JP2010243429A - 時計 - Google Patents

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Noriaki Ozawa
範明 小澤
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Abstract

【課題】文字板の搬送性を向上できる時計を提供すること。
【解決手段】文字板4は、該文字板4に形成された穴43に、ムーブメント3に突設されたピン32が挿入されることにより、ムーブメント3に固定される。従って、文字板4の固定のために文字板4にピンが突設されることがないので、文字板4を重ねて搬送する際に、文字板4がピンにより嵩さんでしまうことや、ピンにより傷ついてしまうことがなく、文字板4の搬送性を向上させることができる。また、文字板4に穴43が形成されるので、冶具に従来形成される穴にピンを圧入して突設すれば、文字板4を位置決めすることができ、文字板4に係る様々な冶具を新たに製作することなくそのまま利用することができる。すなわち、本発明は、文字板4の設計変更に伴う設備コストを抑えながら、文字板4の搬送性を向上させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、時計に関する。
従来、指針および文字板により時刻表示を行うアナログ表示式の時計において、文字板の裏面側から突設した足を利用して文字板をムーブメントに固定するものが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の時計では、文字板の裏面側に複数の足をロー付け等により突設するとともに、ムーブメント(ムーブメント上に設けられた基板)において前記複数の足に対応する各位置に穴を形成し、これらの穴に前記各足を圧入することにより、文字板をムーブメントに固定する。
特開平7−280954号公報
しかしながら、特許文献1に記載の時計では、文字板に足が突設されているので、文字板を重ねて搬送する際に、ピンの分だけ文字板が嵩んでしまい、搬送器を十分に小型化できないという問題や、ピンにより文字板が傷ついてしまうおそれがある。
本発明の目的は、文字板の搬送性を向上できる時計を提供することにある。
本発明の時計は、ムーブメント上に配置される文字板と、前記文字板上に配置されて前記ムーブメントにより駆動される指針とにより時刻表示を行う時計であって、前記ムーブメントには、複数のピンが突設されているとともに、前記文字板において前記各足に対応する各位置には穴が形成され、前記文字板は、前記各穴に前記各ピンが挿入されることにより、前記ムーブメントに固定されることを特徴とする。
本発明によれば、文字板は、該文字板に形成された穴に、ムーブメントに突設されたピンが挿入されることにより、ムーブメントに固定される。従って、本発明では、文字板の固定のために文字板にピンが突設されることがないので、文字板を重ねて搬送する際に、文字板がピンにより嵩さんでしまうことや、ピンにより傷ついてしまうことがなく、文字板の搬送性を向上させることができる。
ここで、従来、印刷等の製造工程において文字板を位置決めするために用いる各種の冶具には、文字板から突設された足に対応する各位置に穴が形成されており、この穴に文字板の足を挿入することにより文字板を位置決めしている。
この点、本発明では、文字板に穴が形成されるので、従来の冶具の穴にピンを圧入して突設すれば、このピンを文字板の穴に挿入することで文字板を位置決めすることができ、文字板に係る様々な冶具を新たに製作することなくそのまま利用することができる。すなわち、本発明は、文字板の設計変更に伴う設備コストを抑えながら、文字板の搬送性を向上させることができる。
本発明の時計では、前記ピンは、前記ムーブメントに形成された穴に圧入されることにより、前記ムーブメントに突設されていることが好ましい。
背景技術で説明したように、従来、ムーブメントには、文字板の足が挿入される穴が形成されている。
本発明では、この穴にピンを圧入することでムーブメントにピンを突設することができるので、従来のムーブメントに特別な加工を施す必要がなく、従来のムーブメントをそのまま利用して文字板を固定することができる。従って、本発明は、従来の冶具に加えてムーブメントをもそのまま利用することができるので、文字板の設計変更に伴う種々のコストを抑えつつ、文字板の搬送性を向上させることができる。
加えて、従来は、文字板にロー付け等により足を突設していたので、足の付け根が弱く、時計が落下した際などにその衝撃により足が折れてしまうおそれがあった。これに対し、本発明では、ムーブメントに形成された穴にピンを圧入することによりムーブメントにピンを突設するので、ピンを強固に設けることができ、落下衝撃による折れを防ぐことができる。
本発明の時計では、前記時計の外装ケースの内側には、前記文字板の側面に沿って対向配置される文字板押さえ部が形成され、前記文字板押さえ部と前記文字板の側面との間には、僅かな隙間が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、文字板の側面に沿って対向配置される文字板押さえ部と文字板の側面との間には、僅かな隙間が形成されているので、時計の落下衝撃が文字板に加わえられた際に、この隙間分、文字板を瞬間的に変位させることができ、文字板に加わる衝撃を和らげることができる。従って、これによりピンに加わる衝撃も和らげることができ、落下衝撃によるピンの折れを確実に防ぐことができる。
本発明の一実施形態に係る時計を示す外観図。 前記実施形態の時計の断面を模式的に示す図。 前記実施形態のムーブメントおよび文字板を示す斜視図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る時計1を示す外観図である。
時計1は、図1に示すように、外装ケース2と、外装ケース2内に収容されたムーブメント3と、ムーブメント3上に配置された文字板4と、文字板4上に配置されてムーブメント3により駆動される時針11、分針12、秒針13とを備え、これら指針11〜13および文字板4により時刻表示を行うアナログ表示式の時計として構成されている。
図2は、時計1の断面を模式的に示す図である。
外装ケース2は、図2に示すように、筒状の胴21と、胴21の表側に取り付けられたリング状の縁部材22と、縁部材22に嵌合されたカバーガラス23と、胴21の裏側に取り付けられた裏蓋24とを備えている。縁部材22の内周面には、内側に突出した見切部221が設けられており、縁部材22は、この見切部221により、カバーガラス23を支持するとともに、文字板4の縁部上面を押さえている。また、この縁部材22および胴21には、内側に文字板4が配置され、文字板4の側面44に沿って対向配置される文字板押さえ部25が形成されている。
ムーブメント3は、駆動源としてステッピングモーターを用いる電子式や、駆動源としてゼンマイを用いる機械式、駆動源としてゼンマイを用い、このゼンマイで駆動される発電機で調速する電子制御式機械式として構成され、指針11〜13の運針を駆動制御する。
図3は、ムーブメント3および文字板4を示す斜視図である。
このようなムーブメント3の上面31(具体的には樹脂製または金属製の地板)には、図3に示すように、複数の金属製のピン32が突設されている。ここで、従来、背景技術で説明したように、ムーブメント3の上面31には、文字板固定用の穴33が複数形成されており、文字板の裏面側に突設された足をこの穴33に圧入することにより、文字板をムーブメント3に固定していた。そこで、本実施形態では、このムーブメント3の上面31に形成される文字板固定用の穴33を利用してピン32を突設する。すなわち、本実施形態では、従来のムーブメント3をそのまま利用しており、従来ムーブメント3に形成される各穴33にそれぞれピン32を圧入することにより、ムーブメント3の上面31に複数のピン32を突設している。
文字板4は、金属製とされ、中央には、指針11〜13を駆動する軸34(図2)が挿通する挿通孔41が形成されている。このような文字板4の裏面42側において、前記各ピン32に対応する各位置には、凹状の穴43が形成されている。本実施形態では、文字板4は、この凹状の各穴43にムーブメント3に突設された各ピン32が挿入されることにより、ムーブメント3に固定される。従って、本実施形態では、文字板4にピンが突設されることがないので、文字板4を重ねて搬送する際に、文字板4がピンにより嵩さんでしまうことや、ピンにより傷ついてしまうことがなく、文字板4の搬送性を向上させることができる。
図2に戻って、縁部材22および胴21の内側には、前述したように、このような文字板4の側面44に沿って対向配置される文字板押さえ部25が形成されている。この文字板押さえ部25と文字板4の側面44との間には、僅かな隙間Sが形成されている。この隙間Sにより、本実施形態では、時計1の落下衝撃が文字板4に加わえられた際に、文字板4を瞬間的に平面方向に変位させることができ、文字板4に加わえられる衝撃を和らげることができるので、ひいてはピン32に加わる衝撃を和らげることができ、落下衝撃によるピン32の折れを防ぐことができる。
以上の本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
文字板4は、該文字板4に形成された穴33に、ムーブメント3に突設されたピン32が挿入されることによりムーブメント3に固定される。従って、文字板4の固定のために文字板4にピンが突設されることがないので、文字板4を重ねて搬送する際に、文字板4がピンにより嵩さんでしまうことや、ピンにより傷ついてしまうことがなく、文字板4の搬送性を向上させることができる。
従来、印刷等の製造工程において文字板を位置決めするために用いる各種の冶具には、文字板から突設された足に対応する各位置に穴が形成されており、この穴に文字板の足を挿入することにより文字板を位置決めしている。この点、本実施形態では、文字板4に穴43が形成されるので、従来の冶具の穴にピン32を圧入して突設すれば、このピン32を文字板4の穴43に挿入することで文字板4を位置決めすることができ、文字板4に係る様々な冶具を新たに製作することなくそのまま利用することができる。すなわち、本実施形態は、文字板4の設計変更に伴う設備コストを抑えながら、文字板4の搬送性を向上させることができる。
従来、ムーブメント3には、文字板の足が挿入される穴33が形成されている。本実施形態では、この穴33にピン32を圧入することでムーブメント3にピン32を突設するので、従来のムーブメント3に特別な加工を施す必要がなく、従来のムーブメント3をそのまま利用して文字板4を固定することができる。従って、本実施形態は、従来の冶具に加えてムーブメント3をもそのまま利用することができるので、文字板4の設計変更に伴う種々のコストを抑えつつ、文字板4の搬送性を向上させることができる。
加えて、従来は、文字板にロー付け等により足を突設していたので、足の付け根が弱く、時計が落下した際などにその衝撃により足が折れてしまうおそれがあった。これに対し、本実施形態では、ムーブメント3に形成された穴33にピン32を圧入することによりムーブメント3にピン32を突設するので、ピン32を強固に設けることができ、落下衝撃による折れを防ぐことができる。
文字板4の側面44に沿って対向配置される外装ケース2の文字板押さえ部25と、文字板4の側面44との間には、僅かな隙間Sが形成されているので、時計1の落下衝撃が文字板4に加わえられた際に、この隙間S分、文字板4を瞬間的に変位させることができ、文字板1に加わる衝撃を和らげることができる。従って、これによりピン32に加わる衝撃も和らげることができ、落下衝撃によるピン32の折れを確実に防ぐことができる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、ピン32は、ムーブメント3に従来形成される穴33に圧入されることで、ムーブメント3に突設されていたが、ピン32は、ムーブメント3にインサート成形されることにより、ムーブメント3に突設されていてもよい。また、前記実施形態では、ピン32は金属製であったが、ピンは樹脂製であってもよく、ムーブメント3の樹脂製の地板と一体に形成されていてもよい。
前記実施形態では、文字板4に形成される穴43は、文字板4を貫通しない凹状の穴であったが、文字板4に形成される穴は、文字板4を貫通する穴であってもよい。
1…時計、2…外装ケース、3…ムーブメント、4…文字板、11〜13…指針、25…文字板押さえ部、32…ピン、33…ムーブメントの穴、43…文字板の穴、44…文字板の側面、S…隙間。

Claims (3)

  1. ムーブメント上に配置される文字板と、前記文字板上に配置されて前記ムーブメントにより駆動される指針とにより時刻表示を行う時計であって、
    前記ムーブメントには、複数のピンが突設されているとともに、前記文字板において前記各足に対応する各位置には穴が形成され、
    前記文字板は、前記各穴に前記各ピンが挿入されることにより、前記ムーブメントに固定される
    ことを特徴とする時計。
  2. 請求項1に記載の時計において、
    前記ピンは、前記ムーブメントに形成された穴に圧入されることにより、前記ムーブメントに突設されている
    ことを特徴とする時計。
  3. 請求項1または請求項2に記載の時計において、
    前記時計の外装ケースの内側には、前記文字板の側面に沿って対向配置される文字板押さえ部が形成され、
    前記文字板押さえ部と前記文字板の側面との間には、僅かな隙間が形成されている
    ことを特徴とする時計。
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