ移行してキャラC時短演出処理が実行される。
また、ステップ480で否定判定されると、ステップ484へ移行して、キャラD時短演出処理が実行される。
(キャラA時短演出)
図22に従い、キャラA時短演出処理の詳細を説明する。なお、図23(A)〜(C)は、LCD106及び時短報知用表示部74を用いた演出画像等を、コマ送り的に示したものである。
ステップ490では最終ラウンドの1つ前(maxR−1)か否かが判断され、肯定判定されるまで待機する。
ステップ490で肯定判定されると、ステップ492へ移行してLCD106に初期画像を表示する(図23(A)参照)。この初期画像では、選択されたプレイヤーキャラ画像178Aが表示されると共に、「ドラコンチャンス」という文字表示がなされ、操作ボタンの連打を促すメッセージを表示する。これを見た遊技者は、操作ボタン50を連打する。
次のステップ494では、プレイヤーキャラ画像178Aがアドレスに入っている画像が表示される(図23(B)参照)。このとき、操作ボタン50の操作状態がレベルゲージ画像184によって表示される。例えば、連打が続いていればレベルアップし、連打が途切れるとレベルダウンする。また、操作ボタン50の操作可能時間がカウンドダウン表示される。
カウントダウンが「0」になると、プレイヤーキャラ画像178Aはスウィングを開始し、ボールをショットし、画像は飛球画像に切り替わる。
次のステップ496では、最終ラウンド(maxR)か否かが判断され、肯定判定されるまで待機する。この待機時間を前記飛球画像の長さで調整する。
ステップ496で肯定判定されると、ステップ498へ移行して、結果表示がなされる図23(C)参照)。
すなわち、LCD106では、ボールが着地して、ラインを超えるか超えないかの動画が流れ、ラインを突破すると時短獲得、ラインを突破せずに終了すると時短非獲得となる。
(キャラB時短演出)
図24に従い、キャラB時短演出処理の詳細を説明する。なお、図25(A)〜(C)は、LCD106及び時短報知用表示部74を用いた演出画像等を、コマ送り的に示したものである。
ステップ570では、演出時期か否かが判断され、否定判定された場合は、演出時期になるまで待機する。
ステップ570で肯定判定されると、ステップ572へ移行して初期画像を表示する(図25(A)参照)。
この初期画像では、選択されたプレイヤーキャラ画像178Bが表示されると共に、時短報知用表示部74の表示によって時短の獲得の有無、種類が決まる旨のメッセージが表示され、当該時短報知用表示部74では、「特訓」領域と「レッスン」領域とが交互に点滅する。
次のステップ574では、操作ボタン画像が表示される(図25(B)参照)。この画像は、遊技者に操作ボタン50の操作を促すための画像であり、操作ボタン50を操作しているかのように、アクティブに表示する。
次のステップ576では、結果表示がなされる(図25(C)参照)。
この結果発表は、時短獲得の場合は、「獲得」の文字が表示され、併せて時短報知用表示部74の点灯した方の種類(例えば、「特訓」)の文字が併せて表示される。
また、時短非獲得の場合は、例えば、「残念」等の文字が表示され、時短報知用表示部74は消灯する。
(キャラC時短演出)
図26に従い、キャラC時短演出処理の詳細を説明する。なお、図27(A)〜(C)は、LCD106を用いた演出画像等を、コマ送り的に示したものである。
ステップ580では、最終ラウンド開始か又は終了か(本実施の形態では、最終ラウンド終了か)否かが判断され、否定判定された場合は、最終ラウンドが終了するまで待機する。
ステップ580で肯定判定されると、ステップ582へ移行して初期画像を表示する(図27(A)参照)。
この初期画像では、時短の獲得の有無、種類を決めるための「チャンスタイム抽選」が開始される旨のメッセージが表示される。
次のステップ584では、一対のボール画像186A、186Bが表示され、互いに左右に押し合う動画像が表示される(図27(B)参照)。この一対のボール画像186A、186Bに重なるように、「残念」、「レッスン」、「特訓」の文字画像の中から何れか2つが選択され表示される。
すなわち、「残念」vs「レッスン」、「残念」vs「特訓」、「レッスン」vs「特訓」の組み合わせ(左右の位置は無関係)があり、「レッスン」vs「特訓」が表示された場合は、時短確定となる。
次のステップ586では、結果表示がなされる(図27(C)参照)。
この結果発表は、押し合っている一対のボール画像の内、押し勝った方に重ねて表示される文字が結果となる。
(キャラD時短演出)
図28に従い、キャラD時短演出処理の詳細を説明する。なお、図29(A)〜(C)は、LCD106を用いた演出画像等を、コマ送り的に示したものである。
ステップ650では、演出回数を示す変数Nを1に初期化し、次いでステップ652へ移行して、演出時期か否かが判断され、否定判定された場合は、演出時期になるまで待機する。
ステップ652で肯定判定されると、ステップ654へ移行して初期画像を表示する(図29(A)参照)。
この初期画像では、「パターゴルフ」という文字画像と、選択されたプレイヤーキャラ画像178Dに関連するキャラ(以下、「関連キャラ178DK」という)がパターンゴルフを開始する画像が表示される。
次のステップ656では、変数Nの値を判別する。このステップ656でN=1と判別された場合は、1回目の演出であると判断し、ステップ662へ移行する。
ステップ662では、前記関連キャラ178DKがパッティングをする動画像が表示される(図29(B)参照)。
次のステップ664では、結果表示がなされる(図29(C)参照)。
この結果発表は、前記図29(B)の動画に続き、ボールがカップインすれば時短獲得となる。また、カップインを逃すと、時短は非獲得となる。また、時短獲得の場合は、時短報知表示部74に時短の種類(「特訓」又は「レッスン」の何れか)が点灯する。
次のステップ666では、変数Nが3、すなわち、3回目の演出が終了したか否か、或いは、強制終了の指示があったか否かが判断され、何れかで肯定判定された場合には、このルーチンは終了する。
また、ステップ666で何れも否定判定、1回目の演出又は2回目の演出が終了し、かつ強制終了指示がないと判断し、ステップ668へ移行する。
ステップ668では、この1回目の演出又は2回目の演出で時短を獲得したか否かが判断され、肯定判定、すなわち、既に時短を獲得した場合には、このルーチンは終了する。
また、ステップ668で否定判定、すなわち、時短を獲得していないと判断した場合は、ステップ670へ移行して、変数Nをイクリメント(N←N+1)し、ステップ652へ戻る。すなわち、1回目の演出で時短を獲得できない場合は2回目の演出に移行し、2回目の演出で時短を獲得できない場合は3回目の演出に移行することができる。
2回目の演出で、前記ステップ652へ戻った場合、ステップ654を経て、ステップ656からステップ658へ移行する。ステップ658では、LCD106に「リベンジ」という文字画像を付加して、ステップ662へ移行し、以下、上記と工程を実行する。
また、3回目の演出で、前記ステップ652へ戻った場合、ステップ654を経て、ステップ656からステップ660へ移行する。ステップ660では、LCD106に「ファイナル」という文字画像を付加して、ステップ662へ移行すし、以下、上記と工程を実行する。
なお、本実施の形態では、このファイナルパターゴルフチャレンジ(3回目の演出)まで実行された場合は、内部的には、時短確定となる。
以上説明したように、本実施の形態では、始動入賞に基づく羽根部材202の開放時に、第1の振分部材214及びメッセージボード(第2のキャラクタ244)を、センター役物105内のV入賞しやすいルートへ振り分け可能に制御するとともに、特別演出(直当たり演出落選)の場合の羽根部材202の最終開放時(開放3回目)には、センター役物105内に流入した遊技球PBがV入賞確実なホールインワンルートへ導かれるように制御する。これにより、遊技性の高い遊技機を得ることができる。