JP2010243374A - ナノ粒子の粒径測定装置及びナノ粒子の粒径測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、ナノ粒子の粒径を精度よく測定することのできるナノ粒子の粒径測定装置とナノ粒子の粒径測定方法を提供する。
【解決手段】粒径が100nm以下のナノ粒子21を媒体22中に分散させた試料23が収納された測定用セル20に光源11からレーザー光を照射し、ナノ粒子21からの散乱光のうち散乱角がθである散乱光Bを検出器13で検出する際に、レーザー光の波長をλ=355nmとし、かつ、検出器13を測定用セル20から5cmの位置に配置して検出感度を大幅に向上させるとともに、測定用セル20と検出器13との間に二重スリット14を設けて、散乱角がθの散乱光Bのみを検出するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、タンパク質やポリマー粒子などの粒径が100nm以下のナノ粒子の粒径を、動的光散乱法を用いて測定するナノ粒子の粒径測定装置とナノ粒子の粒径測定方法に関するものである。
従来、粒径が100nm以下のナノ粒子の粒径を測定する方法として、図8に示すように、溶液50中に分散しブラウン運動しているナノ粒子51にレーザー光源52からレーザー光を照射してその散乱光を検出器53により検出して演算装置54に出力し、演算装置54にて、この検出された散乱光の時間的なゆらぎ(経時変化)から、ナノ粒子51の粒径を測定する動的光散乱法が知られている。なお、同図において、符号55は散乱光を増幅する光増幅器で、符号56は増幅された散乱光の信号をデジタル信号に変換するA/D変換器である(例えば、特許文献1参照)。
動的光散乱法では、散乱光の経時変化から光子相関法により自己相関関数を求め、この自己相関関数を解析して溶液中のナノ粒子のブラウン運動速度によって決まる拡散係数を求める。そして、拡散係数からナノ粒子の粒径を算出する。相関関数は、g(t)=exp(−t/τ)のように、指数関数的に減少する。τは相関時間で、τが大きいほど自己相関が大きく、粒子同士が重なりあい拡散速度が遅くなる。逆に、τが小さいと自己相関が小さく、粒子の拡散速度は速くなる。すなわち、溶液中においては、粒径の小さな粒子の方が拡散しやすい。したがって、散乱光の経時変化から相関時間τを求めることにより、溶液中の粒子の粒径を測定することができる。
特開2003−254888号公報
しかしながら、従来の動的光散乱法では、微弱な散乱光を検出していることから、測定感度が十分ではなく、そのため、検出精度が十分とはいえなかった。特に、パイプ中を移送されるナノ粒子のように、ナノ粒子が分散された溶液が流動している場合には、測定感度が更に低下するので、オンラインでナノ粒子の粒径を測定することが困難であった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、ナノ粒子の粒径を精度よく測定することのできるナノ粒子の粒径測定装置とナノ粒子の粒径測定方法を提供することを目的とする。
本願の請求項1に記載の発明は、ナノ粒子を媒体中に分散させた試料にレーザー光を照射する光源と、前記光源と前記試料との間に設置された回折格子と、前記ナノ粒子からの散乱光の強度を検出する検出器と、この検出された散乱光の強度の経時変化から前記ナノ粒子の粒径を測定する粒径測定手段とを備えたナノ粒子の粒径測定装置であって、前記レーザー光の波長が紫外線領域にあり、前記試料と前記検出器との間隔が2cm〜10cmの範囲にあることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナノ粒子の粒径測定装置において、前記試料と前記検出器との間に、二重スリットが配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のナノ粒子の粒径測定装置であって、前記試料が移動可能な流路と、前記試料を前記流路内に供給するとともに、前記試料を所定の流速で前記流路内を流動させる手段と、前記試料の流速vを計測する手段とを備え、前記粒径測定手段は、検出した散乱光の強度の経時変化から求めた前記ナノ粒子の自己相関関数を、前記計測された流速vを変数とする以下の式にフィッティングさせて、前記ナノ粒子の相関時間τを算出し、この算出された相関時間τを用いて前記ナノ粒子の粒径を測定することを特徴とする。
g(t)=exp(−t/τ)・cos(Kvt) (K;散乱ベクトルの大きさ)
また、請求項4に記載の発明は、ナノ粒子を媒体中に分散させた試料を所定の流速で流路内を流動させながら、前記ナノ粒子の粒径を測定するナノ粒子の粒径測定方法であって、前記試料の流速vを計測するステップと、前記試料にレーザー光を照射して前記ナノ粒子からの散乱光の強度を検出するステップと、前記検出された散乱光の強度の経時変化から前記ナノ粒子の自己相関関数を算出するステップと、前記計測された流速vを変数とする以下の式に示す相関関数の理論式に前記算出された自己相関関数をフィッティングさせて前記ナノ粒子の相関時間τを算出するステップと、この算出された相関時間τを用いて前記ナノ粒子の拡散速度を算出するステップと、前記拡散速度から前記ナノ粒子の粒径を測定するステップとを備えたことを特徴とする。
g(t)=exp(−t/τ)・cos(Kvt) (K;散乱ベクトルの大きさ)
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
本発明の実施の形態1に係るナノ粒子の粒径測定装置の概要を示す図である。 散乱強度の時系列波形と相関関数を示す図である。 検出器と測定用セルとの間隔を変えたときの相関関数を比較した図である。 ヘテロダイン検出による相関関数のS/N比とホモダイン検出による相関関数のS/N比とを比較した図である。 本実施の形態2に係るナノ粒子の粒径測定装置の概要を示す図である。 本実施の形態2に係るナノ粒子の粒径測定方法を示すフローチャートである。 流動状態におけるナノ粒子の相関関数の一例を示す図である。 従来のナノ粒子の粒径測定装置の概要を示す図である。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るナノ粒子の粒径測定装置10の概要を示す図である。
ナノ粒子の粒径測定装置10は、光源11と、回折格子12と、検出器13と、二重スリット14と、相関時間算出手段18と粒径算出手段19とを有する演算手段15と、測定用セル20とを備える。
測定用セル20は、ガラス等の透明な容器から成り、この測定用セル20内に、ナノ粒子21を媒体22中に分散させた試料23が収納される。
光源11は、測定用セル20に収納された試料23に、波長がλ=355nmの単色のレーザー光を照射する。
以下、同図の左側である測定用セル20の光源11側を前方、同図の右側である測定用セル20の光源11とは反対側を後方という。
回折格子12は、光源11と測定用セル20との間に配置されて、入射光Aの一部をレーザー光の照射角度から所定の角度θだけずらした方向に回折させる。この回折されたレーザー光を、以下、参照光Cという。回折格子12は、参照光Cの回折格子12からの出射方向が検出器13の検出する散乱光Bの散乱角θと等しくなるように設定する。
検出器13は、測定用セル20の後方で、入射光Aの方向から前記所定角度θだけずれた方向に設置されて、測定用セル20内のナノ粒子21により散乱された散乱光のうちの前記所定角度θ方向に散乱された散乱光(散乱角がθである散乱光)Bと前記回折格子12で回折された参照光Cとを検出する。
本例では、散乱角θを20°に設定するとともに、検出器13と測定用セル20との間隔Lを5cmに設定した。
検出器13では、波長が同じである散乱光Bと参照光Cとが混合された光を検出する(ヘテロダイン検出)ので、散乱光Bの強度は増幅される。
二重スリット14は、測定用セル20と検出器13との間に配置されて、散乱角がθである散乱光Bと参照光Cだけを検出器13に入力させるよう機能する。
演算手段15は、パーソナルコンピュータ等のソフトウェアにより構成され、記憶手段16と波形演算手段17と相関時間算出手段18と粒径算出手段19とを備える。この相関時間算出手段18と粒径算出手段19とが、粒径測定手段を構成する。
記憶手段16は、検出器13でヘテロダイン検出されて増幅された散乱光Bの強度のデータを時系列的に記憶して保存する。
波形演算手段17は、記憶手段16に保存された散乱光Bの強度のデータを用いて、図2(a)に示すような、散乱光の経時変化を表す散乱強度の時系列波形を演算する。
相関時間算出手段18は、波形演算手段17で演算された散乱強度の時系列波形を用いて、図2(b)に示すような、散乱光Bの相関関数g(t)=exp(−t/τ)を求め、ナノ粒子21の相関時間τを算出する。
粒径算出手段19は、相関時間算出手段18で算出された相関時間τと以下の式(1)とを用いて、ナノ粒子21の拡散係数Dを算出した後、この拡散係数Dと以下の式(2)とを用いて、ナノ粒子21の流体力学的半径Rを算出する。この流体力学的半径Rを2倍したものが当該ナノ粒子の粒径となる。
D=1/(τK2) ……(1)
R=kT/(6πηD) ……(2)
なお、式(1),(2)において、Kは散乱ベクトルの大きさ、kはボルツマン定数、Tは溶液の温度、ηは溶液(試料23)の粘度である。
次に、ナノ粒子の粒径測定装置10を用いて、媒体22中に分散させたナノ粒子21の粒径を測定する方法について説明する。なお、ナノ粒子としては例えばたんぱく質、糖、DNA等が挙げられる。
まず、ナノ粒子21を媒体22中に分散させた試料23を測定用セル20に収納し、この測定用セル20内の試料23に、波長がλ=355nmのレーザー光を照射するとともに、ナノ粒子21からの散乱光のうち散乱角がθである散乱光Bを検出器13で検出する。
演算手段15では、検出された散乱光Bの強度のデータから、散乱光Bの経時変化を表す散乱強度の時系列波形を演算し、この演算された散乱強度の時系列波形を用いて散乱光Bの相関関数g(t)を求め、ナノ粒子21の相関時間τを算出する。そして、この相関時間τからナノ粒子21の拡散係数Dを算出し、拡散係数Dと流体力学的半径Rとの関係から当該ナノ粒子の粒径を算出する。
本例では、ナノ粒子21に照射するレーザー光の波長を、従来のλ=532nmからλ=355nmとすることで、ナノ粒子21により散乱される光子のエネルギーを大きくするとともに、検出器13と測定用セル20との間隔Lを、従来の20cmから5cmとすることにより、散乱光Bの減衰量を小さくしている。これにより、検出器13で検出されるナノ粒子21からの散乱光Bの強度を大きくすることができるので、相関関数g(t)を精度良く求めることができる。
図3は、試料23としてポリスチレンラテックス標準溶液(粒径;51±7nm)を用い、検出器13と測定用セル20との間隔Lを、20cm、15cm、10cmと小さくしていったときの相関関数を比較したグラフである。同図の太い実線で示した曲線が理論値である。この理論値は、相関時間を粒径が51nmのポリスチレン粒子の相関時間τ0とした相関関数g(t)=exp(−t/τ0)の値である。
同図から、検出器13と測定用セル20との間隔Lが小さいほど、相関関数は理論値に近づき、間隔Lが10cmになるとほぼ理論値と一致することがわかる。
また、検出器13に散乱角がθ=20°の散乱光B以外の散乱光が入射すると、散乱強度の経時変化に粒径の異なる粒子の揺らぎの成分が混じってしまい、粒径の測定精度が低下するが、本例では、図1に示すように、測定用セル20と検出器13との間に二重スリット14を設けて、散乱角がθである散乱光Bのみを検出するようにしているので、検出感度を更に向上させることができる。
また、本例では、散乱光Bに回折格子12で回折された参照光Cが混合された光を検出するヘテロダイン検出を行なうことにより、散乱光Bの強度を増幅するようにしている。
図4に示すように、ヘテロダイン検出した散乱光Bの強度の経時変化から求めた相関関数g(t)は、ホモダイン検出(散乱光Bのみを検出)した散乱光Bの強度の経時変化から求めた相関関数g’(t)に比べて格段にS/N比が向上する。
また、本例では、散乱角θを20°に設定している。これは、散乱光Bの強度を大きくするためである。一方、散乱角θが小さいとノイズも増大するが、本例では、ヘテロダイン検出を行っているので、散乱角θを小さくしても十分なS/N比を確保することができる。
このように、本実施の形態1によれば、粒径が100nm以下のナノ粒子21を媒体22中に分散させた試料23が収納された測定用セル20に光源11からレーザー光を照射し、ナノ粒子21からの散乱光のうち散乱角がθである散乱光Bを検出器13で検出する際に、レーザー光の波長をλ=355nmとするとともに、検出器13を測定用セル20から5cmの位置に配置したので、検出感度を大幅に向上させることができるだけでなく、粒径が10nm以下のシングルナノ粒子の粒径についても測定することができる。
また、測定用セル20と検出器13との間に二重スリット14を設けて、散乱角がθの散乱光Bのみを検出するようにしたので、粒径の測定精度を向上させることができる。
また、検出器13と測定用セル20との間隔Lを短くしたので、装置の小型化を図ることができる。
なお、前記実施の形態1では、波長がλ=355nmのレーザー光を照射する光源11を用いたが、光源11の照射するレーザー光の波長はこれに限るものではなく、紫外線領域(λ=100nm〜450nm)にあれば、十分にナノ粒子21の粒径の検出感度を向上させることができる。
また、検出器13と測定用セル20との間隔Lとしては、2cm〜10cmの範囲とすることが好ましい。Lが10cmを超えると、図3に示すように、求めた相関関数g(t)が理論値から外れてしまう。Lが2cm未満であると、測定用セル20の壁からの反射光の影響のためS/N比が低下するだけでなく、二重スリット14の設置が難しくなるので、Lは2cm〜10cmの範囲がよい。
また、前記例では、散乱角θを20°に設定したが、これに限るものではなく、測定用セル20の形状や大きさ、検出器13や二重スリット14の配置スペース等により適宜決定すればよい。
実施の形態2.
前記実施の形態1では、非流動状態におけるナノ粒子21の粒径を測定する場合について説明したが、図5に示すような、実施の形態1の粒径測定装置10と同様の構成の粒径測定装置10Zを用いることにより、流動状態におけるナノ粒子21の粒径を測定することも可能である。
同図において、11は光源、12は回折格子、13は検出器、14は二重スリット、15Zは演算手段、30は測定流路、31は溶液供給手段、32は流速計測手段である。
演算手段15Zは、記憶手段16と波形演算手段17と相関時間算出手段18Zと粒径算出手段19とを備える。
粒径測定装置10Zは、測定用セル20に代えて測定流路30を設けたこと、溶液供給手段31と流速計測手段32とを備えたこと、及び演算手段15Zに設けられた相関時間算出手段18Zが実施の形態1の相関時間算出手段18と異なること以外は、粒径測定装置10と同一構成であるので、当該同一構成についてはその説明を省略する。
測定流路30としては、例えば、マイクロチップのような、スライドガラス程度の大きさのガラス内に溝を形成してこれを流路としたものが用いられる。
溶液供給手段31は、シリンジポンプのような、溶液を流路内に供給するとともに、供給した溶液を流路内で所定の流速で移動させる形態のものが用いられる。
測定流路30には、溶液供給手段31により、ナノ粒子21が媒体22中に分散された試料23が供給される。この試料23は、図5の下方の溶液供給手段31側から、上方の図示しない溶液回収容器の方向に一定の流速vで移動する。
流速計測手段32は、測定流路30の溶液供給手段31とは反対側に設置されて、試料23の流速vを計測し、この計測された流速vのデータを演算手段15Zの相関時間算出手段18Zに出力する。
相関時間算出手段18Zは、波形演算手段17で演算された散乱強度の時系列波形を用いて相関関数を求め、この自己相関関数に、前記計測された流速vを変数とする以下の式(3)に示す相関関数の理論式にフィッティングさせて、ナノ粒子の相関時間τを算出する。
g(t)=exp(−t/τ)・cos(Kvt) ……(3)
K;散乱ベクトルの大きさ
次に、ナノ粒子の粒径測定装置10Zを用いて、流動下でのナノ粒子21の粒径を測定する方法について、図6のフローチャートを参照して説明する。
まず、溶液供給手段31により、ナノ粒子21を媒体22中に分散させた試料23を測定流路30内に供給するとともに、測定流路30内で試料23を一定の流速vで移動させる(ステップS10)。そして、流速計測手段32により流速vを計測し(ステップS11)、流速vが安定した状態で、測定流路30内の試料23に、波長がλ=355nmのレーザー光を照射するとともに、前記ナノ粒子21からの散乱光のうち散乱角がθである散乱光Bを検出器13で検出して、この検出された散乱光Bの散乱強度のデータを演算手段15Zに送る(ステップS12)。
次に、波形演算手段17にて、検出された散乱光Bの強度のデータから、散乱光Bの経時変化を表す散乱強度の時系列波形を演算した後(ステップS13)、相関時間算出手段18Zにて、この演算された散乱強度の時系列波形を用いて散乱光Bの相関関数を求める(ステップS14)。
図7(a),(b)は、相関時間算出手段18Zで求めた相関関数の一例を示す図で、(a)図は流速がv=0.8μL/min.のときの相関関数を示すグラフで、(b)図は流速がv=1.5μL/min.のときの相関関数を示すグラフである。
これらの相関関数のグラフは、いずれも、非流動時の相関関数g(t)=exp(−t/τ)とは異なり、相関関数の値が余弦関数的に変化している。
相関時間算出手段18Zでは、この相関関数を、前記計測された流速vを変数とする上記式(3)にフィッティングさせて、前記ナノ粒子の相関時間τを算出する(ステップS15)。
そして、前記算出された相関時間τを用いて前記ナノ粒子21の拡散係数Dを算出し(ステップS16)、最後に、拡散係数Dと流体力学的半径Rとの関係から当該ナノ粒子21の粒径を算出する(ステップS17)。
このように、散乱光Bの強度の経時変化からナノ粒子の自己相関関数を算出し、この自己相関関数を計測された流速vを変数とする相関関数の理論式にフィッティングさせてナノ粒子の相関時間τを算出するようにすれば、流動下においても、粒径が100nm以下のナノ粒子21の粒径を精度よく測定することができるだけでなく、粒径が10nm以下のシングルナノ粒子の粒径についても測定可能となる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
本発明によれば、簡単な構成で、ナノ粒子の粒径を精度よく測定することができるので、オンラインで例えば粒径が10nmを切るようなシングルナノ粒子の粒径測定も可能となる。したがって、ナノ粒子の粒径測定を簡便にかつ効率よく行うことができる。また、流動状態にあるナノ粒子の粒径も精度よく測定することができるので、例えば血液中や製造途上における薬液中に存在するナノ粒子の粒径を流動状態のままオンラインで測定することが可能である。
10 ナノ粒子の粒径測定装置、11 光源、12 回折格子、13 検出器、
14 二重スリット、15 演算手段、16 記憶手段、17 波形演算手段、
18 相関時間算出手段、19 粒径算出手段、20 測定用セル、21 ナノ粒子、
22 媒体、23 試料、
30 測定流路、31 溶液供給手段、32 流速計測手段。

Claims (4)

  1. ナノ粒子を媒体中に分散させた試料にレーザー光を照射する光源と、前記光源と前記試料との間に設置された回折格子と、前記ナノ粒子からの散乱光の強度を検出する検出器と、この検出された散乱光の強度の経時変化から前記ナノ粒子の粒径を測定する粒径測定手段とを備えたナノ粒子の粒径測定装置であって、
    前記レーザー光の波長が紫外線領域にあり、
    前記試料と前記検出器との間隔が2cm〜10cmの範囲にあることを特徴とするナノ粒子の粒径測定装置。
  2. 前記試料と前記検出器との間に、二重スリットが配置されていることを特徴とする請求項1に記載のナノ粒子の粒径測定装置。
  3. 前記試料が移動可能な流路と、
    前記試料を前記流路内に供給するとともに、前記試料を所定の流速で前記流路内を流動させる手段と、
    前記試料の流速vを計測する手段とを備え、
    前記粒径測定手段は、検出した散乱光の強度の経時変化から求めた前記ナノ粒子の自己相関関数を、前記計測された流速vを変数とする以下の式にフィッティングさせて、前記ナノ粒子の相関時間τを算出し、この算出された相関時間τを用いて前記ナノ粒子の粒径を測定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナノ粒子の粒径測定装置。
    g(t)=exp(−t/τ)・cos(Kvt) (K;散乱ベクトルの大きさ)
  4. ナノ粒子を媒体中に分散させた試料を所定の流速で流路内を流動させながら、前記ナノ粒子の粒径を測定するナノ粒子の粒径測定方法であって、
    前記試料の流速vを計測するステップと、
    前記試料にレーザー光を照射して前記ナノ粒子からの散乱光の強度を検出するステップと、
    前記検出された散乱光の強度の経時変化から前記ナノ粒子の自己相関関数を算出するステップと、
    前記計測された流速vを変数とする以下の式に示す相関関数の理論式に前記算出された自己相関関数をフィッティングさせて前記ナノ粒子の相関時間τを算出するステップと、
    この算出された相関時間τを用いて前記ナノ粒子の拡散速度を算出するステップと、
    前記拡散速度から前記ナノ粒子の粒径を測定するステップとを備えたことを特徴とするナノ粒子の粒径測定方法。
    g(t)=exp(−t/τ)・cos(Kvt) (K;散乱ベクトルの大きさ)
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