JP2010237750A - 電子機器および熱制御機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力操作を行うときにユーザの手に接触する領域の温度を、適温となるように熱制御する電子機器を提供する。
【解決手段】ユーザが手で入力操作を行うときに手を置くことのできるパームレスト部を有する筐体と、動作によって熱を発生する熱源と、熱を筐体外部に排出する排熱部と、熱源の熱をパームレスト部近傍に伝達する第1の熱伝達路と、熱源の熱を排熱部に伝達する第2の熱伝達路と、パームレスト部近傍の筐体の温度を検出する温度センサとを有するように、電子機器を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、筐体内部に熱源を有する電子機器に関し、特に、操作部を適温に維持制御する電子機器に関する。
パーソナルコンピュータなどの電子機器の筐体には、一般にプロセッサやハードディスクドライブ装置などの熱源が内蔵されている。これらの熱源の温度が所定値を超えると、電子機器に使用される部品の正常動作に影響するため、特に発熱量の大きい機器においては、筐体内の熱を筐体外部に排出できるようになっている。具体的には、表面積が大きくなるよう、例えばひだ状に形成された、熱伝導率の大きいアルミニウムなどの金属に熱源で発生した熱を移動させ、その表面に筐体内部から筐体外部に向けて送風することで、筐体内の熱が筐体外部に排出される。
一方、パーソナルコンピュータなどの電子機器の筐体には、ユーザが操作するための入力部が一般に設けられている。入力部は、例えば、筐体表面に取り付けられるキーボードやタッチパッドなどである。ノートパソコンにおいては、キーボードを筐体上面のユーザ寄りである最前端から離して配置されることが多い。
図5は、一般的なノートパソコンの外観を示す図である。図5を参照すると、ノートパソコンは、本体筐体20の最前端から離れた位置にキーボードなどの入力部22を有している。このように配置されていると、ユーザは、キーボードで入力操作を行うときに、キーボードより手前の筐体上部21を、手を置くためのパームレストとして使用できる。
このように筐体と手とが接触するときに、パームレストの温度が過度に上昇すると、ユーザは不快に感じる。特許文献1には、パームレストに温度センサを設け、パームレストの温度上昇に対応して内蔵するハードディスクドライブの動作を制御し、パームレストの温度上昇を抑える情報処理装置が記載されている。
特開2005−078320号公報
ユーザの手がパームレストに接触する場合、パームレストが熱すぎても冷たすぎても不快に感じる。特許文献1に記載の情報処理装置では、パームレストの温度上昇を制御することによって熱すぎる状態を回避することはできるが、冷たすぎる状態を回避することができない。
そこで、本発明は、入力操作を行うときにユーザの手に接触する領域の温度を、適温となるように熱制御する電子機器を提供することを目的とする。
本発明の電子機器は、ユーザが手で入力操作を行うときに手を置くことのできるパームレスト部を有する筐体と、動作によって熱を発生する熱源と、熱を筐体外部に排出する排熱部と、熱源の熱をパームレスト部近傍に伝達する第1の熱伝達路と、熱源の熱を排熱部に伝達する第2の熱伝達路と、パームレスト部近傍の筐体の温度を検出する温度センサとを有することを特徴とする。
本発明の熱制御機構は、動作によって熱源が発生する熱を伝達し、熱を外部に排出するための排熱部に接続されない第1の熱伝達路と、熱源が発生する熱を伝達し、排熱部に接続される第2の熱伝達路と、第1の熱伝達路近傍の温度を検出する温度センサとを有することを特徴とする。
本発明によれば、入力操作を行うときにユーザの手に接触する領域の温度を、適温となるように熱制御する電子機器を提供できる。
本発明の第1の実施形態の熱制御機構の構造を示す図である。 電子機器筐体内部における本発明の第1の実施形態の熱制御機構の配置を示す図である。 本発明の第1の実施形態の熱制御機構の制御を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の熱制御構造を示す図である。 一般的なノートパソコンの外観を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。本発明の第1の実施形態は、ポンプで液体を循環させる水冷方式の電子機器において、熱源の発する熱をパームレスト近傍に伝達する熱制御機構である。図1は、本発明の第1の実施形態の熱制御機構の構造を示す図である。図1を参照すると、第1の実施形態の熱制御機構は、第1の熱伝達路1、第2の熱伝達路2、温度センサ3、熱源4、排熱部5、制御部6、熱伝達路切替部7およびポンプ8を有する。
第1の熱伝達路1は、熱源4の熱をパームレスト近傍に伝達させる。第2の熱伝達路2は、熱源4の熱を排熱部5近傍に伝達させる。第1の熱伝達路1および第2の熱伝達路2は、例えば金属やプラスチックを管状に電子機器内部に配置するとともに、内部に液体を循環させるようにして構成することができるが、これに限らない。
温度センサ3は、第1の熱伝達路1によって熱が伝達されるパームレスト近傍の温度を測定する。熱源4は、電子機器の動作に伴って発熱する。熱源4は、発熱量を増減できるように構成されていてもよい。熱源4は、中央処理ユニットなどの半導体素子やハードディスクドライブユニットなどのファイル装置により構成可能である。中央処理ユニットの場合は演算処理を増減させることなどにより、ハードディスクドライブユニットの場合はディスク回転数を変更することなどにより、発熱量を増減させることができる。排熱部5は、第2の熱伝達路2によって伝達された熱を筐体外部に排出する。
排熱部5は、排熱量を増減できるように構成されていてもよい。排熱量を増減可能な排熱部5は、例えばひだ状に形成された熱伝導率の大きいアルミニウムなどの金属からなるヒートシンクと筐体内外の空気を循環させるファンによって構成可能である。
制御部6は、温度センサ3の測定した温度に応じて、排熱部5、熱伝達路切替部7およびポンプ8の動作を制御する。制御部6による制御については後述する。制御部6は、マイクロプロセッサにより構成可能であるが、これに限らない。
熱伝達路切替部7は、第1の熱伝達路1への熱の伝達を切り替える。第1の実施形態においては、熱伝達路切替部7は、弁7a、7b、7cで構成される。具体的には、弁7aが開、弁7bが閉、弁7cが開のときに熱源4により温度の上昇した液体が第1の熱伝達路1に伝達され、弁7aが閉、弁7bが開、弁7cが閉のときに第1の熱伝達路1には液体が伝達されない。熱伝達路切替部7の構成はこれに限定されず、第1の熱伝達路1への熱の伝達を切り替えられるようになっていれば足りる。ポンプ8は、第2の熱伝達路2上に配置され、熱伝達路上に液体を循環させる。
図2は、電子機器筐体内部における本発明の第1の実施形態の熱制御機構の配置を示す図である。図2を参照すると、電子機器筐体はパームレスト11と入力部12とを有している。パームレスト11は、表面に機能部品が配置されていない筐体上面であって、入力部12の手前に配置されている。入力部12は、本実施形態においてはキーボードであり、パームレスト11よりもユーザから離れた場所に配置されている。
第1の熱伝達路1はパームレスト11の下の筐体内部を通るように配置される。温度センサ3は、パームレスト11の下に配置される。第2の熱伝達路2、熱源4、排熱部5は、筐体内部の、パームレスト11の下ではない場所に配置される。
図3は、本発明の第1の実施形態の熱制御機構の制御を示すフローチャートである。図3を参照すると、制御部6は、温度センサ3が測定した温度が事前に設定した温度以上であるか判断する(ステップS1)。このとき、温度センサ3が測定した温度が事前に設定した温度を超えているかを判断するようにしてもよい。
温度センサ3が測定した温度が事前に設定した温度以上である場合、制御部6は、熱伝達路切替部7に、第1の熱伝達路1に熱を伝達しないよう切り替えを指示する(ステップS2)。続いて制御部6は、排熱部5に、排熱を増加させるよう指示する(ステップS3)。さらに制御部6は、熱源4に、発熱量を減少させるよう指示する(ステップS4)。ステップS2からステップS4までの処理は、この順序に限定されない。また、これらの中の一部のみを行うようにしてもよい。
温度センサ3が測定した温度が事前に設定した温度以上でない場合、制御部6は、熱伝達路切替部7に、第1の熱伝達路1に熱を伝達するよう切り替えを指示する(ステップS5)。続いて制御部6は、排熱部5に、排熱を減少させるよう指示する(ステップS6)。さらに制御部6は、熱源4に、発熱量を増加させるよう指示する(ステップS7)。ステップS5からステップS7までの処理が、この順序に限定されず、また、これらの中の一部のみを行うようにしてもよい点は、ステップS2からステップS4までと同様である。
ステップS4またはステップS7に続き、制御部6は、動作終了条件を満たしているかどうか判断する(ステップS8)。動作終了条件は、例えば電源の切断やユーザによる明示的な指示により満たされるが、これに限らない。動作終了条件を満たしていないときはステップS1からステップS7までの動作を繰り返し、満たしているときは動作を終了する。
本発明の第2の実施形態は、ポンプを使用することなく熱を伝達させて排熱する電子機器において、熱源の発する熱をパームレスト近傍に伝達する熱制御機構である。図4は、本発明の第2の実施形態の熱制御構造を示す図である。図4を参照すると、第2の実施形態の熱制御構造は、第1の熱伝達路1、第2の熱伝達路2、温度センサ3、熱源4、排熱部5および制御部6を有する。これらの構成は第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第2の実施形態において、制御部6は、温度センサ3の測定した温度に応じて、排熱部5の動作を制御する。このときの制御は、図3におけるステップS2、S3、S5、S6を省略したものとなる。
以上のように構成することにより、電子機器の筐体においてユーザの手に接触する領域を適温に維持可能な熱制御機構を実現することができる。
1 第1の熱伝達路
2 第2の熱伝達路
3 温度センサ
4 熱源
5 排熱部
6 制御部
7 熱伝達路切替部
8 ポンプ
11 パームレスト
12 入力部

Claims (6)

  1. ユーザが手で入力操作を行うときに手を置くことのできるパームレスト部を有する筐体と、動作によって熱を発生する熱源と、熱を前記筐体外部に排出する排熱部と、前記熱源の熱を前記パームレスト部近傍に伝達する第1の熱伝達路と、前記熱源の熱を前記排熱部に伝達する第2の熱伝達路と、前記パームレスト部近傍の前記筐体の温度を検出する温度センサとを有する電子機器。
  2. 前記温度センサで検出された温度が所定の温度以上のときに、前記第1の熱伝達路による熱の伝達を遮断することを特徴とする、請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記第1の熱伝達路および前記第2の熱伝達路が、内部に液体が循環する管により構成され、
    弁の開閉によって前記第1の熱伝達路による熱の伝達を遮断することを特徴とする、請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記温度センサで検出された温度が所定の温度以上のときに、前記排熱部が排出する熱量を増加させることを特徴とする、請求項1ないし3に記載の電子機器。
  5. 前記温度センサで検出された温度が所定の温度以上のときに、前記熱源が発生する熱量を減少させることを特徴とする、請求項1ないし4に記載の電子機器。
  6. 動作によって熱源が発生する熱を伝達し、熱を外部に排出するための排熱部に接続されない第1の熱伝達路と、前記熱源が発生する熱を伝達し、前記排熱部に接続される第2の熱伝達路と、前記第1の熱伝達路近傍の温度を検出する温度センサとを有する熱制御機構。
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