JP2010237521A - 光スキャナ及びこの光スキャナを備えた画像表示装置 - Google Patents

光スキャナ及びこの光スキャナを備えた画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】応力集中を緩和することが可能な光スキャナ及びこの光スキャナを備えた画像表示装置を提供すること。
【解決手段】第2弾性梁122が、拡幅部122a狭幅部122bとを有する。そして、拡幅部122aと狭幅部122bとの境界には、応力が集中する。拡幅部122aに設けられる錘124は、揺動軸線AR1に対して狭幅部122bよりも外側に離間し、且つ拡幅部122aの長手方向における中間位置よりも反射ミラー110側に近い位置に固定される。この錘124は、反射ミラー110及びミラー支持梁120が揺動駆動される際に拡幅部122aにトルクを与えることにより、拡幅部122aの変形量を増加させる役割を果たす。拡幅部122aの変形量が増加した結果、狭幅部122bの変形量は減少し、結果として拡幅部122aと狭幅部122bとの境界における応力集中が緩和される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザープリンタや画像表示装置に用いられる光スキャナ、特にMEMSミラーを有する光スキャナ及びこの光スキャナを用いた画像表示装置に関する。
従来、レーザープリンタや光を走査して画像を表示する画像表示装置等には、光スキャナが利用されてきた。一般に、この光スキャナとしては、ポリゴンミラーを用いるものやガルバノミラー、MEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)ミラーを用いるものが存在する。特に、MEMSミラーを用いた光スキャナは、光の反射面が一面だけで良く、またミラー、トーションバー、支持枠を一体加工できるので、ポリゴンミラー及びガルバノミラーを用いた光スキャナに対し小型化、軽量化が可能になる。
MEMSミラーを用いた光スキャナ(以下、光スキャナと表記する)の機械的構造に関する発明が、今日までに多く出願されている。その一例として、特許文献1に記載された光スキャナを図17に示す。光スキャナ500は、基体510と台座520とに分けられる。基体510の中心には、反射ミラー511が位置する。反射ミラー511は一対の第1弾性梁512によって両持支持される。一対の第1弾性梁512は、二股に分かれた第2弾性梁513に夫々接続される。第2弾性梁513は、外枠部514に接続される。反射ミラー511を揺動駆動させるための圧電駆動部530は、第2弾性梁513の上面から外枠部514に亘り形成される。台座520は、外枠部514と固定部521とが固定されるようにして、基体510の下に固定される。
光スキャナ500の動作を説明する。圧電駆動部530を構成する圧電素子は、電圧が印加されることで分極する。圧電素子の分極によって、圧電駆動部530は、第2弾性梁513の長手方向へ伸び縮む。圧電駆動部530は第2弾性梁513及び外枠部514に固定されているので、圧電駆動部530の伸縮は、第2弾性梁513が基体510の厚み方向に変位する屈曲変位に変換される。即ち、圧電駆動部530は、ユニモルフとして働く。第2弾性梁513の屈曲変位は、第1弾性梁512と第2弾性梁513との連結位置を介して、第1弾性梁512,第2弾性梁513及び反射ミラー511を揺動させるための回転トルクに変換される。
特開2003−57586号公報
例えば光スキャナが画像表示装置に用いられる場合、表示画像の画角は反射ミラーの変位量に依存する。従って、大きな画像や精緻な画像を表示するためには、反射ミラーの変位量は大きいほど望ましい。反射ミラーの変位量を向上するためには、第2弾性梁513及び圧電駆動部530を幅広に構成することで、圧電駆動部530が生じる反射ミラーを変位させるための駆動力を大きくする方法が考えられる。しかし、第2弾性梁513及び圧電駆動部530の幅を広くすることによって、第2弾性梁513の剛性が上昇する。その結果、圧電駆動部530の駆動電圧も同時に向上するので、第2弾性梁513及び圧電駆動部530を幅広に構成する方法は、省電力の観点から望ましくない。
本発明者らは、圧電駆動部の駆動電圧を抑えつつ反射ミラーの変位量を向上する目的で、様々な光スキャナの構造を検討した。その結果、本発明者らは、圧電駆動部の駆動電圧を抑えつつ反射ミラーの変位量を向上するために有用な構造を発案した。以下、図18を用いて、その構造を説明する。光スキャナ600は、反射ミラー610と、一対のミラー支持梁620と、外枠部640と、圧電駆動部630とで構成される。ミラー支持梁620は、反射ミラー610を両持ち支持するために、一対に設けられる。ミラー支持梁620は、第1弾性梁621、二股に分かれた第2弾性梁622及び第1弾性梁621と第2弾性梁622とを結合する梁結合部623を含む。第2弾性梁622は、拡幅部622aと、狭幅部622bとを含む。拡幅部622aは、外枠部640と第2弾性梁622との連結位置を起点として、第2弾性梁620の途中まで伸長する幅広の領域である。狭幅部622bは、その拡幅部622aよりも反射ミラー610側に位置し、拡幅部622aよりも幅狭の領域である。この拡幅部622aが設けられることで、圧電駆動部630の駆動電圧を抑えつつ反射ミラー610の変位量を向上することができる。
拡幅部622aは、圧電駆動部630の駆動電圧を抑えつつ反射ミラー610の変位量を向上することに寄与する。しかし一方で、拡幅部622aは、従来には存在しなかった新たな問題を生じる。具体的には、拡幅部622aが設けられることで、応力が集中する箇所が第2弾性梁622に生じる。特に、拡幅部622aと狭幅部622bとの境界位置に、応力が集中する。この応力集中は、光スキャナ600の寿命を縮める恐れがある。
本発明は、前記した応力集中を緩和することが可能な光スキャナ及びこの光スキャナを備えた画像表示装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、揺動軸線の周りに揺動され、入射した光を所定方向に走査する反射ミラーと、揺動軸線に対して対称な一対の梁部を含み、その一端が前記反射ミラーに連結された支持梁と、前記一対の梁部を介して前記支持梁の他端に連結される外枠部と、前記反射ミラー及び前記支持梁を揺動駆動させるための駆動部とを備え、前記一対の梁部は、前記外枠部と前記一対の梁部との連結位置を起点として、前記外枠部の厚み方向及び前記一対の梁部の長手方向の両方向と直交する方向に拡幅される拡幅部と、前記拡幅部よりも前記反射ミラー側に位置し、前記拡幅部よりも幅が狭い狭幅部と、前記拡幅部の外周であって、揺動軸線に対して前記狭幅部よりも外側に離間し、且つ前記拡幅部の長手方向における中間位置よりも前記反射ミラー側に近い位置に、揺動軸線に対して対称になるように固定される錘とを有する、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記錘は、前記外枠部に対して、前記一対の梁部の長手方向に最も離間される位置に固定される、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記一対の梁部は、揺動軸線に沿って設けられ、前記錘は、前記狭幅部に対して、前記外枠部の厚み方向及び前記一対の梁部の長手方向の両方向と直交する方向に最も離間される位置に設けられる、ことを特徴とする。
尚、請求項1〜3の何れか1項に記載の発明は、以下の様な具体的な様態を取ることもできる。即ち、前記支持梁は、前記一対の梁部が結合される梁結合部と、揺動軸線上に配置され、前記梁結合部と前記反射ミラーとを連結するミラー連結梁と、を有しても良い。この構成に加え、さらに、前記支持梁は、前記反射ミラーを両持支持するために一対備えられても良い。
請求項4に記載の発明は、光を走査して画像を形成するための、請求項1〜3の何れか1項に記載の光スキャナと、その光スキャナに光を供給するための光源と、前記光スキャナによって走査された光を使用者の目に導く接眼光学系とを備える、ことを特徴する。
請求項1に記載の発明では、一対の梁部が、拡幅部と狭幅部とを有する。拡幅部の剛性は狭幅部の剛性よりも高いので、光スキャナが揺動駆動されるとき、狭幅部は拡幅部よりも大きく変形する。その結果、拡幅部と狭幅部との境界に応力が集中する。拡幅部に設けられる錘は、揺動軸線に対して前記狭幅部よりも外側に離間し、且つ前記拡幅部の長手方向における中間位置よりも前記反射ミラー側に近い位置に固定される。この錘は、反射ミラー及び支持梁が揺動駆動される際に拡幅部にトルクを与えることにより、拡幅部の変形量を増加させる役割を果たす。拡幅部の変形量が増加した結果、狭幅部の変形量は減少する。その結果、拡幅部と狭幅部との境界における応力集中が緩和される。
支持梁は一対の梁部を介して外枠部に連結されるので、反射ミラー及び支持梁が揺動駆動される際、一対の梁部は外枠部の厚み方向に屈曲変位する。従って、外枠部に対して錘が離間する程、錘が拡幅部に与えるトルクは大きくなる。請求項2に記載の発明では、外枠部に対して一対の梁部の長手方向に最も離間される位置に、錘が設けられる。即ち、一対の梁部が外枠部の厚み方向に屈曲変位することによって拡幅部が錘から受けるトルクは最大となり、拡幅部の変形量も最大となる。その結果、狭幅部の変形量はさらに減少し、拡幅部と狭幅部との境界における応力集中がさらに緩和される。
請求項3に記載の発明では、一対の梁部が揺動軸線に沿って設けられるので、錘と狭幅部との間隔が開くほど、揺動軸線を中心軸とする慣性モーメントは増大する。従って、狭幅部に対して、外枠部の厚み方向及び一対の梁部の長手方向の両方向と直交する方向に最も離間される位置に、錘が設けられることで、揺動駆動による拡幅部の変形量が最大となる。その結果、狭幅部の変形量はさらに減少し、拡幅部と狭幅部との境界における応力集中がさらに緩和される。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光スキャナが画像表示装置に用いられる。拡幅部と狭幅部との境界における応力集中が緩和される光スキャナが用いられることで、省電力かつ長期間に亘って使用可能な画像表示装置を提供できる。
第1の実施形態に係る、光スキャナ100の平面図。 第1の実施形態に係る、光スキャナ100に設けられる圧電駆動部130を形成する過程を説明する図。 第1の実施形態に係る、光スキャナ100のミラー支持梁120近辺を拡大した図。 第1の実施形態に係る、距離W2を変化させた場合の、応力測定位置P1における応力の変化を示す図。 第2の実施形態に係る、光スキャナ100のミラー支持梁120近辺を拡大した図。 第2の実施形態に係る、距離W5を変化させた場合の、応力測定位置P1における応力の変化を示す図。 第3の実施形態に係る、光スキャナ200のミラー支持梁220近辺の拡大図。 第3の実施形態に係る、応力測定位置P2における応力の値を示す図。 第4の実施形態に係る、光スキャナ300のミラー支持梁320近辺の拡大図。 第4の実施形態に係る、応力測定位置P3における応力の値を示す図。 第1の比較例に係る、光スキャナ200のミラー支持梁220近辺の拡大図。 第1の比較例に係る、距離W7を変化させた場合の、応力測定位置P2における応力の変化を示す図。 第2の比較例に係る、光スキャナ300のミラー支持梁320近辺の拡大図。 第2の比較例に係る、応力測定位置P3における応力の値を示す図。 第5の実施形態に係る、画像表示装置1の全体構成について説明する図。 ミラー支持梁の変形例を示す図。 特許文献1における従来の光スキャナの一例を示した図。 拡幅部及び狭幅部を有する光スキャナの一例を示した図。
<第1の実施形態>
[光スキャナ100の構成]
図1は、本発明第1の実施形態に係る光スキャナ100の平面図である。y軸は、光スキャナ100の揺動軸線AR1に平行な方向である。x軸は、y軸及び光スキャナ100の厚み方向(図1における紙面垂直方向)に直交する方向である。光スキャナ100の外形は、反射ミラー110、ミラー支持梁120及び外枠部140で構成される。また、光スキャナ100には、反射ミラー110及びミラー支持梁120を揺動駆動させるための圧電駆動部130が設けられる。以下、図1を用いて、光スキャナ100の個々の構成要素について説明を行う。
反射ミラー110は、平面視で略円形に形成される。反射ミラー110は、重心位置が揺動軸線AR1上に位置するように、光スキャナ100の中心にミラー支持梁120によって保持される。
ミラー支持梁120は、反射ミラー110を両持ち支持するために、反射ミラー110の両側に一対を相対するように設けられる。ミラー支持梁120は、第1弾性梁121、第2弾性梁122、梁結合部123及び錘124を含む。y軸に平行に延設される第1弾性梁121は、揺動軸線AR1を含むようにして反射ミラー110に夫々連結される。梁結合部123は、第1弾性梁121に対して直交するように連結され、揺動軸線AR1に対して線対称になるようにx軸に平行に延設される。第2弾性梁122は、揺動軸線AR1に対して線対称になるように、一対をy軸に平行に延設される。第2弾性梁122は、一端において外枠部140に連結され、他端において梁結合部123に連結される。
第2弾性梁122は、拡幅部122aと、狭幅部122bとを含む。拡幅部122aは、外枠部140と第2弾性梁122との連結位置を起点として、第2弾性梁122の途中まで延設される拡幅された領域である。狭幅部122bは、その拡幅部122aよりも反射ミラー110側に位置し、拡幅部122aよりもx軸方向の幅が狭い領域である。拡幅部122aは、具体的には、狭幅部122bよりも揺動軸線AR1から離間する方向にx軸方向の幅が広がっている。そして、狭幅部122bのy軸に平行且つ揺動軸線AR1に近い側の辺と、拡幅部122aのy軸に平行且つ揺動軸線AR1に近い側の辺とは、同一直線上に位置する。拡幅部122aが設けられることで、圧電駆動部130に印加する駆動電圧を抑えつつ反射ミラー110の変位量を向上することができる。
平面視方向で正方形状の錘124は、拡幅部122aの外周に固定される。具体的には、錘124は、揺動軸線AR1に対して線対称になるように、拡幅部122aと一体として設けられる。錘124の線対称な配置は、ミラー支持梁120の重心位置を揺動軸線AR1上に保つので、反射ミラー110及びミラー支持梁120の安定した揺動駆動をもたらす。錘124は、さらに、揺動駆動に伴って拡幅部122aと狭幅部122bとの境界位置(図3に示される応力測定位置P1)において発生する応力の低減(応力集中の緩和)に効果を発揮する。
外枠部140は、反射ミラー110及びミラー支持梁120の周囲に、四角環状に配置される。即ち、外枠部114は、y軸に平行な一対の帯状部と、x軸に平行な一対の帯状部とで構成される。
圧電駆動部130は、反射ミラー110及びミラー支持梁120を揺動駆動させる。具体的には、圧電駆動部130は、拡幅部122aの上面から外枠部140に亘り形成される。圧電駆動部130は、拡幅部122aの上面を略全面に亘って覆う。圧電駆動部130は、後記する図2に示される様に、下部電極131、圧電素子132及び上部電極133を含む。下部電極131と上部電極133との間に電圧が周期的に印加されることにより、圧電素子132は分極してy軸方向に伸び縮む。圧電駆動部130が拡幅部122a及び外枠部140に固定されているので、圧電素子132のy軸方向の伸縮は、第2弾性梁122の光スキャナ100の厚み方向(図1における紙面垂直方向)への屈曲変位に変換される。この第2弾性梁122の屈曲変位は、結合部123を介して第1弾性梁121及び反射ミラー110を揺動させるための回転トルクに変換される。
[光スキャナ100の製造方法]
図2は、光スキャナ100の製造方法を説明する図である。まず、厚さ約30μm〜200μmの薄長矩形のシリコン基材上において、反射ミラー110、ミラー支持梁120及び外枠部140に対応する部分に、マスキングのためのレジスト膜が形成される。そして、レジスト膜が形成されたシリコン基材はエッチングされ、反射ミラー110、ミラー支持梁120及び外枠部140が形成される。最後に、レジスト膜が除去されることによって、光スキャナ100の外形が形成される(図2(a)の状態)。ここで、錘124は、シリコン基材を錘124に対応する形状に切り抜くことで、ミラー支持梁120と一体に形成される。
次に、下部電極131が、切り抜かれたシリコン基材の上に形成される(図2(b)の状態)。具体的には、下部電極131は、拡幅部122aの上面から外枠部140に亘り白金(Pt)や金(Au)等を0.2μm〜0.6μmの厚さで堆積することで形成される。この堆積には、例えばスパッタや蒸着等の製膜方法が用いられる。
次に、圧電素子132が、下部電極131の上に形成される(図2(c)の状態)。具体的には、圧電素子132は、拡幅部122aの上面から外枠部140に亘り、下部電極131上にPZT等の圧電素子を1μm〜3μmの厚さで堆積することで形成される。この堆積には、例えばナノサイズの微粒子を吹付けることによって成膜を行うエアロゾルデポジション法(例えば、特開2007−91416号公報を参照)等の製膜方法が用いられる。
最後に、上部電極133が、圧電素子132の上に形成される(図2(d)の状態)。具体的には、上部電極133は、拡幅部122aの上面から外枠部140に亘り、圧電素子132の上に白金(Pt)や金(Au)等を0.2μm〜0.6μmの厚さで堆積することで形成される。この堆積には、下部電極131の場合と同様に、スパッタや蒸着等の製膜方法が用いられる。
[シミュレーションデータの説明]
本実施形態においては、錘124が設けられることによって、揺動駆動時に拡幅部122aと狭幅部122bとの境界位置(図3に示される応力測定位置P1)において発生する応力を低減すること(応力集中の緩和)ができる。ここでは、錘124が設けられる位置と、応力低減の度合との関係を調べる。
図3は、光スキャナ100のミラー支持梁120近辺を拡大した図である。図3において、錘124は、拡幅部122aのx軸に平行な辺に設けられる。拡幅部122aのy軸に平行且つ揺動軸線AR1から遠い側の辺と、狭幅部122bのy軸に平行且つ揺動軸線AR1から遠い側の辺とのx軸方向の距離を、距離W1と表記する。また、拡幅部122aのy軸に平行且つ揺動軸線AR1から遠い側の辺と、錘124とのx軸方向の距離を、距離W2と表記する。今、距離W2を変化させて、応力測定位置P1(拡幅部122aと狭幅部122bとの境界位置)における応力の変化をシミュレーションによって調べる。尚、本実施形態の光スキャナ100において、具体的な一例として、距離W1は600μmであり、錘124のx軸方向及びy軸方向の幅W3は200μmである。
図4(a)は、距離W2を変化させて、応力測定位置P1における応力の変化をシミュレーションによって調べた結果を示す図である。図4(a)の結果をグラフとして示した図4(b)は、縦軸が応力測定位置P1における応力の値、横軸が距離W2の値である。図4(b)において、距離W2が0μm、150μm、300μmの場合における応力測定位置P1における応力の値が黒点で示され、ミラー支持梁120に錘124が設けられない場合の、応力測定位置P1における応力の値が点線で示される。参考までに、ミラー支持梁120に錘124が設けられない場合、応力測定位置P1における応力の値は1450.3MPaであった。図4より明らかに、錘124が拡幅部122aのx軸に平行な辺に設けられることによって、応力測定位置P1における応力が錘124が設けられない場合よりも低減される(応力集中の緩和)。詳細には、距離W2の値が小さいほど、即ち錘124が狭幅部122bに対して揺動軸線AR1から遠ざかるようにx軸方向に離間するほど、応力測定位置P1における応力はより低減される。そして、錘124が狭幅部122bに対してx軸方向に最も離間される位置に設けられることで、応力測定位置P1における応力は最小となる。尚、x軸方向は、外枠部140の厚み方向及び第2弾性梁122長手方向の両方向と直交する方向に一致する。
<第2の実施形態>
図5は、図3と同様に、光スキャナ100のミラー支持梁120近辺を拡大した図である。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、錘124が、拡幅部122aのy軸に平行且つ揺動軸線AR1から遠い側の辺に設けられる点である。拡幅部122aのx軸に平行な辺と外枠部140とのy軸方向の距離を距離W4、拡幅部122aのx軸に平行な辺と錘124とのy軸方向の距離を距離W5とそれぞれ表現する。今、距離W5を変化させて、応力測定位置P1における応力の変化をシミュレーションによって調べる。尚、本実施形態の光スキャナ100において、具体的な一例として、距離W4は840μmである。
図6(a)は、距離W5を変化させて、応力測定位置P1における応力の変化をシミュレーションによって調べた結果を示す図である。図6(a)の結果をグラフとして示した図6(b)は、縦軸が応力測定位置P1における応力の値、横軸が距離W5の値である。図6(b)において、距離W5が0μm、200μm、400μm、500μmの場合における応力測定位置P1における応力の値が黒点で示され、ミラー支持梁120に錘124が設けられない場合における応力測定位置P1における応力の値が点線で示される。応力測定位置P1における応力は、図4(b)に示されるデータと同様に、距離W5の値が小さいほど、即ち錘124が外枠部140からy軸方向に離間するほど、応力測定位置P1における応力はより低減される。そして、錘124が、外枠部140に対して第2弾性梁122の長手方向(即ち、y軸方向)に最も離間される位置に設けられる場合、応力測定位置P1における応力は最小となる。しかしながら、錘124が設けられる位置によっては、応力測定位置P1における応力が、錘124が設けられない場合の応力よりも大きくなる場合もある。詳細には、距離W5の値が0μmから400μmまでの場合、応力測定位置P1における応力は、錘124が設けられない場合の応力よりも小さい。一方、距離W5の値が400μm以上の場合、応力測定位置P1における応力は、錘124が設けられない場合の応力より上回る。
第1の実施形態及び本実施形態において説明したように、錘124が拡幅部122aのx軸に平行な辺に設けられる場合(図3参照)、応力測定位置P1における応力は、錘124が設けられない場合の応力よりも低減される。一方、錘124が拡幅部122aのy軸に平行な辺であって、揺動軸線AR1から遠い側の辺に設けられる場合(図5参照)、錘124が拡幅部122aの長手方向における中間位置よりも反射ミラー110に近い位置に設けられる場合、より具体的には、距離W5の値が0μmから400μmまでの場合、応力測定位置P1における応力は、錘124が設けられない場合の応力よりも低減される。そして、図4及び図6に示されるデータより明らかに、錘124が、揺動軸線AR1に対してx軸方向に最も離間され、且つ外枠部140に対して第2弾性梁122の長手方向(即ち、y軸方向)に最も離間される場合、応力測定位置P1における応力が最も低減される。
<第3の実施形態>
[光スキャナ200の構成]
図7は、本発明第3の実施形態に係る光スキャナ200のミラー支持梁220近辺の拡大図である。光スキャナ200は、反射ミラー210、ミラー支持梁220、圧電駆動部230及び外枠部240を含む。ミラー支持梁220は、第1弾性梁221、第2弾性梁222、梁結合部223及び錘224を含む。第2弾性梁222は、拡幅部222aと、狭幅部222bとを含む。本実施形態における光スキャナ200と前記した第1及び第2の実施形態における光スキャナ100との差異は、拡幅部222aの形状及び錘224の設けられる位置のみである。従って、図7を用いて拡幅部222aの形状及び錘224の説明を行うだけに留め、光スキャナ200の他の構成要素の説明は省略する。
拡幅部222aは、第1及び第2の実施形態における拡幅部122aとは異なり、狭幅部222bよりも揺動軸線AR2に近づく方向にx軸方向の幅が広がっている。そして、狭幅部222bのy軸に平行且つ揺動軸線AR2から遠い側の辺と、拡幅部222aのy軸に平行且つ揺動軸線AR2から遠い側の辺とは、同一直線上に位置する。
錘224は、揺動軸線AR2に対して線対称になるように、拡幅部222aと一体として設けられる。錘224は、拡幅部222aのy軸に平行且つ揺動軸線AR2から遠い側の辺に設けられる。換言すれば、錘224は、揺動軸線AR2に対して、狭幅部222bよりも外側に離間する。また、本実施形態において錘224が設けられる位置は、拡幅部222aの長手方向における中間位置よりも、反射ミラー220側に近い。より具体的には、錘224は、外枠部240に対して第2弾性梁222の長手方向(即ち、y軸方向)に最も離間される位置に設けられる。換言すれば、拡幅部222aのx軸に平行な辺の延長線が、錘224のy軸正方向側の辺と重なる。
[シミュレーションデータの説明]
図8は、本実施形態において、応力測定位置P2における応力の値を示す図である。ここで、応力測定位置P2は、第1及び第2の実施形態における応力測定位置P1と同様に、拡幅部222aと狭幅部222bとの境界位置である。尚、本実施形態の光スキャナ200において、具体的な一例として、拡幅部222aのx軸に平行な辺と外枠部240とのy軸方向の距離W10は840μmであり、錘224のx軸方向及びy軸方向の幅は、第1及び第2の実施形態における錘124と同じく200μmである。
図8に示されるように、錘224が図7に示される位置に設けられる場合、応力測定位置P2における応力の値は、1136.5MPaであった。一方、ミラー支持梁220に錘224が設けられない場合、応力測定位置P2における応力の値は1252.0MPaであった。従って、錘224が設けられることによって、応力測定位置P2における応力が低減される。
<第4の実施形態>
[光スキャナ300の構成]
図9は、本発明第4の実施形態に係る光スキャナ300のミラー支持梁320近辺の拡大図である。光スキャナ300は、反射ミラー310、ミラー支持梁320、圧電駆動部330及び外枠部340を含む。ミラー支持梁320は、第1弾性梁321、第2弾性梁322、梁結合部323及び錘324を含む。第2弾性梁322は、拡幅部322aと、狭幅部322bとを含む。本実施形態における光スキャナ300と、第1及び第2の実施形態における光スキャナ100との差異は、拡幅部322aの形状及び錘324の設けられる位置のみである。従って、図9を用いて拡幅部322aの形状及び錘324の説明を行うだけに留め、光スキャナ300の他の構成要素の説明は省略する。
拡幅部322aは、第1及び第2の実施形態における拡幅部122aとは異なり、狭幅部322bよりも揺動軸線AR3に近づく方向と、遠ざかる方向との両方向にx軸方向の幅が広がっている。
錘324は、揺動軸線AR3に対して線対称になるように、拡幅部322aと一体として設けられる。錘324は、拡幅部322aのx軸に平行且つ揺動軸線AR3から遠い側の辺に設けられる。具体的には、錘324は、揺動軸線AR3に対して、狭幅部322bよりも外側に最も離間する位置に設けられる。換言すれば、拡幅部322aのy軸に平行且つ揺動軸線AR3から遠い側の辺の延長線が、錘324のy軸に平行且つ揺動軸線AR3から遠い側の辺と重なる。
[シミュレーションデータの説明]
図10は、本実施形態において、応力測定位置P3における応力の値を示す図である。ここで、応力測定位置P3は、第1及び第2の実施形態における応力測定位置P1と同様に、拡幅部322aと狭幅部322bとの境界位置である。今、応力測定位置P3における応力の値をシミュレーションによって調べる。尚、本実施形態の光スキャナ300において、具体的な一例として、拡幅部322aのy軸に平行且つ揺動軸線AR3から遠い側の辺と、狭幅部322bのy軸に平行且つ揺動軸線AR3から遠い側の辺とのx軸方向の距離W8は400μmであり、錘324のx軸方向及びy軸方向の幅は、第1及び第2の実施形態における錘124と同じく200μmである。
図10に示されるように、錘324が図9に示される位置に設けられる場合、応力測定位置P3における応力の値は1093.2MPaであった。一方、ミラー支持梁320に錘324が設けられない場合、応力測定位置P3における応力の値は1150.4MPaであった。従って、応力測定位置P3における応力の値は、錘324が揺動軸線AR3に対して狭幅部322bよりもx軸方向に離間した位置に設けられることによって、ミラー支持梁320に錘324が設けられない場合よりも低減される。
<第1の比較例>
図11は、第1の比較例に係る、光スキャナ200のミラー支持梁220近辺の拡大図である。本比較例と第3の実施形態との差異は、錘224の設けられる位置のみである。従って、図11を用いて錘224が設けられる位置の説明を行うだけに留め、光スキャナ200の他の構成要素の説明は省略する。
錘224は、揺動軸線AR2に対して線対称になるように、拡幅部222aと一体として設けられる。具体的には、錘224は、拡幅部222aのx軸に平行な辺に設けられる。換言すれば、錘224は、揺動軸線AR2に対して、狭幅部222bよりもx軸方向に近い場所に位置する。
[シミュレーションデータの説明]
錘224が設けられる位置と、応力測定位置P2における応力の値との関係を、図11及び図12を用いて説明する。拡幅部222aのy軸に平行且つ揺動軸線AR2に近い側の辺と、狭幅部222bのy軸に平行且つ揺動軸線AR2に近い側の辺とのx軸方向の距離を、距離W6と表記する。また、拡幅部222aのy軸に平行且つ揺動軸線AR2に近い側の辺と、錘224とのx軸方向の距離を、距離W7と表記する。今、距離W7を変化させて、応力測定位置P2における応力の変化をシミュレーションによって調べる。尚、本比較例の光スキャナ200において、具体的な一例として、距離W6は560μmである。
図12(a)は、距離W7を変化させて、応力測定位置P2における応力の変化をシミュレーションによって調べた結果を示す図である。図12(a)の結果をグラフとして示した図12(b)は、縦軸が応力測定位置P2における応力の値、横軸が距離W7の値である。図12(b)において、距離W7が0μm、100μm、200μmの場合における応力測定位置P2における応力の値が黒点で示され、ミラー支持梁220に錘224が設けられない場合の、応力測定位置P2における応力の値が点線で示される。ミラー支持梁220に錘224が設けられない場合、応力測定位置P2における応力の値は、第3の実施形態において前記した様に1252.0MPaであった。本比較例においては、第3の実施形態とは異なり、拡幅部222aのx軸に平行な辺に錘224が設けられることによって、応力測定位置P2における応力が、錘224が設けられない場合よりも増加する。
<第2の比較例>
図13は、第2の比較例に係る、光スキャナ300のミラー支持梁320近辺の拡大図である。本比較例と第4の実施形態との差異は、錘324が設けられる位置のみである。従って、図13を用いて錘324が設けられる位置の説明を行うだけに留め、光スキャナ300の他の構成要素の説明は省略する。
錘324は、拡幅部322aのx軸に平行且つ揺動軸線AR3に近い側の辺に設けられる。具体的には、錘324は、揺動軸線AR3に対して、狭幅部322bよりも内側に最も近づく位置に設けられる。換言すれば、拡幅部322aのy軸に平行且つ揺動軸線AR3から近い側の辺の延長線が、錘324のy軸に平行且つ揺動軸線AR3から近い側の辺と重なる。
図14は、錘324が光スキャナ300に設けられる場合と、設けられない場合とにおいて、応力測定位置P3における応力の違いを示す図である。今、応力測定位置P3における応力の値をシミュレーションによって調べる。尚、本実施形態の光スキャナ300において、具体的な一例として、拡幅部322aのy軸に平行且つ揺動軸線AR3に近い側の辺と、狭幅部322bのy軸に平行且つ揺動軸線AR3に近い側の辺とのx軸方向の距離W9は400μmである。
図14に示されるように、錘324が図13に示される位置に設けられる場合、応力測定位置P3における応力の値は1153.2Mpaであった。一方、ミラー支持梁320に錘324が設けられない場合、応力測定位置P3における応力の値は、第4の実施形態と同様に1150.4Mpaであった。本比較例においては、第4の実施形態とは異なり、拡幅部322aのx軸に平行且つ揺動軸線AR3に近い側の辺に錘324が設けられることによって、応力測定位置P3における応力が、錘324が設けられない場合よりも増加する。
前記した実施形態においては、錘が設けられることによって、応力の低減が確認された。一方、前記した比較例においては、錘が設けられることによって、応力の増加が確認された。ここでは、この違いについて考察する。前記した実施形態において、錘は、揺動軸線に対して、常に狭幅部よりもx軸方向に離間した状態にある。一方、前記した比較例において、錘は、揺動軸線に対して、常に狭幅部よりもx軸方向に近い状態にある。従って、拡幅部と狭幅部との境界位置(応力測定位置)における応力が、錘が設けられない場合よりも低減されるためには、錘が、揺動軸線に対して、狭幅部よりもx軸方向に離間した状態にあることが必要となる。
<第5の実施形態>
前記した第1〜第4の実施形態における光スキャナ100,200,300は、画像表示装置1に用いることが可能である。図15は、画像表示装置1の全体構成について説明する図である。画像表示装置1は、観察者の瞳孔52に光束を入射させて網膜54上に画像を投影することによって、観察者に虚像を視認させる装置である。この装置は、網膜走査型ディスプレイともいわれる。
画像表示装置1は、光束生成手段2、光ファイバ19、コリメート光学系20、光スキャナ100、第1リレー光学系22、垂直走査部23及び第2リレー光学系24を備える。光束生成手段2は、映像信号処理回路3、光源部30及び光合波部40で構成される。尚、光スキャナ100の代わりに、光スキャナ200又は光スキャナ300が用いられても差し支えない。但し、前記した比較例における光スキャナが用いられるのは望ましくない。映像信号処理回路3は、外部から供給される映像信号に基づいて、画像を合成するための要素となるB信号、G信号、R信号、水平同期信号及び垂直同期信号を発生する。
光源部30は、Bレーザドライバ31、Gレーザドライバ32、Rレーザドライバ33、Bレーザ34、Gレーザ35及びRレーザ36を備える。Bレーザドライバ31は、映像信号処理回路3からのB信号に応じた強度の青色の光束を発生させるように、Bレーザ34を駆動する。Gレーザドライバ32は、映像信号処理回路3からのG信号に応じた強度の緑色の光束を発生させるように、Gレーザ35を駆動する。Rレーザドライバ33は、映像信号処理回路3からのR信号に応じた強度の赤色の光束を発生させるように、Rレーザ36を駆動する。Bレーザ34,Gレーザ35及びRレーザ36は、例えば半導体レーザや高調波発生機構付き固体レーザを用いて構成できる。
光合波部40は、コリメート光学系41,42,43と、このコリメートされたレーザ光を合波するためのダイクロイックミラー44,45,46と、合波されたレーザ光を光ファイバ19に導く集光光学系47とを備える。Bレーザ34から出射した青色レーザ光は、コリメート光学系41によって平行光化された後に、ダイクロイックミラー44に入射する。Gレーザ35から出射した緑色レーザ光は、コリメート光学系42によって平行光化された後に、ダイクロイックミラー45に入射する。Rレーザ36から出射した赤色レーザ光は、コリメート光学系43によって平行光化された後に、ダイクロイックミラー46に入射する。ダイクロイックミラー44,45,46にそれぞれ入射した3原色のレーザ光は、波長選択的に反射または透過されて1本の光束として合成され、集光光学系47に達する。1本の光束として合成されたレーザ光は、集光光学系47によって集光され、光ファイバ19へ入射する。
水平走査ドライバ61は、映像信号処理回路3からの水平同期信号に従って、光スキャナ100を駆動する。垂直走査ドライバ62は、映像信号処理回路3からの垂直同期信号に従って、垂直走査スキャナ23を駆動する。レーザ光は、光スキャナ100及び垂直走査スキャナ23の走査によって、水平方向と垂直方向とに走査された光束として変換され、画像として投影可能な状態になる。具体的には、光ファイバ19から出射したレーザ光は、コリメート光学系20によって平行光に変換された後に、光スキャナ100に導かれる。光スキャナ100によって水平方向に走査されたレーザ光は、第1リレー光学系22を通過した後に、垂直走査スキャナ23に平行光線として入射する。このとき、第1リレー光学系22によって、垂直走査スキャナ23の位置に光学瞳が形成される。垂直走査スキャナ23によって垂直方向に走査されたレーザ光は、第2リレー光学系24を通過した後に、観測者の瞳孔52に平行光線として入射する。このとき、第2リレー光学系24によって、観測者の瞳孔52と垂直走査スキャナ23の位置にある光学瞳とが共役となる。
<変形例>
本発明は、今までに述べた実施形態に限定されることは無く、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形・変更が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
前記した実施形態において、反射ミラー及びミラー支持梁は、圧電素子を含む圧電駆動部によって揺動駆動される。しかし、これ以外の駆動機構によって反射ミラー及びミラー支持梁が揺動駆動されても良い。例えば、特許文献1の図2に示される様に、反射ミラーの裏面とベース台の上面とに一対の電極が設けられることによって、クーロン力を利用して反射ミラーを揺動駆動する静電駆動方式が採用されても良い。あるいは、特許文献1の図7に示される様に、反射ミラーの裏面にコイルが、ベース台の上面に永久磁石が夫々設けられることによって、磁力を利用して反射ミラーを揺動駆動する電磁駆動方式が採用されても良い。これらの場合、光スキャナが固定されるベース台が、別途設けられれば良い。
前記した実施形態において、外枠部は、反射ミラー及びミラー支持梁の周囲に、四角環状に配置される。しかし、他の形状によって外枠部が構成されても良い。例えば、円環状、多角環状等、種々の形状が適用可能である。さらに言えば、第2弾性梁の長手方向に平行な辺を有さずに、第2弾性梁が一端において接続されるための、第2弾性梁の長手方向に直交する辺のみで外枠部が構成されてよい。要は、外枠部は、第2弾性梁の一端を固定端とするために、第2弾性梁が一端において接続されるための構成を含んでいれば良い。
前記した実施形態において、ミラー支持梁は、第1弾性梁、第2弾性梁、梁結合部及び錘を含む。しかし、第1弾性梁及び梁結合部が存在しない形状であっても良い。図16は、ミラー支持梁の変形例を示す図である。光スキャナ400の外形は、前記した実施形態と同様に、反射ミラー410、ミラー支持梁420及び外枠部440で構成される。また、光スキャナ400には、反射ミラー410及びミラー支持梁420を揺動駆動させるための圧電駆動部430が設けられる。しかし、光スキャナ400は、第1弾性梁及び結合部がミラー支持梁420に含まれない点において、前記した実施形態と相違する。支持梁420は、y軸に平行に延設される一対の第2弾性梁422及び錘424によって構成される。即ち、反射ミラー410と外枠部440とは、一対の第2弾性梁422によって連結される。
前記した実施形態において、一対の第2弾性梁は、揺動軸線に平行に延設される。しかし、第2弾性梁の配置は他の形式であっても良い。例えば、特開2006−195290号公報の図2に開示されるように、一対の第2弾性梁は、外枠部と第2弾性梁との連結部から反射ミラーに向うに従って、互いの間隔が狭まるように配置されても良い。あるいは、特開2007−268374号公報の図2に開示されるように、一対の第2弾性梁は、揺動軸線に直交する方向に延在するように配置されても良い。
1 画像表示装置
2 光束生成手段
3 映像信号処理回路3
19 光ファイバ
20,41,42,43 コリメート光学系
22 第1リレー光学系
23 垂直走査スキャナ
24 第2リレー光学系
30 光源部
31 Bレーザドライバ
32 Gレーザドライバ
33 Bレーザドライバ
34 Bレーザ
35 Gレーザ
35 Rレーザ
40 光合波部
44,45,46 ダイクロイックミラー
47 集光光学系
52 観察者の瞳孔
54 観察者の網膜
61 水平走査ドライバ
62 垂直走査ドライバ
100,200,300,400,500,600 光スキャナ
110,210,310,410,511,610 反射ミラー
120,220,320,420,620 ミラー支持梁
121,221,321,512,621 第1の梁部
122,222,322,422,513,622 第2の梁部
122a,222a,322a,422a,622a 広幅部
122b,322b,322b,422b,622b 狭幅部
123,223,323,623 梁結合部
124,224,324,424 錘
140,240,340,440,514,640 外枠部
130,230,330,430,530,630 圧電駆動部
131 下部電極
132 圧電素子
133 上部電極
510 基体部
520 台座
521 固定部
AR1,AR2,AR3,AR4 揺動軸線
P1,P2,P3 応力評価位置

Claims (4)

  1. 揺動軸線の周りに揺動され、入射した光を所定方向に走査する反射ミラーと、
    揺動軸線に対して対称な一対の梁部を含み、その一端が前記反射ミラーに連結された支持梁と、
    前記一対の梁部を介して前記支持梁の他端に連結される外枠部と、
    前記反射ミラー及び前記支持梁を揺動駆動させるための駆動部とを備え、
    前記一対の梁部は、
    前記外枠部と前記一対の梁部との連結位置を起点として、前記外枠部の厚み方向及び前記一対の梁部の長手方向の両方向と直交する方向に拡幅される拡幅部と、
    前記拡幅部よりも前記反射ミラー側に位置し、前記拡幅部よりも幅が狭い狭幅部と、
    前記拡幅部の外周であって、揺動軸線に対して前記狭幅部よりも外側に離間し、且つ前記拡幅部の長手方向における中間位置よりも前記反射ミラー側に近い位置に、揺動軸線に対して対称になるように固定される錘とを有する、
    ことを特徴とする光スキャナ。
  2. 前記錘は、前記外枠部に対して、前記一対の梁部の長手方向に最も離間される位置に固定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光スキャナ。
  3. 前記一対の梁部は、揺動軸線に沿って設けられ、
    前記錘は、前記狭幅部に対して、前記外枠部の厚み方向及び前記一対の梁部の長手方向の両方向と直交する方向に最も離間される位置に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光スキャナ。
  4. 光を走査して画像を形成するための、請求項1〜3の何れか1項に記載の光スキャナと、
    その光スキャナに光を供給するための光源と、
    前記光スキャナによって走査された光を使用者の目に導く接眼光学系とを備える、
    ことを特徴する画像表示装置。
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