JP2010243945A - 液晶表示装置 - Google Patents

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辰哉 杉田
Osamu Ito
理 伊東
Chieko Araki
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Abstract

【課題】 マルチドメインと集光素子とを組み合わせた液晶表示装置の視野角特性の向上と光利用効率の向上を両立させる。
【解決手段】 液晶表示パネルと、バックライトと、前記バックライトからの光を前記液晶表示パネルの透過表示領域に集光する集光素子とを有し、前記透過表示領域は、液晶層に電界を印加したときに当該液晶層の配向方向の変化の仕方が異なる複数の領域が生じる液晶表示装置であって、前記集光素子は、前記バックライト側から平行光を垂直に入射させたときの近軸焦点位置が前記液晶層よりも遠くにある第1の集光素子と、前記バックライト側から平行光を垂直に入射させたときの最良像点位置が前記液晶層よりも近くにある第2の集光素子とからなる液晶表示装置。
【選択図】 図5

Description

本発明は、バックライトを有する液晶表示装置に関し、特に、それぞれの画素の透過表示領域が、電界印加時の液晶層の配向変化の仕方が異なる複数のドメイン領域を有する液晶表示装置に適用して有効な技術に関するものである。
従来、バックライトを有する液晶表示装置には、たとえば、それぞれの画素の透過表示領域が、電界印加時の液晶層の配向変化の仕方が異なる複数のドメイン領域を有する、いわゆるマルチドメインの液晶表示装置がある。マルチドメインを適用した液晶表示装置としては、たとえば、IPS方式の液晶表示装置が一般によく知られている(たとえば、特許文献1を参照。)。
IPS方式の液晶表示装置では、たとえば、液晶層に電界を印加するために用いる一対の電極のうちの一方の電極または両方の電極を櫛歯状にし、かつ、当該櫛歯状の電極の櫛歯部分を屈曲させることで、電界印加時の液晶層の配向変化の仕方を変化させる。このようなマルチドメイン方式の液晶表示装置は、たとえば、表示面を斜め方向から見た場合の色調変化や階調反転を低減することができ、視野角特性をよくすることができる。
また、マルチドメインは、上記のIPS方式の液晶表示装置に限らず、たとえば、VA方式の液晶表示装置などにも適用されている。
マルチドメインを適用した液晶表示装置は、上記のように視野角よくすることができるので、近年、液晶テレビなどの大型の液晶表示装置から、携帯電話端末の表示部などの小型の液晶表示装置まで広く用いられるようになってきている。
また、バックライトを有する液晶表示装置では、たとえば、高輝度化または低消費電力化のために、バックライトから出射して液晶表示パネルに入射する光の利用効率を高める方法が検討されている。バックライトから出射した光の利用効率を高める方法としては、たとえば、バックライトと液晶表示パネルとの間にマイクロレンズなどの集光素子を配置する方法がある(たとえば、特許文献2や特許文献3を参照。)。
特開平9−258269号公報 特開2005−62741号公報 特許第3931989号公報
マルチドメインの液晶表示装置において、バックライトから出射した光の利用効率を高めるには、特許文献2や特許文献3の表示装置のように、バックライトと液晶表示パネルとの間にマイクロレンズを配置することが必須であると考えられる。
しかしながら、特許文献2および特許文献3では、マルチドメインの液晶表示装置にマイクロレンズを適用することについては考慮されていない。
マルチドメインの液晶表示装置では、1つの画素の透過表示領域に、電界印加時の液晶層の配向変化の仕方が異なる複数のドメイン領域があり、各ドメイン領域を通過した光を混合させることで、たとえば、表示面を斜め方向から見た場合の色調変化や階調反転を低減する。そのため、マルチドメインの液晶表示装置において、バックライトと液晶表示パネルとの間にマイクロレンズを配置した場合、たとえば、マイクロレンズの集光効果により光の利用効率を高められる反面、マルチドメインによる効果を損ねてしてしまう恐れがある。したがって、マルチドメインの液晶表示装置において、バックライトと液晶表示パネルとの間にマイクロレンズを配置する場合は、マルチドメインによる効果が損なわれないような配置にするが必要であると考えられる。
本発明の目的は、マルチドメインの液晶表示装置において、マルチドメインによる視野角特性の向上と、マイクロレンズなどの集光素子による光利用効率の向上を両立させることが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概略を説明すれば、以下の通りである。
(1)第1の基板と第2の基板との間に液晶層が配置された液晶表示パネルと、前記液晶層から見て前記第2の基板の後方に配置されたバックライトとを有し、前記液晶表示パネルは、前記液晶層に電界を印加して配向方向を変化させることで前記バックライトからの光の透過率が変化する画素を複数有し、前記画素は、前記液晶層に電界を印加したときに、前記バックライトからの光が透過する透過表示領域に液晶層の配向方向の変化の仕方が異なる複数の領域が生成する液晶表示装置であって、前記第2の基板と前記バックライトとの間には、前記バックライトからの光を前記画素の前記透過表示領域に集光させる集光素子が複数配置されており、当該複数の集光素子は、前記バックライト側から平行光を垂直に入射させたときの近軸焦点位置が前記液晶層よりも遠くにある第1の集光素子と、前記バックライト側から平行光を垂直に入射させたときの最良像点位置が前記液晶層よりも近くにある第2の集光素子とを有する液晶表示装置。
(2)前記(1)の液晶表示装置において、前記第1の集光素子は、前記バックライト側から平行光を入射させたときの最良像点位置が前記液晶層よりも遠くにある液晶表示装置。
(3)前記(1)の液晶表示装置において、前記第2の集光素子は、前記バックライト側から平行光を入射させたときの近軸焦点位置が前記液晶層よりも近くにある液晶表示装置。
(4)前記(1)の液晶表示装置において、前記第1の集光素子と前記第2の集光素子は、前記バックライトからの光が入射する面と出射する面のうちの一方が凸曲面であり他方が平面のレンズであり、かつ、レンズ径またはレンズ幅と曲率半径が異なる液晶表示装置。
(5)前記(1)の液晶表示装置において、前記集光素子は、シリンドリカルレンズである液晶表示装置。
(6)前記(1)の液晶表示装置において、前記集光素子は、前記透過表示領域と一対一の関係になるように配置されている液晶表示装置。
(7)前記(6)の液晶表示装置において、ある方向に並んだ複数の前記画素の前記透過表示領域のそれぞれに対して配置される複数の前記集光素子は、千鳥状に並んでいる液晶表示装置。
(8)第1の基板と第2の基板との間に液晶層が配置された液晶表示パネルと、前記液晶層から見て前記第2の基板の後方に配置されたバックライトとを有し、前記液晶表示パネルは、前記液晶層に電界を印加して配向方向を変化させることで前記バックライトからの光の透過率が変化する画素を複数有し、前記画素は、前記液晶層に電界を印加したときに、前記バックライトからの光が透過する透過表示領域に液晶層の配向方向の変化の仕方が異なる複数の領域が生成する液晶表示装置であって、前記第2の基板と前記バックライトとの間には、前記バックライトからの光を前記画素の前記透過表示領域に集光させる集光素子が複数配置されており、前記集光素子は、曲率を持つ方向と垂直な方向でみた焦点距離が連続的に変化するシリンドリカルレンズであり、かつ、前記バックライト側から平行光を垂直に入射させたときの近軸焦点位置が前記液晶層よりも遠くにある第1の集光部と、前記バックライト側から平行光を垂直に入射させたときの最良像点位置が前記液晶層よりも近くにある第2の集光部とを有する液晶表示装置。
(9)前記(8)の液晶表示装置において、前記第1の集光部のレンズ幅が前記第2の集光部のレンズ幅幅よりも広く、かつ、第1の集光部と第2の集光部との間にある部分のレンズ幅が連続的に変化している液晶表示装置。
(10)第1の基板と第2の基板との間に液晶層が配置された液晶表示パネルと、前記液晶層から見て前記第2の基板の後方に配置されたバックライトとを有し、前記液晶表示パネルは、前記液晶層に電界を印加して配向方向を変化させることで前記バックライトからの光の透過率が変化する画素を複数有し、前記画素は、前記液晶層に電界を印加したときに、前記バックライトからの光が透過する透過表示領域に液晶層の配向方向の変化の仕方が異なる複数の領域が生成する液晶表示装置であって、前記第2の基板と前記バックライトとの間には、前記バックライトからの光を前記画素の前記透過表示領域に集光させる集光素子が複数配置されており、前記集光素子は、軸の位置が前記透過開口部の中心位置とずれており、かつ、前記集光素子の軸の位置と前記透過開口部の中心位置との位置関係が2通り以上ある液晶表示装置。
(11)前記(10)の液晶表示装置において、前記集光素子は、前記バックライト側から平行光を垂直に入射させたときの近軸焦点位置が、前記液晶層内、または前記液晶層よりも遠くにある液晶表示装置。
本発明の液晶表示装置によれば、マルチドメインによる視野角特性の向上と、マイクロレンズなどの集光素子による光利用効率の向上を両立させることができる。
本発明による実施例1の液晶表示装置の平面構成の一例を示す模式平面図である。 図1のA−A’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。 図1のB−B’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。 液晶表示パネルの画素の平面構成の一例を示す模式平面図である。 図4のC−C’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。 図4のD−D’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。 図4のC−C’線における断面構成の変形例を示す模式断面図である。 第2の薄膜積層体の平面構成の一例を示す模式平面図である。 図8のE−E’線における液晶表示パネルの断面構成の一例を示す模式断面図である。 図8のF−F’線における液晶表示パネルの断面構成の一例を示す模式断面図である。 実施例1の液晶表示装置における第1のシリンドリカルレンズおよび第2のシリンドリカルレンズの構成を補足するための模式断面図である。 本発明による実施例2の液晶表示装置における液晶表示パネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。 図12のG−G’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。 図12のH−H’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。 実施例2の液晶表示装置における液晶表示パネルの平面構成の変形例を示す模式平面図である。 本発明による実施例3の液晶表示装置における液晶表示パネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。 図16のJ−J’線における第2の基板およびシリンドリカルレンズの断面構成の一例を示す模式断面図である。 本発明による実施例4の液晶表示装置における液晶表示パネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。 図18のK−K’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。 図18のL−L’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。 図21は、第2の薄膜積層体の平面構成の一例を示す模式平面図である。 図21における透過表示領域と第1のマイクロレンズおよび第2のマイクロレンズとの関係の一例を示す模式平面図である。 本発明による実施例5の液晶表示装置における画素の配置方法の一例を示す模式平面図である。 第2の薄膜積層体の平面構成の一例を示す模式平面図である。 図24における透過表示領域と第1のマイクロレンズおよび第2のマイクロレンズとの関係の一例を示す模式平面図である。 本発明による実施例6の液晶表示装置における液晶表示パネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。 図26のM−M’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。
以下、本発明について、図面を参照して実施の形態(実施例)とともに詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1乃至図7は、本発明による実施例1の液晶表示装置の概略構成を説明するための模式図である。
図1は、本発明による実施例1の液晶表示装置の平面構成の一例を示す模式平面図である。図2は、図1のA−A’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。図3は、図1のB−B’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。図4は、液晶表示パネルの画素の平面構成の一例を示す模式平面図である。図5は、図4のC−C’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。図6は、図4のD−D’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。図7は、図4のC−C’線における断面構成の変形例を示す模式断面図である。
なお、図4は、図1の表示領域U1の一部分を拡大した平面図である。また、図2乃至図6におけるx方向、y方向、およびz方向は、それぞれ、図1におけるx方向、y方向、およびz方向と一致している。
実施例1の液晶表示装置は、たとえば、図1乃至図3に示すように、バックライト1と、液晶表示パネル2とを有する。
バックライト1は、たとえば、光源3、導光板4、第1のプリズムシート5、第2のプリズムシート6、および反射シート7を有する。なお、図1では、液晶表示パネル2、導光板4、第1のプリズムシート5、第2のプリズムシート6、および反射シート7をずらしているが、実際には、液晶表示パネル2の表示領域U1、第2のプリズムシート6の領域U2、第1のプリズムシート5の領域U3、導光板4の光取り出し領域U3、および反射シート7の領域U5が重なるように積層されている。
光源3は、たとえば、白色発光ダイオード(白色LED)などの白色光源であり、導光板4の端部のうちの、液晶表示パネル2の表示領域U1の短辺方向(x方向)と平行な端部に配置されている。
導光板4は、光源3が発した光を面状光線に変換するための光学部品であり、たとえば、液晶表示パネル2と対向する第1の面とは反対側の第2の面に、複数の反射溝4aが設けられている。光源3が発した光は、導光板4に入射し、第1の面および第2の面で全反射しながら導光板4内を伝播する。このとき、導光板4内を伝播する光8のうちの、反射溝4aで反射した光は、導光板4内での伝播角度が大きくなり、第1の面への入射角が小さくなる。またこのとき、第1の面への入射角が臨界角よりも小さい光は、その一部または全部が第1の面で屈折し、液晶表示パネル2側に出射する。
なお、実施例1の液晶表示装置において、導光板4を伝播する光8を液晶表示パネル2側に出射させるときには、出射する光の出射角度分布が小さくなるようにすることが望ましい。
第1のプリズムシート5および第2のプリズムシート6は、導光板4から液晶表示パネル2側に出射した光の進行方向を調整する光学部品であり、たとえば、液晶表示パネル2と対向する面に、断面が三角錐状で平面分布がストライプ状の突起構造を有する。実施例1の液晶表示装置では、後述するような理由から、第1のプリズムシート5および第2のプリズムシート6を通過して液晶表示パネル2側に出射する光を、y方向の拡がり角αが小さく、かつ、x方向の拡がり角αが広い光に調整する。そのため、第1のプリズムシート5および第2のプリズムシート6は、それぞれ、図1乃至図3に示したように、突起構造の稜線が表示領域U1の短辺方向(x方向)と平行になるようにしている。このようにすると、第1のプリズムシート5および第2のプリズムシート6を通過して液晶表示パネル2側に出射する光は、y方向の広がり角αが小さくなり、y方向の指向性が向上する。またこのとき、第1のプリズムシート5および第2のプリズムシート6を通過して液晶表示パネル2側に出射する光は、x方向の広がり角αを広くすることができる。なお、y方向の拡がり角αは、少なくとも14度以下にすることが望ましく、10度以下にするとより望ましい。また、x方向の拡がり角αは、たとえば、35度程度になるようにする。
反射シート7は、導光板4の第2の面から出射した光を導光板4に戻すためのものであり、たとえば、樹脂フィルムの表面に金属膜が形成されたものを用いる。なお、実施例1の液晶表示装置では、反射シート7を用いる代わりに、たとえば、導光板4の第2の面に金属膜などの反射膜を形成してもよい。
また、液晶表示パネル2は、たとえば、図4乃至図6に示すように、第1の基板9、第2の基板10、第1の薄膜積層体11、第2の薄膜積層体12、液晶層13、第1の偏光板14、第2の偏光板15、第1のシリンドリカルレンズ16、および第2のシリンドリカルレンズ17を有する。
第1の基板9および第2の基板10は、それぞれ、ガラス基板などの透明な絶縁基板である。
第1の薄膜積層体11は、たとえば、ブラックマトリクスBMや、図示していないカラーフィルタ、平坦化膜、および第1の配向膜などからなる。また、第2の薄膜積層体12は、たとえば、複数の走査信号線、複数の映像信号線、複数のTFT素子、複数の画素電極、複数の共通電極、複数の絶縁層、および第2の配向膜などからなる。なお、前記共通電極は、第1の薄膜積層体11に設けられていてもよい。第1の薄膜積層体11および第2の薄膜積層体12の構成例については、後述する。
液晶層13は、バックライト1から出射し、液晶表示パネル2に入射した光の通過量を制御するためのものであり、印加する電界の強さに応じて配向方向が変化する。また、実施例1の液晶表示装置における液晶層13は、電界を印加したときに、各画素の透過表示領域U6に、たとえば、図4に示したように、配向方向が第1の方向OP1になる第1のドメイン領域LC1と、配向方向が第2の方向OP2になる第2のドメイン領域LC2とが生じるようにしている。またこのとき、各画素における第1のドメイン領域LC1と第2のドメイン領域LC2とは、液晶表示パネル2の長辺方向(y方向)に並んでおり、かつ、その位置関係がすべて同じ関係になるようにしている。なお、図4乃至図6では、ブラックマトリクスBMの開口領域を透過表示領域U6と同じ寸法にしており、ブラックマトリクスBMにおける1つの開口領域が、1つの画素の透過表示領域U6に相当する。
第1の偏光板14および第2の偏光板15は、それぞれ、自然光を偏光に変換する光学部品であり、入射した光の吸収率が最大となる方位を吸収軸と呼び、最小となる方位を透過軸と呼ぶ。第1の偏光板14および第2の偏光板15は、たとえば、互いの吸収軸が直交し、一方の偏光板の吸収軸が液晶層の初期配向方向(電界が印加されていないときの配向方向)と平行になるように配置する。
バックライト1(第2のプリズムシート6)から出射する光8は、P偏光成分、言い換えると振動面が液晶表示パネル2の長辺方向(y方向)と概ね平行な成分が多く含まれている。そのため、バックライト1から出射した光8の利用効率を高くするには、第2の偏光板15の透過軸が液晶表示パネル2の長辺方向と平行になるように配置することが望ましい。このとき、第2の偏光板15の吸収軸は、液晶表示パネル2の短辺方向(x方向)と概ね平行になる。したがって、この場合、液晶層13の初期配向方向は、液晶表示パネル2の長辺方向(y方向)または短辺方向(x方向)のいずれかと概ね平行になるようにする。またこのとき、各画素は、液晶層13を電界を印加したときに、第1のドメイン領域LC1では配向方向が反時計回り回転し、第2のドメイン領域LC2では配向方向が時計回りに回転するような構成にしておく。
第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17は、それぞれ、第2の偏光板15と対向する面が凸曲面であり、第2の基板10と対向する面が平面のレンズである。また、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17は、それぞれ、y方向に曲率を持ち、かつ、x方向に長く延びる棒状のレンズとする。またこのとき、第1のシリンドリカルレンズ16と第2のシリンドリカルレンズ17とは、曲率を持つ方向(y方向)に交互に並べ、y方向に並んだ画素を見たときに、第1のシリンドリカルレンズ16で集光された光が通る画素と、第2のシリンドリカルレンズ17で集光された光が通る画素とが交互に並ぶようにする。
また、第1のシリンドリカルレンズ16は、たとえば、図5に示したように、焦点の位置が液晶層13よりも遠い位置、すなわち液晶層13に対して第1のシリンドリカルレンズ16とは反対側になるようにする。一方、第2のシリンドリカルレンズ17は、たとえば、図5に示したように、焦点の位置が液晶層13よりも近い位置、すなわち液晶層13に対して第2のシリンドリカルレンズ17側になるようにする。
実施例1の液晶表示パネル2のように、第2の基板10と第2の偏光板15との間に第1のシリンドリカルレンズ16と第2のシリンドリカルレンズ17とを配置する場合、各レンズ16,17は、たとえば、第2の基板10の表面に印刷法で透明な紫外線硬化樹脂をパターニングした後、紫外線を照射して当該紫外線硬化樹脂を硬化させると、効率よく形成できる。このとき、第1のシリンドリカルレンズ16の焦点の位置と、第2のシリンドリカルレンズ17の焦点の位置を変えるには、たとえば、各レンズ16,17の焦点距離を変えればよい。第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17のような凸平レンズの場合、焦点距離を変えるには、たとえば、レンズの曲率半径を変えることが有効であり、曲率半径が大きくなると焦点距離が長くなる。そのため、実施例1の液晶表示装置では、第1のシリンドリカルレンズ16の曲率半径を、第2のシリンドリカルレンズ17の曲率半径よりも大きくすることで、焦点の位置を変える。
また、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17を印刷法で形成する場合は、たとえば、レンズの幅(曲率を持つy方向の寸法)を変えることでレンズの曲率半径を変えることができ、通常、レンズ幅が広くなると曲率半径が大きくなり、焦点距離が長くなる。そのため、実施例1の液晶表示装置では、第1のシリンドリカルレンズ16のレンズ幅をDμmとし、第2のシリンドリカルレンズ17のレンズ幅をDμm(D<D)としている。第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17のレンズ幅D,Dや焦点距離などの設定方法については、後述する。
実施例1の液晶表示装置において、バックライト1(第2のプリズムシート6)から出射した光8は、液晶表示パネル2の第2の偏光板15に入射する。このとき、第2の偏光板15に入射した光8は、偏光状態と第2の偏光板15の吸収軸との関係に応じて、その一部が吸収され、残りが通過する。第2の偏光板15を通過した光は、第1のシリンドリカルレンズ16または第2のシリンドリカルレンズ17で集光され、透過表示領域U6を通過する。
第1のシリンドリカルレンズ16は、焦点が液晶層13よりも遠い位置にある。そのため、第1のシリンドリカルレンズ16により集光され、液晶表示パネル2から出射する光のうちの、z方向からy方向に角度βだけ傾いた方向に出射する光は、主として、第2のドメイン領域LC2を通過した光である。一方、第2のシリンドリカルレンズ17は、焦点が液晶層13よりも近い位置にある。このとき、第2のシリンドリカルレンズ17により集光され、液晶表示パネル2から出射する光のうちの、z方向からy方向に角度βだけ傾いた方向に出射する光は、主として、第1のドメイン領域LC1を通過した光である。そのため、実施例1の液晶表示装置の表示面を、y方向に角度βだけ傾いた方向から斜めに観察した場合、y方向に並んだ画素は、第1のドメイン領域LC1を通過した光が主成分である画素と、第2のドメイン領域LC2を通過した光が主成分である画素とが交互に並んでいることになる。
また、第1のシリンドリカルレンズ16により集光され、液晶表示パネル2から出射する光のうちの、z方向からy方向に角度−βだけ傾いた方向に出射する光は、主として、第2のドメイン領域LC2を通過した光である。またこのとき、第2のシリンドリカルレンズ17により集光され、液晶表示パネル2から出射する光のうちの、z方向からy方向に角度−βだけ傾いた方向に出射する光は、主として、第1のドメイン領域LC1を通過した光である。そのため、実施例1の液晶表示装置の表示面を、y方向に角度−βだけ傾いた方向から斜めに観察した場合も、同様に、y方向に並んだ画素は、第1のドメイン領域LC1を通過した光が主成分である画素と、第2のドメイン領域LC2を通過した光が主成分である画素とが交互に並んでいることになる。
第2の偏光板15と第2の基板10との間に配置する複数の集光素子(たとえば、シリンドリカルレンズ)の焦点の位置がすべて同じである場合、液晶表示装置の表示面をy方向に角度β(または−β)だけ傾いた方向から斜めに観察すると、y方向に並んだ画素は、第1のドメイン領域LC1を通過した光が主成分である画素のみ、または第2のドメイン領域LC2を通過した光が主成分である画素のみのいずれかになる。そのため、液晶表示装置の表示面をy方向に角度β(または−β)だけ傾いた方向から観察するときには、たとえば、マルチドメインの効果が得られず、色調変化や階調反転が生じるおそれがある。
これに対し、実施例1の液晶表示装置は、表示面をy方向に角度β(または−β)だけ傾いた方向から観察した場合、y方向には、第1のドメイン領域LC1を通過した光が主成分である画素と、第2のドメイン領域LC2を通過した光が主成分である画素とが交互に並んでいる。そのため、実施例1の液晶表示装置の表示面をy方向に角度β(または−β)だけ傾いた方向から斜めに観察したときには、マルチドメインの効果が期待できる。したがって、実施例1の液晶表示装置では、集光手段(第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17)を用いることによるy方向の視野角特性の低下を防ぐことができる。
また、実施例1の液晶表示装置では、前述のように、バックライト1から出射する光8のx方向の拡がり角αが広い。そして、実施例1の液晶表示装置では、バックライト1(第2のプリズムシート6)から出射して液晶表示パネル2に入射する光を集光する集光素子として、y方向に曲率を持つ第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17を用いている。このとき、バックライト1から出射して液晶表示パネル2に入射した光8のうちの、x方向に傾いた光は、たとえば、図6に示すように、第1のシリンドリカルレンズ16または第2のシリンドリカルレンズ17で屈折し、その一部が、透過表示領域U6(ブラックマトリクスBMの開口領域)を通過して液晶表示パネル2から出射する。このとき、ブラックマトリクスBMの開口領域を通って液晶表示パネル2から出射する光のx方向の拡がり角は、たとえば、当該液晶表示パネル2に入射する光のx方向の拡がり角αと同程度である。したがって、実施例1の液晶表示装置では、バックライト1から出射して液晶表示パネル2に入射する光のx方向の拡がり角αを広くしておくことで、x方向の視野角特性の低下も防ぐことができる。
また、実施例1の液晶表示装置では、たとえば、図5および図6に示したように、透過表示領域U6の外側、すなわちブラックマトリクスBMの開口領域の外側に垂直に入射した光も透過表示領域U6を通って液晶表示パネル2から出射する。そのため、実施例1の液晶表示装置は、集光素子(第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17)が無い液晶表示装置に比べて、透過表示領域U6を通る光の光量を増やすことができる。
したがって、実施例1の液晶表示装置は、マルチドメインによる視野角特性の向上と、集光素子(第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17)による光利用効率の向上を両立させることができる。
また、実施例1の液晶表示装置の一例として、図5に示した断面図では、ブラックマトリクスBMの開口領域の寸法と透過表示領域U6の寸法を一致させている。しかしながら、実施例1の液晶表示装置では、たとえば、図7に示すように、第2の薄膜積層体12に透過表示領域U6が開口した遮光膜18を設け、ブラックマトリクスBMの開口領域の寸法を透過表示領域U6の寸法より大きくしてもよい。
図8乃至図10は、実施例1の液晶表示装置における液晶表示パネルの概略構成の一例を示す模式図である。
図8は、第2の薄膜積層体の平面構成の一例を示す模式平面図である。図9は、図8のE−E’線における液晶表示パネルの断面構成の一例を示す模式断面図である。図10は、図8のF−F’線における液晶表示パネルの断面構成の一例を示す模式断面図である。
なお、図9および図10の断面図では、第2の偏光板を省略している。
実施例1の液晶表示装置における液晶表示パネル2は、従来の透過型または半透過型の液晶表示装置に用いられる液晶表示パネルのいずれかであればよい。実施例1の液晶表示装置が、IPS方式の透過型カラー液晶表示装置の場合、液晶表示パネル2は、たとえば、図8乃至図10に示したような構成にする。なお、図8には、x方向に3画素、y方向に2画素の合計6画素分の平面構成を示しており、隣接する2本の走査信号線と隣接する2本の映像信号線で囲まれた領域が1つの画素に相当する。
第1の基板9と液晶層13との間に配置される第1の薄膜積層体11は、たとえば、ブラックマトリクスBM、赤色フィルタCFR、緑色フィルタCFG、青色フィルタCFB、平坦化膜OC、および第1の配向膜OR1と、図示していない柱状スペーサとからなる。第1の薄膜積層体11の形成方法は、従来の液晶表示パネルにおける種々の形成方法のいずれかを適用すればよい。そのため、実施例1では、第1の薄膜積層体11の形成方法に関する詳細な説明を省略する。
第2の基板10と液晶層13との間に配置される第2の薄膜積層体12は、たとえば、下地層19、半導体層20、第1の絶縁層21、走査信号線GL、第2の絶縁層22、映像信号線DL、ソース電極SD、第3の絶縁層23、共通電極CT、第4の絶縁層24、画素電極PX、および第2の配向膜OR2からなる。第2の薄膜積層体12の形成方法は、従来の液晶表示パネルにおける種々の形成方法のいずれかを適用すればよい。そのため、実施例1では、第2の薄膜積層体12の形成方法に関する詳細な説明を省略する。
半導体層20は、一方の端が第1のコンタクトホールにより映像信号線DLと接続しており、他方の端が第2のコンタクトホールによりソース電極SDと接続している。また、半導体層20は、中間部分が第1の絶縁層21を介して、走査信号線GLと2回交差している。またこのとき、半導体層20は、走査信号線GLと重なる領域と、その他の領域とで、不純物の種類や濃度が異なる。すなわち、各画素は、半導体層20、第1の絶縁層21、走査信号線GL、映像信号線DL、およびソース電極SDでなるTFT素子を有する。
また、図8乃至図10に示した液晶表示パネル2では、画素電極PXと共通電極CTとが第4の絶縁層24を介して積層されている。このとき、液晶層13に近いほうの画素電極PXは、画素毎に独立した電極であり、第3のコンタクトホールによりソース電極SDと接続している。また、共通電極CTは、たとえば、走査信号線GLの延在方向(x方向)に並んだ複数の画素で共有される帯状の電極であり、表示領域U1の外側に配置されたコモン給電配線(コモンバスライン)と接続している。
このように、画素電極PXと共通電極CTとが第4の絶縁層24を介して積層されている場合は、たとえば、図8に示したように、液晶層13に近いほうの画素電極PXの平面形状を、平板状の部分と櫛歯状の部分とからなる形状にする。またこのとき、画素電極PXの櫛歯部分は、映像信号線DLの延在方向(y方向)に延びており、かつ、長手方向(y方向)の概略中心部分で屈曲させる。なお、櫛歯部分の上半分の延在方向と下半分の延在方向は、それぞれ、たとえば、走査信号線GLの延在方向(x方向)に対して85度の方向、95度の方向になるようにする。
また、IPS方式の液晶表示パネル2の場合、液晶層13には、たとえば、室温を含む広い温度範囲でネマチック相を示し、かつ、誘電率異方性が正の液晶材料を用いる。ネマチック相を示す温度範囲が広い液晶材料を用いると、使用環境の温度変化が広範にわたる携帯型電子機器に用いる液晶表示装置の場合に、温度による表示特性の変化が少ない。また、誘電率異方性が正の液晶材料は、誘電率異方性が負の液晶材料に比べて、より低粘度である。そのため、誘電率異方性が正の液晶材料を用いることで、高速応答の表示が可能になる。
また、液晶層13に用いる液晶材料は、高抵抗であることが望ましい。高抵抗の液晶材料を用いると、たとえば、TFT素子がオフである保持期間中における電圧低下が十分に少ないので、保持期間中の透過率を維持でき、かつ、フリッカなどの発生を防ぐことができる。
またこのとき、液晶層13は、たとえば、電界を印加していないときの液晶分子の長軸方向が映像信号線DLの延在方向(y方向)と概ね平行なホモジニアス配向になるようにする。電界を印加していないときの液晶層13の配向方向がy方向になるようにするには、第1の配向膜OR1および第2の配向膜OR2の配向方向(ラビング方向)をy方向にすればよい。
このような構成の場合、画素電極PXと共通電極CTとの間に電位差が生じると、画素電極PXの櫛歯状の部分には、図9に示したような、液晶層13を通るアーチ状の電気力線EFLが生じ、液晶層13にフリンジ電界が印加される。IPS方式の液晶表示パネル2では、液晶層13の液晶分子がホモジニアス配向をしており、液晶層13に電界を印加すると、液晶分子は、基板平面内で、電界の方向および強さに応じた角度だけ回転する。一方、画素電極PXの平板状の部分には、フリンジ電界が生成されず、保持期間中に液晶層13に印加される電界を一定に保つための保持容量が形成される。そのため、画素電極PXと共通電極CTとの間に電位差が生じても、画素電極PXの平板状の部分の上にある液晶層13の配向方向は変化しない。すなわち、図8乃至図10に示した液晶表示パネル2において、画素電極PXと共通電極CTとの電位差によりバックライト1からの光の透過量が制御される領域(透過表示領域U6)は、図8に太い点線で示した領域である。
そのため、図9および図10に示した断面構成では、透過表示領域U6をわかりやすくするために、ブラックマトリクスBMを、透過表示領域U6のみが開口した形状にして示している。しかしながら、ブラックマトリクスBMは、これに限らず、たとえば、画素電極PXの平板状の部分の上も開口している形状であってもよい。
このとき、画素電極PXの櫛歯部分に、図8に示したように、x方向とのなす角が異なる2つの部分を設けておくと、1つの透過表示領域U6内に、電界の方向が異なる2つの領域が生じる。そのため、図8乃至図10に示したような構成の液晶表示パネル2において画素電極PXと共通電極CTとの間に電位差が生じると、各画素の透過表示領域U6には、液晶層13の配向方向が第1の方向OP1に変化した第1のドメイン領域LC1と、第2の方向OP2に変化した第2のドメイン領域LC2とが生じる。
第2の薄膜積層体12が上記のような構成の液晶表示パネル2に、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17を配置するときには、たとえば、それぞれのレンズの軸(最も厚い部分)が、第1のドメイン領域LCと第2のドメイン領域LC2との境界と、概ね一致するように配置する。
このとき、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17は、たとえば、紫外線硬化樹脂を印刷によりパターニングした後、紫外線を照射して硬化させて形成する。なお、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17は、上記の方法に限らず、たとえば、2P(Photo Polymer)法、フォトリソグラフィ、インクジェットを用いた印刷法などを用いて形成してもよい。
このような液晶表示パネル2において、透過表示領域U6の液晶層13に電界が印加されて第1のドメイン領域LC1と第2のドメイン領域LC2が生じると、当該2つのドメイン領域における液晶層13の配向方向OP1,OP2は、たとえば、一方のドメイン領域における配向方向が黄色い着色を示す方位角方向になり、他方のドメイン領域における配向方向が水色の着色を示す方位角方向になる。
実施例1の液晶表示装置では、たとえば、図10に示したように、第1のシリンドリカルレンズ16で集光され、z方向からy方向に角度βだけ傾いた方向に出射する光が、主として第1のドメイン領域LC1を通過した光である。また、第2のシリンドリカルレンズ17で集光され、z方向からy方向に角度−βだけ傾いた方向に出射する光が、主として第2のドメイン領域を通過した光である。したがって、実施例1の液晶表示装置の表示面をy方向に角度β(または−β)だけ傾いた方向から観察すると、y方向に並んだ画素は、黄色い着色を示す画素と、水色の着色を示す画素とが交互に並んでいる。このように、実施例1の液晶表示装置では、液晶層13の配向方向が異なるドメイン領域が並んでいる方向(y方向)に傾いた方向から斜めに見たときに、補色関係にある2種類の着色が同時に観察されることになる。このとき、2種類の着色は、加法混色により相殺されるので、無彩色に見え、単一の回転方向しか存在しないモノドメインの場合に比較して、より無着色の表示が得られる。したがって、実施例1の液晶表示装置は、表示面を斜め方向から見たときの色調変化や階調反転が抑えられ、マルチドメインによる視野角特性を向上させることができる。
図11は、実施例1の液晶表示装置における第1のシリンドリカルレンズおよび第2のシリンドリカルレンズの構成を補足するための模式断面図である。
ところで、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17のような凸平レンズの場合、空気中での近軸焦点距離fは、レンズの屈折率をnとし、凸曲面の曲率半径をRとすると、下記数式1で表される。
Figure 2010243945
また、当該凸平レンズを液晶表示パネル2に組み込んだときの焦点距離fは、第2の基板10の屈折率をnとすると、下記数式2のようになる。
Figure 2010243945
印刷法で形成した凸平レンズは、通常、レンズ面(凸面)がほぼ球面になる。球面レンズの場合、レンズの球面収差などによって、集光スポット径が最小となる位置(最良像点位置)が近軸焦点位置からレンズ側にずれる。この最良像点位置は、光線追跡などのシミュレーションを用いることで用いることができるが、実施例1のように平行光に近い指向性の強い光を球面レンズに照射している場合には、解析的に求めることができる。一般に、レンズ幅Dのシリンドリカルレンズに入射した平行光が液晶表示パネル内に結ぶ最良像点距離fは、下記数式3のように表される。
Figure 2010243945
そのため、実施例1の液晶表示装置では、たとえば、図11に示すように、第1のシリンドリカルレンズ16の最良像点位置が液晶層13よりも遠い位置にあり、第2のシリンドリカルレンズ17の近軸焦点位置が液晶層13よりも近い位置にあることが望ましい。すなわち、第1のシリンドリカルレンズ16は、レンズ幅、曲率半径、および屈折率をそれぞれD、R、およびnとし、数式3においてD=D、R=R、n=nとして求めた最良像点距離f と、レンズ面から液晶層13と第1の薄膜積層体11との界面までの距離Tとの関係が、たとえば、下記数式4の関係になるようにすることが望ましい。
≦f ・・・(数式4)
また、第2のシリンドリカルレンズ17は、曲率半径および屈折率をそれぞれRおよびnとし、数式2においてR=R、n=nとして求めた焦点距離f と、レンズ面から液晶層13と第2の薄膜積層体12との界面までの距離Tとの関係が、たとえば、下記数式5の関係になるようにすることが望ましい。
<T ・・・(数式5)
また、距離Tと距離Tとの差(T−T)は、液晶層13の厚さ(セルギャップ)相当するが、液晶層13の厚さは、距離T,Tに比べて十分に小さい。また、第1の薄膜積層体11の厚さおよび第2の薄膜積層体12の厚さや各シリンドリカルレンズ16,17の厚さは、通常、第2の基板10の厚さTに比べて十分に小さい。そのため、距離Tおよび距離Tは、近似的にT≒T=Tと表すことができる。したがって、実施例1の液晶表示装置では、第1のシリンドリカルレンズ16の最良像点距離f 、第2のシリンドリカルレンズ17の近軸焦点距離f 、および第2の基板10の厚さTの関係が、たとえば、下記数式6の関係になるようにすることが望ましい。
<T≦f ・・・(数式6)
なお、実施例1の液晶表示装置において、マルチドメインと集光素子を組み合わせたことによる色つきを低減するためには、上記数式4乃至数式6で表される関係に限らず、第1のシリンドリカルレンズ16の近軸焦点位置が液晶層13よりも遠い位置にあり、かつ、第2のシリンドリカルレンズ17の最良像点位置が液晶層13よりも近い位置にあればよい。
したがって、第1のシリンドリカルレンズ16は、数式2においてR=R、n=nとして求めた近軸焦点距離f と、距離Tとの関係が、たとえば、下記数式7の関係になっていればよい。
≦f ・・・(数式7)
また、第2のシリンドリカルレンズ17は、レンズ幅をDとし、数式3においてD=D、R=R、n=nとして求めた最良像点距離f と、距離Tとの関係が、たとえば、下記数式8の関係になっていればよい。
<T ・・・(数式8)
また、距離Tおよび距離Tは、前述のように、近似的にT≒T=Tと表すことができる。したがって、第1のシリンドリカルレンズ16の近軸焦点距離f 、第2のシリンドリカルレンズ17の最良像点距離f 、および第2の基板10の厚さTの関係が、たとえば、下記数式9の関係を満たしていれば、マルチドメインと集光素子とを組み合わせたことによる色つきを低減することができる。
<T≦f ・・・(数式9)
レンズの焦点距離は、数式2からわかるように、主にレンズの曲率半径Rによって決まる。そのため、第1のシリンドリカルレンズ16の焦点距離と第2のシリンドリカルレンズ17の焦点距離を変えるには、各シリンドリカルレンズ16,17の曲率半径R,Rを変えることが有効である。
印刷法でシリンドリカルレンズを形成する場合には、レンズ幅Dを変えることで曲率半径Rを変えることができ、通常、レンズ幅Dが広くなると曲率半径Rが大きくなる。したがって、実施例1の液晶表示装置では、第1のシリンドリカルレンズ16のレンズ幅Dと第2のシリンドリカルレンズ17のレンズ幅Dとの関係が、D>Dになるようにし、第1のシリンドリカルレンズ16の曲率半径Rが、第2のシリンドリカルレンズ17の曲率半径Rよりも大きくなるようにしている。このように、レンズ幅を広くすることで曲率半径を大きくすると、たとえば、焦点距離の違いによる輝度角度分布の差、つまり視野角の差を小さくすることができる。
なお、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17は、数式6または数式9の関係を満たしていればよい。すなわち、実施例1の液晶表示装置では、たとえば、第1のシリンドリカルレンズ16のレンズ幅Dおよび曲率半径Rと、第2のシリンドリカルレンズ17のレンズ幅Dおよび曲率半径Rとを、数式6または数式9の関係を満たす範囲で適宜変更可能である。そのため、実施例1の液晶表示装置では、たとえば、第2のシリンドリカルレンズ17のレンズ幅Dを第1のシリンドリカルレンズ16のレンズ幅Dと概ね等しくし、第2のシリンドリカルレンズ17の曲率半径Rを小さくすることで、第2のシリンドリカルレンズ17の焦点距離を短くしてもよい。このようにすると、たとえば、焦点距離の違いによる正面輝度の差を小さくすることができる。
また、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17の近軸焦点距離や最良像点距離は、数式2および数式3からもわかるように、レンズの屈折率nによって変えることも可能である。したがって、実施例1の液晶表示装置では、たとえば、第1のシリンドリカルレンズ16のレンズ幅Dおよび曲率半径Rと、第2のシリンドリカルレンズ17のレンズ幅Dおよび曲率半径Rとの関係が、D=DおよびR=Rとなるようにし、第1のシリンドリカルレンズ16の屈折率nと第2のシリンドリカルレンズ17の屈折率nとを変えてもよい。この場合、第1のシリンドリカルレンズ16と第2のシリンドリカルレンズ17とは、異なる材料を用いて形成することになるので、たとえば、インクジェット印刷法を用いて形成することが望ましい。
また、上記の説明では、第2の基板10と第2の偏光板15との間に第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17を配置している場合を例に挙げている。しかしながら、実施例1の液晶表示装置では、これに限らず、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17と、第2の基板10との間に、第2の偏光板15を配置してもよい。この場合は、数式6および数式9における第2の基板10の厚さTを、たとえば、下記数式10のように読み替えればよい。
(T/n+T/n) ・・・(数式10)
なお、数式10において、Tは第2の偏光板15の厚さであり、nは第2の偏光板15の屈折率である。
また、上記の数式6および数式9では、第1の薄膜積層体11の厚さ、第2の薄膜積層体12の厚さ、各シリンドリカルレンズ16,17の厚さ、および液晶層13の厚さが第2の基板10の厚さTに比べて十分に小さいとしている。しかしながら、近年の液晶表示パネル2は、第1の基板9および第2の基板10の薄型化が進んでいる。そのため、第2の基板10の厚さTが薄くて第1の薄膜積層体11の厚さ、第2の薄膜積層体12の厚さ、各シリンドリカルレンズ16,17の厚さ、および液晶層13の厚さを無視できない場合には、それらの厚さを考慮した関係、すなわち第1のシリンドリカルレンズ16は数式4または数式7の関係を満たし、第2のシリンドリカルレンズ17は数式5または数式8の関係を満たすようにすればよい。
また、各シリンドリカルレンズ16,17の曲率半径がレンズ幅方向の位置によって変化する場合は、たとえば、軸の周辺または最も厚くなる位置の周辺での曲率半径を用いて、上記の近軸焦点距離や最良像点位置を求めればよい。また、各シリンドリカルレンズ16,17の曲率半径が幅方向の位置によって変化する場合は、たとえば、レンズの形状をもとに光学追跡等のシミュレーションを行って、より厳密な最良像点距離を求めてもよい。またさらに、各シリンドリカルレンズ16,17が非球面レンズであり、近軸焦点距離と最良像点距離とが一致する場合には、近軸焦点距離に基づいて、第1のシリンドリカルレンズ16の焦点の位置が液晶層13よりも遠くなり、第2のシリンドリカルレンズ17の焦点の位置が液晶層13よりも近くなるようにすればよい。
以上説明したように、実施例1の液晶表示装置によれば、マルチドメインによる視野角特性の向上と、集光手段(第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17)による光利用効率の向上を両立させることができる。
また、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17を、バックライト1からの光に対して凸平レンズになるように配置する場合は、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17の凸曲面上に、各レンズ16,17とは屈折率が異なる材料を充填して表面を平坦化し、当該平坦な面に第2の偏光板15を貼り付けてもよい。このようにすると、たとえば、各シリンドリカルレンズ16,17の表面(凸曲面)における反射を抑えることができ、透過率を大きくすることができる。
また、実施例1の液晶表示装置では、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17を、バックライト1からの光に対して凸平レンズになるように配置している。しかしながら、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17は、これに限らず、凸曲面が第2の基板10と対向するように、すなわちバックライト1からの光に対して平凸レンズになるように配置してもよい。このとき、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17は、たとえば、第2の基板10とは別の透明な基板の表面に形成し、第2の偏光板15に貼り付ければよい。またこのとき、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17は、たとえば、第2の偏光板15の表面に直接形成してもよい。またさらに、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17を平凸レンズとする場合は、たとえば、各レンズ16,17の凸曲面側を屈折率が異なる材料で被覆することで平坦化し、第2の基板10に貼り付けてもよい。
また、実施例1では、バックライト1から出射する光が、y方向の拡がり角αが小さく、x方向の拡がり角αが大きい光、すなわち一軸方向に指向性の高い光である場合を例に挙げた。しかしながら、実施例1の液晶表示装置で用いる液晶表示パネル2、すなわち集光素子として第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17を用いる液晶表示パネル2は、これに限らず、バックライト1から出射する光の指向性が全方位で高い場合にも用いることができる。この場合は、たとえば、液晶表示パネル2の出射側(たとえば、液晶層13と第1の偏光板14との間)に、たとえば、ホログラムシート、シリンドリカルレンズシート、プリズムシート、またはレンズアレイシートを設けることでx方向の視野角を広くすればよい。
また、導光板4から出射する光の指向性が全方位で高い場合は、たとえば、導光板4と液晶表示パネル2との間に、第1のプリズムシート5および第2のプリズムシート6とは別のホログラムシート、シリンドリカルレンズシート、プリズムシートなどを配置して、x方向の拡がり角を広くしてもよい。
また、実施例1の構成は、前述のような透過型の液晶表示装置に限らず、各画素が透過表示領域および反射表示領域を有する半透過型の液晶表示装置にも適用することができる。半透過型の液晶表示装置に実施例1の構成を適用する場合には、たとえば、図7に示したように、第2の薄膜積層体12に透過表示領域U6のみが開口した遮光膜18を形成し、ブラックマトリクスBMの開口領域の寸法を透過表示領域U6および反射表示領域が開口する寸法にすればよい。また、半透過型の液晶表示装置の場合、通常、反射表示領域には、装置外部から液晶表示パネル2に入射した光を反射するための反射膜が設けられており、バックライト1からの光のうちの当該反射膜が設けられた領域に入射した光は反射膜で反射し、液晶層13を通過することはない。そのため、半透過型の液晶表示装置の場合は、第2の薄膜積層体12に遮光膜18を形成しなくてもよい。ただし、透過型でも半透過型でも、TFT素子が図8に示したようなトップゲート型であると、バックライト1から出射して液晶表示パネル2に入射した光がTFT素子の半導体層20に当たり、TFT素子の動作特性が変動するおそれがある。したがって、TFT素子がトップゲート型の場合は、透過型か半透過型かによらず、図7に示したように、第2の薄膜積層体12に遮光膜18を形成することが望ましい。この場合、遮光膜18を、半導体層20よりも前に形成することはいうまでもない。
また、実施例1では、液晶層13の初期配向方向(電界が印加されていないときの配向方向)がy方向、すなわち映像信号線DLの延在方向と概ね平行になっている場合を挙げている。しかしながら、液晶層13の初期配向方向は、適宜変更可能であり、たとえば、y方向に対して所定の角度だけ傾けることもある。そのような液晶表示パネル2では、通常、第2の偏光板15の透過軸も、y方向に対して所定の角度だけ傾ける必要がある。バックライト1から出射する光は、前述のように、振動方向が液晶表示パネル2の長辺方向(y方向)と平行な成分が多いので、第2の偏光板15の透過軸がy方向に対して所定の角度だけ傾いていると、第2の偏光板15を通過する光の量が少なくなり、その分輝度が低くなる。そのため、第2の偏光板15の透過軸を傾ける必要がある場合は、たとえば、第2のプリズムシート6などに複屈折性を持たせて偏光を解消してもよい。
また、第1のプリズムシート5および第2のプリズムシート6を用いてバックライト1から出射する光の拡がり角を調整する場合、プリズムのピッチが大きいと、たとえば、プリズムと画素(液晶表示素子)の間でモアレが生じることがある。そのため、第1のプリズムシート5および第2のプリズムシート6は、たとえば、1つの画素の透過表示領域U6内に複数のプリズムが入るように、プリズムのピッチを小さくすることが望ましい。特に、第2のプリズムシート6については、1個の透過表示領域(1個のシリンドリカルレンズ)に対して、3個以上のプリズムが割り当てられるようにすることが望ましい。
図12乃至図14は、本発明による実施例2の液晶表示装置の概略構成を説明するための模式図である。
図12は、本発明による実施例2の液晶表示装置における液晶表示パネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。図13は、図12のG−G’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。図14は、図12のH−H’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。
実施例2の液晶表示装置において、実施例1の液晶表示装置と異なる点は、たとえば、図12乃至図14に示すように、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17の配置方法のみである。
実施例1の液晶表示装置では、たとえば、図4に示したように、x方向に並んだ画素に着目すると、それらの画素の透過表示領域U6は、すべて、第1のシリンドリカルレンズ16または第2のシリンドリカルレンズ17のいずれか一方のレンズで集光された光が通過する。そのため、表示面を、y方向に傾いた方向から斜めに観察したときに、主成分が第1のドメイン領域LC1を通過した光である画素が並んでいる列と、主成分が第2のドメイン領域LC2を通過した光である画素が並んでいる列とが、y方向に交互に並んでいることになる。すなわち、実施例1の液晶表示装置は、たとえば、表示面をy方向に傾いた方向から斜めに見たときに、x方向で隣接する画素が同じ色に着色する。
これに対し、実施例2の液晶表示装置では、たとえば、図12乃至図14に示したように、x方向に並んだ画素に対しても、x方向で連続する3つの画素毎に、第1のシリンドリカルレンズ16で集光された光が通過する画素と、第2のシリンドリカルレンズ17で集光された光が通過する画素とが並ぶようにする。このとき、1つのシリンドリカルレンズは、たとえば、映像や画像の1ドット(1つの絵素)の色を表現する3つの画素に対して1つの割合で配置する。すなわち、実施例2の液晶表示装置では、映像や画像の1ドット(1つの絵素)毎に、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17を市松格子状に配置している。
このようにすると、表示面をy方向に傾いた方向から斜めに見たときに、y方向に並んだ絵素は、主成分が第1のドメイン領域LC1を通過した光でなる絵素と、主成分が第2のドメイン領域LC2を通過した光でなる絵素が交互に並んでいる。また、x方向に並んだ絵素についても、主成分が第1のドメイン領域LC1を通過した光でなる絵素と、主成分が第2のドメイン領域LC2を通過した光でなる絵素が交互に並んでいる。したがって、実施例2の液晶表示装置は、マルチドメインによる視野角特性の向上と、集光手段(第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17)による光利用効率の向上を両立させることができる。また、実施例2の液晶表示装置は、表示面をy方向から斜めに見たときに、x方向で隣接する絵素の着色も補色関係になるので、実施例1の液晶表示装置に比べて、視野角特性をより向上させることができる。
図15は、実施例2の液晶表示装置における液晶表示パネルの平面構成の変形例を示す模式平面図である。
なお、図15は、液晶表示パネル2をバックライト1側から見たときの平面図であり、かつ、第2の偏光板を省略している。
実施例2の液晶表示装置における液晶表示パネル2の一例として、図12乃至図14に示した構成では、映像や画像の1ドット(1つの絵素)毎に、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17を市松格子状に配置している。しかしながら、第1のシリンドリカルレンズ16または第2のシリンドリカルレンズ17を市松格子状に配置するときには、たとえば、図15に示すように、画素(サブ画素)毎に、市松格子状に配置してもよい。
図16および図17は、本発明による実施例3の液晶表示装置の概略構成を説明するための模式図である。
図16は、本発明による実施例3の液晶表示装置における液晶表示パネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。図17は、図16のJ−J’線における第2の基板およびシリンドリカルレンズの断面構成の一例を示す模式断面図である。
なお、図16は、液晶表示パネル2をバックライト1側から見たときの平面図であり、かつ、第2の偏光板を省略している。
実施例1および実施例2における液晶表示パネル2では、焦点距離が異なる第1のシリンドリカルレンズ16と第2シリンドリカルレンズ17とを所定の方向に交互に配置することで、第1のシリンドリカルレンズ16で集光される光の焦点の位置と第2のシリンドリカルレンズ17で集光される光の焦点の位置を変え、マルチドメインによる視野角特性の向上と集光手段による光利用効率の向上とを両立している。
これに対し、実施例3では、たとえば、x方向に並んだ複数の画素で共有され、かつ、焦点距離がx方向に沿って連続的に変動する第3のシリンドリカルレンズ25を配置することで、マルチドメインによる視野角特性の向上と集光手段による光利用効率の向上とを両立させる。
このとき、第3のシリンドリカルレンズ25は、たとえば、図16および図17に示すように、レンズ幅および曲率半径が、それぞれ所定の範囲内で連続的に変化するように形成する。またこのとき、第3のシリンドリカルレンズ25は、レンズ幅が最も広い位置が第1のシリンドリカルレンズ16に相当し、レンズ幅が最も狭い位置が第2のシリンドリカルレンズ17に相当するような構成にする。
すなわち、第3のシリンドリカルレンズ25は、レンズ幅が最大となる位置におけるレンズ幅をD、曲率半径をRとし、屈折率をnとしたときに、数式2から求めた焦点距離f が数式4の関係を満たすか、または数式3から求めた最良像点距離f が数式7の関係を満たすようにする。また、第3のシリンドリカルレンズ25は、レンズ幅が最小となる位置におけるレンズ幅をD、曲率半径をRとし、屈折率をnとしたときに、数式2から求めた焦点距離f が数式5の関係を満たすか、または数式3から求めた最良像点距離f が数式8の関係を満たすようにする。
また、第3のシリンドリカルレンズ25は、エッジ部分25a,25bを正弦波状に変動させ、レンズ幅がDの位置とDの位置との間の部分におけるレンズ幅および曲率半径を連続的に変化させる。このようにすると、第3のシリンドリカルレンズ25のx方向に沿った焦点距離は、レンズ幅がDの位置における焦点距離と、レンズ幅がDの位置における焦点距離との間で連続的に変化させることができる。したがって、実施例3の液晶表示装置は、第3のシリンドリカルレンズ25のレンズ幅の変動周期を調整することで、実施例2の液晶表示装置と同様の効果が得られる。
また、実施例3の液晶表示装置では、y方向に並んだ複数の第3のシリンドリカルレンズ25のうちの、端からm番目の第3のシリンドリカルレンズ25におけるエッジ部分25a,25bのうちの一方のエッジ部分25aのy方向の位置y=f (x)を、たとえば、下記数式11にしたがって変動させる。
Figure 2010243945
またこのとき、他方のエッジ部分25bのy方向の位置y=f (x)は、エッジ部分25aと同様の変動をし、かつ、変曲点がx方向にDだけずれるように、たとえば、下記数式12にしたがって変動させる。
Figure 2010243945
このとき、レンズ幅の変化量が大きくなるようにするには、レンズのエッジ部分25a,25bのy方向の位置の変動周期Pとx方向のずれDとの関係が、たとえば、D/P=0.5になるようにすればよい。しかしながら、第3のシリンドリカルレンズ25はレンズ幅の変化に合わせて曲率半径およびレンズの高さも変化する。したがって、D/P=0.5にすると、たとえば、モアレが発生しやすくなる。モアレが発生しないようにするには、変動周期PやずれDをランダムにするか、またはD/P≒0.5(≠0.5)にすることが望ましい。変動周期Pは、ウォーブリングが見えない程度に細かくすることが望ましい。そのため、Pは100μm以下が望ましい。或いは、画素周期Pの3倍以下、望ましくは画素周期P以下とすることが望ましい。
第3のシリンドリカルレンズ25のエッジ部分25a,25bの位置が数式11および数式12にしたがって変動する場合、当該レンズの任意の位置でのレンズ幅W は、下記数式13のようになる。
Figure 2010243945
したがって、数式13から、m番目の第3のシリンドリカルレンズ25のレンズ幅の最大値Wrmax および最小値Wrmin を求めると、それぞれ、下記数式14および下記数式15のようになる。
Figure 2010243945
実施例3の液晶表示装置では、前述のように、第3のシリンドリカルレンズ25を形成するときに、レンズ幅の変化にともなって曲率半径も変化させている。印刷法を用いて第3のシリンドリカルレンズ25を形成する場合、当該第3のシリンドリカルレンズ25は、通常、レンズ幅が広くなると曲率半径が大きくなる。そのため、印刷法を用いて第3のシリンドリカルレンズ25を形成すると、レンズ幅が広い位置では焦点距離が長くなり、レンズ幅が狭い位置では焦点距離が短くなる。したがって、第3のシリンドリカルレンズ25を形成するときには、D=Wrmax 、D=Wrmin とし、レンズ幅が最大値Wrmax になる位置おける焦点距離、および最小値Wrmin になる位置における焦点距離が、実施例1で説明した関係になるように形成すればよい。
なお、第3のシリンドリカルレンズ25を形成するときには、たとえば、レンズ幅が大きくなると曲率半径が小さくなるように形成することも可能である。その場合は、D=Wrmax 、D=Wrmin とし、レンズ幅が最大値Wrmax になる位置おける焦点距離、および最小値Wrmin になる位置における焦点距離が、実施例1で説明した関係になるように形成すればよい。
ところで、第3のシリンドリカルレンズ25の軸25cは、レンズ幅方向のほぼ中心付近に来るので、m番目の第3のシリンドリカルレンズ25の軸25cのy方向の位置y=f は、下記数式16のように表される。
Figure 2010243945
このとき、エッジ部分25a,25bの変動周期PとそのずれDの関係がD/P≒0.5(≠0.5)であると、第3のシリンドリカルレンズ25の軸25cのy方向の位置は、ある幅Sを持って変動する。この変動幅Sは、下記数式17で表され、透過表示領域U6の幅Wよりも小さくなるようにすることが望ましい。
Figure 2010243945
集光素子として第3のシリンドリカルレンズ25を用いた場合、上記のような軸25cのy方向の位置の変動によっても、各画素の透過表示領域U6に集光された光が通過するドメイン領域が変化するので、表示面を斜め方向から見たときの色付きが低減し、無彩色化する効果が得られる。また、第3のシリンドリカルレンズ25のように軸25cの位置が変動することで、たとえば、バックライト1のプリズムシートや液晶表示素子とのモアレを低減する効果も得られる。またさらに、第3のシリンドリカルレンズ25は、レンズ幅の変動に合わせてレンズの高さも変化するので、集光方向と垂直な方向に対する光拡散性を付与でき、視野角を広げることができる。
以上説明したように、実施例3の液晶表示装置によれば、マルチドメインによる視野角特性の向上と、集光手段(第3のシリンドリカルレンズ)による光利用効率の向上を両立させることができる。
また、実施例3の液晶表示装置は、実施例1の液晶表示装置に比べて、視野角特性をより向上させることができる。
図18乃至図20は、本発明による実施例4の液晶表示装置の概略構成を説明するための模式図である。
図18は、本発明による実施例4の液晶表示装置における液晶表示パネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。図19は、図18のK−K’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。図20は、図18のL−L’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。
なお、図18は、液晶表示パネル2をバックライト1側から見たときの平面図であり、かつ、第2の偏光板を省略している。
実施例1乃至実施例3では、バックライト1の構成が、たとえば、図1乃至図3に示したような構成であり、バックライト1から出射する光はy方向の拡がり角αが小さく、x方向の拡がり角αが広い。そのため、実施例1乃至実施例3の液晶表示装置では、集光素子として、y方向に曲率を有するシリンドリカルレンズを用いている。
しかしながら、液晶表示装置で用いるバックライト1には、前述のように、x方向の拡がり角αおよびy方向の拡がり角αがともに小さくなるようにしているものもある。したがって、このようなx方向およびy方向の指向性がともに高いバックライト1を有する液晶表示装置の集光素子としてシリンドリカルレンズを用いる場合、x方向の視野角を広くするためには、たとえば、別の光学シートを配置して、x方向の拡がり角αを広くする必要がある。
このように、別の光学シートを配置すると、その分だけ液晶表示装置が厚くなる。
実施例4では、x方向およびy方向の指向性がともに高いバックライト1を有する液晶表示装置において、x方向およびy方向の視野角を容易に広くすることができる集光素子として、たとえば、図18乃至図20に示したような、平面形状が六角形の第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27を用いる。
このとき、第1のマイクロレンズ26は、第1のシリンドリカルレンズ16と同様に、集光される光の焦点の位置が液晶層13よりも遠いレンズである。また、第2のマイクロレンズ27は、第2のシリンドリカルレンズ17と同様に、集光される光の焦点の位置が液晶層13よりも近いレンズである。したがって、第1のマイクロレンズ26を形成するときには、数式2から求められる近軸焦点距離または数式3から求められる最良像点距離が、実施例1で説明した第1のシリンドリカルレンズ16と同様の条件を満たすように形成する。また、第2のマイクロレンズ27を形成するときには、数式2から求められる近軸焦点距離または数式3から求められる最良像点距離が、実施例1で説明した第2のシリンドリカルレンズ17と同様の条件を満たすように形成する。
また、第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27は、x方向に並んだ画素が、第1のマイクロレンズ26で集光された光が通過する画素と、第2のマイクロレンズ27で集光された光が通過する画素になるように配置している。このとき、バックライト1からの光の利用効率を高くするには、x方向に並んだ画素の透過表示領域U6を千鳥状にし、第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27を千鳥状に配置することが望ましい。
またさらに、第1のマイクロレンズ26は、図19および図20に示したように、y方向だけでなく、x方向にも曲率を有する形状にする。また、図示は省略するが、第2のマイクロレンズ27も、x方向およびy方向に曲率を有する形状にする。このような構成の液晶表示パネル2と、全方位で指向性の高いバックライト1とを組み合わせると、たとえば、実施例1の液晶表示装置よりも高い光利用効率が得られる。
図21および図22は、実施例4の液晶表示装置における液晶表示パネルの概略構成の一例と作用効果を説明するための模式図である。
図21は、第2の薄膜積層体の平面構成の一例を示す模式平面図である。図22は、図21における透過表示領域と第1のマイクロレンズおよび第2のマイクロレンズとの関係の一例を示す模式平面図である。
IPS方式の液晶表示装置に実施例4の構成を適用する場合、液晶表示パネル2の第2の薄膜積層体12は、たとえば、図21に示したような構成にする。なお、図21には、x方向で連続する3画素分の平面構成を示しており、隣接する2本の走査信号線GLと隣接する2本の映像信号線DLで囲まれた領域が1つの画素に相当する。
また、図21に示した各画素の構成は、実施例1で挙げた構成、すなわち図8乃至図10に示した構成と同じであり、x方向で隣接する2つの画素におけるTFT素子の位置および画素電極PXの形状が上下反転した関係になるようにしているだけである。したがって、図21に示した画素の構成に関する詳細な説明は省略する。
図21に示した各画素における透過表示領域U6は、画素電極PXの櫛歯状の部分である。このとき、各画素の画素電極PXと共通電極CTとの間に所定の電位差を与えると、それぞれの透過表示領域U6には、液晶層13(液晶分子)が第1の方向OP1に配向した第1のドメイン領域LC1と、第2の方向OP2に配向した第2のドメイン領域LC2が生じる。
また、各画素の透過表示領域U6と、第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27との関係は、たとえば、図22のようになっている。このとき、バックライト1から出射した光は、平面形状が六角形である第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27の集光効果により、各画素の透過表示領域U6における中央付近の集光領域U7に、円状に近い強度分布で集光する。またこのとき、第1のマイクロレンズ26と第2のマイクロレンズ27は、焦点距離(焦点の位置)が異なるので、表示面をy方向に傾いた方向から斜めに見たときに、x方向には、第1のドメイン領域LC1を通過した光が主成分の画素と、第2のドメイン領域LC2を通過した光が主成分の画素とが交互に並んでいる。したがって、実施例4の液晶表示装置は、マルチドメインによる視野角特性の向上と、集光素子(第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27)による光利用効率の向上を両立させることができる。
また、携帯電話端末の表示部などに用いられる液晶表示装置には、高精細化にともない画素のサイズが非常に小さいものがある。このように画素のサイズが小さい液晶表示装置では、たとえば、画素境界において光が斜めに通過することがあり、これが混色となって観察されることがある。
これに対し、実施例4の液晶表示装置では、第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27の平面形状を六角形にしているので、混色の原因になる、画素境界を斜めに通過する光路が生じなくなる。また、実施例4の液晶表示装置では、集光領域U7の寸法を画素の寸法よりも十分に小さくすることにより、たとえば、第1の基板9と第2の基板10との合わせずれによる混色の発生も防ぐことができる。
なお、実施例4の液晶表示装置における第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27の平面形状は、六角形に限らず、たとえば、円形にしてもよい。円形は六角形に比較して単純な形状であり、たとえば、液状の物体を滴下した際に自然にできる平面形状である。そのため、第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27の平面形状を円形にすると、たとえば、インクジェット法などのより簡便な方法で容易に形成することができる。
また、実施例4の液晶表示装置のように、第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27による集光領域U7が概略円形になる場合は、たとえば、カラーフィルタの平面形状を円形にしてもよい。従来の液晶表示パネルにおけるカラーフィルタは、たとえば、フォトリソグラフィを利用して形成するのが一般的であるが、平面形状を円形にすることで、インクジェット法などのより簡便な方法で容易に形成することができる。
また、図18および図22に示した例では、第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27のx方向の寸法(レンズ幅)が概ね等しくなっている。しかしながら、実施例4の液晶表示装置では、これに限らず、第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27のx方向の寸法を変えてもよい。
また、液晶表示パネル2は、たとえば、第1の基板9上に柱状スペーサを形成し、各画素における液晶層13の厚さ(セルギャップ)が均一になるようにしている。このとき、柱状スペーサの形成位置を、たとえば、保持容量形成部のように集光領域U7から十分に離れた位置にすると、液晶層13に電界を印加したときの配向不良部(たとえば、配向方向の変化が不十分な部分)が集光領域U7におよばないようにすることができる。そのため、実施例4の液晶表示装置は、集光領域U7の配向不良を防ぐことができ、高コントラスト比を得ることができる。
図23乃至図25は、本発明による実施例5の液晶表示装置の概略構成を説明するための模式図である。
図23は、本発明による実施例5の液晶表示装置における画素の配置方法の一例を示す模式平面図である。図24は、第2の薄膜積層体の平面構成の一例を示す模式平面図である。図25は、図24における透過表示領域と第1のマイクロレンズおよび第2のマイクロレンズとの関係の一例を示す模式平面図である。
実施例1乃至実施例4の液晶表示装置は、画素の配置がいわゆる格子状配置であり、縦方向(y方向)および横方向(x方向)の分解能が高い。そのため、実施例1乃至実施例4の液晶表示装置は、たとえば、ウインドウ表示を多用するパーソナルコンピュータ用の液晶ディスプレイなどに適している。
これに対し、たとえば、デジタルスチルカメラの液晶モニタのような、写真などの自然画の表示をする液晶表示装置の場合は、画素の配置を、分解能の方位角依存性が少ないデルタ配置にすることが望ましい。デルタ配置というのは、たとえば、図23に示すように、上下方向(y方向)で隣接する画素の横方向(x方向)の位置が画素ピッチQの半分(Q/2)だけずれており、x方向で隣接する2つの画素と、当該2つの画素の境界の上または下にある1つの画素が、赤色フィルタを有する画素、緑色フィルタを有する画素、および青色フィルタを有する画素になる配置である。
IPS方式の液晶表示装置において画素をデルタ配置にする場合、第2の薄膜積層体12は、たとえば、図24に示すような構成にする。なお、図24においても、隣接する2本の走査信号線GLと隣接する2本の映像信号線DLで囲まれた領域が1つの画素に相当する。
また、画素をデルタ配置にする場合は、通常、個々の画素が概略正方形になるようにする。そのため、画素電極PXは、たとえば、図24に示したように、櫛歯状の部分と平板状の部分とが、x方向に並ぶようにする。またこのとき、各画素の透過表示領域U6は、液晶層13に電界を印加したときの第1のドメイン領域LC1と第2のドメイン領域LC2が上下方向に生じるようにする。
このとき、集光素子として第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27を用いるとすると、それらの配置は、たとえば、図25に示すように、第1のマイクロレンズ26で集光された光が通過する画素の列と、第2のマイクロレンズ27で集光された光が通過する画素の列とが、y方向に交互に並ぶように配置する。
またこのとき、第1のマイクロレンズ26は焦点の位置が液晶層13よりも遠いレンズであり、第2のマイクロレンズ27は焦点の位置が液晶層13よりも近いレンズである。したがって、第1のマイクロレンズ26を形成するときには、数式2から求められる近軸焦点距離または数式3から求められる最良像点距離が、実施例1で説明した第1のシリンドリカルレンズ16と同様の条件を満たすように形成する。また、第2のマイクロレンズ27を形成するときには、数式2から求められる近軸焦点距離または数式3から求められる最良像点距離が、実施例1で説明した第2のシリンドリカルレンズ16と同様の条件を満たすように形成する。
第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27のような平面形状が六角形のレンズの場合も、印刷法で形成すると、通常、レンズ幅(寸法)が大きくなると曲率半径が大きくなる。そのため、第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27の焦点の位置(焦点距離)を変えるには、たとえば、図25に示したように、第1のマイクロレンズ26のy方向のレンズ幅Dを、第2のマイクロレンズ27のy方向のレンズ幅Dよりも広くすればよい。
実施例5の液晶表示装置においても、バックライト1から出射した光は、平面形状が六角形である第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27の集光効果により、各画素の透過表示領域U6における中央付近の集光領域U7に、円状に近い強度分布で集光する。またこのとき、第1のマイクロレンズ26と第2のマイクロレンズ27は、焦点距離(焦点の位置)が異なるので、表示面を斜めに見たときに、第1のドメイン領域LC1を通過した光が主成分の画素と、第2のドメイン領域LC2を通過した光が主成分の画素とがほぼ同数であり、かつ、均等に並んでいる。したがって、実施例5の液晶表示装置は、マルチドメインによる視野角特性の向上と、集光素子(第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27)による光利用効率の向上を両立させることができる。
また、実施例5の液晶表示装置における第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27の平面形状は、六角形に限らず円形であってもよい。また、第1のマイクロレンズ26および第2マイクロレンズ27の平面形状を円形にする場合は、たとえば、カラーフィルタの平面形状を円形にしてもよい。
また、図25に示した例では、第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27のx方向の寸法(レンズ幅)が概ね等しくなっている。しかしながら、実施例5の液晶表示装置では、これに限らず、第1のマイクロレンズ26および第2のマイクロレンズ27のx方向の寸法を変えてもよい。
また、図24に示した例では、1本の映像信号線DLに接続している半導体層20(TFT素子)と当該映像信号線DLとの位置関係が、走査信号線GLをまたぐ毎に反転する千鳥配置になっている。しかしながら、実施例5の液晶表示装置は、これに限らず、1本の映像信号線DLに接続している半導体層20(TFT素子)と当該映像信号線DLとの位置関係が、すべての画素で同じ関係になる整列配置になっていてもよい。
図26および図27は、本発明による実施例6の液晶表示装置の概略構成を説明するための模式図である。
図26は、本発明による実施例6の液晶表示装置における液晶表示パネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。図27は、図26のM−M’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。
実施例1の液晶表示装置では、焦点の位置が液晶層13よりも遠い第1のシリンドリカルレンズ16と、焦点の位置が液晶層13よりも近い第2のシリンドリカルレンズ17とを、透過表示領域U6のドメイン分割方向(y方向)に、1本ずつ交互に配置している。また、実施例1の液晶表示装置では、各シリンドリカルレンズ16,17の軸が、各透過表示領域U6におけるドメイン領域の境界と重なるようにしている。
これに対し、実施例6の液晶表示装置では、たとえば、図26および図27に示すように、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17を、それぞれ、2個一組として、y方向に交互に配置する。
また、実施例6の液晶表示装置では、各シリンドリカルレンズ16,17の軸が、各透過表示領域U6におけるドメイン領域の境界と重ならないようにした。このとき、第1のシリンドリカルレンズ16の組は、互いの軸が遠ざかるように、言い換えると画素の境界から軸までの距離G1が、画素の境界からドメイン領域の境界までの距離G2よりも長くなるように配置した。一方、第2のシリンドリカルレンズ17の組は、互いの軸が近づくように、言い換えると画素の境界から軸までの距離G3が、画素の境界からドメイン領域の境界までの距離G2よりも短くなるように配置した。
このとき、y方向で隣接する2つの画素の組に着目すると、一方の画素の透過表示領域U6を通過する光は、主として第1のドメイン領域LC1を通過した光であり、他方の画素の透過表示領域U6を通過する光は、主として第2のドメイン領域LC2を通過した光である。したがって、実施例6の液晶表示装置は、マルチドメインによる視野角特性の向上と、集光素子(第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17)による光利用効率の向上を両立させることができる。
また、実施例6の液晶表示装置では、各シリンドリカルレンズ16,17の軸とドメイン領域の境界との位置をずらすことで、表示面を斜め方向から見たときの色付きを低減する。そのため、実施例6の液晶表示装置は、実施例1の液晶表示装置と異なり、第1のシリンドリカルレンズ16の焦点の位置が液晶層13よりも遠くなり、第2のシリンドリカルレンズ17の焦点の位置が液晶層13よりも近くなるようにしなくても、表示面を斜め方向から見たときの色付きを低減することができる。すなわち、実施例6の液晶表示装置では、レンズ幅および焦点距離が異なる2種類のシリンドリカルレンズ16,17を用いる代わりに、たとえば、レンズ幅が異なり、かつ、焦点距離が同一の2種類のシリンドリカルレンズを用いることも可能である。その場合、当該2種類のシリンドリカルレンズは、焦点の位置が液晶層13に対して、バックライト1側から遠くなるようにすることが望ましい。
またこのとき、2種類のシリンドリカルレンズの最良像点位置が液晶層13中にくるようにすると、たとえば、透過表示領域U6を通過する光の光量を多くすることができる。また、最良像点位置が液晶層13よりも遠くなるようにすると、たとえば、輝度角度変化をなめらかにすることができる。
また、透過表示領域U6または透過開口率が大きい液晶表示装置は、レンズの軸をずらしたときの透過特性の変化が小さい。そのため、実施例6の集光素子の構成は、特に、透過開口率が大きい液晶表示装置に対して有効である。
また、実施例6の液晶表示装置におけるバックライト1は、出射する光が液晶表示パネル2(第2の偏光板15)の光入射面に対して垂直であることが望ましいが、垂直にならずある角度範囲の間で傾いていてもよい。その場合は、バックライト1から出射する光の出射角度に合わせて、第1のシリンドリカルレンズ16および第2のシリンドリカルレンズ17の位置を調整すればよい。すなわち、バックライト1から出射した光の輝度が最大となる角度の光が、第1のシリンドリカルレンズ16または第2のシリンドリカルレンズ17によって集光されるときに、各シリンドリカルレンズの軸と、透過開口領域U6の中心(ドメイン領域の境界)が光学的に一致していると考えればよい。
以上、本発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはもちろんである。
たとえば、前記実施例では、IPS方式の液晶表示パネル2を例に挙げているが、本発明は、表示モードを限定するものではなく、各画素の透過表示領域がマルチドメイン化されている液晶表示パネルであればよいことはもちろんである。すなわち、本発明の集光手段の構成は、たとえば、マルチドメイン化されたVA(Vertical Alignment)モードの液晶表示パネルなどにも適用できる。
また、前記実施例では各画素の透過表示領域U6が第1のドメイン領域LC1と第2のドメイン領域LC2の2つのドメイン領域に分割される場合を挙げているが、1つの透過開口領域U6におけるドメイン領域の数は適宜変更可能であり、たとえば、4つのドメイン領域に分割される液晶表示パネルや、あるいは放射状に液晶を配向させて配向方向を連続的に変化させている液晶表示パネルに対しても、本発明の集光素子の構成を適用できることはもちろんである。1つの透過表示領域U6を2分割より多く分割する場合には、分割領域の配置に合わせてレンズの焦点距離も2軸方向、あるいはすべての方位で焦点距離を変えることが望ましい。
1 バックライト
2 液晶表示パネル
3 光源
4 導光板
5 第1のプリズムシート
6 第2のプリズムシート
7 反射シート
8 光
9 第1の基板
10 第2の基板
11 第1の薄膜積層体
12 第2の薄膜積層体
13 液晶層
14 第1の偏光板
15 第2の偏光板
16 第1のシリンドリカルレンズ
17 第2のシリンドリカルレンズ
18 遮光膜
19 下地層
20 半導体層
21 第1の絶縁層
22 第2の絶縁層
23 第3の絶縁層
24 第4の絶縁層
25 第3のシリンドリカルレンズ
26 第1のマイクロレンズ
27 第2のマイクロレンズ
U6 透過表示領域
U7 集光領域
LC1 第1のドメイン領域
LC2 第2のドメイン領域
BM ブラックマトリクス
GL 走査信号線
DL 映像信号線
SD ソース電極
PX 画素電極
CT 共通電極
OR1 第1の配向膜
OR2 第2の配向膜

Claims (11)

  1. 第1の基板と第2の基板との間に液晶層が配置された液晶表示パネルと、
    前記液晶層から見て前記第2の基板の後方に配置されたバックライトとを有し、
    前記液晶表示パネルは、前記液晶層に電界を印加して配向方向を変化させることで前記バックライトからの光の透過率が変化する画素を複数有し、
    前記画素は、前記液晶層に電界を印加したときに、前記バックライトからの光が透過する透過表示領域に液晶層の配向方向の変化の仕方が異なる複数の領域が生成する液晶表示装置であって、
    前記第2の基板と前記バックライトとの間には、前記バックライトからの光を前記画素の前記透過表示領域に集光させる集光素子が複数配置されており、
    当該複数の集光素子は、前記バックライト側から平行光を垂直に入射させたときの近軸焦点位置が前記液晶層よりも遠くにある第1の集光素子と、
    前記バックライト側から平行光を垂直に入射させたときの最良像点位置が前記液晶層よりも近くにある第2の集光素子とを有することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記第1の集光素子は、前記バックライト側から平行光を入射させたときの最良像点位置が前記液晶層よりも遠くにあることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記第2の集光素子は、前記バックライト側から平行光を入射させたときの近軸焦点位置が前記液晶層よりも近くにあることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第1の集光素子と前記第2の集光素子は、前記バックライトからの光が入射する面と出射する面のうちの一方が凸曲面であり他方が平面のレンズであり、かつ、レンズ径またはレンズ幅と曲率半径が異なることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  5. 前記集光素子は、シリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  6. 前記集光素子は、前記透過表示領域と一対一の関係になるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  7. ある方向に並んだ複数の前記画素の前記透過表示領域のそれぞれに対して配置される複数の前記集光素子は、千鳥状に並んでいることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
  8. 第1の基板と第2の基板との間に液晶層が配置された液晶表示パネルと、
    前記液晶層から見て前記第2の基板の後方に配置されたバックライトとを有し、
    前記液晶表示パネルは、前記液晶層に電界を印加して配向方向を変化させることで前記バックライトからの光の透過率が変化する画素を複数有し、
    前記画素は、前記液晶層に電界を印加したときに、前記バックライトからの光が透過する透過表示領域に液晶層の配向方向の変化の仕方が異なる複数の領域が生成する液晶表示装置であって、
    前記第2の基板と前記バックライトとの間には、前記バックライトからの光を前記画素の前記透過表示領域に集光させる集光素子が複数配置されており、
    前記集光素子は、曲率を持つ方向と垂直な方向でみた焦点距離が連続的に変化するシリンドリカルレンズであり、かつ、
    前記バックライト側から平行光を垂直に入射させたときの近軸焦点位置が前記液晶層よりも遠くにある第1の集光部と、
    前記バックライト側から平行光を垂直に入射させたときの最良像点位置が前記液晶層よりも近くにある第2の集光部とを有することを特徴とする液晶表示装置。
  9. 前記第1の集光部のレンズ幅が前記第2の集光部のレンズ幅幅よりも広く、かつ、第1の集光部と第2の集光部との間にある部分のレンズ幅が連続的に変化していることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
  10. 第1の基板と第2の基板との間に液晶層が配置された液晶表示パネルと、
    前記液晶層から見て前記第2の基板の後方に配置されたバックライトとを有し、
    前記液晶表示パネルは、前記液晶層に電界を印加して配向方向を変化させることで前記バックライトからの光の透過率が変化する画素を複数有し、
    前記画素は、前記液晶層に電界を印加したときに、前記バックライトからの光が透過する透過表示領域に液晶層の配向方向の変化の仕方が異なる複数の領域が生成する液晶表示装置であって、
    前記第2の基板と前記バックライトとの間には、前記バックライトからの光を前記画素の前記透過表示領域に集光させる集光素子が複数配置されており、
    前記集光素子は、軸の位置が前記透過開口部の中心位置とずれており、かつ、前記集光素子の軸の位置と前記透過開口部の中心位置との位置関係が2通り以上あることを特徴とする液晶表示装置。
  11. 前記集光素子は、前記バックライト側から平行光を垂直に入射させたときの近軸焦点位置が、前記液晶層内、または前記液晶層よりも遠くにあることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013025228A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Stanley Electric Co Ltd 立体表示装置
JP2016142945A (ja) * 2015-02-03 2016-08-08 三菱電機株式会社 液晶表示装置

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