JP2010244720A - 光源灯点灯回路ならびに光源点灯方法 - Google Patents

光源灯点灯回路ならびに光源点灯方法 Download PDF

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Abstract

【課題】誤って検査モードに入ってしまい、そこで異常を検出すると、放電灯の駆動が停止されたままとなる。
【解決手段】放電灯点灯回路において、モード判別回路32は、モード判別期間に放電灯4にランプ電流ILが流れる場合は検査モード、そうでない場合は通常動作モードが要求されていると判別する。フェールセーフタイマ回路36は、検査モードにおいては、電源が投入されてから通常動作モードの第1異常検出時間より短い第2異常検出時間が経過した後に駆動電圧VLが異常検出電圧に到達していなければ動作の異常として検出する。再試行回路38は、検査モードにおいて動作の異常が検出された場合、放電灯点灯回路の状態を放電灯4の駆動を停止するための状態に変更し、その後再度モード判別回路32にモードを判別せしめる。
【選択図】図2

Description

本発明は、保護機能を備える光源灯点灯回路および光源点灯方法に関する。
近年、車両用灯具(前照灯)として、従来のフィラメントを有するハロゲンランプに代えて、メタルハライドランプ(以下、放電灯と称する)が利用されている。放電灯は、ハロゲンランプに比べて発光効率、長寿命が得られる反面、駆動電圧として数十〜数百Vが必要であるため、12V(もしくは24V)の車載バッテリでは直接駆動することができず、放電灯点灯回路(バラストとも称される)が必要となる。
放電灯点灯回路は、バッテリ電圧を昇圧するDC/DCコンバータと、DC/DCコンバータの出力電圧を交流変換するHブリッジ回路などのスイッチング回路と、スタータ回路と、これらの回路ブロックを制御する制御回路とを備えている(たとえば特許文献1参照)。
特開平11−329777号公報
放電灯点灯回路の保護機能およびその検査について、本発明者は以下の課題を認識した。
特に車載用の放電灯の点灯回路では、起動時に速やかな光出力の立ち上げを促すために、起動直後は定常時の電力よりも大きな電力を投入する。その後放電灯内の活性の度合いを監視しながら徐々に電力を軽減し、定常時の電力へ収斂させてゆく。この時間は通常数十秒に及ぶ。放電灯点灯回路には、この数十秒に及ぶ時間を越えてもまだ駆動電圧が所定の電圧に達していなければ放電灯の異常と見なして放電灯の駆動を停止する保護機能が備わっている。
放電灯点灯回路の製造ラインでこの数十秒に及ぶ時間を検査しようとする場合、検査時間が多くかかり過ぎる。したがって、検査工程では放電灯点灯回路内のタイマを早回しすることで検査時間を短縮する。
ところが放電灯点灯回路が検査工程を経て製品として市場に出た後に、万が一検査工程で使用されるべきモード(以降、検査モードと言う)に入ってしまうようなことがあると、予期せず放電灯点灯回路内のタイマが早回しされ、保護機能に支障をきたし得る。
このような課題は放電灯の点灯回路に限らずLED(Light Emitting Diode)などの光源の点灯回路にも生じうる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、通常動作モードと検査モードとを有する光源点灯回路において、モードの誤判別により検査モードに入ってしまった場合に、通常動作モードに復帰できる光源点灯回路の提供にある。
本発明のある態様は、光源点灯回路に関する。この光源点灯回路は、駆動対象の光源の駆動状態を監視することによって、通常動作モードまたは検査モードのいずれが要求されているかを判別するモード判別回路と、通常動作モードにおける動作の異常を所定の第1規則により検出し、検査モードにおける動作の異常を第1規則とは異なる第2規則により検出する異常検出回路と、異常検出回路が検査モードにおいて動作の異常を検出した場合、当該光源点灯回路の状態を光源の駆動を停止するための状態に変更し、その後再度モード判別回路にモードを判別せしめる再試行回路と、を備える。
この態様によると、検査モードにおいて動作の異常が検出された場合、再度モードの判別が行われる。これにより検査モードから通常動作モードへの復帰の機会が与えられる。
モード判別回路は、再試行回路から再度モードを判別するよう指令を受けると、当該光源点灯回路の状態を通常の動作の状態に戻してもよい。この場合、検査モードで動作の異常を検出して光源点灯回路の状態が光源の駆動を停止するための状態となっていたとしても、光源点灯回路の状態を通常の動作の状態に戻すことができる。
光源は放電灯であってもよい。モード判別回路は、当該光源点灯回路に電源が投入された後の所定のモード判別期間に放電灯に駆動電流が流れる場合は検査モード、そうでない場合は通常動作モードが要求されていると判別してもよい。異常検出回路における第1規則は、当該光源点灯回路に電源が投入されてから所定の第1異常検出時間が経過した後に放電灯に印加されている駆動電圧が所定の異常検出電圧に到達していなければ動作の異常として検出するという規則を含んでもよい。異常検出回路における第2規則は、当該光源点灯回路に電源が投入されてから第1異常検出時間より短い第2異常検出時間が経過した後に放電灯に印加されている駆動電圧が異常検出電圧に到達していなければ動作の異常として検出するという規則を含んでもよい。この場合、特に放電灯を駆動する放電灯点灯回路について、検査モードにおいて放電灯の起動に関する異常が検出された場合、再度モードの判別が行われる。
モード判別回路が検査モードが要求されていると判別した場合、異常検出回路の動作の周波数を上昇させる周波数切替回路をさらに備えてもよい。異常検出回路では、その動作の周波数が上昇すると、第1規則から第2規則に切り替わってもよい。
本発明の別の態様は、光源点灯方法である。この方法は、駆動回路によって駆動される光源の駆動状態を監視することによって、通常動作モードまたは検査モードのいずれが要求されているかを判別するステップと、通常動作モードにおける動作の異常を所定の第1規則により検出し、検査モードにおける動作の異常を第1規則とは異なる第2規則により検出するステップと、検査モードにおいて動作の異常が検出された場合、駆動回路の状態を光源の駆動を停止するための状態に変更し、その後再度モードを判別するステップと、を含む。
この態様によると、検査モードにおいて動作の異常が検出された場合、再度モードの判別が行われる。これにより検査モードから通常動作モードへの復帰の機会が与えられる。
本発明によれば、通常動作モードと検査モードとを有する光源点灯回路において、モードの誤判別により検査モードに入ってしまった場合でも通常動作モードに復帰させることができる。
実施の形態に係る放電灯点灯回路およびそれに接続される部材の構成を示す回路図である。 フェールセーフ回路および状態検出回路の構成を示す回路図である。 図3(a)、(b)は、モード判別期間生成回路の構成および波形を示す図である。 図1の放電灯点灯回路に放電灯を負荷として接続した場合の動作状態を示すタイムチャートである。 図1の放電灯点灯回路に放電灯の代わりに可変抵抗を負荷として接続した場合の動作状態を示すタイムチャートである。 比較例に係る放電灯点灯回路に入力電圧Vinの瞬断が生じた場合の動作状態を示すタイムチャートである。 図1の放電灯点灯回路に入力電圧Vinの瞬断が生じた場合の動作状態を示すタイムチャートである。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には適宜同一の符号を付するものとし、重複した説明は省略する。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
実施の形態に係る放電灯点灯回路は、通常動作モードと検査モードとを有する。検査モードでは検査の効率を上げるため、異常を検出するためのタイマが早回しされる。モードの誤判別が生じた場合に対応するため、検査モードでは異常を検出してから所定の遅延時間Td経過した後に異常の検出をリセットして再度モードを判別する。
図1は、実施の形態に係る放電灯点灯回路100およびそれに接続される部材の構成を示す回路図である。放電灯点灯回路100は、車載用のメタルハライドランプである放電灯4を駆動する。放電灯点灯回路100および放電灯4は、車両用灯具に搭載される。放電灯点灯回路100は、車載バッテリ(以下、単にバッテリと称する)6、電源スイッチ8と接続される。
バッテリ6は、12V(もしくは24V)の直流のバッテリ電圧Vbatを発生する。電源スイッチ8は放電灯4の点灯のオン、オフを制御するために設けられたリレースイッチであり、バッテリ6と直列に設けられる。電源スイッチ8がオンとなると、バッテリ6からバッテリ電圧Vbatが放電灯点灯回路100に供給される。
放電灯点灯回路100は、平滑化されたバッテリ電圧Vbatを昇圧し、交流変換して放電灯4へと供給する。以下、放電灯点灯回路100の詳細な構成を説明する。
放電灯点灯回路100は、第1DC/DCコンバータCONV1、第2DC/DCコンバータCONV2、制御回路10、スタータ回路20、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、電流検出抵抗Rd、入力キャパシタC1、を備える。
入力キャパシタC1は、バッテリ6と並列に設けられ、バッテリ電圧Vbatを平滑化する。より具体的には、入力キャパシタC1は第1トランス14、第2トランス16の近傍に設けられており、第1DC/DCコンバータCONV1、第2DC/DCコンバータCONV2のスイッチング動作に対する電圧平滑化の機能を果たす。
制御回路10は、放電灯点灯回路100全体を制御する機能IC(Integrated Circuit)を含み、放電灯点灯回路100の駆動シーケンスを制御するとともに、放電灯4に供給する電力を調節する。制御回路10は、以下の駆動シーケンスを実行することにより放電灯4を点灯させ、その光出力を安定化させる。
1. 電源投入
2. ブレークダウン
3. 過渡期間
4. 定常点灯
各シーケンスの詳細は後述する。
制御回路10は、バッテリ電圧Vbatなどのバッテリ6(電源側)の電気的状態、および第1DC/DCコンバータCONV1の第1出力電圧Vo1や第2DC/DCコンバータCONV2の第2出力電圧Vo2や電流検出抵抗Rdを介して計測されるランプ電流ILなどの放電灯4(出力側)の電気的状態、および放電灯点灯回路100や放電灯4の温度などの物理的状態を監視する。制御回路10はそれらの状態に異常を検知すると、放電灯点灯回路100および放電灯4を保護するための制御を行う。詳細は後述する。
第1DC/DCコンバータCONV1、第2DC/DCコンバータCONV2、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2および制御回路10は、放電灯4に対する駆動電圧VLを生成する駆動電圧生成部12を形成する。駆動電圧生成部12は、少なくとも定常点灯期間において、放電灯4の両端間に点灯周波数f1の交流の駆動電圧VLを供給する。点灯周波数f1は10kHz以下、具体的には250Hz〜750Hz程度に設定される。点灯周波数f1の逆数を点灯周期T1(=1/f1)という。
第1DC/DCコンバータCONV1は、絶縁型のスイッチングレギュレータであり、第1スイッチング素子M1、第1トランス14、第1整流ダイオードD1、第1出力キャパシタCo1を含む。第1DC/DCコンバータCONV1のトポロジーは一般的なものであるため簡潔に説明する。
第1トランス14の1次コイルL1と第1スイッチング素子M1は、入力キャパシタC1と並列に、第1DC/DCコンバータCONV1の入力端子Pinと接地端子(GND)との間に直列に設けられている。たとえば第1スイッチング素子M1はNチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)で構成される。第1トランス14の2次コイルL2の一端は接地されており、その他端は第1整流ダイオードD1のアノードと接続される。第1出力キャパシタCo1は第1整流ダイオードD1のカソードと接地端子間に設けられる。
第1スイッチング素子M1の制御端子(ゲート)には、点灯周波数f1より高いPWM周波数f2の第1制御パルス信号S1が印加される。たとえばPWM周波数f2は400kHzである。第1スイッチング素子M1は、第1制御パルス信号S1がハイレベルのときオン、ローレベルのときオフする。制御回路10は、放電灯4の電気的状態にもとづいてフィードバックによって第1制御パルス信号S1のハイレベルとローレベルのデューティ比を調節する。
第1DC/DCコンバータCONV1は、アクティブ状態と非アクティブ状態が切り換え可能であり、アクティブ状態において、放電灯4の一端P1に第1出力電圧Vo1を供給する。
第2DC/DCコンバータCONV2は、第1DC/DCコンバータCONV1と同様の回路トポロジーを有している。すなわち、第1整流ダイオードD1と第2整流ダイオードD2、第1出力キャパシタCo1と第2出力キャパシタCo2、第1トランス14と第2トランス16、第1スイッチング素子M1と第2スイッチング素子M2は対応している。第2スイッチング素子M2のオン、オフは、放電灯4の電気的状態にもとづいたフィードバックによって、制御回路10が生成する第2制御パルス信号S2によって制御される。
第2DC/DCコンバータCONV2も、アクティブ状態と非アクティブ状態が切り換え可能であり、アクティブ状態において、放電灯4の他端P2に第2出力電圧Vo2を供給する。
第1スイッチSW1は、放電灯4の一端P1側に設けられ、オン状態において、放電灯4の一端P1と固定電圧端子(接地端子)との間を電気的に導通させる。第2スイッチSW2は、放電灯4の他端P2側に設けられ、オン状態において、放電灯4の他端P2と固定電圧端子(接地端子)との間を電気的に導通させる。第1スイッチSW1および第2スイッチSW2にはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)もしくはMOSFETが好適であるが、その他の代替デバイスを用いても構わない。第1スイッチSW1、第2スイッチSW2それぞれのオン、オフ状態は、制御回路10からの第1制御信号S3、第2制御信号S4に応じて制御される。
第1DC/DCコンバータCONV1と第2DC/DCコンバータCONV2は、点灯周波数f1で相補的にアクティブ状態と非アクティブ状態を繰り返す。つまり第1DC/DCコンバータCONV1がアクティブな期間と、第2DC/DCコンバータCONV2がアクティブな期間とはそれぞれ、点灯周期T1の半周期となる。以下、第1DC/DCコンバータCONV1がアクティブな状態を第1状態φ1、第2DC/DCコンバータCONV2がアクティブな状態を第2状態φ2と称する。第1スイッチSW1は第2DC/DCコンバータCONV2がアクティブのとき、つまり第2状態φ2においてオンし、第2スイッチSW2は第1DC/DCコンバータCONV1がアクティブのとき、つまり第1状態φ1においてオンする。
第1状態φ1においては、放電灯4の一端P1に第1出力電圧Vo1が、他端P2に接地電圧(0V)が印加され、その結果、放電灯4には、駆動電圧VL(≒Vo1)が第1極性にて印加される。第2状態φ2においては、放電灯4の他端P2に第2出力電圧Vo2が、一端P1に接地電圧が印加され、その結果、放電灯4には、駆動電圧VL(≒Vo2)が第1極性と反対の第2極性にて印加される。
少なくとも定常点灯期間において、制御回路10は、第1状態φ1と第2状態φ2とを点灯周期T1にて交互に繰り返す。その結果、放電灯4には、交流の駆動電圧VLが供給される。
電流検出抵抗Rdは、放電灯4に流れるランプ電流ILの経路上に設けられる。図1の回路では電流検出抵抗Rdは、共通接続された第1スイッチSW1、第2スイッチSW2のエミッタと、接地端子との間に設けられる。第1状態φ1においては、放電灯4に第1極性(図1中の右向き)に流れるランプ電流が流れ、第2状態φ2においては、第2極性(図1中の左向き)に流れるランプ電流が流れる。電流検出抵抗Rdには、第1状態φ1、第2状態φ2のそれぞれにおいて、ランプ電流ILに比例した電圧降下(電流検出信号SILと称する)が発生する。電流検出信号SILは、制御回路10へ入力される。
スタータ回路20は、放電灯4をブレークダウンさせるために設けられる。スタータ回路20は、スタータトランス22およびパルス発生部28を含む。パルス発生部28は、スタータトランス22の1次コイル24に対して、振幅が400V〜1kVのパルス電圧を印加する。その結果、2次コイル26側には、スタータトランス22の巻線比に応じた高電圧パルス(たとえば20kV)が発生し、放電灯4に印加される。その結果、放電灯4がブレークダウンし、放電が開始する。
放電灯点灯回路100および放電灯4を保護するための制御回路10の保護機能を説明する。大きく分けて異常には、バッテリ6側(電源側)の異常と、放電灯4および放電灯点灯回路100側(出力側)の異常とがある。出力側の異常は、放電灯4および放電灯点灯回路100の動作に関連する異常であることから動作の異常とも呼ぶことができる。
制御回路10は、電源側の異常を検出するために、バッテリ電圧Vbatなどの電源側の電気的状態を監視する。そして例えばバッテリ電圧Vbatが所定のしきい値電圧を下回ると電源側に異常があると判定し、駆動電圧VLの出力を停止するための制御を行う。その後バッテリ電圧Vbatの監視を続け、バッテリ電圧Vbatがしきい値電圧を上回ると再度上述の駆動シーケンスを最初から実行する。これにより、バッテリ6の接続端子が外れてしまうといった異常に対処できる。バッテリ電圧Vbatは、例えば車両の起動時には一時的にしきい値電圧を下回ることがあるが、このような状況にも対応することができる。
出力側の異常には例えば、耐用年数を超えた使用によって放電灯4の電極が摩耗するなどしてアークが形成されなくなる異常(開放)や、放電灯4の一端P1と他端P2とが電気的に接触する異常(短絡)や、放電灯4にスローリークが発生したり放電灯4が水没したりすることなどにより放電灯4がうまく起動しない異常(起動異常)や、放電灯点灯回路100の温度が所定の動作温度範囲から逸脱する異常(温度異常)や、放電灯4の端子が予期せずグランド(接地)と接触する異常(地絡)や、放電灯4が点滅状態となる異常(点滅)などがある。
放電灯点灯回路100の設計段階において、これらの異常が起こった場合に想定される出力側の電気的状態および物理的状態がシミュレーションや計算などから定義される。ここで定義される状態を想定異常状態と呼ぶ。開放に対する想定異常状態とは例えば、所定の開放検知期間に亘ってランプ電流ILが所定の開放検知電流より小さい状態である。起動異常に対する想定異常状態とは例えば、放電灯点灯回路100に電源が投入されてから所定の第1起動異常検出時間Tf1が経過した後に放電灯4に印加されている駆動電圧VLが所定の起動異常検出電圧Vthに到達していない状態である。
これらの例から分かる通り、想定異常状態は、ランプ電流IL、駆動電圧VL、放電灯点灯回路100の温度などのパラメータが所定の異常条件を満たす期間が所定の異常検出時間よりも長く続く状態であると言うことができる。
制御回路10は、出力側の電気的状態および物理的状態を監視し、それが想定異常状態を示すと出力側の異常として検出する。
制御回路10は、出力側の異常を検出すると、放電灯点灯回路100の状態を放電灯4の駆動を停止するための状態に変更する。この放電灯4の駆動を停止するための状態とは例えば、第1スイッチング素子M1および第2スイッチング素子M2がオフに固定される状態である。出力側の異常は、上述の例の通り多くの場合復帰の可能性は低い。したがって、検査モード(後述する)ではない通常動作モードにおいては、制御回路10は、出力側の異常を検出すると、放電灯点灯回路100の状態を放電灯4の駆動を停止するための状態に固定する。
制御回路10が有する検査モードについて説明する。
放電灯点灯回路100の製造ラインにおいては、上述の保護機能を検査するために、負荷として放電灯4の代わりに抵抗値を切り替えることのできる可変抵抗を使用する。検査では、この可変抵抗の抵抗値を切り替えることによって故意に想定異常状態を作り出し、それに対して放電灯点灯回路100が負荷の駆動を停止するか否かを見る。
製造ラインにおいて、例えば起動異常が正常に検出されるか否かを検査する場合を考える。放電灯点灯回路100の動作において後述するが、放電灯4がブレークダウンした後は、放電灯4の内部が徐々に活性化され、放電灯4のインピーダンスが上昇する(過渡期間)。したがって駆動電圧VLは放電灯4のブレークダウン後徐々に上昇する。放電灯4のブレークダウン後放電灯4が定常点灯状態に至るためには、放電灯4の種類にもよるが、通常数十秒が必要である。これに鑑み、起動異常の検出に係る第1起動異常検出時間Tf1は通常数十秒、特に水銀を使用しない放電灯4の場合は約80秒、に設定される。
したがって、何の対策も取らなければ、ひとつの放電灯点灯回路の起動異常検出を検査するために、約80秒もの時間をかけなければならない。これでは生産性が低下しかねない。そこで、本実施の形態に係る放電灯点灯回路100には検査モードが設けられている。
検査モードでは、制御回路10において想定異常状態を検出する際、異常条件を満たす期間の長さを計測するための計時が所定の倍率で早められる。その結果として、異常検出時間がその所定の倍率の逆数倍で短くなる。例えば起動異常に対する想定異常状態を検出する場合、駆動電圧VLが起動異常検出電圧Vthに到達していない期間の長さを計時するタイマ回路が64倍早回しされる。その結果として、検査モードでは、放電灯点灯回路100に電源が投入されてから第1起動異常検出時間Tf1(約80秒)の64分の1である第2起動異常検出時間Tf2(約80/64=1.25秒)が経過した後に放電灯4に印加されている駆動電圧VLが起動異常検出電圧Vthに到達していなければ、放電灯4の起動異常として検出される。したがって検査モードでは、起動異常検出を検査するために必要な時間が短縮される。無論、起動異常検出に限らず出力側の異常の検出を検査するために必要な時間が短縮されうる。
また、本実施の形態に係る放電灯点灯回路100は後述する理由により、検査モードにおいて出力側の異常を検出した場合、放電灯点灯回路100の状態を放電灯4の駆動を停止するための状態に変更し、その後再度、どのモードが要求されているかを判別する。
上述した制御回路10の保護機能とモード設定とに関するフェールセーフ回路30および状態検出回路40について説明する。フェールセーフ回路30および状態検出回路40は制御回路10に含まれる。図2は、フェールセーフ回路30および状態検出回路40の構成を示す回路図である。
状態検出回路40は、電流検出信号SIL、第1出力電圧Vo1、第2出力電圧Vo2、放電灯点灯回路100に入力される入力電圧Vin、および放電灯点灯回路100の温度を示す図示しない温度信号などを受け、出力側の電気的状態および物理的状態を検出する。状態検出回路40はフェールセーフ回路30に対してランプ電流検出信号S5とパワーオンリセット信号Spoと想定異常検知信号Sfとを供給する。
ランプ電流検出信号S5は、ランプ電流ILが流れるとアサートされる(例えば、ハイレベルとなる)信号である。状態検出回路40は、電流検出信号SILによって示されるランプ電流ILの値が所定のしきい値電流より高い状態が所定のフィルタ期間以上続くとランプ電流検出信号S5をハイレベルとする。これらのしきい値電流およびフィルタ期間は誤検出を避けるよう実験により定められる。
パワーオンリセット信号Spoは、パワーオンリセットに際しアサートされる(例えば、ハイレベルとなる)信号である。パワーオンリセットとは、放電灯点灯回路100へ電源を投入した直後に放電灯点灯回路100を初期状態に設定することである。状態検出回路40は、入力電圧Vinに電源投入に対応する立ち上がりエッジを検出するとパワーオンリセット信号Spoにパルスを生成する。
想定異常検知信号Sfは、異常条件が満たされるとアサートされる(例えば、ハイレベルとなる)信号である。状態検出回路40は、出力側の電気的状態または物理的状態が異常条件を満たすと想定異常検知信号Sfをハイレベルとする。以降、出力側の異常のなかでも起動異常に着目し、制御回路10の起動異常に対する保護機能について説明する。状態検出回路40は、駆動電圧VLが起動異常検出電圧Vthより低いと想定異常検知信号Sfをハイレベルとする。
なお、状態検出回路40は図2では図示されない制御回路10の他の部分とも接続されているが、説明を明瞭とするためそれらの接続は図2では省略されている。
フェールセーフ回路30は、要求されているモードによって、起動異常に対する保護機能の内容を切り替える。フェールセーフ回路30は、モード判別回路32、周波数切替回路34、フェールセーフタイマ回路36、フェールセーフラッチ回路68、再試行回路38、を含む。
放電灯点灯回路100の製造時の検査工程では、放電灯4の代わりに可変抵抗を負荷として用いるのは上述の通りである。この検査工程では放電灯点灯回路100へ電源を投入してからスタータ回路20が放電灯4に高電圧パルスを印加するまでの期間内でもランプ電流ILが流れる。これに対して放電灯4が負荷として用いられる場合は、かかる期間内にランプ電流ILは流れないか、流れたとしても微量である。これに鑑み、モード判別回路32は、放電灯点灯回路100への電源投入、つまりパワーオンリセット信号Spoにパルスを検出してからスタータ回路20が放電灯4に高電圧パルスを印加するまでの期間内に所定のモード判別期間φmを設ける。また、モード判別回路32は、検査モードにおいて起動異常を検出した後に、再度モード判別期間φmを設ける。モード判別回路32は、モード判別期間φm内にランプ電流ILが流れる場合は検査モード、そうでない場合は通常動作モードが要求されていると判別する。
モード判別回路32にはランプ電流検出信号S5、パワーオンリセット信号Spoおよび後述する検査モードリセット信号Srstが入力される。モード判別回路32は、検査モード設定信号SINSPを出力する。モード判別回路32は、パワーオンリセット信号Spoもしくは検査モードリセット信号Srstのいずれかにパルスを検出するとモード判別期間φmを設定する。モード判別回路32は、そのモード判別期間φm内にランプ電流検出信号S5がハイレベルとなると、検査モード設定信号SINSPをハイレベルとする。検査モード設定信号SINSPは、新たにパワーオンリセット信号Spoもしくは検査モードリセット信号Srstのいずれかにパルスが検出されるまでハイレベルとされる。
モード判別回路32は、第1ORゲート42、モード判別期間生成回路44、第1ANDゲート46、検査モード設定回路48、を含む。
第1ORゲート42は、パワーオンリセット信号Spoと検査モードリセット信号Srstとの論理和をモード判別指令信号S6としてモード判別期間生成回路44に出力する。モード判別指令信号S6は、検査モード設定回路48、フェールセーフタイマ回路36およびフェールセーフラッチ回路68のそれぞれのリセット端子に入力される。モード判別指令信号S6にパルスが現れると、それらの回路がリセットされる。
なお、パワーオンリセット信号Spoと検査モードリセット信号Srstとの論理和であるモード判別指令信号S6がその後の動作を制御しているという意味で、検査モードリセット信号Srstにパルスを生成することはパワーオンリセットと同義と言える。
モード判別期間生成回路44は、モード判別指令信号S6にパルスを検出してから所定の第1期間φa後にモード判別期間φmを開始し、そのパルスを検出してから所定の第2期間φb後にモード判別期間φmを終了する。つまりモード判別期間φmの長さは、(第2期間φbの長さTb)−(第1期間φaの長さTa)となる。
図3(a)、(b)は、モード判別期間生成回路44の構成および波形を示す図である。図3(a)はモード判別期間生成回路44の構成を示す回路図である。モード判別期間生成回路44は、第1カウンタ50、第2カウンタ52、第2ANDゲート54、を含む。第1カウンタ50のリセット端子および第2カウンタ52のリセット端子にはモード判別指令信号S6が入力される。第1カウンタ50は、モード判別指令信号S6にパルスが現れてから第1期間φa後にアサートされる(例えば、ハイレベルとなる)第1カウンタ出力信号S7を生成する。第2カウンタ52は、モード判別指令信号S6にパルスが現れてから第2期間φbの間継続してアサートされる(例えば、ハイレベルとなる)第2カウンタ出力信号S8を生成する。第2ANDゲート54は、第1カウンタ出力信号S7と第2カウンタ出力信号S8との論理積をモード判別信号Smとして第1ANDゲート46へ出力する。
図3(b)は、モード判別期間生成回路44における波形を示すタイムチャートである。モード判別指令信号S6にパルスが現れてから第1期間φaの長さTaだけ経過した後にモード判別信号Smがハイレベルとなる。モード判別指令信号S6にパルスが現れてから第2期間φbの長さTbだけ経過した後にモード判別信号Smがローレベルとなる。このモード判別信号Smがハイレベルとなる期間がモード判別期間φmである。
なお、実施の形態に係る放電灯点灯回路100では、電源が投入されてから放電灯4に高電圧パルスが印加されるまでの時間がおよそ30ミリ秒である。その期間内にモード判別期間φmを設けるため、第1期間φaの長さTaはおよそ5ミリ秒、第2期間φbの長さTbはおよそ15ミリ秒、したがってモード判別期間φmの長さはおよそ10ミリ秒に設定される。特に第2期間φbの長さTbは電源が投入されてから放電灯4に高電圧パルスが印加されるまでの時間よりも確実に短い時間とされる。
図2に戻る。第1ANDゲート46は、モード判別信号Smとランプ電流検出信号S5との論理積を検査モードトリガ信号Str1として検査モード設定回路48に出力する。
検査モード設定回路48は、そのトリガ端子に入力される検査モードトリガ信号Str1がハイレベルとなると検査モード設定信号SINSPをアサートする(例えば、ハイレベルとする)。検査モード設定回路48は、検査モード設定信号SINSPをハイレベルとしてからモード判別指令信号S6にパルスが現れるまで、検査モード設定信号SINSPをハイレベルのままとする。検査モード設定信号SINSPがハイレベルである期間が検査モードに対応する。
周波数切替回路34は、フェールセーフタイマ回路36にクロック信号SCLKを供給する。周波数切替回路34は、検査モード設定信号SINSPがローレベル、つまり通常動作モードのときはクロック信号SCLKのクロック周波数fCLKを通常動作周波数fNORとし、検査モード設定信号SINSPがハイレベル、つまり検査モードのときはクロック信号SCLKのクロック周波数fCLKを通常動作周波数fNORよりも高い検査周波数fINSPとする。
周波数切替回路34は、発振器56、分周器58、インバータ60、第3ANDゲート62、第4ANDゲート64、第2ORゲート66、を含む。発振器56は、検査周波数fINSPの矩形波信号を分周器58および第3ANDゲート62に供給する。検査周波数fINSPは、5kHz〜50kHzの範囲に設定される。分周器58は検査周波数fINSPの矩形波信号を所定の分周比、例えば64で分周し、検査周波数fINSPの64分の1である通常動作周波数fNORの矩形波信号を生成して第4ANDゲート64に供給する。第3ANDゲート62は、検査モード設定信号SINSPと検査周波数fINSPの矩形波信号との論理積を生成して第2ORゲート66に出力する。第4ANDゲート64は、通常動作周波数fNORの矩形波信号とインバータ60によって反転された検査モード設定信号SINSPとの論理積を生成して第2ORゲート66に出力する。第2ORゲート66は、第3ANDゲート62の出力と第4ANDゲート64の出力との論理和をクロック信号SCLKとしてフェールセーフタイマ回路36のクロック端子に出力する。
フェールセーフタイマ回路36のイネーブル端子には想定異常検知信号Sfが、クロック端子にはクロック信号SCLKが、リセット端子にはモード判別指令信号S6が入力される。フェールセーフタイマ回路36は想定異常検知信号Sfがハイレベルを保持する間、クロック信号SCLKのクロック周波数fCLKに基づく速さでカウントし、そのカウント値が所定のしきい値に達するとフェールセーフトリガ信号Str2にパルスを生成する。フェールセーフタイマ回路36は、モード判別指令信号S6にパルスを検出するとカウントをリセットする。
フェールセーフタイマ回路36におけるカウント値の所定のしきい値は、クロック周波数fCLKが通常動作周波数fNORであるときに、想定異常検知信号Sfが第1起動異常検出時間Tf1である80秒の間ハイレベルを保持するとフェールセーフトリガ信号Str2にパルスが生成されるように設定される。したがって、クロック周波数fCLKが通常動作周波数fNORの64倍である検査周波数fINSPであるときは、想定異常検知信号Sfが第1起動異常検出時間Tf1の64分の1である第2起動異常検出期間(約80/64=1.25秒)の間ハイレベルを保持するとフェールセーフトリガ信号Str2にパルスが生成される。
フェールセーフラッチ回路68は、フェールセーフトリガ信号Str2にパルスを検出するとアサートされる(例えば、ハイレベルとなる)駆動停止信号SSTOPを生成する。制御回路10は、第1制御パルス信号S1および第2制御パルス信号S2を生成する図示しない駆動信号生成回路を備える。フェールセーフラッチ回路68は、駆動信号生成回路を含む制御回路10の各回路に駆動停止信号SSTOPを出力する。駆動信号生成回路は、駆動停止信号SSTOPがハイレベルとなると、第1スイッチング素子M1および第2スイッチング素子M2をオフに固定する。
フェールセーフラッチ回路68には、フェールセーフトリガ信号Str2とモード判別指令信号S6とが入力される。フェールセーフラッチ回路68は、駆動停止信号SSTOPを駆動信号生成回路を含む制御回路10の各回路に出力する。フェールセーフラッチ回路68は、フェールセーフトリガ信号Str2にパルスを検出すると駆動停止信号SSTOPをハイレベルとする。フェールセーフラッチ回路68は、モード判別指令信号S6にパルスを検出するとリセットされ、駆動停止信号SSTOPをローレベルに戻す。
再試行回路38は、検査モードにおいては、フェールセーフラッチ回路68がフェールセーフトリガ信号Str2にパルスを検出して駆動停止信号SSTOPをハイレベルとしてから遅延時間Td後に、検査モードリセット信号Srstにパルスを生成する。その検査モードリセット信号Srstが入力されるモード判別回路32では、検査モードリセット信号Srstにパルスを検出すると、モード判別指令信号S6に対応するパルスを生成する。これによりモード判別回路32は、再度モードを判別すると共に、フェールセーフラッチ回路68の駆動停止信号SSTOPをリセットしてローレベルに戻す。駆動停止信号SSTOPがローレベルに戻ると、駆動信号生成回路を含む制御回路10の各部の動作は通常の動作に戻る。
なお、遅延時間Tdは、放電灯4が消灯してから次に再点灯するまでの期間の長さのうち、その再点灯のために高電圧パルスの印加が必要となる長さよりも長く設定される。遅延時間Tdは例えば0.1〜1秒に設定される。
再試行回路38は、第5ANDゲート70、遅延回路72、を含む。
第5ANDゲート70は、駆動停止信号SSTOPと検査モード設定信号SINSPとの論理積を再試行信号Sdとして遅延回路72に出力する。
遅延回路72は、検査モードリセット信号Srstを第1ORゲート42に出力する。遅延回路72は、再試行信号Sdがハイレベルとなってから遅延時間Tdが経過するまでの間再試行信号Sdがハイレベルを維持すると、検査モードリセット信号Srstにパルスを生成する。
以上が放電灯点灯回路100の構成である。続いてその動作を、シーケンスに従って説明する。図4は、放電灯点灯回路100に放電灯4を負荷として接続した場合の、放電灯点灯回路100の動作状態を示すタイムチャートである。図4の縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化されている。図4では、上から入力電圧Vin、パワーオンリセット信号Spo、駆動電圧VLの絶対値、ランプ電流ILの絶対値、モード判別信号Sm、ランプ電流検出信号S5、検査モード設定信号SINSP、クロック周波数fCLK、駆動停止信号SSTOP、が示される。放電灯4には放電灯点灯回路100によって交流の駆動電圧VLおよびランプ電流ILが供給されるが、実施の形態の特徴をより明瞭に説明するため、図4では駆動電圧VLおよびランプ電流ILの絶対値(DCイメージ)が示される。
1. 電源投入
時刻t1においてユーザが電源スイッチ8をオンすると、入力電圧Vinが12Vとなり、パワーオンリセット信号Spoにパルスが発生し、放電灯点灯回路100が起動する。制御回路10は第1DC/DCコンバータCONV1をアクティブ状態、第1スイッチSW1をオフ状態とし(第1状態φ1)、バッテリ電圧Vbatを所定の高電圧(400V)に昇圧して安定化する。負荷は放電灯4なのでこの時点ではランプ電流ILは流れない。したがって、モード判別期間φm中ランプ電流検出信号S5はローレベルを保つ。このためモード判別回路32は通常動作モードが要求されていると判別し、モード判別期間φm終了後検査モード設定信号SINSPはローレベルのままとされる。フェールセーフタイマ回路36では、起動異常を検出するためのクロック周波数fCLKは通常動作周波数fNORに設定される。
2. ブレークダウン
スタータ回路20は、第1DC/DCコンバータCONV1により生成された400Vの第1出力電圧Vo1を受ける。パルス発生部28は振幅400Vのパルスをスタータトランス22の1次コイル24に印加する。図4に示すように、このときスタータトランス22の2次コイル26には、20kV以上の高電圧パルスが発生する。その結果、放電灯4の駆動電圧は13〜15kV程度まで上昇して時刻t2においてブレークダウンし、グロー放電が始まる。時刻t1から時刻t2までの期間の長さはおよそ30ミリ秒に設定される。
3. 過渡期間
ブレークダウンの後、制御回路10はまず第1状態φ1においてランプ電流ILを第1極性の向きにおよそ10ミリ秒の間流す制御を行う。次に制御回路10は、第2状態φ2に切り替え、ランプ電流ILを第2極性の向きにおよそ10ミリ秒の間流す制御を行う。この期間(DC期間とも呼ばれる)においてグロー放電からアーク放電へと移行させる。
DC期間が終了してアーク放電が安定すると、制御回路10は、第1DC/DCコンバータCONV1、第2DC/DCコンバータCONV2および第1スイッチSW1、第2スイッチSW2を制御して、点灯周期T1にて交互に第1状態φ1と第2状態φ2とを繰り返す。
アーク放電の成長にともない、放電灯4の光出力が上昇していく。光出力の立ち上がりは規格で定められており、規格にマッチした光出力(電力)が得られるように、制御回路10は、第1出力電圧Vo1、第2出力電圧Vo2、ランプ電流ILを監視し、フィードバックによって、第1スイッチング素子M1、第2スイッチング素子M2のオン・オフのデューティ比を調節する。放電灯点灯回路100は、過渡期間において放電灯4の光出力を急速に上昇させるため、一時的に定格電力より高い過電力を供給し、その後、ランプ電圧を45V、ランプ電流ILを0.8Aに安定化して定格電力(35W)に近づけていく。
4. 定常点灯
ランナップ過程を経て、放電灯4の光出力が安定化すると、放電灯4に供給される電力が定格値35Wに安定化される。放電灯4や放電灯点灯回路100に特に異常がなければ、駆動電圧VLはブレークダウンから第1起動異常検出時間Tf1である80秒が経過する前に起動異常検出電圧Vthを越えるので、駆動停止信号SSTOPはローレベルのままとなり起動異常は検出されない。
図5は、放電灯点灯回路100に放電灯4の代わりに可変抵抗を負荷として接続した場合の、放電灯点灯回路100の動作状態を示すタイムチャートである。図5の縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化されている。図5では、上から入力電圧Vin、パワーオンリセット信号Spo、駆動電圧VLの絶対値、ランプ電流ILの絶対値、モード判別信号Sm、ランプ電流検出信号S5、検査モード設定信号SINSP、クロック周波数fCLK、駆動停止信号SSTOP、検査モードリセット信号Srst、が示される。図5では駆動電圧VLおよびランプ電流ILの絶対値(DCイメージ)が示されることは、図4と同様である。
時刻t1においてユーザが電源スイッチ8をオンすると、放電灯点灯回路100が起動する。負荷は可変抵抗であるので、駆動電圧VLの上昇と共にランプ電流ILも上昇する。したがってモード判別期間φm内にランプ電流検出信号S5がハイレベルとなり、検査モード設定回路48がトリガされて検査モード設定信号SINSPがハイレベルとなる。つまり検査モードに入る。するとフェールセーフタイマ回路36に供給されるクロック信号SCLKのクロック周波数fCLKは、通常動作周波数fNORの64倍に当たる検査周波数fINSPとなる。
検査モードに入った後の時刻t2において、起動異常の検出を検査するため、負荷である可変抵抗の抵抗値をより小さなものに切り替える。すると駆動電圧VLは低下して起動異常検出電圧Vthより低くなる。放電灯点灯回路100の製造時の検査工程では、時刻t2から第2起動異常検出時間Tf2(約80/64=1.25秒)経過後に駆動停止信号SSTOPがハイレベルとなり放電灯点灯回路100が駆動を停止するか否かを見ることで、放電灯点灯回路100の起動異常の検出が正常に動作するか否かを検査する。
放電灯点灯回路100における起動異常の検出は正常に動作し、時刻t2から第2起動異常検出時間Tf2経過後の時刻t3において駆動停止信号SSTOPがハイレベルとなる場合を考える。時刻t3の後は、駆動停止信号SSTOPがハイレベルとなるので放電灯点灯回路100は駆動電圧VLおよびランプ電流ILの供給を止める。可変抵抗の抵抗値は元の値に戻される。
時刻t3から遅延時間Td経過後の時刻t4において、遅延回路72は検査モードリセット信号Srstにパルスを生成する。このパルスによって駆動停止信号SSTOPがローレベルに戻り駆動の停止が解除される。またこのパルスによって、検査モード設定回路48はリセットされて検査モード設定信号SINSPはローレベルとなり検査モードが解除される。検査モードリセット信号Srstのパルスを検出した後モード判別回路32は再度モード判別期間φmを設ける。駆動電圧VLおよびランプ電流ILは再び上昇し始めているので、このモード判別期間φm内にランプ電流検出信号S5がハイレベルとなり、再び検査モードに入る。放電灯点灯回路100を検査するための検査装置の仕様はこのような放電灯点灯回路100の動作に合わせられる。
さて、本実施の形態に係る放電灯点灯回路100の有利な特徴のひとつを説明するため、本発明者が検討した比較例に係る放電灯点灯回路を説明する。この比較例に係る放電灯点灯回路は、図2に示される第5ANDゲート70および遅延回路72を備えていない放電灯点灯回路である。つまり比較例に係る放電灯点灯回路では、検査モードで起動異常を検出し負荷の駆動を停止すると、その後復帰の機会はなく再度電源スイッチ8がオンオフされるまで駆動が停止されたままとなる。
比較例に係る放電灯点灯回路が搭載される車両用灯具が実際に使用される状況で、万が一何らかの原因で放電灯点灯回路が検査モードに入ってしまった場合、検査モードでは起動異常を検出するための計時が早められているので、起動異常を誤検出する可能性がある。そして一旦起動異常が誤検出されてしまうと、復帰の機会が与えられていないので、電源スイッチ8が再度オンオフされるまでは放電灯4は消灯したままとなり不都合である。
例えば、比較例に係る放電灯点灯回路が搭載される車両用灯具が実際に使用される状況で、バッテリ6の接続端子のゆるみなどにより過渡期間中に入力電圧Vinの瞬断が起こり即座に復帰した場合を考える。この場合、放電灯4の電極は加熱されているため、電子の放出性は良い。したがって、瞬断の時間が短ければ高電圧パルスを加えることなしに再点灯してしまう場合がある。
なお、入力電圧Vinの瞬断とは短い期間、例えばミリ秒オーダーの期間電源スイッチ8がオフされるのと同じ状態になることを言う。
この場合、再点灯のタイミングでパワーオンリセット信号Spoにパルスが発生するので、点灯のシーケンスを始めからやり直すが、高電圧パルスなしに再点灯しているため、モード判別期間φm内にランプ電流ILが流れる。したがって、放電灯点灯回路100は負荷が抵抗であると誤検知して検査モードに入り、起動異常を検出するためのタイマが早回しされる。
しかしながら、入力電圧Vinの瞬断は過渡期間で起こっているので、再点灯後は放電灯4の管内はまだ十分に活性化されていない。このため気圧が低く即ち駆動電圧VLは起動異常検出電圧Vthよりも低くなる場合がある。通常動作モードであれば駆動電圧VLが起動異常検出電圧Vthを越えるまでに第1起動異常検出時間Tf1(約80秒)の猶予があるのであるが、この場合検査モードに入っているので第2起動異常検出時間Tf2(約1.25秒)の猶予しかない。したがって、特に放電灯4に異常がないにも関わらず放電灯点灯回路100が起動異常を誤検出する可能性がある。
図6は、比較例に係る放電灯点灯回路に入力電圧Vinの瞬断が生じた場合の動作状態を示すタイムチャートである。図6の縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化されている。図6では、上から入力電圧Vin、パワーオンリセット信号Spo、駆動電圧VL’の絶対値、ランプ電流IL’の絶対値、モード判別信号Sm、ランプ電流検出信号S5、検査モード設定信号SINSP、クロック周波数fCLK、駆動停止信号SSTOP、が示される。駆動電圧VL’およびランプ電流IL’は、比較例に係る放電灯点灯回路によって放電灯4に供給される駆動電圧およびランプ電流である。図6では駆動電圧VL’およびランプ電流IL’の絶対値(DCイメージ)が示されることは、図4と同様である。
時刻t1においてユーザが電源スイッチ8をオンすると、放電灯点灯回路が起動する。過渡期間中の時刻t2において入力電圧Vinの瞬断が起こったと仮定する。するとパワーオンリセット信号Spoにパルスが生成される。上述の通り放電灯4は高電圧パルスが加えられることなしに再点灯する。時刻t2の後に設けられるモード判別期間φmにおいてランプ電流IL’は流れているので、検査モードであると誤判別されて検査モード設定信号SINSPはハイレベルとなり、クロック周波数fCLKは検査周波数fINSPとなる。時刻t2の時点では駆動電圧VL’は起動異常検出電圧Vthに到達していない。時刻t2から第2起動異常検出時間Tf2(約1.25秒)後の時刻t3においても駆動電圧VL’が起動異常検出電圧Vthに到達していない場合、駆動停止信号SSTOPがハイレベルとなり、放電灯4の駆動が停止される。その後、復帰の機会は与えられていないので、放電灯4の駆動は停止されたままとなる。
これに対して本実施の形態に係る放電灯点灯回路100では、検査モードで起動異常を検出したとしても、その後復帰の機会が与えられている。
図7は、本実施の形態に係る放電灯点灯回路100に入力電圧Vinの瞬断が生じた場合の動作状態を示すタイムチャートである。図7の縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化されている。図7では、上から入力電圧Vin、パワーオンリセット信号Spo、駆動電圧VLの絶対値、ランプ電流ILの絶対値、モード判別信号Sm、ランプ電流検出信号S5、検査モード設定信号SINSP、クロック周波数fCLK、駆動停止信号SSTOP、検査モードリセット信号Srst、が示される。図7では駆動電圧VLおよびランプ電流ILの絶対値(DCイメージ)が示されることは、図4と同様である。
時刻t1においてユーザが電源スイッチ8をオンすると、放電灯点灯回路100が起動する。
過渡期間中の時刻t2において入力電圧Vinの瞬断が起こったと仮定する。すると図6と同様に、検査モードであると誤判別されて検査モード設定信号SINSPはハイレベルとなり、クロック周波数fCLKは検査周波数fINSPとなる。
駆動電圧VLが十分上昇しない場合、時刻t2から第2起動異常検出時間Tf2(約1.25秒)後の時刻t3において、駆動停止信号SSTOPがハイレベルとなり、放電灯4の駆動が停止される。
時刻t3から遅延時間Td経過後の時刻t4において、遅延回路72は検査モードリセット信号Srstにパルスを生成する。このパルスによって駆動停止信号SSTOPがローレベルに戻り駆動の停止が解除される。またこのパルスによって、検査モード設定回路48はリセットされて検査モード設定信号SINSPはローレベルとなり検査モードが解除される。検査モードリセット信号Srstのパルスを検出した後モード判別回路32は再度モード判別期間φmを設ける。放電灯4の駆動が停止されてから遅延時間Td後に再度放電灯4を点灯させるためには高電圧パルスが必要であるため、再度設定されたモード判別期間φm内ではランプ電流ILは流れない。したがって以降は放電灯点灯回路100は通常動作モードで放電灯4を駆動する。つまりクロック周波数fCLKは通常動作周波数fNORとなり、起動異常は第1起動異常検出時間Tf1(約80秒)で判断される。
このように本実施の形態に係る放電灯点灯回路100によれば、検査モードにおいて起動異常のなどの出力側の異常が検出され放電灯4の駆動が停止されても、その後再度モードを判別する。これにより、通常動作モードで動くべき状況で何らかの原因により万が一検査モードに入ってしまい、そこで出力側の異常が検出されたとしても、通常動作モードに復帰させることができる。その結果より安全性の高い放電灯点灯回路を提供できる。
なお、入力電圧Vinの瞬断によって放電灯4が消灯しうる上述の状況は、あくまで本発明者が不具合の予防という観点から検討した防止すべき状況の一例である。従来の放電灯点灯回路についてもこのような事例が発生したことはない。実際に本実施の形態に係る放電灯点灯回路100が使用される状況ではこのような事例が発生することはないと言える。しかしながら、本発明者および本出願人は、製造者として予防という観点から本実施の形態に係る放電灯点灯回路100を採用することが好ましいと考えた。
また、本実施の形態に係る放電灯点灯回路100では、検査モードでの出力側の異常の検出後、モードを再度判別すると共に、フェールセーフラッチ回路68をリセットし、放電灯点灯回路100を通常の動作の状態にする。したがって、検査モードにおいて出力側の異常を検出して放電灯点灯回路100の状態が放電灯4の駆動を停止するための状態となっていたとしても、放電灯点灯回路100の状態を通常の動作の状態に戻すことができる。その結果、その必要がないのに放電灯4の駆動が停止されたままとなることを防ぐことができる。
また、本実施の形態に係る放電灯点灯回路100では、検査モードにおける特に起動異常の誤検出に対して、駆動を再開する機会を提供できる。上述の通り、起動異常の検出にかかる時間は数十秒のオーダーであるので、これを検査するために検査工程でタイマを早回しすることは生産性の向上に特に貢献する。このような状況において、たとえ発生する確率はほぼないに等しいにしても図6のような状況に陥らないように、本実施の形態に係る放電灯点灯回路100を導入することは意義がある。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、フェールセーフラッチ回路68は、フェールセーフトリガ信号Str2にパルスを検出するとハイレベルとなる駆動停止信号SSTOPを生成し、その駆動停止信号SSTOPを駆動信号生成回路を含む制御回路10の各回路に出力し、再試行回路38は、検査モードにおいては、駆動停止信号SSTOPがハイレベルとなってから遅延時間Td後に検査モードリセット信号Srstにパルスを生成する場合について説明したが、これに限られない。例えば、再試行回路38にフェールセーフラッチ回路68を取り込んだ構成を新たな再試行回路としてもよい。この場合、その新たな再試行回路は、フェールセーフラッチ回路68、第5ANDゲート70、遅延回路72、を含む。新たな再試行回路は、フェールセーフタイマ回路36が検査モードにおいて動作の異常を検出した場合、放電灯点灯回路100の状態を放電灯4の駆動を停止するための状態に変更し、その後再度モード判別回路32にモードを判別せしめる。
実施の形態では、放電灯点灯回路100が第1DC/DCコンバータCONV1と第2DC/DCコンバータCONV2とを備えるいわゆるダブルコンバータ型の放電灯点灯回路である場合について説明したが、これに限られない。たとえば、放電灯点灯回路は、第1DC/DCコンバータCONV1によって供給される第1出力電圧Vo1をHブリッジ回路によって交流変換して放電灯4に印加するいわゆるシングルコンバータ型の放電灯点灯回路であってもよい。この場合も、実施の形態で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
実施の形態では、モード判別回路32はモード判別期間にランプ電流ILが流れる場合は検査モード、そうでない場合は通常動作モードが要求されていると判別する場合について説明したが、これに限られず、駆動対象の光源の駆動状態を監視することによって、通常動作モードまたは検査モードのいずれが要求されているかを判別すればよい。
実施の形態では、モード判別回路32は放電灯点灯回路100への電源投入からスタータ回路20が放電灯4に高電圧パルスを印加するまでの期間内に所定のモード判別期間を設ける場合について説明したが、これに限られず、光源の起動の特性にしたがってモード判別期間を設ければよい。この場合、光源の起動の特性に合わせてモードの判別を行うことができる。
実施の形態では、おもに起動異常に対する制御回路10の保護機能について説明したが、これに限られない。実施の形態において起動異常を開放や短絡などの他の出力側の異常と読み替えても上述と同様の効果が得られる。
例えば、起動異常を開放と読み替える場合、状態検出回路は、ランプ電流ILが所定の開放検知電流より小さいとハイレベルとなる想定異常検知信号をフェールセーフタイマ回路に出力する。フェールセーフタイマ回路におけるカウント値の所定のしきい値はクロック周波数fCLKが通常動作周波数fNORであるときに、想定異常検知信号が開放検知期間の間ハイレベルを保持するとフェールセーフトリガ信号Str2にパルスが生成されるように設定される。短絡や温度異常の場合も同様である。この場合、検査モードにおいて開放や短絡や温度異常が誤検出された場合でも、駆動を再開する機会が提供される。
上述の本発明者が検討した比較例に係る放電灯点灯回路は、通常動作モードにおいて開放や短絡が発生した場合、その異常状態を示す信号が0.5秒程度継続した後にフェールセーフラッチする設定となっている。この為、通常動作モードであるにもかかわらず検査モードが要求されていると誤判別した場合、タイマは1/64に早回しされ、開放や短絡と判定されるまでの時間は0.5/64(秒)=7.8ミリ秒となる。そしてこの時間より長い期間に亘って、ノイズが発生すると、開放や短絡と誤検出してフェールセーフラッチされてしまう虞がある。本願は、上述の様に、誤判定が生じかつノイズ等が発生しても、フェールセーフラッチされないという効果も有する。
実施の形態では、想定異常検知信号Sfは、駆動電圧VLが起動異常検出電圧Vthより低いとハイレベルとされる。また、フェールセーフタイマ回路36は、起動異常に対する想定異常状態を検出するとフェールセーフトリガ信号Str2にパルスを生成するので、フェールセーフタイマ回路36がフェールセーフトリガ信号Str2にパルスを生成することは起動異常を検出することに対応すると言える。したがって、フェールセーフタイマ回路36は、通常動作モードにおいては、放電灯点灯回路100に電源が投入されてから第1起動異常検出時間Tf1が経過した後に放電灯4に印加されている駆動電圧VLが起動異常検出電圧Vthに到達していなければ起動異常として検出する(第1規則)と言える。また、フェールセーフタイマ回路36は、検査モードにおいては、放電灯点灯回路100に電源が投入されてから第2起動異常検出期間Tf2が経過した後に放電灯4に印加されている駆動電圧VLが起動異常検出電圧Vthに到達していなければ起動異常として検出する(第2規則)と言える。
なお、実施の形態において起動異常を出力側の異常と読み替える場合、第1規則および第2規則の内容は出力側の異常の内容によって異なる。
実施の形態では、正の出力電圧Vo1、Vo2を生成して、放電灯4に印加する場合(正極点灯と称する)について説明したが、負の出力電圧Vo1、Vo2を生成して放電灯4を駆動してもよい(負極点灯と称する)。この場合、図1における第1整流ダイオードD1、第2整流ダイオードD2の向き、第1、第2トランス14、16それぞれの2次巻線の極性、および各トランスの2次巻線側に接続されたスイッチング素子M1、M2の向きを反転すればよい。
実施の形態では、フェールセーフタイマ回路36は検査モードにおいて、通常動作モードの64倍の速さでカウントする場合について説明したが、これに限られない。しかしながら、32倍では検査工程に時間がかかり過ぎ、128倍では第2起動異常検出時間が異常の誤検知を防ぐためのフィルタのフィルタ定数より短くなる虞があるので、64倍とすることがより好適である。
実施の形態に係る放電灯点灯回路100の制御回路10またはその一部にマイコンを用いてもよい。
実施の形態では、車両用の放電灯4を駆動する放電灯点灯回路100を例に説明をしたが、本発明の用途はこれに限定されず、LEDなどの光源の点灯回路、特に検査モードを有する光源点灯回路に広く適用できる。
実施の形態で説明した回路において、信号のハイレベル、ローレベルの論理値の設定は一例であって、インバータなどによって適宜反転させることにより自由に変更することが可能である。
実施の形態にもとづき、特定の語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
4 放電灯、 6 バッテリ、 8 電源スイッチ、 10 制御回路、 20 スタータ回路、 30 フェールセーフ回路、 32 モード判別回路、 34 周波数切替回路、 36 フェールセーフタイマ回路、 38 再試行回路、 40 状態検出回路、 100 放電灯点灯回路、 IL ランプ電流、 Vbat バッテリ電圧、 VL 駆動電圧、 CONV1 第1DC/DCコンバータ、 CONV2 第2DC/DCコンバータ、 SW1 第1スイッチ、 SW2 第2スイッチ、 φm モード判別期間。

Claims (5)

  1. 駆動対象の光源の駆動状態を監視することによって、通常動作モードまたは検査モードのいずれが要求されているかを判別するモード判別回路と、
    前記通常動作モードにおける動作の異常を所定の第1規則により検出し、前記検査モードにおける動作の異常を前記第1規則とは異なる第2規則により検出する異常検出回路と、
    前記異常検出回路が前記検査モードにおいて動作の異常を検出した場合、当該光源点灯回路の状態を前記光源の駆動を停止するための状態に変更し、その後再度前記モード判別回路にモードを判別せしめる再試行回路と、を備えることを特徴とする光源点灯回路。
  2. 前記モード判別回路は、前記再試行回路から再度モードを判別するよう指令を受けると、当該光源点灯回路の状態を通常の動作の状態に戻すことを特徴とする請求項1に記載の光源点灯回路。
  3. 前記光源は放電灯であり、
    前記モード判別回路は、当該光源点灯回路に電源が投入された後の所定のモード判別期間に前記放電灯に駆動電流が流れる場合は検査モード、そうでない場合は通常動作モードが要求されていると判別し、
    前記異常検出回路における前記第1規則は、当該光源点灯回路に電源が投入されてから所定の第1異常検出時間が経過した後に前記放電灯に印加されている駆動電圧が所定の異常検出電圧に到達していなければ動作の異常として検出するという規則を含み、
    前記異常検出回路における前記第2規則は、当該光源点灯回路に電源が投入されてから前記第1異常検出時間より短い第2異常検出時間が経過した後に前記放電灯に印加されている駆動電圧が前記異常検出電圧に到達していなければ動作の異常として検出するという規則を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光源点灯回路。
  4. 前記モード判別回路が検査モードが要求されていると判別した場合、前記異常検出回路の動作の周波数を上昇させる周波数切替回路をさらに備え、
    前記異常検出回路では、その動作の周波数が上昇すると、前記第1規則から前記第2規則に切り替わることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光源点灯回路。
  5. 駆動回路によって駆動される光源の駆動状態を監視することによって、通常動作モードまたは検査モードのいずれが要求されているかを判別するステップと、
    前記通常動作モードにおける動作の異常を所定の第1規則により検出し、前記検査モードにおける動作の異常を前記第1規則とは異なる第2規則により検出するステップと、
    前記検査モードにおいて動作の異常が検出された場合、前記駆動回路の状態を前記光源の駆動を停止するための状態に変更し、その後再度モードを判別するステップと、を含むことを特徴とする光源点灯方法。
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