JP2010239683A - 渦電流ブレーキの制御装置 - Google Patents

渦電流ブレーキの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010239683A
JP2010239683A JP2009082126A JP2009082126A JP2010239683A JP 2010239683 A JP2010239683 A JP 2010239683A JP 2009082126 A JP2009082126 A JP 2009082126A JP 2009082126 A JP2009082126 A JP 2009082126A JP 2010239683 A JP2010239683 A JP 2010239683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eddy current
current brake
power
control device
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009082126A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5260382B2 (ja
Inventor
Yasuaki Sakamoto
泰明 坂本
Takayuki Kashiwagi
隆行 柏木
Hitoshi Hasegawa
均 長谷川
Taku Sasagawa
卓 笹川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP2009082126A priority Critical patent/JP5260382B2/ja
Publication of JP2010239683A publication Critical patent/JP2010239683A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5260382B2 publication Critical patent/JP5260382B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Stopping Of Electric Motors (AREA)
  • Control Of Linear Motors (AREA)
  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)

Abstract

【課題】 初期励磁に小容量の補助回路電源を用い、その後の励磁に必要な電力を発電制動時の運動エネルギから得る発電電力制御と、ブレーキの制動力制御が可能な渦電流ブレーキの制御装置を提供する。
【解決手段】 鉄道車両のレールに対向する位置に設けられたリニア誘導モータの電機子11、12を交流励磁してブレーキ力を発生させる渦電流ブレーキの制御装置において、初期励磁手段は、補助電源回路の低圧電源で初期励磁し、電力制御手段は、渦電流ブレーキの発電電力が交流励磁の周波数と一次電流大きさに対して一義的に決まる特性を利用して渦電流ブレーキの動作に必要な発電電力を過不足なく得るための制御を行い、制動力制御手段は、ブレーキ力が周波数によらずほぼ一定で、一次電流大きさに対して一義的に決まる特性を利用し、必要なブレーキ力を得られるよう出力電圧を制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、渦電流ブレーキ、リニア誘導モータ、誘導機の制御装置に関し、更に詳しくは、鉄道車両に装備される渦電流ブレーキの制御装置に関する。
従来からレールを2次導体として用いる渦電流ブレーキが開発されている(例えば、特許文献1)。
渦電流ブレーキは、電磁力を利用して台車とレール間に非接触で制動力を作用させる。従来の渦電流ブレーキでは、所定の制動力を得るために比較的大きな励磁電力が必要であり、そのために、電源として、主回路を使用したり、大規模バッテリの利用が検討されたりしていた。
特開平2005−271704号公報
しかしながら、渦電流ブレーキの電源を主回路に依存すると、き電系や主回路系が故障した場合に、使用できなくなり、ブレーキシステムとしての信頼性を損なうという問題があった。また、そのために、非常ブレーキとして渦電流ブレーキを使用できないという問題もあった。
さらに、従来の渦電流ブレーキ装置の場合、制動力を積極的に制御する方法については明らかにされていなかった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、初期励磁に小容量の補助回路電源を用い、その後の励磁に必要な電力を発電制動時の運動エネルギから得る発電電力制御と、ブレーキの制動力制御が可能な渦電流ブレーキの制御装置を提供することである。
前述した課題を解決するための本発明は、鉄道車両において2次導体であるレールに対向する位置に設けられたリニア誘導モータの電機子を交流励磁することによりブレーキ力を発生させる渦電流ブレーキの制御装置であって、小容量の電源で初期励磁を行う初期励磁手段と、前記渦電流ブレーキの発電制動により前記渦電流ブレーキの動作に必要な発電電力を過不足なく得るための制御を実施する電力制御手段と、を具備することを特徴とする渦電流ブレーキの制御装置である。
前記初期励磁手段は、補助電源回路の低圧電源で初期励磁を行う。
上記構成により、鉄道の補助電源装置等の小容量の電源で初期励磁を行えば、その後、渦電流ブレーキの発電制動により完全に独立電源系として動作することが可能である。
また、ブレーキ力を制御する制動力制御手段を更に具備する。
これにより、ブレーキ力(制動力)を渦電流ブレーキの制御装置で制御することが可能になる。
前記渦電流ブレーキの直流電源電圧を検出する電圧検出器と、前記渦電流ブレーキの3相出力電流を検出する電流検出器を備え、前記電力制御手段は、前記渦電流ブレーキの発電電力が前記交流励磁の周波数と一次電流大きさに対して一義的に決定される特性を利用し、前記電圧検出器により検出される直流電圧が、予め定めた前記渦電流ブレーキの動作に必要な直流電圧値に追従するように、前記交流励磁の周波数を制御する。
前記渦電流ブレーキの発電電力をP、前記交流励磁の周波数をf、前記電機子の抵抗をr、比例定数をKとするとき、
Figure 2010239683
であり、前記電力制御手段は、前記渦電流ブレーキの動作に必要な発電電力Pを得られるように周波数fを制御する。
前記電力制御手段により決定される交流励磁の周波数を、前記鉄道車両に設けた速度センサにより測定した走行速度に応じた周波数上限値以下に制御する。また、前記鉄道車両の走行速度に依存しない所定の周波数上限値を設けてもよい。
前記制動力制御手段は、ブレーキ力が滑り周波数によらずほぼ一定であり、一次電流大きさにより一義的に決定される特性を利用し、前記電流検出器により検出される出力電流が、必要なブレーキ力を得るための一次電流大きさの指令値に追従するように、出力電圧を制御する。
本発明によれば、初期励磁に小容量の補助回路電源を用い、励磁に必要な電力を発電制動時の運動エネルギから得る発電電力制御と、ブレーキの制動力制御が可能な渦電流ブレーキの制御装置を提供することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る渦電流ブレーキ装置及びその周辺部分を示す図 本発明の一実施形態に係る渦電流ブレーキ装置の基本構成を示すブロック図 本発明の一実施形態に係る渦電流ブレーキ装置のエネルギーフローの説明図 本発明の一実施形態に係る渦電流ブレーキ装置の周波数特性を示す図 本発明の一実施形態に係る渦電流ブレーキ装置の速度特性を示す図 本発明の一実施形態に係る渦電流ブレーキ装置の制御回路のブロック図(速度信号を用いる場合) 本発明の第2の実施形態に係る渦電流ブレーキ装置の制御回路のブロック図(速度信号を用いない場合) 本発明の第2の実施形態に係る渦電流ブレーキ装置の制御回路のシミュレーション結果を示す図
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る渦電流ブレーキ装置及びその周辺部分を示す図である。
渦電流ブレーキ装置は、励磁極として、リニア誘導モータの電機子を適用する。すなわち、一方のレール21に対向するように第1の電機子11が配置され、他方のレール22に対向するように第2の電機子12が配置される。これらの電機子11、12は、コア(磁心)に形成された複数の溝に巻線を巻いて構成された直線状の電磁石であり、車輪13を回転可能に支持する台車14または車輪支持点である軸箱に固定されている。
図2は、本発明の一実施形態に係る渦電流ブレーキ装置の基本構成を示すブロック図である。電源回路とその制御方法としては、VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータを使用した発電制動を適用する。
図2は、1車両2台車についての電源回路および制御回路の基本構成を示している。1台の台車に、電機子11、12が、もう1台の台車に電機子11’、12’が装備されている。
図2に示すように、本実施形態に係る渦電流ブレーキ装置は、き電系の主回路とは切り離され、例えば、直流100V〜700Vの補助電源装置16からの電源(例えば100V)が供給される。これにより、き電系や主回路に故障が生じた場合であっても、ブレーキシステムとしての信頼性を損なうことがない。
補助電源装置16は、スイッチ17およびダイオード18を介してPWM(Pulse Width Modulation)インバータ15に接続される。
PWMインバータ15は、車輪13を介してレールに接地されており(19)、補助電源装置16からスイッチ17、ダイオード18を介して印加される例えば100Vの直流電圧に基づいて、電機子11、12、11’、12’に交流電流を流し、電機子11、12、11’、12’を励磁して、ブレーキ力を発生させる。
ここで、図2では、1台車の(または11’、12’)をPWMインバータ15に対して直列に接続し、2台の台車の電機子11、12および電機子11’、12’をPWMインバータ15に対して並列に接続しているが、電機子11、12、
11’、12’の接続構成はこれに限るものではない。
電機子11、12、
11’、12’の巻線に流れる電流を検出するために、PWMインバータ15の出力側に電流検出器31が配置され、検出された電流値I、I、I32が制御回路20に入力される。
制御回路20の詳細については後述するが、制御回路20は、電流検出器31により検出された電流値I、I、I32に基づいて、電機子11、12、11’、12’に流れる電流ベクトルを検出し、制動力指令信号Iref 34と直流電圧設定値Vdc_ref33、実速度Vel35に従い、電機子11、12、11’、12’に供給する3相交流電圧パターンT、T、T36を算出し、PWMインバータ15に出力する。
ここで、図2においては、速度センサ(図示しない)を用いて実速度Vel35を測定し制御回路20に入力しているが、実速度Vel情報は必ずしも必要なく、速度センサを使用しない速度センサレスの制御回路20を構成してもよい。これについては後述する。
補助電源回路16とPWMインバータ15間にダイオード18を挿入することで、PWMインバータ15は、低電圧から起動した後に、発電電力を利用して直流電圧を上昇させる。そして、所定の直流電圧に到達したら、制動力を保ちつつ、発電電力と電機子銅損が平衡するような電力制御を実行し、PWMインバータ15の定常動作に必要な直流電圧を維持し続けるようにする。
図3は、一実施形態に係る渦電流ブレーキ装置のエネルギーフローの説明図である。
図3において、渦電流ブレーキ装置を構成する電機子11、12、11’、12’、PWMインバータ15、制御回路20等を装備した車両は、レール21、22上を走行することにより運動エネルギを蓄えている。この運動エネルギは、制動時には電機子11、12、11’、12’の銅損およびレール21、22の発熱で消費することになる。
このとき、電機子11、12、11’、12’の初期励磁には補助電源回路16からの電流を使用し、その後は、車両に蓄えられた運動エネルギの一部によって電機子11、12、11’、12’を励磁し、所望の制動力を得る。
この発電制動において、PWMインバータ15は、発電出力が零となるように有効電力を調整し、かつ、励磁に必要な無効電力のみを電機子11、12、11’、12’に供給する必要がある。
以下、交流励磁方式の渦電流ブレーキの電気的特性を例示しながら、PWMインバータ15に具備させるべき基本的な制御則について説明する。
速度制御用途などに使用される従来の誘導機制御には、ベクトル制御や、V/F制御と滑り周波数制御を組み合わせた制御方式が使用されている。これらの方法は、トルクに比例するパラメータを直接制御することでトルク制御系(速度制御系)の高応答化を図るものである。
一方、交流励磁方式の渦電流ブレーキでは、PWMインバータ15の容量は極力小さくすることが望まれる。このため、非常に高い滑り周波数(低いインバータ周波数)を用いて、大きな二次電流を誘起させ、所定の制動力を確保することになる。すなわち、制動力を確保するため励磁電流を大きくとりながら、低いインバータ周波数の範囲内に滑り周波数を制御し、発電電力を制御するようなシステムにすることが実用的である。
図4は、定電流運転を前提とした場合の、ブレーキ力(制動力)(図4(a))、発電電力(図4(b))、皮相容量(等価二次入力)(図4(c))の周波数特性を概念モデル(等価回路)で計算した結果を示す図である。一次電流I=1489A/mとして、各種速度(160km/h、130km/h、100km/h、70km/h)について計算した。
図4(a)に示すように、ブレーキ力(制動力)は、インバータ周波数fに対してフラットな特性を示し、更に、速度依存性も小さい。
また、図4(b)に示すように、発電電力は、速度に依存せず、インバータ周波数fに対して一義的に決まる直線的特性を示している。
さらに、図4(c)に示すように、皮相容量は、インバータ周波数fに対して二乗曲線的に増加する特性を示す。
これらの特性は、低いインバータ周波数fを用いてインバータ容量を小さくするという要求から好都合であり、特に、滑り周波数によらず、ほぼ一定のブレーキ力(制動力)を発生できることから、制動力指令のパラメータを電流値振幅Iのみで指定することが可能である。
また、発電電力についても、一次電流Iとインバータ周波数fに対して一義的に決まるので、制御回路20の構築に好都合である。
ここで、電機子抵抗をr、比例定数をKとすると、図4(b)の直線的特性より、発電電力Pを表現できる。
Figure 2010239683
これをインバータ周波数fについての式にすると、
Figure 2010239683
となる。ここで、Kは発電電力に関する定数、およびKは電機子抵抗に関する定数である。
(2)式から分かるように、予め発電電力Pを設定して、発電電力Pに追随させる制御系を想定すると、制御回路20は本質的に速度情報が必要なく、速度センサなしで一義的に周波数指令を決定できる。
速度情報を必要としない制御系は、フェイル要因の排除の観点から有利であり、信頼性が重視されるブレーキシステムに適用する利点は大きい。
渦電流ブレーキの動作に過不足ない電力を発電させるには、(2)式のKを零にすればよい。図5は、図4の計算に用いたものと同一の概念モデルについて、発電電力KfI を30kW(うち電機子銅損3r を20kW)で一定として制御した場合の速度特性を示す図である。図5(a)は、ブレーキ力Fx(制動力)およびインバータ周波数fについての速度特性を示す図、図5(b)は、皮相容量および発電電力およびレール発熱低減率の速度特性を示す図である。
図5(a)に示すように、定電流・定発電制御を行う場合、インバータ周波数fおよびブレーキ力Fx(制動力)はほぼ一定に保たれることが分かる。また、図5(b)に示すように、皮相容量は、速度の低下に伴って増加することが分かる。
以上の交流励磁方式渦電流ブレーキの特性と、PWMインバータ15の実用的な容量を考慮して、制御回路20の基本制御則は、一次電流振幅Iでブレーキ力(制動力)を制御し、インバータ周波数fで発電電力を制御することとする。ここで、PWMインバータ15は、電圧と周波数を個別に制御する。
図6は、一実施形態の制御回路20の制御ブロック図である。
制御回路20は、予め設定される直流電圧設定Vdc_ref33、必要な制動力に応じて設定される制動力指令の電流振幅値Iref 34を設定値とし、渦電流ブレーキ40の電機子11、12、11’、12’の巻線に流れ、電流検出器31で検出される現在の電流値I、I、I32と、PWMインバータ15の入力側に設けられた電圧検出器37で検出される現在の電圧値、速度センサ(図示しない)で検出される実速度Vel35を元に、(2)式をフォワード項としたPI(Proportional Integral)制御、PD(Proportional Differential)制御等により、PWMインバータ15に設定する3相出力電圧パターンT 、T 、T 36を算出する。
図6において、Vdc_ref33は直流電圧設定値、Irefは出力電流指令、Vdcは直流電圧、frefはフォワード周波数指令、fmaxは周波数上限、fref は周波数指令、Vrefはフォワード出力電圧指令、Vref は出力電圧指令、Iは出力電流、Iα、Iβは2相電流、I、I、I32は3相出力電流、V 、V 、V は3相出力電圧指令、T 、T 、T 36は3相出力電圧パターン、K、K、KV/Fは定数である。
電流検出器31で検出された現在の電流値I、I、I32は、A/D(アナログ−ディジタル)変換器210でディジタル値に変換後、演算器209により2相電流ベクトル値Iα、Iβに変換し、演算器208により現在の出力電流値Iを求め、フィルタ207によりフィルタリングする。フィルタリング後の値と制動力指令の電流振幅値Iref 34の差分を求め、出力電流コントローラ206に入力する。
出力電流コントローラ206は、例えば、PI制御コントローラであり、現在の出力電流値Iを制動力指令の電流振幅値Iref 34に追従させるように出力電圧指令Vref を制御する。すなわち、出力電流コントローラ206により、出力電圧指令の差分値Δrefを求め、制動力指令の電流振幅値Iref 34と周波数指令fref を入力として演算器205で求めたフォワード出力電圧指令Vrefと加算して出力電圧指令Vref を算出する。
周波数指令fref の変化に対して制動力は直接的な干渉はほとんど受けないが、出力電流Iが干渉を受け、その結果間接的に干渉を受けるため、周波数指令fref および出力電流指令Irefに応じたフォワード出力電圧Vrefを加算して出力電圧指令Vref を算出することにより、非干渉化する。
一方、PWMインバータ15の入力側に設けられた電圧検出器37で検出された現在の直流電圧値はA/D(アナログ−ディジタル)変換器201でディジタル値Vdcに変換後、直流電圧設定Vdc_ref33との差分を求め、直流電圧コントローラ202に入力される。直流電圧設定Vdc_ref33は例えば600Vにプリセットされる。
直流電圧コントローラ202は、例えば、PD制御コントローラであり、現在の直流電圧Vdcを直流電圧設定Vdc_ref33に追従させるように周波数指令fref を制御する。すなわち、直流電圧コントローラ202により、周波数指令の差分値Δfrefを求め、制動力指令の電流振幅値Iref 34と前述の(2)式の演算器203により演算されたフォワード周波数指令frefと加算する。
渦電流ブレーキ自身の動作に過不足ない電力を発電させる場合には定数Kを零とするが、この場合は出力電流Iの変化に対して直流電圧Vdcは干渉を受けない。また、渦電流ブレーキ自身の動作に過不足ない電力を発電させる場合の周波数を予めKとして設定しておき、これをフォワード周波数指令frefとして周波数指令の差分値Δfrefと加算する。
定数Kは、速度、周波数、出力電流に依存しない一定値として差し支えない。
次に、以上により求めた周波数指令値を比較器211により比較し、適正な範囲の周波数指令fref を求める。
すなわち、フォワード周波数指令frefから大きく周波数が増加しすぎると制動力や発電電力が減少する領域に入るため、周波数指令上限fmaxを定める必要があるためである。
周波数指令fref の上限値は実速度Vel35から演算器204により求めることが可能である。ここで、Smaxは滑りの最大値、τは磁極ピッチである。これにより求めた上限値fmaxを比較器211に設定することにより、0<≦fmaxの範囲の周波数指令fref を求める。
算出された周波数指令と出力電圧指令Vref は、D/A(ディジタル−アナログ)変換器212によりアナログ値に変換したうえ、3相電圧演算およびA/D変換器213により3相の出力電圧値指令値V 、V 、V を求め、これをPWM変調214して3相出力電圧パターンT 、T 、T 36に変換してPWMインバータ15に入力する。
以上の制御回路20により、一次電流振幅I(Iref 34)でブレーキ力(制動力)を制御し、インバータ周波数f(fref )で発電電力を制御することが可能になる。
また、初期励磁時に例えば100Vの補助電源装置16から電圧を供給することにより、その後は外部からの電力供給をすることなく、例えば600Vにプリセットされた直流電圧設定Vdc_ref33にまで直流電圧値を上昇させ、その後は直流電圧値を維持し、制動力を保ちつつ、発電電力と電機子銅損の平衡を保つように電力制御を行うことが可能になる。
図7は、第2の実施形態に係る速度センサなしの制御回路20の制御ブロック図である。
多くの部分は図6に示した第1の実施形態にかかる制御回路20の制御ブロック図と同様の構成である。
第2の実施形態の制御回路20は、第1の実施形態で使用した実速度Vel35を用いずに周波数指令上限fmaxを定める。
図7において、上限周波数を規定する情報は周波数変化上限値Fmax220である。すなわち、適切な周波数変化上限値Fmax220を速度に依存しない一定値として予め定めておき、これを比較器211の上限値fmaxとして設定する。
第1の実施形態の制御装置20の場合のように、実速度Vel35に応じたfmaxを使用すると大きな発電電力を扱うことが可能になるが、PWMインバータ15の容量として相当に大きいものが要求される。よって、周波数変化上限値Fmax220を予め定めることにより、インバータ容量制限を考慮することが可能になる。更に、実速度Vel35を使用しないので、速度信号を要さない速度センサなしの制御回路20を構築することが可能になる。
図8は、第2の実施形態に係る制御回路20を用いた場合の渦電流ブレーキ装置の概念モデルのシミュレーション結果を示す図である。
ここでは、出力電流コントローラにはPI制御を、直流電圧コントローラにはPD制御を適用した。
図8(a)に示す出力電流指令Iref34により、図8(g)に示すように、直流電圧Vdcが初期励磁に使用される補助電源装置16の100Vから、直流電圧設定Vdc_ref33でプリセットされた600Vに立ちあげられ、同時に、図8(b)に示すように、出力電流Iが出力電流指令Iref34の指令値100Aへ追従している。そして、図8(h)に示すように、約2000Nの制動力Fを発生している。
この間、渦電流ブレーキ装置、PWMインバータ15および制御回路20は外部との電力授受はなく、完全に独立電源系として動作することが可能である。
以上に示したように、(2)式に則り、一次電流振幅Iでブレーキ力(制動力)を制御し、インバータ周波数fで発電電力を制御する制御回路20の基本制御則により、初期励磁に小容量の補助回路電源を用い、励磁に必要な電力を発電制動時の運動エネルギから得る発電電力制御と、一次電流振幅指令によるブレーキの制動力制御が可能な渦電流ブレーキの制御装置を提供することが可能になる。
低圧の補助回路電源で動作するため、き電系の主回路に依存することなく、ブレーキシステムとしての信頼性を向上することが可能である。
また、速度信号が必須でなく、速度センサなしで制御回路20を構成することが可能であり、設備を簡素化することが可能である。
また、すべり周波数の大きい周波数域(低いインバータ周波数域)で動作させるため、PWMインバータ15を小容量で実現することが可能である。
さらに、制御回路20は、PIコントローラやPDコントローラ等を使用したフィードバック制御によりロバスト化されるので、一次電流によるレール表面の磁気飽和の影響や端効果の影響を補償することが可能である。
尚、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能であり、それらも、本発明の技術範囲に含まれる。
11、12………電機子
15………PWMインバータ
16………補助電源装置
17………スイッチ
18………ダイオード
19………接地
20………制御回路
21、22………レール
31………電流検出器
32………3相出力電流I、I、I
33………直流電圧設定Vdc_ref
34………制動力指令Iref
35………実速度Vel
36………3相出力電圧パターンT 、T 、T
37………電圧検出器

Claims (9)

  1. 鉄道車両においてレールに対向する位置に設けられたリニア誘導モータの電機子を交流励磁することによりブレーキ力を発生させる渦電流ブレーキの制御装置であって、
    小容量の電源で初期励磁を行う初期励磁手段と、
    前記渦電流ブレーキの発電制動により前記渦電流ブレーキの動作に必要な発電電力を過不足なく得るための制御を実施する電力制御手段と、
    を具備することを特徴とする渦電流ブレーキの制御装置。
  2. 鉄道車両においてレールに対向する位置に設けられたリニア誘導モータの電機子を交流励磁することによりブレーキ力を得る渦電流ブレーキの制御装置であって、
    ブレーキ力を制御する制動力制御手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載の渦電流ブレーキの制御装置。
  3. 前記初期励磁手段は、補助電源回路の低圧電源で初期励磁を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の渦電流ブレーキの制御装置。
  4. 前記渦電流ブレーキの直流電源電圧を検出する電圧検出器と、
    前記渦電流ブレーキの3相出力電流を検出する電流検出器を備え、
    前記電力制御手段は、前記渦電流ブレーキの発電電力が前記交流励磁の周波数と一次電流量大きさに対して一義的に決定される特性を利用し、前記電圧検出器により検出される直流電圧が、予め定めた前記渦電流ブレーキの動作に必要な直流電圧値に追従するように、前記交流励磁の周波数を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の渦電流ブレーキの制御装置。
  5. 前記渦電流ブレーキの発電電力をP、前記交流励磁の周波数をf、前記電機子の抵抗をr、比例定数をKとするとき、
    Figure 2010239683
    であり、
    前記電力制御手段は、前記渦電流ブレーキの動作に必要な発電電力Pを得られるように周波数fを制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の渦電流ブレーキの制御装置。
  6. 前記制動力制御手段は、ブレーキ力が滑り周波数によらずほぼ一定であり、一次電流大きさにより一義的に決定される特性を利用し、前記電流検出器により検出される出力電流が、必要なブレーキ力を得るための一次電流大きさの指令値に追従するように、出力電圧を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の渦電流ブレーキの制御装置。
  7. 前記電力制御手段により決定される交流励磁の周波数を、前記鉄道車両に設けた速度センサにより測定した走行速度に応じた周波数上限値以下に制御することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の渦電流ブレーキの制御装置。
  8. 前記電力制御手段により決定される交流励磁の周波数を、前記鉄道車両の走行速度に依存しない所定の周波数上限値以下に制御することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の渦電流ブレーキの制御装置。
  9. 前記電力制御手段により実施される制御において、制御装置は電機子に無効電力のみを供給し、制御装置と電機子とで構成される交流回路が零力率で運転されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の渦電流ブレーキの制御装置。
JP2009082126A 2009-03-30 2009-03-30 渦電流ブレーキの制御装置 Expired - Fee Related JP5260382B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009082126A JP5260382B2 (ja) 2009-03-30 2009-03-30 渦電流ブレーキの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009082126A JP5260382B2 (ja) 2009-03-30 2009-03-30 渦電流ブレーキの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010239683A true JP2010239683A (ja) 2010-10-21
JP5260382B2 JP5260382B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=43093536

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009082126A Expired - Fee Related JP5260382B2 (ja) 2009-03-30 2009-03-30 渦電流ブレーキの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5260382B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014054069A (ja) * 2012-09-06 2014-03-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal 渦電流式減速装置
JP2014054074A (ja) * 2012-09-07 2014-03-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal 渦電流式減速装置
CN103832288A (zh) * 2014-03-13 2014-06-04 山东交通职业学院 一种基于can总线的电涡流缓速器控制系统
WO2015128013A1 (de) * 2014-02-27 2015-09-03 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren und vorrichtung zum bremsen eines rotierenden elementes einer anordnung sowie anordnung mit einer derartigen vorrichtung
US9616770B2 (en) 2013-09-30 2017-04-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Electric vehicle drive apparatus, method of driving an electric vehicle, and program
JP2020505960A (ja) * 2016-10-14 2020-02-27 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 落下防止装置を使用してエネルギーを生成するための方法及び装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5120086B2 (ja) * 1972-11-10 1976-06-22
JPS5176720A (en) * 1974-10-28 1976-07-02 Mitsubishi Electric Corp Jikikidosochino bureekisochi
JPH05139309A (ja) * 1991-11-20 1993-06-08 Toshiba Corp ハイブリツドブレーキ装置
JP2002223597A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd 電磁式リターダの制御手段
JP2008017579A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Isuzu Motors Ltd 渦電流減速装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5120086B2 (ja) * 1972-11-10 1976-06-22
JPS5176720A (en) * 1974-10-28 1976-07-02 Mitsubishi Electric Corp Jikikidosochino bureekisochi
JPH05139309A (ja) * 1991-11-20 1993-06-08 Toshiba Corp ハイブリツドブレーキ装置
JP2002223597A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd 電磁式リターダの制御手段
JP2008017579A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Isuzu Motors Ltd 渦電流減速装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013001384; 柏木隆行、外4名: '"リニア技術を適用した交流励磁レールブレーキの基礎特性"' 鉄道総研報告 第22巻第11号, 20081101, p.29-34 *

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014054069A (ja) * 2012-09-06 2014-03-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal 渦電流式減速装置
JP2014054074A (ja) * 2012-09-07 2014-03-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal 渦電流式減速装置
US9616770B2 (en) 2013-09-30 2017-04-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Electric vehicle drive apparatus, method of driving an electric vehicle, and program
WO2015128013A1 (de) * 2014-02-27 2015-09-03 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren und vorrichtung zum bremsen eines rotierenden elementes einer anordnung sowie anordnung mit einer derartigen vorrichtung
CN103832288A (zh) * 2014-03-13 2014-06-04 山东交通职业学院 一种基于can总线的电涡流缓速器控制系统
CN103832288B (zh) * 2014-03-13 2015-10-14 山东交通职业学院 一种基于can总线的电涡流缓速器控制系统
JP2020505960A (ja) * 2016-10-14 2020-02-27 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 落下防止装置を使用してエネルギーを生成するための方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5260382B2 (ja) 2013-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5260382B2 (ja) 渦電流ブレーキの制御装置
US20120081065A1 (en) Overcurrent limiting for the closed-loop control of converter-fed three-phase machines
TWI770019B (zh) 電車用電力轉換控制裝置
JP5121200B2 (ja) 永久磁石電動機の制御装置
JPH01177801A (ja) 電気車の制御装置及び方法
US20150069977A1 (en) System and method for non-sinusoidal current waveform excitation of electrical generators
JP4460930B2 (ja) 渦電流ブレーキ装置
KR20120032410A (ko) 철도 차량의 발전 시스템
JP5242604B2 (ja) 鉄道車両用渦電流ブレーキ装置
KR101629781B1 (ko) 전자기형 리타더의 전력회수를 위한 전압제어장치 및 방법
SAKAMOTO et al. Development of a rail brake derived from linear motor technology
US10184534B2 (en) Frictionless electromagnetic braking system
CN104426431A (zh) 感应电动机式电车及其控制方法
JP4317235B2 (ja) リニアインダクションモータ駆動システム
JP4977739B2 (ja) 電気車の電力変換装置
JP3867262B2 (ja) 電気車の制御装置
JP3998666B2 (ja) 脱線検知装置
Khare et al. A Survey of Traction Permanent Magnet Synchronous Motor
Wang et al. A novel slip frequency control scheme with feed-forward compensation of SLIM in traction system
JP5385730B2 (ja) 回生ブレーキ制御方法及び回生ブレーキ制御装置
CN111293724B (zh) 平衡供电逆变器提供的功率分量的方法,相关网络和车辆
WO2024057633A1 (ja) 電源回生コンバータ
JPH11235075A (ja) フラット型リニア誘導モータ
JP2007252084A (ja) 電気車制御装置
JP4706716B2 (ja) 誘導電動機の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130425

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5260382

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees