JP2010243255A - 反応度制御装置および高速炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】補償用制御棒の反応度補償機能を維持しつつ補償用制御棒による中性子遮蔽効果を低減でき、停止用制御棒の反応度価値低下が抑えられる反応度制御技術を提供すること。
【解決手段】本発明では、高速炉の起動・停止を行うと共に経時的な反応度低下を回復させて長期間の連続運転を可能にする反応度制御装置において、炉心に形成される反応度制御チャンネル内で内側と外側とに領域分割される制御棒案内路(内側チャンネル15、外側チャンネル16)を形成し、各制御棒案内路で制御棒を独立して昇降駆動させる制御棒案内機構10と、内側チャンネル15で昇降駆動され、高速炉の起動または停止に際して反応度調節を行う停止用制御棒20と、外側チャンネル13で昇降駆動され、停止用制御棒20の反応度価値よりも小さい反応度価値を有して経時的な反応度低下を回復させる補償用制御棒30とを備えるようにした。
【選択図】 図4

Description

本発明は、高速炉の反応度制御技術に係り、特に、経時的な反応度低下を回復させながら長期間の連続運転を可能にする反応度制御装置および高速炉に関する。
近年、核燃料の交換を行うことなく数十年間の連続運転が可能な高速炉が提案されている(特許文献1〜3参照)。高速炉が備える反応度制御装置は、炉心を取り囲む反射体の昇降駆動を通じ、原子炉運転初期の過剰な反応度を抑えつつ核燃料の燃焼進行に伴う経時的な反応度低下を補償する。
最近、反応度制御装置として、反射体の昇降駆動と組み合わせ、炉心内で停止用制御棒および補償用制御棒を挿抜駆動させることで反射体の負荷軽減を図り、反射体の核的および機械的な劣化進行を抑えるようにした反応度制御装置が提案されている(特許文献4)。この特許文献4で説明される反応度制御装置では、燃料集合体の配置間スペースの一部を制御棒案内路とし、この制御棒案内路の内部で停止用制御棒および補償用制御棒を昇降させる。
図18は従来の反応度制御装置の作用説明図であり、(a)は原子炉起動前において反応度制御装置1aの停止用制御棒2aおよび補償用制御棒3aが共に炉心4aに挿入された状態を示し、(b)は原子炉起動時に停止用制御棒2aが炉心4aから引き抜かれた状態を示し、(c)は核燃料の燃焼に伴って低下した反応度を回復させるために補償用制御棒3aが炉心4aから引き抜かれた状態を示し、(d)は原子炉停止時に停止用制御棒2aが炉心4aに挿入された状態を示したものである。
特開平4−81694号公報 特開平4−194780号公報 特開平6−51082号公報 特開2006−337215号公報
従来の反応度制御装置1aにあっては、原子炉の運転に伴って停止用制御棒2aと補償用制御棒3aが相互に接近してくると反応度価値の干渉が比較的大きくなってくる。すなわち、炉心4aで発生する中性子が停止用制御棒2aの周囲に配置される補償用制御棒3aに吸収されるという中性子遮蔽効果が大きくなり、停止用制御棒2aの位置における中性子フラックスが低下する。そのため、反応度制御装置1aにあっては、停止用制御棒2aの反応度価値が高速炉の連続運転に伴って低下する方向に変動してくる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、補償用制御棒の反応度補償機能を維持しつつ補償用制御棒による中性子遮蔽効果を低減でき、もって停止用制御棒の反応度価値低下が抑えられる反応度制御装置および高速炉を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明に係る反応度制御装置では、高速炉の起動・停止を行うと共に経時的な反応度低下を回復させて長期間の連続運転を可能にする反応度制御装置において、炉心内で内側と外側とに領域分割される制御棒案内路を形成し、各制御棒案内路で制御棒を独立して昇降駆動させる制御棒案内機構と、前記内側の制御棒案内路で昇降駆動され、高速炉の起動または停止に際して反応度調節を行う停止用制御棒と、前記外側の制御棒案内路で昇降駆動され、停止用制御棒の反応度価値よりも小さい反応度価値を有して経時的な反応度低下を回復させる補償用制御棒とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る反応度制御装置では、高速炉の起動・停止を行うと共に経時的な反応度低下を回復させて長期間の連続運転を可能にする反応度制御装置において、炉心内で内側と外側とに領域分割される制御棒案内路を形成し、各制御棒案内路で制御棒を独立して昇降駆動させる制御棒案内機構と、前記外側の制御棒案内路で昇降駆動され、高速炉の起動または停止に際して反応度調節を行う停止用制御棒と、前記内側の制御棒案内路で昇降駆動され、高速炉の経時的な反応度低下を回復させる補償用制御棒とを備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係る高速炉では、前記反応度制御装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、補償用制御棒の反応度補償機能を維持しつつ補償用制御棒による中性子遮蔽効果を低減でき、もって停止用制御棒の反応度価値低下が抑えられる。
本発明に係る反応度制御装置を備えた高速炉を示す図。 図1のII−II線断面図。 本発明に係る反応度制御装置の第1実施形態を示す図。 図3のIV−IV線断面図。 本発明に係る反応度制御装置の第2実施形態を示す図。 図5の部分長中性子吸収材のバリエーションを示す図。 本発明に係る反応度制御装置の第3実施形態を示す図。 本発明に係る反応度制御装置の第4実施形態を示す図。 本発明に係る反応度制御装置の第5実施形態を示す図。 本発明に係る反応度制御装置の第6実施形態を示す図。 本発明に係る反応度制御装置の第7実施形態を示す図。 本発明に係る反応度制御装置の第8実施形態を示す図。 本発明に係る反応度制御装置の第9実施形態を示す図。 本発明に係る反応度制御装置の第10実施形態を示す図。 本発明に係る反応度制御装置の第11実施形態を示す図。 本発明に係る反応度制御装置の第12実施形態を示す図。 本発明に係る反応度制御装置の第12実施形態を示す図。 従来の反応度制御装置の作用説明図。
本発明に係る反応度制御装置および高速炉の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の高速炉100は、原子炉容器101に収容される炉心102を有する。炉心102は、図2に示すように、断面六角形の18体の燃料集合体103がハニカム状に稠密配置されて円柱状ないし角柱状を呈し、中央には断面六角形の反応度制御チャンネルを有する。炉心102は、炉心槽105により外周が取り囲まれ保護される。
炉心槽105の外側には、炉心102を取り囲むようにして反射体106が設けられる。反射体106は、反射体駆動装置107に反射体駆動軸108を介して連結される。反射体106は、反射体駆動装置107により昇降駆動されて炉心102から漏れ出る中性子量を調整し、高速炉100の反応度を長期間にわたって調節する。
反射体106の外側には、反射体106を取り囲むようにして円筒状の隔壁109が設けられる。原子炉容器101と隔壁109の間には一次冷却材110(例えば、液体ナトリウム)の流路が形成され、この流路に遮蔽体111が配置される。遮蔽体111は、炉心102を取り囲むように設けられ、反射体106と同様に高速炉100の反応度を長期間にわたって調節する役割も担う。
遮蔽体111は、炉心102と共に炉心支持板112により支持される。遮蔽体111の上方には、一次冷却材110を循環させる電磁ポンプ113が設けられ、電磁ポンプ113の上方に中間熱交換器114が設けられる。
一次冷却材110は、炉心102が配置される隔壁109の内側を下から上へと流れて炉心102で核分裂エネルギーを奪い、上昇先で放射方向外側に導かれて中間熱交換器114に流入する。中間熱交換器114は、入口ノズル115から導入される二次冷却材116を一次冷却材110と熱交換させ、二次冷却材116を加熱する。なお、中間熱交換器114で加熱された二次冷却材116は、出口ノズル117から蒸気発生器(図示省略)に送られる。
二次冷却材116との熱交換により温度が低下した一次冷却材110は、隔壁109の外側を通って下降し、炉心支持板112の下に回り込み反転して再び炉心102へと導入される。一次冷却材110および二次冷却材116の漏洩対策として、原子炉容器101の外側にガードベッセル118が設けられる。なお、図1の矢印は、冷却材の流れの方向を示す。
高速炉100の炉出力は30MW〜百数十MW(電気出力で3万KW〜10数万KW)、全体的に30m程度の高さを有し、炉心高さは2.5m程度に構成される。一次冷却材110および二次冷却材116の温度は、ナトリウムが凝固しない温度以上であって且つ温度的余裕をもたせて設定される。例えば、炉心102を通過する一次冷却材110の温度は500℃〜550℃、熱交換後の一次冷却材110の温度は300〜400℃に設定される。
図3は本発明に係る反応度制御装置の第1実施形態を示す図である。図4は図3のIV−IV線断面図である。
本実施形態の反応度制御装置1は、高速炉100の起動・停止を行うと共に経時的な反応度低下を回復させながら高速炉100の長期間の連続運転を可能にする装置である。反応度制御装置1は、炉心102の中央に設けられる反応度制御チャンネル104(図2参照)に設けられ、図3に示すように、制御棒案内機構10、停止用制御棒20、補償用制御棒30および遮蔽体40を備える。
[制御棒案内機構]
制御棒案内機構10は、炉心102内で内側と外側とに領域分割される制御棒案内路を形成し、各制御棒案内路で制御棒を独立して昇降駆動させる。この制御棒案内機構10は、外側案内管11、内側案内管12および制御棒駆動軸13:14を有する。
図4に示すように、外側案内管11は断面円形を有し、反応度制御チャンネル104の断面六角形の内壁に沿うように設けられる。内側案内管12は外側案内管11に内包され、外側案内管11と内側案内管12とが協働して同心状の二重筒構造を形成する。内側案内管12は、停止用制御棒20の昇降駆動路である内側チャンネル15となり、内側案内管12と外側案内管11との間隔スペースは、補償用制御棒30の昇降駆動路である外側チャンネル16となる。
制御棒駆動軸13:14は、図3に示すように、停止用制御棒20に連結される停止用制御棒駆動軸13と、補償用制御棒30に連結される補償用制御棒駆動軸14とを有する。制御棒駆動装置(図示省略)により、停止用制御棒駆動軸13および補償用制御棒駆動軸14は独立して駆動され、これに連結される停止用制御棒20および補償用制御棒30がそれぞれ内側チャンネル15および外側チャンネル16で独立して昇降する。
[停止用制御棒]
停止用制御棒20は、内側チャンネル15を昇降して高速炉100の起動または停止に際して反応度調節を行うもので、図4に示すように、停止用中性子吸収体21、停止用制御棒被覆管22および停止用制御棒保護管23を有する。
停止用中性子吸収体21は、中性子吸収物質を含有するディスク型の中性子吸収体が制御棒軸方向に積層されて成り、全体として1つの軸体を呈して制御棒有効部を担う。なお、中性子吸収物質としては、ボロンやハフニウムなどの中性子吸収断面積の大きい物質が用いられる。
停止用制御棒被覆管22は停止用中性子吸収体21の外側を覆って放射化物質の散逸を防止し、停止用制御棒保護管23は停止用制御棒被覆管22の外側を覆って制御棒有効部を保護する。
[補償用制御棒]
補償用制御棒30は、外側チャンネル16を昇降して高速炉100の経時的な反応度低下を回復させるものであり、図4に示すように、補償用中性子吸収ピン31および補償用制御棒保護管34を有する。
補償用中性子吸収ピン31は、外側チャンネル16の形状に沿って列状に複数配置され、停止用中性子吸収体21よりも直径の小さい断面円形の補償用中性子吸収体32と、補償用中性子吸収体32を1つ1つ覆う補償用制御棒被覆管33とにより構成される。
補償用中性子吸収体32は、中性子吸収物質を含有する中性子吸収片が制御棒軸方向に積層されて成り、全体として1つの軸体を呈して制御棒有効部を担う。この制御棒有効部は、停止用制御棒20の制御棒有効部よりも反応度価値が小さく設定される。なお、中性子吸収物質としては、ボロンやハフニウムなどの中性子吸収断面積の大きい物質が用いられる。
補償用制御棒被覆管33は停止用中性子吸収体21の外周を覆って放射化物質の散逸を防止し、補償用制御棒保護管34は補償用制御棒被覆管33の外側を覆って制御棒有効部を保護する。
[遮蔽体]
遮蔽体40は、図3に示すように、停止用制御棒20の停止用中性子吸収体21のうち少なくともその最下部を覆うように設けられ、アクリルなどの中性子遮蔽能の高い物質ならびにガンマ線遮蔽能の高い鉛などを組み合わせて構成される。遮蔽体40は、停止用制御棒20が炉心102から完全に引き抜かれた状態で炉心102に挿入された状態とならず、高速炉100の反応度に影響を与えないように設けられる。
次に、反応度制御装置1の効果を説明する。
反応度制御装置1にあっては、
(1)炉心102に形成される反応度制御チャンネル104内で内側と外側とに領域分割される制御棒案内路(内側チャンネル15、外側チャンネル16)を形成し、各制御棒案内路で制御棒を独立して昇降駆動させる制御棒案内機構10と、内側チャンネル15で昇降駆動され、高速炉100の起動または停止に際して反応度調節を行う停止用制御棒20と、外側チャンネル16で昇降駆動され、停止用制御棒20の反応度価値よりも小さい反応度価値を有して経時的な反応度低下を回復させる補償用制御棒30とを備える。
このため、炉心102で発生した全中性子のうち補償用制御棒30で吸収されることなく停止用制御棒20まで到達する割合が従来の構成に比べて高くなる。また、反応度制御装置1の停止用制御棒20および補償用制御棒30により、従来の反応度制御装置1a(図18参照)と同様、高速炉100の起動・停止ならびに反応度回復の操作を行うことができる。要するに、補償用制御棒の反応度補償機能を維持しつつ補償用制御棒による中性子遮蔽効果を低減でき、停止用制御棒の反応度価値低下が抑えられる。
(2)補償用制御棒30は、停止用制御棒20の制御棒有効部と比べて直径の小さい補償用中性子吸収体32を持つ複数の制御棒有効部すなわち補償用中性子吸収体32を有する。このため、(1)の効果が良好となる。
また、補償用中性子吸収ピン31に含まれる補償用中性子吸収体32の直径が停止用制御棒20の反応度価値低下の抑制効果に着目して小さく設定されると、補償用中性子吸収ピン31の放熱効果も大きくなり、補償用制御棒30の機械的健全性も高まるようになる。
さらに、補償用制御棒30が複数の補償用中性子吸収ピン31により構成されるため、補償用中性子吸収ピン31同士の構造間隙が中性子照射で発生するヘリウム等の不活性ガスの閉じ込め領域として機能し、これもまた補償用制御棒30の機械的健全性に寄与する。加えて、補償用制御棒30が独立した複数の補償用中性子吸収ピン31により構成されることにより、停止用制御棒20の反応度価値の低下抑制効果と補償用制御棒30の反応度補償効果の最適設定も容易となる。
ところで、停止用制御棒20は、高速炉100の通常運転時に炉心102から完全に引き抜かれた状態となる場合であっても、炉心102で発生する中性子は停止用制御棒20に向かってくる。高速炉100は数十年間の連続運転が予定されていることとも相まって、かかる中性子による照射・加熱により停止用制御棒20の機械的健全性が損なわれるおそれがある。また、停止用制御棒20を用いた反応度制御が必要でない通常運転時でも中性子が入射することにより、停止用中性子吸収体21の無駄な消費や核的健全性が低下するといった問題もある。
ここに、反応度制御装置1の停止用制御棒20にあっては、
(3)停止用制御棒20の制御棒有効部となる停止用中性子吸収体21のうち、少なくともその最下部を覆う遮蔽体40を備える。このため、通常運転時に炉心102から引き抜かれた状態にある停止用制御棒20に対して中性子が入射しにくいものとなり、停止用制御棒20の機械的健全性および核的健全性の低下が共に抑えられる。
(第2実施形態)
図5は本発明に係る反応度制御装置の第2実施形態を示す図である。本実施形態に示される反動度制御装置1Aは、第1実施形態の反応度制御装置1における補償用制御棒30を変更した例である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号末尾に「A」を付して説明する。
図5に示すように、本実施形態の補償用制御棒30Aは、ボイドピン35Aおよび補償用中性子吸収ピン31Aを有する。
ボイドピン35Aは、補償用制御棒被覆管33と、補償用制御棒被覆管33の内部で制御棒有効部よりも中性子吸収能力が低いボイド(例えば、空気)36Aとにより構成される。
補償用中性子吸収ピン31Aは、補償用制御棒被覆管33と、制御棒有効部に比べて中性子吸収能力が低いボイドが形成されるように寸法設定された補償用中性子吸収体32Aとを有する。
図6は補償用中性子吸収ピン31Aにおけるボイド36Aのバリエーションを示したものである。ボイド36Aは、図6(a)〜(d)に示すよう、例えば、補償用中性子吸収ピン31Aの上端寄りの位置、下端方寄りの位置、中央寄りの位置または上端寄りと下端寄りの両位置に設けられる。すなわち、ボイド36Aは、停止用中性子吸収体31Aの寸法設定により、補償用中性子吸収ピン31Aの軸方向に沿って部分的に設けられる。
次に、反応度制御装置1Aの効果を説明する。
反応度制御装置1Aにあっては、第1実施形態の(1)〜(3)の効果に加え、次の効果を得ることができる。
(4)補償用制御棒30Aは、制御棒有効部に比べて中性子吸収能力が低いボイドピン35Aを有し、補償用中性子吸収ピン31Aは、制御棒有効部に比べて中性子吸収能力が低いボイド36Aを部分的に有する。このため、補償用制御棒の中性子遮蔽効果と反応度補償効果の最適化の操作自由度を飛躍的に拡大できる。
(第3実施形態)
図7は本発明に係る反応度制御装置の第3実施形態を示す図である。本実施形態に示される反動度制御装置1Bは、第1実施形態の反応度制御装置1における停止用制御棒20を変更した例である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号末尾に「B」を付して説明する。
図7に示すように、本実施形態の停止用制御棒20Bは、停止用中性子吸収体21Bを有する。停止用中性子吸収体21Bは、断面扇状の停止用中性子吸収片24Bが例えば6片集合し、全体としてディスク状を成している。
次に、反応度制御装置1Bの効果を説明する。
反応度制御装置1Bにあっては、第1実施形態の(1)〜(3)の効果に加え、次の効果を得ることができる。
(5)停止用制御棒20Bを構成する停止用中性子吸収片24Bの材料を変えることにより、停止用制御棒20Bの反応度価値を多様に変更できる。このため、停止用制御棒の反応度設計の自由度を飛躍的に拡大できる。
(第4実施形態)
図8は本発明に係る反応度制御装置の第4実施形態を示す図である。本実施形態に示される反動度制御装置1Cは、第1実施形態の反応度制御装置1における停止用制御棒20を変更した例である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号末尾に「C」を付して説明する。
図8に示すように、本実施形態の停止用制御棒20Cは、停止用制御棒20Cを有する。この停止用制御棒20Cは、外側被覆管25Cと内側被覆管26Cとを有し、外側被覆管25Cと内側被覆管26Cで形成される断面ドーナツ状の領域に収容される停止用中性子吸収体21Cを保持する。
停止用中性子吸収体21Cは、断面ドーナツ状の領域の形状に沿って配置される例えば6片の停止用中性子吸収片24Cを有し、各停止用中性子吸収片24Cが制御棒軸方向に積層され全体として中空円筒状に構成される。また、このように断面ドーナツ状に構成される停止用制御棒20Cの中空部Xには、冷却材が案内可能に構成される。
次に、反応度制御装置1Cの効果を説明する。
反応度制御装置1Cにあっては、第1実施形態の(1)〜(3)の効果に加え、次の効果を得ることができる。
(6)停止用制御棒20Cを構成する各停止用中性子吸収片24Cの材料を変えることにより、停止用制御棒20Cの反応度価値を多様に変更できる。このため、停止用制御棒の反応度設計の自由度を飛躍的に拡大できる。また、停止用制御棒20Cは、中空円筒状に構成されて中空部分に冷却材が案内可能に構成される。すなわち、自己遮蔽効果により中性子吸収率が小さくなる停止用制御棒の中心部分には中性子吸収物質に代えて冷却材が設けられる。このため、停止用制御棒の経済性が向上すると共に冷却材が効率よく加熱される。
(第5実施形態)
図9は本発明に係る反応度制御装置の第5実施形態を示す図である。本実施形態に示される反動度制御装置1Dは、第1実施形態の反応度制御装置1における停止用制御棒20を変更した例である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号末尾に「D」を付して説明する。
図9に示すように、本実施形態の反応度制御装置1Dは、停止用制御棒20Dを有する。
停止用制御棒20Dは、停止用制御棒保護管23の内部に複数の停止用中性子吸収ピン27Dを有する。停止用中性子吸収ピン27Dは、補償用中性子吸収体32の直径よりも大きい直径を有する断面円形の停止用中性子吸収体21Dと、停止用中性子吸収体27Dを1つ1つ覆おう停止用制御棒被覆管22Dとを有する。
次に、反応度制御装置1Dの効果を説明する。
反応度制御装置1Dあっては、第1実施形態の(1)〜(3)の効果に加え、次の効果を得ることができる。
(7)停止用制御棒20Dを構成する停止用中性子吸収ピン27Dの配列を変えることにより、停止用制御棒20Dの反応度価値を多様に変更できる。このため、停止用制御棒の反応度設計の自由度を飛躍的に拡大できる。
(第6実施形態)
図10は本発明に係る反応度制御装置の第6実施形態を示す図である。本実施形態に示される反動度制御装置1Eは、第1実施形態の反応度制御装置1における補償用制御棒30を変更した例である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号末尾に「E」を付して説明する。
図10に示すように、本実施形態の補償用制御棒30Eは、補償用制御棒保護管34Eを有する。
補償用制御棒保護管34Eは、補償用中性子吸収ピン31の割り当てスペースを分割するように幾つかの補償用中性子吸収ピン31を束ねるように構成される。
次に、反応度制御装置1Eの効果を説明する。
反応度制御装置1Eあっては、第1実施形態の(1)〜(3)の効果に加え、次の効果を得ることができる。
(8)補償用中性子吸収ピン31は、複数の補償用制御棒保護管34Eに数本ずつ収容されるため、補償用制御棒30Eの力学的強度が高められる。
(第7実施形態)
図11は本発明に係る反応度制御装置の第7実施形態を示す図である。本実施形態に示される反動度制御装置1Fは、第1実施形態の反応度制御装置1における制御棒案内機構10および補償用制御棒30を変更した例である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号末尾に「F」を付して説明する。
図11に示すように、本実施形態の反応度制御装置1Fは、制御棒案内機構10Fおよび補償用制御棒30Fを有する。
制御棒案内機構10Fは、反応度制御チャンネル104と同一形である断面六角形の外側案内管11Fと、断面円形の内側案内管12Fとを有する。
補償用制御棒30Fは、外側被覆管25Fと同一形である断面六角形の外側保護管37Fと、内側保護管38Fと同一形である断面円形の内側保護管38Fとを有する。
次に、反応度制御装置1Fの効果を説明する。
反応度制御装置1Fあっては、第1実施形態の(1)〜(3)の効果に加えて、次の効果を得ることができる。
(9)制御棒案内機構10Fは、反応度制御チャンネル104と同一形の外側保護管11Fを有するため、補償用制御棒30の制御棒有効部である補償用中性子吸収ピン31の割り当てスペースが拡大され、補償用制御棒30の反応度補償効果を高めることができる。
(第8実施形態)
図12は本発明に係る反応度制御装置の第8実施形態を示す図である。本実施形態に示される反動度制御装置1Gは、第7実施形態の反応度制御装置1における補償用制御棒30を変更した例である。なお、第7実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第7実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号末尾に「G」を付して説明する。
図12に示すように、補償用制御棒30Gは、断面積が大小異なる複数の補償用中性子吸収ピン31Gを有する。補償用中性子吸収ピン31Gは、外側被覆管25Fと内側被覆管26Fの内部に最密配置される。なお、各補償用中性子吸収ピン31Gの寸法以外の構成は、第7実施形態と同様である。
次に、反応度制御装置1Gの効果を説明する。
反応度制御装置1Gあっては、第1実施形態の(1)〜(3)の効果ならびに第7実施形態の(9)の効果に加え、次の効果を得ることができる。
(10)補償用制御棒30Gは、大小異なる補償用中性子吸収ピン31Gを有するため、補償用中性子吸収ピン31Gの割り当てスペースが最大限利用でき、補償用制御棒30の反応度補償効果を高めることができる。
(第9実施形態)
図13は本発明に係る反応度制御装置の第9実施形態を示す図である。本実施形態に示される反動度制御装置1Hは、第1実施形態の反応度制御装置1における停止用制御棒20および補償用制御棒30を変更した例である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号末尾に「H」を付して説明する。
図13に示すように、本実施形態の反応度制御装置1Hは、停止用制御棒20Hおよび補償用制御棒30Hを有する。すなわち、停止用制御棒20Hは、補償用制御棒30Hの外側に設けられる。
停止用制御棒20Hは、外側チャンネル16(図3参照)に設けられ、断面ドーナツ状の停止用中性子吸収体21Hと、停止用中性子吸収体21Hを覆う停止用制御棒被覆管22Hと、停止用制御棒被覆管22Hを覆う停止用制御棒保護管23Hとを有する。
補償用制御棒30Hは、内側チャンネル15(図3参照)に設けられ、複数の補償用中性子吸収ピン31Hと、補償用中性子吸収ピン31Hを包括的に収容する補償用制御棒保護管34Hとを有する。
補償用中性子吸収ピン31Hは、その直径が停止用制御棒20Hに含まれる停止用中性子吸収体21Hの厚みTよりも小さい断面寸法に設定された補償用中性子吸収体32Hと、補償用中性子吸収体32Hを覆う補償用制御棒被覆管33Hとを有する。
次に、反応度制御装置1Hの効果を説明する。
反応度制御装置1Hあっては、第1実施形態の(1)〜(3)の効果に加え、次の効果を得ることができる。
(11)停止用制御棒20Hは外側チャンネル16で昇降駆動され、補償用制御棒30Hは内側チャンネル15で昇降駆動されるため、炉心102で発生した中性子が補償用制御棒30で吸収されることなく停止用制御棒20まで到達する割合が従来の構成に比べて高くなる。また、反応度制御装置1の停止用制御棒20および補償用制御棒30により、従来の反応度制御装置1a(図18参照)と同様、炉心102内で昇降駆動されて高速炉100の起動・停止ならびに反応度回復の操作を行うことができる。したがって、補償用制御棒の反応度補償機能を維持しつつ補償用制御棒による中性子遮蔽効果を低減でき、もって停止用制御棒の反応度価値低下が抑えられる。
(第10実施形態)
図14は本発明に係る反応度制御装置の第10実施形態を示す図である。本実施形態に示される反動度制御装置1Iは、第9実施形態の反応度制御装置1Hにおける停止用制御棒20Hを変更した例である。なお、第9実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第9実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号末尾に「I」を付して説明する。
図14に示すように、本実施形態の停止用制御棒20Iは、停止用中性子吸収体21Iおよび停止用制御棒被覆管22Iを有する。
停止用中性子吸収体21Iは、およそ断面扇状の停止用中性子吸収片24Iが例えば6片集合し、全体として断面ドーナツ状に構成される。停止用制御棒被覆管22Iは、1つ1つの停止用中性子吸収片24Iを覆う。
次に、反応度制御装置1Iの効果を説明する。
反応度制御装置1Iにあっては、第9実施形態の(11)の効果に加え、次の効果を得ることができる。
(12)停止用制御棒20Iの停止用中性子吸収体21Iは複数されると共にその分割片の1つ1つが停止用制御棒被覆管22Iにより覆われ保護されるため、停止用制御棒20Iの力学的強度が高められる。
(第11実施形態)
図15は本発明に係る反応度制御装置の第11実施形態を示す図である。本実施形態に示される反動度制御装置1Jは、第1実施形態の反応度制御装置1における制御棒案内機構10、停止用制御棒20および補償用制御棒30を変更した例である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号末尾に「J」を付して説明する。
図15に示すように、本実施形態の反応度制御装置1Jは、制御棒案内機構10J、停止用制御棒20Jおよび補償用制御棒30Jを有する。
制御棒案内機構10Jは、反応度制御チャンネル104と同一形である六角形の外側案内管11Jと、外側案内管11Jに内包される断面六角形の内側案内管12Jとを有し、外側案内管11Jの面は内側案内管12Jの角と対向するように配置される。この内側案内管12Jは内側チャンネル15となり、内側案内管12Jと外側案内管11Jとで形成される領域は外側チャンネル16となる。
停止用制御棒20Jは、外側チャンネル16にて最密配置される断面円形の複数の停止用中性子吸収体21Jと、停止用中性子吸収体21Jを1つ1つ覆う停止用制御棒被覆管22Jと、停止用制御棒被覆管22Jを1つ1つ覆う停止用制御棒保護管23Jとを有する。
補償用制御棒30Jは、内側チャンネル15に設けられる複数の補償用中性子吸収ピン31Jと、すべての補償用中性子吸収ピン31Jを包括的に覆う補償用制御棒保護管34Jとを有する。
補償用中性子吸収ピン31Jは、停止用制御棒20Jに含まれる停止用中性子吸収体21Jよりも直径が小さい断面円状の補償用中性子吸収体32Jと、補償用中性子吸収体32Jを覆う補償用制御棒被覆管33Jとを有する。
補償用制御棒保護管34Jは、内側案内管12Jと同一形に設定され、補償用中性子吸収ピン31Jは補償用制御棒保護管34Jの内部にて最密配置される。
次に、反応度制御装置1Jの効果を説明する。
反応度制御装置1Jあっては、第1実施形態の(1)〜(3)の効果に加え、次の効果を得ることができる。
(13)停止用制御棒20Jおよび補償用制御棒30Jは、いずれも割り当てスペースにて最密配置されるため、停止用制御棒20および補償用制御棒30が担う反応度制御効果を共に高めることができる。
(第12実施形態)
図16は本発明に係る反応度制御装置の第12実施形態を示す図である。本実施形態に示される反動度制御装置1Kは、第1実施形態の反応度制御装置1における制御棒案内機構10、停止用制御棒20および補償用制御棒30を変更した例である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号末尾に「K」を付して説明する。
本実施形態の反応度制御装置1Kは、図16に示すように、制御棒案内機構10K、停止用制御棒20Kおよび補償用制御棒30Kを有する。
制御棒案内機構10Kは、反応度制御チャンネル104と同一形である断面六角形の外側案内管11Kと、外側案内管11Kに内包される断面六角形の内側案内管12Kとを有し、内側案内管12Kの角は外側案内管11Kの角に対向するように配置される。この内側案内管12Kは内側チャンネル15となり、内側案内管12Kと外側案内管11Kとで形成される領域は外側チャンネル16となる。
停止用制御棒20Kは、複数の停止用中性子吸収ピン27Kおよび停止用制御棒保護管23Kを有する。
停止用中性子吸収ピン27Kは、外側チャンネル16にて最密配置される断面円形の停止用中性子吸収体21Kと、停止用中性子吸収体21Kを覆う停止用制御棒被覆管22Kとを有する。停止用制御棒保護管23Kは、例えば5本の停止用中性子吸収ピン27Kを束ねて覆う。
補償用制御棒30Kは、補償用中性子吸収ピン31Kおよび補償用制御棒保護管34Kを有する。
補償用中性子吸収ピン31Kは、停止用制御棒20Kに含まれる停止用中性子吸収体21Kの直径よりも小さいかまたは同等の直径を持つ断面円形の複数の補償用中性子吸収体32Kと、補償用中性子吸収体32Kを1つ1つ覆う補償用制御棒被覆管33Kとを有する。
補償用制御棒保護管34Kは、内側チャンネル15と同一形である断面六角形状に設定され、補償用中性子吸収ピン31Kを最密構造にて収容する。
次に、反応度制御装置1Kの効果を説明する。
反応度制御装置1Kあっては、第1実施形態の(1)〜(3)の効果に加え、次の効果を得ることができる。
(14)停止用制御棒20Kおよび補償用制御棒30Kは、いずれも割り当てスペースにて最密配置されるため、停止用制御棒20および補償用制御棒30が担う反応度制御効果を共に高めることができる。
(第13実施形態)
図17は本発明に係る反応度制御装置の第13実施形態を示す図である。本実施形態に示される反動度制御装置1Lは、第12実施形態の反応度制御装置1における停止用制御棒20を変更した例である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号末尾に「L」を付して説明する。
図17に示すように、本実施形態の反応度制御装置1Lは、停止用制御棒20Lを有する。停止用制御棒20Lは、停止用中性子吸収体21Lと、停止用制御棒保護管23Lとを有する。
停止用中性子吸収材21Lは、制御棒軸心方向に重なって配置される複数の断面矩形の停止用中性子吸収プレート28Lと、停止用中性子吸収プレート28Lを1つ1つ覆う停止用制御棒被覆管22Lとを有する。各停止用中性子吸収プレート28Lは、断面台形の停止用制御棒保護管23Kに最密構造にて収容される。
次に、反応度制御装置1Kの効果を説明する。
反応度制御装置1Kあっては、第1実施形態の(1)〜(3)の効果ならびに第12実施形態の(14)の効果に加え、次の効果を得ることができる。
(15)停止用制御棒20Lは、制御棒軸心方向に重なって配置される断面矩形の停止用中性子吸収プレート28Lを有するため、制御棒軸心方向に制御棒有効部の欠損部ないし肉薄部が形成されにくくなり、停止用制御棒20Lの反応度価値を高めることができる。
以上、本発明に係る高速炉および反応度制御装置を第1実施形態〜第13実施形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の発明の要旨を逸脱しない限り設計の変更や追加等は許容される。また、複数の実施形態を組み合わせることも当然に考えられる。
例えば、本実施形態では、停止用制御棒に含まれる停止用中性子吸収体、補償用制御棒に含まれる補償用中性子吸収体は、ディスク状やドーナツ状の団塊を用いて構成する例を示したが、内側チャンネルや外側チャンネルに振動充填法などで充填される粉体を用いて構成してもよい。
また、停止用制御棒および補償用制御棒のうち少なくとも一方に、中性子吸収物質の濃度分布を持たせたり、異なる中性子吸収断面積を有する中性子吸収物質を用いることにより、停止用制御棒や補償用制御棒の反応度価値を最適化するようにしてもよい。
また、補償用制御棒についてのみボイドピンや部分的なボイドを有する補償用中性子吸収ピンを用いた構成を示したが、停止用制御棒についても同様に、ボイドピンや部分的なボイドを有する停止用中性子吸収ピンを用いて反応度価値を最適化可能に構成するようにしてもよい。
100……高速炉, 101……原子炉容器, 102……炉心, 103……燃料集合体, 104……反応度制御チャンネル, 105……炉心槽, 106……反射体, 107……反射体駆動装置, 108……反射体駆動軸, 109……隔壁, 110……一次冷却材, 111……遮蔽体, 112……炉心支持板, 113……電磁ポンプ, 114……中間熱交換器, 115……入口ノズル, 116……二次冷却材, 117……出口ノズル, 118……ガードベッセル, 1……反応度制御装置, 10……制御棒案内機構, 11……外側案内管, 12……内側案内管, 13……停止用制御棒駆動軸, 14……補償用制御棒駆動軸, 15……内側チャンネル, 16……外側チャンネル, 20……停止用制御棒, 21……停止用中性子吸収体, 22……停止用制御棒被覆管, 23……停止用制御棒保護管, 30……補償用制御棒, 31……補償用中性子吸収ピン, 32……補償用中性子吸収体, 33……補償用制御棒被覆管, 34……補償用制御棒保護管, 40……遮蔽体, 35……ボイドピン, 36……ボイド, 24……停止用中性子吸収片, 25……停止用制御棒の外側被覆管, 26……停止用制御棒の内側被覆管, 27……停止用中性子吸収ピン, 37……補償用制御棒の外側保護管, 38……補償用制御棒の内側保護管, 28……停止用中性子吸収プレート.

Claims (13)

  1. 高速炉の起動・停止を行うと共に経時的な反応度低下を回復させて長期間の連続運転を可能にする反応度制御装置において、
    炉心に形成される反応度制御チャンネル内で内側と外側とに領域分割される制御棒案内路を形成し、各制御棒案内路で制御棒を独立して昇降駆動させる制御棒案内機構と、
    前記内側の制御棒案内路で昇降駆動され、高速炉の起動または停止に際して反応度調節を行う停止用制御棒と、
    前記外側の制御棒案内路で昇降駆動され、停止用制御棒の反応度価値よりも小さい反応度価値を有して経時的な反応度低下を回復させる補償用制御棒と、
    を備えることを特徴とする反応度制御装置。
  2. 前記停止用制御棒は、断面円形の制御棒有効部を持つ複数の停止用中性子吸収ピンを有し、
    前記補償用制御棒は、停止用中性子吸収ピンの制御棒有効部と比べて直径の小さい制御棒有効部を持つ複数の補償用中性子吸収ピンを有することを特徴とする請求項1に記載の反応度制御装置。
  3. 前記停止用制御棒および前記補償用制御棒のうち少なくとも一方は、制御棒有効部に比べて中性子吸収能力が低いボイドピンを有することを特徴とする請求項2に記載の反応度制御装置。
  4. 前記停止用中性子吸収ピンおよび前記補償用中性子吸収ピンの少なくとも一方は、制御棒有効部に比べて中性子吸収能力が低いボイドを部分的に有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の反応度制御装置。
  5. 前記停止用中性子吸収ピンおよび前記補償用中性子吸収ピンの少なくとも一方は、その割り当てスペースにて最密配置されることを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載の反応度制御装置。
  6. 前記停止用制御棒は、断面ドーナツ状の中空円筒型に構成され、中空部分に冷却材が案内可能に構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の反応度制御装置。
  7. 前記停止用制御棒および前記補償用制御棒のうち少なくとも一方は、その制御棒が有する中性子吸収ピンの割り当てスペースを分割するように幾つかの中性子吸収ピンを束ねる構造を有することを特徴とする請求項2ないし請求項6の何れか1項に記載の反応度制御装置。
  8. 前記停止用制御棒は、制御棒軸心方向に重なって配置される複数の中性子吸収プレートを有することを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の反応度制御装置。
  9. 前記停止用制御棒の制御棒有効部のうち少なくとも最下部を覆う遮蔽体を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の反応度制御装置。
  10. 前記停止用制御棒および補償用制御棒のうち少なくとも一方は、制御棒有効部が団塊状または粉体状の中性子吸収物質により構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載の反応度制御装置。
  11. 前記停止用制御棒および補償用制御棒のうち少なくとも一方は、中性子吸収断面積が異なる制御棒有効部によって領域分割されることを特徴とする請求項1ないし請求項10の何れか1項に記載の反応度制御装置。
  12. 高速炉の起動・停止を行うと共に経時的な反応度低下を回復させて長期間の連続運転を可能にする反応度制御装置において、
    炉心に形成される反応度制御チャンネル内で内側と外側とに領域分割される制御棒案内路を形成し、各制御棒案内路で制御棒を独立して昇降駆動させる制御棒案内機構と、
    前記外側の制御棒案内路で昇降駆動され、高速炉の起動または停止に際して反応度調節を行う停止用制御棒と、
    前記内側の制御棒案内路で昇降駆動され、高速炉の経時的な反応度低下を回復させる補償用制御棒と、
    を備えることを特徴とする反応度制御装置。
  13. 請求項1ないし請求項12の何れか1項に記載の反応度制御装置を備えることを特徴とする高速炉。
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