JP2010245976A - 画像圧縮装置、画像処理装置、画像形成装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

画像圧縮装置、画像処理装置、画像形成装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラムおよび記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2010245976A
JP2010245976A JP2009094412A JP2009094412A JP2010245976A JP 2010245976 A JP2010245976 A JP 2010245976A JP 2009094412 A JP2009094412 A JP 2009094412A JP 2009094412 A JP2009094412 A JP 2009094412A JP 2010245976 A JP2010245976 A JP 2010245976A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
background
density
pixel
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009094412A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Irisa
直喜 入佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2009094412A priority Critical patent/JP2010245976A/ja
Publication of JP2010245976A publication Critical patent/JP2010245976A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compression Of Band Width Or Redundancy In Fax (AREA)

Abstract

【課題】 画像データを圧縮する際に画質の劣化を最小限に抑えることのできる画像圧縮装置、画像処理装置、画像形成装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラムおよび記録媒体を提供する。
【解決手段】 画像分離部33は、属性データに基づいて、画像データをイメージブロックと非イメージブロックとに分離する。画像置換部34は、イメージブロック中の背景画素を背景画素に近接するイメージ画素に置換する。データ別圧縮部39は、画像置換部34によって置換されたイメージブロックを含むすべてのイメージブロックをJPEGによって非可逆圧縮し、非イメージブロックおよび属性データを可逆圧縮する。符号出力部38は、データ別圧縮部39が圧縮した符号データを出力する。画像置換部34によって、イメージブロック中の高周波成分が除かれるので、画像データの圧縮に伴う画質の劣化が抑えられる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、画像データを記憶する際に画像データを圧縮する画像圧縮装置、画像処理装置、画像形成装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラムおよび記録媒体に関し、より詳細には、属性データに基づいて画像データをイメージと非イメージとに分離し、イメージに分離された画像データを非可逆圧縮することによる画質劣化を最小限に抑える画像圧縮装置、画像処理装置、画像形成装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラムおよび記録媒体に関する。
画像データは、自然画などを表すイメージデータと、文字およびベクタグラフィックスなどを表す非イメージデータとが混在して含まれることがある。イメージデータと非イメージデータとを含む画像データの圧縮は、非可逆圧縮または可逆圧縮のうち少なくともいずれかによって行われる。非可逆圧縮は、画像データの圧縮率が高いけれども画質の劣化を伴う。可逆圧縮は、画質の劣化は無いけれども画像データの圧縮率が悪くなることがある。
従来の技術である適応的圧縮方法は、画像の属性に基づいて画像データをイメージデータと非イメージデータとに分離して、分離したイメージデータを非可逆圧縮して、分離した非イメージデータを可逆圧縮する。したがって、適応的圧縮方法は、画質の劣化を目立ちにくくしつつ、画像データの圧縮率を高めることができる。しかし、非可逆圧縮は、画像データを圧縮すると必然的に画質が劣化するという問題がある。従来の他の技術には、画質の劣化を抑えることができる画像データの圧縮について、開示しているものがある。
たとえば特許文献1に開示される画像処理装置は、絵と文字とが混在するビットマップ画像を、8×8ピクセルのサイズの多数のブロックに分割し、各ブロック内の隣接するピクセルが同じ値をもつ頻度を計算する。計算された頻度が予め定める閾値以上の場合、ブロックは文字であると判断し、計算された頻度が予め定める閾値よりも小さい場合、ブロックは絵であると判断する。絵と判断されたブロックを非可逆圧縮し、文字と判断されたブロックを可逆圧縮することによって、文字の画質劣化が抑えられる。
特許文献2に開示される画像処理装置は、スキャンした画像データを文字領域と非文字領域である背景領域とに分離し、背景領域に対して濃度ヒストグラムを測定し、分散値が閾値以下であれば同一色の背景と見なすことで、単色の背景を生成する。よって、背景領域の濃度ばらつきによる画質劣化を抑えることができる。分離した背景領域に絵などの画像が含まれるときは、背景領域から絵などの画像部分を抽出して中景画像として処理する。抽出した中景画像は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)によって非可逆圧縮が行われる。
特開2001−43363号公報 特開2008−28717号公報
特許文献1に開示される画像処理装置は、頻度の計算結果が予め定める閾値よりも僅かに低い値のとき、すなわちブロック中に絵のピクセルが文字のピクセルよりも僅かに多く存在するときでも非可逆圧縮を行う。しかし、文字のピクセルを多く含むブロックは、画像の空間周波数の高周波成分を多く含む。したがって、文字のピクセルを多く含むブロックを非可逆圧縮すると、たとえば画像の空間周波数の高周波成分が失われることによってモスキートノイズが発生するなど画質が劣化するという問題がある。
特許文献2に開示される画像処理装置は、中景画像をJPEGによって非可逆圧縮する。中景画像に含まれる絵などの画像と、絵などの画像に隣接する背景領域とに濃度差があるとき、すなわち中景画像中に画像の空間周波数の高周波成分が含まれているときに、非可逆圧縮することによって、人に知覚され易いモスキートノイズなどの画質劣化が発生するという問題がある。
本発明の目的は、画像データを圧縮する際に画質の劣化を最小限に抑えることのできる画像圧縮装置、画像処理装置、画像形成装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラムおよび記録媒体を提供することである。
本発明は、背景色を表すための第1背景画素と、文字を表すための文字画素と、背景色および文字以外を表すための第2背景画素とからなる画像を表す画像データを、予め定める数の画素からなるブロックに分割し、分割した複数のブロックを、文字画素を含む文字ブロックと、文字画素を含まない背景ブロックとに分離する画像分離部と、
前記画像分離部によって分離された背景ブロックに、第1背景画素が含まれるか否かを判定する背景画素判定部と、
前記背景画素判定部によって第1背景画素が含まれると判定された背景ブロックの各第1背景画素を、各第1背景画素に隣接する第2背景画素、隣接する第2背景画素がないときは最も近接する第2背景画素に置換する置換処理部と、
前記置換処理部によって置換された背景ブロック、および前記画像分離部によって分離された背景ブロックのうち前記置換処理部によって置換された背景ブロックを除く残余の背景ブロックを非可逆圧縮し、前記画像分離部によって分離された文字ブロックを可逆圧縮するデータ別圧縮部とを含むことを特徴とする画像圧縮装置である。
また本発明は、前記背景画素判定部によって第1背景画素が含まれると判定された背景ブロックに含まれる各第2背景画素の濃度と、各第2背景画素に隣接する第1背景画素の濃度との差の最大値を算出し、算出した濃度差の最大値が予め定める閾値以上であるか否かを判定する濃度差判定部をさらに含み、
前記置換処理部は、前記濃度差判定部によって濃度差の最大値が予め定める閾値以上と判定された背景ブロックに含まれる各第1背景画素を、各第1背景画素に隣接する第2背景画素、隣接する第2背景画素がないときは最も近接する第2背景画素に置換することを特徴とする。
また本発明は、前記背景画素判定部によって背景ブロック中に第1背景画素が含まれないと判定された背景ブロックに含まれる各第2背景画素の濃度分布を、背景ブロックごとに作成する濃度分布作成部と、
各背景ブロックの第2背景画素が、濃度分布作成部によって作成された濃度分布の濃度が第1の濃度である第2背景画素からなる第1グループと、第1の濃度との濃度差が予め定める濃度差以上である第2の濃度である第2背景画素からなる第2のグループとからなるとき、背景ブロックを第1の濃度の第2背景画素と第2の濃度の第2背景画素とに分離し、かつ分離した各第2背景画素の濃度が第1の濃度であるか第2の濃度であるかを示す分離データを作成する濃度分布解析部とをさらに含み、
前記置換処理部は、前記濃度分布解析部によって背景ブロックが分離された後に、前記予め定める数で構成される第1の濃度の第2背景画素のみからなる第1濃度背景ブロックと、前記予め定める数で構成される第2の濃度の第2背景画素のみからなる第2濃度背景ブロックとを作成することを特徴とする。
また本発明は、前記画像圧縮装置を含むことを特徴とする画像処理装置である。
また本発明は、前記画像処理装置を含むことを特徴とする画像形成装置である。
また本発明は、背景色を表すための第1背景画素と、文字を表すための文字画素と、背景色および文字以外を表すための第2背景画素とからなる画像を表す画像データを、予め定める数の画素からなるブロックに分割し、分割した複数のブロックを、文字画素を含む文字ブロックと、文字画素を含まない背景ブロックとに分離する画像分離工程と、
前記画像分離工程によって分離された背景ブロックに、第1背景画素が含まれるか否かを判定する背景画素判定工程と、
前記背景画素判定工程によって第1背景画素が含まれると判定された背景ブロックの各第1背景画素を、各第1背景画素に隣接する第2背景画素、隣接する第2背景画素がないときは最も近接する第2背景画素に置換する置換処理工程と、
前記置換処理工程によって置換された背景ブロック、および前記画像分離工程によって分離された背景ブロックのうち前記置換処理工程によって置換された背景ブロックを除く残余の背景ブロックを非可逆圧縮し、前記画像分離工程によって分離された文字ブロックを可逆圧縮するデータ別圧縮工程とを含むことを特徴とする画像圧縮方法である。
また本発明は、コンピュータを、前記画像圧縮装置として機能させるための画像圧縮プログラムである。
また本発明は、前記画像圧縮プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、画像分離部によって、背景色を表すための第1背景画素と、文字を表すための文字画素と、背景色および文字以外を表すための第2背景画素とからなる画像を表す画像データが、予め定める数の画素からなるブロックに分割され、分割された複数のブロックが、文字画素を含む文字ブロックと、文字画素を含まない背景ブロックとに分離される。背景画素判定部によって、画像分離部によって分離された背景ブロックに、第1背景画素が含まれるか否かが判定される。置換処理部によって、背景画素判定部によって第1背景画素が含まれると判定された背景ブロックの各第1背景画素が、各第1背景画素に隣接する第2背景画素、隣接する第2背景画素がないときは最も近接する第2背景画素に置換される。データ別圧縮部によって、置換処理部によって置換された背景ブロック、および画像分離部によって分離された背景ブロックのうち置換処理部によって置換された背景ブロックを除く残余の背景ブロックが非可逆圧縮され、画像分離部によって分離された文字ブロックが可逆圧縮される。
したがって、置換処理部が背景ブロック中の第1背景画素を第1背景画素に近接する第2背景画素に置換するので、背景ブロック中の画像の空間周波数の高周波成分が除去される。これによって、データ別圧縮部が背景ブロックを非可逆圧縮しても、モスキートノイズが発生しにくい。したがって、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、かつ画像データを効率よく圧縮することができる画像圧縮装置を提供することができる。
また本発明によれば、濃度差判定部によって、背景画素判定部によって第1背景画素が含まれると判定された背景ブロックに含まれる各第2背景画素の濃度と、各第2背景画素に隣接する第1背景画素の濃度との差の最大値が算出され、算出した濃度差の最大値が予め定める閾値以上であるか否かが判定される。置換処理部によって、濃度差判定部によって濃度差の最大値が予め定める閾値以上と判定された背景ブロックに含まれる各第1背景画素が、各第1背景画素に隣接する第2背景画素、隣接する第2背景画素がないときは最も近接する第2背景画素に置換される。
したがって、置換処理部は、第2背景画素と第1背景画素との濃度差が小さいとき、すなわち非可逆圧縮に伴う画質の劣化が人に知覚されにくいときに、第1背景画素の置換処理を行わないので、画像を圧縮および伸長する際の処理時間を短縮することができる。これによって、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、画像データを短時間で効率よく圧縮することができる画像圧縮装置を提供することができる。
また本発明によれば、濃度分布作成部によって、背景画素判定部によって背景ブロック中に第1背景画素が含まれないと判定された背景ブロックに含まれる各第2背景画素の濃度分布が、背景ブロックごとに作成される。濃度分布解析部によって、各背景ブロックの第2背景画素が、濃度分布作成部によって作成された濃度分布の濃度が第1の濃度である第2背景画素からなる第1グループと、第1の濃度との濃度差が予め定める濃度差以上である第2の濃度である第2背景画素からなる第2のグループとからなるとき、背景ブロックが第1の濃度の第2背景画素と第2の濃度の第2背景画素とに分離され、かつ分離した各第2背景画素の濃度が第1の濃度であるか第2の濃度であるかを示す分離データが作成される。置換処理部によって、濃度分布解析部によって背景ブロックが分離された後に、予め定める数で構成される第1の濃度の第2背景画素のみからなる第1濃度背景ブロックと、予め定める数で構成される第2の濃度の第2背景画素のみからなる第2濃度背景ブロックとが作成される。
したがって、濃度分布解析部は、第1背景画素を含まない背景ブロックに対して、非可逆圧縮に伴ない画質が大きく劣化するか否かを適切に解析することができる。よって、濃度分布解析部は、画質が大きく劣化すると解析された背景ブロックを分離処理することによって、背景ブロック中の画像の空間周波数の高周波成分を除去することができる。これによって、画像データを圧縮することによる画質の劣化をさらに最小限に抑え、画像データを効率よく圧縮することができる画像圧縮装置を提供することができる。
また本発明によれば、画像処理装置に、前記画像圧縮装置が含まれる。したがって、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、かつ画像データを効率よく圧縮することができる画像処理装置を提供することができる。
また本発明によれば、画像形成装置に、前記画像処理装置が含まれる。したがって、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、かつ画像データを効率よく圧縮することができる画像形成装置を提供することができる。
また本発明によれば、画像分離工程では、背景色を表すための第1背景画素と、文字を表すための文字画素と、背景色および文字以外を表すための第2背景画素とからなる画像を表す画像データが、予め定める数の画素からなるブロックに分割され、分割された複数のブロックが、文字画素を含む文字ブロックと、文字画素を含まない背景ブロックとに分離される。背景画素判定工程では、画像分離工程によって分離された背景ブロックに、第1背景画素が含まれるか否かが判定される。置換処理工程では、背景画素判定工程によって第1背景画素が含まれると判定された背景ブロックの各第1背景画素が、各第1背景画素に隣接する第2背景画素、隣接する第2背景画素がないときは最も近接する第2背景画素に置換される。データ別圧縮工程では、置換処理工程によって置換された背景ブロック、および画像分離工程によって分離された背景ブロックのうち置換処理工程によって置換された背景ブロックを除く残余の背景ブロックが非可逆圧縮され、画像分離工程によって分離された文字ブロックが可逆圧縮される。
したがって、置換処理工程によって、背景ブロック中の第1背景画素を第1背景画素に近接する第2背景画素に置換するので、背景ブロック中の画像の空間周波数の高周波成分が除去される。これによって、データ別圧縮工程によって背景ブロックが非可逆圧縮されても、モスキートノイズが発生しにくい。したがって、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、かつ画像データを効率よく圧縮することができる画像圧縮方法を提供することができる。
また本発明によれば、画像圧縮プログラムによって、コンピュータが、前記画像圧縮装置として機能する。したがって、コンピュータを、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、かつ画像データを効率よく圧縮することができる画像圧縮装置として機能させることができる画像圧縮プログラムを提供することができる。
また本発明によれば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に、前記画像圧縮プログラムが記録される。したがって、コンピュータを、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、かつ画像データを効率よく圧縮することができる画像圧縮装置として機能させることができるコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
本発明の実施の第1の形態である画像形成装置1の概略の構成を示すブロック図である。 画像形成装置1およびコンピュータ9の機能の構成を示すブロック図である。 画像圧縮部22の機能の構成を示すブロック図である。 画像置換部34の機能の構成を示すブロック図である。 置換処理部43によって処理される処理対象イメージブロック26の一例を示す図である。 属性表示イメージブロック29の一例を示す図である。 JPEGによって圧縮後伸長された画質劣化イメージブロック30の一例を示す図である。 処理済イメージブロック31の一例を示す図である。 画像分離部33、画像置換部34、JPEG圧縮器35および符号出力部38の処理を示すフローチャートである。 画像伸長部23の機能の構成を示すブロック図である。 符号入力部45、JPEG伸長器46および画像復元部49の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の第2の形態である画像置換部52の機能の構成を示すブロック図である。 画像置換部52の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の第3の形態である画像置換部55の機能の構成を示すブロック図である。 ヒストグラム作成対象イメージブロック61の一例を示す図である。 濃度ヒストグラム62の一例を示す図である。 高濃度イメージブロック63の一例を示す図である。 低濃度イメージブロック65の一例を示す図である。 画像置換部55の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の第4の形態である画像置換部66の機能の構成を示すブロック図である。
画像置換部66の処理を示すフローチャートである。
図1は、本発明の実施の第1の形態である画像形成装置1の概略の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、SoC(System on Chip)11と、画像処理装置である画像処理部12と、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:以下「HDD」という)13と、システムメモリ14と、ローカルメモリ15と、印刷エンジン16と、データバス17とを含んで構成される。
SoC11は、有線または無線などのネットワークを介して、コンピュータ9に接続される。コンピュータ9は、たとえばパーソナルコンピュータなどによって構成され、ページ記述言語によって印刷データを生成し、生成した印刷データをSoC11に送信する。印刷データは、画像形成装置1によって印刷される画像を表す画像データを含む。
画像は、複数の画素によって構成される。以下、自然画などのイメージを表すための画素を「イメージ画素」といい、文字およびベクタグラフィックスなどの非イメージを表すための画素を「非イメージ画素」といい、背景色を表すための画素、すなわち画像形成装置1が画像を印刷するとき印刷用紙上にトナーを乗せない画素を「背景画素」という。画像は、背景画素、非イメージ画素およびイメージ画素から構成される。背景画素は、背景色を表すための第1の背景画素である。非イメージ画素は、文字を表すための文字画素であり、線などのベクタグラフィックスを表すための画素を含む。イメージ画素は、背景色および文字以外を表すための第2の背景画素である。
SoC11は、画像形成装置1の制御および印刷データの処理を行う中央処理装置(
Central Processing Unit:以下「CPU」という)を内蔵する。画像処理部12は、印刷データの圧縮および色補正を行う。HDD13は、印刷データに含まれる画像データなどを記憶する。SoC11、画像処理部12およびHDD13は、データバス17を介して互いに接続され、データバスを介して画像データなどのデータを送受信する。印刷エンジン16は、画像データが表す画像を印刷用紙に印刷する。
システムメモリ14は、SoC11に接続され、CPUが動作するためのプログラムを記憶する。ローカルメモリ15は、画像処理部12に接続され、印刷データに含まれる画像データなどを一時的に記憶する。コンピュータ9から送信された印刷データは、最終的に画像処理部12から印刷エンジン16に送られる。印刷エンジン16は、画像処理部12から受取った印刷データに含まれる画像データが表す画像を印刷用紙に印刷する。
図2は、画像形成装置1およびコンピュータ9の機能の構成を示すブロック図である。図2は、データの流れも示している。コンピュータ9は、アプリケーションソフトウェア18と、プリンタドライバ19とを含む。画像形成装置1は、ラスタデータ生成部21と、画像処理部12と、HDD13と、印刷エンジン16とを含む。画像処理部12は、画像圧縮装置である画像圧縮部22と、画像伸長部23と、色補正部24と、中間調処理部25とを含んで構成される。本発明に係る画像圧縮方法は、画像圧縮部22によって実行される。
アプリケーションソフトウェア18は、コンピュータ9にインストールされ、プリンタドライバ19を介して画像形成装置1に画像の印刷の実行を指示する。アプリケーションソフトウェア18は、印刷する画像の画像データをプリンタドライバ19に送る。プリンタドライバ19は、アプリケーションソフトウェア18の指示を受けて、アプリケーションソフトウェア18から受取った画像データを、ページ記述言語によって印刷データに変換する。変換された印刷データは、プリンタドライバ19からネットワークを介してラスタデータ生成部21に送信される。
ラスタデータ生成部21は、受信した印刷データに基づいて、画像データおよび属性データを生成する。ラスタデータ生成部21が生成する画像データは、たとえば画像形成装置1が印刷可能なRGBフォーマットのビットマップデータによって作成され、画像形成装置1が印刷すべき画像を表すデータである。属性データは、画像データが表す画像に含まれる画素ごとに各画素の属性を示すデータである。属性は、たとえば画素がイメージ画素であるのか、画素が非イメージ画素であるのか、画素が背景画素であるのかを表す情報である。ラスタデータ生成部21は、生成した画像データおよび属性データを、画像圧縮部22に送る。
画像圧縮部22は、ラスタデータ生成部21から受取った画像データおよび属性データを圧縮して、圧縮した画像データおよび属性データをHDD13に送る。以下、圧縮された画像データおよび属性データを「符号データ」という。画像データのデータ量は、たとえばドット密度が600dpiで、A4サイズの印刷用紙1ページ分のRGBフォーマットの画像のとき、約96MBとなる。画像データは、データ量が多いので、圧縮された後にHDD13に送られて記憶される。1ページ目の印刷物を早く出力させる必要があるときは、画像データは、圧縮される前に印刷エンジンによって印刷が行われ、その後圧縮されHDD13に記憶されることもある。この場合、圧縮された画像データは、再印刷するときに使用される。HDD13に記憶されている画像データは、一定期間経過後、削除するようにしてもよい。
HDD13は、画像圧縮部22から受取った符号データを記憶する。画像伸長部23は、HDD13から符号データを読み出し、読み出した符号データを伸長して画像データおよび属性データを生成する。画像伸長部23は、生成した画像データを色補正部24に送る。
色補正部24は、画像伸長部23から受取ったRGBフォーマットの画像データを、画像形成装置1が印刷可能なCMYKフォーマットに変換する。さらに色補正部24は、印刷エンジン16の色再現特性に合わせた色補正を画像データに行い、色補正された画像データを中間調処理部25に送る。
中間調処理部25は、色補正部24から画像データを受取り、受取った画像データが表す画像中のイメージ画素の部分に対して、印刷エンジン16のカラー画像出力の特性に基づいて出力階調の補正処理を行う。中間調処理部25は、中間調生成、すなわち画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理を行う。中間調処理部25は、階調再現処理が行われた画像データを印刷エンジン16に送る。印刷エンジン16は、中間調処理部25から受取った画像データが表す画像を、印刷用紙に印刷する。
図3は、画像圧縮部22の機能の構成を示すブロック図である。図3は、データの流れも示している。画像圧縮部22は、画像分離部33と、画像置換部34と、データ別圧縮部39と、符号出力部38とを含んで構成される。データ別圧縮部39は、JPEG(
Joint Photographic Experts Group)圧縮器35と、JBIG(Joint Bi-level Image
experts Group)圧縮器36と、MMR(Modified Modified Read)圧縮器37とを含んで構成される。
ラスタデータ生成部21によって生成された画像データは、ラスタデータ生成部21から画像分離部33に送られる。ラスタデータ生成部21によって生成された属性データは、ラスタデータ生成部21から画像分離部33とMMR圧縮器37とにそれぞれ送られる。
画像分離部33は、ラスタデータ生成部21から受取った画像データを、予め定める数の画素からなるブロックごとの画像データに分割する。予め定める数の画素からなるブロックは、たとえばJPEGの最小処理単位であるMCU(Minimum Coded Unit)といわれる8×8画素からなる。
画像分離部33は、ラスタデータ生成部21から受取った属性データに基づいて、分割した各ブロックを、少なくともイメージブロックと非イメージブロックとに分離する。非イメージブロックは、非イメージ画素が含まれるブロックであり、イメージブロックは、非イメージブロック以外のブロックのうちイメージ画素が含まれるブロックである。非イメージブロックは、文字画素を含む文字ブロックであり、イメージブロックは、文字画素を含まない背景ブロックである。
属性データは、たとえば1画素あたり4ビット(以下「bit」という)の情報で表される。属性データの情報は、たとえば2進数で背景画素が「0000」、イメージ画素が「0001」、文字を表す画素が「0010」、ベクタグラフィックスを表す画素が「0011」などと定義される。画像分離部33は、分離したイメージブロックの画像データを画像置換部34に送り、分離した非イメージブロックの画像データを、JBIG圧縮器36に送る。以下、イメージブロックの画像データを単に「イメージブロック」ともいい、非イメージブロックの画像データを単に「非イメージブロック」ともいう。
画像置換部34は、画像分離部33から受取ったイメージブロックのうち背景画素を含むイメージブロックに対して、後に詳述する置換処理を行う。画像置換部34は、置換処理を行ったイメージブロックを含むすべてのイメージブロックを、JPEG圧縮器35に送る。
JPEG圧縮器35は、画像置換部34から受取ったイメージブロックを、JPEGによって非可逆圧縮する。画像置換部34から受取るイメージブロックは、画像置換部34によって置換されたイメージブロック、および画像分離部33によって分離されたイメージブロックのうち画像置換部34によって置換されたイメージブロックを除く残余のイメージブロックである。一般に、非可逆圧縮は、データの圧縮率が高いけれども画質の劣化を伴う。可逆圧縮は、画質の劣化は無いけれどもデータの圧縮率が悪くなることがある。JPEG圧縮器35は、圧縮したイメージブロックを符号出力部38に送る。JPEG圧縮器35によって圧縮されたイメージブロックを、以下「イメージ符号データ」という。
JBIG圧縮器36は、画像分離部33から非イメージブロックを受取る。非イメージブロックは、文字およびベクタグラフィックスなどを含むので、画像の空間周波数の高周波成分を多く含む。画像の空間周波数の高周波成分を多く含む画像データをJPEGで圧縮すると、たとえばモスキートノイズなど人の目に知覚されやすい画質の劣化が発生する。したがって、非イメージブロックは、JBIGによって可逆圧縮される。JBIG圧縮器36は、圧縮した非イメージブロックを符号出力部38に送る。JBIG圧縮器36によって圧縮された非イメージブロックを、以下「非イメージ符号データ」という。
MMR圧縮器37は、属性データがたとえば1画素あたり4bitとデータ量が少ないので、ラスタデータ生成部21から受取った属性データを、MMRによって可逆圧縮する。MMR圧縮器37は、圧縮した属性データを符号出力部38に送る。MMR圧縮器37によって圧縮された属性データを、以下「属性符号データ」という。前述した符号データは、イメージ符号データ、非イメージ符号データおよび属性符号データを総称する。
符号出力部38は、JPEG圧縮器35からイメージ符号データを受取り、JBIG圧縮器36から非イメージ符号データを受取り、MMR圧縮器37から属性符号データを受取る。符号出力部38は、受取った符号データがイメージブロック、非イメージブロックおよび属性データのうちいずれのデータであるかの関連づけを行う。関連づけは、各圧縮器35,36,37のうちいずれの圧縮器が圧縮したデータかを識別するための識別コードを、ヘッダ情報として符号データに付加することによって行われる。符号出力部38は、たとえば各圧縮器35,36,37から出力される符号データの先頭に識別コードを付加することによって関連づけを行う。識別コードは、たとえば8bitの識別コードから構成され、2進数で「00000000」ならJPEG圧縮器35、「00000001」ならJBIG圧縮器36、「00000010」ならMMR圧縮器37などと定義される。画像伸長部23は、符号出力部38によって付加された識別コードに基づいて、符号データを適切に伸長することができる。符号データの伸長については、後に詳述する。
符号出力部38は、符号データをDMA(Direct Memory Access)転送によってHDD13に送る。たとえば符号出力部38は、JPEG圧縮器35から受取ったイメージ符号データと、JBIG圧縮器36から受取った非イメージ符号データと、MMR圧縮器37から受取った属性符号データとをHDD13の別々の領域へ転送する場合、各符号データの転送先をDMAで指定する。各符号データは、DMAによって指定されたアドレスに逐次送られる。
符号出力部38は、各圧縮器35,36,37から受取った符号データを1つの符号データとしてパッキングして出力する場合、1つの転送先をDMAに指定して出力する。符号出力部38は、符号データに識別コードを付加し、予め定めるデータ量、たとえば256バイトずつパケット化して符号データを送る。
図4は、画像置換部34の機能の構成を示すブロック図である。図4は、データの流れも示している。画像置換部34は、背景画素判定部42と、置換処理部43とを含んで構成される。
背景画素判定部42は、画像分離部33からイメージブロックと属性データとを受取る。背景画素判定部42は、イメージブロックを走査して、イメージブロック中に背景画素が含まれるか否かを判定する。背景画素判定部42は、1MCU、すなわち1ブロックごとに判定を行う。背景画素判定部42は、属性データに基づいて、1ブロックを形成する各画素が背景画素であるか否かを判定する。具体的には、背景画素判定部42は、属性データ中に、背景画素を表す情報、たとえば「0000」が存在するか否かを調べる。
画像形成装置1は、印刷用紙上に記録色材であるトナーを乗せて、文字およびイメージなどの画像を可視化させる。一般に、白色系の印刷用紙が多く使用されるので、印刷用紙上のトナーを乗せない部分は、白色の背景となる。人の視覚は、たとえば印刷された色の濃い部分と背景である白色の部分との境界などの濃度差の大きい部分に対して敏感であるという性質を有する。したがって、人は、黒文字の輪郭に発生するジャギー、およびイメージと背景との境界部周辺に発生するモスキートノイズなどの画質の劣化を、敏感に知覚する。モスキートノイズは、画像データをJPEGで圧縮される際に画像データ中の空間周波数の高周波成分が抜け落ちるために生じるノイズである。よって、画像データに高周波成分が含まれている限り、モスキートノイズの発生を避けることはできない。
したがって、背景画素判定部42は、イメージブロック中に背景画素が含まれるか否かを判定することによって、イメージブロック中に画像の空間周波数の高周波成分が含まれるか否かを判定することができる。
置換処理部43は、背景画素判定部42によってイメージブロック中に背景画素が含まれると判定されると、モスキートノイズ対策を行う。モスキートノイズ対策は、イメージブロック中の各背景画素を、各背景画素に隣接するイメージ画素に置換し、隣接するイメージ画素がないときは最も近接するイメージ画素に置換することによって行われる。
図5は、置換処理部43によって処理される処理対象イメージブロック26の一例を示す図である。図5に示した処理対象イメージブロック26は、たとえば2ブロックから構成されるけれども、任意の数のブロックで構成可能である。置換処理部43は、処理対象イメージブロック26を1ブロックごとに処理する。
処理対象イメージブロック26は、第1のイメージブロック27と第2のイメージブロック28とからなり、8×16の画素によって形成される。処理対象イメージブロック26の長手方向を主走査方向Xとして、長手方向に直交する方向を副走査方向Yとする。主走査方向Xを左右方向ともいい、副走査方向Yを上下方向ともいう。処理対象イメージブロック26内の各画素の位置を特定するために、たとえば主走査方向Xの左側から順に番号を1,2,3,……,16とし、副走査方向Yの上側から順に番号を1,2,3,……,8とする。以下、主走査の番号と副走査の番号とを用いて「(主走査番号,副走査番号)」と記載して、処理対象イメージブロック26内の各画素の位置を特定する。
第1のイメージブロック27は、主走査方向Xに(1,1)〜(8,1)、(1,2)〜(8,2)、(1,3)〜(8,3)、(1,4)〜(8,4)、(1,5)〜(8,5)、(1,6)〜(8,6)、(1,7)〜(8,7)および(1,8)〜(8,8)の64個の画素からなる。第2のイメージブロック28は、主走査方向Xに(9,1)〜(16,1)、(9,2)〜(16,2)、(9,3)〜(16,3)、(9,4)〜(16,4)、(9,5)〜(16,5)、(9,6)〜(16,6)、(9,7)〜(16,7)および(9,8)〜(16,8)の64個の画素からなる。ここで、たとえば主走査方向Xに(1,1)〜(8,1)の画素は、(1,1)、(2,1)、(3,1)、(4,1)、(5,1)、(6,1)、(7,1)および(8,1)の画素のことである。以下同様に示す。
図5に示した処理対象イメージブロック26は、たとえば第1の濃度領域Aと、第2の濃度領域Bと、第3の濃度領域Cと、第4の濃度領域Dと、第5の濃度領域Eと、第6の濃度領域Fとによって構成される。各濃度領域A〜Fの濃度は、「第1の濃度領域A>第2の濃度領域B>第3の濃度領域C>第4の濃度領域D>第5の濃度領域E>第6の濃度領域F」という関係である。
第1の濃度領域Aは、主走査方向Xに(2,2)〜(8,2)、(2,3)〜(8,3)および(9,1)〜(16,1)の画素からなり、処理対象イメージブロック26に含まれるイメージ画素のうち最も濃度の濃いイメージ画素からなる。第2の濃度領域Bは、主走査方向Xに(2,4)〜(8,4)、(2,5)〜(8,5)、(9,2)〜(16,2)および(9,3)〜(16,3)の画素からなり、第1の濃度領域Aを構成する画素よりも低濃度、かつ第3の濃度領域Cを構成する画素よりも高濃度のイメージ画素よりなる。第3の濃度領域Cは、主走査方向Xに(2,6)〜(8,6)、(2,7)〜(8,7)、(9,4)〜(16,4)および(9,4)〜(16,4)の画素からなり、第2の濃度領域Bを構成する画素よりも低濃度、かつ第4の濃度領域Dを構成する画素よりも高濃度のイメージ画素よりなる。
第4の濃度領域Dは、主走査方向Xに(9,6)〜(16,6)および(9,7)〜(16,7)の画素からなり、第3の濃度領域Cを構成する画素よりも低濃度、かつ第5の濃度領域Eを構成する画素よりも高濃度のイメージ画素よりなる。第5の濃度領域Eは、主走査方向Xに(9,8)〜(16,8)の画素からなり、第4の濃度領域Dを構成する画素よりも低濃度、かつ第6の濃度領域Fを構成する画素よりも高濃度のイメージ画素よりなる。第6の濃度領域Fは、主走査方向Xに(1,1)〜(8,1)、(1,8)〜(8,8)および副走査方向Yに(1,2)〜(1,7)の画素からなり、背景画素からなる。ここで、たとえば副走査方向Yに(1,2)〜(1,7)の画素は、(1,2)、(1,3)、(1,4)、(1,5)、(1,6)および(1,7)の画素のことである。以下同様に示す。
図6は、属性表示イメージブロック29の一例を示す図である。属性表示イメージブロック29は、処理対象イメージブロック26内の各画素の属性を示す。属性は、たとえばイメージ画素が記号「I」で示され、非イメージ画素が記号「N」で示される。背景画素は、記号でなく空白で示される。
属性表示イメージブロック29は、処理対象イメージブロック26に対応し、処理対象イメージブロック26と同様に、第1のイメージブロック27と第2のイメージブロック28とからなる。図6に示した例のイメージ画素は、記号「I」によって、主走査方向Xに(9,1)〜(16,1)、(2,2)〜(16,2)、(2,3)〜(16,3)、(2,4)〜(16,4)、(2,5)〜(16,5)、(2,6)〜(16,6)、(2,7)〜(16,7)および(9,8)〜(16,8)に示される。背景画素は、主走査方向Xに(1,1)〜(8,1)、(1,8)〜(8,8)および副走査方向Yに(1,2)〜(1,7)に空白で示される。非イメージ画素は、属性表示イメージブロック29に含まれないので、表示されていない。
属性表示イメージブロック29内の背景画素を示す領域は、処理対象イメージブロック26の第6の濃度領域Fと一致し、属性表示イメージブロック29内のイメージ画素を示す領域は、処理対象イメージブロック26の第1〜第5の濃度領域A〜Eと一致する。たとえば(3,2)のイメージ画素は、第1の濃度領域Aの高濃度の画素であるので、(3,1)の背景画素の濃度との濃度差が大きい。したがって、処理対象イメージブロック26は、画像の空間周波数の高周波成分を含むので、JPEGによって非可逆圧縮を行うとモスキートノイズが発生する。
図7は、JPEGによって圧縮後伸長された画質劣化イメージブロック30の一例を示す図である。画質劣化イメージブロック30は、処理対象イメージブロック26が、JPEGによって非可逆圧縮された後に伸長された状態を示す。図7に示した画質劣化イメージブロック30は、モスキートノイズ発生領域Gにおいて、モスキートノイズが発生している。モスキートノイズ発生領域Gは、画質劣化イメージブロック30内の主走査方向Xに(1,1)〜(8,1)、(1,8)〜(8,8)および副走査方向Yに(1,2)〜(1,7)の画素であり、処理対象イメージブロック26内の濃度領域F、すなわち背景画素からなる領域と一致する。モスキートノイズは、JPEGによって非可逆圧縮することによって、処理対象イメージブロック26内の背景画素の画像が劣化して発生する。また背景画素に接するイメージ画素も、同様の原因によって画質が劣化する。
図8は、処理済イメージブロック31の一例を示す図である。処理済イメージブロック31は、置換処理部43によって置換処理が行われた後の状態を示す。置換処理部43は、画質の劣化を防止するために、非可逆圧縮する前に処理対象イメージブロック26に置換処理を行う。置換処理部43は、1ブロックごとに処理を行う。たとえば置換処理部43は、図5に示した処理対象イメージブロック26について、まず第1のイメージブロック27に注目する。置換処理部43は、図5に示した処理対象イメージブロック26内の背景画素ごとに走査を行う。以下、走査を行っているときに注目する1つの背景画素を「注目画素」という。置換処理部43は、注目画素にイメージ画素が隣接するか否かを調べる。
置換処理部43は、背景画素判定部42によって背景画素が含まれると判定されたイメージブロックの各背景画素を、各背景画素に隣接するイメージ画素に置換し、隣接するイメージ画素がないときは最も近接するイメージ画素に置換する。以下、ある画素に隣接する画素と、ある画素に最も近接する画素とを合わせて、単に近接する画素ともいう。
具体的には、置換処理部43は、注目画素の上下方向Y、左右方向Xおよび斜め方向の最大で8つの画素を調べる。たとえば注目画素に隣接するイメージ画素が1画素のみ存在する場合、置換処理部43は、注目画素を注目画素に隣接するイメージ画素に置換する。注目画素に隣接するイメージ画素が2画素以上存在する場合、置換処理部43は、注目画素を注目画素に隣接する最も濃度の濃いイメージ画素に置換し、または注目画素を注目画素に隣接する各イメージ画素の濃度の平均値の画素に置換する。イメージ画素が注目画素に隣接しないときは、置換処理部43は、注目画素を注目画素に最も近接するイメージ画素に置換する。
図8に示した例では、置換処理部43は、第1のイメージブロック27の(1,1)の背景画素を、背景画素の右斜め下に隣接する(2,2)のイメージ画素に置換する。置換処理部43は、同様に(2,1)の背景画素を(2,2)のイメージ画像に置換し、(3,1)の背景画素を(3,2)のイメージ画像に置換し、(4,1)の背景画素を(4,2)のイメージ画像に置換し、(5,1)の背景画素を(5,2)のイメージ画像に置換し、(6,1)の背景画素を(6,2)のイメージ画像に置換し、(7,1)の背景画素を(7,2)のイメージ画像に置換し、(8,1)の背景画素を(8,2)のイメージ画像に置換し、(1,2)の背景画素を(2,2)のイメージ画像に置換し、(1,3)の背景画素を(2,3)のイメージ画像に置換し、(1,4)の背景画素を(2,4)のイメージ画像に置換し、(1,5)の背景画素を(2,5)のイメージ画像に置換し、(1,6)の背景画素を(2,6)のイメージ画像に置換し、(1,7)の背景画素を(2,7)のイメージ画像に置換し、(1,8)の背景画素を(2,7)のイメージ画像に置換し、(2,8)の背景画素を(2,7)のイメージ画像に置換し、(3,8)の背景画素を(3,7)のイメージ画像に置換し、(4,8)の背景画素を(4,7)のイメージ画像に置換し、(5,8)の背景画素を(5,7)のイメージ画像に置換し、(6,8)の背景画素を(6,7)のイメージ画像に置換し、(7,8)の背景画素を(7,7)のイメージ画像に置換し、(8,8)の背景画素を(8,7)のイメージ画像に置換する。
処理済イメージブロック31内の第1のイメージブロック27は、置換処理部43によってすべての背景画素がイメージ画素に置換されているので、画像の空間周波数の高周波成分を含まない。したがって、第1のイメージブロック27は、JPEGによって非可逆圧縮されても、画質の劣化が起こらない。置換処理部43は、置換処理が行われた第1のイメージブロック27を、JPEG圧縮器35に送る。
置換処理部43は、第1のイメージブロック27の置換処理が終了すると、次に第2のイメージブロック28に注目する。図5に示した第2のイメージブロック28は、背景画素が存在しないので、JPEGによって非可逆圧縮しても画質の劣化が少ない。よって、置換処理部43は、第2のイメージブロック28に置換処理を行わずに、第2のイメージブロック28をJPEG圧縮器35に送る。置換処理部43は、同様に1ページ分の画像を表す画像データに含まれるすべてのイメージブロックについて、1ブロックごとに置換処理を行う。
図9は、画像分離部33、画像置換部34、JPEG圧縮器35および符号出力部38の処理を示すフローチャートである。画像分離部33がラスタデータ生成部21から画像データおよび属性データを受取ると、画像分離工程であるステップa1に進んで処理が開始される。画像分離部33は、画像データを1ブロックごとに分割し、分割した各ブロックを少なくともイメージブロックと非イメージブロックとに分離する。画像分離部33は、イメージブロックと属性データとを背景画素判定部42に送る。ステップa2では、背景画素判定部42は、画像分離部33からイメージブロックと属性データとを1ブロックずつ受取る。ステップa2およびa3は、背景画素判定工程である。
ステップa3では、背景画素判定部42は、属性データに基づいて、イメージブロック中にイメージ画素以外の画素が存在するか否か、すなわちイメージブロック中に背景画素が存在するか否かを判定する。具体的には、背景画素判定部42は、属性データ中に、背景画素を表す情報、たとえば「0000」が存在するか否かを調べる。属性データ中に背景画素を表す情報が存在して、イメージブロック中に背景画素が存在すると判定すると、ステップa4に進み、属性データ中に背景画素を表す情報が存在せず、イメージブロック中に背景画素が存在しないと判定すると、ステップa5に進む。
置換処理工程であるステップa4では、置換処理部43は、イメージブロック中のイメージ画素以外の画素、すなわち背景画素を、背景画素に近接するイメージ画像に置換する。置換処理部43は、置換処理が行われたイメージブロックを、JPEG圧縮器35に送る。
データ別圧縮工程であるステップa5では、JPEG圧縮器35は、置換処理部43から受取ったイメージブロックを、JPEGによって非可逆圧縮する。JPEG圧縮器35は、圧縮したイメージ符号データを、符号出力部38に送る。ステップa6では、符号出力部38は、JPEG圧縮器35から受取ったイメージ符号データを、HDD13に送る。
ステップa7では、画像分離部33は、1ページ分の画像を表す画像データに含まれるすべてのイメージブロックについて、圧縮処理が行われたか否かを判定する。圧縮処理が行われていないイメージブロックが存在すると判定すると、ステップa2に進み、すべてのイメージブロックが圧縮処理されていると判定すると、ステップa8に進んで処理が終了する。
図10は、画像伸長部23の機能の構成を示すブロック図である。図10は、データの流れも示している。画像伸長部23は、符号入力部45と、データ別伸長部44と、画像復元部49と、画像結合部50とを含んで構成される。データ別伸長部44は、JPEG伸長器46と、JBIG伸長器47と、MMR伸長器48とを含んで構成される。
符号入力部45は、HDD13からDMA転送によって符号データを読み出す。たとえば符号データが圧縮器35,36,37の種類別にHDD13内の異なる領域に記憶されている場合、各符号データの読み出しアドレスはDMAに指定される。符号入力部45は、読み出した各符号データを、JPEG伸長器46、JBIG伸長器47およびMMR伸長器48に送る。
各符号データが1つの符号データとしてまとめられている場合、記憶された読み出しアドレスをDMAに指定する。符号入力部45は、パケット化されている符号データを分離する。符号データの分離は、符号出力部38によって関連づけされたヘッダ情報に基づいて行われる。符号入力部45は、イメージブロックに分離された符号データをJPEG伸長器46に送り、非イメージブロックに分離された符号データをJBIG伸長器47に送り、属性データに分離された符号データをMMR伸長器48に送る。
JPEG伸長器46は、符号入力部45から受取ったイメージ符号データを伸長し、伸長したイメージブロックを画像復元部49に送る。JBIG伸長器47は、符号入力部45から受取った非イメージ符号データを伸長し、伸長した非イメージブロックを画像結合部50に送る。MMR伸長器48は、符号入力部45から受取った属性符号データを伸長し、伸長した属性データを画像復元部49と画像結合部50とに送る。
画像復元部49は、JPEG伸長器46からイメージブロックを受取り、MMR伸長器48から属性データを受取る。イメージブロックは、画像置換部34によって画像中の背景画素が近接するイメージ画素に置換されたものが含まれる。よって、JPEG圧縮器35によって伸長されたイメージブロックは、画像置換部34によって置換処理が行われる前のイメージブロックと異なることがある。
画像復元部49は、1ブロックごとに伸長されたイメージブロックと属性データとを受取る。画像復元部49は、属性データに基づいて、イメージブロック中にイメージ画素以外の画素が含まれていたか否か、すなわち背景画素が含まれていたか否かを判定する。具体的には、画像復元部49は、属性データ中に、背景画素を表す情報、たとえば「0000」が存在するか否かを調べる。
画像置換部34が受取る前のイメージブロック中に背景画素が含まれていた場合、画像復元部49は、画像置換部34によって背景画素からイメージ画素に置換された画素を、背景画素に置換する。これによって、画像復元部49は、画像置換部34によって置換処理されたイメージブロックを復元することができる。画像復元部49は、復元したイメージブロックを画像結合部50に送る。画像置換部34が受取る前のイメージブロック中に背景画素が含まれていなかった場合、画像復元部49は、置換処理を行わずに受取ったイメージブロックを画像結合部50に送る。
画像結合部50は、画像復元部49から受取ったイメージブロックと、JBIG伸長器47から受取った非イメージブロックとを結合して、1ページ分の画像を表す画像データを作成する。JPEGは非可逆圧縮であるので、非可逆圧縮されたイメージブロックは伸長されても完全に元のイメージブロックになるとは限らない。したがって、イメージブロックが非可逆圧縮されたときには、結合された画像データが表す画像は、画像分離部33が分離する前の画像データが表す画像とほぼ等しいものとなる。画像結合部50は、結合した画像データを色補正部24に送る。
図11は、符号入力部45、JPEG伸長器46および画像復元部49の処理を示すフローチャートである。符号入力部45、JPEG伸長器46および画像復元部49によって伸長処理が行われるときに、ステップb1に進んで処理が開始される。
ステップb2では、符号入力部45は、HDD13からイメージ符号データと属性符号データとを読み出す。符号入力部45は、読み出したイメージ符号データをJPEG伸長器46に送り、読み出した属性符号データをMMR伸長器48に送る。ステップb3では、JPEG伸長器46は、イメージ符号データをJPEGによって伸長し、伸長したイメージブロックを画像復元部49に送る。MMR伸長器48は、属性符号データをMMRによって伸長し、伸長した属性データを画像復元部49に送る。
ステップb4では、画像復元部49は、JPEG伸長器46からイメージブロックを受取り、MMR伸長器48から符号データを受取る。イメージブロックおよび符号データの受取りは、8×8画素、すなわち1ブロックごとに行われる。
ステップb5では、画像復元部49は、属性データに基づいて、画像置換部34が受取る前のイメージブロック中に、背景画素が含まれていたか否かを判定する。具体的には、画像復元部49は、属性データ中に、背景画素を表す情報、たとえば「0000」が存在するか否かを調べる。属性データ中に背景画素を表す情報が存在して、イメージブロック中に背景画素が含まれていたと判定すると、ステップb6に進み、属性データ中に背景画素を表す情報が存在せず、イメージブロック中に背景画素が含まれていなかったと判定すると、ステップb7に進む。
ステップb6では、画像復元部49は、画像置換部34によって背景画素からイメージ画素に置換された画素を背景画素に置換して、画像の復元を行う。ステップb7では、符号入力部45は、1ページ分の画像を表す画像データに含まれるすべてのイメージブロックについて、伸長処理が行われたか否かを判定する。伸長処理が行われていないブロックが存在すると判定すると、ステップb2に進み、すべてのブロックが伸長処理されていると判定すると、ステップb8に進んで処理が終了する。
図12は、本発明の実施の第2の形態である画像置換部52の機能の構成を示すブロック図である。図12は、データの流れも示している。図4に示した画像置換部34と同一の構成には同一の参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。本実施の形態の画像形成装置2は、前述した画像形成装置1に含まれる画像置換部34に換えて、画像置換部52を含んで構成される。
画像置換部52は、背景画素判定部42と、濃度差判定部53と、置換処理部43とを含んで構成される。濃度差判定部53は、背景画素判定部42によって背景画素が含まれると判定されたイメージブロックに含まれる各イメージ画素の濃度と、各イメージ画素に隣接する背景画素の濃度との差の最大値を算出し、算出した濃度差の最大値が予め定める第1の閾値以上であるか否かを判定する。
具体的には、濃度差判定部53は、注目画素に隣接するイメージ画素、すなわち注目画素の上下方向Y、左右方向Xおよび斜め方向の最大で8つのイメージ画素の濃度を調べる。濃度差判定部53は、各背景画素の濃度と各背景画素に隣接するイメージ画素の濃度との差を算出し、算出したそれぞれの濃度差の最大値を求める。たとえばイメージ画素が256段階の濃度値で規定されているとき、予め定める第1の閾値は「64」に設定される。濃度差判定部53は、算出した濃度差の最大値が、閾値「64」以上であるか否かを判定する。
モスキートノイズは、イメージブロック内の隣接する画素の濃度差が大きいときに非可逆圧縮することによって発生する。そこで置換処理部43は、濃度差判定部53によって濃度差の最大値がたとえば閾値「64」以上と判定された各背景画素を、前述のように各背景画素に近接するイメージ画素に置換する。したがって置換処理部43は、イメージブロック中の画素単位ごとに適切に置換処理を行うことができる。置換処理部43は、置換処理されたイメージブロックと、濃度差の最大値が予め定める第1の閾値よりも小さいと判定されて置換処理されていないイメージブロックとをJPEG圧縮器35に送る。
置換処理部43が画素ごとに置換処理を行うか否かの判定を行う例を示したが、置換処理部43は、濃度差判定部53によって濃度差の最大値がたとえば閾値「64」以上と判定されたイメージブロックのみ、各背景画素を各背景画素に近接するイメージ画素に置換してもよい。これによって、置換処理部43は、ブロックごとに適切に置換処理を行うことができる。
図13は、画像置換部52の処理を示すフローチャートである。画像置換部52がイメージブロックの置換処理を行うときに、ステップc1に進んで処理が開始される。ステップc2では、背景画素判定部42は、画像分離部33からイメージブロックと属性データとを1ブロックずつ受取る。
ステップc3では、背景画素判定部42は、イメージブロック中に背景画素が存在するか否かを判定する。具体的には、背景画素判定部42は、属性データ中に、背景画素を表す情報、たとえば「0000」が存在するか否かを調べる。イメージブロック中に背景画素が存在すると判定すると、ステップc4に進み、イメージブロック中に背景画素が存在しないと判定すると、ステップc10に進む。
ステップc4では、濃度差判定部53は、イメージブロックに含まれる各画素を、1画素ごとに注目して属性を調べる。ステップc4〜c8の処理は、画素ごとに行われる。ステップc5では、濃度差判定部53は、属性データに基づいて、注目する画素が背景画素であるか否かを判定する。具体的には、濃度差判定部53は、注目する画素の属性を表す情報が背景画素を表す情報、たとえば「0000」であるか否かを調べる。注目する画素が背景画素であると判定すると、ステップc6に進み、注目する画素が背景画素でないと判定すると、ステップc9に進む。
ステップc6では、濃度差判定部53は、注目する背景画素の濃度と、背景画素に隣接するイメージ画素の濃度との差の最大値を算出する。ステップc7では、濃度差判定部53は、算出した濃度差の最大値が予め定める第1の閾値以上であるか否かを判定する。算出した濃度差の最大値が予め定める第1の閾値以上であると判定すると、ステップc8に進み、算出した濃度差の最大値が予め定める第1の閾値よりも小さいと判定すると、ステップc9に進む。
ステップc8では、置換処理部43は、ステップc4で注目した1つの背景画素を、背景画素に近接するイメージ画像に置換する。置換処理部43は、背景画素を、背景画素が近接するイメージ画素のうち最も濃度値の高いイメージ画素に置換する。置換処理部43は、置換処理が行われたイメージブロックをJPEG圧縮器35に送る。
ステップc9では、背景画素判定部42は、1ブロック内のすべての画素について、ステップc4の処理が行われたか否かを判定する。すべての画素についてステップc4での処理が行われたと判定すると、ステップc10に進み、ステップc4での処理が行われていない画素が存在すると判定すると、ステップc4に進む。
ステップc10では、背景画素判定部42は、1ページ分の画像を表す画像データに含まれるすべてのイメージブロックについて、ステップc3での処理が行われたか否かを判定する。ステップc3での処理が行われていないブロックが存在すると判定すると、ステップc2に進み、すべてのブロックについてステップc3での処理が行われたと判定すると、ステップc11に進んで処理は終了する。
図14は、本発明の実施の第3の形態である画像置換部55の機能の構成を示すブロック図である。図14は、データの流れも示している。図4に示した画像置換部34と同一の構成には同一の参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。本実施の形態の画像形成装置3は、前述した画像形成装置1に含まれる画像置換部34に換えて、画像置換部55を含んで構成される。
画像置換部55は、背景画素判定部42と、濃度分布作成部であるヒストグラム作成部56と、濃度分布解析部であるヒストグラム解析部57と、置換処理部58とを含んで構成される。画像置換部55は、1ブロックごとにイメージブロックおよび属性データの処理を行う。
ヒストグラム作成部56は、背景画素判定部42によってイメージブロック中に背景画素が含まれないと判定されたイメージブロックに含まれる各イメージ画素の濃度分布である濃度ヒストグラム62を、イメージブロックごとに作成する。ヒストグラム作成部56は、イメージブロックに含まれるすべてのイメージ画素の濃度を求めて、濃度ヒストグラム62を作成する。濃度ヒストグラム62については、後に図16を用いて詳述する。
ヒストグラム解析部57は、ヒストグラム作成部56のよって作成された濃度ヒストグラム62に基づいて、イメージブロック内の濃度の分布を解析する。ヒストグラム解析部57は、濃度分布条件を満たすときに、濃度ヒストグラム62が作成されたイメージブロックを濃度の異なる2つのグループに分離する。さらに、ヒストグラム解析部57は、分離したことを示す分離データを作成する。ヒストグラム解析部57が行う処理については、後に詳述する。
置換処理部58は、ヒストグラム解析部57によって分離された2つのグループから、高濃度イメージブロック63と低濃度イメージブロック65とを作成する。置換処理部58が行う処理については、図17および図18を用いて後に詳述する。置換処理部58は、作成した高濃度イメージブロック63および低濃度イメージブロック65と、ヒストグラム解析部57が濃度分布条件を満たさないとして分離していないイメージブロックとをJPEG圧縮器35に送る。置換処理部58は、ヒストグラム解析部57によって作成された分離データをMMR圧縮器37に送る。
図15は、ヒストグラム作成対象イメージブロック61の一例を示す図である。ヒストグラム作成対象イメージブロック61は、ヒストグラム作成部56が背景画素判定部42から受取った1つのイメージブロックである。図15に示したヒストグラム作成対象イメージブロック61は、高濃度グループHと低濃度グループIとからなる。高濃度グループHの濃度と低濃度グループIの濃度とは、「高濃度グループH>低濃度グループI」という関係である。高濃度グループHを構成する各画素の濃度は、低濃度グループIを構成する各画素の濃度よりも濃い。
高濃度グループHは、主走査方向Xに(1,1)〜(8,1)、(1,2)〜(8,2)、(1,3)〜(8,3)、(1,4)〜(8,4)および(1,5)〜(8,5)の40個のイメージ画素よりなり、低濃度グループIは、主走査方向Xに(1,6)〜(8,6)、(1,7)〜(8,7)および(1,8)〜(8,8)の24個のイメージ画素よりなる。ヒストグラム作成部56は、ヒストグラム作成対象イメージブロック61に含まれる各イメージ画素の濃度を求め、ヒストグラム作成対象イメージブロック61の濃度ヒストグラム62を作成する。
図16は、濃度ヒストグラム62の一例を示す図である。濃度ヒストグラム62は、横軸が各イメージ画素の濃度値を示し、縦軸が各濃度値の画素の頻度、すなわち各画素の個数を示す。濃度ヒストグラム62は、図15に示したヒストグラム作成対象イメージブロック61に含まれる各イメージ画素の濃度の分布を表す。
ヒストグラム解析部57は、濃度ヒストグラム62に基づいて、各イメージブロックのイメージ画素が、第1の濃度であるイメージ画素からなる第1グループと、第1の濃度との濃度差が予め定める濃度差以上である第2の濃度であるイメージ画素からなる第2のグループとからなるか否かを解析する。
換言すればヒストグラム解析部57は、濃度ヒストグラム62に基づいて、イメージブロックが、以下の第1の濃度分布条件および第2の濃度分布条件を満たしているか否かを解析する。第1の濃度分布条件は、ヒストグラム作成対象イメージブロック61が濃度の異なる2つグループ、すなわち第1グループと第2のグループとからなることである。
第2の濃度分布条件は、第1グループの濃度と第2のグループの濃度との差が、予め定める第2の閾値以上であることである。予め定める第2の閾値は、たとえばイメージ画素の濃度を表す濃度値が256段階で設定されるとき、「64」と設定される。
図16に示した濃度ヒストグラム62は、ヒストグラム作成対象イメージブロック61が濃度の異なる2つグループである高濃度グループHと低濃度グループIとからなることを示す。したがって、ヒストグラム解析部57は、ヒストグラム作成対象イメージブロック61が第1の濃度分布条件を満たすと解析する。
たとえば、ヒストグラム作成対象イメージブロックであるイメージブロックが濃度の異なる3つのグループから構成されるとき、濃度ヒストグラムは、画素の濃度の異なる3つのグループの存在を示すこととなる。したがって、ヒストグラム解析部57は、ヒストグラム作成対象イメージブロックであるイメージブロックが第1の濃度分布条件を満たさないと解析する。
ヒストグラム解析部57は、第1グループの濃度と第2のグループの濃度との差、すなわちヒストグラム作成対象イメージブロック61を構成する高濃度グループHの濃度と低濃度グループIの濃度との差を算出する。ヒストグラム解析部57は、算出した濃度差が予め定める第2の閾値以上であるか否かを解析する。
ヒストグラム解析部57は、ヒストグラム作成対象イメージブロック61が第1の濃度分布条件および第2の濃度分布条件の両方を満たすと解析すると、ヒストグラム作成対象イメージブロック61のイメージブロックを、高濃度グループHを構成する画素と、低濃度グループIを構成する画素とに分離する。
さらにヒストグラム解析部57は、分離した各イメージ画素の濃度が、高濃度グループHの濃度であるか低濃度グループIの濃度であるかを示す分離データを作成する。分離データは、ヒストグラム解析部57によって分離される前の高濃度グループHと低濃度グループIとが、ヒストグラム作成対象イメージブロック61のイメージブロック中のいずれの領域に存在したかを表すデータである。分離データは、たとえば1画素あたり1bitの2進数で、高濃度グループHに分離された画素を「1」、低濃度グループIに分離された画素を「0」と定義される。
図17は、高濃度イメージブロック63の一例を示す図である。置換処理部58は、ヒストグラム解析部57によって分離された高濃度グループHに基づいて、高濃度イメージブロック63を作成する。高濃度イメージブロック63は、高濃度グループHを構成するイメージ画素のみからなる。
ヒストグラム解析部57によって分離された高濃度グループHは、40個のイメージ画素のみからなるので、1ブロックを構成する画素よりも画素の数が少ない。よって、高濃度グループHは、分離前に低濃度のイメージ画素が存在した領域の画素が欠落している。以下、欠落している画素を「欠落画素」という。欠落画素は、主走査方向Xに(1,6)〜(8,6)、(1,7)〜(8,7)および(1,8)〜(8,8)の画素である。置換処理部58は、欠落画素を高濃度のイメージ画素に置換して高濃度イメージブロック63を作成する。置換処理部58は、作成した高濃度イメージブロック63を、JPEG圧縮器35に送る。
図18は、低濃度イメージブロック65の一例を示す図である。置換処理部58は、ヒストグラム解析部57によって分離された低濃度グループIに基づいて、低濃度イメージブロック65を作成する。低濃度イメージブロック65は、低濃度グループIを構成するイメージ画素のみからなる。
ヒストグラム解析部57によって分離された低濃度グループIは、24のイメージ画素のみからなるので、1ブロックを構成する画素よりも画素の数が少ない。よって、低濃度グループIは、分離前に高濃度のイメージ画素が存在した領域の画素が不足している。欠落画素は、主走査方向Xに(1,1)〜(8,1)、(1,2)〜(8,2)、(1,3)〜(8,3)、(1,4)〜(8,4)および(1,5)〜(8,5)の画素である。置換処理部58は、欠落画素を低濃度のイメージ画素に置換して低濃度イメージブロック65を作成する。置換処理部58は、作成した低濃度イメージブロック65を、JPEG圧縮器35に送る。
ヒストグラム解析部57は、作成した分離データを置換処理部58に送る。置換処理部58は、ヒストグラム解析部57から受取った分離データをMMR圧縮器37に送る。MMR圧縮器37は、置換処理部58から受取った分離データをMMRによって可逆圧縮し、圧縮した分離データを符号出力部38に送る。以下、圧縮された分離データを「分離符号データ」という。符号出力部38は、MMR圧縮器37から受取った分離符号データを、HDD13に送る。HDD13は、受取った分離符号データを記憶する。
符号入力部45は、HDD13から分離符号データを読み出し、読み出した分離符号データをMMR伸長器48に送る。MMR伸長器48は、符号入力部45から受取った分離符号データをMMRによって伸長し、伸長した分離データを画像復元部49に送る。画像復元部49は、MMR伸長器48から受取った分離データに基づいて、高濃度イメージブロック63と低濃度イメージブロック65とから、ヒストグラム解析部57によって分離される前のヒストグラム作成対象イメージブロック61のイメージブロックを復元する。画像復元部49は、復元したヒストグラム作成対象イメージブロック61のイメージブロックを、画像結合部50に送る。
図19は、画像置換部55の処理を示すフローチャートである。画像置換部55がイメージブロックの置換処理を行うときに、ステップd1に進んで処理が開始される。ステップd2では、背景画素判定部42は、画像分離部33からイメージブロックと属性データとを1ブロックずつ受取る。
ステップd3では、背景画素判定部42は、イメージブロックがすべてイメージ画素によって構成されているか否かを判定する。具体的には、背景画素判定部42は、属性データ中に、イメージ画素を表す情報、たとえば「0001」以外の情報が含まれていないか否かを調べる。イメージブロックがすべてイメージ画素によって構成されると判定すると、ステップd4に進み、イメージブロックが背景画素を含むと判定すると、ステップd9に進む。
ステップd4では、ヒストグラム作成部56は、イメージブロックの濃度ヒストグラム62を作成する。ステップd5では、ヒストグラム解析部57は、濃度ヒストグラム62を解析して、第1の濃度分布条件を満たすか否か、すなわちイメージブロックが濃度の異なる2つのグループからなるか否かを判定する。第1の濃度分布条件を満たすと判定すると、ステップd6に進み、第1の濃度条件を満たさないと判定すると、ステップd9に進む。
ステップd6では、ヒストグラム解析部57は、高濃度グループHの濃度と低濃度グループIの濃度との差を算出する。ステップd7では、ヒストグラム解析部は、濃度ヒストグラムを解析して、第2の濃度分布条件を満たすか否か、すなわち高濃度グループHの濃度と低濃度グループIの濃度との差が予め定める第2の閾値以上であるか否かを判定する。第2の濃度分布条件を満たすと判定すると、ステップd8に進み、第2の濃度分布条件を満たさないと判定すると、ステップd9に進む。
ステップd8では、ヒストグラム解析部57は、イメージブロックを2つのグループ、すなわち高濃度グループHと低濃度グループIとに分離し、かつ分離データを作成する。また、置換処理部58は、分離された高濃度グループHから高濃度イメージブロック63を作成し、分離された低濃度グループIとから低濃度イメージブロック65を作成する。
ステップd9では、背景画素判定部59は、1ページ分の画像を表す画像データに含まれるすべてのブロックについて、ステップd3での処理が行われたか否かを判定する。ステップd3での処理が行われていないブロックが存在すると判定すると、ステップd2に進み、すべてのブロックについてステップd3での処理が行われたと判定すると、ステップd10に進んで処理は終了する。
図20は、本発明の実施の第4の形態である画像置換部66の機能の構成を示すブロック図である。図20は、データの流れも示している。図4に示した画像置換部34と同一の構成には同一の参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。本実施の形態の画像形成装置4は、前述した画像形成装置1に含まれる画像置換部34に換えて、画像置換部66を含んで構成される。画像置換部66は、画像置換部52と画像置換部55とを合わせて構成される。
画像置換部66は、背景画素判定部59と、濃度差判定部53と、ヒストグラム作成部56と、ヒストグラム解析部57と、置換処理部60とを含んで構成される。背景画素判定部59は、背景画素が含まれると判定したイメージブロックを濃度差判定部53に送り、背景画素が含まれないと判定したイメージブロックをヒストグラム作成部56に送る。
置換処理部60は、濃度差判定部53から受取ったイメージブロックに対して、図12に示した置換処理部43と同様の置換処理を行い、置換処理されたイメージブロックと、濃度差の最大値が予め定める第1の閾値よりも小さいと判定されて置換処理されていないイメージブロックとをJPEG圧縮器35に送る。
置換処理部60は、ヒストグラム解析部57から受取ったイメージブロックに対して、図14に示した置換処理部58と同様の処理を行い、作成した高濃度イメージブロックおよび低濃度イメージブロックと、濃度分布条件を満たさないと解析されて分離されていないイメージブロックとをJPEG圧縮器35に送る。置換処理部60は、ヒストグラム解析部57から受取った分離データをMMR圧縮器37に送る。
図21は、画像置換部66の処理を示すフローチャートである。画像置換部66がイメージブロックの置換処理を行うときに、ステップd1に進んで処理が開始される。ステップe2では、背景画素判定部59は、画像分離部33からイメージブロックと属性データとを、1ブロックずつ受取る。
ステップe3では、背景画素判定部59は、画像分離部33から受取ったイメージブロックがすべてイメージ画素によって構成されているか否かを判定する。具体的には、背景画素判定部59は、属性データ中に、イメージ画素を表す情報、たとえば「0001」以外の情報が含まれていないか否かを調べる。イメージブロックがすべてイメージ画素で構成されると判定すると、ステップe4に進み、イメージブロックが背景画素を含むと判定すると、ステップe11に進む。ステップe4〜e8は、図9に示したステップd4〜d8と同じであり、ステップe11〜e17は、図13に示したステップc4〜c8と同じであり、説明は省略する。
ステップe9では、背景画素判定部59は、1ページ分の画素を表す画像データに含まれるすべてのブロックについて、ステップe3での処理が行われたか否かを判定する。ステップe3での処理が行われていないブロックが存在すると判定すると、ステップe2に進み、すべてのブロックについてステップe3での処理が行われたと判定すると、ステップe10に進んで処理は終了する。
実施の第1〜4の形態である画像形成装置1〜4は、印刷用紙に画像を印刷するプリンタ機能を有するが、プリンタ機能の他にたとえばコピー機能およびファックス機能などを有するデジタル複合機であってもよい。
画像形成装置1〜4のシステムメモリ14に記憶される制御プログラムは、コンピュータを第1〜4の実施の形態の画像圧縮部22として機能させるための画像圧縮プログラムである。画像圧縮プログラムは、画像形成装置1〜4のシステムメモリ14に記憶されるけれども、他の半導体メモリまたはハードディスク装置などの記憶装置に記憶してもよく、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。したがって、画像圧縮プログラムとして機能するプログラムコード、たとえば実行形式プログラム、中間コードプログラムおよびソースプログラムなどを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータで処理が行われるために図示しないメモリ、たとえばROM(Read Only Memory)などの記録媒体であってもよいし、また、図示しない外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、プログラム読み取り装置に記録媒体を挿入することで読み取り可能な記録媒体であってもよい。
いずれの場合においても、格納されているプログラムはコンピュータがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいは、いずれの場合もプログラムコードを読み出し、読み出されたプログラムコードは、コンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。ダウンロード用のプログラムは、予め画像形成装置1〜4に格納されているものとする。
コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、画像形成装置1〜4と分離可能に構成される記録媒体であり、たとえば磁気テープ/カセットテープなどのテープ系の記録媒体、フレキシブルディスク/ハードディスクなどの磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk
Read Only Memory)/MO(Magneto Optical disk)/MD(Mini Disc)/DVD(
Digital Versatile Disk)/ブルーレイディスクなどの光ディスクのディスク系の記録媒体、メモリカードを含むIC(Integrated Circuit)カード/光カードなどのカード系の記録媒体、またはマスクROM/EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory
)/EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)/フラッシュROMなどの半導体メモリを含む固定的にプログラムコードを担持する記録媒体であってもよい。
また、画像形成装置1〜4はインターネットを含む通信ネットワークに接続されているシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムコードを担持する媒体であってもよい。通信ネットワークからプログラムをダウンロードするときには、ダウンロード用のプログラムは、予めコンピュータに格納しておくか、または別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。
画像圧縮プログラムは、プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。デジタルカラー画像形成装置を含む画像形成装置1〜4またはコンピュータに備えられるプログラム読み取り装置によって、記録媒体が読み取られることで、上述した画像圧縮方法が実行される。
このように、画像分離部33によって、背景色を表すための第1背景画素である背景画素と、文字を表すための文字画素である非イメージ画素と、背景色および文字以外を表すための第2背景画素であるイメージ画素とからなる画像を表す画像データが、予め定める数の画素からなるブロックに分割され、分割された複数のブロックが、文字画素を含む文字ブロックである非イメージブロックと、文字画素を含まない背景ブロックであるイメージブロックとに分離される。背景画素判定部42によって、画像分離部33によって分離されたイメージブロックに、背景画素が含まれるか否かが判定される。置換処理部43によって、背景画素判定部42によって背景画素が含まれると判定されたイメージブロックの各背景画素が、各背景画素に隣接するイメージ画素、隣接するイメージ画素がないときは最も近接するイメージ画素に置換される。データ別圧縮部39によって、置換処理部43によって置換されたイメージブロック、および画像分離部33によって分離されたイメージブロックのうち置換処理部43によって置換されたイメージブロックを除く残余のイメージブロックが非可逆圧縮され、画像分離部33によって分離された非イメージブロックが可逆圧縮される。
したがって、置換処理部43がイメージブロック中の背景画素を背景画素に近接するイメージ画素に置換するので、イメージブロック中の画像の空間周波数の高周波成分が除去される。これによって、データ別圧縮部39がイメージブロックを非可逆圧縮しても、モスキートノイズが発生しにくい。したがって、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、かつ画像データを効率よく圧縮することができる画像圧縮装置である画像圧縮部22を提供することができる。
さらに、濃度差判定部53によって、背景画素判定部42によって背景画素が含まれると判定されたイメージブロックに含まれる各イメージ画素の濃度と、各イメージ画素に隣接する背景画素の濃度との差の最大値が算出され、算出した濃度差の最大値が予め定める閾値以上であるか否かが判定される。置換処理部43によって、濃度差判定部53によって濃度差の最大値が予め定める閾値以上と判定されたイメージブロックに含まれる各背景画素が、各背景画素に隣接するイメージ画素、隣接するイメージ画素がないときは最も近接するイメージ画素に置換される。
したがって、置換処理部43は、イメージ画素と背景画素との濃度差が小さいとき、すなわち非可逆圧縮に伴う画質の劣化が人に知覚されにくいときに、背景画素の置換処理を行わないので、画像を圧縮および伸長する際の処理時間を短縮することができる。これによって、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、画像データを短時間で効率よく圧縮することができる画像圧縮装置である画像圧縮部22を提供することができる。
さらに、濃度分布作成部であるヒストグラム作成部56によって、背景画素判定部42によってイメージブロック中に背景画素が含まれないと判定されたイメージブロックに含まれる各イメージ画素の濃度分布である濃度ヒストグラム62が、イメージブロックごとに作成される。濃度分布解析部であるヒストグラム解析部57によって、各イメージブロックのイメージ画素が、ヒストグラム作成部56によって作成された濃度ヒストグラム62の濃度が第1の濃度であるイメージ画素からなる第1グループと、第1の濃度との濃度差が予め定める濃度差以上である第2の濃度であるイメージ画素からなる第2のグループとからなるとき、イメージブロックが第1の濃度のイメージ画素と第2の濃度のイメージ画素とに分離され、かつ分離した各イメージ画素の濃度が第1の濃度であるか第2の濃度であるかを示す分離データが作成される。置換処理部43によって、ヒストグラム解析部57によってイメージブロックが分離された後に、予め定める数で構成される第1の濃度のイメージ画素のみからなる第1濃度イメージブロックと、予め定める数で構成される第2の濃度のイメージ画素のみからなる第2濃度イメージブロックとが作成される。
したがって、ヒストグラム解析部57は、背景画素を含まないイメージブロックに対して、非可逆圧縮に伴ない画質が大きく劣化するか否かを適切に解析することができる。よって、ヒストグラム解析部57は、画質が大きく劣化すると解析されたイメージブロックを分離処理することによって、イメージブロック中の画像の空間周波数の高周波成分を除去することができる。これによって、画像データを圧縮することによる画質の劣化をさらに最小限に抑え、画像データを効率よく圧縮することができる画像圧縮装置である画像圧縮部22を提供することができる。
さらに、画像処理装置である画像処理部12に、前記画像圧縮装置である画像圧縮部22が含まれる。したがって、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、かつ画像データを効率よく圧縮することができる画像処理装置である画像処理部12を提供することができる。
さらに、画像形成装置1〜4に、前記画像処理装置である画像処理部12が含まれる。したがって、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、かつ画像データを効率よく圧縮することができる画像形成装置1〜4を提供することができる。
さらに、画像分離工程であるステップa1では、背景色を表すための第1背景画素と、文字を表すための文字画素と、背景色および文字以外を表すための第2背景画素とからなる画像を表す画像データが、予め定める数の画素からなるブロックに分割され、分割された複数のブロックが、文字画素を含む文字ブロックと、文字画素を含まない背景ブロックとに分離される。背景画素判定工程であるステップa2,a3では、画像分離工程によって分離された背景ブロックに、第1背景画素が含まれるか否かが判定される。置換処理工程であるステップa4では、背景画素判定工程によって第1背景画素が含まれると判定された背景ブロックの各第1背景画素が、各第1背景画素に隣接する第2背景画素、隣接する第2背景画素がないときは最も近接する第2背景画素に置換される。データ別圧縮工程であるステップa5では、置換処理工程によって置換された背景ブロック、および画像分離工程によって分離された背景ブロックのうち置換処理工程によって置換された背景ブロックを除く残余の背景ブロックが非可逆圧縮され、画像分離工程によって分離された文字ブロックが可逆圧縮される。
したがって、置換処理工程によって、イメージブロック中の背景画素を背景画素に近接するイメージ画素に置換するので、イメージブロック中の画像の空間周波数の高周波成分が除去される。これによって、データ別圧縮工程によってイメージブロックが非可逆圧縮されても、モスキートノイズが発生しにくい。したがって、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、かつ画像データを効率よく圧縮することができる画像圧縮方法を提供することができる。
さらに、画像圧縮プログラムによって、コンピュータが、画像圧縮装置である画像圧縮部22として機能する。したがって、コンピュータを、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、かつ画像データを効率よく圧縮することができる画像圧縮装置である画像圧縮部22として機能させることができる画像圧縮プログラムを提供することができる。
さらに、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に、前記画像圧縮プログラムが記録される。したがって、コンピュータを、画像データを圧縮することによる画質の劣化を最小限に抑え、かつ画像データを効率よく圧縮することができる画像圧縮装置である画像圧縮部22として機能させることができるコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
1〜4 画像形成装置
9 コンピュータ
11 SoC
12 画像処理部
13 HDD
14 システムメモリ
15 ローカルメモリ
16 印刷エンジン
17 データバス
18 アプリケーションソフトウェア
19 プリンタドライバ
21 ラスタデータ生成部
22 画像圧縮部
23 画像伸長部
24 色補正部
25 中間調処理部
26 処理対象イメージブロック
27 第1のイメージブロック
28 第2のイメージブロック
29 属性表示データブロック
30 ノイズ発生イメージブロック
31 処理済イメージブロック
33 画像分離部
34 画像置換部
35 JPEG圧縮器
36 JBIG圧縮器
37 MMR圧縮器
38 符号出力部
39 データ別圧縮部
42 背景画像判定部
43 置換処理部
44 データ別伸長部
45 符号入力部
46 JPEG伸長部
47 JBIG伸長部
48 MMR伸長部
49 画像復元部
50 画像結合部
52 画像置換部
55 画像置換部
56 ヒストグラム作成部
57 ヒストグラム解析部
58 置換処理部
59 背景画素判定部
60 置換処理部
61 ヒストグラム作成対象イメージブロック
62 濃度ヒストグラム
63 高濃度イメージブロック
65 低濃度イメージブロック
66 画像置換部

Claims (8)

  1. 背景色を表すための第1背景画素と、文字を表すための文字画素と、背景色および文字以外を表すための第2背景画素とからなる画像を表す画像データを、予め定める数の画素からなるブロックに分割し、分割した複数のブロックを、文字画素を含む文字ブロックと、文字画素を含まない背景ブロックとに分離する画像分離部と、
    前記画像分離部によって分離された背景ブロックに、第1背景画素が含まれるか否かを判定する背景画素判定部と、
    前記背景画素判定部によって第1背景画素が含まれると判定された背景ブロックの各第1背景画素を、各第1背景画素に隣接する第2背景画素、隣接する第2背景画素がないときは最も近接する第2背景画素に置換する置換処理部と、
    前記置換処理部によって置換された背景ブロック、および前記画像分離部によって分離された背景ブロックのうち前記置換処理部によって置換された背景ブロックを除く残余の背景ブロックを非可逆圧縮し、前記画像分離部によって分離された文字ブロックを可逆圧縮するデータ別圧縮部とを含むことを特徴とする画像圧縮装置。
  2. 前記背景画素判定部によって第1背景画素が含まれると判定された背景ブロックに含まれる各第2背景画素の濃度と、各第2背景画素に隣接する第1背景画素の濃度との差の最大値を算出し、算出した濃度差の最大値が予め定める閾値以上であるか否かを判定する濃度差判定部をさらに含み、
    前記置換処理部は、前記濃度差判定部によって濃度差の最大値が予め定める閾値以上と判定された背景ブロックに含まれる各第1背景画素を、各第1背景画素に隣接する第2背景画素、隣接する第2背景画素がないときは最も近接する第2背景画素に置換することを特徴とする請求項1に記載の画像圧縮装置。
  3. 前記背景画素判定部によって背景ブロック中に第1背景画素が含まれないと判定された背景ブロックに含まれる各第2背景画素の濃度分布を、背景ブロックごとに作成する濃度分布作成部と、
    各背景ブロックの第2背景画素が、濃度分布作成部によって作成された濃度分布の濃度が第1の濃度である第2背景画素からなる第1グループと、第1の濃度との濃度差が予め定める濃度差以上である第2の濃度である第2背景画素からなる第2のグループとからなるとき、背景ブロックを第1の濃度の第2背景画素と第2の濃度の第2背景画素とに分離し、かつ分離した各第2背景画素の濃度が第1の濃度であるか第2の濃度であるかを示す分離データを作成する濃度分布解析部とをさらに含み、
    前記置換処理部は、前記濃度分布解析部によって背景ブロックが分離された後に、前記予め定める数で構成される第1の濃度の第2背景画素のみからなる第1濃度背景ブロックと、前記予め定める数で構成される第2の濃度の第2背景画素のみからなる第2濃度背景ブロックとを作成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像圧縮装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像圧縮装置を含むことを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項4に記載の画像処理装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
  6. 背景色を表すための第1背景画素と、文字を表すための文字画素と、背景色および文字以外を表すための第2背景画素とからなる画像を表す画像データを、予め定める数の画素からなるブロックに分割し、分割した複数のブロックを、文字画素を含む文字ブロックと、文字画素を含まない背景ブロックとに分離する画像分離工程と、
    前記画像分離工程によって分離された背景ブロックに、第1背景画素が含まれるか否かを判定する背景画素判定工程と、
    前記背景画素判定工程によって第1背景画素が含まれると判定された背景ブロックの各第1背景画素を、各第1背景画素に隣接する第2背景画素、隣接する第2背景画素がないときは最も近接する第2背景画素に置換する置換処理工程と、
    前記置換処理工程によって置換された背景ブロック、および前記画像分離工程によって分離された背景ブロックのうち前記置換処理工程によって置換された背景ブロックを除く残余の背景ブロックを非可逆圧縮し、前記画像分離工程によって分離された文字ブロックを可逆圧縮するデータ別圧縮工程とを含むことを特徴とする画像圧縮方法。
  7. コンピュータを、請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像圧縮装置として機能させるための画像圧縮プログラム。
  8. 請求項7に記載の画像圧縮プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
JP2009094412A 2009-04-08 2009-04-08 画像圧縮装置、画像処理装置、画像形成装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラムおよび記録媒体 Pending JP2010245976A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009094412A JP2010245976A (ja) 2009-04-08 2009-04-08 画像圧縮装置、画像処理装置、画像形成装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラムおよび記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009094412A JP2010245976A (ja) 2009-04-08 2009-04-08 画像圧縮装置、画像処理装置、画像形成装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラムおよび記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010245976A true JP2010245976A (ja) 2010-10-28

Family

ID=43098479

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009094412A Pending JP2010245976A (ja) 2009-04-08 2009-04-08 画像圧縮装置、画像処理装置、画像形成装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラムおよび記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010245976A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013207777A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Kyocera Document Solutions Inc 画像圧縮装置
CN115396670A (zh) * 2022-07-28 2022-11-25 西安空间无线电技术研究所 一种局域处理的图像数据压缩方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013207777A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Kyocera Document Solutions Inc 画像圧縮装置
CN115396670A (zh) * 2022-07-28 2022-11-25 西安空间无线电技术研究所 一种局域处理的图像数据压缩方法
CN115396670B (zh) * 2022-07-28 2024-05-03 西安空间无线电技术研究所 一种局域处理的图像数据压缩方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4176114B2 (ja) 画像圧縮装置およびそれを備えた画像読取装置、画像圧縮装置を備えた画像処理装置並びにそれを備えた画像形成装置、画像圧縮処理方法
JP4732488B2 (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像読取装置、画像処理方法、画像処理プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体
US7319548B2 (en) Image processing device having functions for detecting specified images
JP4115460B2 (ja) 画像処理装置およびその方法、並びに、コンピュータプログラムおよび記録媒体
JPH1051642A (ja) 画像処理装置
JP2007060619A (ja) 画像処理装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラム及び記録媒体
JP2010103681A (ja) 画像処理装置および画像処理方法
US8395820B2 (en) Image processing apparatus for printing in black coloring material based on attribute information
JP2011193394A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム
JP2011151720A (ja) 画像処理装置
JP4469330B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、記録媒体及び画像形成装置
JP2004112695A (ja) 画像処理装置及びその処理方法
JP2010245976A (ja) 画像圧縮装置、画像処理装置、画像形成装置、画像圧縮方法、画像圧縮プログラムおよび記録媒体
JP4908382B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP4050639B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラム
JP2010118760A (ja) 画像処理装置
JP2009060474A (ja) 画像処理装置
JP2001186356A (ja) 画像圧縮装置及び画像圧縮方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
US8830509B2 (en) Image processing apparatus, method, and medium for performing density adjustment
JP4802853B2 (ja) 画像処理装置および画像処理プログラム
US11924390B2 (en) Apparatus, method, and storage medium for performing color reduction processing
JP2005045342A (ja) 画像処理装置及び画像処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラム
JP5321364B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、プログラム
JP2012134847A (ja) 画像圧縮装置、画像圧縮方法、及びプログラム
JP2006222940A (ja) 画像処理装置