JP2010244133A - イオン分布シミュレーション方法、イオン分布シミュレーション装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents

イオン分布シミュレーション方法、イオン分布シミュレーション装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】流体数値解析を用いつつ層流モデルを適用することにより計算工数を減少させ、精度良くイオン分布のシミュレーション結果を得ることができるイオン分布シミュレーション方法、イオン分布シミュレーション装置、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】予め、特定の大きさ及び形状の室内での流れ場を不均等メッシュを用いた乱流モデルにより流体数値解析にて求めておき、イオン発生装置の周囲1mBOX内を均等メッシュに分割しなおして当該均等メッシュにおける風速に置き換えて初期条件として記憶しておく。シミュレーション対象の部屋にイオン発生装置から拡散されるイオン分布を求めるに際し、予め記憶しておいた1mBOX内の風速分布を初期条件として、室内の風速及び風圧の分布を層流モデルによりナビエストークスの方程式を用いて算出し、求めた分布からイオン分布を算出する。
【選択図】図4

Description

本発明は、イオン発生装置から発生するイオン分布をシミュレートして予測する方法に関する。特に、流体数値解析を用いつつ計算工数をでき得る限り減少させ、且つ計算の精度を保ちイオン発生装置から発生したイオンの分布を良好に推測することができるイオン分布シミュレーション方法、イオン分布シミュレーション装置、コンピュータプログラム及び記録媒体に関する。
昨今の健康志向などにより、イオン発生源を内蔵し、調整された空気と共にマイナスイオンを放出する機能を持つ空調機、空気清浄機などの電気機器が普及している。これらの電気機器の購買時には、イオン効果を数値的に示すことが望ましい。しかしながら、イオンは、煙、埃などと異なり不可視であり、測定が困難であるためにイオン発生源を内蔵した電気機器から発生するイオン分布を示すことは難しい。
そこで、熱流体解析などで利用されている解析ソフトウェアプログラム(非特許文献1など)を利用してシミュレーションを実行し、シミュレーションの結果を効果として示す手法がとられている。
特許文献1には室内の流れ場を求めて、求めた流れ場における寿命の短い微小粒子の濃度分布を時間的消滅を考慮して解析し、イオン分布をよい簡易な計算により予測する方法が提案されている。
特開2006−38451号公報
アンシス・ジャパン株式会社、"アンシス・ジャパン株式会社−プロダクト−FLUENT(登録商標)"、[online]、[平成21年3月18日検索]、インターネット〈URL:http://ansys.jp/products/fluent/〉
非特許文献1のソフトウェアプログラムを利用し、イオン発生源を内蔵した空調機などの電気機器により放出されるイオンの室内における分布をシミュレーションする場合、室内を計算格子(立方体を使った6面体格子、3面体、4面体を使って空間を細分化したもの、均等な大きさに細分化したものは均等格子又は均等メッシュと呼び、不均等な大きさに細分化したものは不均等格子又は不均等メッシュと呼ぶ。以下、均等、不均等の区別がない場合はメッシュという)に分割して、電気機器の比較的小さな吹出口における風速、風向及び風圧から乱流モデルを適用して各メッシュ内における微小粒子(イオン)が次にいずれのメッシュにあるかをシミュレーションする。
このとき、乱流モデルを適用するために、均等又は不均等なメッシュを用いて空間を細分化して計算を行なうが、風速が早い空間はより細かいメッシュでの細分化が必要となり計算工数を増やさなければ定常状態における流れ場を求めることが難しい。しかしながら、部屋に設置する電気機器からのイオンの分布を予測する場合、部屋は任意の大きさ及び形状であり、イオン発生装置の設置場所も任意である。したがって、あらゆる状況におけるイオンの分布を、全て乱流モデルを適用してシミュレーションすることは計算工数が多く、少なからず時間を要する。時間を短縮すると、良好な精度で分布を求めることができない状況にあった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、流体数値解析を用いつつ空間の全てを均等メッシュで細分化した層流モデルを適用することにより計算工数を減少させ、イオン発生装置から発生したイオンの分布の精度良いシミュレーション結果を得ることができるイオン分布シミュレーション方法、イオン分布シミュレーション装置、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
第1発明に係るイオン分布シミュレーション方法は、室内に設置され、イオン発生源及びファンを備えるイオン発生装置から拡散されるイオンの室内分布を、流体数値解析を行なう解析手段を用いてシミュレートする方法において、予め、イオン発生装置の吹出口における前記ファンからの風速及び風量を境界条件として、特定の大きさ及び形状の室内での流れ場を、不均等メッシュを用いた乱流モデルにて前記解析手段により算出しておき、更に、算出結果に基づき、前記イオン発生装置の吹出口を中央とする所定容積の空間内で算出に用いられた各不均等メッシュの空間座標及び風速を、前記空間を均等メッシュを用いて分割した場合の各メッシュの空間座標及び風速に置き換えて前記イオン発生装置に対応する初期条件として記憶しておき、任意の大きさ及び形状の部屋に前記イオン発生装置が設置された場合の前記部屋内の定常的な風速又は風圧の分布を、前記初期条件に基づき、層流モデルによりナビエストークスの方程式を用いて求め、求めた分布及び前記イオン発生源からのイオン発生量に基づき、前記イオン発生装置から拡散されるイオンの前記部屋における定常状態での分布を求めることを特徴とする。
第2発明に係るイオン分布シミュレーション方法は、室内に設置され、イオン発生源及びファンを備えるイオン発生装置から拡散されるイオンの室内分布を、流体数値解析を行なう解析手段を用いてシミュレートする方法において、予め、シミュレーション対象として想定される複数のイオン発生装置の機種毎に、前記イオン発生装置の吹出口における前記ファンからの風速及び風量を境界条件として、特定の大きさ及び形状の室内での流れ場を、不均等メッシュを用いた乱流モデルにて前記解析手段により算出しておき、更に、算出結果に基づき、夫々、前記イオン発生装置の吹出口を略中心とした所定容積の空間内で算出に用いられた各不均等メッシュの空間座標及び風速を、前記空間を均等メッシュを用いて分割した場合の各メッシュの空間座標及び風速に置き換えて前記イオン発生装置の機種毎の初期条件として記憶しておき、イオン発生装置の機種の選択を受け付け、選択された機種のイオン発生装置が、任意の大きさ及び形状の部屋に設置された場合の前記部屋内の定常的な風速又は風圧の分布を、前記イオン発生装置の機種に対応する初期条件に基づき、層流モデルによりナビエストークスの方程式を用いて求め、求めた分布及び前記機種に対応するイオン発生源からのイオン発生量に基づき、選択されたイオン発生装置から拡散されるイオンの前記部屋における定常状態での分布を求めることを特徴とする。
第3発明に係るイオン分布シミュレーション方法は、算出結果に基づき、空間座標及び風速を均等メッシュを用いた空間座標及び該空間座標における風速に置き換えるに際し、前記均等メッシュは、乱流モデルにより流れ場を算出する際に用いた不均等メッシュの大きさよりも大きく分割することを特徴とする。
第4発明に係るイオン分布シミュレーション方法は、イオン濃度による消滅係数、時間による減衰率を用いてイオン分布を求めることを特徴とする。
第5発明に係るイオン分布シミュレーション方法は、求められたイオン分布を部屋内の所定の高さにおけるコンター図を表示するための情報に変換し、変換した情報を出力することを特徴とする。
第6発明に係るイオン分布シミュレーション方法は、前記イオン発生装置の選択を受け付けるに際し、前記イオン発生装置について予め対応付けられているイオン効果範囲を表示させることを特徴とする。
第7発明に係るイオン分布シミュレーション装置は、流体数値解析を行なう解析手段を備え、イオン発生源及びファンを有するイオン発生装置が室内に設置された場合のイオンの室内分布を前記解析手段を用いてシミュレートするイオン分布シミュレーション装置において、予め、イオン発生装置の吹出口における前記ファンからの風速、及び風量を境界条件として、特定の大きさ及び形状の室内での流れ場を、不均等メッシュを用いた乱流モデルにて前記解析手段により算出しておく手段と、更に、算出された流れ場の内、前記イオン発生装置の吹出口を中央とする所定容積の空間内で算出に用いられた各不均等メッシュの空間座標及び風速を、前記空間を均等メッシュを用いて分割した場合の各メッシュの空間座標及び風速に置き換えて前記イオン発生装置に対応する初期条件として記憶しておく手段と、任意の大きさ及び形状の部屋に前記イオン発生装置が設置された場合の前記部屋内の定常的な風速又は風圧の分布を、前記初期条件に基づき、層流モデルによりナビエストークスの方程式を用いて求める手段と、求めた分布及び前記イオン発生源からのイオン発生量に基づき、前記イオン発生装置から拡散されるイオンの前記部屋での定常状態での分布を求める手段とを備えることを特徴とする。
第8発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、イオン発生源及びファンを有するイオン発生装置が室内に設置された場合のイオンの室内分布を流体数値解析に基づきシミュレートさせるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、予め、イオン発生装置の吹出口における前記ファンからの風速、及び風量を境界条件として、特定の大きさ及び形状の室内での流れ場、不均等メッシュを用いた乱流モデルにて前記解析手段により算出しておくステップ、更に、算出結果に基づき、前記イオン発生装置の吹出口を中央とする所定容積の空間内で算出に用いられた各不均等メッシュの空間座標及び風速を、前記空間を均等メッシュを用いて分割した場合の各メッシュの空間座標及び風速に置き換えて前記イオン発生装置に対応する初期条件として求めておくステップを実行させ、任意の大きさ及び形状の部屋に、前記イオン発生装置が設置された場合の前記部屋内の定常的な風速又は風圧の分布を、前記初期条件に基づき、層流モデルによりナビエストークスの方程式を用いて求めるステップ、並びに、求めた分布及び前記イオン発生源からのイオン発生量に基づき、前記イオン発生装置から拡散されるイオンの定常状態での分布を求めるステップを実行させることを特徴とする。
第9発明に係る記録媒体は、前記コンピュータプログラムをコンピュータが読み取り可能に記録してあることを特徴とする。
本発明にあっては、室内のイオン分布をシミュレートするに際し、まず、イオン発生装置の吹出口におけるファンからの風速、及び風量を境界条件として特定の大きさ及び形状の室内における流れ場が既存の流体数値解析により求められる。この場合、吹出口からの細かな渦を考慮し、吹出口近傍を細分化した不均等メッシュにて室内を分割して乱流モデルを適用した流体数値解析が行なわれる。ただし、イオン分布のシミュレーション対象として想定される部屋の大きさを考えたとき、吹出口付近における細かな渦の室内における定常的な流れ場への影響は巨視的には無視できる。イオン発生装置の吹出口からの細かな渦は、吹出口から十分な距離離れた位置では、消滅する可能性が高いからである。本発明では、上述の吹出口近傍の細かな渦を考慮した乱流モデルを適用した流体数値解析の結果得られた流れ場の結果に基づき、特定の大きさ及び形状の部屋に設置された場合のイオン発生装置の吹出口を中央とした所定容量の空間における不均等メッシュで分割された各メッシュの空間座標及び各メッシュにおける風速を、前記所定容量の空間を均等メッシュで分割し直した空間座標及び該空間座標における風速に割り当てなおし、初期条件として予め記憶しておく。前記空間は、吹出口から所定距離内を定義するものであって部屋内の流れ場の解析に影響を与えるものではない。所定容量として上述のように細かな渦がほぼ消滅する十分な距離にある範囲に適宜設定する。これにより、前記空間よりも外側における風速又は風圧の分布は層流モデルを適用して求めても、乱流モデルを適用した場合と得られる結果は変わりが無いとの知見が得られた。更に、前記空間内における流れ場は、十分に広い部屋であれば壁からの反射の影響が少なく、部屋の大きさ及び形状に影響されないから、各部屋毎に算出せずとも変わらない。
本発明では、シミュレーション対象である任意の部屋におけるイオン分布を求める際には、イオン発生装置の吹出口における風速及び風量を境界条件とすることなく、予め求めておいた前記所定容量の空間内での風速の分布を初期条件として、層流モデルによりナビエストークスの方程式を用いて求める。これにより、計算工程を削減することが可能となる。
本発明にあっては、イオン発生装置の複数の機種毎に、各機種によって異なる吹出口からの風速及び風量を境界条件とする既存の乱流モデルを適用した流体数値解析により、イオン発生装置の吹出口を中心とした所定容量の空間内における流れ場(風速の分布)が不均等メッシュを用いた乱流モデルにて予め求められる。そして前記空間内における各不均等メッシュの空間座標及び各メッシュにおける風速が、前記空間を均等メッシュで分割し直した空間座標及び当該空間座標における風速に割り当てられて初期条件として予め記憶される。任意の部屋でシミュレーションを実行するに際しては、設置するイオン発生装置の機種が選択された場合、予め求めておいた当該機種に対応する初期条件が用いられ、部屋全体を均等メッシュにて分割した層流モデルによりナビエストークスの方程式を用いて、任意の部屋における部屋内全体の風速又は風圧の分布が求められ、該分布とイオン発生装置のイオン発生源からのイオン発生量により室内におけるイオン分布が求められる。これにより、任意の部屋夫々について吹出口近傍の渦を考慮した乱流モデルによる計算を行なう工程を省略することが可能となる。
本発明にあっては、乱流モデルにより算出された結果を、このとき用いられた不均等メッシュよりも大きい均等メッシュで分割された空間の空間座標に置き換える。均等メッシュの大きさを大きく設定することにより、各メッシュに風速を割り当てる際に精度が維持される。
本発明にあっては、イオン分布は消滅係数、及び時間による減衰率が用いられて求められる。
本発明にあっては、求められたイオン分布は、所定の高さ、例えば部屋内に人間が立っている場合又は座っている場合の顔近辺に相当する高さにおけるコンター図にて表示することが可能に変換されて出力される。
本発明にあっては、イオン発生装置の機種の選択を受け付ける際に、各イオン発生装置の機種に対応付けられて記憶されている考証のイオン効果範囲が表示される。
本発明による場合、乱流モデルを適用した流体数値解析は予め実行しておき、シミュレーション対象の任意の大きさ及び形状の部屋にイオン発生装置を設置した場合のシミュレーションでは、予め求めておいた初期条件を用いて層流モデルにてナビエストークスの方程式を解いて求める工程で済む。これにより、乱流モデルによる計算工程を削減することができる。吹出口を中心とする所定容量の空間内における流れ場は、部屋の大きさ及び形状によらず、且つ乱流モデルを適用して精度良く詳細に実行された流体数値解析の結果得られたパラメータである。当該パラメータを用いることにより、計算の精度は保たれ、イオン発生装置から拡散されるイオンの室内分布を良好に推測することができる。
また、本発明による場合、シミュレーションを実行する際に、部屋に設置する機種を選択することで、機種に対応して乱流モデルにより求めて記憶してある初期条件を用い、吹出口近傍の渦を考慮した計算工程を省きつつも精度良く部屋全体における風速又は風圧の分布を求め、イオンの分布を推測することができる。
本発明による場合は更に、イオン分布を求めるに際し、埃や煙と異なり、相互に反応して消滅するイオンの性質及び時間による減衰を考慮し、消滅係数及び減衰率を用いてイオン分布を求めるから、精度良くイオン分布を推測することができる。
本発明による場合は更に、精度良く求められたイオン分布は、部屋内の要望される高さ、即ち部屋内で過ごす人間の顔の高さにおける分布がコンター図にて表示可能に変換されて出力され、イオン発生装置のイオン効果を、効果的に可視化することができる。
本発明による場合は更に、シミュレーションを実行するイオン発生装置の機種の選択をするに際し、イオン発生装置の考証の効果範囲が表示されるようにしてあることによって、シミュレーション対象の任意の部屋に適したイオン発生装置、及び部屋内における位置を適切に設定してシミュレーションを実行させることができ、当該シミュレーション方法の利便性が高まる。
本実施の形態におけるイオン分布シミュレーション装置の構成を示すブロック図である。 本実施の形態におけるイオン分布シミュレーション装置の制御部により実行される初期条件を求める処理手順の一例を示すフローチャートである。 初期条件を求めるための解析モデルにおける部屋の構造を示す説明図である。 初期条件を求めるための流体数値解析の結果得られる風速分布を示すコンター図である。 イオン分布シミュレーション装置の制御部の処理により記録部に記録される初期条件の例を示す説明図である。 本実施の形態におけるイオン分布シミュレーション装置の制御部により実行されるシミュレーションの処理手順の一例を示すフローチャートである。 制御部によりシミュレーションプログラムが実行された場合にディスプレイに表示されるGUI画面の内容例を示す説明図である。 ディスプレイに表示されるGUI画面におけるトグル部の「効果」切替により切り替えられる表示の内容例を示す説明図である。 ディスプレイに表示されるGUI画面におけるトグル部の「壁」切替により切り替えられる表示の内容例を示す説明図である。 ディスプレイに表示されるGUI画面の内の「シミュレーション」画面の例を示す説明図である。 「ストップ」ボタンが押下されて計算処理が終了した場合のステータス表示部の例を示す説明図である。 本実施の形態にてイオン分布シミュレーション装置にて表示されるイオン分布の表示例を示す説明図である。 シミュレーション対象となる部屋の例を示す説明図である。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本実施の形態におけるイオン分布シミュレーション装置の構成を示すブロック図である。イオン分布シミュレーション装置1は本発明に係るイオン分布シミュレーションを実行する。
イオン分布シミュレーション装置1はパーソナルコンピュータを用い、CPU(Central Processing Unit)などの制御部10と、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの一時記憶部11と、ハードディスクなどの記録部12と、ディスクドライブなどの読取部14と、ビデオカード及びパラレルポートなどの出力部16と、USB(Universal Serial Bus)インタフェースなどの入力部19とを備える。
制御部10は、記録部12に記録されているシミュレーションプログラム1Pを一時記憶部11に読み出して実行することにより、パーソナルコンピュータに本発明に係るイオン分布シミュレーション方法を実行させ、パーソナルコンピュータをイオン分布シミュレーション装置1として動作させる。
一時記憶部11には、上述のように読み出されるシミュレーションプログラム1Pが一時的に記憶されると共に、制御部10の処理によって発生する情報が記憶される。
記録部12には、シミュレーションプログラム1Pが記録されていると共に、流体数値解析ソフトウェアプログラム13が記録されている。制御部10は、シミュレーションプログラム1Pに基づく処理により、流体数値解析ソフトウェアプログラム13を読み出して実行する。また、記録部12には、制御部10がイオン分布シミュレーションを行なう際に使用する各種データ、例えば後述するイオン発生装置の機種毎の初期条件が記録される。また、シミュレーション対象のイオン発生装置の機種毎の、機種名、大きさ、吹出口の位置の情報、内蔵イオン発生源からのイオン発生量、イオン効果範囲などの情報が、予め記録部12に記録されてある。
読取部14は、CD−ROM、DVD、ブルーレイディスク又はフレキシブルディスクなどである記録媒体2から情報を読み取ることが可能である。制御部10は、読取部14により記録媒体2に記録されているデータを一時記憶部11に記憶するか、又は記録部12に記録する。記録媒体2には、コンピュータに本発明に係るイオン分布シミュレーション方法を実行させるシミュレーションプログラム2Pが記録されている。記録部12に記録されているシミュレーションプログラム1Pは、記録媒体2から読み出したシミュレーションプログラム2Pの複製であってもよい。
出力部16には、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又はCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどのディスプレイ15が接続されている。制御部10は、出力部16を介し、シミュレーションプログラム1Pに基づいてイオン分布シミュレーションを実行するためのアプリケーション画面、又はシミュレーション結果を出力する。
入力部19には、マウス17及びキーボード18などの入力用インタフェースが接続されており、オペレータのマウス17及びキーボード18の操作により入力されるボタンの押下情報、入力された文字情報などの情報を受け付けて制御部10へ与える。
なお、イオン分布シミュレーション装置1には他に、プリンタなどの印刷装置が接続され、シミュレーション結果が印刷されて出力される構成としてもよい。
このように構成されるイオン分布シミュレーション装置1にて、シミュレーションプログラム1Pに基づき実行される処理について説明する。制御部10は、シミュレーション対象のイオン発生装置の機種毎に、特定の形状及び大きさの部屋に設置した場合の流れ場を予め、流体数値解析ソフトウェアプログラム13を用いて求めておく。そして制御部10は、機種毎に求めた流れ場の内、イオン発生装置の吹出口を略中心とした所定容量の空間内における流れ場の情報に基づき、初期条件を機種毎に記録部12に記録しておき、実際のシミュレーションを実行する場合に用いる。以下、処理の詳細を説明する。
図2は、本実施の形態におけるイオン分布シミュレーション装置1の制御部10により実行される初期条件を求める処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、1の機種のイオン発生装置に対応する初期条件を求めるために、流体数値解析ソフトウェアプログラム13における解析モデルを作成する(ステップS11)。
ステップS11は詳細には、縦5m×横5m×高さ5mの室内に、1の機種のイオン発生装置を設置した解析モデルを作成する。流体数値解析ソフトウェアプログラム13で解析を行なう場合、解析対象の空間の形状及び大きさの情報が座標情報により必要である。また、流体の起算点の位置、起算点の員数が必要である。制御部10は、解析対象の空間を表わす座標情報として、縦5m×横5m×高さ5mの部屋の形状を示す座標情報を設定し、起算点の位置として部屋内におけるイオン発生装置の吹出口の位置の座標情報を設定し、起算点の員数としてイオン発生装置の吹出口の数「1」を設定する。そして、流体数値解析におけるメッシュが設定される。ここでメッシュは三角錐に設定されるとする。
このとき、設定されるメッシュは不均等メッシュである。しかも、イオン発生装置の吹出口を中央とする所定容量、具体的には1m×1.5m×1mの空間(以下、1mBOXという)内と、1mBOX外とでは、1mBOX内におけるメッシュの方が細かい設定にて計算を行なう。つまり、風速が比較的早い空間部分は細かなメッシュで計算する乱流モデルにて計算が行なわれる。
次に制御部10は、作成した解析モデルに境界条件を設定する(ステップS12)。ステップS12において詳細には、流体数値解析ソフトウェアプログラム13で解析を行なう場合、起算点における初期流速、流量、室温などが必要であるから、制御部10は、イオン発生装置の吹出口の位置からの風速、及び風量、室温などを設定する。
そして制御部10は、作成された解析モデル、即ち縦5m×横5m×高さ5mの特定の大きさ及び形状の室内における流れ場を、設定されたイオン発生装置の位置、風速及び風量の境界条件で流体数値解析ソフトウェアプログラム13を用いて算出する(ステップS13)。ステップS13における算出処理では、1回の算出毎に境界条件にしたがって乱流モデルが適用され、メッシュ毎の風向、風速及び風圧の時間的拡散の経過が求められる。
制御部10は、ステップS13の算出処理が所定回数(例えば2000回)以上行なわれたか否かにより、算出された流れ場が定常状態として求められたか否かを判断する(ステップS14)。制御部10は、ステップS14にて算出処理の回数が所定回数に満たないと判断した場合(S14:NO)、処理をステップS13へ戻して算出処理を繰り返す。
制御部10は、ステップS14にて算出処理の回数が所定回数以上であると判断した場合(S14:YES)、算出結果の流れ場の情報をイオン発生装置毎の初期条件として記録部12に記録しておく(ステップS15)。なお、初期条件の内容については後述にて詳細を説明する。
制御部10は、シミュレーションに用いられるイオン発生装置の全機種について初期条件が求められたか否かを判断する(ステップS16)。制御部10は、全機種については初期条件が求めてられていないと判断した場合(S16:NO)、処理をステップS12に戻し、他の機種のイオン発生装置について境界条件を設定して算出処理を行なう。
制御部10は、全機種について初期条件が求められたと判断した場合(S16:YES)、初期条件を求める処理を終了する。
図2のフローチャートに示した処理が実行されることにより、記録部12はシミュレーション対象のイオン発生装置の機種毎に、初期条件が記録される。ここで初期条件は、ステップS13で乱流モデルによる算出結果で求められた縦5m、横5m、高さ5mの部屋全体における流れ場の情報に基づき、算出に用いられた各メッシュの空間座標と風速を、均等メッシュで分割し直した空間座標に割り当てなおした情報である。且つ、初期条件としては、イオン発生装置の吹出口を中央とする所定容量の空間(1mBOX)内における座標と風速とに限定する。均等メッシュで再分割する際、乱流モデルの計算の際に用いられた不均等メッシュの一辺の最大値よりも、均等メッシュの一辺の大きさが大きくなるようにする。具体的には、不均等メッシュの一辺の最大値が100mmである場合、均等メッシュの一辺の大きさは100mm以上となるように設定し、100mmとしたときは、不均等メッシュの空間座標は四捨五入、切り捨て、又は切り上げにより均等メッシュの空間座標に対応させる。このとき、同一の座標に風速値が異なるデータが含まれる場合があるが、この場合、同一の座標における異なる風速値を合計して平均風速を求め、当該平均風速を均等メッシュで分割した空間座標に割り当てる。
なお当該初期条件は他の装置で予め求められて、記録媒体2などを介して記録部12に記録される構成でもよい。
図3は、初期条件を求めるための解析モデルにおける部屋の構造を示す説明図である。図2のフローチャートに示したステップS11の処理にて作成される解析モデルの部屋と、イオン発生装置の設置位置を示す。図3の(A)は、解析モデルの部屋を天井側から見た上面図、図3の(B)は、解析モデルの部屋を横から見た側面図である。当該部屋は、床、壁及び天井により閉空間となっているが、図3では内部を示すために壁及び天井の図示は省略している。また(A)と(B)のいずれでも、x軸を部屋の横方向、y軸を高さ方向、z軸を縦方向として示している。
初期条件を求める処理における解析モデルの部屋は上述のように、縦5m×横5m×高さ5mである。図3中、ハッチングにてイオン発生装置を示している。図3(A)、(B)に示すように、解析モデルにおいてイオン発生装置は、部屋の横方向の中央(一点鎖線)であって壁面の内の一方から0.5mの位置に、当該壁面に平行となるように、且つ吹出口を部屋の内側に向けて設置される。そして、解析モデルの部屋の座標情報は、x座標がゼロの面と、イオン発生装置を吹出口と逆側の面からみて左側の縦方向の壁面とが一致するように、そしてy座標がゼロの面とに床面とが一致するように、更に、z座標のゼロの面とイオン発生装置の吹出口側の面とが一致するように設定される。したがって、吹出口側の面の下部の中心点で示されるイオン発生装置の位置は、解析モデルのxyz座標においてx=2.5m、y=0m、z=0mの位置となる。起算点となる吹出口の位置は、xyz座標においてx=2.5m、y=0.5m、z=0mの位置となる。
また、図3(A)、(B)における破線で示す空間は、後述のように求められる初期条件の基準となる空間である。当該空間は、縦1m×横1.5m×高さ1mの容量であり、イオン発生装置の吹出口(起算点)が略中心となるように設定される。当該空間は、以下の説明にて1mBoxと呼ぶ。
図4は、初期条件を求めるための流体数値解析の結果得られる風速分布を示すコンター図である。図2のフローチャートに示す処理手順の内のステップS15にて得られる情報である。図4は、x=2.5mの断面における風速分布を示している。図4中の二点鎖線は、風速が1m/sの境界線を示し、二点鎖線内においては風速が1m/s以上であることを示す。
図4にて注目すべきは、破線で示す1mBOXよりも外側では、風速が2.0m/s以下に減衰しており、部屋内全体では風速は概ね1m/s以下となっていることである。このように、吹出口近辺では細かい渦が発生するものの、部屋全体における定常的な流れ場への巨視的影響は無視できる程度であることがわかる。したがって、1mBOXよりも外側における風速又は風圧の分布を求めるために、シミュレーション対象である任意の大きさ及び形状の部屋については各別に吹出口近辺での乱流を考慮した計算をするまでもなく、層流モデルによる計算で足りる。また、1mBOX内における流れ場は、どのような部屋に設置した場合であっても部屋が極端に狭くなければ壁面からの跳ね返りの影響を考慮する必要はないから、他の任意の大きさ及び形状の部屋においても変わらない。そこで、イオン発生装置の機種毎に、図2のフローチャートに示したように、1mBOX内の流れ場を初期条件として求めておき記録しておく。なお、流れ場は、x成分、y成分、z成分毎に記録しておくことにより、層流モデルにおける各成分の初期条件として扱うことが可能である。
図5は、イオン分布シミュレーション装置1の制御部10の処理により記録部12に記録される初期条件の例を示す説明図である。図5に示すように、「空気清浄機A」、「空気清浄機B」、「エアーコンディショナーC」、及び「エアーコンディショナーD」などの機種毎に、1mBOX内における流れ場の情報がデータA、データB、…として記録される。なお、記録部12には各機種の性能に応じたイオン発生量が記録される。
イオン分布シミュレーション装置1は、図5に示したように予め得られた初期条件(1mBOXデータ)を用い、以下に示すように、オペレータが入力するシミュレーション対象の部屋情報、設置するイオン発生装置の情報に基づき、任意の部屋におけるイオン分布のシミュレートする。
図6は、本実施の形態におけるイオン分布シミュレーション装置1の制御部10により実行されるシミュレーションの処理手順の一例を示すフローチャートである。
制御部10の処理により、ディスプレイ15には、シミュレーション対象の部屋を特定するための情報、設置するイオン発生装置の機種、設置位置の座標情報を入力することができるGUI(Graphic User Interface)画面が出力部16から出力されて表示されている。GUI画面については後述にて詳細を説明する。なおこのとき、1つの部屋内に、複数のイオン発生装置を設置するように設定することが可能である。制御部10は、入力部19を介してマウス17又はキーボード18からの情報の入力を受け付ける。
まず制御部10は、シミュレーション対象の部屋情報の入力を受け付ける(ステップS21)。具体的には、部屋情報は部屋の大きさ及び形状を示す座標情報、即ち部屋の任意の場所を原点とする各頂点の座標の情報である。
そして制御部10は、部屋に設置するイオン発生装置の情報の入力を受け付ける(ステップS22)。制御部10の処理により表示されているGUI画面では、設置するイオン発生装置の機種を選択することが可能であり、オペレータは機種名を選択し、選択したイオン発生装置の設置位置の座標情報を入力する。
制御部10の処理により表示されているGUI画面では、ステップS21,S22にて入力された情報がプレビューされている。また、GUI画面には、全てを確認して計算を実行できる状態である場合にシミュレーションの開始の指示を受け付けるボタンが含まれ、オペレータが当該ボタンを押下すると以下の処理が開始される。
制御部10は、ステップS21及びS22にて受け付けた情報に基づき、シミュレーションの初期設定を実行する(ステップS23)。具体的には、制御部10は、入力された部屋情報に基づいてシミュレーション対象の部屋空間を直行等間隔の格子(均等メッシュ)に分割する処理、設置されるイオン発生装置に対応する初期条件の記録部12から読み出し、読み出した初期条件に基づき、風速及び風圧の境界条件の設定を行なう。
制御部10は、ステップS23にて初期設定された風速及び風圧を用い、圧力ポワソンの方程式を計算する(ステップS24)。そして制御部10は、ステップS24の計算により得られる圧力場を用いてナビエストークスの方程式を計算する(ステップS25)。これにより、次の時間ステップにおける風速場が計算される。ステップS24及びS25における計算については後述にて詳細を説明する。
制御部10は、ステップS24及びステップS25の計算によって得られる残差(後述)が所定値以下、例えば1.0E-6以下であるか否か、又は計算回数が所定回数以上であるか否かを判断する(ステップS26)。制御部10は、ステップS26にて残差は所定値よりも大きく、且つ計算回数は所定回数未満であると判断した場合(S26:NO)、処理をステップS24に戻し、ステップS24及びステップS25における方程式をSOR(Successive Over Relaxation)法を用い、残差が所定値以下に収束するか、又は計算回数が所定回数以上となるまで繰り返し計算する。
制御部10は、ステップS26にて残差が所定値以下であるか、又は計算回数が所定回数以上であると判断した場合(S26:YES)、方程式の計算を終了し、計算結果として得られる各格子点における風速、風圧に基づき、部屋内のイオン分布を算出する(ステップS27)。
制御部10は、得られた風速、風圧及びイオン分布から、部屋内の所定の高さ、例えば80cm及び150cmにおける2次元分布に換算する(ステップS28)。そして制御部10は、結果をディスプレイ15にて表示可能な画像データに変換して出力し(ステップS29)、処理を終了する。
ステップS29にて制御部10は、印刷装置へ印刷可能に画像データに変換して出力してもよい。
図6のフローチャートに示したステップS24,S25,S26における各方程式の算出及び残差の算出について詳細を説明する。
ステップS24及びS25で計算される式は、流体数値解析でよく用いられる式であり、MAC(Marker-And-Cell)法が用いられる。MAC法では、流体数値解析に用いられるナビエストークスの方程式(式1)と、ナビエストークスの方程式のdivergenceをとることにより導き出される圧力ポワソンの方程式(式2)とを用いる。本実施の形態では、夫々を離散化して差分方程式としてSOR法により近似計算を行なう。
Figure 2010244133
なおステップS24では、連続式(物質保存の法則)式(式3)を満たすような風速場となるような圧力場が求められる。そしてステップS25では、ステップS24にて求められた連続式を満たす圧力場を用いて次の時間ステップにおける風速場が計算される。
Figure 2010244133
実際には、ステップS24にて計算される圧力ポワソンの方程式、及びステップS25にて計算されるナビエストークスの方程式は夫々、以下のような計算式を用いる(式4、式5)
Figure 2010244133
更に、ステップS24及びS25では上述のような計算式(微分方程式)を差分法を用いて数値的に解くため、以下に示すように離散化して用いる(式6、式7)。
Figure 2010244133
離散化された式は多次元連立方程式である。時間ステップのインデックスn(n=1,2,…,m,…)を1回として繰り返し計算を行なう。そして離散化された式を連続の式に代入した場合にゼロでない、即ち解でない場合の残差R(式8)が所定値以下に収束するまで計算を行なう。ここで所定値は、1.0×10-6である。
Figure 2010244133
ステップS27にて、制御部10は、方程式の計算を終了により得られた各格子点における風速又は風圧の分布に基づき、イオン分布を算出する。イオンは、プラスイオンとマイナスイオンとが衝突すると反応して他の物質に変化する。したがって衝突回数が多い、つまりイオン濃度が濃いほど減衰量は増える。イオンの減衰率は、起算点からの経過時間tとし、濃度をXとすると式9のように表わされる。
dX/dt=−αX2 …(9)
この微分方程式を解くことにより、経過時間tにおける濃度X(t)は以下の式10のような関係式となる。式9、式10中の定数α、βは予め実験的に求めておけばよい。
Figure 2010244133
なおイオンの消滅係数は実験的に1.6×10-6と実測されている。
制御部10は、ステップS24〜S26の結果求められた各格子点における風速又は風圧に基づいてイオンの移動の経過を求め、その際に要する時間、各格子点におけるイオン濃度に応じてイオンの数を減衰させ、定常的な風速及び風圧分布における室内全体のイオン分布を求める。
このようにして、図6のフローチャートに示す処理が行なわれることにより、任意の大きさ及び形状の部屋内に設置されるイオン発生装置から拡散されるイオン分布が、簡易的に精度良く求められる。イオン発生装置に対応する1mBOXよりも外側の空間については、ステップS24,S25に示したように圧力ポワソンの方程式及びナビエストークスの方程式を解く処理にて層流モデルにより計算がされることで済むから、計算負荷も軽減される。そして、本実施の形態におけるイオン分布シミュレーション装置1では、イオンが埃とは異なり減衰することを考慮して減衰率を反映させて分布を算出するから、イオン分布は精度良く求められる。
次に、図6のフローチャートに示す各処理にてディスプレイ15に表示されるGUI画面について説明する。
上述したように、制御部10の処理によりディスプレイ15にGUI画面が表示され、オペレータは、シミュレーション対象の任意の部屋情報又はイオン発生装置の情報を入力することが可能であり、計算の結果が表示される。以下では、シミュレーションプログラム1Pに基づく制御部10の処理によりディスプレイ15に表示される各画面について、図7乃至図12を用いて説明する。
図7は、制御部10によりシミュレーションプログラム1Pが実行された場合にディスプレイ15に表示されるGUI画面の内容例を示す説明図である。
GUI画面の左上部には「イオン分布シミュレーション」なるアプリケーション名が表示されている。GUI画面は3つのタブ101,102,103を含み、夫々を切り替えることが可能である。タブ101の表題は「部屋の編集」である。オペレータが、タブ101上にカーソルがあるときにマウス17のクリックボタンを押下した場合、「部屋の編集」画面が表示され、オペレータは、部屋情報及びシミュレーション対象のイオン発生装置の情報を入力することができる。
「部屋の編集」画面には、部屋の名称を入力する編集ボックス104、ファイル読み込みボタン105、部屋の座標情報(頂点の座標)を入力するための各コントロールを含む「頂点」入力部106、イオン発生装置の情報を入力するための各コントロールを含む「装置」入力部107、天井の高さを設定するための天井高さ設定部108、全データ確認ボタン109、並びに、部屋情報及びイオン発生装置の情報の3次元イメージがプレビューとして表示される3D表示部110が含まれる。
編集ボックス104に部屋の名称を入力することにより、入力する部屋情報及びイオン発生装置の情報を含むデータを、部屋の名称の名前に関連付けて記録部12に保存することが可能である。図7に示す例では、「roomx」なる部屋の名称が入力されている。ファイル読込みボタン105を押下した場合、ダイアログボックスが表示される。当該ダイアログボックスでは記録部12に保存されている部屋の名称が関連付けられたデータの一覧が選択可能に表示され、オペレータはマウス17又はキーボード18の操作によりいずれかのデータを選択することが可能である。当該ダイアログボックスにてデータが選択された場合、再度「部屋の編集」画面に戻り、データが含む部屋情報及びイオン発生装置の情報が各コントロールに反映される。
「頂点」入力部106は、入力されている部屋の「頂点」のリストボックス61、部屋の頂点のx座標(横方向の座標)を入力するためのボックス62、部屋のz座標(縦方向の座標)を入力するためのボックス63、頂点を選択するための「選択」ボタン64、頂点を追加するための「追加」ボタン65、頂点の座標を修正するための「修正」ボタン66、及び頂点を削除するための「削除」ボタン67を含む。
図7の例では、リストボックス61には、シミュレーション対象の部屋の頂点の座標として0〜4の5つのx,z座標情報が表示されている。なお頂点の高さ(y座標)は天井の高さに固定であり、座標情報は原点0:(0,0)からスタートして部屋の外周形状の各頂点を一筆書きの要領で入力することが可能である。リストボックス61で任意の頂点が選択された状態で、「選択」ボタン64が押下されると、ボックス62,63に選択された頂点の(x,z)座標が夫々反映されて表示される。ボックス62,63にx座標及びz座標が入力された状態で、「追加」ボタン65が押下されると、リストボックス61にて選択されてアクティブとなっている頂点の次の頂点として新たな頂点の座標情報が追加される。リストボックス61にていずれの頂点も選択されていない場合は、リストの末尾に追加される。ボックス62,63にx座標及びz座標が入力された状態で、「修正」ボタン66が押下されると、リストボックス61にて選択されてアクティブとなっている頂点の座標情報が、ボックス62,63に入力されている座標情報に更新される。また、リストボックス61にて頂点の座標情報が選択された状態で「削除」ボタン67が押下されると、選択された頂点の座標情報が削除され、表示も消去される。
「装置」入力部107は、「頂点」入力部106にて座標情報が入力される部屋に設置するイオン発生装置のリストを示すリストボックス71、設置されるイオン発生装置の機種を選択するための選択ボックス72、イオン発生装置の設置場所を示すx,z座標を入力するためのボックス73,74、配置する向きを方角にて選択するための選択ボックス75、リストボックス71のイオン発生装置を選択するための「選択」ボタン76、設置するイオン発生装置を追加するための「追加」ボタン77、イオン発生装置の設置位置、向きを修正するための「修正」ボタン78、部屋からイオン発生装置を削除するための「削除」ボタン79を含む。
図7の例では、リストボックス71に、シミュレーション対象の部屋に設置されるイオン発生装置として、(0,2.5)の位置に、「E(東)」向きに設置される<0>番目のイオン発生情報の情報が表示されている。「IG−820−W」は、機種名の例である。リストボックス71で任意のイオン発生情報が選択された状態で「選択」ボタン76が押下されると、選択ボックス72、ボックス73,74、及び選択ボックス75に、選択されたイオン発生装置の機種名、x座標、z座標、設置向きが夫々入力される。なお、イオン発生装置が設置される向きは東西方向が縦方向に対応している。選択ボックス72にて機種名が選択され、ボックス73,74にx座標及びz座標が入力され、選択ボックス75で東西南北から向きが選択された状態で、「追加」ボタン77が押下されると、リストボックス71にて選択されてアクティブとなっているイオン発生装置の次に、新たに設置されるイオン発生装置の機種名、座標情報、向きの情報が追加される。リストボックス71にていずれの頂点も選択されていない場合は、リストの末尾に追加される。このように1つの部屋に複数のイオン発生装置を設置した場合のシミュレーションを実行させることができる。選択ボックス72にて機種名が選択され、ボックス73,74にx座標、z座標が入力され、選択ボックス75にて向きが選択された状態で「修正」ボタン78が押下されると、リストボックス71にて選択されてアクティブとなっているイオン発生装置の各情報が更新される。また、リストボックス71にてイオン発生装置が選択された状態で「削除」ボタン79が押下されると、選択されたイオン発生装置が部屋から削除され、表示も消去される。
天井高さ設定部108は、高さを入力するためのボックス81、及び「設定」ボタン82を含む。図7の例では、ボックス81には2.5(m)が入力されている。ボックス81に高さが入力された状態で「設定」ボタン82が押下されると、シミュレーション対象の部屋の高さ情報が一時記憶部11又は記録部12に記録される。
全データ確認ボタン109は、シミュレーションを実行するための情報が全て入力された場合に、制御部10に、入力された情報を検査させるボタンである。
3D表示部110には、「頂点」入力部106、「装置」入力部107、及び天井高さ設定部108により入力された情報が示すシミュレーション対象の部屋及び設置されるイオン発生装置の情報が3次元イメージで表示される。図7の例では、横5m、縦4.5m、高さ2.5mの略直方体の形状の部屋の壁面(ハッチング)、及びx=2.5m、z=0mの位置に設置されて東(E)に向いて設置されている様子が表示されている。各頂点には、入力された頂点の番号が付されて表示されている。また、図7の例では、設置するイオン発生装置が直方体にて示されており、イオン発生装置の吹出口側の向きに考証の効果範囲が床面に表示されている。
3D表示部110の左上には、表示のオン/オフを切り替えるトグル部111が表示され、左下には向きを識別するためのコンパス112が表示されており、右下には3D表示部110にて表示される部屋及びイオン発生装置への視点を設定するための操作部113が表示されている。
トグル部111には「頂点」、「装置」、「効果」及び「壁」夫々の切替により、3D表示部110における各事項についての表示のオン/オフが切り替えられる。例えば「頂点」の切替により、オペレータは、3D表示部110における頂点の番号の表示、及び座標情報の表示のオン/オフを切り替えられる。また、「装置」の切替により3D表示部110におけるイオン発生装置の設置イメージの表示のオン/オフが切り替えられる。また「効果」又は「壁」の切替により設置されるイオン発生装置の考証の効果範囲を示す図形の表示、又は壁を示す図形の表示のオン/オフを切り替えることが可能である。
図8は、ディスプレイ15に表示されるGUI画面におけるトグル部111の「効果」切替により切り替えられる表示の内容例を示す説明図である。図8は、3D表示部110に表示されるイメージの一部を拡大して示している。図8の(A)では「効果」の表示がオンの場合、(B)では「効果」の表示がオフの場合を示している。図8に示す例では、部屋に設置されるイオン発生装置の考証の効果範囲が部屋の大きさに対して十分広いことが視覚的に分かる。これにより、オペレータは効果範囲が適切なイオン発生装置を選択してシミュレーションを実行することが可能である。
図9は、ディスプレイ15に表示されるGUI画面におけるトグル部111の「壁」切替により切り替えられる表示の内容例を示す説明図である。図9は、3D表示部110に表示されるイメージの一部を拡大して示している。図9の(A)では「壁」の表示がオンの場合、(B)では「壁」の表示がオフの場合を示している。これにより、設置するイオン発生装置が壁に隠れて視認しづらい場合であっても「壁」の表示をオフとすることでイオン発生装置の位置を確認することが可能である。
このように、3D表示部110に、イオン分布シミュレーション対象の部屋、及びイオン発声装置の設置位置の3次元イメージが表示されることにより、オペレータはイオン分布シミュレーション対象の部屋情報及びイオン発生装置の設置位置などの情報を確認しながら各情報を入力することができる。
図7に戻って説明を続ける。「頂点」入力部106、「装置」入力部107、及び天井高さ設定部108により部屋情報及びイオン発生装置の全ての情報の入力が済み、3D表示部110に所望の部屋及びイオン発生装置の位置を確認した場合、オペレータは全データ確認ボタン109を押下する。全データ確認ボタン109が押下されたとき、制御部10は、入力された部屋情報及びイオン発生装置の情報が適切であるかを検査する。制御部10は例えば、部屋の頂点の座標情報から、頂点の数が不足して部屋が閉空間となっておらず、シミュレーション対象として不適である場合に警告メッセージを出力する。また、部屋の頂点の座標情報から、壁がx,z軸に対して斜めである場合にはシミュレーションを実行するための閉空間として不適として警告メッセージを出力する。制御部10は他には、入力されたイオン発生装置の設置位置を示す座標情報から、イオン発生装置が重なっている場合、シミュレーション対象としては不適であるとして警告メッセージを出力する。一方で制御部10は、入力された情報が示す部屋、及びイオン発生装置の設置位置、向きなどがシミュレーション対象として適切であると判断した場合、計算を開始を可能とするか否かをオペレータに問うために「OK」「CANCEL」ボタンを含む画面を表示させる。制御部10は、当該画面にて「OK」ボタンが押下された場合、図6に示したステップS23の処理を実行し、ステップS24以降の処理の実行の開始の待機状態となる。ステップS24以降のシミュレーションの計算処理を開始するためには、「シミュレーション」タブ102を選択して「シミュレーション」画面を表示させる。
図10は、ディスプレイ15に表示されるGUI画面の内の「シミュレーション」画面の例を示す説明図である。「シミュレーション」画面には、シミュレーションを開始させる「スタート」ボタン21、シミュレーションを中断又は終了させる「ストップ」ボタン22、進行状況を示すステータス表示部23、進捗を示す残差グラフ表示部24が含まれる。
「スタート」ボタン21が押下されると、イオン分布シミュレーション装置1の制御部10は、入力部19を介してこれを検知し、待機状態から図6のフローチャートに示すステップS24〜S26の処理の実行を開始する。
制御部10は、ステップS24〜S26の計算処理を実行中、計算回数をカウントし、計算回数と求められる残差の具体的値とをテキスト情報にしてステータス表示部23に表示させる。このとき、ステータス表示部23には、「シミュレーション実行中」が表示される。更に、ステップS24及びS25にて時間ステップ毎に各方程式を計算した場合の残差の値の推移を画像情報に変換し、出力部16を介して残差グラフ表示部24に表示させる。図10に示す例では、計算回数は217回であり、その時点での残差は1.836×1.0-4以下に収束しつつあることが残差グラフ24にて示されている。
「ストップ」ボタン22が押下された場合、制御部10はこれを検知し、次の時間ステップにおける圧力場及び風速場の計算を中止させる。ステータス表示部23には、「シミュレーション中断処理中…」から「シミュレーション終了」と状態が変化して表示される。図11は、「ストップ」ボタン22が押下されて計算処理が終了した場合のステータス表示部23の例を示す説明図である。
制御部10は、図6のフローチャートに示したように、残差が所定値以下となったか、計算回数が所定回数を超えたか、又は「ストップ」ボタン22が押下されて計算処理を終了した場合、計算結果の風速又は風圧の各格子点の分布に基づいてイオン分布を算出する。そして算出されたイオン分布は、制御部10の処理により、部屋内の高さ80cm、及び150cmにおける風速、風圧又はイオンの2次元分布に換算される。
制御部10は、換算した2次元分布を一時記憶部11に保持しておき、必要に応じてコンター図にて表示可能なように画像情報に変換して出力する。図12は、本実施の形態にてイオン分布シミュレーション装置1にて表示されるイオン分布の表示例を示す説明図である。図12の画面は、図7に示した画面においてタブ103を押下した場合に表示される「コンター図」画面である。
「コンター図」画面には、コンター図を表示する表示部35を始め、「シミュレーション」にて計算された結果から描画させるボタン31、過去に計算されて保存されてある結果のファイルから描画させるボタン32、表示させる対象を選択するラジオボタン33、コンター図の表示スケールの設定するための操作部34、高さ80cmにおけるコンター図表示部36、150cmにおけるコンター図表示部37、表示スケールの凡例を表示するスケール部38、印刷装置へ出力させるための印刷ボタン39が含まれる。
ボタン31が押下された場合、制御部10はこれを検知し、換算してある風速、風圧又はイオン分布の2次元分布から、設定されてある表示スケールに基づいて画像情報に変換し、表示部35のコンター図表示部36,37夫々に表示させる。
ボタン32が押下された場合、既にシミュレーションが完了して得られた風速、風圧又はイオン分布のデータを含むファイルの一覧を示すダイアログが表示される。当該ファイルは記録部12に記録されてある。オペレータがファイルを選択した場合、選択されたファイルに含まれる風速、風圧又はイオン分布から、制御部10の処理により、80cm及び150cmの高さにおける2次元分布に換算され、設定されてある表示スケールに基づいて画像情報に変換されて出力される。
ラジオボタン33にて、風圧、風速(x成分)、風速(y成分)、風速(z成分)及びイオン分布の内のいずれの対象を表示させるかが選択される。ラジオボタン33にて選択された対象が切り替わった場合、制御部10はこれを検知し、選択された対象の2次元分布から画像情報に変換し、表示部35のコンター図表示部36,37夫々に表示させる。なお、図12に示す例では、イオン分布が選択されており、表示部35のコンター図表示部36,37夫々にはイオン分布が表示されている。
操作部34では、コンター図における風圧などの値と表示色との対応の設定、つまり、風圧、風速、イオン濃度の値の表示範囲の最大値及び最小値の設定を受け付ける。操作部34のラジオボタンにて「デフォルト値」が選択されている場合は、風圧、風速、イオン濃度夫々に予め設定されてあるデフォルトの最大値及び最小値の範囲に表示色が対応付けられて表示される。操作部34のラジオボタンにて「入力した値」が選択されている場合は、風圧、風速、イオン濃度夫々の表示範囲の最大値、最小値を下部の入力ボックスにて夫々設定することが可能である。設定した範囲(最大値、最小値)を反映させるためにはオペレータは、ラジオボタン33にて他の分布に切り替えるか、又はボタン31を再度押下することにより設定した範囲の表示スケールに基づく表示部35のコンター図が更新される。
スケール部38は、コンター図表示部36,37における表示色と数値との対応を示す。印刷ボタン39が押下された場合、制御部10はこれを検知し、換算してある風速、風圧又はイオン分布の2次元分布から、設定されてある表示スケールに基づいて画像情報に変換し、接続されている印刷装置へ画像情報を出力する。これにより、紙媒体でもイオン分布のコンター図が得られ、販促などに使用することが可能である。
このように、計算工程を簡略化しつつも精度良く求められたイオン分布は、シミュレーション対象の部屋内にてイオン効果の可視化が望まれる高さ、即ち部屋内で過ごす人間の顔の高さにおけるコンター図にて表示される。コンター図によってイオン分布が表示され、イオン発生装置のユーザにとっても効果が分かり易い。また、コンター図によって風圧又は風速の分布も共に表示させることができる。したがって、建物の設計者などにとっても利便性が良好である。
上述の例では、シミュレーション対象となる部屋は略直方体の形状であって、1つの部屋に設置されるイオン発生装置は1台であった。しかしながら、本実施の形態におけるイオン分布シミュレーション装置1ではより複雑な形状、複数台のイオン発生装置を設置する例についても、比較的迅速にシミュレーションの結果を得ることが可能である。
図13は、シミュレーション対象となる部屋の例を示す説明図である。図13に示すように、30m×30mなどの比較的広い部屋に十数台のイオン発生装置を設置した場合のイオン分布については、既存の流体数値解析ソフトウェアプログラム13を用いて計算することは非常に困難である。しかしながら、本発明のように、各イオン発生装置について初期条件として乱流モデルを適用して計算を済ませた1mBox内の流れ場の情報を用いることにより、各イオン発生装置における吹出口付近の計算工程を削減できる。したがって、本実施の形態におけるイオン分布シミュレーション装置1では、図13に示すような多数のイオン発生装置を設置した場合の部屋全体におけるイオン分布をも、シミュレーションして求めることができる。更にその結果得られる情報は、流体数値解析を用いて精度良く求められた結果には違いない。
このように、本発明による場合、比較的簡易な計算工程で精度のよいイオン分布を求めることができるという優れた効果を奏する。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 イオン分布シミュレーション装置
10 制御部
16 出力部
1P シミュレーションプログラム(コンピュータプログラム)
110 3D表示部
2 記録媒体
2P シミュレーションプログラム(コンピュータプログラム)

Claims (9)

  1. 室内に設置され、イオン発生源及びファンを備えるイオン発生装置から拡散されるイオンの室内分布を、流体数値解析を行なう解析手段を用いてシミュレートする方法において、
    予め、イオン発生装置の吹出口における前記ファンからの風速及び風量を境界条件として、特定の大きさ及び形状の室内での流れ場を、不均等メッシュを用いた乱流モデルにて前記解析手段により算出しておき、
    更に、算出結果に基づき、前記イオン発生装置の吹出口を中央とする所定容積の空間内で算出に用いられた各不均等メッシュの空間座標及び風速を、前記空間を均等メッシュを用いて分割した場合の各メッシュの空間座標及び風速に置き換えて前記イオン発生装置に対応する初期条件として記憶しておき、
    任意の大きさ及び形状の部屋に前記イオン発生装置が設置された場合の前記部屋内の定常的な風速又は風圧の分布を、前記初期条件に基づき、層流モデルによりナビエストークスの方程式を用いて求め、
    求めた分布及び前記イオン発生源からのイオン発生量に基づき、前記イオン発生装置から拡散されるイオンの前記部屋における定常状態での分布を求める
    ことを特徴とするイオン分布シミュレーション方法。
  2. 室内に設置され、イオン発生源及びファンを備えるイオン発生装置から拡散されるイオンの室内分布を、流体数値解析を行なう解析手段を用いてシミュレートする方法において、
    予め、シミュレーション対象として想定される複数のイオン発生装置の機種毎に、前記イオン発生装置の吹出口における前記ファンからの風速及び風量を境界条件として、特定の大きさ及び形状の室内での流れ場を、不均等メッシュを用いた乱流モデルにて前記解析手段により算出しておき、
    更に、算出結果に基づき、夫々、前記イオン発生装置の吹出口を略中心とした所定容積の空間内で算出に用いられた各不均等メッシュの空間座標及び風速を、前記空間を均等メッシュを用いて分割した場合の各メッシュの空間座標及び風速に置き換えて前記イオン発生装置の機種毎の初期条件として記憶しておき、
    イオン発生装置の機種の選択を受け付け、
    選択された機種のイオン発生装置が、任意の大きさ及び形状の部屋に設置された場合の前記部屋内の定常的な風速又は風圧の分布を、前記イオン発生装置の機種に対応する初期条件に基づき、層流モデルによりナビエストークスの方程式を用いて求め、
    求めた分布及び前記機種に対応するイオン発生源からのイオン発生量に基づき、選択されたイオン発生装置から拡散されるイオンの前記部屋における定常状態での分布を求める
    ことを特徴とするイオン分布シミュレーション方法。
  3. 算出結果に基づき、空間座標及び風速を均等メッシュを用いた空間座標及び該空間座標における風速に置き換えるに際し、
    前記均等メッシュは、乱流モデルにより流れ場を算出する際に用いた不均等メッシュの大きさよりも大きく分割すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のイオン分布シミュレーション方法。
  4. イオン濃度による消滅係数、時間による減衰率を用いてイオン分布を求める
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のイオン分布シミュレーション方法。
  5. 求められたイオン分布を部屋内の所定の高さにおけるコンター図を表示するための情報に変換し、
    変換した情報を出力する
    ことを特徴とする請求項4に記載のイオン分布シミュレーション方法。
  6. 前記イオン発生装置の選択を受け付けるに際し、前記イオン発生装置について予め対応付けられているイオン効果範囲を表示させること
    を特徴とする請求項2から5のいずれか1つに記載のイオン分布シミュレーション方法。
  7. 流体数値解析を行なう解析手段を備え、イオン発生源及びファンを有するイオン発生装置が室内に設置された場合のイオンの室内分布を前記解析手段を用いてシミュレートするイオン分布シミュレーション装置において、
    予め、イオン発生装置の吹出口における前記ファンからの風速、及び風量を境界条件として、特定の大きさ及び形状の室内での流れ場を、不均等メッシュを用いた乱流モデルにて前記解析手段により算出しておく手段と、
    更に、算出された流れ場の内、前記イオン発生装置の吹出口を中央とする所定容積の空間内で算出に用いられた各不均等メッシュの空間座標及び風速を、前記空間を均等メッシュを用いて分割した場合の各メッシュの空間座標及び風速に置き換えて前記イオン発生装置に対応する初期条件として記憶しておく手段と、
    任意の大きさ及び形状の部屋に前記イオン発生装置が設置された場合の前記部屋内の定常的な風速又は風圧の分布を、前記初期条件に基づき、層流モデルによりナビエストークスの方程式を用いて求める手段と、
    求めた分布及び前記イオン発生源からのイオン発生量に基づき、前記イオン発生装置から拡散されるイオンの前記部屋での定常状態での分布を求める手段と
    を備えることを特徴とするイオン分布シミュレーション装置。
  8. コンピュータに、イオン発生源及びファンを有するイオン発生装置が室内に設置された場合のイオンの室内分布を流体数値解析に基づきシミュレートさせるコンピュータプログラムにおいて、
    コンピュータに、
    予め、イオン発生装置の吹出口における前記ファンからの風速、及び風量を境界条件として、特定の大きさ及び形状の室内での流れ場、不均等メッシュを用いた乱流モデルにて前記解析手段により算出しておくステップ、
    更に、算出結果に基づき、前記イオン発生装置の吹出口を中央とする所定容積の空間内で算出に用いられた各不均等メッシュの空間座標及び風速を、前記空間を均等メッシュを用いて分割した場合の各メッシュの空間座標及び風速に置き換えて前記イオン発生装置に対応する初期条件として求めておくステップを実行させ、
    任意の大きさ及び形状の部屋に、前記イオン発生装置が設置された場合の前記部屋内の定常的な風速又は風圧の分布を、前記初期条件に基づき、層流モデルによりナビエストークスの方程式を用いて求めるステップ、並びに、
    求めた分布及び前記イオン発生源からのイオン発生量に基づき、前記イオン発生装置から拡散されるイオンの定常状態での分布を求めるステップ
    を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  9. 請求項8に記載のコンピュータプログラムをコンピュータが読み取り可能に記録してあることを特徴とする記録媒体。
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