JP2010243020A - 防弾部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量な構成で防弾可能で、かつ、防弾部材同士の接合面および隙間部分における防弾性能不足の懸念を軽減できる防弾部材を提供する。
【解決手段】弾丸が防護面に着弾した際に、弾丸を傾倒させる手段を有する防弾部材で、セラミックス、金属、高硬度樹脂、高硬度ガラスなどの高硬度部材からなる。また、防弾部材は、高強度繊維強化プラスチックスを積層することで防弾板として用いることができる。着弾した弾丸を傾倒させることで、弾丸の進行方法からみた断面積を大きくすることができ、弾丸の防弾板への貫通抵抗を増加させることが可能となる。薄い防弾板でも効果的な防弾ができるようになり、より軽量な防弾板の設計が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、拳銃、ライフル等の弾丸を防弾できる防弾部材に関する。
従来より、高速度で飛翔する弾丸や破片を耐弾する構成として、高強度繊維強化プラスチックに接着剤を介してセラミックスタイルを積層してなる防弾板が提案されている。これらセラミックスタイルの接合面を補強するために、接合面のタイルの厚さを大きくしたセラミックスタイルが提案されている(例えば、特許文献1、2)。しかしながら、かかる防弾板では、タイルの全面において弾丸が防弾板に垂直に着弾した貫通力が最も高い場合を想定して、セラミックスタイルの厚さを大きく設計する必要があり、その分、防弾板の重量も重くなってしまうという課題があった。
また、このセラミックスの形状をペレット形状とすることで、防護面および側面のカーブ形状により、弾丸の運動エネルギーを横方向に散逸させ防弾性能を向上させた防弾板用セラミックスが提案されている(例えば、特許文献3、4)。
しかしながら、かかる防弾板では、ペレット形状のセラミックス間の隙間部分に弾丸が着弾した場合、弾丸のサイズによっては、貫通の危険性があるという課題があった。また、この隙間部分の強度不足を補うため、ペレット形状セラミックスの厚さを大きくする必要があり、その分、防弾板の重量も重くなってしまうという課題があった。さらに、プレートに多数のぺレットを配設する必要上、構造が複雑になり、製造・加工にも手間がかかるという課題も生じる。
特許第3032140号公報 特開2002−326861号公報 特開2005−114340号公報 特開2007−46839号公報
本発明は、かかる従来技術に鑑み、弾丸が防弾板に着弾した際に弾丸を傾倒させ、貫通抵抗を増大させる、または弾丸の進行方向を防弾板に対して垂直方向から逸らして貫通距離を増大させ、弾丸の運動エネルギーを散逸させることで、軽量な構成で防弾可能で、かつ、防弾部材同士の接合面および隙間部分における防弾性能不足の懸念を軽減できる防弾部材を提供せんとするものである。
上記課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(6)のいずれかの構成を特徴とするものである。
(1)弾丸が防護面に着弾した際に、弾丸を傾倒させる手段を有する防弾部材。
(2)前記手段が、防護面に複数のくぼみを設けることであることを特徴とする前記(1)記載の防弾部材。
(3)前記くぼみの形状が略四角錘状または略円錐状であることを特徴とする前記(2)記載の防弾部材。
(4)前記手段が、防護面に略V字の溝を設けることである前記(2)記載の防弾部材。
(5)金属またはセラミックスでできていることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の防弾部材。
本発明によれば、従来のものに比べ、軽量で、かつ優れた防弾性を有する防弾部材を提供できる。したがって、身体等への装着物を構成する場合には所望の機能を発揮させることが可能になり、また、車輌、艦船、航空機の付加装甲に用いる場合にも、極めて優れた防弾性を発揮することができる。
本発明の好ましい態様の一例を示す防弾部材の概略模式図であり、(A)は全体斜視図、(B)はX−X‘面の断面図、(C)は断面拡大図である。 図1のくぼみ単位構成の概略模式図である。 本発明の好ましい態様の一例を示す防弾部材の概略模式図である。 本発明の好ましい態様の一例を示す防弾部材の概略模式図であり、(A)は全体斜視図、(B)はX−X‘面の断面図である。 本発明の好ましい態様の一例を示す防弾部材の概略模式図であり、(A)は全体斜視図、(B)はX−X‘面の断面図である。 本発明の好ましい態様の一例を示す防弾部材の概略模式図であり、(A)は全体斜視図、(B)はX−X‘面の断面図である。 本発明による弾丸傾倒のメカニズムを模式的に表した図であり、(A)は傾倒したまま進行する場合、(B)は侵入方向が逸れた場合。
本発明の防弾部材とは、セラミックス、金属、高硬度樹脂、高硬度ガラスなどの高硬度部材をいう。また、本発明の防弾部材は、高強度繊維強化プラスチックスを積層することで防弾板として用いることができる。各材料についての好ましい態様については後述する。
本発明の防弾部材は、弾丸が防護面に着弾した際に、弾丸を傾倒させる手段を有していなければならない。着弾した弾丸を傾倒させることで、弾丸の進行方法からみた断面積を大きくすることができ、弾丸の防弾板への貫通抵抗を増加させることが可能となる(図7(A))。また、このような手段を採用することで、弾丸の防弾板への侵入方向を逸らし、防弾板内部を斜めに進ませることも可能となる(図7(B))。弾丸は防弾板内部のより長い距離を貫通しなければならないため、その間に弾丸のもつ運動エネルギーをより吸収させることができる。したがって、薄い防弾板でも効果的な防弾ができるようになり、より軽量な防弾板の設計が可能となる。
該手段の形態の一例としては、防護面に複数のくぼみを設けていることが好ましい。すなわち、弾丸が着弾した際にくぼみ側面の傾斜により弾丸を傾倒させることが可能な構成となる。
以下、本発明の防弾部材の好ましい形態について、図を用いて説明する。
図1には、本発明の防弾部材における好ましいくぼみ形状の一例を示す。図2には図1のくぼみ形状の拡大図(くぼみ単位構成)を示す。このように四角錘を逆さにした形状のくぼみを全面に並べることで、防護面のいずれの箇所に弾丸が着弾しても、弾丸を傾倒させることが可能な構成となる。
図3には、本発明の好ましいくぼみの別の一例を示す。くぼみの形状が円錐を逆さにした形状をなしていることを特徴とし、四角錘の場合と同様な効果を発揮することが可能な構成となる。
なお、本発明でいう略四角錘状および略円錐状とは、厳密に四角錘および円錐である必要はなく、概ね該形状を形成していればよいことを意味し、そのような形状であれば本発明の効果を十分に発揮できる。また、くぼみの形状は、四角錘、円錐以外でも三角錐、五角錐、六角錐などの種種の錐形でも本発明の効果を発揮することが可能である。くぼみの最深部の形状は、弾丸の先端断面よりもせまい形状であることが好ましい。もし、くぼみの最深部に弾丸が直接到達できるような構成であった場合、防弾部材の最も薄い部分で弾丸を傾倒させることなく被弾する可能性があり、危険性の高い構成となる。
また、前記くぼみは、千鳥配置や碁盤の目状など規則性を持って配置されていると好ましい。このような配置を採ることで、防護面に隙間なくくぼみを配置でき、くぼみのない平らな部分を最少にできる。すなわち防護面のどの箇所に弾丸が着弾しても、弾丸を傾倒させることが可能となり、防弾板をより軽量な構成にできる。
本発明における弾丸を傾倒させる手段としては、上記略錘状のくぼみの他に、防護面に略V字の溝を設けることも好ましい手段として採用できる。なお、本発明でいう略V字の溝は、厳密にV字である必要はなく、傾斜面が防護面側に凸、逆側に凸な面を含んでいても本発明の効果を発揮することが可能であるし、最深部や頂点部の形状が鋭利でなく丸みを帯びていても、また傾斜面がカーブ状であっても本発明の効果を発揮できる。ただし、くぼみの例と同様に、最深部に弾丸が直接到達するような構成は好ましくなく、溝の最深部の形状は弾丸の先端断面よりもせまい形状であることが好ましい。
図4は好ましい略V字の溝配置の一例を示すもので、複数の略V字の溝が並列配置されたものである。略V字の溝は、図4に示す直線形状や曲線形状あるいはこれらの組み合わせであっても同様に本発明の効果を発揮することができる。
図5は別の好ましい略V字の溝配置の一例を示すもので、溝がロの字状に配置されていることを特徴とするものである。配置は、ロの字の限定されるものではなく、曲線が含まれていても、円や楕円であっても同様に本発明の効果を発揮することが可能である。
図6は別の好ましい略V字の溝配置の一例を示すもので、略V字の溝が渦巻状に配置されていることを特徴とするものである。渦巻きの形状については、図6のように概ね四角形での渦巻き形状以外にも可能であり、三角形状、五角形状、六角形状、円を始めとする種種の形状でも、本発明の効果を発揮することが可能である。
上述の通り、くぼみおよび略V字の溝の配置は、防護面全体を覆う配置であれば、いかなる配置でも構わなく、上記配置の組み合わせであっても構わない。
また、前記くぼみ又は溝のサイズは、防弾しようとする弾丸の種類により適宜設計することが好ましい。ここでは、5.56×45mmM855弾を対象脅威とした場合に、図1および図2に示す四角錘を逆さにした形状のくぼみの寸法を設計する例を示す。該弾丸は弾丸内に鋼芯を含んでおり、弾丸が貫通に寄与するのは、柔らかいジャケット部分や鉛部分ではなく、硬い鋼芯部分である。そのため、弾丸の傾倒を考慮する場合には、弾丸の外寸ではなく鋼芯の寸法を参照するのが好ましい。該弾丸の鋼芯の形状は、先端はφ=2.2mmの平面円、後端はφ=4.4mmの平面円で全長8.0mmの円錐台であり、弾丸をくぼみ又は溝の斜面によって傾倒させるためには、くぼみ又は溝の開口幅Wが鋼芯の先端径2.2mmの1/2以上であることが好ましい。また、くぼみ又は溝の斜面の角度Rは、30°から90°の範囲であることが好ましい。くぼみ又は溝の斜面角度は、30°以下であると、くぼみ又は溝の高さHが大きく、すなわち防護部材が厚くなり、着用性が悪くなってしまう。また、90°以上では、傾斜が不十分で弾丸を傾倒させにくくなってしまう。防護部材の厚さTは、傾倒させた弾丸を耐弾できるように高強度繊維強化プラスチックとともに適宜設計の上決定することが好ましい。
また、5.56×45mmM995の場合には、鋼芯の形状が直径4.0mm、長さ16.3mmの円柱状で、先端の4.5mmが円錐形状に尖っている。先端角度は約60°であり、くぼみ又は溝の斜辺の角度Rが60°より小さいことが好ましい。60°よりも大きく、かつ、くぼみ又は溝の開口幅Wが鋼芯径4.0mmの1/2よりも大きい場合、弾丸の鋼芯がくぼみ又は溝の底に到達してしまうので好ましくない。60°よりも大きくても、くぼみ又は溝の開口幅Wが鋼芯径4.0mmの1/2より小さい場合、鋼芯はくぼみ又は溝の底に到達しないので鋼芯を傾倒させることできる。本発明の防弾部材は、セラミックスであることが好ましく、高硬度、高強度のため弾丸を傾倒させやすい。セラミックスの材料としては、アルミナ類、窒化類、珪石類、ボロン類、マグネシア類等や、これらの混合焼成物を好ましく採用することができ、なかでも、弾丸傾倒性、耐弾性、軽量性、価格などの点から、アルミナ(Al、純度80〜99.9%)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、炭化ホウ素(BC)をより好ましく使用できる。セラミックスの特性値としては、耐弾性の面から、曲げ強度250MPa以上、弾性率300GPa以上、ビッカース硬度1000GPa以上であることが好ましい。
本発明の防弾部材に使用するセラミックスは、1枚の防弾板に対し一体のもの1枚を積層させてもよいし、複数枚の小片を配列させて積層させてもよい。複数枚の小片を配列させる場合、小片の形状としては、三角形、長方形、正方形、台形、5角形、6角形等を採用することができる。
本発明の表面形状のセラミックスの製造方法の一つとして、原料を成型する際に本発明のくぼみ形状を付与することを挙げることができる。具体的には、一軸加圧成型あるいは冷間静水圧成型により成型後、焼結する方法や、ホットプレスにより焼結しながら成型する方法などをあげることができる。また、鋳込み成型により本発明のくぼみ形状を付与することも可能である。別の製造方法としては、平坦な表面形状で成型しておいて、焼結前に切削により本発明の表面形状を付与することができる。また、焼結後は硬度が高くなるため焼結前に切削するよりは加工性は劣るが、焼結後に切削することも可能である。
また、本発明の防弾部材は、高強度繊維強化プラスチックと積層することで防弾板として用いることができる。高強度繊維強化プラスチックは、高強度繊維を用いた高強度繊維布帛にマトリックス樹脂を含浸して硬化させたものをいう。
高強度繊維布帛の形態としては、織物、編物、不織布、フェルト、一方向性シート(UD〔一方向に引き揃えられたもの〕)、及びUDを0°/90°に積層したもの、3次元構造物などが好ましく使用でき、寸法安定性、強度から織物、UDがさらに好ましく使用できる。織物としては、平織、綾織、朱子織、畝織、斜子織、杉綾、二重織などを用いることができる。なかでも、平織が耐弾性、寸法安定性、取り扱い性の点から好ましい。また、高強度繊維織物には、平滑剤、帯電防止剤、難燃剤などを付着させてもよい。
また、上述した高強度繊維とは、繊維糸条として引張強度が17cN/dtex以上であるものをいう。但し、かかる引張強度は、価格、生産性の点から45cN/dtex以下が好ましい。
高強度繊維の材料としては、例えば、芳香族ポリアミド(アラミド)、芳香族ポリエーテルアミド、全芳香族ポリエステル、超高分子量ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ノボロイド、ポリピリドビスイミダゾール、ポリアリレート、ポリケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン等を挙げることができる。中でも、耐弾性、耐熱性、生産性、価格等の点から、アラミドや超高分子量ポリエチレンが好ましい。また1種の高強度繊維を単独で用いてもよいし複数種を併用してもよいが、成形時の寸法安定性の点からは、1種の高強度繊維を単独で用いることが好ましい。
また、用いる高強度繊維は、糸条の総繊度が200〜4000dtexの範囲のものが好ましく、より好ましくは400〜3500dtexである。200dtex以上とすることで、耐弾性に優れる。また、4000dtex以下とすることで、裁断時等の取り扱い性に優れる。
高強度繊維糸条の伸度としては、2〜5%が好ましく、より好ましくは2.5〜4.5%である。
高強度繊維には、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤、などを含有させてもよく、また、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、油剤などを付着させてもよい。
一方、高強度繊維強化プラスチックを構成するマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。特に限定されるものではないが、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、珪素樹脂、ポリイミド樹脂、ビニルエステル樹脂などやその変性樹脂など、熱可塑性樹脂であれば塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル、ポリアミドなど、さらには熱可塑性ポリウレタン、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ネオプレン、ポリエステル等の合成ゴム又はエラストマーなどが好ましく使用できる。中でも、フェノール樹脂とポリビニルブチラール樹脂とを主成分とする樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂が、耐衝撃性、寸法安定性、強度、価格などから好ましく使用できる。かかる熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂には、工業的にその目的、用途、製造工程や加工工程での生産性あるいは特性改善のため通常使用されている各種添加剤を含んでいてもよい。例えば、変性剤、可塑剤、充填剤、離型剤、着色剤、希釈剤などを含有せしめることができる。なお、ここでいう主成分とは、溶媒を除いた成分のうちで重量比率が一番大きい成分をいい、フェノール樹脂とポリビニルブチラール樹脂を主成分とする樹脂の場合では、これら2種類の樹脂の重量比率が1番目、2番目(順不同)に大きいことを意味する
高強度繊維強化プラスチックの作製にあたっては、プリプレグを使用してもよく、かかるプリプレグを得る方法は特に限定されるものではない。たとえば、マトリックス樹脂に熱硬化性樹脂を用いる場合は、熱硬化性樹脂を溶剤に溶解してワニスに調整し、高強度繊維布帛をワニス漕に通しバーコーターやクリアランスロールなどにて余分な樹脂を掻き取る方法や、コーティング、スプレーを用いた塗工が一般的に行われる。このようにして得られたプリプレグを所望の形状に裁断、積層し、加熱・加圧成型することで、高強度繊維強化プラスチックを作製できる。一方、マトリッックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合は、樹脂エマルジョンや溶融あるいは溶剤に溶解した樹脂をナイフやグラビアなどにて高強度繊維布帛にコーティングする方法や、溶融した樹脂を直接布帛にラミネートする方法が一般的に行われる。このようにして得られたプリプレグを所望の形状に裁断、積層し、加熱・加圧後、冷却して成型することで、高強度繊維強化プラスチックを作製できる。
防弾部材と高強度繊維強化プラスチックは、境界面において固定することが好ましい。固定にあたっては、合成ゴムやエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の接着剤を介して接着する方法を採用できる。
防弾部材と高強度繊維強化プラスチックを接着後、その防護面を、高強度繊維織物などで作られたカバリング材で覆うことが好ましい。また、カバリングは、防弾部材の表面にのみ設ける以外に、防弾部材および高強度繊維強化プラスチックからなる積層体を覆うように積層されてもよい。たとえば、防弾部材および高強度繊維強化プラスチックからなる積層体に対して、カバリングを防弾部材側からかぶせて高強度繊維強化プラスチック側に数cmの接着シロを持たせたり、防弾部材および高強度繊維強化プラスチックからなる積層体に対して、カバリングをロール状に巻きつけたりしてもよい。カバリングの素材としては、布帛、フィルムをはじめ、上述した高強度繊維布帛やそれにマトリックス樹脂として例示した樹脂を含浸させた部材を用いることができる。
本発明の防弾部材を用いた防弾板の形状としては、平板、曲面板等を適宜選択できる。このような防弾板は次のように適宜加工することで防弾製品となる。本発明の防弾部材を用いた防弾板の形状を人体の胸服部、背部、脇部、肩部、下腹部などを覆う形状にすることで、人体用防護チョッキに用いることができる。また、本発明の防弾部材を用いた防弾板をヘルメットの形状で製造し、更にクッション材、あご紐などを取り付けることで、ヘルメットに用いることができる。また、取っ手や覗き窓、自立用の足などを取り付けることで盾に用いることができる。さらに、本発明の防弾部材を用いた防弾板は、車輌、船舶、航空機のドア部、シート周辺部などに、サイズ立体形状を合わせて取り付けることで、装甲として用いることができる。
[測定方法]
(1)セラミックスの曲げ強度
JIS R 1601:1995「4点曲げ強さ」に則り、全長36mm以上、幅4.0±0.1mm、厚さ3.0±0.1mmの試験片を2枚採取し、それぞれの曲げ強度を測定し、その算術平均値を算出した。
(2)セラミックスの弾性率
JIS R 1602:1995により、厚さ1.0mm、幅4.0mmの試験片を1枚採取し、3点曲げ試験(支持ロール間距離30mm、クロスヘッド速度0.5mm/min)を行い得られた歪み−応力曲線から静的弾性率を算出した。
(3)セラミックスのビッカース硬度
JIS R 1610:2003「ビッカース硬さ」に則り、ビッカース圧子を試験力9.807Nで15秒間負荷し、除荷後、試験片に残るくぼみの対角線2つの長さを測定した。対角線長さと試験力からビッカース硬度を算出した。これを5回繰り返し、その算術平均値を算出した。
(4)糸の引張強度及び伸度
JIS L 1013:1999 8.5.1に拠って測定した。試料を緩く張った状態で、引張試験機(株式会社島津製作所製AUTOGRAPH(登録商標)SD−100−C)のつかみにつかみ間隔20cmで取り付け、引張速度20cm/分の定速伸長にて試験を行った。初荷重をかけたときの伸びを緩み(mm)として読み、更に試料を引っ張り、試料が切断したときの荷重及び伸び(mm)を測定し、次の式によって引張強度及び伸度を算出した。試験回数は10回とし、その算術平均値を算出した。
=SD/F
ここに、T:引張強度
SD:切断時の強さ
:試料の正量繊度
伸度(%)=[(E−E)/(L+E)]×100
ここに、E:緩み(mm)
:切断時の伸び(mm)
L:つかみ間隔(mm)
(5)糸の総繊度
JIS L 1013:1999 8.3.1 A法に基づき、112.5m分の小かせをサンプル数5で採取し、それぞれの質量を測定し、その値(g)に10000/112.5をかけ、見掛け繊度(dtex)を求めた。見かけ繊度から、次の式によって正量繊度を求め、算術平均値を算出した。
正量繊度(dtex)=D'×(100+Rc)/(100+Re)
ここに、D':見かけ繊度(dtex)
Rc:公定水分率(%)
Re:平衡水分率(%)
(6)織密度
JIS L 1096:1999 8.6.1「織物の密度」に拠って測定した。
織物の異なる5か所のタテ方向2.54cm×ヨコ方向2.54cmにおけるタテ糸およびヨコ糸の本数を数え、それぞれについて算術平均値を算出した。
(7)目付
JIS L 1096:1999 8.4.2に則り、20cm×20cmの試験片を3枚採取し、それぞれの質量(g)を量り、その算術平均値を1m当たりの質量(g/m)で表した。
(8)引張強度
JIS L 1096:1999 8.12.1 A法(ストリップ法)のラベルドストリップ法に則り、タテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて、幅40mm、長さ300mmの試験片を3枚ずつ採取し、それぞれについて幅の両側から糸を取り除いて幅30mmとし、定速緊張型の試験機にて、つかみ間隔200mm、引張速度200mm/minで試験したときの破断強力を測定し、タテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて算術平均値を算出した。但し、低強度樹脂層の場合は、試験片サイズを幅30mmで採取し、そのまま測定した。
(9)厚さ
JIS L 1096:1999 8.5に則り、試料の異なる5か所について厚さ測定機を用いて、23.5kPaの加圧下、厚さを落ち着かせるために10秒間待った後に厚さを測定し、算術平均値を算出した。
(10)セラミックスの曲げ強度
JIS R 1601:1995「4点曲げ強さ」に則り、全長36mm以上、幅4.0±0.1mm、厚さ3.0±0.1mmの試験片を2枚採取し、それぞれの曲げ強度を測定し、その算術平均値を算出した。
(11)防弾板の防弾性
NIJ Standard 0101.04「Ballistic Resistance of Personal Body Armor」に記載のBallistic Penetration and Backface Signature Test(P−BFS)に則り、各防弾板1枚の中央に1発ずつ射撃することで評価した。弾丸には、5.56×45mm M855弾(弾丸質量:4g、弾丸速度:930±7.6m/s)を用いて6発射撃し、貫通の有無を確認した。
[実施例]
(高強度繊維強化プラスチック)
アラミド繊維製平織り織布(東レ・デュポン製、“ケブラー”織物T770、糸の総繊度3300dtex、糸の引張強度20.3cN/dtex、糸の伸度3.8%、目付460g/m、タテ方向の織密度17本/2.54cm、ヨコ方向の織密度16.5本/2.54cm、厚さ0.64mm)にフェノール樹脂とポリビニルブーチラール樹脂とを主成分とする樹脂をナイフによりコーティング、乾燥して樹脂分12wt%のプリプレグを得た。12wt%のプリプレグを20cm×20cmに裁断し19枚積層し、その後150℃、50kg/cm 2 、30分加熱加圧成形して高強度繊維強化プラスチックの平板を得た。
(カバリング)
上述のプリプレグを裁断し、カバリングとして用いた。
(防弾部材)
炭化ケイ素(SiC、曲げ強度421MPa、弾性率386GPa、ビッカース硬度2600GPa)の正方形(10cm×10cm)の平板を加工して用いた。各実施例、比較例では、防護部材平板の防護面形状を変化させて用いた。各実施例、比較例で用いた防護部材の重量が等しくなるように厚さを設計して用いた。
(組み立て)
高強度繊維強化プラスチックの中央部に防弾部材をウレタン系接着剤で固定し、さらにカバリングをウレタン系接着剤で固定し防弾板を得た。カバリングは高強度繊維プラスチックの裏面に2cmの接着シロを持たせた。
[実施例1]
防弾部材に炭化ケイ素(SiC)セラミックスを用いた。防弾部材の防護面を図4に示す形状(略V字状溝)で製造した。セラミックスは、本表面形状の金型を用いて一軸加圧成型法により成型し、焼結することで製造した。図4(B)中に示す各寸法は、T=6.5mm、H=2.2mm、W=2.5mm、R=60°で製造した。
[実施例2]
防護部材の防護面を図1および図2に示す形状(略四角錐状くぼみ)で製造した以外は実施例1と同様にした。図1および図2中に示す各寸法は、T=6.5mm、H=2.2mm、W1=2.5mm、W2=2.5mm、R=60°で製造した。
[比較例1]
防弾部材に炭化ケイ素(SiC)セラミックスの平板(厚さ5.4mm)を用いた。防護面にはくぼみを設けず、平面のまま用いた。セラミックスの防護面を平面にするため、成型金型の表面が平面の物を用いて製造した。
評価結果を表1に示す。実施例と比較例をセラミックスの種類ごとに比較すると、実施例の防弾板は、高速の飛来物に対し良好な防弾性を示した。
Figure 2010243020
以上説明したように、本発明は従来の防弾部材と比較して優れた耐弾性を有する。
本発明は、例えば、防弾板(防護チョッキへの挿入板)や盾、車輌及び艦船または航空機の付加装甲といった防護製品の用途に好適に用いることができる。
1 セラミックスタイル
2 くぼみ
3 くぼみの単位構成
4 V字の溝
5 弾丸の鋼芯

Claims (5)

  1. 弾丸が防護面に着弾した際に、弾丸を傾倒させる手段を有する防弾部材。
  2. 前記手段が、防護面に複数のくぼみを設けることであることを特徴とする請求項1記載の防弾部材。
  3. 前記くぼみの形状が略四角錘状または略円錐状であることを特徴とする請求項2記載の防弾部材。
  4. 前記手段が、防護面に略V字の溝を設けることである請求項2記載の防弾部材。
  5. 金属またはセラミックスでできていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防弾部材。
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