JP2010238369A - 低温作動型燃料電池の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料がアンモニアで触媒電極層に使用される電極触媒が貴金属触媒である、固体高分子型等の低温作動型燃料電池において、発電を継続した場合に該貴金属触媒の活性が低下し発電能が低下していく問題を改善すること。
【解決手段】 上記態様の低温作動型燃料電池の運転において、電池出力が小さくなり発電能が低下した後に、燃料室に水素含有ガスを供給する期間を設けることにより、該低下した発電能を回復させ、高い発電能での運転を続行可能にする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、燃料極に貴金属触媒を用いた、アンモニアを直接燃料に用いる低温作動型燃料電池の運転方法に関する。
燃料電池は、一般的な発電システムとは異なり、化学エネルギーを電力として取り出す発電システムであり、アルカリ型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型、固体高分子型などの各種の形式の燃料電池が提案、検討されている。これらの中でも、アルカリ型や固体高分子型燃料電池は、作動温度が200℃以下の低温であるため、携帯電源の他にも定置型電源や車載用途などの中小型の低温作動型燃料電池として期待されている。
上記低温作動型燃料電池の一つである固体高分子型燃料電池は、イオン交換樹脂等の固体高分子を電解質として用いた燃料電池であり、動作温度が特に低いという特徴を有する。該固体高分子型燃料電池は、図1に示されるように、それぞれ外部と連通する燃料流通孔2および酸化剤ガス流通孔3を有する電池隔壁1内の空間を、固体高分子電解質膜6の両面にそれぞれ燃料室側触媒電極層4および酸化剤室側触媒電極層5が接合した接合体で仕切って、燃料流通孔2を通して外部と連通する燃料室7、および酸化剤ガス流通孔3を通して外部と連通する酸化剤室8が形成された基本構造を有している。そして、このような基本構造の固体高分子型燃料電池では、前記燃料室7に燃料流通孔2を通して水素ガスあるいはメタノール等の液体からなる燃料を供給すると共に酸化剤室8に酸化剤ガス流通孔3を通して酸化剤となる純酸素や空気等の酸素含有ガスを供給し、更に燃料室側触媒電極層と酸化剤室側触媒電極層間に外部負荷回路を接続することにより次のような機構により電気エネルギーを発生させている。
固体高分子電解質膜6としてカチオン交換膜を使用した場合には、燃料室側触媒電極層4において該電極内に含まれる触媒と燃料とが接触することにより生成したプロトン(水素イオン)が固体高分子電解質膜6内を伝導して酸化剤室8に移動し、酸化剤室側触媒電極層5で酸化剤ガス中の酸素と反応して水を生成する。一方、燃料室側触媒電極層4においてプロトンと同時に生成した電子は外部負荷回路を通じて酸化剤室側触媒電極層5へと移動するので上記反応のエネルギーを電気エネルギーとして利用することができる。
このような固体電解質膜としてカチオン交換膜を使用した固体高分子型燃料電池においては、反応場が強酸性のため、触媒電極中の電極触媒としては、通常、触媒活性の高い貴金属触媒が使用されている。
また最近では、カチオン交換膜に替えてアニオン交換膜を用いることが検討されており、幾つか提案されている(特許文献1〜6)。アニオン交換膜を用いた燃料電池では反応場は塩基性であるため、貴金属以外の電極触媒も使用可能になるとされているが、現状では該貴金属を超えるような性能の電極触媒はほとんど見つかっておらず、やはりこれも主には貴金属触媒が使用されている。
係るアニオン交換膜型の固体高分子型燃料電池において、電気エネルギーが発生するための機構は、次のような固体高分子電解質膜6内を移動するイオン種が異なるものになる。すなわち、燃料室に水素あるいはメタノール等を供給し、酸化剤室に酸素および水を供給することにより、酸化剤室側触媒電極層5において該電極内に含まれる触媒と該酸素および水とが接触して水酸化物イオンが生成する。この水酸化物イオンは、上記アニオン交換膜からなる固体高分子電解質膜6内を伝導して燃料室7に移動し、燃料室側触媒電極層4で燃料と反応して水を生成することになるが、これに伴って該燃料室側触媒電極層4で生成した電子を外部負荷回路を通じて酸化剤室側触媒電極層5へと移動させて、この反応のエネルギーを電気エネルギーとして利用する。
これまでに、アニオン交換膜型燃料電池としては、織布などの多孔質膜に、4級アンモニウム塩基や4級ピリジニウム塩基などのアニオン交換基を有する炭化水素系架橋重合体を充填した膜(特許文献1)や、炭化水素系エンジニアリングプラスチック類に4級アンモニウム塩基を導入後キャスト製膜した膜(特許文献2)、更には含フッ素ポリマーからなる基材にアニオン交換基を有する炭化水素系モノマーをグラフト重合させた膜(特許文献3)を用いたものなどが提案されている。また、水およびメタノールに難溶な炭化水素系エラストマー(特許文献4)や、水酸基を有する4級化剤で4級化した樹脂(特許文献5)を触媒電極層のアイオノマーとして用いたもの、さらには、アニオン交換膜の表面にカチオン交換基を有する樹脂を吸着させ触媒電極層との接合性を向上させた隔膜(特許文献6)を用いるものなどが提案されている。
一方、燃料電池の燃料としては、一般的に水素やアルコールなどが利用されている。水素を燃料に用いる場合、燃料電池で発電した後の生成物は水のみであり、環境負荷の少ない発電システムとなり得るが、水素の供給や貯蔵に大きな問題を抱えており、実用化の妨げとなっている。また、アルコールを直接燃料に用いる直接アルコール型燃料電池が検討されている一方、アルコールや炭化水素を触媒層などで改質して水素を取り出し、該取り出した水素を燃料として利用するシステムも提案されている。しかしながら、燃料にアルコールや炭化水素を使う限り、反応の際に二酸化炭素などの温室効果ガスが発生することは避けられず、環境負荷の面では問題を残している。
このような状況にあって、燃料電池の燃料としてアンモニアを使用することが考えられる。アンモニアは、一分子中に約18質量%もの水素原子を保有し、分子内に炭素原子を含まないので燃焼しても二酸化炭素のような温室効果ガスを全く排出せず、また水素よりも少ないエネルギーで液化できるので特に貯蔵や取り扱いに優れているという特徴を有している。また、アンモニアは、化学肥料として、あるいは一般工業原料として広く使われており、取り扱いが周知されている点で汎用性の高い燃料の一つと言える。
アンモニアを燃料に用い、ニッケル/アルミナ触媒を用いた改質によって水素を供給する燃料電池のシステムも提案されているが(特許文献7)、改質用の触媒を800〜900℃に加熱する必要があるため、エネルギーコストの面ではマイナスとなり、またシステムが複雑になるというデメリットがある。したがって、燃料としてのアンモニアを、改質することなく、直接燃料として用いることができれば、エネルギーコストの上でもメリットがあり、温室効果ガスを全く発生しない理想的な燃料電池システムの完成が期待できる。
アンモニアを直接燃料として使用することができる低温作動型燃料電池としては、上述した各種の方式の燃料電池の中でもアルカリ型や固体高分子型燃料電池を挙げることができる。アルカリ型燃料電池は、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ電解液を多孔質の材料に含浸させた電解質を使用するもので、アポロ宇宙船やスペースシャトルの電源用として実用化されている(非特許文献1)。斯様なアルカリ型燃料電池においても、触媒電極層に使用される電極触媒としては貴金属触媒が好適なものとして使用されている。
他方、前述した構造の固体高分子型燃料電池においては、燃料に斯様にアンモニアを用いる場合には、カチオン交換膜型では、燃料のアンモニアがイオン交換膜中のカチオンサイトにイオン交換されるため、高出力の燃料電池が得難いと考えられ、アニオン交換膜型の燃料電池が好適に採用される。
ところで、上記アンモニアを直接燃料として使用することができる低温作動型燃料電池では、固体高分子型燃料電池も、さらにはアルカリ型燃料電池も、触媒電極層に使用される電極触媒としては、前記したように活性の高さから貴金属触媒が好適に使用されている。ところが、こうした態様の低温作動型燃料電池について、本発明者らが検討を進めたところ、燃料室にアンモニア燃料を供給し続けて発電を継続すると、比較的短時間で上記貴金属触媒の活性が急激に低下しセル電圧が小さくなり、発電の出力が低下していくことが見出された。
しかして、この問題は、今まで報告されていない、同燃料電池の実用化に対して大きな障害になる現象であり、本発明者らは、この貴金属触媒の活性低下の原因について種々検討した。その結果、燃料のアンモニアの分解によって生成した窒素化合物またはその中間体による貴金属触媒の被毒が関係しているのではないかと推測された。
なお、アニオン交換膜型の固体高分子型燃料電池における、電極触媒の活性低下の現象としては、上記本発明の系とは燃料も電極触媒種も異なる、アルコールが燃料で、Ni等の非貴金属が電極触媒の燃料電池において報告されている(特許文献8、9)。しかし、これは発電を継続することにより上記非貴金属触媒の表面に酸化物皮膜が形成されることが原因であり、本発明が対象とする燃料電池とは、前記の如くに燃料も電極触媒種も全く相違する系でのことであるから、その解決手段等も含めて何の参考になるものではない。
特開平11−135137号公報 特開平11−273695号公報 特開2000−331693号公報 特開2002−367626号公報 特開2007−188788号公報 特開2007−042617号公報 特開2005−145748号公報 特開2008−159492号公報 特開2008−159493号公報
「燃料電池技術とその応用」、p.71、竹原善一郎監修、株式会社テクノシステム、2000年
以上のように、燃料がアンモニアで触媒電極層に使用される電極触媒が貴金属触媒である低温作動型燃料電池では、発電を継続すると、該貴金属触媒の活性が低下し発電能が低下していく問題があり、これを改善して、長時間発電可能な燃料電池とすることが大きな課題であった。
本発明者等は、上記の性能低下の原因を検討するとともに、性能が低下した燃料電池の回復方法を種々検討した。その結果、燃料室に水素含有ガスを供給する期間を設けることによって燃料電池の出力が短時間で効果的に回復することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、燃料室側触媒電極層に含有される電極触媒が貴金属触媒である低温作動型燃料電池の燃料室にアンモニア燃料を供給して発電を継続するに当たって、燃料室に水素含有ガスを供給して、発電能を回復させる期間を間歇的に設けることを特徴とする、アンモニアを燃料とする低温作動型燃料電池の運転方法である。
本発明による燃料電池の運転方法によれば、貴金属を触媒とする低温作動型燃料電池において、アンモニアを燃料として発電させた際の燃料電池の性能低下を効果的に回復させることができる。したがって、上述した様々な利点を有するアンモニアを燃料とする低温作動型燃料電池において、一度、組立てた燃料電池セルの継続的な使用を可能にさせるものであり、産業上の利用価値は極めて高いものである。
固体高分子型燃料電池の基本構造を示す概念図である。
1;電池隔壁
2;燃料流通孔
3;酸化剤ガス流通孔
4;燃料室側触媒電極層
5;酸化剤室側触媒電極層
6;固体高分子電解質膜
7;燃料室
8;酸化剤室
本発明の方法を適用する燃料電池は、燃料室側触媒電極層に含有される電極触媒が貴金属触媒である、アンモニアを燃料とする低温作動型燃料電池である。ここで、低温作動型燃料電池とは、作動温度が200℃以下の低温である燃料電池を言い、具体的には、前述したように、アルカリ型や固体高分子型燃料電池が該当する。
アルカリ型燃料電池は、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ電解液を多孔質の材料等に含浸させた電解質を使用するものである。一方、固体高分子型燃料電池は、イオン交換樹脂等の固体高分子を電解質として用いた燃料電池であり、上記のアルカリ型と違って電解質が固体であるので、システムが小型、コンパクトに設計できるという特徴を有し、より有利である。固体高分子型燃料電池は、伝導イオン種がプロトンなどのカチオンである、カチオン交換膜型燃料電池と、伝導イオン種が水酸化物イオンなどのアニオンである、アニオン交換膜型燃料電池の二種類があるが、本発明のように、アンモニアを燃料に用いる直接燃料型の燃料電池においては、より高出力が得易いことからアニオン交換膜型の燃料電池が好適に採用される。
前記したように燃料室側触媒電極層に含有される電極触媒が貴金属触媒である低温作動型燃料電池では、発電を継続すると、上記貴金属触媒の活性が低下することが原因と考えられるが、電池出力が小さくなり発電能が低下する問題が発生する。これに対して、本発明は、斯様に発電能が低下した後に、燃料室に水素含有ガスを供給することで、該発電能を回復させ、運転を続行可能にした点に最大の特徴を有するものである。
低温作動型燃料電池が固体高分子型燃料電池である場合を例に、その基本構造を示す図1に基づいて、本発明の運転方法をより詳細に説明すれば、該燃料電池では、燃料室7に燃料流通孔2を通してアンモニア燃料が供給され、他方、酸化剤室8には酸化剤ガス流通孔3を通して酸素含有ガスが供給され、これにより発電状態になる。
ここで、燃料室7に供給するアンモニア燃料は、アンモニアガスを供給しても、液体のアンモニア水を供給してもよい。アンモニアガスを供給する場合は、窒素やアルゴンなどの不活性ガスで希釈して供給してもよい。また、燃料ガスは無加湿で供給しても良いが、アニオン交換膜の乾燥による抵抗の増大を防ぐために加湿することが望ましく、好ましくは相対湿度30〜100%RHで、さらに好ましくは50〜100%RHで供給することがより好ましい。燃料ガスの燃料室への供給速度は、通常、電極面積1cm当り1〜1000ml/minの範囲で供給すればよい。
一方、液体のアンモニア水を供給する場合は、アンモニア水の濃度は、通常、1〜30質量%の範囲が好適である。高い出力を得るためには、高濃度のアンモニア水を用いることが好ましいが、アンモニアの濃度が30質量%を越えると室温ではアンモニアが気化するため、実用的には使い難くなる傾向がある。また、燃料室へのアンモニア水の供給速度は、燃料濃度にもよるが、通常、電極面積1cm当り0.1〜100ml/minの範囲で供給すればよい。
酸化剤室8に供給する酸素含有ガスは、純酸素を用いると高い出力が得られるので極めて好ましいが、窒素などの不活性ガスで希釈されていても構わない。酸素含有ガスを不活性ガスで希釈する場合には、反応に必要な酸素量を酸化剤室に供給するためには、純酸素と比較して多量の酸素含有ガスを供給することになる。酸素含有ガスの加湿供給システムの小型化の観点から酸素の含有量は10体積%以上であるのが好ましく、これを満足するものとして、空気も好ましく使用される。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン等が好適に使用される。
こうした酸素含有ガスは、相対湿度30〜100%RHであることが好ましく、さらに50〜100%RHであることがより好ましい。30%RH未満の場合、アニオン交換膜が乾燥して高抵抗になり、出力が低下することがある。また、アルカリ型やアニオン交換膜型の燃料電池の場合には、前述したように、酸化剤室側触媒電極層において酸素および水が接触して水酸化物イオンが生成する必要がある。該水は、気相中から供給されるばかりではなく、電解質膜から供給されるものもあるが、高出力の燃料電池として作動させるためには上記の酸素含有ガスは比較的相対湿度の高いものを使用することが好ましい。
なお、本発明においては、アルカリ型やアニオン交換膜型の燃料電池が採用されるが、これらの電解質は大気中に存在する二酸化炭素を吸収して中和反応を起こすなど(塩の生成)の問題があるので、酸化剤ガスの中でも特に空気を使用する場合にはアルカリのトラップ剤等で二酸化炭素を吸収除去したガスを用いることが好ましい。
運転温度は、出力の高さや使用する材料の耐久性を勘案すると0℃〜120℃、より好適には30〜80℃(セル温度)であるのが一般的である(固体高分子型燃料電池)。なお、燃料電池がアルカリ型である場合も、運転温度は、0〜200℃、より好適には30〜100℃(セル温度)になり、これも前記低温作動型燃料電池として要件を満足するものになる。
上記要件での固体高分子型燃料電池の運転は、定電流運転、定電圧運転、さらには負荷変動運転のいかなる方式であっても良い。いずれの方式であっても運転開始当初には高い発電能が得られ、例えば定電流運転においては通常、アニオン交換膜型であればセルの出力電圧は0.2V以上、より好適には0.3V以上が達成される。しかして、この高い発電能は、前記の如くに発電を継続するに従って、燃料室側触媒電極層に含有される貴金属触媒の失活により低下するが、前記したように本発明の運転方法によって、燃料室へのアンモニア燃料の供給に対して、水素含有ガスが供給される期間を間歇的に設けることにより回復される。
この発電能の回復処理は、運転の開始後、該発電能の低下が少しでも認められた後の何時行っても良いが、効率性を勘案すれば、一定の値以下に発電能が低下した後に実施するのが望ましい。具体的には、セルの発電能が、セルの開回路電圧(OCV)の対比で示して、燃料電池の運転開始時の値の80%以下、より好適には60%以下である状態に低下した後に、燃料室に水素含有ガスを供給して実施するのが好適である。ここで、本発明においてセルの開回路電圧(OCV)は、セルに接続してある外部負荷との電気的な接続を遮断した状態の単セルの電圧値を言う。なお、このセルの開回路電圧(OCV)の対比で示した、セルの発電能の低下状態は、必ずしも個々の燃料電池の運転毎に、実際にセルの開回路電圧(OCV)を測定して確認することを意味するものではなく、あくまで、測定すれば斯様な値になる状態になっていれば満足されるものである。
実際、燃料電池が発電している中で、上記セルの開回路電圧(OCV)を経時的に測定し、その変化を追うことはシステムが大掛りになったり効率的な発電を困難にするのが普通である。故に、上記セルの発電能の低下状態は、予め、その燃料電池の運転方式における、上記セルの開回路電圧(OCV)を測定して求められる時点を調べておき、この時点を運転開始からの経過時間や、定電流運転方式であれば電圧の低下の程度、定電圧運転方式であれば電流の低下の程度等で捉えておき、この変化をモニターして認識するのが、簡便且つ効率的である。
例えば、斯様な状態まで発電能が低下する運転開始からの経過時間は、燃料電池の運転方法(負荷の程度)などにも依存するので一概には言えないが、高負荷の状態では10分程度で低下する場合もある。また、低負荷の状態では24時間以上連続して運転できる場合もある。したがって、一定の負荷で運転する場合には、前記セルの発電能の低下状態になる時間が経過する毎に、水素含有ガスを供給して発電能の回復期間が設けられるようにプログラム運転する方法が好ましく採用される。同様に、一定の負荷での運転であれば、セルの出力電圧(電池が発電している状態での値)をモニターし、運転開始当初の値に対して80%以下、より好適には60%以下に低下する毎に、上記発電能の回復期間を設けるのも好適な態様である。
本発明において、前記発電能の回復処理として行う燃料室への水素含有ガスの供給は、貴金属触媒の活性が少しでも再生し、電池出力が有意に回復する量で行う限り制限されない。発電能は、運転開始当初の値に完全に戻るまで行うのが理想ではあるが、発電能の回復期間があまり長くなっても非効率的であるので、セルの発電能が、セルの開回路電圧(OCV)の対比で示して、燃料電池の運転開始時の値の90%以上、より好適には95%以上である状態に回復するまで行うのが現実的である。
この状態も、予め、セルの開回路電圧(OCV)を測定して求められる上記時点を調べておき、この時点を水素含有ガスの供給開始からの経過時間や、定電流運転であれば電圧の上昇の程度、定電圧運転方式であれば電圧の上昇の程度等で捉えておき、この変化をモニターして認識するのが、簡便且つ効率的である。
例えば、斯様な状態まで発電能が回復する水素含有ガスの供給開始からの経過時間は、ガス供給ラインの長さや燃料電池の運転条件などにも左右されるので一概には断定できないが、一般には、1秒〜30分、好ましくは5秒〜10分、さらに好ましくは10秒〜5分である。また、燃料電池が一定の負荷で運転されている場合において、セルの出力電圧をモニターして発電能の低下を確認する態様であれば、このセルの出力電圧が運転開始当初の値の90%以上、より好適には95%以上に回復するまで、燃料室への水素含有ガスの供給を行うのが好適である。
水素含有ガスは、水素の濃度が高ければ高いほど発電能の回復期間が短くできるが、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどの不活性ガスで希釈して用いても構わない。希釈する場合においても、水素ガスは1体積%以上、好ましくは10体積%以上、さらに好ましくは50体積%以上の濃度で含有させるのが好ましい。
該水素は、水分解やアンモニアの電気分解や触媒改質によって得たものを利用することもできる。例えば、車載用や定置型の燃料電池においては、水素ボンベを併用するよりも、燃料のアンモニアの一部から改質によって水素を得るシステムを付加して供給すると効率的な供給が行えて好ましい。
この燃料室に水素含有ガスを供給しての発電能の回復処理中は、燃料電池は発電させなくても良いが、言うまでもなく水素も燃料電池用の良好な燃料であるので、発電を継続させながら実施しても良い。
また、アンモニア燃料がアンモニアガスである場合において、斯様に水素含有ガスを供給する発電能の回復期間は、上記アンモニアガスの供給を停止して実施するだけでなく、該アンモニアガスの供給と併行して実施しても良い。この場合、アンモニアガスは、予め、前記水素含有ガスと混合して、前記水素の希釈ガスの一部として含有させても良い。前記したようにアンモニアも水素も燃料電池用の燃料となるので、燃料室において両者が混在することは特に問題ない。この態様の回復処理中においても、燃料電池は発電させなくて良いし、発電を継続させながら実施しても良い。
上記水素含有ガスの燃料室への供給速度は、燃料室側触媒電極層の面積に依存するので正確な数値は限定できないが、供給速度が大きいほど回復時間が短くできるので好ましい。一般的には、電極面積1cm当たり、0.1〜1000ml/minの範囲、好ましくは1〜100ml/minの範囲が好適である。
以上の如くに、燃料室に水素含有ガスを供給し発電能が回復したならば該水素含有ガスの供給を停止して、通常の発電を再開する。本発明の運転方法において、上記発電能の回復期間は少なくとも一度設ければ良いが、低下した発電能は何度でも同様に回復可能であるので、発電を続けたい時間まで所望の複数回繰り返せば良い。
次に、低温作動型燃料電池の基本構造を構成する各材料について説明する。前記したように燃料室側触媒電極層に含有される電極触媒は貴金属触媒である。すなわち、発電能の低下と、燃料室に水素含有ガスを供給することによる該発電能の回復現象は、斯様に燃料がアンモニア燃料であって、且つ電極触媒が貴金属触媒である場合に固有に生じるものである。
ここで、貴金属触媒としては公知のものが特に制限なく使用可能である。貴金属としては、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウムの各元素が挙げられ、このうち触媒活性の高さから白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金)を用いるのが好適である。これらの元素の単体または1種以上を成分として含有する合金として使用される。非貴金属との合金の場合、該非貴金属元素としては、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、クロム等が挙げられる。
さらに、燃料室側触媒電極層に含有される触媒は、上記貴金属触媒だけでなく、非貴金属触媒、金属酸化物触媒などを含んでいてもよい。
燃料室側触媒電極層に含有される電極触媒に対して、上記貴金属元素の含有割合が30〜100モル%、好適には50〜100モル%になるのが良好である。
上記燃料室側触媒電極層に含有される電極触媒の粒径は、通常、0.1〜100nm、より好ましくは0.5〜10nmである。粒径が小さいほど触媒性能は高くなるが、0.1nm未満のものは、作製が困難であり、100nmより大きいと十分な触媒性能が得難くなる。なお、これら触媒は、予め導電剤に担持させてから使用してもよい。導電剤としては、電子導電性物質であれば特に限定されるものではないが、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛等を単独または混合して使用するのが一般的である。
本発明において、好適に使用される低温作動型燃料電池は、前記したようにアニオン交換膜型の固体高分子型燃料電池である。したがって、以下、該アニオン交換膜型の固体高分子型燃料電池を例に、燃料電池の基本構造を構成する、その他の材料について説明する。
酸化剤室側触媒電極層に用いる電極触媒としては、上記の貴金属触媒が好適に採用される。さらに上記の他に、カソード触媒としての活性に優れている金属触媒や金属酸化物触媒も好適に採用される。金属触媒としては、例えば、ニッケル、鉄、コバルトなどの金属ナノ触媒の他、上記遷移金属の単体、2元系、3元系などの合金系金属ナノ触媒なども好適に使用できる。金属酸化物触媒としては、例えば、ABOで表されるペロブスカイト型酸化物なども好適に使用できる。具体的には、LaMnO、LaFeO、LaCrO、LaCoO、LaNiOなど、あるいは前記のAサイトの一部をストロンチウム、カルシウム、バリウム、セリウム、銀などで部分置換したもの、さらに、Bサイトの一部をパラジウム、白金、ルテニウム、銀などで部分置換したペロブスカイト型酸化物なども酸化剤ガス極側触媒電極層に用いる電極触媒として好適に使用できる。
アニオン交換膜型の固体高分子型燃料電池において、各触媒電極層(燃料室側および酸化剤室側の各層)に含有される各電極触媒の含有量は、各触媒電極層ともに、該触媒電極層をシート状にした状態における単位面積当たりの電極触媒の質量で、通常0.01〜10mg/cm、より好ましくは0.1〜5.0mg/cmである。
各触媒電極層には、通常、アニオン伝導性のイオン交換樹脂が含有される。アニオン伝導性のイオン交換樹脂としては、分子内に陰イオン交換基を有し、陰イオンの伝導性を示す材料であれば、従来公知の材料をなんら制限なく使用できる。
例えば、クロルメチル基、クロルエチル基、クロルプロピル基、クロルブチル基、クロルペンチル基、クロルヘキシル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ブロモプロピル基、ブロモブチル基、ブロモペンチル基、ブロモヘキシル基、ヨードメチル基、ヨードエチル基、ヨードブチル基などのハロゲノアルキル基を有する樹脂、具体的には、ポリクロルメチルスチレン、ポリ(スチレン−クロルメチルスチレン)共重合体、ポリブロモエチルスチレン、ブロモブチルスチレン、クロルメチル化ポリスルホン、クロルメチル化ポリフェニレンオキシド、クロルメチル化ポリエーテルエーテルケトン等をアミノ化し、対応する陰イオン交換基を導入した樹脂などが挙げられる。
あるいは、ポリ−(4−ビニルピリジン)、ポリ−(2−ビニルピリジン)や、ポリ−ビニルイミダゾール、ポリ−ベンズイミダゾールなどに、ヨウ化メチルなどのアルキル化剤を作用させ、対応する陰イオン交換基を導入した樹脂も使用可能である。
特に、触媒電極層の、陰イオン交換膜への接合性やアンモニア燃料に対する耐性、さらには触媒電極層製造時の操作性などを考慮すると、特開2002−367626号公報に開示されているような、分子内に陰イオン交換基を有し、難水溶性の炭化水素系高分子エラストマーが好適に使用される。
各触媒電極層において、これらアニオン伝導性のイオン交換樹脂の含有量は、特に限定されないが、少なくともアニオン交換膜との接合面から触媒電極層の厚さ方向の1〜50%の範囲においては、5〜60質量%、特に10〜40質量%であるのが好適である。
さらに、各触媒電極層には、必要に応じて結着剤を添加することもできる。このような結着剤としては、各種熱可塑性樹脂が一般的に用いられるが、好適に使用できる熱可塑性樹脂を例示すれば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体等が挙げられる。該結着剤の含有量は、触媒電極層の5〜25質量%であることが好ましい。また、結着剤は、単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
また、燃料室側触媒電極層および酸化剤室側触媒電極層は、必要に応じて、カーボン繊維織布、カーボンペーパー等の多孔質炭素材料等からなる層により支持されていても良い。これらの支持層材料は、電子伝導性を有しているため、触媒電極層から燃料電池の出力を外部に伝達する役目も担っている。これら支持層材料の厚みは、50〜300μmが好ましく、その空隙率は、50〜90%が好ましい。通常、このような支持層材料の空隙内及び表面上に前記電極触媒を含むペースト状の組成物を、得られる触媒電極層が5〜50μmの厚みになるよう充填及び付着されて触媒電極層が構成される。
上記燃料室側触媒電極層および酸化剤室側触媒電極層が、それぞれの面に接合されるアニオン交換膜は、固体高分子型燃料電池用の固体高分子電解質膜として使用できることが知られている公知のものが制限なく使用できる。中でも、炭化水素系のものを使用するのが好適である。炭化水素系アニオン交換樹脂を含むアニオン交換膜としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンズイミダゾール系ポリマー等に代表されるエンジニアリングプラスチック材料に必要に応じ種々の官能基を導入した炭化水素系アニオン交換樹脂をキャスト製膜したアニオン交換膜などであっても良い。
好適には、炭化水素系アニオン交換膜としては、多孔質膜を母材とし、該多孔質膜の空隙部に架橋された炭化水素系アニオン交換樹脂が充填されてなるアニオン交換膜から構成されていることが好ましい。このように多孔質膜中に架橋された炭化水素系アニオン交換樹脂が不均質に分散されたアニオン交換膜は、該多孔質膜が補強部分として働くため電気抵抗を犠牲にすることなくアニオン交換膜の物理的強度を高めることができ、さらに化学的な耐久性も高められるという利点を有する。このようなアニオン交換膜としては、例えば、特開2007−42617号公報に記載されているような、多孔質膜の空隙にクロロメチルスチレンとジビニルベンゼン、4−ビニルピリジンとジビニルベンゼンなどの重合性単量体組成物を含浸させ、次いで該重合性組成物を熱重合させ、さらに、アミノ化、アルキル化等の処理により所望のアニオン交換基を導入した膜などが挙げられる。
前記した多孔質膜には、一般的には、熱可塑性樹脂製の織布、布織布、多孔質フィルム等が使用されるが、ガス透過性が低く、薄膜化が可能であることから該多孔質膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂製多孔質フィルムからなるものを用いるのが好適である。
このようなアニオン交換膜中に存在するアニオン交換基としては、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、ピリジル基、イミダゾール基、4級ピリジニウム塩基、4級イミダゾリウム塩基等が挙げられる。アニオン伝導性に優れる点で、強塩基性基である4級アンモニウム塩基が好適である。
上記した本発明で用いられるアニオン交換膜は、如何なる対イオン型であっても良いが、アニオン交換膜のイオン伝導性を高め、電極反応種であるOHの濃度を高め、かつ、電極反応場の塩基性も高めやすい点で、対イオンの一部または全部がOH型にイオン交換されたものであることが好ましい。OH型へのイオン交換は、従来公知の方法、すなわち、アニオン交換膜を水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液などのアルカリ溶液に浸漬して行うことができる。通常、該イオン交換は、アルカリ濃度0.01〜5mol/Lの濃度で、0.5〜10時間浸漬することで行われる。イオン交換の操作を複数回繰り返し行うことも有効である。また、通常、イオン交換後のアニオン交換膜は、必要に応じて水洗、乾燥などを施した後使用される。
また、前記したアニオン交換膜の対イオンを、HCO やCO 2−、あるいはこれらの混合物とすることも好適である。該対イオン型とすることで、大気中の二酸化炭素の吸収度合いによらず安定した膜特性のアニオン交換膜とすることができるだけでなく、4級アンモニウム塩基などのアニオン交換基の安定性を向上させることも可能となる。これら対イオンへの交換も、OH型へのイオン交換と同様に、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの水溶液にアニオン交換膜を浸漬することで行うことができる。
本発明で用いられるアニオン交換膜は、通常0.2〜3mmol/g、好適には0.5〜2.5mmol/gのアニオン交換容量を有し、また、乾燥によるアニオンの伝導性の低下が生じ難いように、25℃における含水率が7%以上、好適には10〜90%程度となるように調整することが好ましい。また、膜厚は、電気抵抗を低く抑える観点及び支持膜として必要な機械的強度を付与する観点から、通常5〜200μmの厚みを有するものが好ましく、より好ましくは10〜100μmを有するものが好ましい。これらの特性を有することで、本発明で用いられるアニオン交換膜は、25℃、0.5mol/L−塩化ナトリウム水溶液中の膜抵抗が、通常0.05〜1.5Ω・cmであり、好ましくは0.1〜0.5Ω・cmである(測定方法は、特開2007−188788号公報参照)。
以下、本発明を更に詳細に説明するため実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例において燃料電池の運転特性を以下に説明する。
(アニオン交換膜の作製)
ポリエチレンからなる多孔質膜(膜厚25μm、平均孔径0.03μm、空隙率37%)に、クロロメチルスチレン97質量部、ジビニルベンゼン3質量部、エチレングリコールジグリシジルエーテル5質量部、t−ブチルパーオキシエチルヘキサノエート5質量部からなる重合性単量体組成物を含浸させ、100μmのポリエステルフィルムを剥離材として多孔質膜の両側を被覆した後、0.3MPaの窒素加圧下、80℃で5時間加熱重合した。得られた膜状物を6質量%のトリメチルアミンと25質量%のアセトンを含む水溶液中に室温で16時間浸漬し、4級アンモニウム塩基をアニオン交換基として有する燃料電池用のアニオン交換膜を得た。
得られたアニオン交換膜のアニオン交換容量は、1.8mmol/g−乾燥膜、含水率は25質量%、乾燥膜厚は28μmであった。
アニオン交換膜は、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に含浸し、アニオン交換基の対イオンをOHにイオン交換した。
(アニオン伝導性アイオノマー溶液の調製)
{ポリスチレン‐ポリ(エチレン‐ブチレン)‐ポリスチレン}トリブロック共重合体(旭化成ケミカルズ製、タフテックH1031)をクロロメチル化したものを、6質量%のトリメチルアミンと25質量%のアセトンを含む水溶液中に室温で16時間浸漬し、さらに0.5mol/L−NaOH水溶液に10時間以上浸漬して触媒電極層用のアニオン伝導性アイオノマー(OH型)を合成した。該アイオノマーは、重量平均分子量30000で、アニオン交換容量は1.5mmol/g−乾燥樹脂であった。
このアイオノマーを、130℃のオートクレーブ中で1−プロパノールに3時間かけて溶解させ、濃度5質量%のアイオノマー溶液を得た。
(燃料電池の作製と出力試験)
上記アイオノマー溶液と電極触媒とを混合して触媒電極層形成用組成物を調製した。次いで、該組成物をアニオン交換膜の片面に印刷し、大気中25℃で12時間以上乾燥させた。さらに、もう一方の面にも同様にして触媒電極層を形成し、アニオン交換膜−触媒電極接合体を得た。触媒電極層の面積はそれぞれ5cmで、両面共に貴金属触媒の量は0.4mg/cm、触媒電極層中のアイオノマーの含有量は30質量%となるように調整した。
(燃料電池の発電試験における運転方法)
得られたアニオン交換膜−触媒電極接合体の両面に、ポリテトラフルオロエチレンで撥水化処理した厚みが300μmのカーボンクロス(エレクトロケム社製EC−CC1−060T)を重ね、これらを図1に示す燃料電池セルに組み込んだ。次いで、燃料電池セルの温度を50℃に設定し、燃料室に50℃で95%RHに加湿した純アンモニアガスを100ml/minで供給し、燃料室には、高純度空気を、50℃で95%RHに加湿して100ml/minで供給して発電試験を行なった。
発電試験においては、まず、燃料電池セルの開回路電圧(OCV)を測定し、さらに、上記セルの電流−電圧特性を測定し、最大出力密度の値を求めた。次に、セル電圧をモニターしながら、電子負荷装置を用いて100mA/cmの定電流密度で、連続的に発電試験を行った。また、発電試験を継続する中で、セル電圧が低下した際には発電能の回復処理を施したが、この期間中について開回路電圧(OCV)を測定した。さらに、上記セル電圧が低下した後と発電能の回復処理を施した後について、セルの電流−電圧特性を測定し、最大出力密度の値を求めた。
(実施例1)
電極触媒として平均粒子径2nmの白金触媒を50質量%担持したカーボンブラックを用いてアニオン交換膜−触媒電極接合体を作製し、燃料電池セルに組み込んだ。純アンモニアガスを燃料とした燃料電池の発電試験を行ったところ、運転開始時の開回路電圧(OCV)は0.87V、初期の最大出力密度は103mW/cmであった。
次に、100mA/cmの定電流密度で発電試験を行ったところ、初期のセル電圧は0.6V以上を示した。更に100mA/cmの定電流密度で発電試験を継続したところ、約4時間後にセル電圧は0.2Vまで低下した。なお、このときの開回路電圧(OCV)の値は、0.45V(運転開始時の値の52%)で、電流−電圧特性を計測したところ最大出力密度は10mW/cmを下回っていた。
そこで、燃料室へのアンモニア燃料の供給を一時的に中断し、回復ガスとして、水素含有ガス(純水素)を100ml/minの速度で1分供給したところ、ガス供給ラインを切り替えてから30秒後に燃料電池の開回路電圧(OCV)は1V程度まで急上昇した。なお、ガスラインのデッドボリュームは40〜50cm程度あるので、上記の開回路電圧OCVの回復時間はガス置換のための時間も含んでいる。すなわち、触媒電極層の発電能は、水素含有ガスに接触してから極短期間で急速に回復するものと推察された。
燃料室への水素の供給を停止し、再度、アンモニア燃料を供給し、開回路電圧(OCV)を測定したところ、0.85V(運転開始時の値の98%)であった。更に、100mA/cmの定電流密度で発電試験を開始したところ、セル電圧は0.6V以上の値を示した。また、このときの最大出力密度は、初期値とほぼ同じ103mW/cmを記録した。
(実施例2)
回復ガスとして、アルゴンで希釈した10体積%濃度の水素含有ガスを用いた以外は実施例1と同様にして発電試験を行った。
その結果、運転開始時の開回路電圧(OCV)は0.88V、初期の最大出力密度は104mW/cmであった。次に、100mA/cmの定電流密度で発電試験を行ったところ、初期のセル電圧は0.6Vであったが、実施例1と同様に4時間前後にセル電圧は0.2V以下まで低下した。なお、このときの開回路電圧(OCV)の値は、0.41V(運転開始時の値の47%)で、最大出力密度は10mW/cmを下回っていた。
そこで、燃料室へのアンモニア燃料の供給を一時的に中断し、回復ガスとして、上記の水素含有ガスを100ml/minの速度で2分間供給したところ、50秒後に燃料電池の開回路電圧(OCV)は1V程度まで上昇した。燃料室への水素の供給を停止し、再度、アンモニア燃料を供給し、OCVを測定したところ、0.85V(運転開始時の値の97%)であった。更に、100mA/cmの定電流密度で発電試験を開始したところ、セル電圧は0.6V以上の値を示した。また、このときの電流−電圧特性を測定したところ初期値とほぼ同じ101mW/cmの最大出力密度を記録した。
なお、アルゴンガスの代わりに窒素ガスを用いた場合も上記と全く同じ結果であった。
(実施例3)
回復ガスとして、アルゴンで希釈した1体積%濃度の水素含有ガスを用いた以外は実施例1と同様にして発電試験を行った。
その結果、運転開始時のOCVは0.87V、初期の最大出力密度は103mW/cmであった。次に、100mA/cmの定電流密度で発電試験を行ったところ、初期のセル電圧は0.6Vであったが、実施例1と同様に4時間前後にセル電圧は0.2V以下に低下した。なお、このときのOCVの値は、0.44V(運転開始時の値の51%)で、最大出力密度は10mW/cmを下回っていた。
そこで、燃料室へのアンモニア燃料の供給を一時的に中断し、回復ガスとして、上記の水素含有ガスを100ml/minの速度で5分間供給したところ、4分後に燃料電池のOCVは1V程度まで上昇した。燃料室への水素の供給を停止し、再度、アンモニア燃料を供給し、OCVを測定したところ、0.82V(運転開始時の値の94%)であった。更に、100mA/cmの定電流密度で発電試験を開始したところ、セル電圧は0.6V以上の値を示した。また、このときの電流−電圧特性を測定したところ初期値とほぼ同じ99mW/cmの最大出力密度を記録した。
(実施例4)
電極触媒として、白金:イリジウムの組成比が7:3の合金系貴金属触媒を35質量%担持したカーボン触媒を用いた以外は実施例1と同様にして、アニオン交換膜−触媒電極接合体を作製し、アンモニアガスを燃料とした燃料電池の発電試験を行った。
その結果、運転開始時の開回路電圧(OCV)は0.89V、初期の最大出力密度は145mW/cmであった。次に、100mA/cmの定電流密度で発電試験を行ったところ、初期のセル電圧は0.6V以上を示したが、2時間後にセル電圧は0.2Vを下回った。なお、このときの開回路電圧(OCV)の値は、0.60V(運転開始時の値の67%)で、最大出力密度は25mW/cmであった。
そこで、燃料室へのアンモニア燃料の供給を一時的に中断し、回復ガスとして、水素含有ガス(純水素)を100ml/minの速度で1分間供給したところ、30秒後に燃料電池の開回路電圧(OCV)は1V程度まで急上昇した。燃料室への水素の供給を停止し、再度、アンモニア燃料を供給し、開回路電圧(OCV)を測定したところ、0.87V(運転開始時の値の98%)であった。更に、100mA/cmの定電流密度で発電試験を開始したところ、セル電圧は0.6V以上の値を示した。また、このときの電流−電圧特性を測定したところ初期値とほぼ同じ142mW/cmの最大出力密度を記録した。
(実施例5)
電極触媒として、白金:ロジウムの組成比が8:2の合金系貴金属触媒を40質量%担持したカーボン触媒を用いた以外は実施例1と同様にして、アニオン交換膜−触媒電極接合体を作製し、アンモニアガスを燃料とした燃料電池の発電試験を行った。
その結果、運転開始時の開回路電圧(OCV)は0.85V、初期の最大出力密度は120mW/cmであった。次に、100mA/cmの定電流密度で発電試験を行ったところ、初期のセル電圧は0.6V以上を示したが、5時間後にセル電圧は0.2Vを下回った。なお、このときの開回路電圧(OCV)の値は、0.43V(運転開始時の値の51%)で、最大出力密度は10mW/cmを下回っていた。
そこで、燃料室へのアンモニア燃料の供給を一時的に中断し、回復ガスとして、水素含有ガス(純水素)を100ml/minの速度で1分間供給したところ、40秒後に燃料電池の開回路電圧(OCV)は1V程度まで急上昇した。燃料室への水素の供給を停止し、再度、アンモニア燃料を供給し、開回路電圧(OCV)を測定したところ、0.86V(運転開始時の値の101%)であった。更に、100mA/cmの定電流密度で発電試験を開始したところ、セル電圧は0.6V以上の値を示した。また、このときの電流−電圧特性を測定したところ初期値とほぼ同じ122mW/cmの最大出力密度を記録した。
(比較例1)
回復ガスとして、水素含有ガスの代わりに、水素を含まない純窒素ガスを用いた以外は実施例1と同様にして発電試験を行った。なお、運転開始時の開回路電圧(OCV)OCVや最大出力密度は実施例1と同等であった。
その結果、回復ガスとして純窒素を24時間供給し続けたが、0.2V以下に低下した燃料電池のセル電圧は全く回復しなかった。燃料室への回復ガス(窒素ガス)の供給を停止し、再度、アンモニア燃料を供給し、開回路電圧(OCV)を測定したところ、0.38V(運転開始時の値の44%)であった。更に、発電試験を行ったが、セル電圧は回復せず、最大出力密度も10mW/cmを下回っていた。
(比較例2)
回復ガスとして、水素含有ガスの代わりに、水素を含まない空気を用いた以外は実施例1と同様にして発電試験を行った。なお、運転開始時の開回路電圧(OCV)や最大出力密度は実施例1と同等であった。
その結果、回復ガスとして空気を24時間供給し続けたが、0.2V以下に低下した燃料電池のセル電圧は全く回復しなかった。燃料室への回復ガス(空気)の供給を停止し、窒素ガスでパージした後に、再度、アンモニア燃料を供給し、開回路電圧(OCV)を測定したところ、0.43V(運転開始時の値の49%)であった。更に、発電試験を行ったが、セル電圧は回復せず、最大出力密度は10mW/cmを下回っていた。

Claims (6)

  1. 燃料室側触媒電極層に含有される電極触媒が貴金属触媒である低温作動型燃料電池の燃料室にアンモニア燃料を供給して発電を継続するに当たって、燃料室に水素含有ガスを供給して、発電能を回復させる期間を間歇的に設けることを特徴とする、アンモニアを燃料とする低温作動型燃料電池の運転方法。
  2. 貴金属触媒が、白金または白金を含有する合金である請求項1記載のアンモニアを燃料とする低温作動型燃料電池の運転方法。
  3. 低温作動型燃料電池が固体高分子型燃料電池である請求項1または請求項2に記載のアンモニアを燃料とする低温作動型燃料電池の運転方法。
  4. 固体高分子がアニオン交換膜であり、伝導イオン種が水酸化物イオンである請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンモニアを燃料とする低温作動型燃料電池の運転方法。
  5. セルの発電能が、セルの開回路電圧(OCV)の対比で示して、燃料電池の運転開始時の値の80%以下である状態に低下した後に、燃料室への水素含有ガスの供給を行う請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンモニアを燃料とする低温作動型燃料電池の運転方法。
  6. セルの発電能が、セルの開回路電圧(OCV)の対比で示して、燃料電池の運転開始時の値の90%以上である状態に回復するまで、燃料室への水素含有ガスの供給を行う請求項5に記載のアンモニアを燃料とする低温作動型燃料電池の運転方法。
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