概してシステムと呼ばれるシステムおよび方法は、技術コンポーネントのエネルギー効率の監視に関するとよく、限定的ではないが特に、エネルギー効率の低い技術コンポーネントを特定および交換するため、ならびに技術コンポーネントの動作挙動を変更することによる影響を理解するために、組織の技術コンポーネントのエネルギー効率を監視することに関する。このシステムは、組織の技術コンポーネントのエネルギー効率を監視して、組織の技術コンポーネントのパフォーマンスを正確に予想するための、挙動モデルの組み立てを含むとよい。本願明細書に記載される原理は、異なる多数の形態で具現化され得る。
このシステムは、サーバ、電力供給ユニット、クーリング・ユニット、ラップトップ、またはデータ・センターおよび/または職場で使用される概して任意の技術コンポーネントなどの技術コンポーネントがエネルギー効率の高い形で動作していないときに特定するために、ユーザが組織のデータ・センターおよび/または職場内の技術コンポーネントを監視できるようにするとよい。このシステムは、各技術コンポーネントの電力消費を監視するとよく、各コンポーネントの電力消費と、基準電力消費モデルとを比較するとよい。基準電力消費モデルは、技術コンポーネントの期待される電力消費を規定するとよい。技術コンポーネントの電力消費が、モデルで規定される電力消費の閾値内でなければ、システムは、技術コンポーネントが期待どおりに動作していない、すなわち技術コンポーネントがエネルギー効率の低い形で動作していると、ユーザに通知する。通知は、その技術コンポーネントに関して可能な交換、またはバックアップ・ユニットをオンにすることのような運用上の提案を表す情報を含むとよい。
このシステムは、組織のデータ・センターおよび/または職場において、組織が確実に最もエネルギー効率の高い技術コンポーネントを運用できるようにするとよい。システムは、各技術コンポーネントの電力消費を監視し、電力消費と、その技術コンポーネントに取って代わることができる最もエネルギー効率の高いコンポーネントの、エネルギー効率の高い電力消費モデルとを比較するとよい。エネルギー効率の高い電力消費モデルは、最もエネルギー効率の高い技術コンポーネントの期待される電力消費を規定するとよい。技術コンポーネントの電力消費が、エネルギー効率の高い電力消費モデルにおいて規定されている電力消費の閾値内でなければ、システムは、エネルギー効率のより高い技術コンポーネントが利用可能であることをユーザに通知する。通知は、エネルギー効率のより高い交換コンポーネントを表す情報を含むとよい。組織は、閾値を設定して、通知をトリガするエネルギー効率向上レベルを制御するとよい。
本明細書は、説明のために、技術コンポーネントのエネルギー効率の監視について述べるが、このシステムは、技術コンポーネントの任意の測定可能なパラメータを組織が監視できるようにすればよい。このシステムは、技術コンポーネントの動作温度など、技術コンポーネントの挙動を監視するために使用可能なパラメータを、ユーザが特定できるようにするとよい。このシステムは、技術コンポーネントの各動作状態のパラメータの基準値を特定することによって、技術コンポーネントの挙動モデルをユーザが組み立てられるようにするとよい。動作状態は、オフライン状態、起動状態、およびオンライン状態を含むとよい。このシステムは、技術コンポーネントの各動作状態に関する、基準パラメータ値の許容される差異を示す閾値を、ユーザがセットできるようにするとよい。このシステムは、パラメータの現在の値と、技術コンポーネントの現在の動作状態とを監視するとよい。このシステムは、パラメータの現在の値が、現在の動作状態の挙動モデルにおけるパラメータの基準値の許容される差異内でないときに、ユーザに通知するとよい。通知は、パラメータの現在の値が、パラメータの基準値から外れている量を表す情報を含むとよい。
図1は、技術コンポーネントのエネルギー効率を監視するシステム100の全体的な概観を提供する。なお、示されているコンポーネントのすべてが必須とは限らないと考えられ、一部の実装では追加のコンポーネントが含まれることもある。コンポーネントの配置およびタイプの変形を、本願明細書に記載される特許請求の範囲の意図または範囲から逸脱することなく作り出すことができる。追加のコンポーネント、別のコンポーネント、またはより少ないコンポーネントが提供されてもよい。
システム100は、1人以上のユーザ120A〜120N、サービス・プロバイダ140、および管理者110を含むとよい。ユーザ120A〜120Nは、組織の技術コンポーネントを維持、アップグレード、および/または開発する役割を果たすとよい。サービス・プロバイダ140は、ユーザ120A〜120Nが、技術コンポーネントの電力消費を管理して、技術コンポーネントを確実に期待どおり、すなわちエネルギー効率の高い形で動作させることができるようにするアプリケーションを、ユーザ120A〜120Nに提供するとよい。例えば、サービス・プロバイダ140は、技術コンポーネントのエネルギー消費についての省エネルギー戦略の効果を、ユーザ120A〜120Nが見られるようにするアプリケーションを、ユーザ120A〜120Nに提供するとよい。省エネルギー戦略は、技術コンポーネントの動作に由来するエネルギー消費を削減する技術実装戦略であればよい。
サービス・プロバイダ140はさらに、各技術コンポーネントの基準電力消費モデルをユーザ120A〜120Nが組み立てられるようにするアプリケーションを、ユーザ120A〜120Nに提供するとよい。基準電力消費モデルは、技術コンポーネントの期待される電力消費を表すとよい。基準電力消費モデルは、各技術コンポーネントの動作状態および/または利用率を考慮したものであるとよい。例えば、サーバの最大負荷の80パーセントで動作しているサーバは、サーバの最大負荷の40パーセントで動作している同じサーバよりも多くの電力を消費すると予想されるであろう。基準電力消費モデルは、各技術コンポーネントの実際の測定電力消費値に基づいて組み立てられるとよい。このアプリケーションはさらに、ユーザ120A〜120Nが基準電力消費モデルに基づいて通知を設定できるようにし、技術コンポーネントの実際の電力消費が技術コンポーネントの基準電力消費モデルによって示される期待される電力消費と一致していない場合にユーザ120A〜120Nが通知を受けるとよい。
管理者110は、人または自動プロセスであればよく、技術コンポーネントおよび既存の技術構成のデータベースを維持する役割を果たすとよい。技術コンポーネントのデータベースは、各技術コンポーネントの電力消費に関する製造業者による定格値を含むとよい。製造業者による値は、実際の電力消費値を測定できるまで、デフォルトの基準電力消費値として使用されるとよい。技術コンポーネントのデータベースはさらに、組織の技術コンポーネントを交換するのに使用できる別の技術コンポーネントを含むとよい。別のコンポーネントの基準電力消費モデルは、製造業者による定格値に基づいてもよく、または、別の組織によるそのコンポーネントの実装から取得された実際の値に基づいてもよい。技術コンポーネントの基準電力消費モデルを組み立てるステップについては、下記の図5でさらに詳しく述べる。
あるいは、またはさらに、管理者110は、組織などの1つ以上のクライアントにエネルギー・コンサルティング・サービスを提供するコンサルタントであってもよい。管理者110は、管理者110のコンサルティング・サービスを利用する組織それぞれに関連するデータを維持するとよい。管理者110は、システム100によって生成された予想を使用して、エネルギー・コンサルティング・サービスを組織に提供する支援としてもよい。各組織の技術コンポーネントに関連するデータが、すべての組織にわたって電力消費モデルを精緻化するために使用されるとよい。
動作中、サービス・プロバイダ140は、その組織の職場および/またはデータ・センターのプロファイル、ならびに職場および/またはデータ・センターの初期の技術構成をユーザA(ユーザ120A)が提供できるようにするインタフェースを、ユーザA(ユーザ120A)に提供するとよい。ユーザA(ユーザ120A)は、組織によって運用されている各職場および/またはデータ・センターの、別々のプロファイルおよび技術構成を提供してもよく、またはユーザA(ユーザ120A)は、組織によって運用されているすべての職場および/またはデータ・センターの集約プロファイルおよび構成を提供してもよい。プロファイル情報は、地理的位置、業界、従業員数、および/または、職場および/またはデータ・センターを表す任意の一般的特徴を表すとよい。
職場および/またはデータ・センターの初期構成は、職場および/またはデータ・センターの情報技術(「IT(information technology)」)コンポーネントのインベントリを表す情報を含むとよい。職場にある技術コンポーネントのインベントリは、ラップトップ、モニタ、デスクトップ、プリンタ、シン・クライアント、ネットワーク・デバイス、または職場で利用される概して任意の技術を含むとよい。データ・センターにある技術コンポーネントのインベントリは、サーバ・コンポーネントおよびストレージ・コンポーネントなど、コンピューティング能力を提供するコンピューティング・コンポーネントを含むとよい。あるいは、またはさらに、職場および/またはデータ・センターにある技術コンポーネントのインベントリは、照明システム、クーリング供給、電力供給、またはデータ・センターまたは職場をサポートする概して任意のコンポーネントなど、コンピューティング・コンポーネントの適切な機能をサポートするサポート・コンポーネントを含んでもよい。ユーザA(ユーザ120A)は、具体的なモデルなど、技術コンポーネントを表す特定の情報を提供してもよく、または、「ハイエンド」サーバなど、技術コンポーネントのより一般的な説明を提供してもよい。
システム100は、予め埋められた技術コンポーネント情報のデータベースを含むとよく、これをユーザA(ユーザ120A)が閲覧または検索できるとよい。技術コンポーネント情報は、コンポーネントの型およびモデル、コンポーネントの基準電力消費モデル、コンポーネントの年間運用コスト、または技術コンポーネントを表す概して任意のデータなど、各コンポーネントを表す特定のデータを含むとよい。管理者110は、データベースを維持するとよく、技術コンポーネントに関する新たな情報が利用可能になるにつれてデータベースを更新するとよい。管理者110がデータベースを手動で更新してもよく、またはデータ・フィードによってデータベースが自動更新されてもよい。技術コンポーネントの基準電力消費モデルは、初めのうちは製造御者によって提供された電力消費値を利用するとよいが、技術コンポーネントの実際の電力消費値を測定することで精緻化されるとよい。実際の電力消費値は、すべての組織にわたって共有されるとよい。あるいは、またはさらに、組織はその組織の技術コンポーネントから測定された電力消費値にしかアクセスできなくてもよい。
ユーザA(ユーザ120A)は、組織の技術構成を提供すると、各職場および/またはデータ・センターに関する1つ以上の省エネルギー戦略を立て始めることができる。戦略は、職場および/またはデータ・センターのエネルギー消費を削減する1つ以上の方法を表すとよい。例えば、戦略は、組織の技術コンポーネントをよりエネルギー効率の高い選択肢に移行させることに関連するとよい。この例において、戦略は、組織の全般的なエネルギー消費を最小限に抑えるために新たな機器が入手されるべき費用、および入手すべき機器のタイプの案内をユーザA(ユーザ120A)に提供するとよい。サービス・プロバイダ140は、組織の全般的なエネルギー消費に対する各戦略の予想される効果を、ユーザA(ユーザ120A)がグラフ上などで見られるようにするアプリケーションを、ユーザに提供するとよい。この予想では、組織の全般的なエネルギー消費を予想するために、各技術コンポーネントの基準電力消費モデルが利用されるとよい。
予想は、電気コストおよび炭素排出など、技術コンポーネントの動作に関連する他の変数に対する戦略の効果も、ユーザA(ユーザ120A)が見られるようにするとよい。電気コストおよび炭素排出に対する戦略の効果を正確に測定するために、ユーザA(ユーザ120A)は、電気コストの経時的な変化と、消費エネルギーのキロワット時毎に生成される炭素の量の経時的な変化とに関する推測を提供するとよい。システム100は、ユーザA(ユーザ120A)から提供されたこの推測を、ユーザA(ユーザ120A)によって特定された戦略に適用するとよい。システム100は、ある期間にわたる組織の運用に関連した運用および環境コストに対する推測の効果を明示する1つ以上のグラフを、各技術コンポーネントの基準電力消費モデルを利用して生成するとよい。ユーザA(ユーザ120A)は、グラフで提供された情報を使用して、その職場および/またはデータ・センターの戦略をさらに精緻化するとよい。省エネルギー戦略の複数の波を作り出すステップについては、下記の図8でさらに詳しく述べる。
サービス・プロバイダ140は、ユーザA(ユーザ120A)によって特定される技術構成を自動的に分析して、技術構成が、省エネルギーおよび/または省コストの効率を上げるために変更できるかどうかを判断するとよい。システム100は、組織によるより効率的なエネルギー使用につながると考えられる、構成の変更を推奨するとよい。例えば、サービス・プロバイダ140は、技術コンポーネントのいずれかを、エネルギー効率のより高い技術コンポーネントに交換できるかどうかを、コンポーネントの基準電力消費モデルに基づいて判断するとよい。技術構成を変更できるかどうかを判断するステップについては、下記の図9でさらに詳しく述べる。
サービス・プロバイダ140はさらに、組織の技術コンポーネントの、リアルタイムの電力消費および利用率を監視するとよい。各技術コンポーネントの電力消費および利用率は、コンポーネントの基準電力消費モデルと比較されるとよい。技術コンポーネントのリアルタイムの電力消費が、基準電力消費モデルで示されている電力消費の閾値内でなければ、サービス・プロバイダ140は、技術コンポーネントが交換されるべきであるとユーザA(ユーザ120A)に通知するとよい。技術コンポーネントの電力消費を監視するステップについては、下記の図4でさらに詳しく述べる。
サービス・プロバイダ140は、ユーザA(ユーザ120A)に、閾値を作成するためのインタフェースを提供するとよい。閾値は、各技術コンポーネントの基準電力消費モデルに基づいて、許容可能な電力消費範囲を特定するとよい。技術コンポーネントの測定されたエネルギー消費が、閾値によって規定されている範囲内であれば、技術コンポーネントは期待どおりに動作していると見なされる。技術コンポーネントの電力消費が、閾値によって規定されている範囲内で動作していなければ、ユーザA(ユーザ120A)は、技術コンポーネントが交換されるべきである、または予防動作がトリガされるべきであると通知される。例えば、ユーザA(ユーザ120A)は、基準電力消費値の10パーセント以内にある、測定された電力消費値は、許容可能と見なされると規定してもよい。あるいは、またはさらに、ユーザA(ユーザ120A)は、すべての技術コンポーネントにわたって適用される1つの閾値を規定してもよい。サービス・プロバイダ140は、ユーザA(ユーザ120A)が閾値を特定するまで、デフォルト値の10パーセントを使用するとよい。技術コンポーネントがエネルギー効率の高い形で動作しているかどうかを判断するステップについては、下記の図6でさらに詳しく述べる。
あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ140は、組織によって実装されている特定の技術コンポーネントの基準電力消費モデルを使用するのではなく、組織によって実装されている技術コンポーネントと同じタスクを実行する最もエネルギー効率の高い技術コンポーネントに関連した、エネルギー効率の高い電力消費モデルを使用してもよい。最もエネルギー効率の高い技術コンポーネントは、すべての組織にわたって類似した技術コンポーネントに関し測定された電力消費値に基づくとよい。あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ140は、製造業者または小売業者のデータベースなど、サード・パーティ・ソースから、さらなる技術コンポーネントの電力消費モデルを取得してもよい。あるいは、またはさらに、管理者110が、さらなる技術コンポーネントの電力消費モデルを入力してもよい。エネルギー効率の高い電力消費モデルを使用することで、組織は確実に、そのデータ・センターおよび/または職場を、その特有の技術構成によって達成できるエネルギー効率の最も高い形で運用するのでなく、可能な限りの、エネルギー効率の最も高い形で運用することができる。
図2は、図1のシステム、または技術コンポーネントのエネルギー効率を監視する他のシステムを実装するネットワーク環境200の簡略図を提供する。なお、示されているコンポーネントのすべてが必須とは限らないと考えられ、一部の実装では、図示されていない追加のコンポーネントが含まれることもある。コンポーネントの配置およびタイプの変形を、本願明細書に記載される特許請求の範囲の意図および範囲から逸脱することなく作り出すことができる。追加のコンポーネント、別のコンポーネント、またはより少ないコンポーネントが提供されてもよい。
ネットワーク環境200は、1人以上のユーザ120A〜120N、管理者110、サービス・プロバイダ・サーバ240、サード・パーティ・サーバ250、データ・ストア245、ネットワーク230、235、および、集合的にクライアント・アプリケーションと呼ぶことができる、1つ以上のウェブ・アプリケーション、スタンドアロン・アプリケーション、モバイル・アプリケーション220A〜220Nを含むとよい。
サービス・プロバイダ・サーバ240およびサード・パーティ・サーバ250の一部または全部が、ネットワーク235を介して互いに通信しているとよい。管理者110は、ウェブ・アプリケーション220Aを使用して、サービス・プロバイダ・サーバ240とインタフェースで接続し、データ・ストア245に格納される技術コンポーネントおよび技術構成のデータベースを維持するとよい。あるいは、またはさらに、管理者110は、モバイル・アプリケーション220Nまたはスタンドアロン・アプリケーション220Bを使用して、サービス・プロバイダ・サーバ240とインタフェースで接続してもよい。
ネットワーク230、235は、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN:wide area network)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN:local area networks)、キャンパス・エリア・ネットワーク、メトロポリタン・エリア・ネットワーク、またはその他、データ通信を可能にすることができる任意のネットワークを含むとよい。ネットワーク230は、インターネットを含むとよく、ネットワーク235の全部または一部を含むとよい。ネットワーク235は、ネットワーク230の全部または一部を含むとよい。ネットワーク230、235は、複数のサブ・ネットワークに分割されてもよい。このサブ・ネットワークは、システム200内のネットワーク230、235に接続された他のコンポーネントすべてへのアクセスを許可してもよく、またはサブ・ネットワークは、ネットワーク230、235に接続されたコンポーネント間のアクセスを制限してもよい。ネットワーク235は、公衆またはプライベート・ネットワーク接続と見なすことができ、例えば、公衆インターネット上で用いられる、仮想プライベート・ネットワーク、もしくは暗号化もしくは他のセキュリティ・メカニズム、または同様のものを含んでもよい。
ウェブ・アプリケーション、スタンドアロン・アプリケーション、およびモバイル・アプリケーション220A〜220Nは、データ転送をサポートする任意の構成でネットワーク230に接続されるとよい。これは、ネットワーク230へのデータ接続を含むとよく、この接続は有線または無線とすることができる。ウェブ・アプリケーション、スタンドアロン・アプリケーション、およびモバイル・アプリケーション220A〜220Nはいずれも、個別にクライアント・アプリケーションと呼ぶことができる。ウェブ・アプリケーション220Aは、ウェブ・ブラウザもしくはコンピュータ、モバイル電話、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、ページャ、ネットワーク対応のテレビ、TIVO(登録商標)などのデジタル・ビデオ・レコーダ、データ通信能力がある自動車および/または任意の電化製品もしくはプラットフォームなど、ウェブ・コンテンツをサポートする任意のプラットフォーム上で実行されればよい。ウェブ・アプリケーション220Aは、ADOBE FLEX(登録商標)技術を用いて実装されるリッチ・インターネット・アプリケーションをサポートしてもよい。あるいは、またはさらに、ウェブ・アプリケーション220Aは、次の技術:ADOBE FLEXBUILDER 3(登録商標)、ADOBE FLEX SUBCLIPSE(登録商標)、または概して任意のウェブ開発技術のうち、1つ以上を使用して開発されてもよい。
スタンドアロン・アプリケーション220Bは、一つのマシン上で実行されるとよく、このマシンは、プロセッサ、メモリ、ディスプレイ、ユーザ・インタフェース、および通信インタフェースを有するとよい。プロセッサは、メモリ、ディスプレイおよびインタフェースに動作可能なように接続されているとよく、スタンドアロン・アプリケーション220Bまたは基礎をなすオペレーティング・システムのリクエストに応じてタスクを実行するとよい。メモリは、データを格納できるとよい。ディスプレイは、メモリおよびプロセッサに動作可能なように接続されているとよく、情報をユーザB120Bに対し表示できるとよい。ユーザ・インタフェースは、メモリ、プロセッサ、およびディスプレイに動作可能なように接続されているとよく、ユーザB120Bと対話できるとよい。通信インタフェースは、メモリおよびプロセッサに動作可能なように接続されているとよく、ネットワーク230、235を介してサービス・プロバイダ・サーバ240と通信できるとよい。スタンドアロン・アプリケーション220Bは、通信プロトコルをサポートする任意のプログラミング言語でプログラムされているとよい。こうした言語には、特に、SUN JAVA(登録商標)、C++、C#、ASP、SUN JAVASCRIPT(登録商標)、Asynchronous SUN JAVASCRIPT(登録商標)、またはADOBE FLASH ACTIONSCRIPT(登録商標)、ADOBE FLEX(登録商標)が含まれると思われる。
モバイル・アプリケーション220Nは、データ接続を有するとよい任意のモバイル・デバイス上で実行されるとよい。データ接続は、セルラ接続、無線データ接続、インターネット接続、赤外線接続、ブルートゥース(Bluetooth)接続、またはその他、データ伝送ができる任意の接続であればよい。例えば、モバイル・アプリケーション220Nは、APPLE IPHONE(登録商標)上で実行されるアプリケーションであってもよい。
サービス・プロバイダ・サーバ240は、アプリケーション・サーバ、モバイル・アプリケーション・サーバ、データ・ストア、データベース・サーバ、およびミドルウェア・サーバのうちの1つ以上を含むとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、1つのマシン上にあっても、1つ以上のマシン上で分散構成で実行されてもよい。
サービス・プロバイダ・サーバ240およびクライアント・アプリケーション220A〜220Nは、図14のコンピューティング・デバイスなど、様々な種類の1つ以上のコンピューティング・デバイスとすることができる。そのようなコンピューティング・デバイスは、一般的に、計算を実行するよう構成でき、1つ以上の有線および/または無線通信インタフェースを介してデータ通信を送受信できるとよい、任意のデバイスを含むとよい。そのようなデバイスは、限定されるものではないが、伝送制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP:Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコル・スイートの中のプロトコルを含む、様々なネットワーク・プロトコルのいずれかに従って通信するよう構成されているとよい。例えば、ウェブ・アプリケーション220Aは、サービス・プロバイダ・サーバ240上で実行されているプロセスであればよいウェブ・サーバから、ウェブ・ページなどの情報をリクエストするためにハイパーテキスト転送プロトコル(「HTTP:Hypertext Transfer Protocol」)を用いてもよい。
サービス・プロバイダ・サーバ240に含まれるデータベース・サーバ、アプリケーション・サーバ、モバイル・アプリケーション・サーバ、およびミドルウェア・アプリケーションにはいくつかの構成が考えられる。データ・ストア245は、サービス・プロバイダ・サーバ240の一部とするとよく、MICROSOFT SQL SERVER(登録商標)、ORACLE(登録商標)、IBM DB2(登録商標)、SQLITE(登録商標)、またはその他、リレーショナルまたはそうではない任意のデータベース・ソフトウェアなどのデータベース・サーバとするとよい。データ・ストア245は、各技術コンポーネントの電力消費モデルを含む技術コンポーネント情報、およびデータ・センターおよび/または職場の技術構成情報を格納するとよい。アプリケーション・サーバは、APACHE TOMCAT(登録商標)、MICROSOFT IIS(登録商標)、ADOBE COLDFUSION(登録商標)、またはその他、通信プロトコルをサポートする任意のアプリケーション・サーバであればよい。ミドルウェア・アプリケーションは、PHP:HYPERTEXT PREPROCESSOR(「PHP」)、またはDJANGOフレームワークなどのPYTHONフレームワークなど、アプリケーション・サーバと、クライアント220A〜220Nとの間の追加の機能性を提供する任意のミドルウェアであればよい。
ネットワーク230、235は、1つのコンピューティング・デバイスを別のコンピューティング・デバイスに結合して、デバイス間のデータ通信を可能にするよう構成されているとよい。ネットワーク230、235は、一般的に、1つのデバイスから別のデバイスへ情報を伝達するために任意の形態のマシン可読媒体を用いることができるようになっているとよい。ネットワーク230、235はそれぞれ、無線ネットワーク、有線ネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)ポートなどによる直接接続、および同様のもののうち、1つ以上を含むとよく、インターネットを構成する相互接続されたネットワークのセットを含むとよい。ネットワーク230、235は、情報をコンピューティング・デバイス間で伝えることができる任意の通信方法を含めばよい。
動作中、ユーザA(ユーザ120A)は、サービス・プロバイダ・サーバ240によって提供されるサービスに、ウェブ・アプリケーション220Aおよびネットワーク230を介してアクセスするとよい。ウェブ・アプリケーション220Aは、ADOBE FLASH(登録商標)PLAYER9を使用することなどによって、サービス・プロバイダ・サーバ240からクライアント・サイド・アプリケーションをダウンロードするとよい。ウェブ・アプリケーション220Aは、PHPサーバなどのミドルウェア・アプリケーションにデータをリクエストするとよい。PHPサーバは、データ・ストア245の情報を問い合わせ、その情報をウェブ・アプリケーション220Aに伝達するとよい。ユーザA(ユーザ120A)は、ウェブ・アプリケーション220Aを介してクライアント・サイド・アプリケーションと対話するとよい。データは、PHPサーバを介して、ウェブ・アプリケーション220Aとデータベース245との間で渡されるとよい。計算の大部分はサービス・プロバイダ・サーバ240上で実行されるとよいが、応答時間を短縮するために、一部の計算がウェブ・アプリケーション220A上で完了されてもよい。
あるいは、またはさらに、クライアント・アプリケーション220A〜220Nは、オンラインおよびオフライン・モードの両方で機能できるとよい。クライアント・アプリケーション220A〜220Nは、オフライン動作用にローカルにキャッシュされたデータ・ストアを含むとよい。ローカルおよびリモートのデータ・ストアは、オンライン動作が利用可能なときに同期をとるとよい。一例では、サービス・プロバイダ・サーバ240は、ADOBE AIR(登録商標)を使用してオンラインおよびオフライン機能性を実装するとよい。
図3は、サービス・プロバイダ・サーバ240、または図1のシステムを実装する他のサーバ、または技術コンポーネントのエネルギー効率を監視する他のシステムの例示的なサーバ・サイド・アーキテクチャ300の簡略図を提供する。なお、示されているコンポーネントのすべてが必須とは限らず、一部の実装では、図示されていない追加のコンポーネントが含まれることもある。コンポーネントの配置およびタイプの変形を、本願明細書に記載される特許請求の範囲の意図および範囲から逸脱することなく作り出すことができる。追加のコンポーネント、別のコンポーネント、またはより少ないコンポーネントが提供されてもよい。
サーバ・サイド・アーキテクチャ300は、サービス・プロバイダ・サーバ240、電力監視システム350、外部データ・ソース345、およびネットワーク235を含むとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、プレゼンテーション層310、分析層320、データ・コレクタ/プロバイダ330、統合層340、およびデータ・ストア245を含むとよい。
外部データ・ソース345は、技術コンポーネント情報および/または技術構成情報を、データ・コレクタ/プロバイダ330を介してサービス・プロバイダ・サーバ240に提供するとよい。次に、技術コンポーネント情報はデータ・ストア245に格納されるとよい。技術コンポーネント情報は、技術コンポーネントの電力消費モデルなど、技術コンポーネントを表す任意のデータを含むとよい。技術構成情報は、組織の、任意の既存または過去の技術構成を表すとよい。あるいは、またはさらに、技術構成情報は他の組織の技術構成を表してもよい。データ・コレクタ/プロバイダ330はさらに、電気料金についてのリアルタイム情報、または消費エネルギーのkWh毎に生成される炭素の量、または過去および予想の気象情報など、システム100に関するその他任意のデータを受信するために使用されるとよい。外部データ・ソース345は、図2のサード・パーティ・サーバ250など、インターネット・ベースとしてもよい。
組織の職場および/またはデータ・センターのリアルタイムのエネルギー消費が、電力監視システム350から受信されるとよい。電力監視システム350もサード・パーティ・サーバ250としてもよく、職場および/またはデータ・センターの各技術コンポーネントの電気消費の、リアルタイムの可視性を提供するとよい。例えば、職場および/またはデータ・センターの技術コンポーネントは、EIG SHARK 100−S ELECTRONIC SUB−METERなど、ネットワーク接続されたエネルギー・メーターに接続されていてもよい。エネルギー・メーターは、ネットワーク235によって電力監視システム350へ、または直接サービス・プロバイダ・サーバ240へ、エネルギー消費データを伝送できるとよい。分析層320は、高度なモデリング、統計、および数学計算を実行するために使用されるアプリケーションであるとよい。分析層320は、アプリケーションを用いてより高度な分析を適用することを可能にするとよい。
統合層340は、システム100が、サービス・プロバイダ・サーバ240上で実行されている他のエネルギー予想アプリケーションとデータを共有できるようにするとよい。例えば、統合層340は、親特許出願に記載されているシステム、またはゾルト・ベネデク(Zsolt Benedek)らによる「職場の炭素排出量および運用コストを削減する戦略を提供するシステム(SYSTEM FOR PROVIDING STRATEGIES TO REDUCE THE CARBON OUTPUT AND OPERATING COSTS OF A WORKPLACE)」という題の、2008年6月24日に提出された同一出願人による米国特許出願第12/144、910号に記載されているシステムのいずれかと、各技術コンポーネントの基準電力消費モデルを、システム100が共有できるようにするとよい。この特許出願は、参照によってその内容を本願明細書に引用したものとする。技術コンポーネントの基準電力消費モデルは、こうしたシステムが、技術コンポーネントに関して測定された実際の電力消費値を利用できるようにするとよい。
図4は、図1のシステム、または技術コンポーネントのエネルギー効率を監視する他のシステムにおいて、技術コンポーネントのエネルギー効率を監視するステップを示すフローチャートである。図4のステップは、サービス・プロバイダ・サーバ240によって実行されるものとして表されている。なお、各ステップは、サービス・プロバイダ・サーバ240のオペレーティング・システム上で実行されているプロセスによって実行されてもよく、サービス・プロバイダ・サーバ240のプロセッサによって実行されてもよく、またはその他任意の、サービス・プロバイダ・サーバ240のハードウェア・コンポーネントによって実行されてもよい。あるいは、各ステップは、外部のハードウェア・コンポーネントまたはソフトウェア・プロセスによって実行されてもよい。
ステップ410で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、技術コンポーネントの基準電力消費モデルを組み立てるとよい。基準電力消費モデルは、技術コンポーネントの期待される電力消費を表すとよい。基準電力消費モデルは、オフライン状態、オンライン状態、および/または起動状態で動作しているときなど、様々な状態で動作しているときに技術コンポーネントによって消費される電力を含むとよい。技術コンポーネントの利用率も監視できる場合は、電力消費モデルは技術コンポーネントの利用率も組み入れるとよい。例えば、サーバによって消費される電力の量は、サーバの利用率によって決まることもある。より高い利用率で動作するサーバは、より低い利用率で動作するサーバよりも多くの電力を消費すると考えられる。したがって、サーバの基準電力消費も、サーバの利用率に応じて異なると考えられる。技術コンポーネントの電力消費モデルを組み立てるステップについては、下記の図5でさらに詳しく述べるであろう。
ステップ420で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントの閾値を判断するとよい。閾値は、許容可能な電力消費範囲を示すとよく、エネルギー効率が高いと見なされるには技術コンポーネントがこの範囲内で動作しなくてはならない。閾値は、基準電力消費モデルによって提供される値の、ある割合としてもよい。例えば、閾値を基準電力消費値の10パーセントとしてもよい。この例では、技術コンポーネントの基準電力消費値が100キロワットであれば、その結果許容可能な電力消費範囲は90キロワットから110キロワットとすればよい。技術コンポーネントの閾値を判断するステップについては、下記の図6でさらに詳しく述べる。
ステップ430で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントのエネルギー消費を監視するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240が直接エネルギー消費を監視してもよく、またはサービス・プロバイダ・サーバ240は、消費されるエネルギーを表す情報を電力監視システム350から受信してもよい。例えば、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントの電力消費を測定するメーターと、ネットワーク235などを介して通信していてもよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントの現在の状態も監視するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240が直接、管理コンソールなどによって技術コンポーネントの状態を監視してもよく、またはサービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントの状態を表す情報を電力監視システム350などの外部ソースから受信してもよい。
ステップ445で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントのエネルギー消費が、その現在の状態において技術コンポーネントの閾値を満たすかどうかを判断するとよい。例えば、技術コンポーネントがオフライン状態であれば、サービス・プロバイダ・サーバ240は基準電力消費モデルを使用して、オフライン状態で動作しているときの技術コンポーネントの基準電力消費値を取得するとよい。次に、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントの現在のエネルギー消費が、現在の状態に関して基準電力消費モデルによって提供される基準電力消費値の閾値内であるかどうかを判断するとよい。技術コンポーネントの現在のエネルギー消費が閾値を満たすかどうかを判断するステップについては、下記の図6でさらに詳しく述べるであろう。
ステップ445で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、技術コンポーネントのエネルギー消費が閾値を満たすと判断すると、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ450に移動する。ステップ450で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントが期待どおりに動作していると特定する。ステップ445で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、技術コンポーネントのエネルギー消費が閾値を満たさないと判断すると、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ440に移動する。
ステップ440で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントが期待どおりに動作していない、すなわち、技術コンポーネントがエネルギー効率の低い形で動作しているとユーザA(ユーザ120A)に通知する。例えば、サービス・プロバイダ・サーバ240は、テキスト・メッセージとも呼ばれるショート・メッセージ・サービス(SMS:short message service)メッセージを、ユーザA(ユーザ120A)のデバイスへ送信して、エネルギー効率の低い形で動作している技術コンポーネントについてユーザA(ユーザ120A)に通知してもよい。あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、電子メール、インスタント・メッセージ、または概して任意の形式の通信をユーザA(ユーザ120A)のデバイスへ送信して、エネルギー効率の低い形で動作している技術コンポーネントについてユーザA(ユーザ120A)に通知してもよい。このイベントの通知はさらに、バックアップ・システムをオンにするなどの予防措置を自動的にトリガするとよい。エネルギー効率の低い形で動作している技術コンポーネントについてユーザA(ユーザ120A)に通知するステップについては、下記の図7でさらに詳しく述べるであろう。
図5は、図1のシステム、または技術コンポーネントのエネルギー効率を監視する他のシステムにおいて、技術コンポーネントの基準電力消費モデルを組み立てるステップを示すフローチャートである。図5のステップは、サービス・プロバイダ・サーバ240によって実行されるものとして表されている。しかし、各ステップは、サービス・プロバイダ・サーバ240のオペレーティング・システム上で実行されているプロセスによって実行されてもよく、サービス・プロバイダ・サーバ240のプロセッサによって実行されてもよく、またはその他任意の、サービス・プロバイダ・サーバ240のハードウェア・コンポーネントによって実行されてもよい。あるいは、各ステップは、外部のハードウェア・コンポーネントまたはソフトウェア・プロセスによって実行されてもよい。
ステップ510で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、基準電力消費モデルの組み立てに利用する技術コンポーネントを特定する。技術コンポーネントの古さが技術コンポーネントの電力消費に影響することもあるため、基準電力消費モデルの組み立てには未使用の技術コンポーネントが最適であると考えられる。この場合、技術コンポーネントが所望の状態および/または利用率にセットされるとよく、ある期間、電力消費が監視されるとよい。あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、組織の各技術コンポーネントの基準電力消費モデルを自動的に組み立ててもよく、これはその技術コンポーネントが最初に組織の技術構成に追加されたときなどに行われるとよい。なお、多くの場合、基準電力消費モデルはデータ・センターおよび/または職場で現在動作中の技術コンポーネントに基づき組み立てられればよい。
ステップ520で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントの電力消費および状態を、1週間など、ある期間にわたって監視するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240が直接、技術コンポーネントの電力消費および状態を監視してもよく、または、サービス・プロバイダ・サーバ240は、電力監視システム350などから電力消費および状態を表すデータを受信してもよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、その期間中、ミリ秒毎など定期的に技術コンポーネントの電力消費および状態を監視するとよい。例えば、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントの現在の電力消費および状態を、ミリ秒毎に記録してもよい。技術コンポーネントの状態は、異なるレベルの電力消費を必要とすると考えられる、技術コンポーネントの複数動作を表すものである。例えば、技術コンポーネントには、パワー・ダウン、すなわち低電力モードで動作する技術コンポーネントを指すオフライン状態、標準状態で動作している技術コンポーネントを指すオンライン状態、オフライン状態からオンライン状態への技術コンポーネントの移行を指す起動状態、または技術コンポーネントの動作を表すことができる概して任意の状態があると考えられる。サーバなど、利用率に関する測定が可能な技術コンポーネントの場合、サービス・プロバイダ・サーバ240は技術コンポーネントの利用率も監視するとよい。
ステップ530で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントがオフライン状態で動作していた期間にわたる技術コンポーネントの電力消費を判断するとよい。例えば、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントがオフライン状態で動作していた期間にわたる技術コンポーネントの全電力消費測定の平均を求めるとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、次式: avg=γy+(1−γ)Y を使用して電力消費測定の平滑化平均(smoothed average)を求めるとよい。式中、Yは前の平均を指し、yは現在の値を指し、γはサービス・プロバイダ・サーバ240によって無作為に選ばれた0から1の間の値である。例えば、γが1に近い値であると、最新の測定がより重く重み付けされ、0に近いγ値は、過去の記録をより大きく重み付けする。平均が求められるときに、平均で使用された値の分散σ2も、次式 σ2=φ(y−Y)2+(1−φ)V を使用して求められるとよい。式中、Yは平均を表し、yは電力消費の現在の測定値を表し(平滑化平均の計算に使用されたのと同じ値)、Vは前の分散を表し、φはサービス・プロバイダ・サーバ240によって無作為に選択された0から1の間の値を表す。例えば、φを0または1に近い値にセットすると、それぞれ過去またはより最近の測定が重み付けされる。分散はさらに、基準電力消費モデルに格納されてもよい。あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、平均電力消費を判断するのではなく、その期間中にオフライン状態で動作している技術コンポーネントに関して測定された最大電力消費値を使用してもよい。
ステップ540で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントが起動状態で動作していた期間にわたる技術コンポーネントの電力消費を判断するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントが起動状態で動作していた時間、すなわち、技術コンポーネントがオフライン状態からオンライン状態へ移行するのに要した時間も記録するとよい。例えば、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントが起動状態で動作していた期間にわたる技術コンポーネントの全電力消費測定の平均と、起動時間の平均とを求めてもよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、次式: avg=γy+(1−γ)Y を使用して電力消費および起動時間測定の平滑化平均を求めるとよい。式中、Yは前の平均を指し、yは現在の値を指し、γはサービス・プロバイダ・サーバ240によって無作為に選ばれた0から1の間の値である。例えば、γが1に近い値であると、最新の測定がより重く重み付けされ、0に近いγ値は、過去の記録をより大きく重み付けする。平均が求められるときに、平均で使用された値の分散σ2も、次式 σ2=φ(y−Y)2+(1−φ)V を使用して求められるとよい。式中、Yは平均を表し、yは電力消費の現在の測定値を表し(平滑化平均の計算に使用されたのと同じ値)、Vは前の分散を表し、φはサービス・プロバイダ・サーバ240によって無作為に選択された0から1の間の値を表す。例えば、φを0または1に近い値にセットすると、それぞれ過去またはより最近の測定が重み付けされる。分散はさらに、基準電力消費モデルに格納されてもよい。あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、平均を求めるのではなく、その期間中に、起動状態で動作している技術コンポーネントに関して測定された最大電力消費値および/または最大起動時間を使用してもよい。
ステップ550で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントがオンライン状態で動作していた期間にわたる技術コンポーネントの電力消費を判断するとよい。例えば、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントがオンライン状態で動作していた期間にわたる技術コンポーネントの全電力消費測定の平均を求めるとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、次式: avg=γy+(1−γ)Y を使用して電力消費測定の平滑化平均を求めるとよい。式中、Yは前の平均を指し、yは現在の値を指し、γはサービス・プロバイダ・サーバ240によって無作為に選ばれた0から1の間の値である。例えば、γが1に近い値であると、最新の測定がより重く重み付けされ、0に近いγ値は、過去の記録をより大きく重み付けする。平均が求められるときに、平均で使用された値の分散σ2も、次式 σ2=φ(y−Y)2+(1−φ)V を使用して求められるとよい。式中、Yは平均を表し、yは電力消費の現在の測定値を表し(平滑化平均の計算に使用されたのと同じ値)、Vは前の分散を表し、φはサービス・プロバイダ・サーバ240によって無作為に選択された0から1の間の値を表す。例えば、φを0または1に近い値にセットすると、それぞれ過去またはより最近の測定が重み付けされる。分散はさらに、基準電力消費モデルに格納されてもよい。あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、平均を求めるのではなく、その期間中にオンライン状態で動作している技術コンポーネントに関して測定された最大電力消費値を使用してもよい。
ステップ555で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、ステップ520などで技術コンポーネントの利用率値が監視されたかどうかを判断するとよい。例えば、サーバなどの特定の技術コンポーネントが利用率値に関連付けられるとよく、利用率値はサービス・プロバイダ・サーバ240によって監視されるとよい。利用率値はさらに、オンライン状態で動作している技術コンポーネントの基準電力消費値をさらに表すとよい。例えば、サーバの利用率は、サーバによって現在使用されているメモリまたは中央処理ユニット(CPU:central processing unit)リソースの割合を指すとよい。別の例では、クーリング・ユニットの利用率は、ヒーティング、換気および空調(HVAC:heating,ventilating and air conditioning)システムの最大能力で割った、供給される冷却トン(tons of cooling)の比を指してもよく、または利用率は、最高ファン速度で割った現在のファン速度を指してもよい。別の例では、無停電電源(UPS:uninterruptible power supply)および電力供給ユニット(PDU:power delivery unit)などの電力供給コンポーネントの利用率は、コンポーネントによって供給される電力の、コンポーネントの電力容量で割った比を指してもよい。
ステップ555でサービス・プロバイダ・サーバ240が、技術コンポーネントの利用率値が監視されたと判断すると、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ560に移動する。ステップ560で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、様々な利用率値間隔毎に、技術コンポーネントの電力消費を判断する。例えば、利用率が割合として測定されれば、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントの電力消費を10パーセント間隔で判断してもよい。したがって、サービス・プロバイダ・サーバ240は、10パーセントの利用率、20パーセントの利用率などで動作する技術コンポーネントの電力消費を判断するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、特定された利用率間隔それぞれで技術コンポーネントが動作していた期間にわたる技術コンポーネントの全電力消費測定の平均を求めるとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、次式: avg=γy+(1−γ)Y を使用して各利用率間隔の電力消費測定の平滑化平均を求めるとよい。式中、Yは前の平均を指し、yは現在の値を指し、γはサービス・プロバイダ・サーバ240によって無作為に選ばれた0から1の間の値である。例えば、γが1に近い値であると、最新の測定がより重く重み付けされ、0に近いγ値は、過去の記録をより大きく重み付けする。平均が求められるときに、平均で使用された値の分散σ2も、次式 σ2=φ(y−Y)2+(1−φ)V を使用して求められるとよい。式中、Yは平均を表し、yは電力消費の現在の測定値を表し(平滑化平均の計算に使用されたのと同じ値)、Vは前の分散を表し、φはサービス・プロバイダ・サーバ240によって無作為に選択された0から1の間の値を表す。例えば、φを0または1に近い値にセットすると、それぞれ過去またはより最近の測定が重み付けされる。分散はさらに、基準電力消費モデルに格納されてもよい。あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、平均を求めるのではなく、その期間中に各利用率レベルで動作する技術コンポーネントに関して測定された最大電力消費値を使用してもよい。
ステップ555でサービス・プロバイダ・サーバ240が、技術コンポーネントの利用率値は監視されなかったと判断すると、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ570に移動する。ステップ570で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントの基準電力消費モデルを組み立てる。基準電力消費モデルは、技術コンポーネントの状態を入力として受け取るとよく、入力された状態で動作する技術コンポーネントの基準電力消費を提供するとよい。利用率を監視できる技術コンポーネントの場合、基準電力消費モデルはさらに、利用率値を入力として受け取り、入力された利用率で動作している技術コンポーネントの基準電力消費値を出力として提供するとよい。
例えば、基準電力消費モデルは、各動作状態を、その動作状態に関して判断された基準電力消費と対応付けるとよい。監視できる利用率に関連する技術コンポーネントの場合、モデルは、オンライン状態および利用率値を、その利用率に関して判断された基準電力消費値と対応付けるとよい。このモデルはさらに、ガウス・ニュートン・アルゴリズムまたは線形最小二乗法などのカーブ・フィッティング・アルゴリズムを利用して、利用率の関数として基準電力消費の連続表現を構成してもよい。連続関数の形は、コンポーネントに基づき変化するとよい。例えば、サーバなどのコンピューティング・コンポーネントには線形型が使用されてもよく、PDUまたはHVACシステムなどのサポート・コンポーネントには非線形型が使用されてもよい。
コンピューティング・コンポーネントの場合、サービス・プロバイダ・サーバ240は、測定された利用率および電力値を、次式: PC=aU+b に適用するとよい。式中、PCは電力消費を指し、Uは利用率を指す。線形最小二乗法を使用してaおよびbの値を求めるとよい。aおよびbを求めれば、基準電力消費値を、与えられた任意の利用率に関して計算することができる。
サポート・コンポーネントの場合、サービス・プロバイダ・サーバ240は、測定された利用率および電力値を、次式: PC=aU/(b+U) に適用するとよい。式中、PCは電力消費を指し、Uは利用率を指す。ガウス・ニュートン・アルゴリズムを使用してaおよびbの値を求めることができる。aおよびbを求めれば、基準電力消費値を、与えられた任意の利用率に関して計算することができる。
ステップ580で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントの基準電力消費モデルをデータ・ストア245に格納するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240はさらに、技術コンポーネントと、基準電力消費モデルとの間の関連を、データ・ストア245に格納するとよい。
図6は、図1のシステム、または技術コンポーネントのエネルギー効率を監視する他のシステムにおいて、技術コンポーネントがエネルギー効率の高い形で動作しているかどうかを判断するステップを示すフローチャートである。図6のステップは、サービス・プロバイダ・サーバ240によって実行されるものとして表されている。しかし、各ステップは、サービス・プロバイダ・サーバ240のオペレーティング・システム上で実行されているプロセスによって実行されてもよく、サービス・プロバイダ・サーバ240のプロセッサによって実行されてもよく、またはその他任意の、サービス・プロバイダ・サーバ240のハードウェア・コンポーネントによって実行されてもよい。あるいは、各ステップは、外部のハードウェア・コンポーネントまたはソフトウェア・プロセスによって実行されてもよい。
ステップ610で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、技術コンポーネントの現在の電力消費値を取得するとよい。例えば、サービス・プロバイダ・サーバ240が直接、技術コンポーネントの電力消費値を測定してもよく、または、サービス・プロバイダ・サーバ240は、電力監視システム350、すなわち外部ソースから、現在の電力消費値を受信してもよい。ステップ620で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術コンポーネントの現在の動作状態を特定するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240が直接、技術コンポーネントの動作状態を監視してもよく、または技術コンポーネントの動作状態は電力監視システム350、すなわち外部ソースによって監視されてもよい。
ステップ625で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、コンポーネントがオンライン状態で動作しているかどうかを判断する。コンポーネントがオンライン状態で動作していれば、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ635に移動する。ステップ635で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、その技術コンポーネントに関して利用率値が監視されているかどうかを判断する。ステップ635で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、技術コンポーネントの利用率値が監視されていると判断すると、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ640に移動する。ステップ640で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、現在の利用率値における技術コンポーネントの基準電力消費値を判断する。技術コンポーネントの基準電力消費値は、技術コンポーネントの現在の利用率値を技術コンポーネントの基準電力消費モデルに入力することで判断されるとよい。
ステップ625で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、技術コンポーネントがオンライン状態で動作してはいないと判断すると、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ650に移動する。ステップ635で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、技術コンポーネントの利用率値が監視されていないと判断すると、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ650に移動する。ステップ650で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、現在の状態で動作している技術コンポーネントの基準電力消費値を判断する。サービス・プロバイダ・サーバ240は、現在の状態を技術コンポーネントの基準電力消費モデルに入力することによって、基準電力消費値を判断するとよい。
ステップ660で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、閾値の上限および下限を判断する。閾値の上限および下限は、基準電力消費値前後の、電力消費値の許容可能な範囲を表すとよい。例えば、ユーザA(ユーザ120A)が、10パーセントなどの割合の閾値を提供してもよい。この場合、閾値の上限は基準電力消費値の110パーセントとなり、閾値の下限は基準電力消費値の90パーセントとなるであろう。
あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、閾値の上限および下限を判断する際に信頼値を利用してもよい。信頼値は、90パーセント、95パーセントなどの割合値などの信頼値によって、閾値外の現在の電力消費値の境界が示されるように、閾値の上限および下限を選ぶために使用されるとよい。信頼値は、信頼値がゼロパーセント近くなど過度に低くセットされている場合にエネルギー効率の低い形で動作している技術コンポーネントについてユーザA(ユーザ120A)に通知しない可能性と、信頼値が100パーセント近くなど過度に高くセットされている場合に技術コンポーネントをエネルギー効率の低い形で動作していると誤って特定する可能性とのバランスをとるとよい。
例えば、信頼値が10パーセントにセットされると、任意の測定電力消費値が上限および下限の範囲内でない確率が10パーセントしかないように、上限および下限が決定されるとよい。10の測定値のうち1つのみが上限および下限に入らない可能性があるため、ユーザA(ユーザ120A)は、エネルギー効率の低い形で動作している技術コンポーネントについて通知を受けない可能性があると考えられる。あるいは、信頼値が90パーセントにセットされると、任意の監視される電力消費値が上限および下限の範囲内でない確率が90パーセントあることになる。この場合、監視される電力消費値の90パーセントが範囲に入らないことになるため、ユーザA(ユーザ120A)は、技術コンポーネントが実際には期待どおりに動作しているときに技術コンポーネントについて誤った通知を受ける可能性がある。
ユーザA(ユーザ120A)は、各技術コンポーネントの信頼値を、技術コンポーネントの重要性に応じて選ぶとよい。例えば、技術コンポーネントがデータ・センターおよび/または職場の運用に絶対不可欠であれば、ユーザA(ユーザ120A)は、信頼値を90パーセントなど、高くセットするとよい。ユーザA(ユーザ120A)は、エネルギー効率の低い形で動作している技術コンポーネントの通知を受けないおそれがある状態よりも、期待どおりに動作している技術コンポーネントの誤った通知を受ける方を選ぶこともある。
ユーザA(ユーザ120A)により提供される信頼値Pは、基準電力消費値y、およびその基準電力消費値と関連する分散σ2(上記の図6で求められた)と共に、下式において、閾値の下限Aおよび上限Bを求めるために使用されるとよい。
下限Aが不要な場合、すなわちゼロにセット可能な場合に閾値の上限Bを求めるには、マルコフの不等式が使用されるとよい。例えば、技術コンポーネントの過熱、または電力網の過度の負担を避けるために、技術コンポーネントの電力消費が、一定の閾値を超えないことが重要であることがある。この例では、下限Aが0にセットされ、上限Bがy/Pにセットされるとよい。Aを0に、さらにBをy/Pにセットすることで、マルコフの不等式を適用すると、確率Pr(y’≧B)≦Pの境界を示すことになり、これは、任意の測定された電力消費値y’が上限B以上になる確率が、ユーザA(ユーザ120A)によって特定された確率P以下であることを示す。
下限Aおよび上限Bを求めるために、チェビシェフの不等式が使用されてもよい。チェビシェフの不等式によれば、何らかのα>0に対して、Pr(−α≦y’−y≦α)≦σ2/α2である。下限Aは、A=y−σ√P にセットされるとよく、上限Bは、B=y+σ√P にセットされるとよい。AおよびBを記載のようにセットすることで、チェビシェフの不等式は、確率Pr(A≦y’≦B)≦Pの境界を示し、これは、任意の測定された電力消費値y’がAおよびBの範囲内である確率が、ユーザA(ユーザ120A)によって特定された確率P以下であることを示す。
閾値の下限Aおよび上限Bを求めるために、中心極限定理が使用されてもよい。この定理によれば、Z:=(y’−Ny)2/σ√N は、平均0および分散1の標準正規(すなわちガウス)分布に従う。式中、Nはyを求めるために使用される測定された電力消費値の数を表し、Zは標準正規を表す。次のように標準正規確率変数の分布関数を使用する。
式中、Φ()は標準正規の分布関数を表し、数値的に求めることができ、βは、P=2Φ(β)−1 となるようにセットされる。下限Aは、A=Ny−βσ√N にセットすることができ、式中、Nはyの計算に使用される値の数を表し、上限Bは、B=Ny+βσ√N にセットすることができる。中心極限定理に適用されるこうしたAおよびBの値は、Pr(A≦y’≦B)≦Pを意味し、これは、任意の測定された電力消費値y’がAおよびBの範囲内である確率が、ユーザA(ユーザ120A)によって特定された確率P以下であることを示す。したがって、測定された電力消費値y’が閾値を上回るときはいつでも、好ましくないイベントが生じたことを示すために通知がトリガされ、技術コンポーネントのエネルギー効率の高い動作からの偏差を示すとよい。
ステップ665で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、現在のエネルギー消費値が閾値を満たすかどうかを判断するとよい。例えば、現在のエネルギー消費値は、現在のエネルギー消費値が閾値の上限および下限内であれば、閾値を満たすと考えられる。ステップ665で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、現在のエネルギー消費値は閾値を満たすと判断すると、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ680に移動する。ステップ680で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、現在のエネルギー消費値が閾値を満たすと示すデータを返す。ステップ665で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、現在のエネルギー消費値が閾値を満たさないと判断すると、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ670に移動する。ステップ670で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、現在のエネルギー消費値が閾値を満たさないと示すデータを返す。
図7は、図1のシステム、または技術コンポーネントのエネルギー効率を監視する他のシステムにおいて、エネルギー効率の低い形で動作している技術コンポーネントについてユーザに通知するステップを示すフローチャートである。図7のステップは、サービス・プロバイダ・サーバ240によって実行されるものとして表されている。しかし、各ステップは、サービス・プロバイダ・サーバ240のオペレーティング・システム上で実行されているプロセスによって実行されてもよく、サービス・プロバイダ・サーバ240のプロセッサによって実行されてもよく、またはその他任意の、サービス・プロバイダ・サーバ240のハードウェア・コンポーネントによって実行されてもよい。あるいは、各ステップは、外部のハードウェア・コンポーネントまたはソフトウェア・プロセスによって実行されてもよい。
ステップ710で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、エネルギー効率の低い形で動作している技術コンポーネントを特定する。ステップ720で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、エネルギー効率の低い形で動作しているコンポーネントの交換コンポーネントを表す情報を、データ・ストア245から取得する。この情報は、型、モデル番号、交換品の価格、およびその交換コンポーネントを注文するためのウェブ・サイトのネットワーク識別子を含むとよい。ステップ725で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、データ・ストア245が、エネルギー効率の低い形で動作している技術コンポーネントの代わりに使用可能な任意の別の技術コンポーネントを含むかどうかを判断するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、任意の利用可能な別の技術コンポーネントが、現在のコンポーネントよりエネルギー効率の高い形で動作できるかどうかを判断するとよい。
ステップ725で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、データ・ストア245内の、より高いエネルギー効率を提供する別のコンポーネントを特定すると、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ730に移動する。ステップ730で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、型、モデル番号、価格、および別の交換コンポーネントを注文するためのウェブ・サイトのネットワーク識別子など、別の交換コンポーネントを表す情報を、データ・ストア245から取得する。
ステップ735で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、より高いエネルギー効率を提供することができる別の交換コンポーネントを特定しなければ、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ740に移動する。ステップ740で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、交換コンポーネントの情報と、特定された任意の別の交換コンポーネントの情報とを含む、通知用のデータを生成する。この通知はさらに、技術コンポーネントの現在のエネルギー消費を表す情報と、技術コンポーネントがエネルギー効率の低い形で動作していることについて考えられる原因の記述とを含むとよい。例えば、技術コンポーネントの電力消費が0であれば、技術コンポーネントは完全に機能しなくなっていると考えられる。別の例では、技術コンポーネントが古く、閾値から少しだけ外れていれば、記述は、その技術が古く交換が必要であると示すとよい。
あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、エネルギー効率の低い形で動作している技術コンポーネントの交換の重要性に基づいて、通知を分類してもよい。通知は、エネルギー効率の低い形で動作している技術コンポーネントを修理および/または交換する重要度に従って送信および/または表示されるとよい。例えば、技術コンポーネントが完全に機能しなくなり、さらに技術コンポーネントがデータ・センターおよび/または職場の運用に絶対不可欠であれば、通知は高重要度に従って送信および/または表示されるとよい。あるいは、またはさらに、コンポーネントが動作に絶対不可欠ではなく、さらに基準電力消費値から少ししか外れていなければ、通知はより低い重要度に従って送信および/または表示されるとよい。例えば、高重要度に従って送信される通知は、管理者110に直接送信されてもよく、および/または赤色のテキストなど高重要度を強調する形でユーザA(ユーザ120A)に対し表示されてもよい。
ステップ750で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、通知をユーザA(ユーザ120A)および/または管理者110に提供する。通知は、ユーザA(ユーザ120A)および/または管理者110に、電子メール、SMSメッセージ、音声メール、インスタント・メッセージ、またはネットワーク230上で通信する概して任意の方法のうちの1つ以上によって提供されるとよい。あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、高重要度の通知など、通知の重要性が重要性閾値に合う場合にのみ、管理者110に通知を送信してもよい。あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、通知の重要性に基づいて、通知を伝達する方法を判断してもよい。例えば、高重要度の通知は、管理者110の自宅電話番号またはモバイル電話番号に電話をかけて通知を説明するメッセージを再生することで管理者110に伝達されてもよく、その一方で、低い重要度の通知は、電子メールによってユーザA(ユーザ120A)に送信されてもよい。
図8は、図1のシステム、または技術コンポーネントのエネルギー効率を監視する他のシステムにおいて、複数の実装の波を処理するステップを示すフローチャートである。図8のステップは、サービス・プロバイダ・サーバ240によって実行されるものとして表されている。しかし、各ステップは、サービス・プロバイダ・サーバ240のオペレーティング・システム上で実行されているプロセスによって実行されてもよく、サービス・プロバイダ・サーバ240のプロセッサによって実行されてもよく、またはその他任意の、サービス・プロバイダ・サーバ240のハードウェア・コンポーネントによって実行されてもよい。あるいは、各ステップは、外部のハードウェア・コンポーネントまたはソフトウェア・プロセスによって実行されてもよい。
ユーザA(ユーザ120A)は、ある期間にわたって連続して、または並行して職場および/またはデータ・センターに適用される複数の省エネルギー戦略の累積効果を予想するために、複数の実装の波を使用してもよい。ステップ805で、ユーザA(ユーザ120A)は、職場および/またはデータ・センターの初期の技術構成と、プロファイルとを特定するとよい。技術構成は、技術コンポーネントを表す平均値を使用した概要であってもよく、または、職場および/またはデータ・センターで使用されている実際の技術コンポーネントの基準電力消費モデルを表現する詳細な記述であってもよい。職場および/またはデータ・センターのプロファイルは、職場および/またはデータ・センターに関連する位置、従業員数、および業界を含んでもよく、または、職場および/またはデータ・センターのエネルギー消費に影響する可能性のある概して任意のデータを含んでもよい。あるいは、またはさらに、ユーザA(ユーザ120A)が、初期の技術構成を有するMICROSOFT(登録商標)EXCEL(登録商標)ファイル、拡張マークアップ言語(XML:extensible markup language)ファイル、または概して任意のデータ・ファイルなどのデータ・ファイルを、サービス・プロバイダ・サーバ240に提供してもよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、ファイルを処理して、ファイルの値をデータ・ストア245にロードするとよい。
ステップ810で、ユーザA(ユーザ120A)は、初期のエネルギー・コスト予想と、消費エネルギーのキロワット毎に生成される炭素トン(tons of carbon)の予想とを提供するとよい。ユーザA(ユーザ120A)は、予想値の1つ以上のセットを用いて1つ以上の傾向を作成するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、ユーザA(ユーザ120A)の予想と、技術構成にある各技術コンポーネントの電力消費モデルとに基づく、初期の技術構成の推定エネルギー・コストおよび炭素排出の視覚的表現を表示するとよい。
サービス・プロバイダ・サーバ240はさらに、ユーザA(ユーザ120A)に、電気コストの増加の専門家予測、または消費エネルギーのキロワット時毎に生成される炭素トンの専門家予測など、予測に関する専門家の意見を提供してもよい。専門家予測は、データおよび政府機関によって実施された分析を含む報告書などの政府報告書から取得されてもよい。あるいは、またはさらに、専門家予測は、その事業に影響を及ぼし得る予想に関する専門家予測を提供することができる専門家など、業界の専門家から取得されてもよい。業界の専門家は、GARDNER、IDC、および/またはFORRESTERなどのベンダおよび/またはアナリストとするとよい。あるいは、またはさらに、専門家予測は、知識をユーザ120A〜120Nに利用可能にするための独自の事前構成プロジェクトを作成できるACCENTUREの専門家から取得されてもよい。
ステップ815で、ユーザA(ユーザ120A)は、第1戦略を実装するためのタイムフレームを特定するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、そのタイムフレームを使用して、推定エネルギー必要量、ならびに職場および/またはデータ・センターの運用コストを判断するとよい。ステップ820で、ユーザA(ユーザ120A)は、現在のタイムフレームの戦略を選択するとよい。ユーザA(ユーザ120A)が2つ以上の戦略を選択すると、サービス・プロバイダ・サーバ240は、戦略が実装されるべき順序を提案するとよい。この順序は、エネルギー・コストおよびkWh毎の炭素排出の予想、または他の要素に関連して最適化されるとよい。最適な順序を判断する方法は、戦略について考えられるすべての配列に関して、達成可能な省エネルギーを計算し、最大の省エネルギーを達成できる戦略順序をユーザA(ユーザ120A)に提供することであると考えられる。
ステップ830で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、選択されたイニシアチブ(initiative)を職場に実装することによる影響を推定するとよい。この推定は、エネルギー・コストおよび消費エネルギーのキロワット毎に生成される炭素の量など、すべての予想値を考慮するとよい。推定は、技術構成にある技術コンポーネントの基準電力消費モデルを利用するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、選択された戦略を実装するのに最適な技術構成を提案するとよい。
あるいは、またはさらに、システム100は、ユーザA(ユーザ120A)がイニシアチブの選択および/またはその技術構成の更新をするときに、関係のある計画メトリクスを示すリアルタイムの推測をユーザA(ユーザ120A)が見ることができるようにしてもよい。このメトリクスは、kWhでのエネルギー使用、カーボン・フットプリント、実装および運用コスト、または、ユーザA(ユーザ120A)が関心を持つと考えられる概して任意のメトリクスを含めばよい。このメトリクスは、技術コンポーネントの基準電力消費モデルを使用して判断されるとよい。
ステップ840で、ユーザA(ユーザ120A)は、サービス・プロバイダ・サーバ240によって提案された技術構成で技術構成データを更新するとよい。あるいは、またはさらに、ユーザA(ユーザ120A)は、サービス・プロバイダ・サーバ240の提案を無視して、その独自の判断に基づき技術構成データを更新してもよい。ステップ850で、ユーザA(ユーザ120A)は、省エネルギー戦略のさらなる波を計画したいかどうかを特定するとよい。ステップ850で、ユーザA(ユーザ120A)が別の波を計画することを望めば、システム100はステップ855に移動し、そうでなければ、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ860に移動する。ステップ855で、ユーザA(ユーザ120A)は、次の波のタイムフレームを特定するとよく、続いて、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ820に移動するとよい。
ステップ860で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、ユーザA(ユーザ120A)によって作成されたすべての波を処理して、職場および/またはデータ・センターの炭素排出、電気コスト、運用コスト、およびエネルギー使用に対する、波の推定集約結果を生成するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、炭素排出、電気コスト、運用コスト、およびエネルギー使用に対する波の推定集約結果を生成するときに、技術コンポーネントの基準電力消費モデルを使用するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240は、こうした値の、計画されたタイムフレーム中の推定値を示す1つ以上のグラフを生成するとよい。
ユーザA(ユーザ120A)が波毎の複数の戦略と、波の中での戦略の順序を特定した場合、サービス・プロバイダ・サーバ240は、波の計画の、実装日計画のスケジュールを提供するとよい。あるいは、またはさらに、ユーザA(ユーザ120A)が、波を展開するタイミングを手動で規定してもよい。このスケジュールは、電気コスト、kWh毎の炭素排出、または他の要素に関する予想に関連して最適化されるとよい。展開の順序は、運用費、資本経費、または他の基準に基づいても最適化され得る。例えば、資本支出(「CAPEX:capital expenditure」)を最小限に抑えるために、サービス・プロバイダ・サーバ240は、前の波から蓄積した節約分を、後の波のコストの資金調達に活用する形でイニシアチブのタイミングを提案してもよい。これは、予想される電気コストを入力として必要とすることもある。あるいは、またはさらに、年間予算に対する運用支出(「OPEX:operational expenditure」)の圧迫を弱めるために、サービス・プロバイダ・サーバ240は、イニシアチブのタイミングをエネルギー価格の変化と同時とすることを提案してもよい。
ステップ870で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、グラフおよび推定結果を、ウェブ・アプリケーション220Aを介してユーザA(ユーザ120A)に対し表示するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240はさらに、ユーザA(ユーザ120A)に、その職場戦略の評価および査定を提供するとよい。評価は、他の組織によって達成された戦略および省エネルギーに基づくとよい。
あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、ユーザA(ユーザ120A)が、同じ職場および/またはデータ・センターに関して複数の職場および/またはデータ・センターのインスタンス、すなわち複数のプロファイルを作成できるようにしてもよい。複数のインスタンスにより、ユーザA(ユーザ120A)が、職場に対する種々の戦略および/または予想値の影響を比較できるようになるとよい。ユーザA(ユーザ120A)は、各インスタンスについて、別々の人数、戦略、波、または職場および/またはデータ・センターに関連する概して任意のデータを規定するとよい。
ユーザA(ユーザ120A)は、組織の省エネルギー戦略全体が確実に最適化されるように、複数の職場および/またはデータ・センターにわたって戦略計画を管理することができるとよい。システム100は、ユーザA(ユーザ120A)が、職場および/またはデータ・センターの現在または初期の構成を見ること、ならびに職場および/またはデータ・センターすべてにわたって、その計画されている変更の推定を見ることができるようにするとよい。
図9は、図1のシステム、または技術コンポーネントのエネルギー効率を監視する他のシステムにおいて、エネルギー効率の高い技術構成を推奨するステップを示すフローチャートである。図9のステップは、サービス・プロバイダ・サーバ240によって実行されるものとして表されている。しかし、各ステップは、サービス・プロバイダ・サーバ240のオペレーティング・システム上で実行されているプロセスによって実行されてもよく、サービス・プロバイダ・サーバ240のプロセッサによって実行されてもよく、またはその他任意の、サービス・プロバイダ・サーバ240のハードウェア・コンポーネントによって実行されてもよい。あるいは、各ステップは、外部のハードウェア・コンポーネントまたはソフトウェア・プロセスによって実行されてもよい。
ステップ910で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、ユーザA(ユーザ120A)の現在の技術構成データを取得するとよい。構成データは、ユーザA(ユーザ120A)の初期および/または現在の技術コンポーネントのインベントリを含むとよい。インベントリ・データは、組織によって使用されている技術コンポーネントの具体的な型およびモデル番号を含むとよい。
ステップ920で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、モニタなど、組織の第1の技術コンポーネントを特定するとよい。ステップ930で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、コストの点、電力消費の点、または炭素排出の点で、現在組織により使用されているコンポーネントよりも効率の高いコンポーネントを求めてデータ・ストア245を検索するとよい。例えば、サービス・プロバイダ・サーバ240は、現在組織によって使用されているモニタの基準電力消費モデルよりもエネルギー効率の高い基準電力消費モデルを有するモニタを特定するとよい。あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、ラップトップおよびデスクトップ・コンピュータをシン・クライアント・インフラストラクチャに変更させるなど、複数の技術コンポーネントをより効率の高いコンポーネントに変更させることを試みてもよい。ステップ935で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、組織の現在の技術構成にある1つ以上のコンポーネントに取って代わることができる、より効率の高いコンポーネントが存在するかどうかを判断するとよい。
ステップ935で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、より効率の高いコンポーネントが存在すると判断すれば、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ950に移動するとよい。ステップ950で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、より効率の高いこのコンポーネントを、推奨技術構成に追加するとよい。ステップ935で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、より効率の高いコンポーネントが存在しないと判断すれば、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ940に移動するとよい。ステップ940で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、現在のコンポーネントを、推奨技術構成に追加するとよい。ステップ955で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、技術構成の中に、分析すべきさらなる技術コンポーネントがあるかどうかを判断するとよい。ステップ955で、サービス・プロバイダ・サーバ240が、分析すべきさらなる技術コンポーネントがあると判断すると、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ960に移動するとよい。ステップ960で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、次に分析するコンポーネントを特定し、より効率の高いコンポーネントが存在するかどうかを判断するステップを繰り返すとよい。
技術構成にある各コンポーネントを分析して、推奨技術構成を生成した後、サービス・プロバイダ・サーバ240はステップ970に移動するとよい。ステップ970で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、推奨技術構成のコストと、推奨技術構成の炭素排出量とを判断するとよい。推奨技術構成がユーザA(ユーザ120A)の初期の技術構成とまったく同じであれば、サービス・プロバイダ140は、ユーザA(ユーザ120A)に、その技術構成に対する最適化はないということをレポートするとよい。
ステップ975で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、現在の技術構成と推奨技術構成との比較を、ウェブ・アプリケーション220Aを介してユーザA(ユーザ120A)に対し表示するとよい。比較は、ユーザA(ユーザ120A)の現在の技術構成によって達成される年間コストおよび年間炭素排出と、推奨技術構成によって達成される年間コストおよび年間炭素排出とを、ユーザA(ユーザ120A)に対して表示するとよい。年間コストおよび年間炭素排出は、現在の技術構成の技術コンポーネントおよび推奨技術構成の技術コンポーネントの基準電力消費モデルを使用して判断されるとよい。ステップ980で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、ユーザA(ユーザ120A)の初期の技術構成と比較して、推奨技術構成によって達成される将来の省エネルギーおよび省コストの予想を表示するとよい。ステップ990で、サービス・プロバイダ・サーバ240は、ユーザA(ユーザ120A)に、その現在の技術構成を推奨技術構成に変更するのに必要な技術コンポーネントを購入するオプションを提供するとよい。サービス・プロバイダ・サーバ240が直接、機器をユーザA(ユーザ120A)に販売してもよく、またはサービス・プロバイダ・サーバ240は、ユーザA(ユーザ120A)に小売業者を紹介してもよい。サービス・プロバイダ・サーバ240が、ユーザA(ユーザ120A)に小売業者を紹介すると、サービス・プロバイダ140は、紹介料、またはユーザA(ユーザ120A)による任意の購入の、ある割合を受け取るとよい。
図10は、図1のシステム、または技術コンポーネントのエネルギー効率を監視する他のシステムにおいて、組織のエネルギー消費の概観を見るためのユーザ・インタフェース1000のスクリーンショットである。ユーザ・インタフェース1000は、ドキュメント・サブセクション1010、地図サブセクション1020、およびナビゲーション・サブセクション1030を含むとよい。ドキュメント・サブセクション1010は、ユーザ・インタフェース1000に関連するドキュメントへのリンクを、ユーザA(ユーザ120A)に提供するとよい。地図サブセクション1020は、組織の1つ以上の職場および/またはデータ・センターの位置を表示するとよい。位置は、位置説明1024および位置ボタン1022を含むとよい。ナビゲーション・サブセクション1030は、ユーザA(ユーザ120A)が、組織のデータ・センターおよび/または職場の種々の位置を見てナビゲートできるようにするとよい。
操作時、ユーザA(ユーザ120A)は、地図サブセクション1020に表示されている地理的領域内にある、組織のデータ・センターおよび/または職場を見ることができる。ユーザA(ユーザ120A)は、ナビゲーション・サブセクション1030内の別の地理的領域をクリックして、地図サブセクション1020内の別の地理的領域を見ることができる。位置説明1024は、データ・センターおよび/または職場を表す情報を含むとよい。位置説明1024は、その位置の電力使用、その位置の電気コスト、その位置の電力使用効率(PUE:power usage effectiveness)、およびその位置の容量を含むとよい。位置説明1024は、その位置にある技術コンポーネントがエネルギー効率の低い形で動作していることを示す視覚的インジケータおよび/またはオーディオ・インジケータも含むとよい。視覚的インジケータは、テキストのフォント、色またはサイズの変化を含んでもよく、または感嘆符などのグラフィカル・アイコンを含んでもよい。概して、視覚的インジケータは、位置説明1024にユーザA(ユーザ120A)の注意を引かせることができる任意のグラフィカル・インジケーションを含めばよい。オーディオ・インジケータは、オーディオ・ビープ音、またはユーザA(ユーザ120A)の注意を引くことができる概して任意の音を含めばよい。ユーザA(ユーザ120A)は、ユーザ・インタフェース1100によって提供されるビューなどのデータ・センターおよび/または職場のより詳細なビューを得るために、位置ボタン1022をクリックするとよい。
図11は、図1のシステム、または技術コンポーネントのエネルギー効率を監視する他のシステムにおいて、組織のデータ・センターのエネルギー消費データを見るためのユーザ・インタフェース1100のスクリーンショットである。ユーザ・インタフェース1100は、リンク・サブセクション1110、連絡先サブセクション1120、メトリクス・サブセクション1130、日付範囲サブセクション1140、グラフ・サブセクション1150、ナビゲーション・サブセクション1160、およびPUEサブセクション1170を含むとよい。リンク・サブセクション1110は、ユーザ・インタフェース1100に関連するリンクを表示するとよい。連絡先サブセクション1120は、管理者110の連絡先情報など、ユーザ・インタフェース1100に関連する連絡先情報を表示するとよい。メトリクス・サブセクション1130は、データ・センターおよび/または職場に関するメトリクス情報を表示するとよい。例えば、メトリクス・サブセクション1130は、絶対数および/または割合での電力割り当て、全体的PUE、平均、ピーク、およびリアルタイムの電力消費、平均、ピーク、およびリアルタイムのカーボン・フットプリント、ならびに電力、クーリング、およびヒーティング能力およびコストを表示するとよい。日付範囲サブセクション1140は、メトリクス・サブセクション1130に表示されるデータの日付範囲をユーザA(ユーザ120A)が変更できるようにするとよい。グラフ・サブセクション1150は、メトリクス・サブセクション1130内に表示されるデータのグラフ表示を提供するとよい。ナビゲーション・サブセクション1160は、炭素排出量、エネルギー・コストおよび電力消費など、さらなるメトリクスを見るためのユーザ・インタフェースへ、ユーザA(ユーザ120A)がナビゲートできるようにするとよい。PUEサブセクション1170は、その位置のPUEのグラフ表示を提供するとよい。
ユーザ・インタフェース1100はさらに、通知サブセクションを含むとよく、これは、ユーザ・インタフェース1100によって表されているデータ・センターおよび/または職場の中にある技術コンポーネントに関連する任意の通知を表示するとよい。例えば、データ・センター内にある技術コンポーネントがエネルギー効率の低い形で動作していれば、ユーザ・インタフェース1100は、ユーザA(ユーザ120A)にその技術コンポーネントを知らせる通知を含むとよい。
図12は、図1のシステム、または技術コンポーネントのエネルギー効率を監視する他のシステムにおいて、組織のデータ・センターのレイアウトを見るためのユーザ・インタフェース1200のスクリーンショットである。ユーザ・インタフェース1200は、リンク・サブセクション1110、およびレイアウト・サブセクション1210を含むとよい。レイアウト・サブセクションは、1つ以上のラック1215を含むとよい。ラック1215は、ラックの名前などのラックの識別子、インターネット・プロトコル(IP:internet protocol)アドレスなどのラックに関連するネットワーク識別子、およびラックの電力使用量を表示するとよい。ユーザ・インタフェース1200はさらに、そのレイアウトにおいて冷気通路がある場所を特定し、各冷気通路の気温および湿度を表示してもよい。ユーザ・インタフェース1200はさらに、列毎の電力割り当て、および列毎の電力、クーリングおよびヒーティング能力を表示してもよい。ラックのうちの1つの中にある技術コンポーネントがエネルギー効率の低い形で動作していれば、その技術コンポーネントを含むラック1215が視覚的インジケータを含んで、そのラックの中の技術コンポーネントに注意が必要であることを示すとよい。例えば、視覚的インジケータは、点滅する赤いインジケータ、または黄色の感嘆符、またはユーザA(ユーザ120A)の注意を引くことができる概して任意のインジケータとするとよい。
あるいは、またはさらに、データ・センターおよび/または職場が複数組織または組織の複数部門によって共有されていれば、サービス・プロバイダ・サーバ240は、部門毎または組織毎に、絶対数および/または割合で電力、クーリングおよびヒーティング割り当てを見るためのユーザ・インタフェースも、ユーザA(ユーザ120A)に提供するとよい。このユーザ・インタフェースは、電力、クーリングおよびヒーティングのコストも部門または組織毎に表示するとよい。
図13は、図1のシステム、または技術コンポーネントのエネルギー効率を監視する他のシステムにおいて、組織のデータ・センターのクーリング・レイアウトを見るためのユーザ・インタフェース1300のスクリーンショットである。ユーザ・インタフェース1300は、クーリング・レイアウトに示されている各技術コンポーネントの利用率、オン/オフ状態および通知を表示するとよい。通知は、視覚的インジケータを用いて表示され、すぐに注意を払う必要があるということをユーザA(ユーザ120A)および/またはコンピュータ・プロセッサに示す通知の出ている技術コンポーネントが示されるとよい。ユーザA(ユーザ120A)は、技術コンポーネントをクリックすることで通知の詳細を見ることができる。ユーザ・インタフェース1300はさらに、クーリング・レイアウトに示されている各技術コンポーネントに関して、全体的な消費電力対全体的な供給されるクーリングを表示するとよい。ユーザ・インタフェース1300は、クーリング・ユニットをオン/オフするタイミングをはかる手がかりをユーザA(ユーザ120A)に提供するとよい。
ユーザ・インタフェース1300は、ユーザ・インタフェース1300に表示されている技術コンポーネントそれぞれの温度上限および温度下限を、ユーザA(ユーザ120A)が見ることができるようにするとよい。ユーザ・インタフェース1300はさらに、ユーザA(ユーザ120A)が、各技術コンポーネントに関連する閾値を変更すること、および/または各技術コンポーネントに関連する上限および下限を変更することができるようにするとよい。ユーザ・インタフェース1300は、技術コンポーネントの監視されている値が閾値外になると、オーディオおよび/または視覚的通知を表示するとよい。例えば、ユーザ・インタフェース1300は、通知メッセージを画面上に表示してもよい。ユーザA(ユーザ120A)に対してメッセージを強調するために、通知メッセージの色、テキスト・サイズおよびフォントが変更されてもよい。あるいは、またはさらに、ユーザA(ユーザ120A)に対してメッセージを強調するために、ユーザ・インタフェース1300上でのメッセージの位置が変更されてもよい。例えば、通知メッセージは、ユーザA(ユーザ120A)に対してメッセージを強調するために、ユーザ・インタフェース1300の中心に表示されてもよい。あるいは、またはさらに、ビープ音、またはその他、ユーザA(ユーザ120A)の注意を引くことができる任意の音などのオーディオ通知が、ユーザA(ユーザ120A)に対して再生されてもよい。
あるいは、またはさらに、サービス・プロバイダ・サーバ240は、データ・センターおよび/または職場の電力レイアウトを見るためのユーザ・インタフェースも、ユーザA(ユーザ120A)に提供してもよい。電力レイアウトは、電力レイアウトに示される各技術コンポーネントの利用率、オン/オフ状態および通知を表示するとよい。電力レイアウトはさらに、各デバイスの全体的な消費電力対全体的な供給される電力、および対応する効率評価を表示するとよい。
あるいは、またはさらに、データ・センターおよび/または職場がヒーティングを利用する場合、サービス・プロバイダ・サーバ240は、データ・センターおよび/または職場のヒーティング・レイアウトを表示するユーザ・インタフェースを提供するとよい。ヒーティング・レイアウトは、ヒーティング・レイアウトに示される各技術コンポーネントの利用率、オン/オフ状態および通知を表示するとよい。ヒーティング・レイアウトはさらに、各デバイスの全体的な消費電力対全体的な供給されるヒーティング、および対応する効率評価を表示するとよい。ヒーティング・レイアウトは、ヒーティング・ユニットをオン/オフするべきタイミングをはかる手がかりをユーザA(ユーザ120A)に提供するとよい。
図14は、一般的なコンピュータ・システム1400を示し、これは、サービス・プロバイダ・サーバ240、または本願明細書で参照される他のコンピューティング・デバイスのいずれかを表現し得る。コンピュータ・システム1400は、命令1424のセットを含み、これを実行して、コンピュータ・システム1400に、本願明細書で開示された方法またはコンピュータによる機能のいずれか1つ以上を実行させることができる。コンピュータ・システム1400は、スタンドアロン・デバイスとして動作してもよく、または例えばネットワークを使用して、他のコンピュータ・システムもしくは周辺デバイスに接続されてもよい。
ネットワーク接続された展開では、コンピュータ・システムは、サーバ・クライアント・ユーザ・ネットワーク環境におけるサーバとして、もしくはクライアント・ユーザ・コンピュータとして、またはピア・ツー・ピア(または分散型)ネットワーク環境におけるピア・コンピュータ・システムとして動作してもよい。コンピュータ・システム1400はさらに、パーソナル・コンピュータ(PC:personal computer)、タブレットPC、セット・トップ・ボックス(STB:set−top box)、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、モバイル・デバイス、パームトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、通信デバイス、無線電話、固定電話、制御システム、カメラ、スキャナ、ファクシミリ装置、プリンタ、ページャ、個人信託デバイス(personal trusted device)、ウェブ・アプライアンス、ネットワーク・ルータ、スイッチもしくはブリッジ、もしくはその他、マシンによってとられるべきアクションを規定する命令1424のセット(シーケンシャルまたはそうでないもの)を実行することができる任意のマシンなど、様々なデバイスとして実装されても、または様々なデバイスに組み入れられてもよい。特定の実施形態では、コンピュータ・システム1400は、音声、ビデオまたはデータ通信を提供する電子デバイスを使用して実装されるとよい。さらに、単一のコンピュータ・システム1400が示されているであろうが、「システム」という用語は、個別にまたは共同で命令の1つもしくは複数セットを実行して1つ以上のコンピュータ機能を実行する、システムまたはサブ・システムの任意の集合を含むようにも見なされるものとする。
図14に示されているように、コンピュータ・システム1400は、中央処理ユニット(CPU:central processing unit)、グラフィックス処理ユニット(GPU:graphics processing unit)、または両方などのプロセッサ1402を含むとよい。プロセッサ1402は、様々なシステムのコンポーネントとすることができる。例えば、プロセッサ1402は、標準のパーソナル・コンピュータまたはワークステーションの一部であってもよい。プロセッサ1402は、1つ以上の一般的なプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、サーバ、ネットワーク、デジタル回路、アナログ回路、その組み合わせ、またはその他、データを分析および処理する現在既知のデバイスもしくは後で開発されるデバイスとすればよい。プロセッサ1402は、手動で生成された(すなわちプログラムされた)コードなどのソフトウェア・プログラムを実装するとよい。
コンピュータ・システム1400は、バス1408を介して通信できるメモリ1404を含むとよい。メモリ1404は、メイン・メモリ、スタティック・メモリ、またはダイナミック・メモリであればよい。メモリ1404は、限定はされないが、ランダム・アクセス・メモリ、読み取り専用メモリ、プログラム可能読み取り専用メモリ、電気的プログラム可能読み取り専用メモリ、電気的消去可能読み取り専用メモリ、フラッシュ・メモリ、磁気テープまたはディスク、光学式媒体および同様のものを含む、様々なタイプの揮発性または不揮発性ストレージ媒体などのコンピュータ可読ストレージ媒体を含み得るが、これに限定されなくてよい。ある場合には、メモリ1404は、プロセッサ1402のキャッシュまたはランダム・アクセス・メモリを含むとよい。あるいは、またはさらに、メモリ1404は、プロセッサのキャッシュ・メモリ、システム・メモリ、または他のメモリなど、プロセッサ1402から独立していてもよい。メモリ1404は、データを格納する外部ストレージ・デバイスまたはデータベースであってもよい。例として、ハード・ドライブ、コンパクト・ディスク(「CD:compact disc」)、デジタル・ビデオ・ディスク(「DVD:digital video disc」)、メモリ・カード、メモリ・スティック、フロッピー(登録商標)ディスク、ユニバーサル・シリアル・バス(「USB」)メモリ・デバイス、またはその他、データを格納するよう動作可能である任意のデバイスが考えられる。メモリ1404は、プロセッサ1402によって実行可能な命令1424を格納するよう動作可能であるとよい。図面に示された、または本願明細書に記載された機能、動作もしくはタスクは、メモリ1404に格納された命令1424を実行するプログラムされたプロセッサ1402によって実行されるとよい。機能、動作またはタスクは、命令セット、ストレージ媒体、プロセッサまたは処理戦略の特定のタイプとは独立しているとよく、単独または組み合わせで動作するソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコードおよび同様のものによって実行されるとよい。同じく、処理戦略は、多重処理、多重タスキング、並列処理および同様のものを含み得る。
コンピュータ・システム1400はさらに、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diode)、フラット・パネル・ディスプレイ、ソリッド・ステート・ディスプレイ、陰極線管(CRT:cathode ray tube)、プロジェクタ、プリンタ、またはその他、決定された情報を出力する、現在既知のディスプレイ・デバイスもしくは後で開発されるディスプレイ・デバイスなどのディスプレイ1414を含めばよい。ディスプレイ1414は、ユーザがプロセッサ1402の機能を見るためのインタフェースとして、または特にメモリ1404内もしくはドライブ・ユニット1406内に格納されるソフトウェアとのインタフェースとしての機能を果たすとよい。
さらに、コンピュータ・システム1400は、システム1400のコンポーネントのいずれかとユーザが対話できるようにするよう構成された、入力デバイス1412を含むとよい。入力デバイス1412は、ナンバー・パッド、キーボード、またはマウスもしくはジョイスティックなどのカーソル制御デバイス、タッチ・スクリーン・ディスプレイ、リモート制御、またはその他、システム1400と対話するよう動作可能である任意のデバイスであればよい。
コンピュータ・システム1400はさらに、ディスクまたは光学ドライブ・ユニット1406を含んでもよい。ディスク・ドライブ・ユニット1406は、例えばソフトウェアなど、命令1424の1つ以上のセットを組み込むことができる、コンピュータ可読媒体1422を含むとよい。さらに、命令1424は、本願明細書に記載された方法または論理の1つ以上を実行するとよい。命令1424は、コンピュータ・システム1400による実行中、完全または少なくとも部分的にメモリ1404内および/またはプロセッサ1402内にあるとよい。上記のように、メモリ1404およびプロセッサ1402はさらに、コンピュータ可読媒体を含んでもよい。
本開示は、命令1424を含むコンピュータ可読媒体1422、または、伝播された信号に応答して命令1424を受信および実行するコンピュータ可読媒体1422を意図しており、その結果、ネットワーク235に接続されたデバイスが音声、ビデオ、オーディオ、画像またはその他任意のデータをネットワーク235上で伝達するとよい。さらに、命令1424は、通信インタフェース1418を介してネットワーク235上で送信または受信されてもよい。通信インタフェース1418は、プロセッサ1402の一部であっても、または別個のコンポーネントであってもよい。通信インタフェース1418は、ソフトウェアにおいて作成されても、またはハードウェアにおける物理接続であってもよい。通信インタフェース1418は、ネットワーク235、外部媒体、ディスプレイ1414、もしくはシステム1400内の他の任意のコンポーネント、またはその組み合わせと接続するよう構成されているとよい。ネットワーク235との接続は、有線イーサネット(登録商標)接続などの物理接続であってもよく、または以下に述べるように無線で確立されてもよい。同じく、システム1400の他のコンポーネントとのさらなる接続は、物理接続であっても、または無線で確立されてもよい。サービス・プロバイダ・サーバ240またはサード・パーティ・サーバ250の場合、サーバは、通信インタフェース1418を介してユーザ120A〜120Nと通信するとよい。
ネットワーク235は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、またはその組み合わせを含むとよい。無線ネットワークは、セルラ電話ネットワーク、802.11、802.16、802.20、またはWiMaxネットワークとしてもよい。さらに、ネットワーク235は、インターネットなどの公衆ネットワーク、イントラネットなどのプライベート・ネットワーク、またはその組み合わせとしてもよく、限定されるものではないが、TCP/IPベースのネットワーク・プロトコルを含む、現在利用可能であるか、または後で開発される、様々なネットワーク・プロトコルが利用され得る。
コンピュータ可読媒体1422は単一の媒体であってもよく、またはコンピュータ可読媒体1422は、集中もしくは分散データベース、および/または命令の1つ以上のセットを格納する関連のキャッシュおよびサーバなど、単一の媒体もしくは複数の媒体であってもよい。「コンピュータ可読媒体」という用語はさらに、プロセッサによって実行される命令のセット、またはコンピュータ・システムに本願明細書で開示された方法もしくは動作のいずれか1つ以上を実行させることができる命令のセットを格納すること、符号化すること、または運ぶことができると考えられる任意の媒体を含み得る。
コンピュータ可読媒体1422は、1つ以上の不揮発性読み取り専用メモリを収容するメモリ・カードまたはその他のパッケージなどのソリッド・ステート・メモリを含み得る。コンピュータ可読媒体1422はさらに、ランダム・アクセス・メモリまたはその他の書き換え可能な揮発性メモリとしてもよい。さらに、コンピュータ可読媒体1422は、伝送媒体上で伝達される信号などの搬送波信号を記録するディスクもしくはテープもしくはその他のストレージ・デバイスなど、光磁気または光媒体を含んでもよい。電子メールへのデジタル・ファイル添付、またはその他、自己完結型情報アーカイブまたは複数アーカイブのセットが、有形のストレージ媒体であり得る配布媒体と見なされてもよい。したがって、本開示は、データまたは命令を格納できる、コンピュータ可読媒体または配布媒体、ならびにその他の等価物および後継媒体のうちいずれか1つ以上を含むと見なされるとよい。
あるいは、またはさらに、特定用途向け集積回路、プログラム可能論理アレイ、およびその他のハードウェア・デバイスなどの専用ハードウェア実装が、本願明細書に記載された方法の1つ以上を実装するよう構築されてもよい。様々な実施形態の装置およびシステムを含み得る用途には、様々な電子およびコンピュータ・システムが広く含まれ得る。本願明細書に記載された1つ以上の実施形態は、特定の相互接続された2つ以上のハードウェア・モジュールもしくはデバイスを、モジュール間で、もしくはモジュールを介して伝達されるとよい関連した制御およびデータ信号と共に使用して、機能を実装することも、または特定用途向け集積回路の一部として機能を実装することもできる。したがって、本システムは、ソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェア実装を含み得る。
本願明細書に記載された方法は、コンピュータ・システムによって実行可能なソフトウェア・プログラムによって実装されてもよい。さらに、実装は、分散処理、コンポーネント/オブジェクト分散処理、および並列処理を含み得る。あるいは、またはさらに、本願明細書に記載された方法または機能性のうちの1つ以上を実装するために、仮想コンピュータ・システム処理が構築されてもよい。
特定の実施形態において実装するとよいコンポーネントおよび機能は、特定の標準およびプロトコルを参照して記載されているが、コンポーネントおよび機能は、そのような標準およびプロトコルには限定されない。例えば、インターネットおよびその他のパケット交換ネットワーク伝送の標準(例えばTCP/IP、UDP/IP、HTML、HTTP)が、最新技術の例である。そのような標準は、本質的に同じ機能を持つ、より高速または効率の高い等価物によって定期的に取り替えられる。したがって、本願明細書で開示されたものと同じ、または類似した機能を持つ代わりの標準およびプロトコルは、その等価物と見なされる。
本願明細書に記載された図は、様々な実施形態の構造の全般的な理解を提供することを目的としている。図は、本願明細書に記載された構造または方法を利用する装置、プロセッサおよびシステムのすべての構成要素および特徴の完全な説明となることを目的としたものではない。本開示を概観すると、当業者には、他の多数の実施形態が明らかとなると考えられる。他の実施形態が利用されること、および他の実施形態が本開示から得られることがあり得、その結果、本開示の範囲から逸脱することなく構造および論理上の置き換えおよび変更が行われる可能性がある。さらに、図は単なる表現にすぎず、一定の縮尺でないこともある。図の中の特定の比率が拡大されていることもあり、その一方で他の比率が最小化されていることもある。したがって、本開示および図面は制限的なものではなく、説明に役立つものと見なされるものとする。
技術コンポーネントの挙動モデルを組み立てるコンピュータ実装方法は、技術コンポーネントの複数の状態の各状態に関連する複数のパラメータ値を判断するために、プロセッサによって、ある期間にわたり技術コンポーネントを監視することを含むとよい。本方法は、複数の状態の中の各状態の基準パラメータ値を判断するために、プロセッサによって、複数の状態の中の各状態に関連する複数のパラメータ値を処理することを含むとよい。本方法は、プロセッサによって、技術コンポーネントの挙動モデルを組み立てることを含むとよく、挙動モデルは、各状態、各状態の基準パラメータ値、および各状態と、各状態の基準パラメータ値との間の関連を含む。本方法は、プロセッサによって、技術コンポーネントの挙動モデルをデータ・ストア内に格納することを含むとよい。
あるいは、またはさらに、本方法は、技術コンポーネントの現在の状態および技術コンポーネントの現在のパラメータ値を判断するために、プロセッサによって技術コンポーネントを監視することと、プロセッサによって、技術コンポーネントの挙動モデルをデータ・ストアから取得することと、現在の動作状態に関連する基準パラメータ値を取得するために、プロセッサによって、現在の動作状態を挙動モデルに入力することと、プロセッサによって、技術コンポーネントの現在のパラメータ値が基準パラメータ値の閾値内であるかどうかを判断することと、技術コンポーネントの現在のパラメータ値が基準パラメータ値の閾値内でなければ、プロセッサによって、ユーザのデバイスに通知を提供することとを含むとよい。
あるいは、またはさらに、本方法で使用される現在のパラメータ値は、技術コンポーネントの現在の電力消費値または現在の温度値のうちの少なくとも1つを含むとよい。あるいは、またはさらに、本方法で使用される複数の状態は、オンライン状態、オフライン状態または起動状態のうちの少なくとも1つを含むとよい。あるいは、またはさらに、本方法の処理ステップは、各状態の基準パラメータ値を判断するために、プロセッサによって、複数の状態の中の各状態の複数のパラメータ値の平滑化平均を判断することをさらに含むとよい。
技術コンポーネントの基準電力消費モデルを組み立てるコンピュータ実装方法は、複数の状態の各状態で動作する技術コンポーネントに関連する複数の電力消費値を判断するために、プロセッサによって、ある期間にわたり技術コンポーネントを監視することを含むとよい。本方法は、複数の状態の中の各状態の基準電力消費値を判断するために、プロセッサによって、複数の状態の中の各状態に関連する複数の電力消費値を処理することをさらに含むとよい。本方法は、プロセッサによって、技術コンポーネントの基準電力消費モデルを組み立てることをさらに含むとよく、基準電力消費モデルは、各状態、各状態の基準電力消費値、および各状態と、各状態の基準電力消費値との間の関連を含む。本方法は、プロセッサによって、技術コンポーネントの基準電力消費モデルをデータ・ストア内に格納することをさらに含むとよい。
あるいは、またはさらに、本方法は、技術コンポーネントの現在の電力消費値および現在の動作状態を判断するために、プロセッサによって技術コンポーネントを監視することと、プロセッサによってデータ・ストアから技術コンポーネントの基準電力消費モデルを取得することと、現在の動作状態に関連する基準電力消費値を取得するために、プロセッサによって、基準電力消費モデルに現在の動作状態を入力することと、プロセッサによって、現在の電力消費値が基準電力消費値の閾値内であるかどうかを判断することと、技術コンポーネントの現在の電力消費値が基準電力消費値の閾値内でなければ、プロセッサによって、ユーザのデバイスに通知を提供することとをさらに含むとよい。
あるいは、またはさらに、処理ステップは、各状態の基準電力消費値を判断するために、プロセッサによって、複数の状態の中の各状態の、複数の電力消費値の平滑化平均を判断することをさらに含むとよい。あるいは、またはさらに、複数の状態のうちの少なくとも1つはオンライン状態であるとよい。技術コンポーネントは、オンライン状態において、複数の利用率値のうちのある利用率値で動作し、この複数の利用率値は、技術コンポーネントの動作中であるリソースの割合を表現するとよい。あるいは、またはさらに、技術コンポーネントのこのリソースは、メモリ・リソースまたは中央処理ユニット・リソースのうちの少なくとも1つを含むとよい。
あるいは、またはさらに、本方法は、複数の利用率値の中の各利用率値で動作する技術コンポーネントに関連する複数の電力消費値を判断するために、プロセッサによって、技術コンポーネントを該期間にわたって監視することと、複数の利用率値の中の各利用率値の基準電力消費値を判断するために、プロセッサによって、複数の利用率値の中の各利用率値に関連する複数の電力消費値を処理することと、プロセッサによって技術コンポーネントの基準電力消費モデルを組み立てることとをさらに含むとよい。基準電力消費モデルは、各利用率値、各利用率値の基準電力消費値、および利用率値と、各状態の基準電力消費値との間の関連を含むとよい。本方法はさらに、各利用率値の関数として各基準電力消費値の連続表現を生成するために、プロセッサによって各利用率値および各基準電力消費値をカーブ・フィッティング・アルゴリズムに適用することと、プロセッサによって技術コンポーネントの基準電力消費モデルを組み立てることとを含むとよく、この基準電力消費モデルはさらに、各利用率値の関数として各基準電力消費値の連続表現を含む。カーブ・フィッティング・アルゴリズムは、ガウス・ニュートン・アルゴリズムまたは線形最小二乗法のうちの少なくとも1つであればよい。
あるいは、またはさらに、本方法は、データ・センターの初期の技術構成であって、基準電力消費モデルにそれぞれ関連する初期の複数の技術コンポーネントから成る、該初期の技術構成を、プロセッサによって受信することと、ある期間にわたるデータ・センターの初期の電力消費推測を生成するために、プロセッサによって、初期の技術コンポーネントそれぞれの基準電力消費モデルを処理することと、プロセッサによって、ある期間にわたるデータ・センターの初期の電力消費推測のグラフを提供することとをさらに含むとよい。本方法はさらに、削減率(reduction factor)分データ・センターの初期の電力消費推測を削減するための戦略を提供する、省エネルギー・イニシアチブと、削減率とをプロセッサによってユーザから受信することと、初期の電力消費推測を削減率分削減できる推奨技術構成であって、基準電力消費モデルにそれぞれ関連する複数の推奨技術コンポーネントから成る、該推奨技術構成を判断するために、プロセッサによって、初期の技術構成、省エネルギー・イニシアチブ、および削減率を処理することと、プロセッサによって、各推奨技術コンポーネントの基準電力消費モデルに基づき、該期間にわたる、推奨技術構成の推奨電力消費の推測を判断することと、プロセッサによって、初期の電力消費推測と、推奨電力消費推測とを表示する第2のグラフを提供することとをさらに含むとよい。
技術コンポーネントの挙動モデルを組み立てるシステムは、メモリ、インタフェース、およびプロセッサを含むとよい。メモリは、プロセッサおよびインタフェースに接続されるとよく、技術コンポーネントの挙動モデルを格納するとよい。プロセッサは、技術コンポーネントの複数の状態の各状態に関連する複数のパラメータ値を判断するために、ある期間にわたって技術コンポーネントを監視するとよい。プロセッサは、各状態の基準パラメータ値を判断するために、各状態に関連する複数のパラメータ値を処理するとよい。プロセッサは、技術コンポーネントの挙動モデルを組み立てるとよい。挙動モデルは、各状態、各状態の基準パラメータ値、および各状態と各状態の基準パラメータ値との間の関連を含むとよい。プロセッサは、技術コンポーネントの挙動モデルをメモリに格納するとよい。
あるいは、またはさらに、このシステムは、メモリおよびプロセッサに動作可能なように接続されユーザのデバイスと通信するよう動作可能であるインタフェースをさらに含むとよい。このプロセッサは、技術コンポーネントの現在の状態および技術コンポーネントの現在のパラメータ値を判断するために、技術コンポーネントを監視し、技術コンポーネントの挙動モデルをデータ・ストアから取得し、現在の動作状態に関連する基準パラメータ値を取得するために現在の動作状態を挙動モデルに入力し、技術コンポーネントの現在のパラメータ値が基準パラメータ値の閾値内であるかどうかを判断し、技術コンポーネントの現在のパラメータ値が基準パラメータ値の閾値内でなければ、インタフェースを介してユーザのデバイスに通知を提供するようさらに動作可能であるとよい。現在のパラメータ値は、技術コンポーネントの現在の電力消費値または現在の温度値のうちの少なくとも1つであるとよい。複数の状態は、オンライン状態、オフライン状態または起動状態のうちの少なくとも1つであるとよい。あるいは、またはさらに、プロセッサは、各状態の基準パラメータ値を判断するために、複数の状態の中の各状態の、複数のパラメータ値の平滑化平均を判断するようさらに動作可能であるとよい。
上記で開示した内容は、制限的なものではなく説明に役立つものであると見なされるものとし、添付の特許請求の範囲は、本記載の真の意図および範囲内に入る前述の変更、強化、およびその他の実施形態すべてを対象とするものとする。したがって、この範囲は、法律によって認められる最大の範囲まで、以下の特許請求の範囲およびその等価物の、許容される最も広い解釈によって判断されるべきであり、前述の詳細な説明によって制限されることも限定されることもない。