JP2010239279A - 通信装置及びその方法並びに通信システム及びその方法 - Google Patents

通信装置及びその方法並びに通信システム及びその方法 Download PDF

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Abstract

【課題】切り替えるポートの誤選択の確実な防止をし、多重障害による全断の確率を低下させて、より信頼性の高い通信網の構築を図る。
【解決手段】OAM処理部14が、現用伝送路31の障害発生を検出するとき、障害が発生した多重プロテクション構成のプロテクション識別子をプロテクション制御部15に通知する。プロテクション制御部15は、プロテクション制御テーブル13のプロテクション識別子対応のエントリを参照して、その状態から切り替えるべき予備伝送路とそのポートとを選択して当該通信装置での切り替えを行う。その後、当該エントリの状態を切り替え後の状態に更新する。対向通信装置でも、上記切り替え処理と同じ規則で行われる。切り替えるポートの選択が確実に行われる。
【選択図】図1

Description

この発明は、通信装置及びその方法並びに通信システム及びその方法に関し、詳しくは、多重障害発生時等の伝送路の信頼性向上に有用な通信装置及びその方法並びに通信システム及びその方法に関する。
通信回線に障害が発生した場合の対策手段として良く知られているEther Linear Protection機能は、ITU-T G.8031に規定されているもので、通信装置間で現用伝送路(Work)と予備伝送路(Protection)の2つの伝送路(Transport Entity)を介して接続し、現用伝送路に障害が発生し、通信が不可となった場合でも、予備伝送路に切り替えて通信を継続させ、もって、伝送路の信頼性を向上させる技術である。
従来の通信装置におけるEther Linear Protection機能の動作について図10、図11及び図12を参照して説明する。
図10は、通信装置41と通信装置42との間に、Ether Linear Protection機能を用いて現用伝送路と予備伝送路とによる1:1 bidirectional構成を構築した通信システムの例を示す。
図10は、また、現用伝送路にのみ障害が発生した場合を示すもので、現用伝送路を介して通信装置41と通信装置42との間で通信が行われているとき、通信装置41,42は、互いに送受信しているOAMフレーム(OAM:operation administration and maintenance)の監視を行っている。この監視中に、現用伝送路の障害を検出し、予備伝送路に通信トラフィックの転送先を切り替えることで、通信装置41と通信装置42との間の通信を維持することが可能である(図10の(a))。
図11は、通信装置51と通信装置52との間に、Ether Linear Protection機能を用いて現用伝送路と予備伝送路とによる1+1 bidirectional構成を構築した通信システムの例を示す。
この通信システムにおいても、現用伝送路に障害が発生した場合に、通信トラフィックを受信する伝送路を予備伝送路に切り替えて、通信装置51と通信装置52との間の通信を維持することは可能である(図11の(a))。
図12は、通信装置61と通信装置62との間に、Ether Linear Protection機能を用いて現用伝送路と予備伝送路とによる1+1 unidirectional構成を構築した通信システムの例を示す。
この通信システムにおいても、現用伝送路に障害が発生した場合に、通信トラフィックを受信する伝送路を予備伝送路に切り替えて、通信装置61と通信装置62との間の通信を維持することは可能である(図12の(a))。
また、特許文献1には、障害が発生した伝送路を予備伝送路に切り替える関連技術が記載されている。この技術は、複数の伝送路で複数の予備伝送路を共有する伝送路冗長切替方式で、予備伝送路への切替を各伝送路に設定された優先度に基づいて行うことを示している。そこでの伝送路管理は、各伝送路を伝送路番号とChannel番号とで管理することが示されている。
また、特許文献2には、現用系の障害時に切り替え先として第1の予備系と第2の予備系とを備えて現用系に生ずる障害に備える関連技術が記載されている。この技術は、第1の予備系に障害が発生したときに、現用系の切り替え先として第2の予備系に切り替えることに係るものである。その切り替えは、切り替え先として適当でない状態の発生を契機として行うことが示されている。
また、特許文献3には、IDSN回線の障害時に予備のIDSN回線に切り替える関連技術が記載されている。この技術は、障害検出通知部がIDSN回線の障害を検出すると、その情報を通知される通信制御プロセッサは、障害検出のIDSN回線が自通信制御プロセッサ配下のものであるとき、その通信制御プロセッサは、回線状態管理部で管理されている予備のIDSN回線制御装置の使用未使用の状態を確認する。その未使用であるときに、障害回線から予備回線への切り替え制御に入るというものである。
特開2001−339370号公報 特開2005−027144号公報 特開平10−023149号公報
ところで、上述したEther Linear Protection機能を用いた従来の通信装置では、現用伝送路と予備伝送路は、それぞれ、1つの伝送路しかないため、両系の伝送路で同時に障害が発生する多重障害の場合には、通信が継続できなくなる(図10の(b)、図11の(b)、図12の(b))という技術的課題がある。
また、特許文献1乃至特許文献3は、上述の多重障害の解決手段の例を示してはいるが、いずれも、伝送路の切り替え管理は、その切り替え管理に各伝送路を伝送路番号とChannel番号とを用いるか、予備系から予備系への管理に切り替え先として適当でない状態の発生を用いるか、或るいは予備のIDSN回線制御装置の未使用の状態の確認を用いるもので、多重障害の解決をそれぞれ独立した別個の技術的観点から達成し得ているとは言うものの、複数の伝送路を統括乃至は統御してどのように管理するかということは、必ずしも、明確でなく、その管理への展望は漠然としており、不十分である。
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、多重障害発生時等の伝送路の信頼性を向上させるのに寄与し得る通信装置及びその方法並びに通信システム及びその方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、複数の伝送路を用いて構築される複合伝送路構成における伝送路の切り替えを行う通信装置に係り、複数の伝送路を用いて構築される複合伝送路構成内の所定の上記伝送路を介して通信を行う通信手段と、上記通信に使用中の上記伝送路について生ずる切り替え条件の発生を検出する検出手段と、該検出手段から出力される検出信号に基づいて上記複合伝送路構成の管理情報を出力する構成管理手段と、該構成管理手段から出力される上記管理情報に基づいて決定される新たな上記伝送路への上記通信の切り替えを上記通信手段に行わせる通信制御手段とを備えることを特徴としている。
この発明の第2の構成は、複数の伝送路を用いて構築される複合伝送路構成における伝送路切り替え方法に係り、複数の伝送路を用いて構築される複合伝送路構成内の所定の上記伝送路を介しての通信に使用中の上記伝送路について生ずる切り替え条件の発生を検出し、検出される検出信号に基づいて上記複合伝送路構成の管理情報を出力し、出力される上記管理情報に基づいて決定される新たな上記伝送路への上記通信の切り替えを行うことを特徴としている。
この発明の第3の構成は、複数の伝送路を用いて構築される複合伝送路構成における伝送路の切り替えを行う通信装置を有する通信システムに係り、上記通信装置が上記第1の構成の通信装置で構成されることを特徴としている。
この発明の第4の構成は、複数の伝送路を用いて構築される複合伝送路構成における伝送路を切り替えて通信を行う通信方法に係り、上記第2の構成の伝送路切り替え方法を用いて構成されることを特徴としている。
この発明によれば、複数の伝送路を用いて構築される複合伝送路構成内の所定の伝送路を介して行われる通信に使用中の伝送路について生ずる切り替え条件の発生が検出されるときに、出力される複合伝送路構成の管理情報に基づいて決定される新たな伝送路への上記通信の切り替えを行うようにしたので、誤った切り替えを確実に防止しつつ、多重障害時の全断等の確率を低下させ、より信頼性の高い通信網を構築することが可能になる。
この発明の実施形態1である通信装置の構成図である。 同通信装置を用いて構成される通信システムの構成図である。 同通信装置で用いられる検索テーブルを示す図である。 同通信装置で用いられるプロテクション制御テーブルを示す図である。 3本の伝送路に第1の障害状態が発生した時のプロテクション制御テーブルの状態を示す図である。 3本の伝送路に第2の障害状態が発生した時のプロテクション制御テーブルの状態を示す図である。 3本の伝送路のうちの現用伝送路に障害が発生した時のプロテクション状態を示す図である。 3本の伝送路に多重障害が発生した時のプロテクション状態を示す図である。 Non−Revertive(切戻さない)モード(a)及びRevertive(切戻す)モード(b)対応のプロテクション制御テーブルの状態を示す図である。 従来のEther Linear Protection機能のうちの1:1bidirectional機能でのプロテクション状態を示す図である。 従来のEther Linear Protection機能のうちの1+1bidirectional機能でのプロテクション状態を示す図である。 従来のEther Linear Protection機能のうちの1+1unidirectional機能でのプロテクション状態を示す図である。
実施形態1
図1は、この発明の実施形態1である通信装置の構成図、図2は、同通信装置を用いて構成される通信システムの構成図、図3は、同通信装置で用いられる検索テーブルを示す図、図4は、同通信装置で用いられるプロテクション制御テーブルを示す図、図5は、3本の伝送路に第1の障害状態が発生した時のプロテクション制御テーブルの状態を示す図、図6は、3本の伝送路に第2の障害状態が発生した時のプロテクション制御テーブルの状態を示す図、図7は、3本の伝送路のうちの現用伝送路に障害が発生した時のプロテクション状態を示す図、また、図8は、3本の伝送路に多重障害が発生した時のプロテクション状態を示す図である。
この実施形態の通信装置1は、3つ以上の伝送路に多重障害が発生しても当該伝送路に構成される多重プロテクション構成の範囲内で正常な通信を継続させ得る装置に係り、図1に示すように、検索部11と、系選択部12と、プロテクション制御テーブル13と、OAM処理部14と、プロテクション制御部15とを有して概略構成されている。また、通信装置1は、伝送路31、32、33を介して、通信装置1と同一構成の通信装置2に接続されて図2に示す通信システム10を構成する。伝送路31、32、33は、通信回線の例であり、伝送路は3本に制限されない。このような3つ以上の伝送路に構築されるプロテクション構成を多重プロテクション構成と呼ぶ。
また、伝送路は必ずしもポート毎である必要はない。このことについては、後述する。
検索部11は、一般的なMACアドレス検索機能と検索テーブル11Tとを有して構成される。検索テーブルは、図3に示すように、宛先MACアドレスでポート又はプロテクション識別子のいずれか一方を検索可能なエントリを有する。この検索テーブルは、送信元MACアドレスが検索テーブルに登録されていないフレームを多重プロテクション構成のポートから受信するときには、受信ポートの代わりにプロテクション識別子が登録され、多重プロテクション構成ではないポートから受信するときには、受信ポート番号が登録され、また、フレームの送受信によってエントリが自動的に登録され、構築されていくテーブルである。
検索部11における受信フレームの宛先MACアドレスによる検索テーブル11Tの検索において、プロテクション識別子のエントリがヒットしたときは、プロテクション識別子の情報と共にフレームが系選択部12へ転送され、出力ポートのエントリがヒットしたときはそのままそのポートから出力される。
系選択部12は、プロテクション制御テーブル13を参照して現用伝送路、予備伝送路にマッピングしたポートの識別を行ってこの識別対応の処理を行う機能部である。例えば、その機能は、伝送路への送信方向では、検索部11で決定されたプロテクション識別子を検索キーとしてプロテクション制御テーブル13から、対応する多重プロテクション構成のエントリを検索する。そして、そのエントリの伝送路の状態が現用に登録されているポートを出力ポートとして決定する一方、伝送路からの受信方向では、プロテクション制御テーブル13を参照して現用状態のポートから入力されるトラフィックのみを通過させ、予備状態のポートから入力されるトラフィックは廃棄する。
プロテクション制御テーブル13は、複数の多重プロテクション構成のエントリを登録するテーブルである。登録される1つのエントリには、多重プロテクション構成を識別するプロテクション識別子と、プロテクション識別子で識別される多重プロテクション構成に属する現用伝送路及び予備伝送路にマッピングされるポートと、伝送路毎にその現在の状態(現用、予備、障害)とが登録される。現用伝送路及び予備伝送路とも複数備える場合には、例えば、予備伝送路1,2のように番号を付けて識別する。
この多重プロテクションテーブル13は、多重プロテクション構成の運用開始時に初期設定すべきテーブルである。
OAM処理部14は、Ether Linear Protectionの規格に従ったプロトコル処理と、通信装置間で伝送路を介して送受信するOAMフレーム(CCMフレーム、APSフレーム)(CCM:Continuity Check Message、APS:Automatic Protection Switching)の生成及び終端を行う機能部である。
具体的には、OAM処理部14は、現用伝送路に対してはCCMフレームを、また、予備伝送路に対してはCCMフレーム、APSフレームの送受信を行う。OAM処理部14での現用伝送路及び予備伝送路の識別は、プロテクション制御テーブル13を参照して行う。
OAM処理部14で行われる伝送路からの受信では、受信するトラフィックの中からOAMフレームを識別して抽出し、それについてプロトコル処理を行い、その結果をプロテクション制御部15に通知する。
OAMフレーム以外のフレームは、受信するポートが属する多重プロテクション構成のプロテクション識別子及び受信ポートの情報と共に、系選択部12に転送される。
プロテクション制御部15は、OAM処理部14から通知されるプロトコル処理結果に基づいて、必要に応じてプロテクション制御テーブル13の更新を行う機能部である。
次に、図1乃至図8を参照して、この実施形態の動作について説明する。
説明の都合上、図2に示される通信システム、すなわち、図1に示す通信装置1と、3つの伝送路31,32,33と、通信装置1と同一構成の通信装置2とで構成されるシステムに、その3つの伝送路31,32,33について多重プロテクション構成が構築されている例における動作について、以下に説明する。
ここで、通信装置1の検索部11、検索テーブル11T、系選択部12、プロテクション制御テーブル13、OAM処理部14及びプロテクション制御部15に対応する通信装置2の構成要素を検索部21、検索テーブル21T、系選択部22、プロテクション制御テーブル23、OAM処理部24及びプロテクション制御部25として以下参照する。
また、図2に示す通信システムは、その現用伝送路を1系統とし、予備伝送路を2系統として構成されており、現用伝送路は送信側で選択し、選択した伝送路のみ双方向にトラフィックを送受信する構成とする。この構成は、Ether Linear Protectionの1:1bidirectional構成を拡張し、予備伝送路を1つ増加させた構成であり、1:2bidirectional構成と呼ぶこととする。「bidirectional」は、通信装置が双方向で同じ伝送路を現用伝送路として使用することを表す。
上記構成の下での通信システムが通信中にあるときのプロテクション制御テーブル13,23の登録状態は、図4に示す状態にあり、また、検索テーブルの登録状態は、図3に示す状態にあるものとする。プロテクション制御テーブル13のエントリには、図4に示すように、プロテクション識別子と、現用伝送路及び2つの予備伝送路に対応するポート及びそれらの状態とが登録される。
この登録の下での通信状態では、図2に示す通信システム10の通信装置1と通信装置2との間の伝送路として、現用伝送路31(図4の現用伝送路1対応)と、予備伝送路32,33(図4の予備伝送路1及び予備伝送路2対応)とが用いられている。そのときに、通信装置1にはMACアドレスAのホスト40が接続される一方、通信装置2にはMACアドレスBのホスト50が接続されており、ホスト40から通信装置1のポート16で受信したトラフィックは、現用伝送路31を介して通信装置2のポート26からホスト50へ送信され、また、逆方向のトラフィックも、現用伝送路31を介して送受され得る通信制御状態が確立されているものとする。
また、通信装置1及び通信装置2の全てのポートは、同一のVLAN(Virtual Local Area Network)に属しているものとする。
この通信状態にあるときの通信装置1からのフレーム転送動作を以下に説明する。
図1において、通信装置1のポート16でホスト40から宛先MACアドレスBのフレームを受信すると、検索部11は、そのMACアドレスBをキーとしてMAC検索を検索テーブル11Tに対して行う。この検索によりMACアドレスBの登録がある(ヒットする)と、プロテクション識別子10が得られる。プロテクション識別子10は、フレームと共に系選択部12に転送される。
系選択部12は、受け取ったプロテクション識別子10をキーとしてプロテクション制御テーブル13(図4の通信装置1)を検索する。この検索によりプロテクション識別子10に対応する多重プロテクション構成のエントリが読み出される。そのエントリの中の状態が現用になっているポート17を出力ポートとして決定する。
その後、フレームは、OAM処理部14を経由してポート17から現用伝送路31を介して通信装置2へ送信される。
検索部11における検索テーブル11Tの検索において、ミスヒットが生じたときには、フレームはプロテクション識別子の情報が無いまま、系選択部12に転送される。系選択部12は、プロテクション制御テーブル13を参照し、登録されている全ての多重プロテクション構成の状態が現用になっているポートにフレームをフラッディングする。ただし、フラッディングするポートは、受信ポートを除き、同一VLANに属する現用ポートに限る。
このとき、OAM処理部14,24では、プロテクション制御テーブル14,24を参照し、Ether Linear Protectionのプロトコルに従って、現用伝送路31に対してCCMフレームを、また、予備伝送路32,33に対してはCCMフレーム、APSフレームの送受信を行い、伝送路の障害を監視している。
次に、通信装置1から送信されたフレームを受信する通信装置2の動作について説明する。
上述のようにして、通信装置1から送信され、通信装置2において現用伝送路31にマッピングされたポート27を経てホスト50宛てのフレームを受信すると、OAM処理部24は、受信したフレームがOAMフレームであるか否かをチェックし、そのフレームはホスト50宛てのものであるので、OAMフレームではないと判定する。さらに、OAM処理部24は、受信ポート27が属する多重プロテクション構成のプロテクション識別子をプロテクション制御テーブル23から検索し、そして、受信したフレームと検索されたプロテクション識別子20とを系選択部22へ転送する。
系選択部22は、受け取ったプロテクション識別子20をキーとしてプロテクション制御テーブル23を検索し、フレームを受信したポート27が現用状態になっているポートに一致しているか否かをチェックする。現用状態のポート番号として、27が登録されているので、一致していると判定し、フレームを破棄せずに、受け取っているフレームを検索部21に転送する。
検索部21は、受け取ったフレームの送信元MACアドレスAをキーとして検索テーブル21Tの検索を行う。その検索により、プロテクション識別子20のエントリがヒットするので、検索テーブル21Tの登録処理は行わない。
上記検索がミスヒットとなるときは、MACアドレスAとプロテクション識別子20のエントリが検索テーブル21Tに登録される。
さらに、宛先MACアドレスBをキーとして検索テーブル21Tを検索する。この検索により、ポート26のエントリがヒットするので、ポート26からフレームをホスト50へ送信する。
上述したようにして、通信装置1と通信装置2との間で、現用伝送路31を介して通信を行うことができる。
上述のようにして通信状態にある現用伝送路31に障害が発生し、通信不可となった場合の切り替え動作を以下に説明する。このときの通信システム10のプロテクション状態を図5に示す。
現用伝送路31の監視は、OAM処理部14において、Ether Linear Protectionの規定に則り、定期的に送信するCCMフレームの応答によって行う。CCMフレームの応答が一定期間途切れたら、障害が発生したと判定し、障害が発生した多重プロテクション構成のプロテクション識別子10をプロテクション制御部15に通知する。
プロテクション制御部15は、プロテクション制御テーブル13のプロテクション識別子10のエントリを参照し、状態が最も若番(予備1)になっている予備伝送路1のポート18を、障害を通知するAPSフレームの交換及び現用への切り替えを行うポートとして選択する。その後、当該エントリに対して、現用伝送路1の状態を現用から障害に、予備伝送路1の状態を予備1から現用に、そして予備伝送路2の状態を予備2から予備1に更新する。この更新が行われたときのプロテクション制御テーブル13の状態を図6に示す。
このようにしてプロテクション制御テーブル13を更新した後、系選択部12は、更新後のプロテクション制御テーブル13を参照し、現用に更新された伝送路32にマッピングされたポート18を出力ポートとして選択する。
かくして、現用伝送路31と予備伝送路32との切り替えを行うことができる。
なお、通信装置2も、上記切り替え処理と同じ規則で行われる。したがって、切り替えるポートの選択が、通信装置間で不一致となることはない。
また、上記切り替えにおいて、予備伝送路33についての処理は、上記以外、何も行われない。
上述の切り替えが行われた後、切り替え後の現用伝送路32が通信不可となる多重障害が発生した場合の切り替え動作を以下に説明する。このときの通信システムのプロテクション状態を図7に示す。
この多重障害の発生時も、OAM処理部14がその障害を検出し、障害が発生した多重プロテクション構成のプロテクション識別子10をプロテクション制御部15に通知する。
プロテクション制御部15は、受け取ったプロテクション識別子10でプロテクション制御テーブル13を検索して該当するエントリを参照し、状態が最も若番(予備1)になっている予備伝送路2を現用への切り替え対象として選択する。そして、上記該当エントリに対して、多重障害発生時に現用伝送路となっている予備伝送路1の状態を現用から障害に、予備伝送路2の状態を予備1から現用に更新する。これにより、現用伝送路32を予備伝送路33との切り替えが行われる。この更新が行われたときのプロテクション制御テーブル13の状態を図8に示す。
このように、通常のEther Linear Protectionにおいては、予備伝送路が1系統しか定義できないため、切り替え後の現用伝送路が障害となったときには、通信可能な伝送路が無くなり、通信装置間の通信が全断となってしまうが、この実施形態では予備伝送路をもう1系統備え、複数の予備伝送路を含む多重プロテクション構成となっているから、通信の継続が可能である。
次に、障害の伝送路が復旧した場合の動作について説明する。その動作を多重プロテクション構成が、Non Revertive(切り戻さない)モードの場合とRevertive(切り戻す)モードの場合とを分けて説明する。
Non Revertive(切り戻さない)モードの場合には、復旧した伝送路が障害発生前に現用伝送路であるが、復旧後は予備伝送路となり、状態が障害から最老番の予備状態へ更新される。例えば、上記の多重障害が起こっている状態で、伝送路31が復旧した場合には、この伝送路は障害発生前に現用伝送路であるが、復旧後は予備伝送路となり、状態が障害から予備1へ更新される。この更新が行われたときのプロテクション制御テーブル13の状態を図9の(a)に示す。
Revertive(切り戻す)モードの場合には、復旧した伝送路が障害発生前に現用伝送路であった場合、復旧した伝送路が現用伝送路に切り戻され、状態が障害から現用に更新される。さらに、現在の現用伝送路は予備伝送路となり、状態が現用から最老番の予備状態へ更新される。
しかし、復旧した伝送路が障害発生前に予備伝送路であった場合には、復旧した伝送路が予備伝送路になるのみで、現用伝送路は切り替わることはなく、状態が障害から最老番の予備状態へ更新される。
例えば、上記の多重障害が起こっている状態で、伝送路31が復旧した場合には、この伝送路は障害発生前に現用伝送路であるため、復旧後は現用伝送路に切り戻され、状態が障害から現用へ更新される。さらに、現在の現用伝送路33は予備伝送路となり、状態が現用から予備1へ更新される。この更新が行われたときのプロテクション制御テーブル13の状態を図9の(b)に示す。
このように、この実施形態によれば、多重プロテクション構成に障害が現用伝送路に発生したとき、そのプロテクション識別子に基づいてプロテクション制御テーブルを検索して現用伝送路から予備伝送路への切り替えを行うようにしたので、切り替えるポートの誤選択を確実に防止しつつ、複数の伝送路で生ずる多重障害による全断の確率を低下させ、より信頼性の高い通信網を構築することが可能になる。
実施形態2
この実施形態は、実施形態1の1:2 bidirectional構成を1:m bidirectional構成に拡張してなる実施形態である。mは3以上である。
すなわち、予備伝送路を2系統からm系統として構成するものである。したがって、プロテクション制御テーブルは、予備伝送路のポート番号と状態とを登録するフィールドを2個からm個に増やして構成する。
この実施形態での動作も、実施形態1で説明したところから明らかになるので、その逐一の説明は省略する。
この実施形態でも、実施形態1で得られる効果と同等の効果を享受することができる。
実施形態3
この実施形態は、Ether Linear Protectionの1+1 bidirectional構成を1+m bidirectional構成に拡張してなる実施形態である。mは2以上である。
この実施形態の動作は、送信側の通信装置が現用伝送路だけでなく、複数の予備伝送路から選択した1つの予備伝送路にも同じトラフィクを複製して送信し、受信側の通信装置で現用伝送路側のトラフィックを選択する動作となる。また、互いの通信装置が双方向で同じ伝送路を現用伝送路として使用する。
また、系選択部の伝送路への送信においてその出力ポートを決定する際に、検索部で決定したプロテクション識別子のエントリから、伝送路の状態が現用のポートだけでなく、最若番の予備状態の伝送路のポートも出力ポートとして決定し、フレームを複製するように変更することで実施形態1での機能を構築することが可能である。また、伝送路からの受信においては、現用状態のポートから入力されたトラフィックのみを通過させ、予備状態のポートから入力されたトラフィックを廃棄する点は変更しない。
この実施形態でも、実施形態1で得られる効果と同等の効果を享受することができる。
実施形態4
この実施形態は、Ether Linear Protectionの1+1 unidirectional構成を1+m unidirectional構成に拡張してなる実施形態である。mは2以上である。
この実施形態の動作は、送信側の通信装置が現用伝送路だけでなく、複数の予備伝送路から選択した1つの予備伝送路にも同じトラフィクを複製して送信し、受信側の通信装置で現用伝送路側のトラフィックを選択する動作となる。この点は、実施形態3と同じであるが、通信装置が互いに異なる伝送路を現用伝送路として使用する点が異なる。
また、この実施形態では使用する現用伝送路を一致させる必要がないため、実施形態3とは異なり、OAM処理部にけるAPSフレームの生成/終端処理とAPSプロトコル処理を停止させることにより実施形態3と同じ機能を構築することができる。
この実施形態でも、実施形態1で得られる効果と同等の効果を享受することができる。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、この発明の具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもそれらはこの発明に含まれる。
例えば、上記いずれの実施形態においても、プロテクション制御テーブルの設定は、通信システムの運用開始時に行うことを述べたが、許容し得る限度内においてその後に変更するようにしてもよい。
また、伝送路は必ずしもポート毎である必要はないことを実施形態で説明したが、トラフィックを何らかのルール(フレームのVLANタグのVID等)で分類した論理的なパスにマッピングしてこの発明を実施してもよい。
したがって、この発明における伝送路は、物理回線のほか、論理回線も含む。
また、上記いずれの実施形態においても、3以上の伝送路に多重プロテクション構成が構築される通信システムの例について説明したが、複数の伝送路を用いて構築される複合伝送路構成において、その使用中の伝送路に生ずる切り替え条件の発生(例えば、通信速度の変更)を検出し、その検出信号に基づいて複合伝送路構成の管理情報を出力する。そして、出力される管理情報に基づいて決定される新たな前記伝送路への通信の切り替えを行う構成でも、この発明を実施し得る。
ここに開示している通信装置及びその方法並びに通信システム及びその方法は、伝送路に多重障害等の切り替え条件が発生したときに伝送路の切り替えが必要な各種の通信システム等に利用し得る。
1,2 通信装置
10 通信システム
11 検索部(通信手段の一部)
12 系選択部(通信手段の一部、通信制御手段の一部)
13 プロテクション制御テーブル(通信手段の一部)
14 OAM処理部(通信手段の残部、検出手段、通信制御手段の残部)
15 プロテクション制御部(構成管理手段、プロテクション制御手段)
31,32,33 伝送路

Claims (19)

  1. 複数の伝送路を用いて構築される複合伝送路構成内の所定の前記伝送路を介して通信を行う通信手段と、
    前記通信に使用中の前記伝送路について生ずる切り替え条件の発生を検出する検出手段と、
    該検出手段から出力される検出信号に基づいて前記複合伝送路構成の管理情報を出力する構成管理手段と、
    該構成管理手段から出力される前記管理情報に基づいて決定される新たな前記伝送路への前記通信の切り替えを前記通信手段に行わせる通信制御手段とを備えることを特徴とする通信装置。
  2. 3以上の伝送路について構築される多重プロテクション構成内の所定の前記伝送路を介して通信を行う通信手段と、
    前記伝送路に生ずる障害を検出してプロテクション識別子を出力する検出手段と、
    該検出手段から出力される前記プロテクション識別子に基づいて前記多重プロテクション構成のプロテクション識別情報を出力するプロテクション制御手段と、
    該プロテクション制御手段から出力される前記プロテクション識別情報に基づいて決定される新たな前記通信回線への前記通信の切り替えを前記通信手段に行わせる通信制御手段とを備えることを特徴とする通信装置。
  3. 前記プロテクション識別情報は、前記多重プロテクション構成を識別するプロテクション識別子と、前記伝送路毎の状態と、前記伝送路毎のポートとを有し、前記通信制御手段は、前記プロテクション識別子に対応する前記状態及び前記ポートに基づいて前記切り替えを行うことを特徴とする請求項2記載の通信装置。
  4. 前記プロテクション識別情報は、可変的に変更可能であることを特徴とする請求項2又は3記載の通信装置。
  5. 前記プロテクション識別情報は、優先順位が付されることを特徴とする請求項4記載の通信装置。
  6. 前記プロテクション識別情報は、プロテクション制御テーブルのエントリとして登録されることを特徴とする請求項2、3、4又は5記載の通信装置。
  7. 前記状態は、多重プロテクション構成内の一部の前記伝送路を現用伝送路として識別する現用とされ、残余の前記伝送路を予備伝送路として識別する予備とされて前記通信の切り替えの制御に用いられることを特徴とする請求項3、4、5又は6記載の通信装置。
  8. 前記予備として識別される前記状態は、予め設定される順位で識別されることを特徴とする請求項7記載の通信装置。
  9. 前記通信の切り替え後の障害であった前記伝送路の復旧は、当該伝送路の前記状態を現用とするか、又は予備とするようにして行う請求項7又は8記載の通信装置。
  10. 複数の伝送路を用いて構築される複合伝送路構成内の所定の前記伝送路を介しての通信に使用中の前記伝送路について生ずる切り替え条件の発生を検出し、
    検出される検出信号に基づいて前記複合伝送路構成の管理情報を出力し、
    出力される前記管理情報に基づいて決定される新たな前記伝送路への前記通信の切り替えを行うことを特徴とする伝送路切り替え方法。
  11. 3以上の伝送路について構築される多重プロテクション構成内の所定の前記伝送路に生ずる障害を検出してプロテクション識別子を出力し、
    出力される前記プロテクション識別子に基づいて前記多重プロテクション構成のプロテクション識別情報を出力し、
    出力される前記プロテクション識別情報に基づいて決定される新たな前記通信回線への前記通信の切り替えを行うことを特徴とする伝送路切り替え方法。
  12. 前記プロテクション識別情報は、前記多重プロテクション構成を識別するプロテクション識別子と、前記伝送路毎の状態と、前記伝送路毎のポートとを有し、前記通信の切り替えは、前記プロテクション識別子に対応する前記状態及び前記ポートに基づいて行うことを特徴とする請求項11記載の伝送路切り替え方法。
  13. 前記プロテクション識別情報は、可変的に変更可能であることを特徴とする請求項11又は12記載の伝送路切り替え方法。
  14. 前記プロテクション識別情報は、優先順位が付されることを特徴とする請求項10記載の伝送路切り替え方法。
  15. 前記状態は、多重プロテクション構成内の一部の前記伝送路を現用伝送路として識別する現用とされ、残余の前記伝送路を予備伝送路として識別する予備とされて前記通信の切り替えの制御に用いられることを特徴とする請求項11、12、13又は14記載の伝送路切り替え方法。
  16. 前記予備として識別される前記状態は、予め設定される順位で識別されることを特徴とする請求項15記載の伝送路切り替え方法。
  17. 前記通信の切り替え後の障害であった前記伝送路の復旧は、当該伝送路の前記状態を現用とするか、又は予備とするようにして行う請求項15又は16記載の伝送路切り替え方法。
  18. 請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の通信装置を有して構成されることを特徴とする通信システム。
  19. 請求項10乃至請求項17のいずれか一に記載の伝送路切り替え方法を用いて構成されることを特徴とする通信方法。
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